JP5628409B2 - 試験液の凝固特性を測定するための組成物 - Google Patents

試験液の凝固特性を測定するための組成物 Download PDF

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Description

本発明は,試験液の粘弾性分析において使用するための診断用組成物に,及びこれを含む容器に向けられている。本発明は更に,試験液の粘弾性分析を実施するための方法に,及びそのような方法における当該診断用組成物の使用に向けられている。
血液凝固は,血液が固形の凝血塊を形成する複雑なプロセスである。それは,止血(損傷を受けた血管からの血液損失の停止)の重要部分であり,それによって損傷を受けた血管壁は,出欠を止め損傷を受けた血管の修復を助けるよう,血餅により覆われる。凝固における種々の障害は,出血亢進及び/又は血栓症及び塞栓症につながり得る。
健常な個人においては,凝固は,内皮細胞を損傷する障害が血管に起こった後20秒以内に開始される。血小板が,損傷部位に直ちに止血栓を形成する。このプロセスは,一次止血と呼ばれる。凝固因子と呼ばれる血漿成分が複雑なカスケードで応答すると,二次止血がこれに続き,フィブリン線維を形成して血小板の栓を強化する。
二次止血の凝固カスケードは,2つの経路を有する,すなわち,フィブリンの形成をもたらす接触活性化経路(従来は,内因性経路として知られていた)及び組織因子経路(従来は,外因性経路として知られていた)である。凝固カスケードは,1つの共通の経路に繋がった同等に重要な2つの経路からなると以前は考えられていた。現在では,血液凝固を開始するための主たる経路は,組織因子経路であることが知られている。これらの経路は,一連の反応であり,そこではセリンプロテアーゼの酵素原及びその糖タンパク質補因子が活性化されて活性な成分となり,それらが次いでカスケードにおける次の反応を触媒する。凝固因子は,一般に,I〜XIIIのローマ数字で示され,小文字の「a」が,活性型であることを示すために添えられる。
線溶は,フィブリン凝塊が分解されるプロセスである。組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)及びウロキナーゼが,プラスミノーゲンを活性型のプラスミンに変換しそれにより線溶を起こさせる因子である。
これらの凝固成分の正常な又は低下した機能の検出は,患者の種々の止血障害を評価するためには重要である。
血液の凝固特性を測定する数種類の方法が知られている。そのようなものの幾つかの装置は,生きた被験者の静脈及び動脈内の自然な血流を模擬することを試みており,他の測定技術は,静止した血液量で実施される。
患者の血液が適時に且つ効果的な仕方で凝固する能力の正確な測定は,ある種の外科的及び医療的手順にとって非常に重要である。異常な凝固を迅速且つ正確に検出することもまた,種々の凝固障害を有する患者に適切な治療が施されるべきであるという観点から,特別な重要性を有する。しばしば,そのような患者の状態は,血液成分,抗凝固剤,ある種の線溶剤,抗血小板剤の,又はそれらの薬剤の逆の効果をもたらす化合物の投与を,必要とする。これらの場合において,治療投与量は,予め測定された凝固障害の程度に適合させることができる。
血液凝固の測定は,例えば,(米国特許5,777,215号),(米国特許6,537,819号),又は(米国特許5,777,215号)に開示されているような,種々の装置により提供されている。これらの装置は,凝血塊の機械的特性を,その構造の発展を通して,測定する。これらのシステムは,それらが,形成されそして溶解する間の凝血塊の粘弾性を連続的に検出することから,「粘弾性法」の語の下に要約されている。
粘弾性測定は,数種類の別個のパラメーターについての情報を提供し,例えば,凝固の活性化から凝固開始までの時間(凝固時間(clotting time) CT),凝血塊形成の動力学(凝血塊形成時間(clot
formation time) CFT),凝血塊の堅さ(振幅A5〜A30及び最大凝血塊堅さMCF),又は線溶の程度(最大溶解ML)がある。
多数の参考文献が機械的運動に基づく凝血塊形成特性を測定するための装置を記述している。これらの装置は,低い剪断環境の下,すなわち静止した血液のある量における,凝固が誘導されるときの血液の弾性的特性をモニターする。剪断弾性の変化のパターンは,凝血塊形成の動力学並びに形成された凝血塊の強さと安定性の測定を可能にする。凝血塊の強さと安定性は,その凝血塊が「止血という仕事」(すなわち,異常な出血を停止又は防止すること)を成し遂げる能力についての,及び血小板−フィブリン相互作用の適切さについての情報を提供する。凝血塊形成の動力学は,主として,凝固因子の機能性についての情報を提供する。これら全ての情報の分析が,出血を予測し,血栓症をモニターし管理し,又は線溶をモニターするための,有用な結果を提供する。
しかしながら,凝血塊形成プロセスは種々の,相互に連関し合った成分からなるものであるから,種々の止血障害をより特定して検出するために,特定の活性化剤又は阻害剤の使用が,更に行われている。
従って,粘弾性分析において用いられる試薬は,凝固カスケードにおける,初期活性化剤(例えば,内因性の又は外因性の経路の活性化剤)及び所望により1種又は2種以上の阻害剤(例えば,線溶阻害剤,ヘパリン阻害剤,血小板阻害剤),及び/又は凝固カスケードを構成する1種又は2種以上の更なる特定の因子からなる。
所望により,更なる成分を加えてもよい。すなわち:
・カルシウム(CaCl): カルシウムは,サンプルを再カルシウム化するために加えられる。血液サンプルは,ヘパリン,EDTA,クエン酸塩等のような,数種の異なる抗凝固物質によって凝血塊形成が阻止できる。典型的には,種々の機能試験は,クエン酸塩で抗凝固処理した血液で行われている。クエン酸塩は,血液サンプル中のカルシウムと中程度に錯体形成する。カルシウムは凝固プロセスに必要であり,複合体形成に関与し,且つ殆どの凝固因子(例えば,FI, FII, FV, FVII, FVIII, FIX, FX, FXI, FXIII, TF)にとっての補因子である。従って,サンプルが採血に際して(クエン酸塩含有採血管を用いることで)クエン酸塩処理されている場合には,サンプルの再カルシウム化は,サンプルが正しく凝固するのを保証する上で必要である。
・リン脂質: 凝固カスケードにおける数種の複合体はリン脂質依存性であり,従って追加のリン脂質を加えることができよう。
・安定化剤: 調製時から分析時までの間における試薬の安定化のため(例えば,アルブミン,ゼラチン)
診断の狙い応じ,これらの試薬は単独で,又は組み合わせて使用することができる。すなわち,例えば,サンプル中における内因性の活性化剤のみによる測定を,同じサンプル中における内因性の活性化剤と十分な量のヘパリン阻害剤(例えば,ヘパリナーゼ)による測定と組み合わせて,試験液中のヘパリンの存在を検出することができ,またサンプル中における外因性の活性化剤と血小板阻害剤(例えば,サイトカラシンD)との組み合わせが,試験液中における血小板の寄与なしでのフィブリノーゲンの活性を測定するのに用いられる。
プロトロンビン時間活性化剤であるInnovin又はRecombiplastin(登録商標)と顧客サイドで調製されたCaCl溶液及び薬物,例えばReoPro(登録商標)(アビキシマブ)及びTrasylol(登録商標)(アプロチニン)との組み合わせ等のような,他の試験用に意図された市販の活性化試薬の組み合わせに基づく粘弾性測定のための試薬概念が文献にある(ReoPro-modified TEG: Wenker et al.:
Thrombelastography, The Internet Journal of Anesthesiology, 2000, Volume 1
Number 3; (http://www.ispub.com/ostia/index.php?xmlFilePath=journals/ija/ vol1n3/teg.xml);
Ruttmann et al.: Hemodilution Enhanced Coagulation Is
Not Due to Platelet Clumping, Anesthesiology 2004; 101: A150; Recombiplastin-
and ReoPro-modified TEG:http://www.transfusionguidelines.org.uk/
docs/pdfs/bbt_app-use_teg-sop-example.pdf; TF- and
Trasylol-modified TEG: Tanaka et al.: Evaluation of a
novel kallikrein inhibitor on hemostatic activation in vitro, Thrombosis
Research, Volume 113, Issue 5 , 2004, Pages 333-339)。これは,低い安定性,多くピペッティング操作,及び多くの過誤原因に繋がる。
Pentapharmによって販売されている粘弾性測定用試薬システムがあり,これは標準化された試薬に基づいており,それらの試薬の殆どは液の形態で顧客に提供され,それがユーザーにより,標準化された手順を用いてピペットで試験カップに入れられる。これは使用を標準化しているが,それでもなお,分析に数回のピペッティングステップを要とする。例えば,FIBTEM試験をEXTEM対照試験と共に実施するためには,血液,CaCl溶液,外因性活性化剤及び血小板阻害剤のピペッティングが,結果として合計8回のピペッティングステップを実施することになり得(1つの試験操作の間のチップの3回の交換を含む),また3種の異なった試薬を使用者が扱う必要がある。このことは,時間のかかる訓練の必要性を生じ,また過誤の潜在的な原因である。市場には他の試薬システムがあり,それらは種々の試薬に基づいている。それらのうち,あるものは液状であってピペットでカップに入れなければならず(例えば,CaCl溶液),あるものは試験カップに入れて乾燥され(例えば,ヘパリナーゼ),またあるものは,1回の試験用に意図された量で,小さなバイアルに入れて供給されている。これらの試薬の特徴は,依然として各試薬が典型的には単独で提供されており,従って1種より多くの試薬を要する試験のためには,数ステップが必要だということである。
従って,血液又は血液成分の粘弾性測定のためのより単純な試薬システムを提供するために,過去,幾つかの努力がなされてきた。すなわち:
・測定に際してサンプルの液量を受ける1つのカップに,それらを直接入れて乾燥させる。
・作業濃度における試薬の安定な液状の組み合わせを組成する。
活性な複数の試薬を直接に1つの試験カップに入れて乾燥させるという戦略の欠点の1つは,それらが典型的にはプラスチック製で軽く,そのことが,自動化された試薬分配ラインにおいてカップに充填するのを困難にしてしまうことである。このことは,人手による充填ステップ又は特別の装置の開発を必須とし,これらはどちらもコストがかかる。この戦略のもう一つの欠点は,複数の活性成分や安定化剤が,カップ表面の凝血塊の接着強度に影響を及ぼすかも知れないということであり,接着は正確な測定を行うには必要である。例えば,カップ内にアルブミン溶液を入れてインキュベーションした後には,凝血塊の接着が減少することが示されている(アルブミンは,試薬に含まれるあらゆる種類のタンパク質を安定化させるのに用いられる典型的な安定化剤の1つである)。
Figure 0005628409
複数の試薬の扱いを単純化するために可能な別の一戦略は,1回の試験に必要な種々の試薬を,液相中において,それらの作業濃度で組み合わせることである。ここでの主たる問題は,長期間に亘って共存する間におけるそれら種々の物質の相互作用である。ある成分同士は,液相中で高濃度に共存させたとき相互の安定性にマイナスの影響を与える。例えば,CaClは,液相中の組織因子試薬の安定性を経時的に損なう。
更に,これらの組み合わせられた試薬が正確に1回の試験に十分な量で提供されなければならないとすると,別の問題が生ずるであろう。すなわち,この場合,その非常に少量の液体試薬が試薬容器又は蓋の各部に付着し,そのため,分析を行う際に試験液と十分に混ざらない可能性がある。
これら挙げられた諸点を解決するための1つの戦略が,Kolde等の米国特許出願第20040071604号に開示されている。この出願には,粘弾性分析用のカップシステムが提示されており,そこでは,カップの下端が複数の試薬チャンバーに分割されている。これは,試薬を,混ぜ合わせることなく独立して異なるチャンバーに配置し,次いでそれらの試薬を凍結乾燥することを可能にする。
しかしながら,この解決策の欠点として,分離されたそれら試薬チャンバーが非常に小さいため非常に精密なピペット操作を必要とするという点,及びまた,試薬の液滴が,試薬充填ライン上における振動により依然として凍結乾燥前に混ざり合ってしまうという問題が含まれるということが挙げられる。別の一問題は,凍結乾燥工程が開始される前における,室内条件での操作中に小さな試薬液滴の風乾が起こる可能性である。また,標準の試薬充填ラインを用いて小さなプラスチック(従って非常に軽い)を自動的に扱うことからくる問題が存在する。
日常的な試験室において用いられる殆どの凝固試験法は,サンプルに活性化剤を添加してからフィブリン凝塊の形成が最初に検出できるまでの時間を測定するだけである(凝固時間)。それの方法はこの時点で終り,それ以上の測定はなされない。このことは,これらの方法においては測定セルの表面への血液の強固な接着の必要がない,ということを意味している。従って,そのような方法で凝固時間を測定するための入手し得るそれら種々の分析装置及び試薬は,粘弾性に関係した独特の諸問題を取り扱う必要がない。
欧州特許第0972203号は,少なくとも1種の凝固タンパク質,リン脂質,及び内因性凝固の活性化剤の1つを,共凍結乾燥させた形態で含んでなる,aPTTを測定するための試薬を開示している。しかしながら,ここでは,分析を行うのに必要な全ての成分が相互に直接の接触状態に置かれている,という問題が生じる。従って,長期の安定性に関する又は不適合性の問題が,物質をこの形態で用いることにより生じ得る。
従って,本発明の一目的は,粘弾性システムにおける種々の試験のための,安全で,再現性があり,容易に使用できる手順を可能にする診断用組成物を提供することである。本発明の更なる一目的は,血液サンプルの1回の分析に特に適合させてあり,そして先行技術の組成物に比して優れた試薬安定性を有する,診断用組成物を提供することである。本発明の尚も更なる一目的は,信頼性と再現性のある結果を与え,取り扱いが容易あり,そしてまた,血液サンプルの凝固特性の測定のための標準化されたシステムを提供するものである,診断方法を提供することである。本発明の更なる目的は,長期安定性の改善された,上記種類の診断用組成物を提供することである。
これらの目的は,請求項1の診断用組成物,請求項20の容器,請求項24の診断方法,及び請求項32の使用により,達成される。
好ましい具体化的態様が,従属請求項において提示されている。
本発明の診断用組成物を用いることにより,試験は次のように行うことができる。すなわち,規定された液量のサンプル(例えば,全血,血漿その他)を,当該診断用組成物を含んだ容器1に直接加える。組成物を血液サンプルに溶解させた後,得られた混合物を容器1からピペットで測定装置4の測定カップ2に入れる。カップ2を,次いで,該試験カップ内の液体中にピン3が浸るような位置に置く(図2参照)。
従って,使用者は,各試験を実施するのに僅か4回のピペット操作しか必要とせず(先行技術の液体システムにおいては,8回までのステップ。上記参照),且つピペットチップの交換の必要がない。
こうして,血液サンプルの凝固特性の測定のための本システムは,より容易に扱うことができ,それにより,操作者(潜在的に経験が少ない)の不正確な動作による過誤の起きやすさを減らすことが明らかである。
本発明によれば,各成分は物質の混合物の形では存在せず,空間的に分離された形態で存在する。これは,他の特性を損なうことなしに,組成物の長期安定性の改善を可能にする。
そこから,例えば,結果の再現性の向上が,従って,より高度な標準化が達成される等の,更なる利点が生ずる。
本発明の更なる特徴及び利点は,図面を参照を伴う具体例の記述から明らかであろう。
典型的な血栓弾性測定を示す図である。 血栓弾性分析のための測定装置4を示す。 先行技術の測定装置4の測定カップ2を示す。 本発明の容器1の好ましい具体例の概要的断面図である。 本発明の容器1の好ましい具体例の概要的断面図である。 本発明の容器1の好ましい具体例の概要的断面図である。
第1の面において,本発明は,試験液の粘弾性分析において使用するための診断用組成物であって,次の成分の少なくとも2種,すなわち,
a)凝固の活性化剤の少なくとも1種;及び次のものから選ばれる成分の少なくとも1種
b)試験液の再カルシウムを保証するのに十分な量の化カルシウム塩,好ましくはCaCl;及び/又は
c)阻害剤及び/又は他の凝固成分又は因子の少なくとも1種;
を含んでなり,
各成分が本質的に乾燥形態で且つ特定の試験液の粘弾性分析の1回を行うに十分な量で存在しており,そして
それらの成分が物質の混合物に形態ではなく,空間的に分離された形態で存在していることを特徴とする,診断用組成物を提供する。
当該カルシウム塩は,好ましくはCaClである。
本発明の診断用組成物又は反応混合物は,それ自体当該分野で既知の成分を含んでなる。先行技術のアプローチに対する相違点の1つは,しかしながら,それらの成分の混合物が本質的に乾燥形態で提供されるということである。
本発明の文脈において「本質的に」乾燥とは,混合物が本質的に如何なる液体又は湿気も含まない状態,特に水が除かれた状態を意味する。尤も,水又は他の如何なる液体も,当該混合物中の残存物として存在してもよいが,但し,組成物全体の安定性にマイナスの影響を及ぼさない程度に限る。特に,異なった成分間の相互作用(それは,安定性にマイナスの影響を及ぼす)が起こることは,除外されなければならない。組成物中の残存量の液体,好ましくは水は,10重量%まで許容される。
特定の試験液,例えば血液について1回の粘弾性分析を行うのに十分な量は,混合物中の全ての成分につきそれらの量が血液サンプルの凝固特性の最終の分析において,すなわち測定装置4の測定カップ2中において,それら試薬に必要な濃度を提供するものである。従って,それを溶解させる前又は後に,診断用組成物を更にとり分ける必要がない。
更に,これは,それらの成分をある量の液体希釈剤に溶解させて最終作業濃度とすることによってではなく,試験液(例えば,血液サンプル)自体にそれらの物質を溶解させることにより,達成される。
各成分が物質の混合物の形態ではなく,空間的に分離された形態で存在していることは,本発明の重量な要素の1つである。これは,安定性に関連した問題を回避する。
一具体例においては,各成分のこの空間的分離は,成分の各々を分離された担体材料中に導入することによって実現される。この語は,各成分が空間的に分離された物体,例えばペレット等の中に各々導入されることを意味する。「分離された担体材料」の語は,用いられる材料が化学的に異なったものであることを必ずしも意味しない。その語は,単に,それらが相互に空間的に分離されていることのみを意味する。
好ましくは,担体はペレットの形態をとる。それらのペレットは,それ自体先行技術において既知である方法によって製造してよい。しかしながら,以下に手短に概説する2通りのペレット製造方法うちの一方を用いることが好ましい。
a)溶液中の夫々の成分が適当な担体材料と混合され,次いで混合物が噴霧物の形態へと変換される。この噴霧物は,この混合物の液滴を含むが,これが液体窒素中で瞬間冷凍され,次いで保護的雰囲気中で温められ,そして気密容器(例えば,バイアル)に貯蔵される。
b)ペレットがa)におけるようにして,但し,出発混合物は如何なる成分も含まないで,製造される。成分が溶液として準備され,保護的雰囲気中でペレット上に滴下される。ペレット上で乾燥させた後,ペレットは気密容器にパッケージされる。
好ましい一具体例においては,担体材料は少なくとも炭水化物,例えば,ショ糖,乳糖又はセルロースである。担体材料は,好ましくは凝固挙動に,凝血塊形成挙動に,又は凝血塊溶解挙動に,何の有意な影響も示さないものである。
凝固の活性化剤は,上述のように,好ましくは内因性及び/又は外因性の活性化剤である。
凝固の外因性活性化剤は,好ましくは組織因子(TF)であり,より好ましくは脂質化TF又はrTFから選ばれる。
凝固の内因性活性化剤は,好ましくはセライト,エラグ酸,硫酸塩(sulfatit),カオリン,シリカ,RNA,又はそれらの組み合わせから選ばれる。
第2の特徴として,本発明の診断用組成物は,所望により,カルシウム塩,例えばCaClを含んでよく,ここにCaClは,試験液中好ましくは約1〜100μmol/mlの量で存在する。上述のように,CaClの量は,試験液,特に血液サンプルの再カルシウム化を保証するのに十分でなければならない(サンプルが事前に脱カルシウム処理されている場合)。3〜30μmol/mlの量が,この要求を満たすのに最適であることが判明した。診断用組成物に含有されるべき必要量のCaClを尚も一層正確に決定するために,患者から採取されるべき試験液の正確な液量が,使用された脱カルシウム試薬の量と共に,知られている必要がある。
本発明の診断用組成物は,所望により1種又は2種以上の阻害剤を含み,それらは例えば,血小板阻害剤,線溶阻害剤,又はヘパリン阻害剤の1種又は2種以上から選ばれる。
それらの阻害剤は,診断の要請に正しく応じて,組み合わせて使用してもよく,例えば,血小板阻害剤は,細胞骨格阻害剤又はGPIIb/IIIa拮抗剤であってよい。同様に,線溶阻害剤は,例えば,アプロチニン,トラネキサム酸,又はε−アミノカプロン酸(eaca)から選んでよく;ヘパリン阻害剤は,例えば,ヘパリナーゼ,プロタミン,又はプロタミン関連ペプチドから選んでよく;そして凝固因子は,例えば,1種又は2種以上の凝固因子若しくは活性型凝固因子,好ましくはFXa又はFV又は活性型プロテインC若しくはFVIIaから選ぶことができる。しかしながら,これは単に好ましい選択の1つに過ぎず,更なる阻害剤も,必要なら用いることができる。
好ましい一具体例において,診断用組成物はまた,1種又は2種以上の安定化剤を含んでよく,ここに安定化剤は好ましくはアルブミン又はゼラチンである。
好ましい一具体例において,診断用組成物はまた,1種又は2種以上のリン脂質を含んでよく,ここにリン脂質は,フォスファチジルセリン,フォスファチジルエタノールアミン及びフォスファチジルエタノールコリン等のような種々のリン脂質からなる組成物であってよい。例えば,家兎脳から抽出されたリン脂質混合物を使用することができる。
好ましい具体例において,診断用組成物は,次の成分を有してよい。
・外因性活性化: 外因性活性化剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ
・内因性活性化: 内因性活性化剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ
・ヘパリンに非感受性の外因性活性化: 外因性活性化剤,ヘパリン阻害剤,及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ
・ヘパリンに非感受性の内因性活性化: 内因性活性化剤,ヘパリン阻害剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・血小板活性化を伴わない外因性活性化: 外因性活性化剤,血小板阻害剤,安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・血小板活性化を伴わずヘパリンに非感受性の外因性活性化:外因性活性化剤,血小板阻害剤,ヘパリン阻害剤及び安定化剤及び,所望によりCaCl,の組み合わせ。
・血小板活性化を伴わない内因性活性化: 内因性活性化剤,血小板阻害剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・血小板活性化を伴わずヘパリンに非感受性の内因性活性化: 内因性活性化剤,血小板阻害剤,ヘパリン阻害剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・線溶の阻害を伴う外因性活性化: 外因性活性化剤,線溶阻害剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・線溶の阻害を伴いヘパリンに非感受性の外因性活性化: 外因性活性化剤,線溶阻害剤,ヘパリン阻害剤及び安定化剤及び,所望によりCaCl,の組み合わせ。
・線溶の阻害を伴う内因性活性化: 内因性活性化剤,線溶阻害剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・線溶の阻害を伴いヘパリンに非感受性の内因性活性化: 内因性活性化剤,線溶阻害剤,ヘパリン阻害剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・追加の凝固因子を伴う外因性活性化: 外因性活性化剤,追加の凝固因子1種及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・追加の凝固因子を伴いヘパリンに非感受性の外因性活性化: 外因性活性化剤,追加の凝固因子1種,ヘパリン阻害剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・追加の凝固因子を伴う内因性活性化: 内因性活性化剤,追加の凝固因子1種及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
・追加の凝固因子を伴いヘパリンに非感受性の内因性活性化: 内因性活性化剤,追加の凝固因子1種,ヘパリン阻害剤及び安定化剤,及び所望によりCaCl,の組み合わせ。
第2の面において,本発明は,上に既定した診断用組成物を含んでなる容器1を提供する。容器1は,好ましくは,バイアル又はキュベットの形態をとる。
容器1は,充填される試薬又は充填される試験液による腐蝕その他の影響を受けない材料(例えば,プラスチック又はガラスのような)で形成される。
容器1は,シリンダー形であってよいが,シリンダー形でなければならない訳ではない。容器1は,例えば,図4に示す円錐形のように,内側面の輪郭が上側の開口から底にかけての窄まる形状,又は少なくとも部分的に円錐形であってよい。これは,通常少量である液体試薬混合物を扱い易くする。直径の小さい,底の平らなバイアルを用たとすればこの問題を減らすことができようが,そのようなバイアルは,今度は,診断装置,例えばROTEM トロンボエラストメーター(thrombo-elastometer)等との関係で用いられる標準的なピペッティング装置で扱うには,開口の直径が小さ過ぎることになろう。(ここに,ROTEMシステム及びその使用方法については,米国特許第5777215号を,参照により本明細書に導入する。)
更には,そのような小さなバイアルは,一般的な自動化された処理システムには一層取り扱い難くなるかも知れず,このため製造コストを上昇させるかもしれない。
好ましい具体例である基本的に軸対称の容器1の断面が図4Aに示されている。しかしながら,本発明がそれに限定されるものではないということは明示的に述べておかねばならず,U字型,長方形その他の形状も使用してよい。
上に述べたとおり,試薬の損失や汚染物,水等の侵入を避けるために,容器1は蓋5その他によって閉鎖又は密封される。
更なる具体例においては,容器1は,粘弾性測定装置4の測定カップ2としてそのまま使用できるように設計される。言い換えれば,粘弾性分析は,それぞれの容器1が準備され,試験液が容器1に加えられ,そして測定が容器1内で直接実施されるようにすることができる。その場合,液体の移しかえステップとしては容器内への血液の分配のみを行えばよく,これは,手動のピペット,自動化されたピペット,自動化された分配装置その他の如何なる液体移し替え装置を用いても実施することができる。
この実施例において,容器1は2種の材料の組み合わせによって設計することができ,例えば,ガラスとプラスチック,又はガラスと表面被覆等である。この関係において,ガラスで作られた容器部分は,必ずしもプラスチック部分の下側全体を掴んでいる必要はなく,図4Cに従って構成してもよい。
図4B及びCに本発明の更なる具体例を見ることができる。容器1(例えばキュベット)は,より大きな構造体,例えばガラス製の物品に組み込まれていてよく,そうすることで幾つかの技術的優位性が得られる。すなわち,その構成は,容器の保持を提供するであろう。
これらの具体例において,ガラス表面によって起こり得る試験液中での凝固活性化が除外される一方,プラスチック材料に比べてガラス材料の優れた密封性が依然として利用される。ガラス表面によって起こり得る試験液中での凝固活性化の抑制という同様の効果は,ガラス表面(又は少なくともガラス表面の内側部分)を,血液又は血液成分と接触したとしても凝固を活性化できない1種又は2種以上の物質で被覆することにより,実現することができる。
比較のために,米国特許出願2004/0071604に従った測定カップ2が図3に図解されている。
容器1が提供され,それは,種々の分析工程を用いた分析のための,試薬の支持及び測定の容器(すなわち,測定カップ2見なすことができる)として働き,容器の壁又は容器の底から延びる1つ又は2つ以上の棒によって少なくとも2つのチャンバー(6a,6b,6c)に分割された領域を有し,ここにチャンバーは,液体又は固体試薬を相互の拡散又は流入による混合のおそれなしに導入できるように,配置されている。容器1は,完全に又は部分的にチャンバーが満たされた状態で乾燥又は凍結乾燥のために使用され,それと同時に,それら乾燥させた材料を水,試薬溶液又は水相を代表するサンプルの添加により再溶解させた後に,測定容器としても働く。
第3の面において,本発明は,試験液,好ましくは血液サンプルの粘弾性測定を行う,次のステップを含んでなる方法に向けられている。すなわち:
a)試験液を入手し,
b)上で定義した容器1を準備し,
c)上記容器1に当該試験液を加え,それにより容器内に含まれていた診断用組成物を溶解させ,
d)当該試験液と当該診断用組成物との混合物をカップ2に移し,これを粘弾性分析を実施するに適した装置4に入れ,
又は
容器1を,粘弾性分析を実施するに適した装置4に入れ,
e)当該混合物の粘弾性分析を実施する。
既に上で述べたように,試験液は,好ましくは血液サンプル,好ましくは哺乳類の,より好ましくはヒトの血液又は血液成分である(例えば,全血又は血漿)。
本発明の方法のステップc)は,好ましくは1〜60秒,より好ましくは2〜10秒,そして最も好ましくは約5秒を要する。この時間に続いて,診断用組成物と血液サンプルとのこの混合物は,測定装置4の測定カップ2に素早く移さなければならない。これは,ステップd)において,混合物を容器1から手により又は自動的にピペッティングし,それにより装置4に,すなわち装置4の測定カップ2に移すことにより成される。
代わりの方法として,もし本発明の容器1が測定容器2であるなら,測定は容器1内で直接実施される。この場合,ステップd)は省いてよい。
装置4は,好ましくは粘弾性測定に適した装置,例えば米国特許第5777215号,米国特許第6537819号又は米国特許第5777215号に開示された装置である。
当該装置4の一例が図2に示されている。
カップ2(キュベット)とピン3との間に凝血塊が形成された後,凝血塊それ自体は,カップ2に対するピン3の動きにより引き延ばされる。凝血塊の特性パラメーターの検出は,カップ2とピン3との凝血塊による機械的結合に基づく。これは,凝血塊がカップ2及びピン3の双方の表面に接着する場合にのみ可能である。従って,カップ2及びピン3の双方の表面上への固い結合が,粘弾性測定には必須である。
本発明の方法は,凝固特性を測定するための血液サンプルのそのような粘弾性分析を含んでなり,ここにそのような粘弾性分析は,最も広い意味において,パンチに対する,血液サンプルを含んだキュベットの相対運動の測定を意味する。この分析は,好ましくは,凝固時間,凝血塊形成時間,及び,線溶効果も含んだ凝血塊の経時的堅さ測定を含んでなる。
実際上,次のステップを実施することができる。すなわち:
1.規定された液量のサンプル(例えば,全血,血漿)が,試薬組成物を含んだバイアルに直接加えられる;測定は,サンプルを添加した瞬間とほぼ同時に開始されなければならない。
2.試薬混合物がサンプルに溶解された後(5秒),試薬−サンプル混合物がピペットで試薬混合物バイアルから測定カップ2へと移される(バイアル自体が測定カップ2である場合は必要ない)。
3.次いでカップ2が,当該試験カップ内に含まれている液体にピン3が浸るような位置に置かれ,使用者により停止されるまで測定が続けられる。
従って,使用者は,各試験を実施するのに,(液体試薬システムについて要する8回までのステップに比べ)合計4回を超えるピペッティングステップは必要とせず,且つ1回の試験を準備するのにピペットチップの交換を要しない。そのことは,そのような試験を実施する者にとって,本発明の直接的利点を明白に示している。
更なる一面において,本発明は,試験液,好ましくは血液サンプルの粘弾性挙動を分析するための方法における,上に定義された試薬組成物又は容器1の使用に向けられている。
好ましい具体例に従って本発明を記述してきたが,全ての具体例において変更が可能であることは当業者に自明である。
1 容器
2 測定カップ
3 ピン
4 測定装置
5 蓋
6a,b,c 試薬チャンバー

Claims (16)

  1. 試験液の粘弾性分析を実施する方法であって,次のステップすなわち:
    a)試験液を入手し;
    b)少なくとも1種の凝固活性化剤と,該試験液の再カルシウム化を保証するに十分な量のCaCl であってよいカルシウム塩と,ヘパリン阻害剤とを含んでなる診断用組成物であって,それらの成分が,本質的に乾燥形態で且つ特定された試験液の1回の粘弾性分析を実施するに十分な量で存在し,且つそれらの成分が物質混合物の形では存在せず空間的に分離された形で存在するものである診断用組成物を含有する容器(1)を準備し;
    c)該容器(1)に該試験液を加え,それにより該容器内に含まれている該診断用組成物を溶解させ;
    d)粘弾性分析を実施するに適した装置(4)内に該容器(1)を入れ;そして
    e)該試験液と該診断用組成物との混合物の粘弾性分析を実施すること
    を含んでなる方法。
  2. 請求項の方法であって,該試験液が,ヒトを含む哺乳類のものであってよい血液サンプルである,方法。
  3. 請求項1又は2の方法であって,ステップc)が1〜60秒を要するものである,方法。
  4. 請求項1又は2の方法であって,ステップc)が2〜10秒を要するものである,方法。
  5. 請求項1〜4の何れかの方法であって,ステップd)において,容器(1)から該混合物を手で又は自動的にピペッティングし,これをピペッティングにより装置(4)に,又は該装置(4)の測定カップ(2)に移すことにより,該混合物が移されるものである,方法。
  6. 請求項1〜5の何れかの方法であって,該装置(4)がトロンボエラストメーター又はトロンボエラストグラフである,方法。
  7. 請求項1〜6の何れかの方法であって,該分析が,凝固時間,凝血塊形成時間,凝血塊の経時的な堅さ及び/又は線溶の測定を含むものである,方法。
  8. 請求項1〜7の何れかにおいて試験液の粘弾性分析に使用するための診断用組成物であって,次の成分
    a)少なくとも1種の凝固活性化剤,
    b)該試験液の再カルシウム化を保証するに十分な量のCaCl であってよいカルシウム塩と,そして
    ヘパリン阻害剤と
    を含んでなり,それらの成分が,本質的に乾燥形態で且つ特定された試験液の1回の粘弾性分析を実施するに十分な量で存在し,且つそれらの成分が物質混合物の形では存在せず空間的に分離された形で存在するものである,診断用組成物。
  9. 請求項8の診断用組成物であって,それらの成分の空間的分離が,分離された担体中に各成分を導入することによって実現されるものであり,該担体が,ショ糖又はセルロースであってよい炭水化物を少なくとも含んでなるものである,診断用組成物。
  10. 請求項8又は9の診断用組成物であって,該凝固の活性化剤が内因性及び/又は外因性の活性化剤である,診断用組成物。
  11. 請求項9の診断用組成物であって,該凝固の外因性活性化剤が,脂質化TF又はrTFであってよい組織因子(TF)であるか,又は該凝固の内因性活性化剤が,セライト,エラグ酸,硫酸塩,カオリン,シリカ,RNA又はそれらの混合物よりなる群より選ばれるものである,診断用組成物。
  12. 請求項8〜11の何れかの診断用組成物であって,該ヘパリン阻害剤が,ヘパリナーゼ,プロタミン,又はプロタミン−関連ペプチドより選ばれるものである,診断用組成物。
  13. 請求項8〜12の何れかの診断用組成物であって,該凝固因子が1種又は2種以上の凝固因子から又はFXa又はFVa又は活性化プロテインC又はFVIIaであってよい活性化凝固因子から選ばれるものであるか,又は
    CaCl が,血液サンプルであってよい該試験液中に1〜100μmol/mlの量で存在するものである,
    診断用組成物。
  14. 請求項8〜13の何れかの診断用組成物であって,該乾燥形態が凍結乾燥された形態であり,及び/又は,アルブミン又はゼラチンであってよい安定化剤を更に含むものである,診断用組成物。
  15. 請求項8〜14の何れかの診断用組成物を含んでなる容器(1)であって,内側面の輪郭が開口から底へと窄まるように形成されているものであってよいバイアル又はキュベットの形をとるものである,容器。
  16. 請求項15の容器であって,粘弾性測定を実施するための装置に取り付けることができるように内側形状が与えられているものである,容器。
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