JP5627070B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は燃料供給装置に係り、特に筐体内に燃料を供給するための各機器が収納された燃料供給装置に関する。
例えば、車両の燃料タンクにガソリンや軽油などの液体燃料を供給する燃料供給装置においては、筐体の内部に、地下タンクに貯留された燃料を汲み上げるための燃料供給経路と、燃料供給経路に連通されたポンプ、流量計、電磁弁、制御装置が設けられ、ポンプより圧送された燃料を燃料供給経路の他端に連通されたノズルを介して車両の燃料タンクに供給し、流量計によって計測された供給量を表示するように構成されている。
この種の燃料供給装置では、燃料漏れを検知する燃料漏れ検知装置と、燃料漏れ検知装置により燃料漏れを検知したことを知らせる報知手段とが設けられている(例えば、特許文献1参照)。そして、上記特許文献1に記載された燃料供給装置では、筐体内部に収納された各機器から燃料が漏れている場合には、燃料漏れ検知装置が燃料漏れ検知信号を出力することにより報知手段により燃料漏れを報知し、作業員は報知手段の報知に基づいてメンテナンス会社に修理・点検を要請する。
特開昭64−23981号公報
しかしながら、上記燃料供給装置では、燃料漏れを報知した後もメンテナンス要員が燃料漏れ箇所を修理するまで燃料漏れが継続されており、修理が完了するまで、燃料漏れによる汚染の進行を止めることができず、且つ燃料漏れが生じた状態でも、作業員がノズルを開弁操作すると、ポンプが起動されて燃料供給が行えるため、燃料漏れに気付かない作業員が燃料供給の作業を行なうおそれがあった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した燃料供給装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、筐体と、
前記筐体内に設けられ、一端が液体燃料の貯留タンクに接続された液体燃料供給経路と、
前記液体燃料供給経路の他端に接続され、被燃料供給体に液体燃料を供給するノズルと、
前記液体燃料供給経路に設けられ前記貯留タンクの液体燃料を前記ノズルに圧送するポンプと、
前記ポンプにより前記ノズルに送液された液体燃料の供給量を計測する流量計と、
を有する燃料供給装置において、
前記ポンプよりも上流側の前記液体燃料供給経路に連通された外気導入通路と、
前記筐体の下部に設けられ、前記筐体内で漏れた液体燃料を回収する回収機構と、
前記回収機構により回収された液体燃料の漏れ量が所定値以上に達した場合に機械的に動作することにより当該液体燃料の漏れを検知する燃料漏れ検知機構と、
前記漏れ量が所定値以上である場合の前記燃料漏れ検知機構の動作により前記外気導入通路に空気を導入するように動作する弁機構を有し、前記外気導入通路を介して前記液体燃料供給経路に空気を供給して前記ポンプによる前記液体燃料の供給を停止させる燃料供給停止機構と、を備え、
記燃料漏れ検知機構は、前記回収機構により回収された液体燃料の漏れ量の重量が所定値以上になったとき、前記漏れ量の重量を利用して前記弁機構を動作させることを特徴とする
(2)また、本発明は、筐体と、
前記筐体内に設けられ、一端が液体燃料の貯留タンクに接続された液体燃料供給経路と、
前記液体燃料供給経路の他端に接続され、被燃料供給体に液体燃料を供給するノズルと、
前記液体燃料供給経路に設けられ前記貯留タンクの液体燃料を前記ノズルに圧送するポンプと、
前記ポンプにより前記ノズルに送液された液体燃料の供給量を計測する流量計と、
を有する燃料供給装置において、
前記ポンプよりも上流側の前記液体燃料供給経路に連通された外気導入通路と、
前記筐体の下部に設けられ、前記筐体内で漏れた液体燃料を回収する回収機構と、
前記回収機構により回収された液体燃料の漏れ量が所定値以上に達した場合に機械的に動作することにより当該液体燃料の漏れを検知する燃料漏れ検知機構と、
前記漏れ量が所定値以上である場合の前記燃料漏れ検知機構の動作により前記外気導入通路に空気を導入するように動作する弁機構を有し、前記外気導入通路を介して前記液体燃料供給経路に空気を供給して前記ポンプによる前記液体燃料の供給を停止させる燃料供給停止機構と、を備え、
記燃料漏れ検知機構は、前記回収機構により回収された液体燃料の液位によって昇降するフロートを有し、前記漏れ量の液位が所定値以上になったとき、前記フロートの上昇動作を利用して前記弁機構を動作させることを特徴とする。
本発明によれば、漏れ量が所定値以上である場合の燃料漏れ検知機構の機械的な動作により外気導入通路に空気を導入するように弁機構を動作させ、外気導入通路を介して液体燃料供給経路に空気を供給してポンプによる液体燃料の供給を停止させるため、燃料漏れが検知された後は、実質的に燃料供給が行えなくなり、筐体内がベーパで充満している状態で筐体内に設けられた電装機器の使用ができない状態に切替えることができ、燃料漏れ状態での安全性をより高めることが可能になる。このように、燃料漏れ検知機構及び弁機構は、機械的に動作する構成よりなるため、例えば電気的制御で動作させる場合のように電気的スパークが発生せず、より安全に燃料供給を停止させることが可能になる。
本発明による燃料供給装置の一実施例の概略構成を模式的に示す図である。 漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構を拡大して示す縦断面図である。 漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の実施例1を拡大して示す縦断面図である。 漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の実施例1の燃料漏れ検知状態を拡大して示す縦断面図である。 漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の変形例1を拡大して示す縦断面図である。 漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の変形例1の燃料漏れ検知状態を拡大して示す縦断面図である。 漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の変形例2を拡大して示す縦断面図である。 漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の変形例2の燃料漏れ検知状態を拡大して示す縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明による燃料供給装置の一実施例の概略構成を模式的に示す図である。図1に示されるように、燃料供給装置11は、筐体12の内部に、上記液体燃料供給経路20、ポンプ22、流量計24、電磁弁27などの燃料供給のための各機器が設けられ、且つノズルスイッチ14a、ポンプモータ22a、流量パルス発信器24a、制御回路25、給油量表示器26等の電装部品も収納されている。液体燃料供給経路20の下端が連通された地下タンク(貯留タンク)21には、ガソリンや軽油といった液体燃料が貯留されている。ポンプ22は、例えば、ベーンポンプなどの所謂容積式ポンプが用いられる。
また、筐体12は、コンクリート製のアイランド30に設置されており、下部には、筐体12内の燃料供給系統から燃料漏れが生じた場合に燃料供給を緊急停止する緊急停止ユニット40が設けられている。
また、筐体12の側面にはノズル13に接続されたホース15が引き出されている。ノズル13は通常、筐体12の側面に設けられたノズル掛け14に掛止されており、例えば顧客の自動車が給油所に到着すると、操作者はノズル13をノズル掛け14から外し自動車の燃料タンク(被燃料供給体)16の給油口16aに挿入して液体燃料の給油を行う。
また、ノズル13は、ノズル本体の側面に設けられた継手にホース15が接続されており、ホース15は筐体12内において、液体燃料供給経路20に接続されている。この液体燃料供給経路20は、地下タンク21まで延在して挿入されており、その途中にはポンプ22、流量計24、電磁弁27が設けられている。
また、筐体12の前面には、流量計24により計測された瞬時流量を積算して得られる給油量を表示する給油量表示器26が配設されている。そして、上記ノズル掛け14のノズルスイッチ14a、ポンプ22のポンプモータ22a、流量計24の流量パルス発信器24a、給油量表示器26は、夫々制御回路25に接続されている。
制御回路25は、ノズル13がノズル掛け14より外されてノズルスイッチ14aからの信号が入力されると、ポンプ22のポンプモータ22aを起動させて地下タンク21内の油液を汲み上げると共に、電磁弁27の弁開度を制御してノズル13からの吐出量が所定流量となるようにする。
また、ノズル13は、ノズルレバー13aの操作位置によって内蔵された弁の弁開度が調整される構成となっており、且つノズルレバー13aの先端を任意の操作位置に掛止する掛止部(図示せず)が設けられている。ノズル13のノズルレバー13aが操作されると、燃料タンク16への給油が開始され、流量計24の流量パルス発信器24aから流量パルスが制御回路25に出力される。
そして、制御回路25は、流量パルス発信器24aから出力された流量パルスを積算して給油量表示器26に給油量を表示させると共に、満タン給油制御あるいはプリセット給油制御を行う。
図2は漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構を拡大して示す縦断面図である。
図2に示されるように、緊急停止ユニット40は、燃料回収機構50と、漏れ量検知機構60と、燃料供給停止機構70とを有する。燃料回収機構50は、筐体12内の燃料供給系統から燃料漏れが生じた場合に液体燃料を回収する傾斜板52と、傾斜板52の最下位に設けられた回収口54と有する。尚、傾斜板52は外側の周縁部が高い位置になり、回収口54が設けられた部分が周縁部よりも低い位置となるように水平面に対する傾斜角度が適宜設定されている。
また、傾斜板52は、筐体12の底部の略全面積をカバーするように設けられているので、それより上方に設けられた燃料供給経路の機器で燃料漏れが発生した場合には、その殆どを回収することができるように設けられている。
図3は漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の実施例1を拡大して示す縦断面図である。
図3に示されるように、漏れ量検知機構60は、燃料回収機構50により回収された燃料の回収量が所定量以上になったことを検知する機構であり、回収口54の下方に位置するように設けられたカップ状の容器62と、容器62の底部中央より下方に延在する弁軸64を上方に押圧する付勢部材66とよりなる。付勢部材66は、例えば、コイルバネからなり、容器62の重量と容器62内に流入した燃料の重量との合計値(総重量)と釣り合うようにばね定数が設定されている。容器62の容積は、回収された漏れ量が所定量に達したとき、付勢部材66の付勢力と釣り合う大きさになっている。
そのため、容器62内に流入された燃料が所定量以上になると、付勢部材66を下方へ圧縮する容器62の荷重が増大して付勢部材66を下方に弾性変形させることになる。
燃料供給停止機構70は、漏れ量検知機構60の検知によりポンプ22の上流(図1では下方)に配された液体燃料供給経路20に連通する外気導入通路80に空気を供給し、外気導入通路80を介してポンプ22に空気を供給することにより燃料供給を強制的に停止させるように構成されている。
燃料供給停止機構70は、弁軸64と一体に設けられた弁部72と、弁部72の変位によって開閉される空気導入口74の弁座75とからなる弁機構76を有する。また、弁機構76のケース90は、矩形状の壁部に囲まれた空間92が内部に形成されている。当該空間92は、側方から外気導入通路80に連通しており、外気導入通路80を介して液体燃料供給経路20に連通されている。また、空気導入口74は、ケース90の上面に開口しており、弁座75から弁部72が離間する開弁動作により、ケース90の内部に形成された空間92に空気を導入する。
弁部72は、テーパ面を有する円錐形状に形成されており、テーパ面が空気導入口74の内周に当接することで空気導入口74を閉止する。また、弁部72より下方に延在する弁軸64の下端は、ケース90の内部に突出する支持部94を貫通して上下方向にのみ移動可能に支持されている。付勢部材66は、弁部72の下端と支持部94との間に設けられており、弁部72を上方に付勢している。
ここで、上記筐体12内に収納された上記液体燃料供給経路20、ポンプ22、流量計24、電磁弁27などの燃料供給のための各機器で燃料漏れが発生した場合の燃料漏れ検知動作について説明する。
図4は漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の実施例1の燃料漏れ検知状態を拡大して示す縦断面図である。図4に示されるように、上記液体燃料供給経路20、ポンプ22、流量計24、電磁弁27などで燃料漏れが発生した場合、漏れた液体燃料は、燃料回収機構50の傾斜板52上に滴下し、傾斜板52の傾斜方向の低い方へと流れる。そして、傾斜板52により集められた漏れた燃料Fは、傾斜板52の最下位にある回収口54より容器62に流入する。
ポンプ22が停止しているときは、外気導入通路80より上方に充填された液体燃料の自重による圧力がケース90内に作用している。そのため、容器62に流入した漏れ量と容器62との重さの合計値が付勢部材66の付勢力とケース90内の液圧との合計値より大になったとき、容器62と一体に形成された弁軸64及び弁部72が降下して開弁方向に変位する。この弁部72の開弁動作により付勢部材66は、下方に圧縮されるため、弁部72及び容器62に対する付勢力を徐々に増大させて容器62に回収された燃料増大による重量増とのバランスを保つ。
尚、弁部72が開弁動作した場合、弁軸64の下端がケース90の底部内壁に当接して下動を制限される。このとき、容器62は、底部が空気導入口74に近接するものの、弁軸64の下端がケース90の底部内壁に当接することで、空気導入口74を上方から閉塞せず、空気導入口74からの空気導入を阻害しないように設けられている。
これにより、空気導入口74は、上記のような弁部72の開弁動作に伴って開放され、外気が外気導入通路80に供給される。この外気導入が行なわれると、外気導入通路80より下方の液体燃料供給経路20に充填された液体燃料は、外気導入と共に地下タンク21に落下する。そのため、ポンプ22が起動された場合、外気導入通路80より上方の液体燃料供給経路20に充填された液体燃料がノズル13側に吐出された後、外気導入通路80を介して供給された空気がポンプ22の吸込み口に吸込まれることになる。その結果、ノズル13からは、開弁操作の当初だけ液体燃料が吐出されるものの、その後は空気が吐出されることになる。
また、ポンプ22が地下タンク21の液体燃料を汲み上げているときに容器62と一体に形成された弁軸64及び弁部72が降下して開弁動作した場合は、外気導入通路80より上方の液体燃料供給経路20に外気が供給されると共に、外気導入通路80より下方の液体燃料供給経路20に充填された液体燃料は、外気導入と共に地下タンク21に落下する。
そのため、ポンプ22が起動された場合、外気導入通路80を介して供給された空気がポンプ22に吸込まれる。その結果、ノズル13からは、ノズル13の開弁操作した当初から空気が吐出されることになる。
このように、ノズル13を開弁操作した操作者は、ポンプ22が起動されているにも拘わらず、ノズル13から液体燃料が吐出されないことにより、筐体12内において燃料漏れが発生していることを確認することができる。また、操作者は、ノズル13から液体燃料が吐出されない場合、給油所の係員に報告してメンテナンス会社に対してメンテナンス要員の派遣を要請する。
そして、メンテナンス会社からのメンテナンス要員が到着して点検・修理を行なうまでは、給油操作を行なっても上記空気導入口74が開放されて外気が液体燃料供給経路20に供給されているため、燃料供給が行えない状況が維持される。これにより、筐体12内の機器から燃料漏れが発生した場合には、漏れ量検知機構60による検知動作により燃料供給停止機構70が燃料供給を強制的に停止しているため、点検・修理が行なわれるまで、燃料漏れも防止される。従って、燃料供給装置11の点検・修理が行なわれるまでに時間がかかる場合でも、燃料漏れが停止しており、液体燃料が筐体12の周辺に流出したり、漏れた燃料によって地下の土壌が汚染されることを防止できる。
また、上記漏れ量検知機構60及び燃料供給停止機構70は、いずれも機械式であるので、筐体12内で揮発性の高い液体燃料が漏れた場合でも、電気的制御で動作させる場合のように電気的スパークが発生せず、より安全に燃料供給を停止させることが可能になる。
また、メンテナンス要員が到着して筐体12内の燃料漏れを修理した場合は、上記容器62に回収された液体燃料をスポイト等で取り出すことにより、容器62と一体に設けられた弁軸64及び弁部72が付勢部材66に付勢されて空気導入口74を閉止する閉弁位置に復帰する。このように、上記漏れ量検知機構60及び燃料供給停止機構70は、修理終了後の復帰操作が簡単であり、メンテナンス要員の作業労力を軽減することができる。
ここで、変形例1について説明する。
図5は漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の変形例1を拡大して示す縦断面図である。図5に示されるように、変形例1の漏れ量検知機構60Aは、ケース100の側壁に一体に設けられた箱状の容器102と、容器102内に設けられたフロート104と、一端がフロート104に結合されたロッド108とを有する。
容器102の上方には、回収口54が設けられている。従って、漏れ量検知機構60Aは、筐体12内の機器で燃料漏れが生じた場合、燃料回収機構50の回収口54から容器102に流入するように設けられている。
また、ロッド108は、ケース100の側壁に設けられた空気導入口110内に挿通され、且つ他端がケース100の空間101内に設けられた支持部112の支持ピン113により上下方向に回動可能に支持されている。空気導入口110は、フロート104の動作範囲に応じた高さ位置に設けられている。すなわち、空気導入口110は、容器102内に収容される液体燃料の回収量が所定量に設定可能であり、且つフロート104に連結されたロッド108の上下方向への回動動作を妨げない位置に設けられている。
変形例1の燃料供給停止機構70Aは、ケース100の側壁に設けられた空気導入口110と、ケース100の内部に形成された空間101を仕切る隔壁120に設けられた弁座122と、弁座122を開閉する円錐形状の弁部124と、弁部124の上端より上方に延在してロッド108と連結ピン109を介して連結された弁軸126とを有する。弁機構130は、弁座122と弁部124とから構成されており、弁座122の下方には、外気導入通路80が連通されている。
通常は、燃料の漏れがない状態であるので、漏れ量検知機構60Aのフロート104は、自重により下方に変位してロッド108に連結された弁軸126を介して弁部124を弁座122に押圧している。すなわち、弁機構130は、フロート104が自重で下方に変位しているときは、弁部124が弁座122を閉止する閉弁状態に保持されており、外気導入通路80への空気供給を遮断している。
図6は漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の変形例1の燃料漏れ検知状態を拡大して示す縦断面図である。図6に示されるように、筐体12内の機器で燃料漏れが生じたときは、傾斜板52に滴下された液体燃料が回収口54に集められ、回収口54の下方に配置された容器102に漏れた燃料が流入する。容器102内に設けられたフロート104は、容器102に流入された液体燃料Fの液位が上昇するに連れて浮力を受けることになる。この浮力がフロート104の自重よりも大になると、フロート104は徐々に上昇する。
容器102内の液体燃料Fが所定量に達すると、フロート104が上昇するのに伴ってロッド108の中間部分に連結された弁部124が上方に持ち上げられて開弁方向に変位する。これにより、弁機構130は、弁部124が弁座122から離間して開弁状態になる。
そのため、ポンプ22が起動された場合、上記弁機構130が開弁しているため、空気導入口110から吸込まれた空気が弁座122及び外気導入通路80、液体燃料供給経路20を介してポンプ22に吸込まれる。その結果、ノズル13からは、空気が吐出されることになる。
このように、ノズル13を開弁操作した操作者は、実施例1の場合と同様に、ポンプ22が起動されているにも拘わらず、ノズル13から液体燃料が吐出されないことにより、筐体12内において燃料漏れが発生していることを確認することができる。また、操作者は、ノズル13から液体燃料が吐出されない場合、給油所の係員に報告してメンテナンス会社に対してメンテナンス要員の派遣を要請する。
従って、変形例1においても、燃料供給装置11の点検・修理が行なわれるまで燃料供給が停止されているので、燃料漏れも停止しており、液体燃料が筐体12の周辺に流出したり、漏れた燃料によって地下の土壌が汚染されることを防止できる。
また、上記漏れ量検知機構60A及び燃料供給停止機構70Aは、いずれも機械式であるので、筐体12内で揮発性の高い液体燃料が漏れた場合でも、電気的制御で動作させる場合のように電気的スパークが発生せず、より安全に燃料供給を停止させることが可能になる。
また、メンテナンス要員が到着して筐体12内の燃料漏れを修理した場合は、上記容器102に回収された液体燃料をスポイト等で取り出すことにより、フロート104と一体に設けられた軸126及び弁部124が自重により閉弁位置に復帰する。このように、上記漏れ量検知機構60A及び燃料供給停止機構70Aは、修理終了後の復帰操作が簡単であり、メンテナンス要員の作業労力を軽減することができる。
次に変形例2について説明する。
図7は漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の変形例2を拡大して示す縦断面図である。図7に示されるように、変形例2の漏れ量検知機構60Bは、回収口54の下方に配置された容器142と、容器142の側面に結合されたロッド144と、ケース150内に設けられロッド144の端部を支持ピン153により回動可能に支持する支持部152と、ケース150の空間151内でロッド144を上方に付勢する付勢部材156とを有する。
また、ロッド144は、ケース150の側壁に設けられた空気導入口160内に挿通され、且つ他端がケース150の空間151内に設けられた支持部152により上下方向に回動可能に支持されている。空気導入口160は、容器142の動作範囲に応じた高さ位置に設けられている。すなわち、空気導入口160は、容器142に連結されたロッド144の上下方向への回動動作を妨げない位置に設けられている。
容器142は、空の状態のときは、ロッド144が支持部152を支点として付勢部材156の付勢力により上方に回動変位しているので、上方に移動した傾斜状態に保持されている。容器142の上部開口は、回収口54の横幅よりも大きい寸法に形成されており、傾斜状態においても回収口54と接触しないように設けられている。
変形例2の燃料供給停止機構70Bは、ケース150の側壁に設けられた空気導入口160と、ケース150の内部に形成された空間151を仕切る隔壁170に設けられた弁座172と、弁座172を開閉する円錐形状の弁部174と、弁部174の下端より下方に延在してロッド144に連結ピン145を介して連結された弁軸176とを有する。弁機構180は、弁座172と弁部174とから構成されており、弁座172の上方には、外気導入通路80が連通されている。
本変形例2においては、付勢部材156は、弁軸176の下端に突出する鍔部178と、ケース150の底部との間に設けられ、弁軸176及びロッド144を上方に押圧している。また、付勢部材156は、容器142に所定量の液体燃料が回収されるまで、容器142の重量と液体燃料の重量との合計値と吊り合うように付勢力が設定されている。そのため、容器142が空のときは、容器142側の重量が付勢部材156の付勢力よりも小さいので、弁機構180は、弁部174が弁座172に押圧された閉弁状態に保持される。
通常は、燃料の漏れがない状態であるので、漏れ量検知機構70Bの容器142は、付勢部材156の付勢力により上方に変位しており、弁軸176を介して弁部174が弁座172を閉止している。すなわち、弁機構180は、弁部174が弁座172を閉止して外気導入通路80への空気供給を遮断している。
図8は漏れ量検知機構及び燃料供給停止機構の変形例2の燃料漏れ検知状態を拡大して示す縦断面図である。図8に示されるように、筐体12内の機器で燃料漏れが生じたときは、傾斜板52に滴下された液体燃料が回収口54に集められ、回収口54の下方に配置された容器142に漏れた燃料が流入する。これにより、容器142内に流入された液体燃料Fが徐々に増大して容器142の重量も増大する。容器142に流入された液体燃料Fが所定量に達すると、容器142と液体燃料Fとの重量の合計値が付勢部材156の付勢力よりも大になり、付勢部材156が圧縮方向に変位する。
これにより、容器142を支持するロッド144に連結された弁軸176を介して弁部174が下方に駆動されて開弁方向に変位する。これにより、弁機構180は、弁部174が弁座172から離間して開弁状態になる。
そのため、ポンプ22が起動された場合、上記弁機構180が開弁しているため、空気導入口160から吸込まれた空気が弁座172及び外気導入通路80、液体燃料供給経路20を介してポンプ22に吸込まれる。その結果、ノズル13からは、空気が吐出されることになる。
このように、ノズル13を開弁操作した操作者は、実施例1の場合と同様に、ポンプ22が起動されているにも拘わらず、ノズル13から液体燃料が吐出されないことにより、筐体12内において燃料漏れが発生していることを確認することができる。また、操作者は、ノズル13から液体燃料が吐出されない場合、給油所の係員に報告してメンテナンス会社に対してメンテナンス要員の派遣を要請する。
従って、変形例2においても、燃料供給装置11の点検・修理が行なわれるまで、燃料供給が停止しているので、燃料漏れも停止しており、液体燃料が筐体12の周辺に流出したり、漏れた燃料によって地下の土壌が汚染されることを防止できる。
また、上記漏れ量検知機構60B及び燃料供給停止機構70Bは、いずれも機械式であるので、筐体12内で揮発性の高い液体燃料が漏れた場合でも、電気的制御で動作させる場合のように電気的スパークが発生せず、より安全に燃料供給を停止させることが可能になる。
また、メンテナンス要員が到着して筐体12内の燃料漏れを修理した場合は、上記容器142に回収された液体燃料をスポイト等で取り出すことにより、容器142のロッド144と連結された弁軸176及び弁部174が付勢部材156の付勢力により弁座172を閉止する閉弁位置に復帰する。このように、上記漏れ量検知機構60B及び燃料供給停止機構70Bは、修理終了後の復帰操作が簡単であり、メンテナンス要員の作業労力を軽減することができる。
上記実施例では、液体燃料を供給する燃料供給装置であれば、上記ガソリンや軽油以外の燃料(例えば、植物から抽出されたアルコール成分を混入された所謂バイオ燃料や、液化石油ガス(LPG)など)を供給する装置にも本発明を適用できるのは勿論である。
上記実施例では、燃料漏れが検知された際に弁部を駆動するように構成したが、これに限らず、例えば、エアアクチュエータあるいはエアバルブなどを作動させてポンプの吸込み口に空気を供給するようにしても良い。
11 燃料供給装置
12 筐体
13 ノズル
14 ノズル掛け
14a ノズルスイッチ
16 燃料タンク
20 液体燃料供給経路
21 地下タンク
22 ポンプ
22a ポンプモータ
24 流量計
24a 流量パルス発信器
25 制御回路
26 給油量表示器
27 電磁弁
30 アイランド
40 緊急停止ユニット
50、50A、50B 燃料回収機構
52 傾斜板
54 回収口
60、60A、60B 漏れ量検知機構
62、102、142 容器
64、126、176 弁軸
66、156 付勢部材
70、70A、70B 燃料供給停止機構
72、124、174 弁部
74、110、160 空気導入口
76、130、180 弁機構
80 外気導入通路
90、100、150 ケース
92、151 空間
94、152 支持部
104 フロート
108、144 ロッド
120、170 隔壁
122、172 弁座

Claims (2)

  1. 筐体と、
    前記筐体内に設けられ、一端が液体燃料の貯留タンクに接続された液体燃料供給経路と、
    前記液体燃料供給経路の他端に接続され、被燃料供給体に液体燃料を供給するノズルと、
    前記液体燃料供給経路に設けられ前記貯留タンクの液体燃料を前記ノズルに圧送するポンプと、
    前記ポンプにより前記ノズルに送液された液体燃料の供給量を計測する流量計と、
    を有する燃料供給装置において、
    前記ポンプよりも上流側の前記液体燃料供給経路に連通された外気導入通路と、
    前記筐体の下部に設けられ、前記筐体内で漏れた液体燃料を回収する回収機構と、
    前記回収機構により回収された液体燃料の漏れ量が所定値以上に達した場合に機械的に動作することにより当該液体燃料の漏れを検知する燃料漏れ検知機構と、
    前記漏れ量が所定値以上である場合の前記燃料漏れ検知機構の動作により前記外気導入通路に空気を導入するように動作する弁機構を有し、前記外気導入通路を介して前記液体燃料供給経路に空気を供給して前記ポンプによる前記液体燃料の供給を停止させる燃料供給停止機構と、を備え、
    前記燃料漏れ検知機構は、前記回収機構により回収された液体燃料の漏れ量の重量が所定値以上になったとき、前記漏れ量の重量を利用して前記弁機構を動作させることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 筐体と、
    前記筐体内に設けられ、一端が液体燃料の貯留タンクに接続された液体燃料供給経路と、
    前記液体燃料供給経路の他端に接続され、被燃料供給体に液体燃料を供給するノズルと、
    前記液体燃料供給経路に設けられ前記貯留タンクの液体燃料を前記ノズルに圧送するポンプと、
    前記ポンプにより前記ノズルに送液された液体燃料の供給量を計測する流量計と、
    を有する燃料供給装置において、
    前記ポンプよりも上流側の前記液体燃料供給経路に連通された外気導入通路と、
    前記筐体の下部に設けられ、前記筐体内で漏れた液体燃料を回収する回収機構と、
    前記回収機構により回収された液体燃料の漏れ量が所定値以上に達した場合に機械的に動作することにより当該液体燃料の漏れを検知する燃料漏れ検知機構と、
    前記漏れ量が所定値以上である場合の前記燃料漏れ検知機構の動作により前記外気導入通路に空気を導入するように動作する弁機構を有し、前記外気導入通路を介して前記液体燃料供給経路に空気を供給して前記ポンプによる前記液体燃料の供給を停止させる燃料供給停止機構と、を備え、
    前記燃料漏れ検知機構は、前記回収機構により回収された液体燃料の液位によって昇降するフロートを有し、前記漏れ量の液位が所定値以上になったとき、前記フロートの上昇動作を利用して前記弁機構を動作させることを特徴とする燃料供給装置。
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