(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係る空調制御システム10を、図1〜11を参照して説明する。図1に示す空調制御システム10は、制御装置11と、4台の無線子機14−1〜14−4と、6台の空調制御機器15−1〜15−6と、から構成される。
制御装置11は、無線子機14−1〜14−4が有するセンサ部で測定された測定値(雰囲気温度)を含む測定データを取得する。制御装置11は、取得した測定データで示される雰囲気温度に応じて、例えばダンパである空調制御機器15−1〜15−6を制御して、室内の温度を制御する。
制御装置11は、統合コントローラ部12と、無線親機部13と、を備えている。統合コントローラ部12は、無線親機部13および空調制御機器15−1〜15−6に、通信線L1を介して接続されている。統合コントローラ部12は、無線親機部13と通信線L2を介して通信を行う。また、統合コントローラ部12は、空調制御機器15−1〜15−6を制御して、例えば室内の温度を制御する。
無線親機部13は、無線子機14−1〜14−4と無線通信を行う。無線親機部13は、無線子機14−1〜14−4から雰囲気温度を含む測定データを、無線通信で取得する。無線親機部13は、測定データを取得すると、取得した測定データを、統合コントローラ部12に出力する。
無線子機14−1〜14−4は、それぞれ、雰囲気温度を測定するセンサ部を備え、センサ部で取得した雰囲気温度を示す測定データを、予め定められた周期が経過する度に、無線親機部13に送信する。
空調制御機器15−1〜15−6は、例えば、モータで風量を制御するモータダンパから構成される。空調制御装置15−1〜15−6は、統合コントローラ部12から出力された制御信号に応じて、図示しない空調装置から室内に放出される風量を制御する。
上述した制御装置11、無線子機14−1〜14−4および空調制御機器15−1〜15−6を室内Rに配置した例を、図2に示す。図2は、制御装置11、無線子機14−1〜14−4および空調制御機器15−1〜15−6を、室内Rの床から見た場合を示している。
制御装置11は、室内Rの側壁に配置されている。
無線子機14−1は、空調制御機器15−1に最も近い位置に配置されている。無線子機14−2は、空調制御機器15−2および空調制御機器15−3に最も近い位置に配置されている。
無線子機14−3は、空調制御機器15−4に最も近い位置に配置されている。無線子機14−4は、空調制御機器15−5および空調制御機器15−6に最も近い位置に配置されている。
制御装置11のブロック図は、図3に示す通りである。統合コントローラ部12は、制御部121と、記憶部122と、時間管理部123と、ユーザインタフェイス部124と、空調制御機器用インタフェイス部125と、無線親機部用インタフェイス部126と、を備えている。
制御部121は、統合コントローラ部12の制御を行う。制御部121は、MPU(Micro-Processing Unit)と、ROM(Read only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えている。
MPUは、ROMに格納されたプログラム(例えば、後述する図7および図8に示す処理を実現するプログラム)を実行する。
記憶部122は、例えばフラッシュメモリから構成される。記憶部122は、受信データ記憶部122aを備えている。受信データ記憶部122aには、無線子機14−1〜14−4から取得された測定データが記憶される。
時間管理部123は、予め定められた期間を計測する例えばタイマから構成される。時間管理部123は、予め定められた期間が経過する度に、制御部121に、時間が経過したことを示す信号を出力する。制御部121は、この信号を受信すると、無線親機部13に、データ要求信号を出力する。無線親機部13は、データ要求信号を受信すると、自機に記憶されている測定データ(無線子機14−1〜14−4から取得した測定データ)を、統合コントローラ部12に出力する。
ユーザインタフェイス部124は、例えば、キーボードである。ユーザインタフェイス部124の操作で、ユーザは、無線子機14−1〜14−4と、空調制御機器15−1〜15−6との対応付けを行うことができる。例えば、無線子機14−1と空調制御機器15−1とが対応付けられた場合、制御部121は、無線子機14−1から送信された測定データが示す雰囲気温度に応じて、空調制御機器15−1を制御する。
本実施の形態の場合、制御装置11、無線子機14−1〜14−4および空調制御機器15−1〜15−6が、図2に示すように配置されている。よって、ユーザは、無線子機14−1と、無線子機14−1に対して最も近くに配置されている空調制御機器15−1と、を対応付ける。また、ユーザは、無線子機14−2と、無線子機14−2に対して最も近くに配置されている空調制御機器15−2および空調制御機器15−3と、を対応付ける。また、ユーザは、無線子機14−3と、無線子機14−3に対して最も近くに配置されている空調制御機器15−4と、を対応付ける。そして、ユーザは、無線子機14−4と、無線子機14−4に対して最も近くに配置されている空調制御機器15−5および空調制御機器15−6と、を対応付ける。
図3に示す空調制御機器用インタフェイス部125は、空調制御機器15−1〜15−6と通信する。
無線親機部用インタフェイス部126は、無線親機部13(統合コントローラ部用インタフェイス部133)と通信する。
無線親機部13は、制御部131と、記憶部132と、統合コントローラ部用インタフェイス部133と、時間管理部134と、無線通信用インタフェイス部135と、ユーザインタフェイス部136と、を備えている。
制御部131は、無線親機部13の制御を行う。制御部131は、MPUと、ROMと、RAMと、を備えている。
MPUは、ROMに格納されたプログラム(例えば、後述する図9および図10に示す処理を実現するプログラム)を実行する。
また、MPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより、制御部131は、周期延長部131aと、値推定部131bと、追加部131cと、の機能を実現する。
周期延長部131aは、無線子機14−1〜14−4のそれぞれから送信された測定データの送信回数に基づいて、無線子機14−1〜14−4のそれぞれに電力を供給する電源部(一次電池)の残量が予め定められた量以下であると判定した無線子機14については、測定データを送信する周期を、予め定められた周期よりも長い周期に延長する。
値推定部131bは、測定データを送信する周期が周期延長部131aで延長された無線子機14の、延長前の周期における測定値(現在の測定値)に相当する推定値を、推定する。
値推定部131bで推定値を推定する理由を説明する。
まず、無線子機14−1〜14−4は、図5に示すように、デフォルト期間T2が経過すると、スリープ状態から動作状態に移行し、無線子機14−1〜14−4が有するセンサ部で測定された雰囲気温度を含む測定データを、動作期間T1内に、制御装置11に送信する。
そして、無線子機14−1〜14−4は、動作期間T1が経過すると、再び、動作状態からスリープ状態に移行する。スリープ状態とは、デフォルト期間T2が経過したか否かを判定する機能が動作しており、他の機能は停止している状態(例えば、非通電状態)であることを示す。また、動作期間T1は、スリープ状態から動作状態に移行した場合、動作状態を維持する期間を示す。
例えば、周期延長部131aは、無線子機14−1が測定データを送信した回数が閾値を超えたと判定すると、無線子機14−1に電力を供給する電源部(一次電池)の残量が、予め定められた量以下になっているので、無線子機14−1で消費される電力を抑制するために、無線子機14−1に信号を送信して、測定データを送信する周期を、デフォルト期間T2から、デフォルト期間T2よりも長い設定期間T3に延長する。
すると、無線子機14−1は、設定期間T3が経過する度に、測定データを送信する。つまり、無線子機14−1は、デフォルト期間T2毎に測定データを送信しない。
このため、制御装置11は、無線親機部13に記憶された測定データを取得期間T4毎に取得することで、測定データを送信する周期が延長されなかった無線子機14−2〜14−4からは、デフォルト期間T2毎に送信された測定データを取得できる。しかし、制御装置11は、無線子機14−1からは、設定期間T3毎に送信された測定データしか取得できない。つまり、無線子機14−1から取得した測定データの数が、無線子機14−2〜14−4から取得した測定データの数に比べて、少ない。
これを補うために、値推定部131bは、測定データを送信する周期がデフォルト期間T2のままである無線子機14−2〜14−4から送信された取得データで示される雰囲気温度に基づいて、無線子機14−1でデフォルト期間T2に測定される雰囲気温度に相当する推定値を推定する。この推定値を測定データに含めることで、統合コントローラ部12は、測定値を取得した場合と同様の制御ができる。
よって、空調制御システム10は、空調制御機器15の制御の品質を維持した上で、無線子機14の電源部の残量が予め定められた量以下になった場合、無線子機14が測定データを送信する回数を、デフォルト期間T2に設定されているときよりも、抑制することができる。従って、空調制御システム10によれば、空調制御機器15の制御の品質を維持した上で、無線子機14の電源部の残量が予め定められた量以下になった場合、無線子機14で消費される電力を、デフォルト期間T2に設定されているときよりも、抑制することができる。
上述した値推定部131bの推定値の推定を、図6を参照して説明する。図6では、例えば、無線子機14−1の測定データの送信回数が閾値を超えたため、無線子機14−1が測定データを送信する周期が、デフォルト期間T2から、設定期間T3に延長され、その直後に、推定値が推定される場合を説明する(無線子機14−2〜14−4が測定データを送信する周期は、デフォルト期間T2である)。
また、図6の説明では、値推定部131bは、推定値の推定に先立ち、無線子機14−1が配置されている位置に対して隣になる位置に配置されている無線子機14−2,14−3を(図2参照)、無線子機14−2〜14−4から特定(選択)する。そして、値推定部131bは、特定した無線子機14−2,14−3から取得した取得データに含まれる最新の雰囲気温度に基づいて、無線子機14−1で測定される雰囲気温度に相当する推定値を推定する。
値推定部131bは、無線子機14−1〜14−4から受信した測定データを記憶する記憶部132に記憶されている測定データ(送信開始からの経過時間と測定値と空調装置の設定温度とが対応付けられている測定データ)から、無線子機14−1〜14−3の測定データを取得する。そして、値推定部131bは、無線子機14−1〜14−3の経過時間に対する測定値(雰囲気温度)の変化と、そのときの設定温度と、から、現在の設定温度における測定値の時間推移を示す関数を、無線子機14−1〜14−3のそれぞれで、求める。
そして、値推定部131bは、無線子機14−2に対応する関数に、無線子機14−2から取得した測定データに含まれる最新の測定値(雰囲気温度)を代入して、無線子機14−2が測定データの送信を開始してからの経過時間を求める。また、値推定部131bは、無線子機14−3に対応する関数に、無線子機14−3から取得した測定データに含まれる最新の測定値(雰囲気温度)を代入して、無線子機14−3が測定データの送信を開始してからの経過時間を求める。
そして、値推定部131bは、無線子機14−3が測定データの送信を開始してからの経過時間から、無線子機14−2が測定データの送信を開始してからの経過時間を減算して、無線子機14−3が測定データを送信してから、無線子機14−2が測定データを送信するまでの期間aを求める。
値推定部131bは、求めた期間aを、無線子機14−2が測定データの送信を開始してからの経過時間に加算する。そして、値推定部131bは、加算後の時間を、無線子機14−1に対応する関数に代入して、無線子機14−1でデフォルト期間T2に測定される雰囲気温度に相当する推定値を推定する。
図3に示す追加部131cは、推定値を測定データに追加する。つまり、追加部131cは、測定データを推定値で補完する。制御部131は、推定値を追加した測定データを、統合コントローラ部12に出力する。
記憶部132は、例えばフラッシュメモリから構成される。記憶部132は、受信データ記憶部132aと、位置情報記憶部132bと、推定値記憶部132cと、を備えている。
受信データ記憶部132aには、無線子機14−1〜14−4から取得した測定データが記憶される。
位置情報記憶部132bには、無線子機14−1〜14−4が配置された位置を示す位置情報(例えば、室内Rの壁面に割り当てられた座標で示される値)が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で入力された場合、入力された位置情報が、無線子機14−1〜14−4を特定可能な情報(例えば、無線子機14の名称)と共に記憶される。
位置情報記憶部132bに記憶された位置情報は、測定データを送信する期間が設定周期T3に延長された無線子機14の配置の位置に対して隣になる位置に配置されている無線子機14を、値推定部131bが選択する際に利用される。
推定値記憶部132cは、値推定部131bで推定された推定値が記憶される。
統合コントローラ部用インタフェイス部133は、統合コントローラ部12(無線親機部用インタフェイス部126)と通信する。
時間管理部134は、デフォルト期間T2を計測する例えばタイマである。時間管理部134は、デフォルト期間T2が経過する度に、制御部131に、時間が経過したことを示す信号を出力する。制御部131(値推定部131b)は、この信号を受信すると、測定データの送信の周期が設定期間T3に延長されている無線子機14があれば、期間が延長された無線子機14でデフォルト期間T2経過の際に測定される雰囲気温度に相当する推定値を推定する。
無線通信用インタフェイス部135は、無線子機14−1〜14−4と無線通信する。
ユーザインタフェイス部136は、例えば、キーボードである。ユーザインタフェイス部136の操作で、ユーザは、無線子機14−1〜14−4の位置情報の入力を行うことができる。
無線子機14−1〜14−4のブロック図は、図4に示す通りである。無線子機14−1〜14−4は、制御部141と、記憶部142と、時間管理部143と、無線通信用インタフェイス部144と、センサ部145と、ユーザインタフェイス部146と、電源部147と、を備えている。
制御部141は、無線子機14の制御を行う。制御部141は、図示しないMPUと、ROMと、RAMと、を備えている。
MPUは、ROMに格納されたプログラム(例えば、後述する図11に示す処理を実現するプログラム)を実行する。
記憶部142は、例えばフラッシュメモリから構成される。記憶部142は、測定データ記憶部142aを備えている。測定データ記憶部142aは、センサ部145で測定した雰囲気温度を含む測定データが記憶される。
時間管理部143は、デフォルト期間T2を計測する例えばタイマから構成される。なお、時間管理部143は、測定データを送信する周期を設定期間T3に延長することを命令する信号を、無線親機部13から受信した場合、デフォルト期間T2の計測に換えて、設定期間T3を計測する。時間管理部143は、デフォルト期間T2または設定期間T3が経過する度に、制御部141に、時間が経過したことを示す信号を出力する。制御部141は、この信号を受信すると、センサ部145で雰囲気温度を測定し、測定した雰囲気温度を含む測定データを、無線子機14−1〜14−4を特定可能な情報(例えば、識別情報)と共に、測定データ記憶部142aに記憶し、無線親機部13に送信する。
無線通信用インタフェイス部144は、無線親機部13(無線通信用インタフェイス部135)と無線通信する。
センサ部145は、無線子機14−1〜14−4のそれぞれの周辺温度(雰囲気温度)を測定する。センサ部145は、例えば、サーミスタから構成される。
ユーザインタフェイス部146は、例えば、キーボードを備える。ユーザインタフェイス部146の操作で、ユーザは、無線子機14−1〜14−4のそれぞれの動作期間T1(図5参照)を設定することができる。
電源部147は、各部141〜146に電力を供給する。電源部147は、一次電池である。
上述した制御装置11および無線子機14−1〜14−4を実現するフローチャートの例を、図7〜図11に示す。
制御装置11の電源がオンされて、無線子機14−1〜14−4の位置情報の入力要求がユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われると、制御部121は、図7に示す位置情報受付処理を開始する。
制御部121は、無線子機14−1〜14−4のそれぞれの位置情報の入力を促す例えば入力受付画面を、例えば表示器に表示する(ステップS11)。
制御部121は、無線子機14−1〜14−4のそれぞれの位置情報が全て、無線子機14−1〜14−4を特定可能な情報(例えば、無線子機の名称)と共に、入力完了したことを示す操作が、ユーザインタフェイス部124で行われたか否かを判定する(ステップS12)。
制御部121は、入力完了したことを示す操作が、ユーザインタフェイス部124で行われていないと判定すると(ステップS12;No)、ステップS11に戻る。一方、制御部121は、入力完了したことを示す操作が、ユーザインタフェイス部124で行われたと判定すると(ステップS12;Yes)、入力された位置情報を、無線子機14−1〜14−4を特定可能な情報と共に、無線親機部13に出力する(ステップS13)。
その後、制御部121は、位置情報受付処理を終了する。
また、制御部121は、制御装置11の電源がオンされて、空調制御機器15−1〜15−6の制御を開始する指示が、ユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われると、図8に示す空調制御処理を開始する。制御部121は、空調制御処理と位置情報受付処理(図7参照)との並列処理が可能である。
制御部121は、無線親機部13に記憶された測定データを取得する期間を示す取得期間T4(図5参照)が経過したことを示す信号が、時間管理部123から出力されているか否か(取得期間T4が経過したか否か)を判定する(ステップS21)。制御部121は、取得期間T4が経過したと判定すると(ステップS21;Yes)、測定データの要求信号を無線親機部13に出力する(ステップS22)。
そして、制御部121は、測定データを取得したか否かを判定する(ステップS23)。制御部121は、測定データを取得していないと判定すると(ステップS23;No)、要求信号を送信して例えば1秒が経過して、タイムアウトになったか否かを判定する(ステップS24)。
制御部121は、タイムアウトになっていないと判定すると(ステップS24;No)、ステップS23に戻る。一方、制御部121は、タイムアウトになったと判定すると(ステップS24;Yes)、ステップS21に戻り、測定データの受信待機を行う。
制御部121は、測定データを取得したと判定すると(ステップS23;Yes)、測定データを受信データ記憶部122aに記憶する(ステップS25)。そして、制御部121は、取得した測定データ(測定値および推定値)で示される雰囲気温度に応じて、空調制御機器15−1〜15−6を制御することで、室内の温度を制御する(ステップS26)。
例えば、ステップS26では、制御部121は、無線子機14−1と空調制御機器15−1とが対応付けられている場合、無線子機14−1から送信された測定データが示す雰囲気温度に応じて、空調制御機器15−1を制御する。
そして、制御部121は、空調制御処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われたか否かを判定する(ステップS27)。なお、制御部121は、ステップS21で、取得期間T4が経過していないと判定した場合にも(ステップS21;No)、ステップS27の判定を行う。
制御部121は、空調制御処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われていないと判定すると(ステップS27;No)、ステップS21に戻る。一方、制御部121は、空調制御処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われたと判定すると(ステップS27;Yes)、この空調制御処理を終了する。
無線親機部13の制御部131は、制御装置11の電源がオンされると、図9に示す出力・記憶処理を開始する。
制御部131(追加部131c)は、測定データの要求信号を取得したか否かを判定する(ステップS31)。制御部131は、要求信号を取得したと判定すると(ステップS31;Yes)、受信データ記憶部131から測定データを取得し、推定値記憶部132cから推定値を取得して、測定データに推定値を追加する(ステップS32)。
そして、制御部131(追加部131c)は、推定値を追加した測定データを、統合コントローラ部12に出力する(ステップS33)。
一方、制御部131は、要求信号を取得していないと判定すると(ステップS31;No)、ステップS32およびステップS33をスキップする。
制御部131は、統合コントローラ部12から位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS34)。制御部131は、位置情報を取得したと判定すると(ステップS34;Yes)、取得した位置情報を位置情報記憶部132bに記憶する(ステップS35)。一方、制御部131は、位置情報を取得していないと判定すると(ステップS34;No)、出力・記憶処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われたか否かを判定する(ステップS36)。
制御部131は、出力・記憶処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われていないと判定すると(ステップS36;No)、ステップS31に戻る。一方、制御部131は、出力・記憶処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われたと判定すると(ステップS36;Yes)、この出力・記憶処理を終了する。
また、制御部131は、制御装置11の電源がオンされると、図10に示す期間延長・推定処理を開始する。なお、制御部131は、期間延長・推定処理と出力・記憶処理(図9参照)との並列処理が可能である。
制御部131は、無線子機14−1〜14−4から送信された測定データ(図5参照)を受信したか否かを判定する(ステップS41)。
制御部131は、測定データを受信したと判定すると(ステップS41;Yes)、受信した測定データを、制御部131で計数している受信の回数(電源部147の交換後に受信した回数)に対応付けて、無線子機14−1〜14−4の識別情報毎に、受信データ記憶部132aに記憶する(ステップS42)。
そして、制御部131(周期延長部131a)は、受信データ記憶部132aに記憶された受信の回数を取得し、受信した回数が閾値を超えているか否かを、無線子機14−1〜14−4を特定可能な情報毎に判定する(ステップS43)。
制御部131(周期延長部131a)は、受信した回数が閾値を超えていると判定すると(ステップS43;Yes)、無線子機14で消費される電力を抑制するために、受信した回数が閾値を超えている無線子機14に、測定データの送信周期を設定期間T3に変更する信号を送信する(ステップS44)。
一方、制御部131(周期延長部131a)は、全ての無線子機14−1〜14−4について、受信した回数が閾値を超えていないと判定すると(ステップS43;No)、ステップS44をスキップする。
また、制御部131は、ステップS41で、測定データを受信していないと判定した場合(ステップS41;No)、ステップS42〜ステップS44をスキップする。
その後、制御部131(値推定部131b)は、測定データの送信周期を設定期間T3に延長した無線子機14について、デフォルト期間T2が経過したか否かを判定する(ステップS45)。
制御部131(値推定部131b)は、デフォルト期間T2が経過したと判定すると(ステップS45;Yes)、設定期間T3に延長した無線子機14が配置されている位置に対して隣になる位置に配置されている無線子機14を、位置情報記憶部132bに記憶された位置情報に基づき、選択する(ステップS46)。
そして、制御部131(値推定部131b)は、受信データ記憶部132aに記憶されている測定データに含まれる、送信周期を設定期間T3に延長した無線子機14に対して隣になる位置に配置されている無線子機14の最新の測定値、および、受信データ記憶部132aに記憶されている測定データ(測定値)から、送信周期を設定期間T3に延長した無線子機14で測定される雰囲気温度(測定値)の推定値を推定する(ステップS47)。
例えば、無線子機14−2の送信周期が設定期間T3に延長されている場合、制御部131(値推定部131b)は、受信データ記憶部132aに記憶されている測定データに含まれる、無線子機14−2に対して隣になる位置に配置されている無線子機14−1および無線子機14−4(図5参照)の最新の測定値、および受信データ記憶部132aに記憶されている無線子機14−1,14−2,14−3の測定データから、無線子機14−2で測定される雰囲気温度の推定値を推定する。
そして、制御部131(値推定部131b)は、推定した推定値(雰囲気温度)を推定値記憶部132cに記憶する(ステップS48)。
ステップS45で、制御部131(値推定部131b)は、測定データの送信周期を設定期間T3に延長した無線子機14について、デフォルト期間T2が経過していないと判定した場合、および全ての無線子機14について、測定データの送信周期が設定期間T3に延長されていない場合(ステップS45;No)、ステップS46〜S48をスキップする。
その後、制御部131は、設定期間延長・推定処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われたか否かを判定する(ステップS49)。
制御部131は、設定期間延長・推定処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われていないと判定すると(ステップS49;No)、ステップS41に戻る。一方、制御部131は、設定期間延長・推定処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われたと判定すると(ステップS49;Yes)、この設定期間延長・推定処理を終了する。
無線子機14−1〜14−4の制御部141は、無線子機14−1〜14−4の電源がオンされると、図11に示す測定データ送信処理を開始する。
制御部141は、デフォルト期間T2が経過したか否か、およびデフォルト期間T2に代えて、設定期間T3が設定されている場合は、設定期間T3が経過したか否かを判定する(ステップS51)。
制御部141は、デフォルト期間T2または設定期間T3が経過したと判定すると(ステップS51;Yes)、スリープ状態から動作状態に移行し、動作状態を維持する期間を示す動作期間T1(図5参照)を、設定する(ステップS52)。
そして、制御部141は、センサ部145で雰囲気温度を取得し(ステップS53)、取得した雰囲気温度を示す測定値を含む測定データを、無線親機部13に送信する(ステップS54)。
その後、制御部141は、設定期間T3への変更を指示する信号(無線親機部13から送信される信号)の受信を許可する状態に、無線通信用インタフェイス部144の状態を移行させる(ステップS55)。そして、制御部141は、受信許可の状態への移行後、例えば1秒が経過してタイムアウトになったか否かを判定する(ステップS56)。
制御部141は、タイムアウトになっていないと判定すると(ステップS56;No)、設定期間T3への変更を指示する信号を受信したか否かを判定する(ステップS57)。
制御部141は、設定期間T3への変更を指示する信号を受信していないと判定すると(ステップS57;No)、ステップS56に戻る。一方、制御部141は、設定期間T3への変更を指示する信号を受信したと判定すると(ステップS57;Yes)、測定データの送信周期を設定期間T3に変更する(ステップS58)。
そして、制御部141は、無線子機14の状態を、動作状態からスリープ状態に移行させる(ステップS59)。
ステップS56で、制御部141は、タイムアウトになったと判定すると(ステップS56;Yes)、設定期間T3への変更を指示する信号の受信を禁止する状態に、無線通信用インタフェイス部144の状態を移行させる(ステップS60)。そして、制御部141は、無線子機14の状態を、動作状態からスリープ状態に移行させる(ステップS59)。
一方、ステップS51で、制御部141は、デフォルト期間T2または設定期間T3が経過していないと判定すると(ステップS51;No)、測定データ送信処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部146のユーザ操作で行われたか否かを判定する(ステップS61)。
制御部141は、測定データ送信処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部146のユーザ操作で行われていないと判定すると(ステップS61;No)、ステップS51に戻る。一方、制御部141は、測定データ送信処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部146のユーザ操作で行われたと判定すると(ステップS61;Yes)、この測定データ送信処理を終了する。
上述した通り、本実施の形態の空調制御システム10の制御装置11(無線親機部13)は、無線子機14から測定データを受信した回数(無線子機14が測定データを送信した回数)が閾値を超えたと判定すると、無線子機14に電力を供給する電源部147の残量が予め定められた量以下になっていることから、無線子機14の測定データの送信周期を、デフォルト期間T2から、デフォルト期間T2よりも長い設定期間T3に延長する(図10のステップS44参照)。
すると、無線子機14(例えば、無線子機14−1)は、設定期間T3が経過する度に、測定データを送信する。つまり、無線子機14−1は、デフォルト期間T2毎に測定データを送信しない。
このため、制御装置11は、測定データを送信する周期が延長されず、デフォルト期間T2のままである無線子機14(例えば、無線子機14−2〜14−4)からは、デフォルト期間T2毎に送信された測定データを取得できる。しかし、制御装置11は、無線子機14−1からは、設定期間T3毎に送信された測定データしか取得できない。つまり、無線子機14−1から取得した測定データの数が、無線子機14−2〜14−4から取得した測定データの数に比べて、少ない。
これを補うために、制御装置11は、測定データを送信する周期が延長されず、デフォルト期間T2のままである無線子機14−2〜14−4から送信された取得データで示される雰囲気温度に基づいて、無線子機14−1でデフォルト期間T2に測定される雰囲気温度に相当する推定値を推定する。そして、制御装置11は、この推定値を測定データに含める。つまり、制御装置11は、測定データを推定値で補完する。これにより、統合コントローラ部12は、通常通りに測定値を取得した場合と同様の制御ができる。
よって、空調制御システム10は、空調制御機器15の制御の品質を維持した上で、無線子機14の電源部147の残量が予め定められた量以下になった場合、無線子機14が測定データを送信する回数を、デフォルト期間T2に設定されているときよりも、抑制することができる。従って、空調制御システム10によれば、空調制御機器15の制御の品質を維持した上で、無線子機14の電源部147の残量が予め定められた量以下になった場合、無線子機14で消費される電力を、デフォルト期間T2に設定されているときよりも、抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る空調制御システム10を、図12〜図18を参照して説明する。実施の形態2に係る空調制御システム10は、無線子機14からの測定データの受信回数ではなく、無線子機14の電源部147の出力電圧に応じて、無線子機14の測定データの送信周期を、デフォルト期間T2から、設定期間T3に延長する。また、実施の形態2に係る空調制御システム10は、推定値の推定を、統合コントローラ部12が行う。
実施の形態2に係る空調制御システム10については、実施の形態1の空調制御システム10と同一の構成・同一の処理に同一の番号を付している。
実施の形態2に係る空調制御システム10の無線親機部13は、例えば図12に示すように、無線子機14−1の測定データの送信周期を、デフォルト期間T2から、設定期間T3に延長する場合、送信周期を期間T3に変更することを示す信号を、無線子機14−1に送信する。その後、無線親機部13は、例えば無線子機14−1の識別情報を、統合コントローラ部12に出力する。そして、統合コントローラ部12は、識別情報を取得し、取得した情報を例えばRAMに記憶する。
その後、統合コントローラ部12は、推定要求信号(推定値の推定を要求する信号)を、無線親機部13から取得すると、送信周期が設定期間T3に延長された無線子機14を、RAMに記憶した特定可能な情報から、特定する。そして、統合コントローラ部12は、特定した無線子機14(測定データの送信周期が設定期間T3に延長された無線子機14)に対応する推定値の推定を行う。そして、統合コントローラ部12は、推定値を、受信データ記憶部122aに記憶されている測定データに、追加する。
実施の形態2に係る空調制御システム10の制御装置11のブロック図は、図13に示す通りである。制御装置11の統合コントローラ部12は、制御部121と、記憶部122と、時間管理部123と、ユーザインタフェイス部124と、空調制御機器用インタフェイス部125と、無線親機部用インタフェイス部126と、を備えている。
記憶部122は、受信データ記憶部122aに加え、推定値記憶部122bを備えている。
受信データ記憶部122aは、無線子機14−1〜14−4から取得した測定データが記憶される。測定データには、無線子機14−1〜14−4のそれぞれが有する電源部147の出力電圧値が含まれている。
推定値記憶部122bは、制御部121で推定された推定値が記憶される。
制御部121は、前述した実施の形態1の値推定部131bと同様の推定方法で、推定値を推定する。
実施の形態2に係る制御装置11の無線親機部13は、制御部131と、記憶部132と、時間管理部134と、統合コントローラ部用インタフェイス部133と、無線通信用インタフェイス部135と、ユーザインタフェイス部136と、を備えている。
記憶部132は、受信データ記憶部132aと、位置情報記憶部132bと、を備えている。
実施の形態2に係る空調制御システム10の無線子機14−1〜14−4のブロック図は、図14に示す通りである。無線子機14−1〜14−4は、制御部141と、記憶部142と、時間管理部143と、無線通信用インタフェイス部144と、センサ部145と、ユーザインタフェイス部146と、電源部147と、電圧測定部148と、を備えている。
電圧測定部148は、電源部147から出力されている電圧(出力電圧)を測定する。
上述した制御装置11および無線子機14−1〜14−4を実現するフローチャートの例を、図13〜図18に示す。
実施の形態2の制御装置11の電源がオンされた場合、制御部121は、図15に示す位置情報受付・推定処理を開始する。
位置情報受付・推定処理は、実施の形態1の制御部121で実行される位置情報受付処理(図7参照)の一部を変更したものである。
制御部121は、無線子機14−1〜14−4が配置された位置を示す位置情報の入力が完了しているか否か(位置情報を既に、無線親機部13に出力しているか否か)を判定する(ステップS71)。制御部121は、位置情報の入力が完了していないと判定すると(ステップS71;No)、ステップS11,S12の実行後、ステップS72に移行する。一方、制御部121は、位置情報の入力が完了していると判定すると(ステップS71;Yes)、ステップS72に移行する。
ステップS72で、制御部121は、測定データの送信周期を設定期間T3に延長した無線子機14を特定可能な情報を、無線親機部13から取得したか否かを判定する(ステップS72)。
制御部121は、無線子機14を特定可能な情報を取得したと判定すると(ステップS72;Yes)、取得した情報をRAMに記憶する(ステップS73)。
一方、制御部121は、無線子機14を特定可能な情報を取得していないと判定すると(ステップS72;No)、ステップS73をスキップする。
その後、制御部121は、推定要求信号(推定値の推定を要求する信号、図12参照)を、無線親機部13から取得したか否かを判定する(ステップS74)。
制御部121は、推定値の推定を要求する信号を取得していないと判定すると(ステップS74;No)、ステップS71に戻る。一方、制御部121は、推定値の推定を要求する信号を取得したと判定すると(ステップS74;Yes)、位置情報を要求する信号を無線親機部13に出力して、位置情報記憶部132bに記憶された位置情報を無線親機部13から取得する(ステップS75)。
そして、制御部121は、取得した位置情報に基づき、設定期間T3に延長した無線子機14が配置されている位置に対して隣になる位置に配置されている無線子機14を選択する(ステップS76)。
例えば、図12に示す場合、制御部121は、送信周期を設定期間T3に延長した無線子機14−1が配置されている位置に対して隣になる位置に配置されている無線子機14−2および無線子機14−3(図5参照)を選択する。
そして、制御部121は、受信データ記憶部122aに記憶されている測定データに含まれる、隣になる位置に配置されている無線子機14の最新の測定値、および、受信データ記憶部122aに記憶されている測定データ(測定値)から、設定期間T3に延長した無線子機14で測定される雰囲気温度(測定値)の推定値を推定する(ステップS78)。
例えば、図12に示す場合、制御部121は、受信データ記憶部132aに記憶されている測定データに含まれる、無線子機14−1に対して隣になる位置に配置されている無線子機14−2および無線子機14−3の最新の測定値、および、受信データ記憶部132aに記憶されている無線子機14−1,14−2,14−3の測定データから、無線子機14−1で測定される雰囲気温度の推定値を推定する。
そして、制御部121は、推定した推定値(雰囲気温度)を推定値記憶部122bに記憶する(ステップS78)。
そして、制御部121は、位置情報受付・推定処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われたか否かを判定する(ステップS79)。
制御部121は、位置情報受付・推定処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われていないと判定すると(ステップS79;No)、ステップS71に戻る。一方、制御部121は、位置情報受付・推定処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われたと判定すると(ステップS79;Yes)、この位置情報受付・推定処理を終了する。
また、制御部121は、制御装置11の電源がオンされて、空調制御機器15−1〜15−6の制御を開始する指示が、ユーザインタフェイス部124のユーザ操作で行われると、実施の形態1の制御部121と同様、空調制御処理(図8参照)を開始する。
実施の形態2の無線親機部13の制御部131は、制御装置11の電源がオンされると、図16に示す出力処理を開始する。
出力処理は、実施の形態1の制御部131で実行される出力・記憶処理(図9参照)の一部を変更したものである。
制御部131は、測定データの送信要求を取得したと判定すると(ステップS31;Yes)、ステップS32およびステップS33を実行して、ステップS81に移行する。一方、制御部131は、測定データの送信要求を取得していないと判定すると(ステップS31;No)、ステップS81に移行する。
ステップS81では、制御部131は、位置情報を要求する信号(統合コントローラ部12からの信号)を取得したか否かを判定する(ステップS81)。制御部131は、信号を取得したと判定すると(ステップS81;Yes)、位置情報記憶部132bに記憶された位置情報を統合コントローラ部12に出力する(ステップS82)。
一方、制御部131は、信号を取得していないと判定すると(ステップS81;No)、ステップS82をスキップする。
その後、制御部131は、出力処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われたか否かを判定する(ステップS83)。
制御部131は、出力処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われていないと判定すると(ステップS83;No)、ステップS31に戻る。一方、制御部131は、出力処理を終了する指示が、ユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われたと判定すると(ステップS83;Yes)、この出力処理を終了する。
また、実施の形態2の制御部131は、制御装置11の電源がオンされると、図17に示す推定要求・記憶処理を開始する。
推定要求・記憶処理は、実施の形態1の制御部131で実行される期間延長・推定処理(図10参照)の一部を変更したものである。
制御部131は、ステップS41でYesと判定すると、ステップS42を実行して、ステップS91に移行する。一方、制御部131は、ステップS41でNoと判定すると、ステップS45に移行する。
ステップS91では、受信データ記憶部132aに記憶された測定データ(受信した測定データ)に含まれている出力電圧値を取得し、出力電圧値が閾値電圧以下であるか否かを、無線子機14−1〜14−4を特定可能な情報毎に判定する(ステップS91)。
制御部131は、出力電圧値が閾値電圧以下であると判定すると(ステップS91;Yes)、無線子機14で消費される電力を抑制するために、出力電圧値が閾値電圧以下の電源部147を有する無線子機14に、測定データの送信周期を設定期間T3に変更する信号を送信する(ステップS92)。
そして、制御部131は、無線子機14の測定データの送信周期を設定期間T3に延長した無線子機14を特定可能な情報を、統合コントローラ部12に出力する(ステップS93)。
一方、制御部131は、全ての無線子機14−1〜14−4について、出力電圧値が閾値電圧を超えていないと判定すると(ステップS91;No)、ステップS92およびステップS93をスキップする。
その後、制御部131は、測定データの送信周期を設定期間T3に延長した無線子機14について、デフォルト期間T2が経過したか否かを判定する(ステップS45)。
制御部131は、デフォルト期間T2が経過したと判定すると(ステップS45;Yes)、推定値の推定を要求する信号を、統合コントローラ部12に出力する(ステップS94)。その後、制御部131は、ステップS49の判定を行う。また、制御部131は、デフォルト期間T2が経過していないと判定した場合も(ステップS45;No)、ステップS49の判定を行う。
無線子機14−1〜14−4の制御部141は、無線子機14−1〜14−4の電源がオンされると、図18に示す測定データ送信処理を開始する。
測定データ送信処理は、実施の形態1の制御部141で実行される測定データ送信処理(図11参照)の一部を変更したものである。
制御部141は、ステップS51でYesと判定し、ステップS52を実行すると、センサ部145で雰囲気温度を取得する(ステップS53)。そして、制御部141は、電圧測定部148で電源部147の出力電圧値を取得する(ステップS101)。
そして、制御部141は、取得した雰囲気温度および取得した出力電圧値を含む測定データを、無線親機部13に送信する(ステップS102)。
その後、制御部141は、前述したステップS55〜ステップS61の処理を、判定に応じて実行する。
上述した通り、本実施の形態の空調制御システム10の制御装置11(無線親機部13)は、無線子機14が有する電源部147の出力電圧が閾値電圧以下であると判定すると、無線子機14の測定データの送信周期を、デフォルト期間T2から、設定期間T3に延長する。
すると、無線子機14(例えば、無線子機14−1)は、設定期間T3が経過する度に、測定データを送信する。つまり、無線子機14−1は、デフォルト期間T2毎に測定データを送信しない。
このため、制御装置11は、測定データを送信する周期が延長されず、デフォルト期間T2のままである無線子機14(例えば、無線子機14−2〜14−4)からは、デフォルト期間T2毎に送信された測定データを取得できる。しかし、制御装置11は、無線子機14−1からは、設定期間T3毎に送信された測定データしか取得できない。つまり、無線子機14−1から取得した測定データの数が、無線子機14−2〜14−4から取得した測定データの数に比べて、少ない。
これを補うために、制御装置11(統合コントローラ部12)は、測定データを送信する周期が延長されず、デフォルト期間T2のままである無線子機14−2〜14−4から送信された取得データで示される雰囲気温度に基づいて、無線子機14−1で測定される雰囲気温度に相当する推定値を推定する。そして、制御装置11(統合コントローラ部12)は、この推定値を測定データに含める。つまり、制御装置11は、測定データを推定値で補完する。これにより、制御装置11(統合コントローラ部12)は、測定値を取得した場合と同様の制御ができる。
よって、空調制御システム10は、空調制御機器15の制御の品質を維持した上で、無線子機14の電源部147の出力電圧が閾値以下になった場合、無線子機14が測定データを送信する回数を、デフォルト期間T2に設定されているときよりも抑制できる。従って、空調制御システム10によれば、空調制御機器15の制御の品質を維持した上で、無線子機14の電源部147の出力電圧が閾値以下になった場合、無線子機14で消費される電力を抑制できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。
上述した各実施の形態の制御装置11は、推定値の推定に先立ち、測定データを送信する周期が設定期間T3に延長された無線子機14が配置されている位置に対して、隣になる位置に配置されている無線子機14を特定したが、これに限られるものではない。
制御装置11は、測定データを送信する周期が設定期間T3に延長された無線子機14が配置されている位置と他の無線子機14が配置されている位置との関係に基づいて、無線子機14を特定(選択)すればよい。
具体的には、例えば、制御装置11は、測定データを送信する周期が設定期間T3に延長された無線子機14が配置されている位置に対して予め定められた距離内の位置に配置されている無線子機14を選択してもよい。なお、制御装置11は、予め定められた距離内に位置しているか否かを、位置情報記憶部132bに記憶された位置情報から求めることができる。
また、上述した各実施の形態の制御装置11は、統合コントローラ部12に設けられたユーザインタフェイス部124のユーザ操作で、位置情報を入力させる構成であったが、これに限られるものではない。制御装置11は、無線親機部13に設けられたユーザインタフェイス部136のユーザ操作で、位置情報を入力させる構成であってもよい。
この構成の場合、制御装置11の電源がオンされて、無線子機14−1〜14−4の位置情報の入力要求がユーザインタフェイス部136のユーザ操作で行われると、制御部121が、図7に示す位置情報受付処理を開始する処理にすればよい。
また、上述した各実施の形態の制御装置11は、測定データの受信回数が閾値を超えているかの判定(図10のステップS43参照)、および出力電圧値が閾値電圧以下かの判定(図17のステップS91参照)を、無線親機部13で行ったが、これに限られるものではない。ステップS43の判定およびステップS91の判定を、統合コントローラ部12で行ってもよい。
この構成の場合、統合コントローラ部12は、無線親機部13が測定データを受信する度に、例えば統合コントローラ部12に設けられているカウンタのカウントアップを行うようにすればよい。また、統合コントローラ部12は、無線親機部13が測定データを受信する度に、受信した測定データを取得して、測定データに含まれる出力電圧値を取得すればよい。そして、統合コントローラ部12は、測定データの受信回数が閾値を超えていると判定した場合、または、出力電圧値が閾値電圧以下と判定した場合、無線親機部13に、無線子機14の測定データの送信周期を設定期間T3に延長する命令を出力すればよい。この命令を受けると、無線親機部13は、対象の無線子機14−1〜14−4に、送信周期を設定期間T3に延長させる信号を送信する。
また、ステップS43の判定およびステップS91の判定を、無線子機14で行ってもよい。
この構成の場合、無線子機14の制御部141は、測定データを送信する度に、例えば制御部141に設けられているカウンタのカウントアップを行うようにすればよい。また、無線子機14の制御部141は、測定データを送信する度に、電圧測定部148で測定された出力電圧値を取得すればよい。そして、無線子機14の制御部141は、測定データの送信回数が閾値を超えていると判定した場合、または、出力電圧値が閾値電圧以下と判定した場合、無線親機部13に、無線子機14の測定データの送信周期を設定期間T3に延長する命令を出力すればよい。この命令を受けると、無線親機部13は、対象の無線子機14−1〜14−4に、送信周期を設定期間T3に延長させる信号を送信する。
また、上述した各実施の形態の制御装置11は、無線親機部13を1つ備えていたが、これに限られず、無線親機部13を複数備えていてもよい。制御装置11が無線親機部13を複数備える場合、それぞれの無線親機部13と、それぞれの無線子機14とを対応付けたテーブルを、それぞれの無線親機部13および無線子機14に記憶させる。これにより、例えば、無線親機部13−1は、無線子機14−1,14−2と無線通信し、無線親機部13−2は、無線親機部14−3,14−4と無線通信する構成が実現できる。
また、上述した各実施の形態の空調制御システム10は、4台の無線子機14−1〜14−4と、6台の空調制御機器15−1〜15−6と、から構成されていたが、この台数は例示である。
また、上述した各実施の形態の無線子機14は、センサ部145で雰囲気温度を測定したが、これに限られるものではない。無線子機14は、例えば、湿度を測定してもよい。
また、上述した各実施の形態の無線子機14の電源部147は、一次電池であったが、これに限られず、二次電池でもよい。
なお、上述の実施の形態において、統合コントローラ部12、無線親機部13および無線子機14を制御するプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムを、コンピュータ等にインストールすることにより、図7,8,15に示す処理を実行する統合コントローラ部12、図9,10,16,17に示す処理を実行する無線親機部13および図11,18に示す処理を実行する無線子機14を構成してもよい。
また、上述のプログラムを、インターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
また、上述の図7〜図11および図15〜図18に示す処理を、各OS(Operating System)が分担して実現する場合、又は、OSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、上述した実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。