JP5623893B2 - 画像形成装置及び方法、並びにプログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

この発明は、プリンタやディスプレイ等の画像形成装置及び方法に関し、特に画像形成装置で用いられる画像処理に関する。本発明はさらに、上記方法をコンピュータで実行させるためのプログラム、及び該プログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、画像形成装置において入力画像データを画像形成装置で出力可能な解像度や階調に変換するために、ディザ法や濃度パターン法、誤差拡散法、またはこれらを組み合わせた方法が使用されている。
一般的な印刷に用いられているディザ法は、粒状性に優れ、中間調画像をなめらかに表現する。ディザ法に代表される、いわゆる面積階調法では、階調性を得るために解像性が劣化する。また、網点のような印刷画像に対して周期画像を発生するディザ法では、モアレが発生しやすい。
解像性を保ちながら階調を表現する方法として、誤差拡散法がある。誤差拡散法は、原画像に忠実な解像性を得ることができ、文字画像の再現に適すると言われている。
特開2002−271624号公報
しかしながら、誤差拡散法では、画素が分散配置されるため、画像形成装置の特性によっては、画像の低階調部分が消えたり、中間〜高階調部分がつぶれてしまい、入力画像を本来の濃度で表現することができない場合がある。特に電子写真プリンタのような画像形成装置で高解像度の印刷を行う場合、少数の画素の塊の濃度を忠実に再現するのは困難である。また、ディザ法においても低階調部分では画素が分散配置してしまい、前述した誤差拡散法と同様の問題が生じる。
本発明の一態様の画像形成装置は、
入力N値画像データ(N≧2)を出力画像データに変換する画像形成装置において、
注目画素とその周辺画素の各々についての集中度を決定する集中度決定部と、
前記集中度決定部で決定された集中度に応じて前記注目画素及びその周辺画素の各々のランクを決定するランク付け部と、
前記ランク付け部で決定された各画素のランクをもとに各画素の画素値を分配する画素分配部とを備え
前記集中度決定部は、各画素についての前記集中度を、当該画素とその周辺の画素が大きな値を持つほど、より大きな値となるように決定し、
前記ランク付け部は、前記注目画素及びその周辺画素の各々について、当該画素の上方又は左方向に位置し、当該画素の集中度以上の集中度を有する画素と、当該画素の下方又は右方向に位置し、当該画素の集中度より大きい集中度を有する画素の数が多いほど当該画素の前記ランクを低くし、
前記画素分配部は、前記ランクが低いほど、画素値の分配における優先度を低くす
ことを特徴とする。
本発明の他の態様の画像形成方法は、
入力N値画像データ(N≧2)を出力画像データに変換する画像形成方法において、
注目画素とその周辺画素の各々についての集中度を決定する集中度決定ステップと、
前記集中度決定ステップで決定された集中度に応じて前記注目画素及びその周辺画素の各々のランクを決定するランク付けステップと、
前記ランク付けステップで決定された各画素のランクをもとに各画素の画素値を分配する画素分配ステップとを備え
前記集中度決定ステップは、各画素についての前記集中度を、当該画素とその周辺の画素が大きな値を持つほど、より大きな値となるように決定し、
前記ランク付けステップは、前記注目画素及びその周辺画素の各々について、当該画素の上方又は左方向に位置し、当該画素の集中度以上の集中度を有する画素と、当該画素の下方又は右方向に位置し、当該画素の集中度より大きい集中度を有する画素の数が多いほど当該画素の前記ランクを低くし、
前記画素分配ステップは、前記ランクが低いほど、画素値の分配における優先度を低くす
ことを特徴とする。
本発明はまた、上記の画像形成方法におけるそれぞれのステップを実行させるためのプログラムを提供し、さらに、上記のプログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明によれば、画像の特性に応じた画素の集約を促進することができ、これにより、少数、例えば1〜2画素程度の少数の画素の塊で再現される画像データが、より多数、例えば2〜5、或いは4〜8画素程度の画素の塊で再現することができ、画像形成装置の特性により、少数、例えば1画素程度の塊では濃度が忠実に再現されない場合でも、より多数、例えば2〜5、或いは4〜8画素程度の画素の塊とすることで本来の濃度に近い濃度を再現することができる。
画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1の画像処理部100を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示すブロック図である。 図2のN値化処理部110の構成例を示すブロック図である。 図2の画像バッファ120からの画素データの読み出し順を示す図である。 (a)は、5×5範囲の画素の配列を示す図、(b)は、集中度演算部130で使用される重みフィルタのフィルタ係数を示す図である。 3×3範囲の画素の各々についての集中度を示す図である。 3×3範囲の画素についてのランク値を示す図である。 3×3範囲の画素の配列を示す図である。 画素分配部150の分配処理を示すフローチャートである。 縦横変換部160で行う変換で用いる、5値の画素データと、ビットパターンの対応関係を示す図である。 (a)は解像度が2400DPI×2400DPIのビットパターンを示す図、(b)は(a)のビットパターンからの変換で得られる横方向へ連続するビットパターンを示す図、(c)は(b)のビットパターンにより形成されるトナーパターンを示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態1における画像バッファ中の画像データの一例を示し、(a)は画素分配処理前のデータの一例を示し、(b)は画素分配処理後のデータの一例を示す。 (a)及び(b)は、重みフィルタのフィルタ係数の異なる例を示す図である。 (a)〜(e)は、実施の形態1の処理後の画像データおよびビットパターンを示す図である。 本発明の実施の形態2の画像処理部200を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示すブロック図である。 (a)及び(b)は、画素状態判定部210における判定方法の一例を示す図である。 画素状態判定部210における判定方法の他の例を示す図である。 (a)及び(b)は、集中度修正部220で使用されるオフセットの異なる例を示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態2で用いられるオフセットの異なる例を示す図である。 (a)及び(b)は、実施の形態2における画像バッファ中の画像データの一例を示し、(a)は画素分配処理前のデータの一例を示し、(b)は画素分配処理後のデータの一例を示す。 図16の判定フィルタの具体例のおける、各画素に対するフラグ、パラメータの構成例を示す図である。 (a)は、図20(a)の画像データに対して、実施の形態2による処理を行った結果得られる画像データの例を示す図、(b)は、図20(a)の画像データに対して、実施の形態2による処理を行った結果得られるビットパターンを示す図、(c)は、図20(a)の画像データに対して、実施の形態1による処理を行った結果得られるビットパターンを比較のために示す図である。 本発明の実施の形態3の画像処理部300を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示すブロック図である。 実施の形態3で生成されるサブ画素位置情報の構成例を示す図である。 実施の形態3の解像度変換部320で行なわれるビットパターン変換の規則を示す図である。 (a)は、N値化処理部110から出力される画像データの一例を示す図、(b)は、分配処理による更新後の画素値を示す図、(c)は、画像データ終端位置まで処理を行ったときの画像データを示す図、(d)は、画像データに対応して作成されるサブ画素位置情報を示す図である。 (a)は、図26(a)の画像データに対して実施の形態3の処理を行った結果得られるビットパターンを示す図、(b)は、図26(a)の画像データに対して実施の形態1の処理を行った結果得られるビットパターンを示す図である。 本発明の実施の形態4の画像処理部400を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示すブロック図である。 図28の集中度修正部410の構成例を示すブロック図である。 図28の集中度修正部410におけるX、Y方向カウント値と画像データとの関係を示す図である。 図28のスクリーンオフセット格納部に格納されているオフセット群の一例を示す図である。 (a)は、X方向画素位置0〜5、Y方向画素位置0〜5の範囲内の始点を示す図、(b)は、X方向画素位置0〜5、Y方向画素位置0〜5の範囲内の各位置におけるオフセットを示す図である。 実施の形態4による処理を受ける前のN値化画像データの一例を示す図である。 実施の形態4により処理により得られた解像度変換後のビットパターンを示す図である。 本発明の実施の形態5の画像処理部500を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示すブロック図である。 図35の特徴情報作成部510の構成例を示すブロック図である。 図35の集中度修正部520の構成例を示すブロック図である。 図35の集中度修正部520の選択部524のオフセット切り替え動作を示す図である。 実施の形態5の処理対象として、元画像データの一例を示す図である。 図39の元画像データをN値化したときのデータを示す図である。 図39の元画像データの特徴情報を示す図である。 図39の元画像データに対して実施の形態5の処理を行う結果得られるビットパターンを示す図である。
実施の形態1.
(構成の説明)
図1は本発明に用いられた画像形成装置の概略構成を示す。図示の画像形成装置は、給紙装置33と、転写装置32と、感光装置30と、トナーカートリッジ34と、定着装置31と、排出装置36と、LEDヘッド35とを備える。
画像形成装置はさらに、図2に示される画像処理部100と、ネットワークIF50とを備える。
給紙装置33は、記録媒体21を給紙するための装置であり、給紙カセット22と給紙用のローラ15a、15b等で構成され、制御部(図1には示していない)からの印刷指示により記録媒体を送出する。
トナーカットリッジ34には、感光装置30に供給するトナーが充填されており、感光装置30内の図示しない現像ローラの回転に伴ってトナーを感光装置30に供給する。
感光装置30は、図示しない現像ローラや帯電ローラ、感光体ドラム30a等を備え、画像処理部100で処理を行った画像データに対応したLEDヘッド35の発光により感光体ドラム30aに静電潜像を形成し、トナーカットリッジ34より供給された現像ローラ上のトナーを帯電ローラによって帯電させ、感光体ドラム30a上に静電潜像に対応したトナー像形成する。
感光装置30と、トナーカートリッジ34は、カラー印刷を行うプリンタであれば、同じ構成を備えたものが複数設けられている。
転写装置32は、搬送ベルト20、転写及び搬送に使用されるローラ等で構成され、給紙装置33より送出された記録媒体21の搬送を行うとともに、感光装置30内の感光体ドラム30a上に形成されたトナー像を媒体に転写する。
定着装置31は、熱電線、加熱ローラ31a、温度検出器等で構成され、転写装置32により搬送された記録媒体21上のトナーを熱と加圧により記録媒体21に定着させる。
定着装置31により定着が行われた記録媒体は、排出センサ14と、排出ローラ15i、15jで構成される排出装置36によってプリンタ装置上部より排出される。排出センサ14は排出装置における媒体の通過を検出する。また、排出ローラ15i、15jは図示しないモータの駆動により回転することで、媒体の搬送を行う。
図2は、本実施の形態1で用いられる画像処理部100を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示す。
ネットワークIF50は、LAN等の外部ネットワークに接続され、外部ネットワークを介して入力された画像データを画像処理部100に送出する。
画像処理部100は、N値化処理部110と、画像バッファ120と、集中度演算部130と、ランク付け部140と、画素分配部150と、及び縦横変換部160とを備え、ネットワークIF50より入力された画像データを処理して、LEDヘッド35に送出する。
本実施の形態では、集中度演算部130により集中度決定部135が構成されている。
図3は、N値化処理部110の構成例を示す。図示のN値化処理部110は、N階調化処理部111と、誤差バッファ112と、加算器113とを備えた一般的な誤差拡散回路であり、Kビット(2値)の入力画像データを誤差拡散法によりN値データ(各画素値が0〜N−1のいずれかとなるデータであり、2≦N<2)に変換する。
例えばK=8(2=256)であり、N=5である。本実施の形態では、誤差拡散法によりN値データに変換を行っているが、ディザ法や濃度パターン法等の他の処理方法でN値データへの変換を行っても良い。
図2の画像バッファ120は前述したN値化処理部110より画像データを1画素ずつ受け取りバッファリングする。
次に画像バッファ120の動作を、図4を参照して説明する。
図4は、画像バッファ120に格納される、各ページの画像データと、画像バッファから読み出され、集中度決定部135及び画素分配部150に供給されるデータの位置を示す。
図4に示すように、各ページの画像の画像データ124(図の斜線部)が画像バッファ120に3ライン以上溜まった段階で、画像データの左上隅より、注目画素を中心とする所定の矩形の範囲、例えば5×5画素の範囲の画素値122を集中度決定部135へ送出し、注目画素を中心とする所定の矩形の範囲、例えば3×3画素の範囲の画素の画素値123を画素分配部150へ送出する。
この際、画像データ124の範囲外の画素については「0」を(画像データの代わりに)送出する。
図4に示される注目画素の位置を右に1画素ずつずらしながら5×5範囲の画素の画素値122と3×3画素の範囲の画素の画素値123をそれぞれ集中度決定部135と画素分配部150へ逐次送出する。
なお、以下では、「3×3画素の範囲」、「5×5画素の範囲」を単に「3×3範囲」、「5×5範囲」ということがある。
注目画素の位置が画像データ124の右端まで達したら、画像データ124の2ライン目の左端の画素を注目画素の位置とし、1ライン目と同様注目画素の位置を右に1画素ずつずらし、同様に画像データ124の最終ラインの右端の位置に注目画素位置が達するまで逐次画素データを送出する。
また、以下に説明する集中度決定部135、ランク付け部140、及び画素分配部150による処理により画素値が確定した画素から順次画素データ151を後段の縦横変換部160へ出力する。
集中度決定部135は、注目画素(Dt22)とその周辺画素の各画素(Dt11〜Dt33)の各々についての集中度(Cn)を決定するものであり、集中度演算部130は、注目画素(Dt22)とその周辺画素(Dt11〜Dt33)についての前記集中度(Cn)を演算する。
例えば、集中度演算部130は画像バッファ120より注目画素を中心とする5×5範囲の画素の画素値122を受け取り、注目画素とその周辺8画素の各画素(注目画素を中心とする3×3範囲内の各画素)についての集中度131(Cn)を計算し出力する。
なお、本実施の形態では、注目画素を中心とする3×3範囲の各画素について、各画素を中心とする3×3範囲の画素を用いて集中度を求めるために5×5範囲の画素の画素値を集中度演算部130に供給することとしているが、一般的に言って、P×Q画素(縦方向P画素(ライン)、横方向Q画素)の矩形の範囲の各画素について、各画素を中心として、R×S画素(縦方向R画素(ライン)、横方向S画素)の矩形の範囲の画素を用いて集中度を求める場合には、T=(P+R−1)、U=(Q+S−1)で与えられる、T×U画素(縦方向T画素(ライン)、横方向U画素)の矩形の範囲の画素を集中度演算部130に供給する必要がある。
図5(a)は画像バッファ120より集中度演算部130に供給される5×5範囲の画素の画素値122を示す。そのうち、
Dt22が注目画素、
Dt11、Dt12、Dt13、
Dt21、 Dt23、
Dt31、Dt32、Dt33
が注目画素Dt22の周辺の8画素に該当する。
なお、以下の説明では、符号Dt11〜Dt33など(一般化すればDtvh)は、画素値を表す場合もあり、画素を表す場合もある。
図5(b)は計算に使用する重みフィルタ132(のフィルタ係数)を示す。注目画素とその周辺8画素の各々についての集中度131(Cn)は、各画素とその周辺の画素(各画素を中心とする矩形の範囲、例えば3×3範囲の画素)の画素値と重み付け係数とに基づいて、下記の式(1a)〜(1i)で計算され、出力される。なお、下記の式で、
Wgt11、Wgt12、Wgt13、
Wgt21、Wgt22、Wgt23、
Wgt31、Wgt32、Wgt33
は重み付け係数であり、一般的には、3×3範囲の画素のうちの、中心の画素に掛けられる値Wgt22が最も大きく、他の係数は中心の画素から遠ざかるほどより小さな値となる。重み付け係数の具体例については後述する。
Cn11
=Dt00*Wgt11+Dt01*Wgt12+Dt02*Wgt13
+Dt10*Wgt21+Dt11*Wgt22+Dt12*Wgt23
+Dt20*Wgt31+Dt21*Wgt32+Dt22*Wgt33
…(1a)
Cn12
=Dt01*Wgt11+Dt02*Wgt12+Dt03*Wgt13
+Dt11*Wgt21+Dt12*Wgt22+Dt13*Wgt23
+Dt21*Wgt31+Dt22*Wgt32+Dt23*Wgt33
…(1b)
Cn13
=Dt02*Wgt11+Dt03*Wgt12+Dt04*Wgt13
+Dt12*Wgt21+Dt13*Wgt22+Dt14*Wgt23
+Dt22*Wgt31+Dt23*Wgt32+Dt24*Wgt33
…(1c)
Cn21
=Dt10*Wgt11+Dt11*Wgt12+Dt12*Wgt13
+Dt20*Wgt21+Dt21*Wgt22+Dt22*Wgt23
+Dt30*Wgt31+Dt31*Wgt32+Dt32*Wgt33
…(1d)
Cn22
=Dt11*Wgt11+Dt12*Wgt12+Dt13*Wgt13
+Dt21*Wgt21+Dt22*Wgt22+Dt23*Wgt23
+Dt31*Wgt31+Dt32*Wgt32+Dt33*Wgt33
…(1e)
Cn23
=Dt12*Wgt11+Dt13*Wgt12+Dt14*Wgt13
+Dt22*Wgt21+Dt23*Wgt22+Dt24*Wgt23
+Dt32*Wgt31+Dt33*Wgt32+Dt34*Wgt33
…(1f)
Cn31
=Dt20*Wgt11+Dt21*Wgt12+Dt22*Wgt13
+Dt30*Wgt21+Dt31*Wgt22+Dt32*Wgt23
+Dt40*Wgt31+Dt41*Wgt32+Dt42*Wgt33
…(1g)
Cn32
=Dt21*Wgt11+Dt22*Wgt12+Dt23*Wgt13
+Dt31*Wgt21+Dt32*Wgt22+Dt33*Wgt23
+Dt41*Wgt31+Dt42*Wgt32+Dt43*Wgt33
…(1h)
Cn33
=Dt22*Wgt11+Dt23*Wgt12+Dt24*Wgt13
+Dt32*Wgt21+Dt33*Wgt22+Dt34*Wgt23
+Dt42*Wgt31+Dt43*Wgt32+Dt44*Wgt33
…(1i)
一般化すれば、画素Dtvhについての集中度Cnvhは、下記の式(1j)で求められる。
Figure 0005623893
上記式の
Cn11、Cn12、Cn13、
Cn21、Cn22、Cn23、
Cn31、Cn32、Cn33
はそれぞれ画素
Dt11、Dt12、Dt13、
Dt21、Dt22、Dt23、
Dt31、Dt32、Dt33
についての集中度を表すものであり、一般化して言えば、Cnvhは、画素Dtvhについての集中度を表す。集中度Cn11〜Cn33は、対応する画素Dt11〜Dt33の配列に従い、図6に示すように配列されたものとして図示される。
各画素についての集中度は、当該画素とその周辺の画素が大きな値を持つほど、より大きな値となり、また大きな値を持つ画素が集中している部分ほど、より大きな値となる。以下の説明からわかるように、本実施の形態では、集中度が高い画素ほど、より多くの画素値分配を受けて画素値をより大きな値となり、集約度を向上させる。個々の画素の値に基づいて画素の分配先を決めるのではなく、各画素とその周辺の画素とを総合的に評価した上で、分配先を決めるので、より確実に黒画素の塊をより大きなものとすることができる。
なお、本実施の形態では各画素についての集中度131(Cn)を、各画素を中心とする3×3範囲の各画素値と重みフィルタ132のフィルタ係数との積をとりその総和を集中度としているが、各フィルタ係数との積を求める処理、或いはさらに積の和を求める処理を、ルックアップテーブルを用いて行うこととしても良い。
集中度演算部130で求められた集中度131(Cn)は、集中度決定部135の出力として、ランク付け部140に供給される。
ランク付け部140は、集中度決定部135の集中度演算部130で求められた各画素の各々についての集中度131(Cn)に応じて注目画素及びその周辺画素の各々のランクを決定する。
より具体的には、ランク付け部140は集中度演算部130より注目画素とその周辺8画素の各画素についての集中度131(Cn11〜Cn33)を受け取り、注目画素とその周辺8画素の各々のランク値141(Rnk11〜Rnk33)を計算し出力する。ランク値は後述のように、注目画素の画素値を分配する際に、分配先の優先順位を決定するのに用いられる。各画素のランク値Rnkvh(v=1、2又は3、h=1、2又は3)は、注目画素及びその周辺の8画素のうちの、各画素の集中度と、当該各画素以外の画素の集中度との比較の結果(判定の結果)に基づいて決まるものであり、当該各画素についての集中度がそれ以外の画素についての集中度よりも小さい場合、或いはそれ以外の画素についての集中度以下である場合に「1」とし、そうでないときは「0」とし、当該各画素以外の8画素との比較の結果「1」が得られた数を、当該画素のランク値Rnkとする。各画素のランク値141(Rnk11〜Rnk33)は下記の式(2a)〜(2i)で計算され、出力される。
Rnk11
= J(Cn11<Cn12)+J(Cn11<Cn13)
+J(Cn11<Cn21)+J(Cn11<Cn22)+J(Cn11<Cn23)
+J(Cn11<Cn31)+J(Cn11<Cn32)+J(Cn11<Cn33)
…(2a)
Rnk12
=J(Cn12≦Cn11) +J(Cn12<Cn13)
+J(Cn12<Cn21)+J(Cn12<Cn22)+J(Cn12<Cn23)
+J(Cn12<Cn31)+J(Cn12<Cn32)+J(Cn12<Cn33)
…(2b)
Rnk13
=J(Cn13≦Cn11)+J(Cn13≦Cn12)
+J(Cn13<Cn21)+J(Cn13<Cn22)+J(Cn13<Cn23)
+J(Cn13<Cn31)+J(Cn13<Cn32)+J(Cn13<Cn33)
…(2c)
Rnk21
=J(Cn21≦Cn11)+J(Cn21≦Cn12)+J(Cn21≦Cn13)
+J(Cn21<Cn22)+J(Cn21<Cn23)
+J(Cn21<Cn31)+J(Cn21<Cn32)+J(Cn21<Cn33)
…(2d)
Rnk22
=J(Cn22≦Cn11)+J(Cn22≦Cn12)+J(Cn22≦Cn13)
+J(Cn22≦Cn21) +J(Cn22<Cn23)
+J(Cn22<Cn31)+J(Cn22<Cn32)+J(Cn22<Cn33)
…(2e)
Rnk23
=J(Cn23≦Cn11)+J(Cn23≦Cn12)+J(Cn23≦Cn13)
+J(Cn23≦Cn21)+J(Cn23≦Cn22)
+J(Cn23<Cn31)+J(Cn23<Cn32)+J(Cn23<Cn33)
…(2f)
Rnk31
=J(Cn31≦Cn11)+J(Cn31≦Cn12)+J(Cn31≦Cn13)
+J(Cn31≦Cn21)+J(Cn31≦<Cn22)+J(Cn31≦Cn23)
+J(Cn31<Cn32)+J(Cn31<Cn33)
…(2g)
Rnk32
=J(Cn32≦Cn11)+J(Cn32≦Cn12)+J(Cn32≦Cn13)
+J(Cn32≦Cn21)+J(Cn32≦Cn22)+J(Cn32≦Cn23)
+J(Cn32≦Cn31) +J(Cn32<Cn33)
…(2h)
Rnk33
=J(Cn33≦Cn11)+J(Cn33≦Cn12)+J(Cn33≦Cn13)
+J(Cn33≦Cn21)+J(Cn33≦Cn22)+J(Cn33≦Cn23)
+J(Cn33≦Cn31)+J(Cn33≦Cn32)
…(2i)
上記のJ(**)は、それぞれ括弧内の条件**が満たされるとき「1」となり、満たされないときに「0」となる。
上記式の
Rnk11、Rnk12、Rnk13、
Rnk21、Rnk22、Rnk23、
Rnk31、Rnk32、Rnk33
はそれぞれ図5(a)の
Dt11、Dt12、Dt13、
Dt21、Dt22、Dt23、
Dt31、Dt32、Dt33
の画素のランク値である。
ランク値Rnk11〜Rnk33は、対応する画素の配列に従い、図7に示すように配列されたものとして図示される。
Rnk11〜Rnk33を求めるための各式において8個の比較が行われ、判定結果に基づく0又は1の総和を求めるため、各ランク値は0〜8の値をとることになる。ランク値が8の場合にランクが最も低く、7、6、5、・・・の順に高いランクとなり、最も高いランクのランク値は0である。ランク付け部140によるランク値の決定は、ランクの決定でもある。
注目画素を中心とする3×3範囲内の各画素に対して、他の画素のうち、上又は左に位置し、集中度が、上記各画素の集中度以上である画素、並びに、下又は右に位置し、集中度が各画素の集中度よりも大きい画素の数が多いほど、当該画素についてのランク値Rnkが大きくなる。
上記のように、ランク値Rnkの値が大きいほど、ランクは低いとして扱われ、画素値分配における優先度が低くなる。
画素分配部150はランク付け部140で求められた各画素のランクをもとに、具体的にはランク値141(Rnk11〜Rnk33)をもとに注目画素の画素値をその周辺8画素に分配する。
注目画素とその周辺8画素の画素値(3×3範囲の画素値123)は画像バッファ120より供給される。
図8は画素分配部150に入力される3×3範囲の画素値123を示す。
Dt22が注目画素の画素値、周辺8画素の画素値は
Dt11、Dt12、Dt13、
Dt21、 Dt23、
Dt31、Dt32、Dt33
である。なお、前述した集中度演算部140への5×5範囲の画素値122と標記が同じものは同じ画素値である。
図9は画素分配部150で行う画素値の分配方法を示すフローチャートである。以下、図9のフローチャートに従って画素分配部150で行う分配処理について説明する。
最初に、画素値の分配先となる画素のランク値Drnkを初期値0に設定する(F101)。以下の説明から明らかように、注目画素のランク値が、このランク値Drnk以下であれば、他の画素への分配を行わず、ランク値Drnkよりも大きければ、他の画素への分配を行う。
ステップF102では、注目画素値Dt22が0であるかどうかの判定を行う。注目画素値が0の場合、即ちステップF102で判定結果がYESの場合は(当該注目画素の画素値を他の画素に分配することはできないので、)分配を終了し、注目画素値が0以外の場合、即ち判定結果がNOの場合はステップF103へ進む。
ステップF103では、注目画素Dt22のランク値Rnk22が、分配先画素のランク値Drnk以下であるか(注目画素Dt22のランクが、分配先画素のランク以上であるか)どうかの判定を行う。Drnk以下である場合(YESの場合)は注目画素Dt22から他の画素への分配を行わないこととして、処理を終了する。
ステップF103で、注目画素Dt22のランク値Rnk22が分配先画素のランク値Drnkよりも小さい場合(NOの場合)はステップF104へ進む。
ステップF104では、
注目画素以外の画素のランク値
(Rnk11、Rnk12、Rnk13、
Rnk21、 Rnk23、
Rnk31、Rnk32、Rnk33)
の中から、
分配先画素のランク値Drnkと値が同じものを探索し、探索により見つけたランク値を有する画素を分配先画素とし、その画素値を分配先画素値T_Dtとして取得する。
そして、T_Dtと、Dt22との和T_Dt+Dt22を求める。
次に、注目画素値と分配先画素値の合計(T_Dt+Dt22)が最大値(N−1)より大きいか判定を行う(F105)。そして、「大きい」場合(F105でYES)はステップF108へ進み、「以下」の場合(F105でNO)はステップF106へ進む。
ステップF106では、分配先画素の画素値をT_Dt+Dt22に修正する(T_Dt+Dt22を新たなT_Dtとする)。
そして、注目画素値を0に修正し、分配を終了する(F107)。
このような処理により、ステップF106の開始前における注目画素Dt22の画素値を、それよりもランク値の小さい(ランクの高い)画素に分配したことになる。また、T_Dt+Dt22=N−1のときは、分配先画素の画素値を飽和させたことになる。
なお、上記のステップF106の開始前における「注目画素の画素値」は、図9の処理を開始した時点での注目画素の画素値に等しいとは限らない。図9の処理中に、後述のステップF109において、注目画素の画素値が修正されることがあるためである。
ステップF108では、分配先画素の画素値を最大値(N−1)に修正する。
この処理により、ステップF108の開始前における注目画素Dt22の画素値の一部を、それよりもランク値の小さい(ランクの高い)画素に分配し、該分配先の画素の画素値を飽和させたことになる。
そして、注目画素値を、T_Dt+Dt22から最大値(N−1)を減算した値(T_Dt+Dt22−N+1)に修正する(F109)。
次に、ステップF110において、分配先画素のランク値Drnkに1を加算し、ステップF102に戻る。
以下、同様に、分配先画素のランク値Drnkの値を1ずつ大きくしながら(ランク、優先度を次第に低くしながら)、同様の処理を繰り返し、ステップF102でYES、又はステップF103でYESの判定となるまでステップF102〜F110の処理を繰り返す。
以上説明した分配処理により、注目画素とその周辺8画素の画素値が更新される。
この更新は、ランク(Rnk)が注目画素のランクより高いランクの画素にのみ、注日画素の画素値を分配することで行われ、また、ランク(Rnk)が高い画素から順次飽和するように注目画素の画素値を分配することで行われる。
更新された注目画素とその周辺8画素の画素値(更新画素値)152は画像バッファ120に入力され画像バッファ120は該当する箇所の画素値
(Dt11、Dt12、Dt13、
Dt21、Dt22、Dt23、
Dt31、Dt32、Dt33)
を更新する。
一つの注目画素位置について上記の処理を終えた後、画像バッファ120は、注目画素位置を、次の位置、例えば、1画素右、又は次のラインの左端の画素に移動し、次の注目画素を中心とする5×5範囲の画素の画素値122を集中度演算部130に供給し、3×3範囲の画素の画素値123を画素分配部150へ送出し、以下、次の注目画素を中心とする3×3範囲の画素について、上記と同様に、集中度の演算、ランク値の演算、及び画素分配の処理が行われる。
なお、上記フローチャートで説明した処理を回路等で構成する場合、周辺8画素については飽和画素値(取り得る値の範囲内の最大値、即ちN−1)をとる画素を分配先候補から除外することで、少ない入力の組み合わせで出力画素値を決定することが可能である。例えば、5値の画素データ(N=5)で上記分配処理を行う場合、周辺8画素中の飽和画素値をとる画素を除いた上位4ランク(ランク値の小さいものから数えて4番目まで)の画素値と注目画素値と注目画素のランク値で出力を決定できる。「4ランク」に限られるのは、注目画素の画素値の最大値は4であり、他の画素に仮に「1」ずつ分配したとしても、4つまでしか分配できないからである。
縦横変換部160は画像バッファ120より出力画素データ151を受け取り、N値の画素データをLEDヘッド35の各発光素子(LED素子)を点減させるためのビットパターンに変換し、さらにラインバッファを用いて横方向(主走査方向)に1ライン連続するビットパターンに変換し、LEDヘッド35へ送出する。
図10及び図11(a)〜(c)に縦横変換部160で行う変換の例を示す。図10及び図11(a)〜(c)の例においては、解像度が1200×1200DPIの5値の画素データ(N=5)を、解像度が2400×2400DPIのビットパターンに変換している。
図10のビットパターン欄の「0」または「1」が書かれた四角が、解像度が2400×2400DPIの画像における1画素を表す。図のように、
画素データが「0」の場合には、ビットパターン「0000」(この場合、ビットパターンにおける画素値を図の左上、右上、左下、右下の順に記載している)、
画素データが「1」の場合には、ビットパターン「1000」、
画素データが「2」の場合には、ビットパターン「1100」、
画素データが「3」の場合には、ビットパターン「1110」、
画素データが「4」の場合には、ビットパターン「1111」
に変換される。
図11(a)及び(b)は横方向(主走査方向)に連続するピットパターンへの変換を示す。
図に示すように解像度が2400×2400DPIのビットパターンが「0000」、「1000」、「1100」、「1110」、「1111」、・・・と並んでいる場合には、
最初のラインの横方向に連続するビットパターンは「0010111111・・・」、
次のラインの横方向に連続するビットパターンは「0000001011・・・」
のように2400DPIのライン単位で横方向に連続するビットパターンに変換されてLEDヘッド35に送出される。
LEDヘッド35は前記横方向に連続するビットパターンの各ビットが「1」の場合に対応する位置の発光素子を点灯させ、感光体ドラムに潜像電位の形成を行い、前述した種々の画像形成プロセスが行われることで媒体上に前述のビットパターンに対応したトナー像(図11(c)が形成される。
(動作の説明)
次に本実施の形態1においてN値化処理部110から図12(a)に示す画像データ(5値画像データ)が出力され、画像バッファ120に入力された場合の集中度演算部130、ランク付け部140、及び画素分配部150の具体的な動作を、図12(a)及び(b)、図13(a)及び(b)、図14(a)〜(e)を参照しながら説明する。
なお、図12(a)及び(b)において、1頁の画像の、左上隅の画素の座標が(0,0)で表される位置にあり、右下隅の画素の座標が(7,4)で表される位置にあるものとしている。
なお、座標を(x,y)の形で表すときxは横方向の位置を表し、yは縦方向の位置を表す。これに対し画素データDtvh、集中度Cnvh、ランク値Rnkvhの添え字vhは先のもの(v)が縦方向の位置を表し、後のもの(h)が水平方向の位置を表す。
(集中度演算部130の動作)
図13(a)及び(b)は集中度演算部130の重みフィルタ132のフィルタ係数の互いに異なる例を示す。
図13(a)に示す第1の例(フィルタ設定1)の場合は、重みフィルタ132の各係数
Wgt11、Wgt12、Wgt13、
Wgt21、Wgt22、Wgt23、
Wgt31、Wgt32、Wgt33

0、 0、 0、
0、 32、 0、
0、 0、 0
が設定され、
図13(b)に示す第2の例(フィルタ設定2)の場合は、重みフィルタ132の各係数に
4、 8、 4、
8、 32、 8、
4、 8、 4
が設定されている。
どのような値を用いるかは所望の特性に応じて決められる。前記の2つの設定(フィルタ設定1、フィルタ設定2)において、注目画素の位置が図12(a)の位置(1,1)である場合に集中度演算部130が出力する各画素の集中度は、それぞれ下記の値となる。
(フィルタ設定1)
Cn11=0、Cn12=0、 Cn13=0、
Cn21=0、Cn22=32、Cn23=32、
Cn31=0、Cn32=0、 Cn33=64
(フィルタ設定2)
Cn11=4、Cn12=12、Cn13=16、
Cn21=8、Cn22=48、Cn23=64、
Cn31=4、Cn32=28、Cn33=84
(ランク付け部140の動作)
注目画素位置が図12(a)(1,1)である場合には、前述した集中度演算部130の動作により得られた各画素についての集中度131(Cn)が入力される。この時、ランク付け部140が出力する各画素のランク値は、フィルタ設定1、フィルタ設定2のいずれの場合にも下記の値となる。
Rnk11=3、Rnk12=4、Rnk13=5、
Rnk21=6、Rnk22=1、Rnk23=2、
Rnk31=7、Rnk32=8、Rnk33=0
(画素分配部150の動作)
注目画素位置が図12(a)の(1,1)である場合には、前述したランク付け部140で求められる各画素のランク値が入力される。この時、画素分配部150で行う分配により更新された注目画素とその周辺8画素(注目画素を中心とする3×3範囲の画素の画素値Dtb11〜Dtb33は下記の値となる。
Dtb11=0、Dtb12=0、Dtb13=0、
Dtb21=0、Dtb22=0、Dtb23=1、
Dtb31=0、Dtb32=0、Dtb33=3
前記で算出された注目画素値と周辺8画素の画素値で、画像バッファ120に保持されている画像データ中の対応する画素位置
(0,0)、(1,0)、(2,0)、
(0,1)、(1,1)、(2,1)、
(0,2)、(1,2)、(2,2)
の画素値を更新する。更新結果が図12(b)に示されている。
画像バッファ120は注目画素位置を、次の位置に設定し、該位置を注目画素とした画像データを集中度演算部130、画素分配部150へ送出する。
次の位置は、一つ右の位置、又は次のライン(行)の左端の位置であり、例えば(1,1)の次の位置は(2,1)である。
一つ右の位置の座標値はXに1を加算することで求められる。
次のラインの左端位置は、Yに1を加算し、Xを0にすることで求められる。
以上の処理を、注目画素位置を画像データ終端位置(図12(a)及び(b)に示す例では、画素位置(7,4))とした処理が終わるまで順次を行う。
図14(a)、図14(b)はフィルタ設定1、フィルタ設定2の各設定例において画像データ終端位置まで処理が終了したときの画像データを示す。前記の各画像データは前述した縦横変換部150により、1200×1200DPIの5値画像データから2400×2400DPIのビットパターンに変換される(図14(c)、図14(d))。
なお、図14(c)〜(e)には、1200×1200DPIの場合の座標値が記入してある。
フィルタ設定1においては、図14(c)に示すように、2〜5画素程度の画素の塊でビットパターンが作成され、対応するトナー像が媒体上に形成される。
フィルタ設定2においては、図14(d)に示すように、4〜8画素程度の画素の塊でビットパターンが作成され、対応するトナー像が媒体上に形成される。
図14(e)は、集中度演算部130、ランク付け部140、及び画素分配部150による上記の処理が行われない場合に、図12(a)の画像データより作成される2400×2400DPIのビットパターンを示す。図14(e)で示すように1〜2画素程度の画素でビットパターンが形成され、対応するトナー像が媒体上に形成される。
(効果の説明)
以上説明したように、集中度演算部130、ランク付け部140、画素分配部150の動作によって、1〜2画素程度の少数の画素の塊で再現される画像データが、2〜5、或いは4〜8画素程度の画素の塊で再現される。したがって、画像形成装置の特性により、1画素程度の塊では濃度が忠実に再現されない場合でも、2〜5、或いは4〜8画素程度の画素の塊とすることで本来の濃度に近い濃度が再現される。
また、集中度演算部130のフィルタ設定1の場合は2〜5画素程度の画素の塊で画像データが再現され、フィルタ設定2の場合は4〜8画素程度の塊で画像データが再現される。このように、集中度演算部130に設定するフィルタの設定により、画像形成装置の特性に合わせて、画素の塊具合い(集約の度合い)を調整することが可能である。また、一律の条件により塊を形成しているので、例えばグラデーションの途中で濃度が急激に(ステップ状に)変化したり、見え方が急激に変わると言ったことがなく、見栄えが良好となる。
例えば、画像形成装置は、高精細な画像データ乃至ビットパターンが内部で発生されても、その画像データ乃至ビットパターンが表す濃度を忠実に再現できるとは限らない。例えば、トナー像を生成する電子写真方式の画像形成装置においては、トナーの粒径による制約を受け、トナーの粒径よりも小さい画素が静電潜像として形成されても、画素に1対1で対応するトナー像が形成されるわけではなく、ある箇所ではトナー粒がまったく付着せず、別の箇所では、画素よりも大きいトナー粒が付着するといったことが起きかねない。しかも、付着したり、しなかったりは偶然に左右されて、規則性がない。
このようなことが発生しないようにするため、予め複数の黒画素を集約して、大きな塊(画素の集まり)としておき、この塊に対応してトナーを付着させるようにすることで、濃度再現の忠実性を高めることができる。一方、過度に集約すると、解像度が低下するという問題がある。
本発明は、黒画素を集約する際の具体的方法として、各画素の集中度に基づいて、どの位置に集約させるかをより適切に決定することを可能としている。
フィルタ設定の選択、例えば、フィルタ設定1を選択するかフィルタ設定2を選択するかは、画像形成装置の特性上どの程度の大きさの塊とするのが最適かに応じて決められる。
例えば、フィルタ設定1
0, 0,0
0,32,0
0, 0,0
の場合に形成されるビットパターンは、ドット間隔が1200dpiの場合に大体2画素分の大きさを有するように見え、
フィルタ設定2
4, 8,4
8,32,8
4, 8,4
の場合に形成されるビットパターンは、ドット間隔が1200dpiの場合に大体3画素分の大きさを有するように見える。
従って、フィルタ設定1の場合は、約600線、フィルタ設定2の場合は約400線相当のスクリーンに変換される。さらに、X方向だけ考えた場合に、重みフィルタの中心画素の重みを1.0として中心画素とその左隣の画素と右隣りの画素の重みを合わせた値を2倍にした間隔が、形成されるパターンのドット間隔となり、このドット間隔で解像度(実施の形態では1200dpi)を割った値がおおよその線数(ビットパターンの線数)となる。
スクリーン構造をもったビットパターンへの変換については、意図したスクリーンの線数がそのまま形成されるビットパターンの線数になる。また、エッジ部と非エッジ部でスクリーンを切り換える場合には、前述の重みフィルタのみで発生させるパターンの線数とスクリーンの線数を近付けることで切り替わりが目立たなくなる。
一般的なAMスクリーンでスクリーン条件乃至特性を決める場合でも、スクリーンの条件乃至特性を決める要因は様々であり、例えば、ドットの不安定性や階調性と言ったプロセス要因のみでなく、色間のモアレ、印刷モードの方針(解像度優先など)なども考慮される。
本実施の形態を適用した場合でも色々な要因を考慮した上で、スクリーンの条件乃至特性が決定されるが、実質的な線数(解像度)について、簡単にかつ細かく調整できるところが本発明の利点の一つである。
他の効果として、元々画素が密集しているようなエッジ部分ではエッジに沿って、画素の集約化が行われるため、画素の塊を大きくすることにより解像度を粗くした場合でも、元画像中の文字等の輪郭をあまり変形させずに再現できる。また、低濃度の文字や細線等については、現像プロセスによっては再現できない場合があるが、必要最低限の補正(画素の集約化)で再現可能となる。
さらにまた、全階調域にわたって共通なルールで補正を行っているため、グラデーションの階調間での見え方(パターンの見た目、解像度の感じ方)に連続性があり、良好なグラデーションが再現できる。
なお、上記の実施の形態では、ランク付け部140で決定された各画素のランクRnkが高い画素から順次飽和するように、注目画素の分配を行っているが、完全に飽和しなくとも飽和に近い状態になるようにすれば良い。即ち、ランク付け部140で決定された各画素のランクRnkが高い画素から順次飽和し、又は飽和に近い状態になるように、注目画素の分配を行うこととしても良い。
実施の形態2.
(構成の説明)
図15は、実施の形態2の画像処理部200を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示す。実施の形態2の画像処理部200は、図2に示される実施の形態1の画像処理部100の構成に対し、画素状態判定部210及び集中度修正部220が追加されている。本実施の形態では、集中度演算部130と、画素状態判定部210と、集中度修正部220とにより、集中度決定部135が構成されている。
画素状態判定部210は、注目画素の状態を判定し、集中度修正部220は、集中度演算部130で演算された各画素についての集中度を、画素状態判定部210の判定結果に応じて修正する。
画素状態判定部210へ入力される3×3範囲の画素の画素値123は画素分配部150へ入力されるデータ(123)と同じである。
画素状態判定部210の出力211と、集中度演算部130の出力131は、集中度修正部220に入力される。集中度修正部220の出力221は、ランク付け部140に入力される。
画素状態判定部210は、画像バッファ120より注目画素Dt22を中心とする3×3範囲の画素値123、即ち、
Dt11、Dt12、Dt13、
Dt21、Dt22、Dt23、
Dt31、Dt32、Dt33
を受け取り、3×3範囲の画素の各々について、所定の判定を行い、3×3範囲のすべての画素についての上記の判定の結果を合成することで、総合的な判定結果を得る。3×3範囲の画素の各々についての判定は、各画素の画素値に基づいて行われる。
図16及び図17は画素状態判定部210で行う判定方法の異なる例(判定方法1及び判定方法2)を示す。以下、それぞれの判定方法について下記に説明する。
以下で説明する判定方法1及び判定方法2のいずれかを用いるかは、予め個々の画像形成装置に対して設定しておいても良く、ユーザがいずれかを選択可能としても良い。
(判定方法1)
図16(a)は判定方法1で用いられる判定フィルタ212の例を示し、判定フィルタ212は、3×3のマトリクス状に配列された要素、即ち
Ptn11、Ptn12、Ptn13、
Ptn21、Ptn22、Ptn23、
Ptn31、Ptn32、Ptn33
を有し、これらはそれぞれ入力画素値
Dt11、Dt12、Dt13、
Dt21、Dt22、Dt23、
Dt31、Dt32、Dt33
に対応して設けられている。
フィルタの各要素は、図16(b)に示すように、Reverseフラグ、Lowerフラグ、及びPix値を有する。
入力画素値の各々に対し、対応するフィルタ要素のパラメータを用いた判定、及び判定結果に対するさらなる処理が行われる。即ち、入力画素の各々に対して行われる判定は、以下の通りである。
Lowerフラグが「1」の場合は、
画素値がPix値より小さいか否か判定し、
小さい場合は第1の判定結果を「1」とし、
同じか大きい場合は第1の判定結果を「0」とする。
Lowerフラグが「0」の場合は、
画素値がPix値と同じか否かを判定し、
同じ場合は第1の判定結果を「1」とし、
異なる場合は第1の判定結果を「0」とする。
さらに
Reverseフラグが「1」の場合は
前記の第1の判定結果を反転したものを第2の判定結果(最終判定結果)とする。
即ち、第1の判定結果が「0」であれば、第2の判定結果を「1」とし、
第1の判定結果が「1」であれば、第2の判定結果を「0」とする。
一方、
Reverseフラグが「0」の場合は
前記の第1の判定結果を、そのまま第2の判定結果(最終判定結果)とする。
即ち、第1の判定結果が「0」であれば、第2の判定結果を「0」とし、
第1の判定結果が「1」であれば、第2の判定結果を「1」とする。
前記の判定及び処理を各画素について行い、全ての画素についての最終判定結果が「1」である場合に、画素状態判定部210が出力する総合判定結果を「1」とし、それ以外の場合は総合判定結果を「0」とする。
判定方法1では、上記の判定フィルタを用いることで、後に具体例について説明するように、所定の矩形の範囲の画素の各々について、当該画素の画素値が所定の値に一致するか否かを判定、或いは、所定の矩形の範囲のうち、少なくとも一部内に位置する画素が、所定のパターンに合致するものであるか否かの判定を行うことができる。
(判定方法2)
図17は判定方法2で行う判定方法の例を示す。判定方法2は、外部より入力される画像情報をもとに判定を行なう。画像情報は、例えば、注目画素位置におけるN値化前の8ビットの画像データの画素値であり、例えば、N値化前の8ビットの画像データの画素値(最大値は255)が112〜143(即ち、128−16から128+15の範囲内、言い換えると、取り得る値の範囲内の中心値付近、即ち、中心値を中心とする所定の範囲内の値)であれば判定結果は「1」、それ以外であれば判定結果は「0」である。
なお、画像情報として、N値化前の8ビットの画像データの代りに、例えば
文字エッジ部分であるかどうかの像域分離情報、画像データ中の注目画素の画像内の位置を表す位置情報を用いても良い。
像域分離情報は、例えば後述の実施の形態5に関して、図35に示す特徴情報作成部510で生成されるエッジ情報に相当する。
位置情報は、例えば後述の実施の形態4に関して、図29に示すX方向画素位置414、Y方向画素位置415を示す情報である。
集中度修正部220は集中度演算部130で求められた集中度131(Cn)を画素状態判定部211よる判定結果211に応じて修正し、修正された集中度221(Cnb)を出力する。
図18(a)及び(b)は集中度修正部220で集中度の修正に使用されるオフセットの例である。図で示すように、画素状態判定部211より出力される判定結果の値の種類分のオフセットが用意される。本例では、判定結果0、1にそれぞれ対応して、オフセット0、1が用意され、判定結果が0のときは、オフセット0が、判定結果が1のときはオフセット1が用いられる。
各オフセットの各要素値
Ofst11_*、Ofst12_*、Ofst13_*、
Ofst21_*、Ofst22_*、Ofst23_*、
Ofst31_*、Ofst32_*、Ofst33_*
(*は判定結果211(=0又は1)に応じて、0又は1となる)
は、集中度演算部130で求められた各画素の集中度
Cn11、Cn12、Cn13、
Cn21、Cn22、Cn23、
Cn31、Cn32、Cn33
にそれぞれ加算され、加算(修正)された各画素の集中度221(Cnb)が集中度修正部220より出力される。
例えば、図19(a)に示すように、オフセット値Ofstvh_0(v=1、2又は3、h=1、2又は3)はすべて0であり、オフセット値Ofstvh_1は、図19(b)に示すように、(注目画素についての集中度に対するオフセットOfstvh_1についてはv+h=偶数である場合に)v+h=奇数と言う条件を満たすとき、即ち、注目画素位置を(x,y)で表すとき、(a+b)が奇数と言う条件を満たす(x−a、y−b)の位置の画素についての集中度に対するオフセットは比較的大きな値(例えば128、64)とされ、他の位置の画素についての集中度に対するオフセットは比較的小さな値(例えば0)とされる。
このような処理をする結果、修正された修正度Cnbは、画素値が中心値付近(128)付近で(オフセット1採用)、かつ注目画素位置(x,y)に対するx方向の距離(画素数)をa、y方向の距離(画素数)をbの和が奇数である位置の画素についてのものは、比較的大きさオフセット、例えば128又は64の加算により、より大きな値となり、それ以外のときは、比較的小さなオフセット、例えば0しか加算されず、0が加算される場合には、集中度は同じ値(変更なし)となる。
図19(b)で、上、左のみ128、右、下は64と違いを設けるのは、画素データに対する処理が画像の上のラインから下のラインへ、各ラインを左から右へという順序で行われ、処理対象画素(注目画素)の上、左のデータは略確定しており(確定度が高く)、黒画素の集約を促進するためである。
なお、本実施の形態ではオフセット値を加算することで修正を行なっているが、オフセット値を乗算することで修正を行なっても良い。
ランク付け部140は集中度修正部220により修正された各画素の集中度221(Cnb)を受け取り、各画素のランク値141(Rnk)を計算し出力する。なお、ランク付け部140による各画素のランク値は実施の形態1の場合と同様の方法で行われる。
その他の構成については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
(動作の説明)
次に本実施の形態2においてN値化処理部110から図20(a)に示す画像データ(5値画像データ)が出力され、画像バッファ120に入力された場合の、集中度演算部130、ランク付け部140、画素分配部150、画素状態判定部210、及び集中度修正部220の具体的な動作を、図19、図20(a)及び(b)、図21、図22(a)〜(c)を参照しながら説明する。なお、集中度演算部130のフィルタには図13(b)に示すフィルタ設定2、即ち、
4 8 4
8 32 8
4 8 4
が設定され、画素状態判定部210には前述した図16(a)及び(b)並びに図21に示す判定方法1の判定フィルタが設定され、集中度修正部220には図19(a)及び(b)に示すオフセット値が設定されているものとする。また、注目画素位置が図20(a)に示す画像データの画素位置(1,1)に設定された場合の動作について説明する。
(集中度演算部130の動作)
注目画素位置が図20(a)の(1,1)である場合に集中度演算部130が出力する各画素の集中度は、下記の値となる。
Cn11=144、Cn12= 96、Cn13=160、
Cn21= 96、Cn22=192、Cn23=128、
Cn31=160、Cn32=128、Cn33=192
以下に上記の集中度の計算例を示す。
例えば、Cn11を計算するときの3×3範囲の中心は、(0,0)であり、
画素値Dt11〜Dt33は、
− − −
− 4 0
− 0 4
である。ここで、「−」は、画像データの範囲外の仮想的な画素のデータであり、「0」として扱われる。フィルタ係数は、図13(b)のフィルタ設定2であり、従って
4 8 4
8 32 8
4 8 4
である。従って、これらの積和は、
0 0 0
0 128 0
0 0 16
=144となる。
(画素状態判定部210の動作)
図21は画素状態判定部210に設定される、図16(a)に示す判定フィルタの具体例を示す。図21に示すように判定フィルタの各要素に設定される値は
Ptn11={0、0、4}、Ptn12={0、0、0}、Ptn13={0、0、4}、
Ptn21={0、0、0}、Ptn22={1、1、0}、Ptn23={1、1、0}、
Ptn31={1、1、0}、Ptn32={1、1、0}、Ptn33={1、1、0}
(判定フィルタの各要素は「Reverse」、「Lower」、「Pix」の順に記載している)である。
注目画素位置が(1,1)の場合に入力画素値
Dt11、Dt12、Dt13、
Dt21、Dt22、Dt23、
Dt31、Dt32、Dt33
は、
4、0、4、
0、4、0、
4、0、4
であるので、各画素に対する判定フィルタによる最終判定結果は
1、1、1、
1、1、1、
1、1、1
となり、画素状態判定部210が出力する総合判定結果は1となる。
以下、いくつかのデータについて上記の判定フィルタによる処理の例を説明する。
例えば、Dt11は4であり、対応するPtn11のLower=0であるので、Dt11がPix(=4)と同じかどうかの判定を行い、Dt11=Pix=4であるので、第1の判定結果は「1」となり、Reverse=0であるので、第2の判定結果は第1の判定結果と同じ「1」となる。
また、Dt12は0であり、対応するPtn12のLower=0であるので、Dt12がPix(=0)と同じかどうかの判定を行い、Dt12=Pix=0であるので、第1の判定結果は「1」となり、Reverse=0であるので、第2の判定結果は第1の判定結果と同じ「1」となる。
また、Dt23は0であり、対応するPtn23のLower=1であるので、Dt23がPix(=0)より小さいかどうかの判定を行い、Dt23がPix=0より小さくないので、第1の判定結果は「0」となり、Reverse=1であるので、第2の判定結果は第1の判定結果の反転したもの、即ち、「1」となる。
なお、Ptn23〜Ptn33のように、Pix=0とし、Lower=1、Revese=1とすれば、画像データDtの値が何であっても第2の判定結果は「1」となる。
要するに図21の判定フィルタは、注目画素よりも上又は左の画素が、図20(a)に示す市松模様状(注目画素を黒画素とする)かどうかを判定する。
即ち、図16(a)及び(b)に示すフィルタ要素を用い、Reverse、Lower、Pixを図21に示すように定めた場合には、注目画素及びそれよりも右又は下に位置する画素については、画素値の如何を問わず、第2の判定結果が「1」となる。
一方、注目画素の上、又は左に位置する画素については、注目画素位置を(x,y)としたとき、c+dが偶数となる、(x−c、y−d)の位置にある画素のPix値が4、即ちN値化データの最大値に等しければ第2の判定結果が「1」となる。
さらに、注目画素の上、又は左に位置する画素のうち、注目画素位置を(x,y)としたとき、c+dが奇数となる、(x−c、y−d)の位置にある画素のPix値が0、即ちN値化データの最小値に等しければ第2の判定結果が「1」となる。
総合判定結果は、注目画素の座標を(x,y)で表すとき、フィルタリングの対象範囲内(調査範囲内)で、かつ注目画素の上、又は左に位置する画素のうちの、c+dが偶数であるという条件を満たす、すべての座標位置(x−c、y−d)の画素の画素値が最大値N−1=4であり、かつそれ以外のすべての座標位置の画素の画素値が最小値「0」であるかどうかの判定(注目画素を黒画素位置とする市松模様状であるかの判定)をしており、上記の条件を満たせば、画素状態判定部210による総合判定結果が「1」となり、そうでなければ画素状態判定部210による総合判定結果が「0」となる。
なお、注目画素及びそれよりも下、又は右の画素については画素値の如何を問わず、同じ判定結果となり、実質上注目画素よりも上又は左に位置する画素にのみ基づいて判定を行うこととしているのは、上又は左の画素は画素値がほぼ確定している(確定度が高い)からである。
なお、上記の例では、所定位置の画素が最大値に一致するかどうかの判定を行い、他の所定位置の画素が最小値に一致するかどうかの判定を行っているが、最大値、最小値以外の所定値に一致するかどうかの判定を行うこととしても良い。また、市松模様状かどうかの判定を行っているが、他の所定のパターンに合致するかどうかの判定を行うこととしても良い。
(集中度修正部220の動作)
図19(a)及び(b)は集中度修正部220に設定されるオフセット値の具体的設定例を示す。入力される判定結果が0である場合に使用されるオフセット0は図19(a)に示されるように、
Ofst11_0=0、Ofst12_0=0、Ofst13_0=0、
Ofst21_0=0、Ofst22_0=0、Ofst23_0=0、
Ofst31_0=0、Ofst32_0=0、Ofst33_0=0
と設定され、入力される判定結果が1である場合に使用されるオフセット1は図19(b)に示されるように、
Ofst11_0=0、Ofst12_0=128、Ofst13_0=0、
Ofst21_128、Ofst22_0=0、 Ofst23_0=64、
Ofst31_0−0、Ofst32_0=64、 Ofst33_0=0
と設定される。
注目画素位置が(1,1)の場合に入力される各画素についての集中度
Cn11、Cn12、Cn13、
Cn21、Cn22、Cn23、
Cn31、Cn32、Cn33
は、上記のオフセット2が加算(修正)され、集中度修正部220が出力する修正された各画素についての集中度は下記の値となる(下記のCnb**は修正された各画素についての集中度を示す)。
Cnb11=144、Cnb12=224、Cnb13=160、
Cnb21=224、Cnb22=192、Cnb23=192、
Cnb31=160、Cnb32=192、Cnb33=192
比較のため修正前の集中度Cnは、
Cn11=144、Cn12= 96、Cn13=160、
Cn21= 96、Cn22=192、Cn23=128、
Cn31=160、Cn32=128、Cn33=192
であった。
上記のオフセットを加算することで、注目画素位置を(x,y)としたとき、a+b=奇数であるという条件を満たす位置(x−a、y−b)の画素についての集中度がより大きな値となり、その結果ランク値がより小さくなり(ランクがより高くなり)、画素値の分配を優先的に受けることになる。言い換えると、c+d=偶数という条件を満たす位置(x−c,y−d)の画素についての画素値Dtが大きかった画像(注目画素を黒画素位置とする市松模様状の画像)に対して、a+b=奇数という条件を満たす位置(x−a,y−b)の画素(上記市松模様の白画素位置)の画素についての集中度をより大きくし、その結果ランク値がより小さくなり(ランクがより高くなり)、画素値の分配を優先的に受けることになる。従って、このような処理は、市松模様を崩す傾向を有する。
(ランク付け部140の動作)
注目画素位置が図20(a)の(1,1)である場合には、前述した集中度修正部220で修正された各画素についての集中度が入力される。この時、ランク付け部140が出力する各画素のランク値は下記の通りとなる。
Rnk11=8、Rnk12=1、Rnk13=7、
Rnk21=0、Rnk22=5、Rnk23=4、
Rnk31=6、Rnk32=3、Rnk33=2
(画素分配部150の動作)
注目画素位置が図20(a)の(1,1)である場合には、前述したランク付け部140で求められた各画素のランク値が入力される。この時、画素分配150で行う分配により更新された注目画素Dtb22を中心とする3×3範囲の画素の画素値Dtb11〜Dtb33は下記の値となる。
Dtb11=4、Dtb12=0、Dtb13=4、
Dtb21=4、Dtb22=0、Dtb23=0、
Dtb31=4、Dtb32=0、Dtb33=4
比較のため、画素分配前のデータは、
Dt11=4、Dt12=0、Dt13=4、
Dt21=0、Dt22=4、Dt23=0、
Dt31=4、Dt32=0、Dt33=4
であった。
前記で算出された注目画素値とその周辺8画素(注目画素を中心とする3×3範囲の画素)の画素値で、画像バッファ120に保持されている画像データ中の対応する画素位置
(1,1)、(2,1)、(3,1)、
(1,2)、(2,2)、(3,2)、
(1,3)、(2,3)、(3,3)
の画素値を更新する。更新後のデータ値を図20(b)に示す。
図20(b)を図20(a)と比較すると、画像の左上の部分において、市松模様状のパターンが崩されているのがわかる。
一つの注目画素位置について上記の処理を終えた後、
画像バッファ120は、注目画素位置を、次の位置、例えば、1画素右、又は次のラインの左端の画素に移動し(上記の例では、(2,1)が次の位置になる)、次の注目画素を中心とする5×5範囲の画素の画素値122を集中度演算部130に供給し、3×3範囲の画素の画素値123を画素分配部150及び画素状態判定部210へ送出し、以下、次の注目画素を中心とする3×3範囲の画素について、上記と同様に、画素状態の判定、集中度の演算、ランク値の演算、及び画素分配の処理が行われる。
以上の処理を、注目画素位置を画像データ終端位置(図20(a)の例では、画素位置(7,4))とした処理が終わるまで順次を行う。
図22(a)は画像データ終端位置まで処理が終了したときの画像データを示す。前記の各画像データは前述した縦横変換部150により、1200×1200DPIの5値画像データから2400×2400DPIのビットパターンに変換される(図22(b))。
図22(c)は、画素状態判定部210、集中度修正部220による上記の処理が行なわれない場合(実施の形態1の処理が行われた場合)に形成される2400×2400DPIのビットパターンを示す。
なお、図22(b)、(c)には、1200×1200DPIの場合の座標値が記入してある。
図22(a)を図20(a)と比較し、図22(b)を図22(c)と比較すると、画像の全体にわたり、本実施の形態の処理により、市松模様状のパターンが崩されているのがわかる。即ち、画素状態判定部210及び集中度修正部220による上記の処理が行なわれない場合(実施の形態1の処理が行われた場合)には市松模様のビットパターンが維持されるのに対し、画素状態判定部210及び集中度修正部220による上記の処理が行なわれる場合(実施の形態2の処理が行われる場合)には、ビットパターンは市松模様とならない。
(効果の説明)
以上説明したように、画素状態判定部210及び集中度修正部220の動作によって、通常は市松模様のパターンにより再現される画像データが、市松模のパターン以外のパターンで再現される。画像形成装置の中には、濃度再現特性、例えばトナー像生成機構の特性により、市松模様を忠実に再現することが適切でない場合がある。市松模様にすると白画素部分も黒画素としてトナーを付着させるため、最大2の濃度になってしまうためである。そのような場合に本実施の形態により、市松模様を崩し(他のパターンに変換し)、市松模様とは異なるパターンで再現を行なうことで本来の濃度に近い濃度を再現することができる。
また、本実施の形態2においては、画素状態判定部210に設定する判定フィルタ、集中度修正部220に前記画素状態判定部210の判定結果に対応する修正は市松模様のパターン発生を抑制することを意図した設定を行なっているが、市松模以外の濃度再現が忠実に行なわれないようなパターンについても、前記の画素状態判定部210及び集中度修正部220の設定の組み合わせにより当該パターンの発生を抑制することが可能である。
どのような模様乃至パターンに対する処理を行うかに応じて、図21に示す判定フィルタのパラメータ乃至フラグの値を設定すればよい。即ち、本実施の形態では、図21に示す判定フィルタを用いているので、そのパラメータ乃至フラグの値を変更することで、対象とする模様乃至パターンに対して柔軟にかつ容易に対応可能である。
実施の形態3,
(構成の説明)
図23は、実施の形態3の画像処理部300を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示す。実施の形態3の画像処理部300は、図2に示される実施の形態1の画像処理部100の構成に対し、サブ画素位置情報作成部310が追加され、さらに、実施の形態1の画像処理部100における縦横変換部160が、解像度変換部320に変更されている。サブ画素位置情報作成部310は、ランク付け部140で決定された各画素のランク(Rnk)をもとに注目画素のサブ画素位置情報を作成し、解像度変換部320は、サブ画素位置情報作成部310で作成されたサブ画素位置情報をもとにN値画像データを高解像度の2値画像データに変換する。
高解像度の2値画像データは、例えば、N値のデータの各々に対して、2×2のマトリックス状に配列された4つのビット(サブ画素)のデータから成る。
サブ画素位置情報は、4つのビット(サブ画素)のうちの最初に「1」とすべきビットの始点の位置を示す始点情報313と、2番目以降に「1」とすべき画素の、上記始点に対する方向を示す成長方向情報(314)とを含み、さらに、始点に対して対角位置にある画素が2番目の高いランクを有するか否かを示す対角成長フラグ(315)をさらに含むこととしても良い。
サブ画素位置情報作成部310に入力される各画素のランク値141(Rnk)は、画素分配部150へ入力されるものと同一である。
サブ画素位置情報作成部310が出力するサブ画素位置情報311は画像バッファ120で一旦保持され、出力画素データ151とタイミングを合わせて、出力サブ画素位置情報312として、解像度変換部320へ供給される。解像度変換部320の出力はLEDヘッド35へ送られる。
サブ画素位置情報作成部310は、ランク付け部140で求められた各画素のランク値141(Rnk)をもとに、注目画素についてのサブ画素位置情報311を作成し画像バッファ120へ出力する。
図24はサブ画素位置情報作成部310で作成するサブ画素位置情報311の例である。図示のサブ画素位置情報は、各画素について、各画素を中心とする3×3範囲の画素についてのランク値(Rnk)に基づいて生成されるものであり、始点情報313、成長方向情報314、及び対角成長フラグ315を含む。
始点情報313は、上記のように、最優先でビット値を「1」にすべきサブ画素の位置を示し、成長方向情報314は、上記のように、2番目に優先的にビット値を「1」にすべきサブ画素の位置の上記始点に対する方向(成長方向)を示す。本例では、2番目以降に優先的にビット値を「1」にすべきサブ画素が始点に対して時計方向に回転した隣接位置にあるときは、「0」とされ、反時計方向に回転した隣接位置にあるときは「1」とされる。
対角成長フラグ315は対角成長を行なう可能性があるか否かを示し、対角成長を行う可能性があるときは、「1」とされ、そうでなければ「0」とされる。
前記の各情報は、注目画素以外の画素のランク値
Rnk11、Rnk12、Rnk13、
Rnk21、 Rnk23、
Rnk31、Rnk32、Rnk33
の内、値が最も小さいものに対応する画素(ランクが最も高い画素)の位置と、値が最も小さいものに対応する画素に隣接する画素のランク値の比較結果と、2番目に値が小さいものに対応する画素(2番目にランクが高い画素)の位置から決定される。
以下、Rnk11〜Rnk33のいずれが最小値であるかに応じて、それぞれに場合について説明する。
(Rnk11が最小値である場合)
始点情報は「0」に設定される。
成長方向情報は、Rnk12とRnk21を比較して、Rnk12<Rnk21であれば、「0」に、Rnk12>Rnk21であれば、「1」に設定される。
対角成長フラグは、Rnk11に対し対角位置の関係にあるRnk33が2番目に小さいランク値であれば「1」、そうでなければ「0」に設定される。
(Rnk12が最小値である場合)
始点情報は、Rnk11とRnk13を比較して、Rnk11<Rnk13であれば、「0」に、Rnk11>Rnk13であれば、「1」に設定される。
成長方向情報は、Rnk11とRnk13を比較して、Rnk11<Rnk13であれば、「0」に、Rnk11>Rnk13であれば「1」に設定される。
対角成長フラグは「0」に設定される。
(Rnk13が最小値である場合)
始点情報は「1」に設定される。
成長方向情報は、Rnk12とRnk23を比較して、Rnk12<Rnk23であれば「1」に、Rnk12>Rnk23であれば、「0」に設定される。
対角成長フラグは、Rnk13に対して対角位置の関係にあるRnk31が2番目に小さいランク値であれば「1」、そうでなければ。「0」に設定される。
(Rnk21が最小値である場合)
始点情報は、Rnk11とRnk31を比較して、Rnk11<Rnk31であれば「0」に、Rnk11>Rnk31であれば「2」に設定される。
成長方向情報は、Rnk11とRnk31を比較して、Rnk11<Rnk31であれば、「1」に、Rnk11>Rnk31であれば、「0」に設定される。
対角成長フラグは「0」に設定される。
(Rnk23が最小値である場合)
始点情報は、Rnk13とRnk33を比較して、Rnk13<Rnk33であれば、「1」に、Rnk13>Rnk33であれば、「3」に設定される。
成長方向情報は、Rnk13とRnk33を比較して、Rnk13<Rnk33であれば、「0」に、Rnk13>Rnk33であれば、「1」に設定される。
対角成長フラグは「0」に設定される。
(Rnk31が最小値である場合)
始点情報は「2」に設定される。
成長方向情報は、Rnk21とRnk32を比較して、Rnk21<Rnk32であれば、「0」に、Rnk21>Rnk32であれば、「1」に設定される。
対角成長フラグは、Rnk31に対し対角位置の関係にあるRnk13が2番目に小さいランク値であれば「1」、そうでなければ「0」に設定される。
(Rnk32が最小値である場合)
始点情報は、Rnk31とRnk33を比較して、Rnk31<Rnk33であれば、「2」に、Rnk31>Rnk33であれば、「3」に設定される。
成長方向情報は、Rnk31とRnk33を比較して、Rnk31<Rnk33であれば「1」に、Rnk31>Rnk33であれば「0」に設定される。
対角成長フラグは「0」に設定される。
(Rnk33が最小値である場合)
始点情報は「3」に設定される。
成長方向情報は、Rnk23とRnk32を比較して、Rnk23<Rnk32であれば、「1」に、Rnk23>Rnk32であれば、「0」に設定される。
対角成長フラグは、Rnk33に対し対角位置の関係にあるRnk11が2番目に小さいランク値であれば「1」に、それ以外の場合は「0」に設定される。
以上のように、(注目画素以外で、ランク値が最も小さい(ランクが最も高い)画素の位置が始点と判定され、始点情報は、該始点の位置を表すものとなる。
始点に隣接する2つの画素、即ち始点に対してその両隣に位置する2つの画素についてのランク値を比較し、より小さい方の画素の方向(始点から該より小さいランク値を有する画素(より高い画素)への方向)が成長方向と判定され、該成長方向を表す情報が成長方向情報として出力される。
さらに、始点が3×3範囲の隅に位置する場合、始点に対して、対角位置(注目画素を中心として、始点に対して点対称の位置)の画素が、2番目に小さいランク値(2番目に高いランク)を有する場合、対角成長の可能性あると判定され、対角成長フラグがオン(1)にセットされる一方、それ以外の場合には、対角成長フラグがオフ(0)にセットされる。
以上説明したように、注目画素についてのサブ画素位置情報311が作成され、出力される。出力されたサブ画素位置情報は画像バッファ120に一旦保持され、出力画素データ151とタイミングを合わせて出力サブ画素位置情報312として解像度変換部320へ入力される。
解像度変換部320は画像バッファ120より供給される画素データ151とサブ画素位置情報312をもとにLEDヘッド35を点滅させるためのビットパターンに変換し、さらにラインバッファを用いて横方向(主走査方向)に1ライン連続するビットパターンに変換し、LEDヘッド35へ送出する。
図25は解像度変換部320で行う変換の例を示す。図25の例においては、解像度が1200×1200DPIの5値の画像データ(N=5)を、解像度が2400×2400DPIのビットパターンに変換を行なっている。図のビットパターン欄の0または1が書かれた四角が、解像度が2400×2400DPIの1画素を表す。
図示のように、画素データが0の場合はビットパターン「0000」(図の左上、右上、左下、右下の画素値に対応)となる。即ち、画素データが「0」の場合には、ビットパターンのすべての画素が「0」となる。
画素データが「1」で、かつ始点情報が「0」の場合はビットパターン「1000」、
画素データが「1」で、かつ始点情報が「1」の場合はビットパターン「0100」、
画素データが「1」で、かつ始点情報が「2」の場合はビットパターン「0010」、
画素データが「1」で、かつ始点情報が「3」の場合はビットパターン「0001」となる。
即ち、ビットパターンにおいて、注目画素を中心とする始点の方向に対応する位置の画素のみが「1」となり、他の位置の画素は「0」となる。
このように、2×2のマトリックス状に配列された4つのビットのビットパターンの中心に対して、始点情報で示される方向に位置するビットのみが1とされる。
次に、画素データが「2」で、かつ始点情報が「0」で、かつ成長方向情報が「0」の場合はビットパターン「1100」、
画素データが「2」で、かつ始点情報が「0」で、かつ成長方向情報が「1」の場合はビットパターン「1010」、
画素データが「2」で、かつ始点情報が「1」で、かつ成長方向情報が「0」の場合はビットパターン「0101」、
画素データが「2」で、かつ始点情報が「1」で、かつ成長方向情報が「1」の場合はピットパターン「1100」、
画素データが「2」で、かつ始点情報が「2」で、かつ成長方向情報が「0」の場合はビットパターン「1010」、
画素データが「2」で、かつ始点情報が「2」で、かつ成長方向情報が「1」の場合はビットパターン「0011」、
画素データが「2」で、かつ始点情報が「3」で、かつ成長方向情報が「0」の場合はビットパターン「0011」、
画素データが「2」で、かつ始点情報が「3」で、かつ成長方向情報が「1」の場合はビットパターン「0101」に変換される。
即ち、ビットパターンにおいて、注目画素を中心とする始点の方向に対応する位置の画素、並びにその両隣の画素のうち、成長方向に位置する画素が「1」となり、他の位置の画素は「0」となる。
画素データが「3」で、かつ始点情報が「0」の場合はビットパターン「1110」、
画素データが「3」で、かつ始点情報が「1」の場合はビットパターン「1101」、
画素データが「3」で、かつ始点情報が「2」の場合はビットパターン「1011」、
画素データが「3」で、かつ始点情報が「3」の場合はビットパターン「0111」に変換される。
即ち、ビットパターンにおいて、注目画素を中心とする始点の方向に対応する位置の画素、及びその両隣の画素が「1」となり、他の位置の画素は「0」となる。
最後に、画素データが「4」の場合はビットパターン「1111」に変換される。即ち、画素データが4の場合はビットパターンのすべての画素が「1」となる。
横方向(主走査方向)に連続するビットパターンへの変換は、上記の図11(a)及び(b)に示すように行われる。
図に示すように2400×2400DPI解像度のビットパターンが「0000」、「1000」、「1100」、「1110」、「1111」、・・・と並んでいる場合には、
最初のラインの横方向に連続するビットパターンは「0010111111・・・」、
次のラインの横方向に連続するビットパターンは「0000001011・・・」
のように2400DPIのライン単位で横方向に連続するビットパターンに変換されてLEDヘッド35に送出される。
LEDヘッド35は前記横方向に連続するビットパターンの各ビットが「1」の場合に対応する位置の発光素子を点灯させ、感光体ドラムに潜像電位の形成を行い、前述した種々の画像形成プロセスが行われることで媒体上に前述のビットパターンに対応したトナー像(図11(c)が形成される。
なお、本実施の形態では解像度が1200×1200DPIの5値の画像データ(N=5)を解像度が2400×2400DPIのビットパターンに変換する例を説明したが、その他の解像度から他の解像度への変換も可能である。
また、対角成長フラグについては考慮しないビットパターンへの変換を例に挙げて説明を行なっているが、対角成長フラグを考慮した変換も可能である。
その他の構成については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。また、本実施の形態の構成を説明するにあたり、実施の形態1に追加、変更する構成を例に説明したが、実施の形態2においても同様の追加、変更を行うことで適用可能な構成である。
(動作の説明)
次に本実施の形態3においてN値化処理部110から図26(a)に示す画像データ(5値画像データ)が出力され、画像バッファ120に入力された場合の集中度演算部130、ランク付け部140、画素分配部150、サブ画素位置情報作成部310、及び解像度変換部320の具体的な動作を、図26(a)〜(d)、図27(a)及び(b)を参照しながら説明する。
なお、集中度演算部130のフィルタには図13(b)に示すフィルタ設定2が設定されているものとする。
最初に、集中度演算部130、ランク付け部140、画素分配部150、及びサブ画素位置情報作成部310の動作については、注目画素位置が図26(a)に示す画像データの画素位置(2,0)に設定された場合の動作を例に挙げて説明する。
(集中度演算部130の動作)
注目画素位置が図26(a)の(2,0)である場合に集中度演算部130が出力する各画素の集中度は、下記の値となる。
Cn11=8、 Cn12=28、 Cn13=32、
Cn21=52、 Cn22=124、Cn23=152、
Cn31=160、Cn32=172、Cn33=200
上記のうちのCn22についての計算例を示す。
Cn22については、(2,0)を中心とする3×3範囲の画素即ち、
− − −
0 2 3
2 2 3
と、図13(b)に示すフィルタ設定2のフィルタ係数、即ち、
4 8 4
8 32 8
4 8 4
との積和であり、
0 0 0
0 64 24
8 16 12
=124となる。
(ランク付け部140の動作)
注目画素位置が図26(a)の(2,0)である場合には、前述した集中度演算部130で計算された各画素についての集中度が入力される。この時、ランク付け部140が出力する各画素のランク値は下記の通りとなる。
Rnk11=8、Rnk12=7、Rnk13=6、
Rnk21=5、Rnk22=4、Rnk23=3、
Rnk31=2、Rnk32=1、Rnk33=0
(画素分配部150の動作)
注目画素位置が図26(a)の(2,0)である場合には、前述したランク付け部140で求められた各画素のランク値が入力される。この時、画素分配部150で行う分配により更新された注目画素Dtb22を中心とする3×3範囲の画素の画素値Dtb11〜Dtb33は下記の値となる。
Dtb11=0、Dtb12=0、Dtb13=0、
Dtb21=0、Dtb22=0、Dtb23=3、
Dtb31=2、Dtb32=3、Dtb33=4
前記で算出された画素データのうち、Dtb11、Dtb12、Dtb13は、対応する画素位置(1,−1)、(2,−1)(3,−1)が画像データの領域外なので無視され、残りのデータは、位置
(1,0)、(2,0)、(3,0)、
(1,1)、(2,1)、(3,1)
の画素値の更新に用いられる。更新の結果を図26(b)に示す。
一つの注目画素位置について上記の処理を終えた後、画像バッファ120は、注目画素位置を、次の位置、例えば、1画素右、又は次のラインの左端の画素に移動し(上記の例では、(3,0)が次の位置になる)、次の注目画素を中心とする5×5範囲の画素の画素値122を集中度演算部130に供給し、3×3範囲の画素の画素値123を画素分配部150へ送出し、以下、次の注目画素を中心とする3×3範囲の画素について、上記と同様に、集中度の演算、ランク値の演算、及び画素分配の処理が行われる。
(サブ画素位置情報作成部310の動作)
注目画素位置が図26(a)の(2,0)である場合には、前述したランク付け部140で求められた各画素のランク値が入力される。この時、サブ画素位置情報作成部310で作成された注目画素のサブ画素位置情報311は、始点情報が「3」、成長方向情報が「0」、対角成長フラグが「0」となる。前記のサブ画素位置情報311は、画像バッファ120に送出され一旦保持される。
以上の処理を、注目画素位置を画像データ終端位置(図26(a)に示す例では、画素位置(7,4))とした処理が終わるまで処理を行う。
図26(c)は画像データ終端位置まで処理が終了したときの画像データを示す。図26(d)は画像データに対応して作成されるサブ画素位置情報を示す。図の各画素位置に記載の3要素の内の最初の数値(フラグ)が対角成長フラグ、2番目の数値(フラグ)が成長方向情報、最後の数値(フラグ)が始点情報に対応する。
次に、解像度変換部320の動作について、上記のようにして作成された画像データが図26(c)に示す如くであり、サブ画素位置情報が図26(d)に示す如くである場合に、画素位置が(5,0)の場合に行われる変換を例に挙げて説明する。
(解像度変換部320の動作)
画素位置が(5,0)の場合に解像度変換部320へ入力される画素データは「1」、サブ画素位置情報は始点情報が「2」である。したがって、図25に示すように、解像度が1200×1200DPIの5値の画素データ「1」は、解像度が2400×2400DPIのビットパターン「0010」に変換される。なお、成長方向情報が「1」、対角成長フラグが「0」であるが、画素情報が1であるので、これらは考慮されない。
上記で説明した解像度変換部320の処理を画像データ終端位置(図26(a)〜(d)の例では、画素位置(7,4))まで行なう。図27(a)は形成される、解像度が2400×2400DPIのビットパターンを示す。
図27(b)は、サブ画素位置情報作成部310、及び解像度変換部320による上記の処理を行わない場合(実施の形態1による処理を行なう場合)に形成される、解像度が2400×2400DPIのビットパターンを示す。
実施の形態1の構成時に形成されるビットパターンは1画素の孤立画素が発生しているのに対し、実施の形態3の構成時に形成されるビットパターンは1画素の孤立画素が発生していないことが分かる。これは、本実施の形態では、2値画素に変換する際に始点位置、成長方向などを考慮に入れ2値画素のビットパターンを決定するためである。
(効果の説明)
以上説明したように、サブ画素位置情報作成部310、解像度変換部320の動作により、階調をもった画素を高解像度の2値画素に変換する際に生じていた孤立画素の発生をなくすことができる。したがって、画像形成装置の特性により、1画素程度の塊の濃度が忠実に再現されない場合でも、1画素の孤立画素の発生をなくすことで本来の濃度に近い濃度が再現可能となる。
なお、実施の形態3でも、実施の形態1で説明した集中度決定部135の代わりに、実施の形態2で説明したのと同様の集中度決定部135を用いることとしても良い。
実施の形態4.
(構成の説明)
図28は、実施の形態4の画像処理部400を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示す。実施の形態4の画像処理部400は、図23に示される実施の形態3の画像処理部300の構成に対し、集中度修正部410が追加されている。本実施の形態では、集中度演算部130と、集中度修正部410とにより、集中度決定部135が構成されている。
集中度修正部410は、集中度演算部130で求められた集中度131(Cn)を修正して、修正された集中411(Cnb)を出力する。各画素についての集中度の修正は、画像内における各画素の位置に応じて行われる。例えば、画素の位置に応じて切り替えられるオフセットを集中度に加算することで、各画素についての集中度の修正が行われる。
集中度演算部130の出力131(Cn)は、集中度修正部410に入力される。集中度修正部410の出力411(Cnb)は、ランク付け部140に入力される。
図29は、実施の形態4における集中度修正部410の構成例を示す。図示の集中度修正部410は、X方向カウンタ412と、Y方向カウンタ413と、スクリーンオフセット格納部416と、加算部418とを有する。
図30は画像データとX方向カウンタ412とY方向カウンタ413が出力するカウント値で表されるX方向画素位置414とY方向画素位置415の関係を示す図である。図示のようにX方向カウンタ412とY方向カウンタ413はそれぞれ入力される画素のX方向とY方向の数をカウントし、X方向画素位置414とY方向画素位置415を出力する。X方向のカウント及びY方向のカウントは、5に達すると次は0に戻るものであり、各々0〜5までを循環的に繰り返すものであり、X方向画素位置414及びY方向画素位置415は、0から5までの値を取る。X方向画素位置414とY方向画素位置415は、スクリーンオフセット格納部416に入力される。
スクリーンオフセット格納部416は、複数のスクリーンオフセットから成るスクリーンオフセット群を格納しており、格納されているスクリーンオフセット群の中から入力されるX方向画素位置414とY方向画素位置415に対応するスクリーンオフセットOfsetを1つ選択し出力する。出力されたスクリーンオフセット417(Ofset)は加算部418に入力される。
図31はスクリーンオフセット格納部414に格納されているスクリーンオフセット群を示す図である。図で示すようにY方向画素位置0〜5とX方向画素位置0〜5の36通りの組み合わせに対応したスクリーンオフセットが格納されており、前述したように入力されるX方向画素位置414とY方向画素位置415の組合せに応じて1つのスクリーンオフセットが選択され出力される。
前記のスクリーンオフセット群は図32(a)に示すように、位置(3,0)、位置(0,3)ならびに(0+6n、3+6n)、(3+6n、0+6n)(但しnは正の整数)に交点をもつ斜め格子状のスクリーン構造を持つ画像を生じさせることを意図したものであり、各位置のオフセットは、図32(b)に示すように、交点において最も大きく(図示の例では、60)、交点と交点を結ぶ斜めの線に沿う位置が次に大きな値(図示の例では、45)を有し、交点及び上記の斜めの線から離れるに従い次第に小さな値(図示の例では40、20)を有し、最も遠く離れた位置では、最小値0となる。
図32(a)のスクリーン構造は、6×6画素の領域を1単位として繰り返すものであり、従って、スクリーンオフセット格納部416には、X方向位置0〜5、Y方向位置0〜5の範囲のオフセットが格納されていれば足りる。
本実施の形態は、X方向画素位置0〜5、Y方向画素位置0〜5の範囲内の各位置を中心とする3×3のウインドウWnd内の各位置のオフセット値を読み出すようにしたものであり、図31は、X方向位置、Y方向位置を入力(アドレス)として、対応する9つの位置(3×3のウインドウ内のそれぞれの位置)のオフセットを出力する(読み出す)構成であることを示す。例えば、X方向画素位置が1、Y方向画素位置が1の場合に(注目する画素位置が(1,1)の場合に)、スクリーンオフセットOfsetは、図31のY=1、X=1の行より、
Ofset11= 0、Ofset12=20、Ofset13=40、
Ofset21=20、Ofset22=28、Ofset23=45、
Ofset31=40、Ofset32=45、Ofset33=28
となる。
加算部418に入力されたスクリーンオフセットOfsetは、集中度演算部130で求められた注目画素と周辺8画素についての集中度131(Cn)に各々加算され、修正された集中度411(Cnb)が出力される。前記の修正された集中度411(Cnb)はランク付け部140に入力される。
その他の構成については、実施の形態3と同様であるので説明を省略する。
(動作の説明)
次に本実施の形態4において、N値化処理部110から図33に示す画像データ(5値画像データ)が出力され、画像バッファ120に入力された場合の、集中度演算部130、ランク付け部140、画素分配部150、サブ画素位置情報作成部310、解像度変換部320、及び集中度修正部410の具体的な動作を、図32(a)及び(b)、図33、図34を参照しながら説明する。
なお、図33において、1頁の画像の、左上隅の画素の座標が(0,0)で表される位置にあり、右下隅の画素の座標が(17,17)で表される位置にあるものとしている。また、図33の例では、N値化処理部110からの5値画像データが0又は1の値を有する場合を想定している。さらにまた、集中度演算部130のフィルタには図13(b)に示すフィルタ設定2が設定されているものとする。また以下では、注目画素位置が図33に示す画像データの画素位置(1,0)に設定された場合の動作について説明する。
(集中度演算部130の動作)
注目画素位置が図33の(1,0)である場合に集中度演算部130が出力する各画素についての集中度は、下記の値となる。
Cn11=4、 Cn12=8、 Cn13=8、
Cn21=16、Cn22=36、Cn23=16、
Cn31=36、Cn32=16、Cn33=8
以下に計算例を示す。
Cn22については、
(1,0)を中心とする3×3の画素
− − −
0 1 0
1 0 0

4 8 4
8 32 8
4 8 4
との積和=36
また、Cn11については、
(0,−1)を中心とする3×3の画素
− − −
− − −
− 0 1

4 8 4
8 32 8
4 8 4
との積和=4
(集中度修正部410の動作)
注目画素位置が図33の(1,0)である場合には、図31に示すスクリーンオフセット群よりX画素位置が1、Y画素位置が0に対応するスクリーンオフセット
Ofset11=20、Ofset12=28、Ofset13=45、
Ofset21=0、 Ofset22=20、Ofset23=40、
Ofset31=20、Ofset32=28、Ofset33=45
が選択され、前述した集中度演算部130で演算された各画素についての集中度に各々加算され、各画素についての集中度が修正される。即ち、上記の
Cn11=4、 Cn12=8、 Cn13=8、
Cn21=16、Cn22=36、Cn23=16、
Cn31=36、Cn32=16、Cn33=8
と、オフセットOfsetを加算することで、
修正された各画素についての集中度は、下記の値となる。
Cnb11=24、Cnb12=36、Cnb13=53、
Cnb21=16、Cnb22=56、Cnb23=56、
Cnb31=56、Cnb32=44、Cnb33=53
(ランク付け部140の動作)
注目画素位置が図33の(1,0)である場合には、前述した集中度修正部410の動作により修正された各画素についての集中度が入力される。この時、ランク付け部140が出力する各画素のランク値は下記の通りとなる。
Rnk11=7、Rnk12=6、Rnk13=4、
Rnk21=8、Rnk22=2、Rnk23=1、
Rnk31=0、Rnk32=5、Rnk33=3
(画素分配部150の動作)
注目画素位置が図33の(1,0)である場合には、前述したランク付け部140で求められた各画素のランク値が入力される。この時、画素分配部150で行なう分配により更新された注目画素Dtb22を中心とする3×3範囲の画素の画素値Dtb11〜Dtb33は下記の値となる。
Dtb11=0、Dtb12=0、Dtb13=0、
Dtb21=0、Dtb22=0、Dtb23=0、
Dtb31=2、Dtb32=0、Dtb33=0
上記のうち、画素値Dtb22が位置(1,0)の画素値であり、前記で算出された画素データのうち、Dtb11、Dtb12、Dtb13は、対応する画素位置(0,−1)、(1,−1)、(2,−1)が画像データの領域外なので無視され、残りのデータは、位置、
(0,0)、(1,0)、(2,0)、
(0,1)、(1,1)、(2,1)
の画素値の更新に用いられる。本例では、更新後のデータは、
Dtb21=0、Dtb22=0、Dtb23=0、
Dtb31=2、Dtb32=0、Dtb33=0
となる。
一つの注目画素位置について上記の処理を終えた後、画像バッファ120は、注目画素位置を、次の位置、例えば、1画素右、又は次のラインの左端の画素に移動し(上記の例では、(2,0)が次の位置になる)、次の注目画素を中心とする5×5範囲の画素の画素値122を集中度演算部130に供給し、3×3範囲の画素の画素値123を画素分配部150へ送出し、以下、次の注目画素を中心とする3×3範囲の画素について、上記と同様に、集中度の演算、集中度の修正、ランク値の演算、及び画素分配の処理が行われる。
(サブ画素位置情報作成部310の動作)
注目画素位置が図33の(1,0)である場合には、前述したランク付け部140で求められた各画素のランク値が入力される。この時、サブ画素位置情報作成部310で作成された注目画素のサブ画素位置情報は、始点情報が「2」、成長方向情報が「1」、対角成長フラグが「0」となる。前記のサブ画素位置情報は、画像バッファ120に送出され一旦保持される。
以上の処理を、注目画素位置を画像データ終端位置(図33の例では、画素位置(17,17))とした処理が終わるまで順次を行い、処理後の画像データとサブ画素位置情報から解像度変換部320の動作により図34に示すようなビットパターンが作成される。なお、図34でも解像度変換前の座標値を示している。図34で示すように出力されるビットパターンは、集中度修正部410で使用するオフセットを作成する際に意図していたスクリーン構造を持ったビットパターンとなる。
(効果の説明)
以上説明したように、集中度修正部410で画素位置毎にオフセットを切り替えながら集中度の修正を行うことで、任意の周期のスクリーン構造を持った(スクリーンオフセット作成の際に意図した)ビットパターンを発生させることが可能となる。
また、同時に実施の形態1〜3と同様、画像形成装置の特性に合わせて、画素の塊具合 (集約の度合い)を調整することが可能であり、本来の濃度に近い濃度を再現することが可能である。
実施の形態5.
(構成の説明)
図35は、実施の形態5の画像処理部500を、ネットワークIF50及びLEDヘッド35とともに示す。実施の形態5の画像処理部500は、図28に示される実施の形態4の画像処理部400の構成に対し、特徴情報作成部510が追加され、さらに実施の形態4における集中度修正部410が集中度修正部520に置き換えられている。本実施の形態では、集中度演算部130と、集中度修正部520とにより、集中度決定部135が構成されている。
特徴情報作成部510は、入力画像の特徴を示す特徴情報を画素毎に作成し、集中度修正部520は、集中度演算部130で求めた各画素についての集中度131(Cn)を、特徴情報作成部510で作成した、当該画素についての特徴情報に応じて修正し、修正された集中度521(Cnb)を出力する。特徴情報作成部510が作成する特徴情報は、例えば、当該画素が画像のエッジ部分か否かを示す情報である。集中度修正部520による集中度の修正は、例えば、オフセットの加算により行われ、特徴情報に応じてオフセットを切替えることで、特徴情報に応じた集中度の修正が行われる。
図36は特徴情報作成部510の構成例を示す。図示の特徴情報作成部510は、フィルタ演算部515と、減算器516と、比較器517とを備える。
フィルタ演算部515で注目画素を中心とする所定の範囲(例えば縦横それぞれ所定数の画素からなる矩形の範囲)の画素の画素値の平均値(平均画素値)を算出し、算出した平均画素値を、注目画素値から減算器516で減算して注目画素値と平均画素値の差分値を求め、この差分値を比較器517であらかじめ設定された閾値と比較することで、画像データ中の画素値変動の大きい部分(エッジ部分)かどうかを判定し、画像のエッジ部分については「1」をそれ以外の部分(否エッジ部分)については「0」とした特徴情報511(Ch)を出力する。
なお、本実施の形態では前記の構成を特徴情報作成部の構成としているが、エッジ以外の条件を含む(例えば、画素値について所定の判定を行い、判定結果の論理積を求めるなど)判定を行う構成等、他の構成でももちろん構成可能である。
例えば、上記した画素値についての所定の判定として、濃度が所定値以上かどうかの判定を行い、エッジであり、かつ濃度が所定値以上であるかの判断を行うことで、文字以外に該当するエッジ(画像中のエッジ)除外する率を高めることとする。
図35において、画像バッファ120への入力は実施の形態1〜4と同様のN値化後の画像データの他に、特徴情報作成部510の出力である特徴情報511(Ch)が追加されている。また、集中度修正部520への入力は集中度131(Cn)に加え、特徴情報512(Chb)が追加されている。画像バッファ120が出力する特徴情報512(Chb)は、特徴情報511(Ch)と同内容のものであるが、5×5範囲の画素値の注目画素とタイミングを合わせて出力される点で異なる。
図37は、実施の形態5における集中度修正部520の構成例を示す。図示の集中度修正部520は、実施の形態4で説明したX方向カウンタ412、Y方向カウンタ413、スクリーンオフセット格納部416、及び加算部418の構成に加え、通常オフセット格納部522、選択部524が追加されている。また、実施の形態4において加算部418へ入力されていたスクリーンオフセットOfsetは、選択部524へ入力され、加算部418には選択部524が出力するオフセット525が入力されるよう変更されている。
通常オフセット格納部522に格納され、出力される通常オフセット523は、例えば、図19(a)のオフセット0と同様であり、
Ofst11_0=0、Ofst12_0=0、Ofst13_0=0、
Ofst21_0=0、Ofst22_0=0、Ofst23_0=0、
Ofst31_0=0、Ofst32_0=0、Ofst33_0=0
である(即ち、オフセット値はすべて0である)。
前記の通常オフセット523は選択部524へ入力される。
スクリーンオフセット格納部416には、図31で示された実施の形態4と同様のスクリーンオフセット群が格納され、実施の形態4と同様、画素位置に対応したスクリーンオフセット417(Ofset)が選択され選択部524へ入力される。
選択部524は画像バッファ120より供給される特徴情報512(Chb)にしたがって、スクリーンオフセット417と通常オフセット523のいずれかを選択し、選択したオフセットを、オフセット525として出力する。本実施の形態では、図38に示すように、特徴情報512(Chb)が「0」の場合にスクリーンオフセット417をオフセット525として出力し、特徴情報512(Chb)が「1」の場合に通常オフセット523をオフセット525として出力する。出力されたオフセット525は加算部418に入力され、集中度演算部130で求められた注目画素と周辺8画素についての集中度131(Cn)に各々加算され、修正された集中度521(Cnb)が出力される。この修正された集中度521(Cnb)はランク付け部140に入力される。
その他の構成については、実施の形態4と同様であるので説明を省略する。
(動作の説明)
次に本実施の形態5において図39に示す画像データがN値化処理部110とエッジ判定部510に入力され、N値化処理部110で図40に示す5値の画像データに変換されて画像バッファ120に入力され、特徴情報作成部510で図41に示す特徴情報が作成されて画像バッファ120に入力された場合の集中度演算部130、ランク付け部140、画素分配部150、サブ画素位置情報作成部310、解像度変換部320、及び集中度修正部520の具体的な動作を、図39、図40、図41、図42を参照しながら説明する。
なお、図39、図40において、1頁の画像の、左上隅の画素の座標が(0,0)で表される位置にあり、右下隅の画素の座標が(27,15)で表される位置にあるものとしている。また、集中度演算部130のフィルタには図13(b)に示すフィルタ設定2が設定されているものとする。
また、以下では、注目画素位置が図40に示す画像データの画素位置(2,1)に設定された場合の動作について説明する。
(集中度演算部130の動作)
注目画素位置が図40の(2,1)である場合に集中度演算部130が出力する各画素についての集中度は、下記の値となる。
Cn11=8、 Cn12=20、 Cn13=24、
Cn21=24、Cn22=104、Cn23=120、
Cn31=36、Cn32=156、Cn33=256
(集中度修正部520の動作)
集中度修正部520に入力される特徴情報512(Chb)は注目画素の位置に該当する値が入力される。注目画素位置が図40の(2,1)である場合には、図41で示す特徴情報の位置(2,1)に該当する値が入力される。この場合、位置(2,1)では、特徴情報512(Chb)=1であるため、「1」が入力され、選択部524は通常オフセット523
Ofst11_0=0、Ofst12_0=0、Ofst13_0=0、
Ofst21_0=0、Ofst22_0=0、Ofst23_0=0、
Ofst31_0=0、Ofst32_0=0、Ofst33_0=0
をオフセット525として出力し、加算部418にて前述した集中度演算部130で演算された各画素についての集中度に各々加算され、各画素についての集中度が修正される。修正された各画素についての集中度は、下記の値となる。
Cnb11=8、 Cnb12=20、 Cnb13=24、
Cnb21=24、Cnb22=104、Cnb23=120、
Cnb31=36、Cnb32=156、Cnb33=256
(ランク付け部140の動作)
注目画素位置が図40の(2,1)である場合には、前述した集中度修正部520で修正された各画素についての集中度が入力される。この時、ランク付け部140が出力する各画素のランク値は下記の通りとなる。
Rnk11=8、Rnk12=7、Rnk13=6、
Rnk21=5、Rnk22=3、Rnk23=2、
Rnk31=4、Rnk32=1、Rnk33=0
(画素分配部150の動作)
注目画素位置が図40の(2,1)である場合には、前述したランク付け部140で求められた各画素のランク値が入力される。この時、画素分配部150で行なう分配により更新された注目画素Dtb22を中心とする3×3範囲の画素の画素値Dtb11〜Dtb33は下記の値となる。
Dtb11=0、Dtb12=0、Dtb13=0、
Dtb21=0、Dtb22=0、Dtb23=1、
Dtb31=0、Dtb32=4、Dtb33=4
前記で算出された注目画素を中心とする3×3範囲の画素の画素値で、画素バッファ120に保持されている画像データ中の対応する画素位置
(1,0)、(2,0)、(3,0)、
(1,1)、(2,1)、(3,1)、
(1,2)、(2,2)、(3,2)
の画素値を更新する。
画像バッファ120は、注目画素位置を、次の位置、例えば、1画素右、又は次のラインの左端の画素に移動し(上記の例では、(3,1)が次の位置となる)、次の注目画素を中心とする5×5範囲の画素の画素値122を集中度演算部130に供給し、3×3範囲の画素の画素値123を画素分配部150へ送出し、注目画素の特徴情報を集中度修正部520へ送出する。以下、次の注目画素を中心とする3×3範囲の画素について、上記と同様に、集中度の演算、集中度の修正、ランク値の演算、及び画素分配の処理が行われる。
(サブ画素位置情報作成部310の動作)
注目画素位置が図40の(2,1)である場合には、前述したランク付け部14で求められた各画素のランク値が入力される。この時、サブ画素位置情報作成部310で作成された注目画素のサブ画素位置情報は、始点情報が「3」、成長方向情報が「0」、対角成長フラグが「0」となる。前記のサブ画素位置情報は、画像バッファ120に送出され一旦保持される。
以上の処理を、注目画素位置を画像データ終端位置(図39、図40の例では、画素位置(27,15))とした処理が終わるまで順次を行い、処理後の画像データとサブ画素位置情報から解像度変換部320の動作により図42に示すようなビットパターンが作成される。なお、図42でも解像度変換前の座標値を示している。図42で示すように、出力されるビットパターンは、画像の否エッジ部分、特に(X≧17のベタ塗りの部分)については、実施の形態4と同様、集中度修正部520で使用するスクリーンオフセットを作成する際に意図していたスクリーン構造をもつ一方、画像の文字や細線部分(エッジ部分)については、スクリーン構造がなく、かつ孤立パターンが発生しない鮮明な再現性をもったビットパターンとなる。
(効果の説明)
以上説明したように、集中度修正部520で特徴情報によりオフセットを切り替えながら集中度の修正を行なうことで、文字や細線部分を鮮明に再現するともに、否エッジ部分(特に、ベタ塗りの部分に任意の周期のスクリーン構造を持った(スクリーンオフセット作成の際に意図した)をビットパターンを発生させることが可能となる。
また、本実施の形態では、スクリーンオフセットに周期性を持たせることで任意の周期のスクリーン構造を発生されているが、入力するN値化データにあらかじめスクリーン周期を持たせた場合でも、スクリーンオフセットと通常オフセットの選択的設定により、文字や細線部分のみ、集約化を抑制することで文字や細線等の再現性を高めることも可能である。
また、同時に実施の形態1〜4同様、画像形成装置の特性に合わせて、画素の塊具合(集約の度合い)を調整することが可能であり、本来の濃度に近い濃度を再現することが可能である。
(変形例)
上記した実施の形態1〜5の画像形成装置の画像処理部の一部、例えば集中度演算部140、ランク付け部140、画素分配部150、縦横変換部160、画素状態判定部210、集中度修正部220、サブ画素位置情報作成部310、解像度変換部320、集中度修正部410、集中度修正部520の処理は、ソフトウエアで、即ちプログラムされたコンピュータで実施することができる。また、実施の形態1〜5では、本発明を画像形成装置として説明したが、画像形成装置で実施される画像形成方法も、さらに該方法のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムも、さらに該プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体もまた本発明の一部を成す。
実施の形態1〜実施の形態5で、LEDプリンタに適用した例を説明したが、レーザープリンタやインクジェットプリンタにも適用可能である。また、コピー機や複合機に使用する印刷エンジンとして本実施の内容を適用することも可能である。また、ディスプレイ等の表示デバイスに本実施の内容を適用することも可能である。
35 LEDヘッド、 50 ネットワークIF、 110 N値化処理部、 120 画像バッファ、 130 集中度演算部、 135 集中度決定部、 140 ランク付け部、 150 画素分配部、 160 縦横変換部、 210 画素状態判定部、 220 集中度修正部、 310 サブ画素位置情報作成部、 320 解像度変換部、 410 集中度修正部、 510 特徴情報作成部、 520 集中度修正部。

Claims (18)

  1. 入力N値画像データ(N≧2)を出力画像データに変換する画像形成装置において、
    注目画素とその周辺画素の各々についての集中度を決定する集中度決定部と、
    前記集中度決定部で決定された集中度に応じて前記注目画素及びその周辺画素の各々のランクを決定するランク付け部と、
    前記ランク付け部で決定された各画素のランクをもとに各画素の画素値を分配する画素分配部とを備え
    前記集中度決定部は、各画素についての前記集中度を、当該画素とその周辺の画素が大きな値を持つほど、より大きな値となるように決定し、
    前記ランク付け部は、前記注目画素及びその周辺画素の各々について、当該画素の上方又は左方向に位置し、当該画素の集中度以上の集中度を有する画素と、当該画素の下方又は右方向に位置し、当該画素の集中度より大きい集中度を有する画素の数が多いほど当該画素の前記ランクを低くし、
    前記画素分配部は、前記ランクが低いほど、画素値の分配における優先度を低くす
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記集中度決定部は、前記注目画素とその周辺画素の各々についての前記集中度を演算する集中度演算部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記集中度決定部は、前記集中度演算部で演算された各画素についての集中度を修正する集中度修正部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記集中度決定部は、注目画素の状態を判定する画素状態判定部をさらに有し、
    前記集中度修正部は、前記集中度演算部で演算された各画素についての集中度を、前記画素状態判定部の判定結果に応じて修正する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記集中度修正部は、前記集中度演算部で演算された各画素についての集中度を前記注目画素に対応する入力画素の特徴情報に応じて修正する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記特徴情報が、画像のエッジ部分か否かを示す情報であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記集中度修正部は、前記集中度演算部で演算された各画素についての集中度に所定のオフセットを加算することで各画素についての集中度を修正することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  8. 前記画素分配部は、前記ランク付け部で決定されたランクが高い画素から順次飽和するように、又は飽和に近い状態になるように、注目画素の画素値を分配することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記画素分配部は、前記ランク付け部で決定されたランクが前記注目画素のランクより高いランクの画素にのみ、前記注画素の画素値を分配する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記ランク付け部で決定された各画素のランクをもとに注目画素のサブ画素位置情報を作成するサブ画素位置情報作成部と、
    前記サブ画素位置情報作成部で作成されたサブ画素位置情報をもとにN値画像データを高解像度の2値画像データに変換する解像度変換部と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 入力N値画像データ(N≧2)を出力画像データに変換する画像形成方法において、
    注目画素とその周辺画素の各々についての集中度を決定する集中度決定ステップと、
    前記集中度決定ステップで決定された集中度に応じて前記注目画素及びその周辺画素の各々のランクを決定するランク付けステップと、
    前記ランク付けステップで決定された各画素のランクをもとに各画素の画素値を分配する画素分配ステップとを備え
    前記集中度決定ステップは、各画素についての前記集中度を、当該画素とその周辺の画素が大きな値を持つほど、より大きな値となるように決定し、
    前記ランク付けステップは、前記注目画素及びその周辺画素の各々について、当該画素の上方又は左方向に位置し、当該画素の集中度以上の集中度を有する画素と、当該画素の下方又は右方向に位置し、当該画素の集中度より大きい集中度を有する画素の数が多いほど当該画素の前記ランクを低くし、
    前記画素分配ステップは、前記ランクが低いほど、画素値の分配における優先度を低くす
    ことを特徴とする画像形成方法。
  12. 前記集中度決定ステップは、前記注目画素とその周辺画素の各々についての前記集中度を演算する集中度演算ステップを有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
  13. 前記集中度決定ステップは、前記集中度演算ステップで演算された各画素についての集中度を修正する集中度修正ステップをさらに備える
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
  14. 前記画素分配ステップは、前記ランク付けステップで決定されたランクが高い画素から順次飽和するように、又は飽和に近い状態になるように、注目画素の画素値を分配することを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の画像形成方法。
  15. 前記画素分配ステップは、前記ランク付けステップで決定されたランクが前記注目画素のランクより高いランクの画素にのみ、前記注画素の画素値を分配する
    ことを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の画像形成方法。
  16. 前記ランク付けステップで決定された各画素のランクをもとに注目画素のサブ画素位置情報を作成するサブ画素位置情報作成ステップと、
    前記サブ画素位置情報作成ステップで作成されたサブ画素位置情報をもとにN値画像データを高解像度の2値画像データに変換する解像度変換ステップと
    をさらに備えることを特徴とする請求項11から15のいずれかに記載の画像形成方法。
  17. コンピュータに請求項11から16のいずれかに記載の画像形成方法におけるそれぞれのステップを実行させるためのプログラム。
  18. 請求項17に記載のプログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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