JP5631175B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は口腔用組成物に関し、より詳細には、塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸又はその塩、及びγ−シクロデキストリンを含有する口腔用組成物に関する。
カチオン性殺菌剤である塩化セチルピリジニウムは、口腔内細菌に対する殺菌活性が高く、口腔粘膜や歯牙表面に吸着し、歯牙表面への口腔内細菌の吸着を阻害、歯垢の形成を抑制することが知られている。このため、従来から殺菌剤として口腔用組成物に配合されている。
また、グリチルリチン酸は甘草の根に含まれる成分である。グリチルリチン酸又はその塩は、抗炎症作用を有することが知られている。また、甘味を呈する物質でもあり、味の改善にも有用であることが知られている。このため、従来から抗炎症剤(あるいは甘味剤)として口腔用組成物に配合されている。
そして、塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有する口腔用組成物も既に知られている(例えば特許文献1参照)。上述したように、塩化セチルピリジニウムは殺菌剤として、グリチルリチン酸又はその塩は抗炎症剤として、当該口腔用組成物に配合されている。
特開2007−008831号公報
上述のように、塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有する口腔用組成物は公知である。また、口腔用組成物に限らず、化粧料(特に皮膚化粧料)や外用剤等においても、塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸が配合されたものが知られている。このような各種組成物においては、塩化セチルピリジニウムは殺菌効果を、グリチルリチン酸又はその塩は抗炎症効果を、それぞれ奏する。
本願発明者らが、塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有する組成物における殺菌効果をより詳細に検討したところ、塩化セチルピリジニウムに対してグリチルリチン酸又はその塩を比較的多量に配合した組成物(特に塩化セチルピリジニウムに対するグリチルリチン酸又はその塩の質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)が1以上の組成物)が唾液存在下で使用される場合に、顕著に、塩化セチルピリジニウムの口腔内細菌を殺菌する力が低下することを見出した。つまり、化粧料や外用剤は通常唾液存在下で使用されることはないため、たとえ塩化セチルピリジニウムに対してグリチルリチン酸又はその塩を比較的多量に配合したとしても、殺菌力の低下は起こらないが、口腔用組成物は口腔内に適用されるため通常唾液存在下で用いられることとなり、当該殺菌力低下が起こりえるという問題があることを見出した。
そこで、本発明は、塩化セチルピリジニウムに対してグリチルリチン酸又はその塩を比較的多量に含有する場合でも、塩化セチルピリジニウムが有する殺菌力の低下が抑制された口腔用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、驚くべき事に、塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩に加え、γ−シクロデキストリンを含有する組成物であれば、塩化セチルピリジニウムに対してグリチルリチン酸又はその塩を比較的多量に含有し、且つ唾液存在下で使用する場合であっても塩化セチルピリジニウムが有する殺菌力の低下が抑制されることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項に記載の口腔用組成物及び剤を包含する。
項1. 塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有する口腔用組成物であって、塩化セチルピリジニウムに対するグリチルリチン酸又はその塩の質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)が1以上であり、
さらにγ−シクロデキストリンを含有する、口腔用組成物。
項2. 下記式;
{γ−シクロデキストリン/(塩化セチルピリジニウム/グリチルリチン酸又はその塩)}
で表される、塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸又はその塩、及びγ−シクロデキストリンの質量比値が、0.04以上である、項1に記載の口腔用組成物。
項3. 塩化セチルピリジニウムを0.05〜0.5質量%、グリチルリチン酸又はその塩を0.05〜0.5質量%含有する、項1又は2に記載の口腔用組成物。
項4. γ−シクロデキストリンを0.05〜6質量%含有する、項1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
項5. γ−シクロデキストリンを含んでなる、塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有し、塩化セチルピリジニウムに対するグリチルリチン酸又はその塩の質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)が1以上である組成物用の、殺菌力低下抑制剤。
本発明の、塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸又はその塩、及びγ−シクロデキストリンを含有する口腔用組成物であれば、塩化セチルピリジニウムに対してグリチルリチン酸又はその塩を比較的多量に含有し、且つ唾液存在下で使用する場合であっても、塩化セチルピリジニウムが有する殺菌力(殺菌効果)の低下が抑制される。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の口腔用組成物は、塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸又はその塩、及びγ−シクロデキストリンを含有する。そして、塩化セチルピリジニウムに対するグリチルリチン酸又はその塩の質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)が1以上である。
塩化セチルピリジニウムは、第四級アンモニウム化合物に含まれるカチオン性殺菌剤であり、口腔用組成物分野において口腔内細菌を殺菌する目的で広く使用されている公知の物質である。本発明の口腔用組成物における塩化セチルピリジニウムの含有量は、特に制限はされないが、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.05〜0.4質量%、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%、よりさらに好ましくは0.1〜0.3質量%である。
なお、口腔内細菌は歯周病やう蝕の原因となることが知られており、Porphyromonas gingivalis、Tannerela forsythia、 Streptococcus mutans等が例示できる。
グリチルリチン酸は甘草の根に含まれる有効成分であり、抗炎症作用を有することが知られている。また、グリチルリチン酸の塩も、抗炎症作用を有することが知られている。本発明の口腔用組成物に含有されるグリチルリチン酸の塩としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えばカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。具体的には、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ジナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等が挙げられる。中でもグリチルリチン酸ジカリウムが好ましい。本発明の口腔用組成物におけるグリチルリチン酸又はその塩の含有量は、特に制限はされないが、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%、さらに好ましくは0.2〜0.5質量%である。
シクロデキストリンは、数分子のD−グルコースがα(1→4)グルコシド結合によって結合し環状構造をとった環状オリゴ糖の一種である。一般的なものはグルコースが6個から8個結合したものであり、それぞれ、6個結合しているものはα−シクロデキストリン(シクロヘキサアミロース)、7個結合しているものはβ−シクロデキストリン(シクロヘプタアミロース)、8個結合しているものはγ−シクロデキストリン(シクロオクタアミロース)と呼ばれる。
本発明の口腔用組成物に含有されるのは、γ−シクロデキストリンである。本発明の口腔用組成物は、γ−シクロデキストリンを含有することで、塩化セチルピリジニウムに対してグリチルリチン酸又はその塩を比較的多量に含有する場合に起こる、グリチルリチン酸又はその塩による塩化セチルピリジニウムの殺菌力の低下が抑制される。意外なことに、α−シクロデキストリン又はβ−シクロデキストリンでは、当該殺菌力低下の抑制効果は得られない。
本発明の口腔用組成物におけるγ−シクロデキストリンの含有量は、特に制限はされないが、好ましくは0.05〜6質量%、より好ましくは0.15〜3質量%である。
口腔用組成物における塩化セチルピリジニウムの含有量に対するグリチルリチン酸又はその塩の含有量が多いほど、当該殺菌力低下は顕著になる。言い換えれば、塩化セチルピリジニウム量に対するグリチルリチン酸又はその塩量の質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)が大きいほど、殺菌力低下が顕著になる。よって、当該質量比が大きい口腔用組成物ほど、γ−シクロデキストリンによる当該殺菌力低下の抑制効果が好ましく発揮される。
当該質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)は、通常1以上であり、好ましくは1〜10である。
また、塩化セチルピリジニウムの殺菌力低下が顕著であるほど、当該殺菌力低下抑制効果を有するγ−シクロデキストリンを多く含有させることが好ましい。言い換えれば、質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)が大きい程、含有されるγ−シクロデキストリン量は多い方が好ましい。
このことは、下記式;
{γ−シクロデキストリン/(塩化セチルピリジニウム/グリチルリチン酸又はその塩)}
で表される、塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸又はその塩、及びγ−シクロデキストリンの質量比値を用いることで、より具体的に表現できる。すなわち、本発明の口腔用組成物は、当該質量比値が、好ましくは0.04以上であり、より好ましくは0.05以上であり、さらに好ましくは0.07以上であり、よりさらに好ましくは0.15以上であり、特に好ましくは0.2以上である。0.2以上の場合において、0.23以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。また、特に制限されないが、当該質量比は6以下であることが好ましい。
本発明の口腔用組成物は、例えば医薬品、医薬部外品として用いることができる。特に医薬品が好ましい。また、本発明の口腔用組成物の形態は、特に限定するものではないが、常法に従って例えば軟膏剤、ペースト剤、パスタ剤、ジェル剤、液剤、スプレー剤、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、ガム剤等の形態(剤形)にすることができる。なかでも、洗口液剤、液体歯磨剤、練歯磨剤、軟膏剤、ペースト剤、液剤、ジェル剤であることが好ましい。
本発明の口腔用組成物は、上述のように、グリチルリチン酸又はその塩による塩化セチルピリジニウムの殺菌力低下が抑制されている。さらに、グリチルリチン酸又はその塩は抗炎症作用を有している。よって、本発明の口腔用組成物は口腔用の抗炎症剤や殺菌剤等として、口腔ケアに好適に用いることができる。特に、歯槽膿漏薬等の歯科口腔用薬として、歯周病、歯周炎、及び/又は歯肉炎に伴う諸症状の緩和に好ましく用いることができる。当該諸症状としては、例えば歯肉の出血、発赤、はれ、うみ、痛み、むずかゆさ、あるいは口のねばり、口臭等が挙げられる。また、口内炎の治療及び/又は緩和にも好ましく用いることができる。
本発明の口腔用組成物は、塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸又はその塩、及びγ−シクロデキストリンの他に、本発明の効果を損なわない範囲で、口腔用組成物に配合し得る任意成分を単独で又は2種以上さらに含有してもよい。
例えば、界面活性剤として、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤または両性界面活性剤を配合することができる。具体的には、ノニオン界面活性剤としてはショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル;脂肪酸アルカノールアミド類;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセライド;ポリオキシエチレン付加係数が8〜10、アルキル基の炭素数が13〜15であるポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン付加係数が10〜18、アルキル基の炭素数が9であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;セバシン酸ジエチル;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のアシルアミノ酸塩;ココイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型活性剤;N−ココイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のイミダゾリン型活性剤;N−ラウリルジアミノエチルグリシン等のアミノ酸型活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。その配合量は、通常、組成物全量に対して0.1〜5質量%である。
また、香味剤として、メントール、カルボン酸、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネール、α−テルピネオール、メチルアセタート、シトロネニルアセタート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、d−カンフル、d−ボルネオール、ウイキョウ油、ケイヒ油、シンナムアルデヒド、ハッカ油、バニリン等の香料を、単独または2種以上を組み合わせて組成物全量に対して0.001〜1.5質量%配合することができる。
また、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニルメチルエステル、p−メトキシシンナミックアルデヒド等の甘味剤を、組成物全量に対して0.01〜1質量%配合することができる。
さらに、湿潤剤として、ソルビット、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3―ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット、ポリオキシエチレングリコール等を単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
防腐剤として、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等を配合することができる。
着色剤として、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号等の法定色素、群青、強化群青、紺青等の鉱物系色素、酸化チタン等を配合してもよい。
pH調整剤として、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、乳酸、酒石酸、グリセロリン酸、酢酸、硝酸、またはこれらの化学的に可能な塩や水酸化ナトリウム等を配合してもよい。これらは、組成物のpHが4〜8、好ましくは5〜7の範囲となるよう、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。pH調整剤の通常配合量は0.01〜2重量%である。
なお、本発明の口腔用組成物には、さらに、薬効成分として、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸トコフェロール、またはニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類、ドデシルジアミノエチルグリシン等の両性殺菌剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫等のフッ化物、トラネキサム酸やイプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン酸、グリセロフォスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、アラントイン、カルバゾクロム、ヒノキチオール、硝酸カリウム、パラチニット等を、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
また、基剤として、アルコール類、シリコン、アパタイト、白色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン、プラスチベース等を添加することも可能である。
上述のとおり、γ−シクロデキストリンは、塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有し、塩化セチルピリジニウムに対するグリチルリチン酸又はその塩の質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)が1以上(好ましくは1〜10)である口腔用組成物において起こる、グリチルリチン酸又はその塩による塩化セチルピリジニウムの殺菌力の低下を抑制する。よって、本願発明は、γ−シクロデキストリンを含んでなる、塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有する組成物用の殺菌力低下抑制剤をも包含する。当該剤は、γ−シクロデキストリンのみからなるものであってもよいし、例えば上記例示の任意成分とγ−シクロデキストリンが適宜組み合わされたものであってもよい。組み合わせ割合は適宜設定できる。例えば、当該剤の0.1〜100質量%がγ−シクロデキストリンであり得る。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。また、以下「CPC」は塩化セチルピリジニウムを、「GK2」はグリチルリチン酸ジカリウムを、それぞれ示す。なお、以下特に断りのない限り「%」は「質量%」を示す。
<CPCを含有する組成物の殺菌力の検討>
表1に記載の組成に従って、CPC、GK2、及びシクロデキストリン(α、β、又はγ−シクロデキストリン)を精製水に溶解させ、各種溶液組成物(各実施例、各比較例、及び各参考例:表1参照)を調製した。表1には、CPC、GK2、及びシクロデキストリンがそれぞれ当該溶液組成物中に含有される量(質量%)の他、GK2とCPCの質量比(GK2/CPC)、及び、式{γ−シクロデキストリン/(塩化セチルピリジニウム/グリチルリチン酸又はその塩)}で表される、塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸又はその塩、及びγ−シクロデキストリンの質量比の値を示す。
〔試験方法〕
菌液の調製
健常人4名より無刺激唾液を採取し、等量ずつ混合し、均一に撹拌した。当該唾液混合溶液を、以下の検討で菌液(口腔内細菌含有液)として使用した。
試験方法
反応用プレート(96穴タイタープレート)の各ウェルに各溶液組成物を200μLずつ分注し、さらにそれぞれのウェルに菌液20μLを添加し、ピペッティングにより攪拌した。30秒後に各ウェルから溶液を20μLずつ採取し、培養用プレート(96穴タイタープレート)の各ウェル(TSB/Y/VH培地100μLが分注済み)に添加して混合した。菌液添加後から1、2、3、4、5、10、20分後についても同様の処理を行った。
その後、48時間嫌気ボックス(Anaerobic System Model 1025:Forma Scientific社)内で静置して培養し、培地が混濁した場合(目視判断)、菌が発育したとし、培養用プレートに添加した溶液中の菌は滅菌されていないと判定した。当該判定を、30秒、及び1、2、3、4、5、10、20分後に反応用プレートから採取した各溶液について行い、初めて菌が発育しなかった(即ち培養後培地が混濁しなかった)時間を「殺菌に要した時間」とした。結果を表1にあわせて示す。20分後でも滅菌されていなかった場合は、表1には「ND」と記した。また、30秒後に既に滅菌されていた(菌が発育しなかった)場合は、表1には「30秒以内」と記した。
なお、TSB/Y/VH培地は、次に示す組成の各成分を蒸留水に溶解させ、オートクレーブして調製した。
Figure 0005631175
Figure 0005631175
参考例1〜5から、CPCは優れた殺菌力を有しており、その殺菌力は濃度依存的に高まることがわかった。
また、比較例1〜5及び参考例1〜5を参照することで、CPCに対してGK2を比較的多量に含む場合、CPCの殺菌力はGK2により低下することがわかった。すなわち質量比(GK2/CPC)値が1より大きくなると当該殺菌力は低下することがわかった。
さらに、各実施例及び比較例1〜5を参照することで、γ−シクロデキストリンを組成物に含有させることにより、GK2によるCPCの殺菌力の低下を抑制できることがわかった。また、CPCの殺菌力の低下幅が大きいほど、殺菌力低下の抑制のために必要なγ−シクロデキストリン量も多くなることがわかった。つまり、式{γ−シクロデキストリン/(GK2/CPC)}で表される、CPC、GK2、及びγ−シクロデキストリンの質量比の値が大きいほど、GK2によるCPCの殺菌力の低下を抑制でき、口腔用組成物として好ましい殺菌力を得られることがわかった。具体的には、{γ−シクロデキストリン/(GK2/CPC)}の値が0.04以上であれば10分以内に滅菌できており好ましく、0.05以上であれば3分以内に滅菌できておりより好ましく、0.2以上であれば2分以内に滅菌できておりさらに好ましく、0.23以上であれば1分以内に滅菌できておりよりさらに好ましく、0.3以上であれば30秒以内に滅菌できておりより特に好ましいことがわかった。
そして、実施例3−1〜3−4、比較例1、及び比較例A〜Fを参照することで、α−シクロデキストリン又はβ−シクロデキストリンには、GK2によるCPCの殺菌力の低下を抑制する効果は全く無いことがわかった。
以下に、処方例を記載する。処方例における各成分の数値は、質量%を示す。また、以下の処方例では、pH調整剤により、pHを5.5〜7.0に調整した。なお、γ−CDはγ−シクロデキストリンを、1,3−BGは1,3−ブチレングリコールを、それぞれ示す。
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Claims (4)

  1. 塩化セチルピリジニウム及びグリチルリチン酸又はその塩を含有する口腔用組成物であって、塩化セチルピリジニウムに対するグリチルリチン酸又はその塩の質量比(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)が1以上であり、
    さらにγ−シクロデキストリンを含有する、口腔用組成物。
  2. 下記式;
    {γ−シクロデキストリン/(グリチルリチン酸又はその塩/塩化セチルピリジニウム)
    で表される、塩化セチルピリジニウム、グリチルリチン酸又はその塩、及びγ−シクロデキストリンの質量比値が、0.04以上である、請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 塩化セチルピリジニウムを0.05〜0.5質量%、グリチルリチン酸又はその塩を0.05〜0.5質量%含有する、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. γ−シクロデキストリンを0.05〜6質量%含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
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