JP5624817B2 - 着用物品 - Google Patents

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Description

本発明は使い捨ておむつ等の着用物品に関する。
展開型使い捨ておむつやおむつカバーなどの着用物品を装着する場合、通常、着用者の背側に配される背側部幅方向の張出し部を腹側にとどかせ、固定部材によりおむつ腹側部の外表面に固着する。これにより、おむつを腰まわりで適度に締め付けてずれ落ちないように固定して着用することができる。しかし、装着後の着用者の身体の動きによってはおむつが腹部を圧迫することがある。例えば、要介護者の場合、おむつ装着後にベッドで寝返りを打ったり食事のため上体を起こしたりすることでお腹まわりがふくらみ、その分圧迫される。この点を解消するべく張出し部に伸縮性を持たせる工夫をしたものが種々ある。例えば、伸縮性フィルムに伸縮性不織布を積層してなるシート材をおむつのサイドフラップに適用したものや(特許文献1参照)、ゴム等の弾性部材を配したラミネート構造のシートをおむつのサイドパネルに適用したものがある(特許文献2参照)。
特開平10−713号公報 特表2000−503610号公報
ところで上述の伸縮性のある張出し部を用いた展開型使い捨ておむつ等の着用物品では、おむつをしっかり固定しようとして、その最大伸長長さあたりにまで該張出し部を強く引っ張ってしまうことがある。この場合かえって締め付けすぎで腹部が圧迫されてしまう。またこの引っ張りすぎは該張出し部の破損の原因ともなる。
そこで本発明は、張出し部に適度な伸縮性を付与したことにより着用中の体勢の変化などによるお腹周りの圧迫を防ぐことができ、しかも装着するときに引っ張りすぎてしまうことをも防ぐことができる着用物品を提供することを課題とする。
本発明は、腹側部から股下部を亘り背側部に至る縦方向とこれに直交する幅方向を有し、物品本体と、その腹側部及び背側部の少なくとも一方の前記幅方向両側縁に配置された張出し部とを有する着用物品であって、前記張出し部は繊維シートとこれよりも伸長性の低い多数の糸状部材を有してなり、該多数の糸状部材は互いに前記物品本体の縦方向基線に対して斜めに延びかつ交差する格子配置にされている着用物品を提供するものである。
本発明の着用物品は、張出し部に適度な伸縮性を付与したことにより着用中の体勢の変化などによるお腹周りの圧迫を防ぐことができ、しかも装着するときに引っ張りすぎてしまうことをも防ぐことができるという優れた効果を奏する。
本発明の吸収性物品における一実施形態としての展開型使い捨ておむつの展開した状態を模式的に示す一部切欠展開平面図である。 本発明の実施形態に係る張出し部(サイドフラップ)となるパネル部材を構成する繊維シートと糸状部材とを模式化して示した分解斜視である。 図2に示すパネル部材が伸長する様子を模式的に示すモデル平面図であり、(a)はその自然状態を示し、(b)は伸長状態を示し、(c)及び(d)はその伸長する様子を1つの交点について拡大して示す。
図1は本発明の吸収性物品における一実施形態としての展開型使い捨ておむつ10の展開した状態を模式的に示す一部切欠展開平面図である。
本実施形態の展開型使い捨ておむつ10は、大人用のおむつを示しており、図1に示すとおりその展開状態の平面視において、着用時に着用者の腹側に配される腹側部F、着用者の股下部分に配される股下部C、着用者の背側に配される背側部Rの部位からなる物品本体10aを有する。該物品本体10aの背側部Rには、その幅方向の左右両側縁に一対の張出し部(サイドフラップ)5,5が配置され、さらに各サイドフラップ5の幅方向側縁5b外方にファスニングテープ6が配設されている。本実施形態における物品本体10aは、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート1、非肌当接面側に配置される防水性の裏面シート2、及び該両シートの間に介在される吸収体3を具備する。さらに表面シート1の肌面側には一対のサイドシート4,4が積層されている。これらのサイドシート4、表面シート1及び裏面シート2が前記吸収体3の側縁外方で接合されて物品本体10aの縦長の外形をなす。本体10aの背側部Rの幅方向端部において、前記表面シート1及び裏面シート2との間には前記サイドフラップ5の接合部側端部5aが介在配置されている。該接合部分における幅方向端縁を、縦方向に延びるないし背側部Rから腹側部Fへ延びる方向の縦方向基線tという。この縦方向基線tは換言すると着用状態では着用者の背丈方向と一致する。
本発明においては、特に断らない限り、人体に接触する側の面を肌側面ないし肌当接面あるいは表面といい、これと反対側の面を非肌面ないし非肌当接面あるいは裏面という。この2つの面において、肌側面に近い方ないしその延長方向を肌面側、肌当接面側又は表面側といい、非肌面に近い方ないしその延長方向を非肌面側、非肌当接面側又は裏面側という。装着時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚み方向といいその量を厚さという。更に、吸収性物品の平面視において腹側部から股下部を亘り背側部に至る方向を縦方向といい、この縦方向と直交する方向を幅方向という。なお、前記縦方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
本実施形態において、このような構成の前記使い捨ておむつ10を着用する場合、通常、要介護者などの着用者を仰向けに寝かせた状態から身体を横向きにして、おむつの背側部Rを着用者の背側にあたるよう配し、再び着用者を仰向けに戻す。さらにおむつの股下部Cが着用者の股間に沿うようにわたし、おむつの腹側部Fを着用者の下腹部にあて装着する。次いで、固定のために、サイドフラップ5の端縁付近あるいはその外方のファスニングテープ6を背中の方からやや強めに引っ張り上げて腹側にわたし、このサイドフラップ5を伸長した状態で腹側部Fの裏面シート2の非肌側面上に重ね合わせる。このようにサイドフラップ5が伸長したままファスニングテープ6をランディングテープ7に押圧して、ファスニングテープ6に設けられたメカニカルファスナー等(図示せず)で係着させる。この着用状態で、おむつ10はウエスト開口部Woと一対のレッグ開口部Loとを構成する。またおむつ10は、起立性防漏カフをなす自由端縁に内装した立体ギャザー用弾性部材11、その幅方向外方のレッグギャザー弾性部材12、及び背側部Rの幅方向に沿って延在するフラップ弾性部材13の収縮によって、安定した装着感と排泄物の漏れ防止を効果的に実現する。
ところで、おむつのウエスト開口部Woの周縁に対応する身体の部分は、前側の膨らみのあるお腹回りに対して、後側では臀部の膨らみから腰のあたりで緩やかに括れた曲線を描く形状である。そのため、通常、おむつの装着時においては、この後側での括れにフィットさせてずり落ちを防止するようおむつのサイドフラップをつい強く引っ張ってしまうことがある。これに対し本実施形態のおむつ10においては、後述のとおり、サイドフラップ5の伸長性が適度に抑制されるのでその引っ張りすぎが防止され、サイドフラップ5の脱落や破れ等が防止される。また、サイドフラップの伸長性発現によって引っ張りすぎであることが認識され易く、お腹回りの圧迫を回避することができる。また、装着中の動きにもサイドフラップ5の伸長性によって、お腹回りの圧迫を抑えることができる。
次に、本実施形態のおむつ10のサイドフラップ5をなすパネル部材50について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る張出し部(サイドフラップ)となるパネル部材50を構成する繊維シートと糸状部材とを模式化して示した分解斜視である。図3は、図2に示すパネル部材が伸長する様子を模式的に示すモデル平面図であり、(a)はその自然状態を示し、(b)は伸長状態を示し、(c)及び(d)はその伸長する様子を1つの交点について拡大して示す。図2及び3においては、パネル部材50自体の特徴(適度な伸長性)の理解のため、パネル部材の素材の動きが分かるようおむつの形状から離れてモデル化して示す。なお、図2及び図3において縦方向基線tと平行な方向をY方向といい、これと直行する方向(幅方向)をX方向という。このX方向はパネル部材の伸長方向と一致する方向である。
本実施形態において、パネル部材50は伸長性を有する2枚の繊維シート51及び52と両シート間に介在配置される多数の長尺の糸状部材53とを有する(図2参照)。本実施形態において、繊維シート51及び52が有する「伸長性」は、伸長した後の戻り力が低い非伸縮性をも包含する意味である。つまり「伸長性」は、目的とする必要な外力(延伸加工上の外力や使用面での人の力による外力など)によって伸ばすことができ、かつ伸縮性の性質である「元の長さに対して50%伸ばした状態(元の長さの150%の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの113%以下の長さまで戻る性質」を有さない場合も含まれる。
本実施形態において、図2に示すパネル部材50は、繊維シート51及び52はともにX方向に伸長するように配置されており、これがパネル部材50の伸長方向となる(おむつ10についていえば幅方向外方となる)。また前記多数の糸状部材53は、各々の糸状部材53の延びる方向に関して繊維シート51及び52よりも伸長性の低い部材であり、縦方向基線tに対して斜めに配置されている。具体的には、縦方向基線tに対して下方(おむつ10でいえば股下部C方向)への傾斜角度θで糸状部材が複数平行に配され(以下、説明のため糸状部材群53aともいう。)、縦方向基線tに対して上方(おむつ10でいえば背側部R方向)への傾斜角度θで糸状部材が複数平行に配されている(以下、説明のため糸状部材群53bともいう。)(図3参照)。
本実施形態において、前記糸状部材群53a及び53bが交差して格子配置をなす。該格子配置は、パネル部材50の伸長方向に対して傾斜する配置で形成されている。ここで「格子配置」ないし「格子形状」とは、4つの交点とこれを繋ぐ辺からなる閉じられた図形が連接された状態を意味し、個々の図形は正方形や長方形、菱形等であってもよく、あるいは曲線で構成されていても、大きさが均一でなくてもよい。ただし中でも、全体において均一な正方形、長方形、もしくは菱形で構成された格子配置であることが、伸長回復性の点で好ましい。ここで、伸長回復性とは伸長した状態から元の状態まで弾性的に回復するものとは区別されるもので、非弾性的に回復しうる性質(たとえば、加えられた力が除かれて、それまで生じていた歪が回復するような場合)を言う。また伸長方向に対して傾斜する配置とは、前記図形の各辺がいずれも伸長方向と平行でないことを意味する。繊維シート51及び52ないしパネル部材50の伸長方向は、縦方向基線tに対して直交する方向(図2,3に示すX方向)にのみ限定されるものではなく、おむつを装着するにあたりサイドフラップを背側から腹側へわたせるよう縦方向基線tから概ねおむつの幅方向外方に向かう方向であればよい。また該「幅方向外方」は、1方向にのみ伸長する場合だけでなく多方向に伸長し得る場合をも含む。
本実施形態において重要なことは、 繊維シート51,52及び糸状部材53のいずれも弾性伸縮性がなくても、その複合パネル部材50がエラストマーや弾性伸縮性シートを単に用いたのでは得がたい独特の伸長回復性を発現するということである。以下、この作用について説明する。
本実施形態において、図3に示すとおり、パネル部材50にはX方向に引張り力fがかかると、繊維シート51及び52がその伸長性により若干伸長するとともに、糸状部材群53aと部材群53bとがなす格子形状がその引張り力fの方向に引っ張られて変形する。より詳細には、前記糸状部材53の格子形状によって繊維シート51及び52の急激な伸長が抑制されつつも、該格子形状の変形によって繊維シート51及び52の伸長が促され、パネル部材50の適度な伸長性が発現する。そのため、引張り力fが加えられる瞬間にパネル部材50がいきなり伸長限界とはなり難く、引張り力fによる応力に応じて徐々に伸長する。ただし、パネル部材50の伸長性は、この複数の糸状部材53がなす格子形状の変形の限度内に止められる。これは、糸状部材群53a及び53bが交差して格子配置をなす各交点が完全には固定されず外力によって、いわば回転可能な枢軸としてある程度そこにズレが生じ得る作用をすること、または交点から離間した位置で格子形状の変形がおこることによる。
この点について、回転可能な枢軸としての作用について図3(a)及び(b)に示す4つの交点(枢軸)S〜Sからなる格子部Pで以下に説明する。格子部Pにおいて、糸状部材53が交点(枢軸)S〜Sを結んで4つの辺をなし菱形状となる。該格子部Pにおいて、交点SとSとの間の対角線は引張り力fの方向に略一致する方向であり、交点SとSとの間の対角線はこれと略直交する方向である。引張り力fによる応力によって、格子部Pの各交点S〜Sを結ぶ4つの辺は引張り力fの方向に沿うように変形しようとする。この交点S〜Sは完全には固定されず外力によって回転可能とされているので、4つの辺が各交点を枢軸として該引張り力fによって回転する。その回転は交点S及びSの各交差角αがα’に小さくなり、交点S及びSの各交差角βがβ’に大きくなるようになされる。この点を交点Sについてみると(図3(c)及び(d)参照)、交点Sを枢軸として前述の交差角の変角で各辺が回転し、交点Sを中心とする繊維シートの部分にひずみを生じる。繊維シートは、Y方向に△d縮み引張り力fの方向(X方向)に△w伸長する。4つの交点でみると、前記交点SとSとの距離が縮まり、前記交点SとSとの距離が拡がるように変形する。パネル部材50全体としてみると、各格子部のこのような変形によって、繊維シート51及び52にひずみが生じ引張り力fの方向に不連続な皺を生じながら伸長する。
本実施形態において、各交点における回転によってパネル部材50が伸長することになるが、交差角βの変角には限界があるので、その限界の時点で糸状部材53が繊維シート51及び52の伸長を抑える。この伸長抑制力が逆に所定の長さまで伸長されると反力を生じさせ、パネル部材50全体に収縮力を生じさせる。これによってエラストマーや一般の弾性伸縮性シートの破断限界まで大きく伸びきってしまうことのない、適度に伸長幅が拘束された特有の伸長回復性を示す。より部材の物性として言い換えると、S−Sカーブの立ち上がりがシャープな伸縮挙動を示すといえる。つまり、エラストマーや一般の弾性伸縮性シートが僅かな力で大きく伸びるのとは異なり、本実施形態のパネル部材50は、引張り力fに対して急激に伸長することなく、該糸状部材の格子形状の変形とともに徐々に前記交差角の変角の限界まで伸長しようとする。そして、該パネル部材50は、引張り力fを除いた状態では繊維シート51及び52並びに糸状部材53における繊維の非弾性的な収縮によって緩やかに元の形状に回復しようとする。なお、前記交差角α及びβの変角の限界は、例えば交点における糸状部材53間の摩擦抵抗や糸状部材53の長さ、縦方向基線tとの角度θ及びθ、S〜Sの4つの交点からなる閉ざされた図形が連接された状態などによって規定されるものと考えられる。
このように本実施形態において、パネル部材50の伸長が糸状部材53によって適度に抑えられるので、従来のおむつにおける引っ張りすぎを防止しすることができる。また該パネル部材50の伸長性が糸状部材53により一定に保たれるので、これをおむつ10のサイドフラップ5に適用すると、引っ張りすぎを着用者が早期に認識するのを助け、さらに該サイドフラップ5を常に一定の伸長状態でおむつを装着することができ、装着時の操作性が良好なものとなる。つまり、本実施形態のおむつ10によれば、サイドフラップ5について引っ張り強さの適度な調節が、過度に注意しなくても可能となる。これにより、おむつ装着ごとの引っ張り強さのむらを抑え、おむつの締め付けすぎによるお腹回りの圧迫を防止することができる。
通常、単一構造シートや弾性部材を配した伸縮性シートによるパネル部材では、引張りにより略均一にひずみが生じ、幅縮み(ネックイン)現象が発生する。このパネル部材を物品本体に接合した場合、その接合端部(図3における付根部分59に相当する部分)は、変形基端としてその端部ほど引っ張り方向に加え端部間の内方に向かう負荷が与えられる。これが脱落や破れの原因となる。これに対し、本実施形態において、引張り力fによってパネル部材50に生じるひずみは必ずしも各部分に均一に生じるものではない。例えば、図3における格子部Pでは、その近傍のファスニングテープ6の剛性によって、各辺の回転が抑制され易い。また格子部Pでは、その近傍の本体10aとの付根部分59の剛性により、各辺の回転が抑制され易い。そのため、これらの格子部Pないし格子部Pにおいては、格子部Pよりも応力によって生じるひずみが小さく、幅縮みが抑えられたものとなる。同様に付根部分59においても物品本体10aと固定されていることで、変形が制限されている。さらにパネル部材50を構成する糸状部材53の低伸長性(好ましくは非伸長性)と、そのX及びY方向に対する傾斜配置とによって、ファスニングテープ6や付根部分59の固定部分及びその近傍において引張り力による幅縮みが抑制されており、パネル部材50の伸長性が発現しにくい。したがってパネル部材50全体としては、主にX方向の中央部分においてY方向に幅縮み(ネックイン)が生じるが、一般的な伸縮シートに比し、上述のように本実施形態のものは固定された部分及び近傍においてその変形が制限されている。そのため、付根部分59にかかる負荷は大きくなく、この部分のちぎれ等の破損が防止され得る。また、前述のとおり本実施形態のパネル部材50においては引っ張りすぎが押さえられるため、この作用も相俟って該パネル部材50全体にも無理な負荷が掛からず、一層効果的にサイドフラップ5の付根部分の破損を防止することができる。
本実施形態において、繊維シート51及び52は、糸状部材53とともに弾性伸縮性を有しないため、伸長状態で装着・固定されても、その伸長した状態から戻ろうとする力(応力/正ひずみ)が従来の弾性部材と比べて小さい。また本実施形態において、繊維シート51及び52は、前記糸状部材53の交点がなす交差角α及びβの変角範囲であれば、パネル部材50のX方向とY方向との間で多方向に変形が許容され得る。このような構造のパネル部材50をおむつ10のサイドフラップ5に適用すると、おむつ10の装着時にサイドフラップ5をつい強く引っ張ってしまったとしても、その伸長性が適度に制御されて引っ張りすぎが防止されるとともに、前記サイドフラップ5の適度な変形性によって、装着後において体形変化に伴う緩みによるおむつのずり落ちが防止され、おむつが着用者のお腹回りにフィットしつつ圧迫が軽減され得る。また、前記パネル部材50が短時間に加えられる引張り力に対して瞬時には反応しないため、たとえサイドフラップ5を無意識に引っ張りすぎたとしても、その瞬間的な力では該サイドフラップ5の伸長可能な限度に達しないうちにファスニングテープ6が物品本体に取り付けられる。これにより、装着後においては体形変化に伴う緩みによるおむつのずり落ちが防止されながらも、サイドフラップ5がその伸長限界まで着用者のお腹回りの圧迫を軽減するよう適度に変形可能とされている。
本実施形態において、サイドフラップに適度な伸長性と緩やかな伸長回復性を付与し、該サイドフラップの引っ張りすぎを防止する観点から、繊維シートの伸長率(Eba)は、10〜100%(0.3N荷重/50mm)が好ましく、20〜80%がさらに好ましく、20〜50%が特に好ましい。同様の観点から、糸状部材の伸長率(Ebb)は、0〜10%(0.3N荷重を50mmでの糸状部材の本数で除した値で1本の荷重を算出、例えば3本の場合は0.1N荷重/本)が好ましく、0〜5%がさらに好ましい。また、繊維シートと糸状部材との最大伸長率の差(△E=Eba<max>−Ebb<max>)は、2〜95%が好ましく、2〜70%がさらに好ましく、5〜40%が特に好ましい。特に最大伸長率の差(△E)において、上記下限値以上とすることで、糸状部材の格子配置に対して繊維シートの伸長性が勝ってサイドシートに適度な伸長性が付与され、上記上限値以下とすることで繊維シートの急激な伸長や破断限界までの伸長が糸状部材の格子配置によって防止され緩やかな伸長回復性が付与され得る。
また本実施形態において、適度な伸長性を有するよう糸状部材がなす格子形状の好適な変形の観点から、糸状部材の縦方向基線に対する傾斜角度(θ,θ)は30〜70°が好ましく、糸状部材同士の交差角度(α,β)はβが5〜135°であることが好ましい。また、平行な糸状部材同士の間隔は、5〜20mmが好ましく、7〜15mmがさらに好ましく、張出し部長さが平行な糸状部材同士の間隔の3倍以上であることが好ましい。なお、本発明における各材料の伸長率とは、各々の荷重条件における伸長率であり、最大伸長率はパネル部材50の破断(材料破壊)時の荷重を最大荷重として計測した伸長率である。したがって、本発明では、測定片に対して吸収性物品幅方向に前記最大荷重まで加えていき、そのときの伸長率を比較した際に、繊維シートが糸状部材よりも大きい。なお、糸状部材がパネル部材50で斜め格子状配置のように配されている場合には糸状部材を幅方向に合わせて測定した伸長率を糸状部材の最大伸長率とする。
以下本実施形態の展開型使い捨ておむつを構成する部材の素材について説明する。
[繊維シート]
繊維シート51及び52は、伸長性を有する部材である。またこの伸長性は、前述のとおり、非伸縮性の性質をも包含する。この伸長性については、(イ)不織布の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。
この繊維シートとしては、例えば、実質的に非弾性の繊維からなる不織布を採用することができる。その不織布を形成する繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。不織布を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。不織布は、連続フィラメント又は短繊維の不織布であり得る。
[糸状部材]
糸状部材53は、その最大伸長率が繊維シート材の最大伸長率よりも小さくされている部材のことである。糸状部材の形成素材として、伸長性を有さない材料(最大伸長率が0%)であることが好ましい。具体的には、例えば、ポリプロピレン(PP)繊維を格子配置に形成したPPネットや、ポリエステル、ナイロン等の繊維などを採用することができる。
(伸長率の測定方法)
最大伸長率(Eb<max>)とは、パネル部材が破断する(材料破壊)時の荷重で計測した、測定対象部材の伸長率である。その測定方法は、例えば、テンシロン引張り試験機〔型番:RTA−100、(株)オリエンテック社製〕を用いて以下のように行う。まず試験片の両端部をそれぞれチャックに挟む。おむつ幅方向に対応する方向にクロスヘッド移動速度300mm/minの条件で、パネル部材が破断するまで伸長させる。この破断時の荷重まで、パネル部材の各構成材料を同様の方法で計測した結果より、測定した伸長後の長さと伸長前の自然状態の長さから下記式に基づき最大伸長率が求められる。なお、伸長前及び伸長後の長さは、試験片の両端をチャックした部分の長さを差引いた数値とする。
伸長率(%)={(伸長後の長さ−伸長前の長さ)/伸長前の長さ)}×100%
なお、試験片としては、パネル部材50、パネル部材50を構成する繊維シート及び糸状部材を用いる。繊維シートについてはパネル部材50に用いられるシート材1枚とし、糸状部材についてはパネル部材50に用いられる部材の実際の本数(図示した例では22本)として用い、特に糸状部材については各部材が平行かつ前記チャックと直交するようにして配し測定する。
[パネル部材の製造方法]
本実施形態におけるパネル部材50は、この種の物品に用いられる方法を用いて製造することができる。例えば、斜め格子形状に組んだ繊維材料をエアスルー不織布間に挟込み、ドットエンボスやスパイラルホットメルト塗工などにより部分的に固定する方法や、繊維ウエブの間に斜め格子形状に組んだ繊維材料を配し、熱風処理よって熱固定するエアスルー法やヒートロール法などが挙げられる。
パネル部材50は、伸長性を有する不織布シートとこれよりも低い伸長性の糸状部材を引っ張り方向より傾斜して配し、上述手段により一体的なシート物とすることで形成されており、伸長性と弾性部材よりも緩やかな伸長回復性とを有している。これは、糸状部材間で不織布が一体とされていることによって、引張り力による糸状部材による格子形状の変形が格子形状内で一体とされている不織布の歪(例えば、不織布の部分圧縮・引伸ばし、高低繊維量分布等の不織布均一性の喪失)を起こすことため、歪を解消しようとしておこると考えている。
[その他の素材]
表面シート1、裏面シート2、吸収体3及びサイドシート4の形成材料としては、通常吸収性物品に使用されているものを用いることができる。
表面シート1としては、親水性不織布が好ましく、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布と呼ばれている不織布で、その繊維がポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましく、その坪量15〜50g/mのものが好適に使用できる。また、表面シート1の股下部分には、表面シート1の非肌面側に親水性穴開きフィルムや親水性不織布が部分的に重ねられていてもよい。
裏面シート2の形成材料としては、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されないが、例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。
吸収体3の形成材料としては、通常吸収性物品に用いられるものを用いることができる。具体的には例えば、吸収性コアとしては、繊維集合体又はこれと吸収性ポリマーとを併用させたもの等を用いることができる。繊維集合体を構成する繊維としては、パルプ繊維等の親水性天然繊維や、合成繊維(好ましくは親水化処理を施したもの)等を用いることができる。坪量は特に限定されないが、150g/m〜500g/mが好ましい。また吸収性コアを被覆する被覆シートとしては、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布(SMS、SMMS、SSMS等の複合不織布)からなるものを用いることができる。
前記サイドシート4としては、撥水性不織布が好ましく、具体的には、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。サイドシート4の立体ギャザー用弾性部材11やその他、レッグギャザー用弾性部材12、フラップ弾性部材13としては、この種の物品に用いられる通常の弾性部材を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができ、形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状ないし紐状(平ゴム等)のもの、或いはマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いることができる。
本発明の吸収体物品は、上記実施形態における大人用に限らず乳幼児用の展開型使い捨ておむつやおむつカバーであってもよく、パンツ型使い捨ておむつであって一部を破断するとテープ型として利用可能なおむつであってもよく、また尿とりパッドや生理用ナプキン、パンティライナー、軽失禁パッドであってもよい。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
4 サイドシート
5 張出し部(サイドフラップ)
50 パネル部材
51,52 繊維シート
53 糸状部材
6 ファスニングテープ
7 ランディングテープ
10 展開型使い捨ておむつ

Claims (3)

  1. 腹側部から股下部を亘り背側部に至る縦方向とこれに直交する幅方向を有し、物品本体と、その腹側部及び背側部の少なくとも一方の前記幅方向両側縁に配置された張出し部とを有する着用物品であって、前記張出し部は繊維シートとこれよりも伸長性く弾性伸縮性のない多数の糸状部材を有してなり、該多数の糸状部材は互いに前記物品本体の縦方向基線に対して斜めに延びかつ交差する格子配置にされており、前記張出し部は幅方向に対し伸長性を有する着用物品。
  2. 前記張出し部が、前記繊維シートとしての不織布を少なくとも2枚有し、該2枚の不織布間に前記糸状部材が介在配置されてなる請求項1記載の着用物品。
  3. 前記張出し部をなす前記繊維シート及び糸状部材は前記物品本体とは独立の部材であり、該張出し部をなす部材の一辺の側縁が物品本体の幅方向側縁に接合され、該張出し部の接合された一辺とは反対側に固着手段を有する請求項1又は2記載の着用物品
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