JP5623707B2 - ドリルボディ - Google Patents

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Description

本発明は、チップ除去機械加工用ドリルボディ(切削工具本体)に係り、該ドリルボディは、回転対称な外面(外皮表面)と、前及び後端部とを具備するタイプのものであり、前及び後端部間には、中央軸線が伸張しており、その中心軸線の周りで、ドリルボディは、所定の回転方向において回転可能であり、更に、ドリルボディは、前端部に形成されていて且つ2つの切削エッジ(刃先)を具備する、ヘッド(頭部)を同様に具備し、2つの切削エッジの各々は、2つの部分エッジを具備しており、2つの部分エッジの内の第1のエッジは、中心軸線に沿って設けられた前端部を有する、中央先端部に備えられ、2つの部分エッジの内の第2のエッジは、外面に沿って配置された周囲端部地点と、半径方向の内側端部地点との間で伸張しており、第2のエッジは、第1の部分エッジに移行(又は、変換)し、2つの第1の部分エッジは、軸方向の前方の方向において、正のノーズ角度で合流している。それに対して、2つの別の部分エッジは、同じ方向において、負の角度で分岐し、個別の切削エッジは、一方で外面において凹状に形成されたチップフルートに隣接するチップ表面と、他方で第1の隙間表面との間において境界を区切られており、第1の隙間(クリアランス)表面は、回転方向において後方に位置する第2の隙間表面に移行しており、更に、個別の第1の隙間表面は、2つの部分表面に分割されており、2つの部分表面は、お互いに鈍角を形成し、シュート(滑降斜面路)底部でお互いに合流し、シュート底部は、回転方向から見ると、周囲部分エッジの内側端部地点から、回転方向において後方に伸びる。
本発明が、より詳細に説明される前に、「ドリルボディ」の概念は、広い意味で解釈されるべきであることが指摘される必要がある。従って、本発明によるドリルボディは、超硬合金、高速度鋼等の異なる材料の固体ドリルの形だけではなく、所謂、ルーズトップ(loose tops)の形、即ち、例えば、より長い柄部の前端に取り外し可能に搭載された、超硬合金の比較的短い本体部の形で実現されても良い。更に、ドリルボディは、例えば、半田付けにより別の本体部に半永久的に接合させられても良い。問題のドリルボディのタイプは、鋼、鋳鉄、アルミニウム、チタン等の金属における短い穴の穴開け等の穴開けに先ず使用されることに言及するべきである。その様な材料は、冶金学的特性、化学的特性、機械的特性、熱処理、添加物、含有物、表面殻等の多数の異なる要素に依存する、異なる機械加工性を有する。穴開け加工を含む切削機械加工又はチップ除去の全ての形に関係する、最も変化する問題及び困難性を通常引き起こす問題が存在する。例えば、低含有率(11%≧)のシリコンを含むアルミニウムは、切削エッジ上及び周囲に接着する傾向があり、切削エッジ上に不利なルーズ(不良な)エッジ形成を生じる。
特にアルミニウムの機械加工用である、より旧式のドリルボディは、WO01/91960A1に開示される。しかし、この場合、ドリルヘッドの先端部は、非常に鋭く、一方で、その正のノーズ角度は、約90°に制限されており、他方で、それのベース(基礎部)の幅は、ドリルボディの直径の約1/3しかない。また、先端部は、2つの前面研磨表面間で境界を区切られることにより、適正に薄く、2つの前面研磨表面は、お互いに比較的近くに位置する。この結果、先端部の側部に設置されなければならない、可能な冷却液ダクトの口部を形成するので、従って冷却液は、先端部の少なくとも前部を冷却し且つ潤滑するのは困難である。言い換えれば、ドリルボディにおけるルーズエッジの形成は、面倒なものになる場合がある。
最初に述べられたタイプの別の開発されたドリルボディは、WO 2007/015095A1により更に既知である。この場合において、先端部は、かなりより幅広いベース(直径の50−90%)を有しており、WO 01/91960A1によるドリルボディの先端部に比べてより大きなノーズ角度(好適には130°)を同時に有する。その様にして、可能な冷却液管路の口部は、中心軸線の比較的近くに、即ち、周囲に比べて、中心軸線により近くに設置可能である。この理由のために、潤滑及び冷却液は、ルーズエッジの形成に反対に作用しながら、より効率的な方法で、先端部の2つの部分エッジを洗い流すことが出来る。しかし、この別の開発されたドリルボディの欠点は、負の角度をなす個別の周囲部分エッジが、非常に小さな半径方向の伸張部を有すると共に、材料部の上に形成されており、それの接線方向の伸張部は、それが第2の隙間表面に対して第1の隙間表面の境界線までしか伸張しないが、最後に述べたもの(第2の隙間表面)に沿って伸張しないので、第1の隙間表面の幅により制限されることである。これは、周囲部分エッジが含まれる材料部は、小さく、弱いことを意味する。ドリルボディの直径は小さく(例えば、5−10mmの範囲内)、第1の隙間表面は数十mmの幅を有するので、問題の材料部は、穴の形成との関連だけではなく、異なる状態でのドリルボディの取り扱いに関連して、容易に損傷を受け、完全に破壊される可能性がある。
本発明は、WO 2007/015095A1により知られるドリルボディの欠点を除去して、改善されたドリルボディを提供することを目的とする。従って、本発明の第1の目的は、ドリルボディの周囲の負の角度をなす部分エッジが、ドリルボディの最善の稼動寿命を可能にするように強い、ドリルボディを提供することであり、更に、特には、厄介なルーズエッジの形成を生じることなく、低含有率のシリコンを含む軟質アルミニウム等のアルミニウムの機械加工に特に適したドリルボディを提供することである。別の目的は、中程度の切削力で作動可能であって且つ機械加工されるべき工作物における導入に関連して信頼可能な方法で中心を出す、ドリルボディを提供することである。本発明の更に別の目的は、チップの故障とバリの形成のリスクを最少にすると共に、軸方向の切断力を減少させるだけではなく、半径方向の切断力もまた減少させる、ドリルボディを提供することである。言い換えれば、工具が大幅に半径方向に押し出されることなく、ドリルボディを機械加工される工作物に供給することが可能であるはずである。
本発明によれば、少なくとも第1の目的は、請求項1の特徴部分に規定される形態により実現される。本発明によるドリルボディの好適な実施の形態は、従属請求項に更に規定される。
図1は、本発明によるドリルボディの部分断面立体図である。 図2は、ドリルボディに含まれるヘッドの幾何学形状を示す拡大部分立体図である。 図3は、図2のヘッドの端部図である。 図4は、図3の部分側面図である。 図5は、ドリルヘッドの特定の幾何学的データを示す単純化された輪郭図である。 図6は、図3の部分側面図VI−VIである。 図7は、図3の部分断面図VII−VIIである。 図8は、ドリルヘッドの中央部分の構成を示す、大拡大詳細端部図である。
図面に示される実施の形態において、本発明によるドリルボディは、ツイスト(捩れ)ドリルの形で実現されており、そのツイストドリルは、これ以降、簡単に唯「ドリル」と命名されており、前端部1及び後端部2を具備しており、前・後端部間には、中心軸線Cが伸張しており、中心軸線Cの周りでドリルは、所定の回転方向Rで回転可能である。回転対称な外面(外皮表面)3は、中心軸線Cと同心である。ドリルの長さのより大きな部分に沿って、外面3は、円筒状であるが、しかし前部で若干円錐状の前方に分岐する部分へと移行し、円錐状の前方に分岐する部分は、裸眼では感知可能ではない。前部の直径における円錐性は、0.06/100の小さなものであり得る。前端部1において、ドリル(切削工具)は、全体が4で指定されるヘッド(頭部)により形成されており、ヘッド4は、2つの同一な切削エッジ(刃先)5を具備する。各切削エッジの前において、回転方向から見ると、チップフルート6が形成されており、チップフルート6はこの場合、目的に適正で且つ所定のピッチを有する、螺旋物又は螺旋体である。図示される好適な実施の形態において、各切削エッジは、前部ドリルヘッド4に、特には液体である流体を供給するための内部管路7と協働しており、より詳しくは、その目的は、チップ(切り屑)が除去される材料と同様に切削エッジを潤滑し且つ冷却すると共に、チップの排出に寄与することである。図1に明確に示されるように、管路7は、回転方向Rから見ると、個々の切削エッジの後の区画に開口する。チップフルートが欠如するドリルの後部は、機械における固定のための固定部を形成しており、その固定部により、ドリルは、回転を開始できる。
図4と5において、NPは、幾何学的な垂直平面を指示しており、その垂直平面は、中心軸線Cに垂直に伸張し、垂直軸線Cに沿った任意の地点に設置されても良い。また、SP1とSP2(図3と8を参照)は、2つの対称な平面を指定しており、それらの平面は、お互いに直角で、より詳しくは、中心軸線Cに沿って交差している。従って、垂直平面NPは、対称な平面の各々に対して90度の角度を形成することになる。個別の対称な平面は、ドリルヘッド4を2つの鏡像対称半分体に分割する、即ち、お互いに対して鏡像的に反転するが同一である、2つの半分体に分割する。
ヘッド4において、中央に設けられた先端部8が具備されており、そのノーズ角(図5参照)は、鈍角であり、αで指定される。各個別の切削エッジ5は、2つの部分エッジを具備しており、その第1のもの(エッジ)9は、中央先端部8に含まれ、その第2のもの(エッジ)10は、外面3に沿って配置された周囲端部地点11と半径方向の内側端部地点12との間で伸張しており、半径方向の内側端部地点12では第2の部分エッジ10は、第1の部分エッジ9に移行(変換)する。2つの第1の部分エッジ9は、軸方向に前方方向において、収束して、正として説明できるノーズ角αを形成する。しかし、2つの周囲の第2の部分エッジ10は、負の分岐角度β(図5参照)を形成しながら、分岐する。個別の切削エッジ5は、一般的に13で指定される第1の隙間(クリアランス)表面と、少なくとも1つのチップ表面との間で境界を区切っており、前記チップ表面はこの場合において、切削エッジに接続するチップフルート6の境界を区切る、表面14の一部である。図3において、第1の隙間表面13は、15で全体的に指定される第2の隙間表面に、即ち、境界線16を介して移行することが分かる。2つの周囲部分エッジ10間の負の分岐角度βを形成するために、各第1の隙間表面13は、2つの部分表面13a,13bに分離し、2つの部分表面13a,13bは、鈍角をお互いに形成し、シュート底部17でお互いに合流し、シュート底部17は、回転方向で見ると、端部地点12から後方に伸張する。図示される例において、シュート底部17は、直線の境界線の形であり、境界線は、部分表面13a,13bの面を研磨することにより形成される。個別の流体管路7は、第1の隙間表面13の後の区画で開口することが認識されるべきである。
ドリルボディの長手伸張部においてらせん状に伸びる、各チップフルート6は、断面的に凹状の弓形表面14により境界を区切られる(前記弓形表面14に、この場合の切削エッジのチップ表面は含まれる)。図2と3に示すように、境界を区切る表面14は、周囲エッジ線19,20間で楕円状曲線に沿って伸張しており、周囲エッジ線19,20の第1に述べたもの19は、ドリルの回転中に、後で述べたものの前で移動する。エッジ線又は境界線20(図2を参照)は、切削エッジ5に接続しており、ドリルを凹状開口に案内する目的だけではなく、生成された開口壁を平らにする目的を有する、余裕部又は案内ランド21に含まれる。各余裕部21の後に、外面3は、所謂、隙間表面を形成し、その隙間表面の直径は、余裕部の直径より小さい。
前に指摘したように、既知のドリルは、周囲の負の角度の部分エッジが、損傷を受け易い、小さい材料部に含まれるという更なる欠点により十分に機能を果たさない。
既知のドリルとは対照的に、本発明によるドリルは、第1の隙間表面13の2つの部分表面13a,13bの間に第1のシュート底部17を具備するだけでなく、第2のシュート底部30(図2と3を参照)も具備しており、第2のシュート底部30は、第1のものの伸張部において伸張しており、第2の隙間表面に含まれる2つの第2の部分表面15a,15bを分離する。更に、2つの部分表面15a,15bは、平面の研磨された表面の形であることが好ましく、その研磨された表面は、シュート底部30を形成する、直線的曲がり線に沿ってお互いに合流する。
各チップフルート6の軸方向前端部に隣接して、所謂、ウェッブ薄部22が円形の研磨された凹状の弓表面の形で形成されており、その弓形表面は、図8に示されるように、4つの境界線23,24,25及び26により囲まれており、境界線の最後に述べられたものは、表面14と22との間の境界を形成する。更に線25は、表面22と適切に平らな表面27との間の境界を形成しており、それは、ドリルヘッドの第2の隙間表面15と、チップフルート6の境界を区切る表面14との間の移行表面として作用する。この場合において、表面15と27との間の境界線は、表面27が研磨された面であるので、直線であり、28で指定される。少し曲った線23は、順に、表面22と、2つの切削エッジの内の1つの第1の隙間表面13との間の境界を形成する。最後に、より狭い曲線24は、表面22と、第2の切削エッジの後の第2の隙間表面との間の境界を形成する。境界線25と26は、点Pで収束する。
図示された好適な実施の形態において、第2のシュート底部30は、第1のシュート底部17と、境界線28が周囲で終了する地点31との間で伸張する。部分表面15bは移行表面27と共に、この場合において、平面であるので、境界線28は直線になる。この様にして、部分表面15bは一般的に、三角形の形を有しており、その形状において、境界線28は、斜辺を形成し、境界線16,30は、残りの2辺(カテーテル)である。部分表面15aは順に、2本の直線の境界線16,30と、外面3に沿う円形の弧状の境界線32とにより境界を区切られる。従って、部分表面15aは、切頭状の三日月形状となる。
更に図8を参照すると、2つの第2の隙間表面15は、回転線29に沿って、お互いに合流しており、回転線29は、対称平面SP1に対して角度γで伸張する。それの2つの対向する端部点において、線29は、これらの境界線23に変換(移行)しており、境界線23は、2つの第1の隙間表面13に対して境界を形成する。実際には、線29は、所謂、チゼルエッジを形成し、チゼルエッジは、ドリルヘッドの軸方向に最先端の要素を形成しており、チゼルエッジは、これが機械加工される部分に入る場合に、ドリルを中心にするだけではなく、それが小さいことにより、軸方向及び半径方向の切削力を減少させるのに寄与する。
図5において、Dは、ドリルの直径を表すが、一方Eは、先端部8の幅又は直径を表す。図示された好適な実施の形態において、Eは、Dの56%である。これは、個別の周囲部分エッジ10の長さFは、垂直投影で見た場合に、Dの22%であることを意味する。しかし、実際の長さは、部分エッジが垂直平面NPに対して幾分傾いているので、幾分より大きい。本発明の範囲内で、ベース幅Eは、上記の値から上下に変化する。しかしEは、実際には、70%以下で、50%以上であることが必要である。一方で、Eは、実際には、Dの67.5%未満で、適切にはDの65%であることが必要であるが、他方で、52.5%より大きく、適切には55%であることが必要である。Fは、少なくともDの15%であることが必要であるが、最大でDの25%であることが必要である。
更に例において、正のノーズ角度αは、140度であり、140度は、個別の部分エッジ9が中立平面NPと20度をなす角度εを形成することを含む。またこれらの角度は、本発明の範囲内において変化可能である。しかしαは、少なくとも120度で最大で160度である必要がある。角度αは、125から150度の範囲内にあることが好ましく、適切には、130から145度の範囲内である。
実施の形態において、分岐の負の角度βは、200度であり、そこから、各周囲部分エッジ10が、中立平面NPに対して10度である、角度δで傾斜することが分かる。またβは、200度から外れても良いが、しかし少なくとも190度で最大で210度である必要がある。実際には、βは、少なくとも192.5度であることが必要であり、好適には、207.5度より小さく、少なくとも195度であり、適切には、205度である。
αが140度で、βが200度である場合に、対の部分エッジ9,10は、150度である鈍角χをお互いに形成する。またχは、例えば、140度から160度、適切には145度から155度の範囲内で変化しても良い。
角度δを5度から15度の範囲内に制限し同時に先端部8のベース幅Eを最大でDの70%に制限することにより、それによりFは少なくともDの15%になり、同時に、第1の隙間表面の周囲部分表面13aの伸張部に周囲部分表面15aが存在することにより、隙間側にある個別の周囲部分エッジ10は、十分な量の材料(例えば、超硬合金)により支援されるので、幅広く強い負の切削周囲部分エッジが得られる。この周囲部分エッジ10の強度は、WO 2007/015095A1によるドリルの対応する部分エッジと比較すると、ドリルの作業内容と関係して稼動寿命が増大するだけでなく、例えば、工具の交換、再研磨、貯蔵等の取り扱いに関連する損傷のリスクを減少することを明確にする。
図7(図3の断面VII−VIIを更に参照)において、第2の隙間表面15の隙間角度ηは、第1の隙間表面13の隙間角度ζより大きいことが分かる。従って、例において、ηは約17度であり、ζは約6度である。またこれらの角度は、限られた間隔の範囲内で個別に変化しても良い。更に例において、すくい角度σは約23度であり、それにより切削エッジ角度τは、約61度になる。この切削エッジ角度τは、角度δ及びζをそれぞれ減少させると増大し、更に角度δ及びζをそれぞれ増大させると減少する。実際には、τは55度から65度の間隔の範囲内に、適切には58度から63度の範囲内にあることが必要である。
本発明によるドリルにおいて、第2の隙間表面15(図3参照)は、第1の隙間表面13の面積に比べてかなりより大きい面積を有する。従って、表面15の面積は、表面13の面積に比べて少なくともその3倍大きくても良く、その場合、第2の隙間表面15のシュート底部30は、第1の隙間表面13のシュート底部17に比べて少なくともその4倍長いはずである。例において、シュート底部30は、シュート底部17に比べて約6倍長い。
更には、個別の流体管路7は、第2の隙間表面15のシュート底部30に沿って設けられた地点において開口することが認識されるべきである。図示される好適な実施の形態において、管路開口は、シュート底部30の2つの対向する端部間において概略中間に設けられる。更に、管路7の断面のより大きな部分は、ドリルの中心の最も近くに設けられる部分表面15bと交差することが認識されるべきである。従って、冷却液は、部分表面15bに沿って内側方向で効果的に勢いよく流されることができ、更に、例えば、開口の機械加工される底部により妨害されないで、先端部の中央部に到達可能である。
図8を再度参照すると、先端部8の最も前の部分を形成する、チゼルエッジ29は、この場合約45度である、角度γで傾斜することが図示される。チゼルエッジの幅Wは、この場合、対称平面SP1の直ぐ隣において、研磨されたウェッブ薄部22の結果として、極小である。実際には、チゼルエッジ29は好適には、ドリルの直径Dの1%より小さい長さを有しても良い。絶対的な計測において、Wは、ドリルの直径に依存して、0.05から0.3mmの範囲内にあっても良い。この構造において隙間表面13,15間の境界線16は、回転方向から見た場合に、対称平面SP1の前に設けられることが認識されるべきである。
ウェッブ薄部22における研磨により、先端部8に含まれる部分エッジ9は、順に、2つの下位の弓形切削エッジ部分に分割され、その弓形切削エッジ部分は、地点33でお互いに合流し(図3と8を参照)、一方で、地点12と33の間で伸張する、弓形部分エッジ9の切削エッジ線の一部であるとともに、他方で、同様な弓形境界線23であり、弓形境界線23は、チップ除去がそれに沿って行われる、切削エッジ線を形成する。従って、切削エッジ線23の前にある、ウェッブ薄部表面22の部分は、回転方向から見ると、凹状チップ表面を形成しており、凹状チップ表面は、第1の隙間表面の部分表面13bの接続部分と共に、切削エッジを形成する。先端部8の部分エッジ9は、地点33においてこの様にして分離されて、曲線の切削エッジ部23に変換することにより、機械加工されるべき工作物片内に先端部を入れる際に発生する、開始時チップ(切り屑)は、ウェッブ薄部22の方向に向けられ、半径方向よりむしろ軸方向に移動させられる。言い換えれば、既に開始時チップは、ドリルヘッドの軸方向後方に配置される、チップフルート6に滑らかな状態で案内される。更に完全なチップは、分離地点33において弱められるか又は壊されても良く、チップ寸法を小さくする結果として、チップの排出を更に改善するようなものである。また、チゼルエッジが小さいことは、ルーズエッジの形成だけではなく、軸方向の切削力とそれの結果の半径方向の力を制限することを保障する。
本発明の利点
負の切削周囲部分エッジの存在により、既知のドリルの有利な機能は、維持されて、チップの周囲部分を、開口壁に対して外側方向の代わりに、内側に押し、同時に、周囲部分エッジが、強く、ドリルに長い稼動寿命を与え、その上更に、ドリルの取り扱い上の損傷のリスクは、最少になる。これに加えて、厄介なルーズエッジ形成は、特には軟質アルミニウムの機械加工において、中でも、前部チゼルエッジを囲む先端部の部分の有効な液体洗浄により是正される。特には、本発明によるドリルは、一方で、チップフルートの凹状弓形形状が個別の切削エッジに弧状形状を与え、他方で、ドリルの中央の付近のウェッブ薄部が切削エッジをチゼルエッジの直近にある付加的な弓形部分に分かれることの結果として、かなり改善されたチップ案内部を生じる。
本発明によるドリルはまた、種々の金属に加えて、異なるタイプの合成材料における穴開け加工に使用可能である。しかし該ドリルは、木、コンクリート等、即ち、チップが可塑性により、それから除去可能ではない、材料における穴開け加工を目的とせず、あるいはそれには適さない。導入部分で指摘したように、問題のドリル又はドリルボディは、超硬合金、高速鋼等の異なる材料から製造されても良く、中実ドリル、ルーズトップ等の異なる製品の形で実施されても良い。更に、ドリルボディは、2つの切削エッジより多くのエッジを有して製作可能であり、その場合、それらの切削エッジは、説明された対称ドリルの2つの切削エッジと同じ方法で、対称に配置されることが前提であることが指摘されるべきである。問題のドリルボディは、上記で説明された幾何学的設計を有するヘッド又は前部分を有して形成されることが基本である。例示された好適な実施の形態におけるドリルボディは流体管路を有して形成されたが、該ドリルボディは、その様な管路なしで実施されても良い。
1 前端部
2 後端部
3 外面
4 (ドリル)ヘッド
5 切削エッジ
6 チップフルート
7 内部(流体)管路
8 先端部
9 第1の部分エッジ
10 第2の部分エッジ
11 周囲端部地点
12 内側端部地点
13 第1の隙間表面
13a,13b 部分表面
14 チップ表面(弓形表面)
15 第2の隙間表面
16 境界線
17 第1のシュート底部
27 移行表面
28 境界線
29 前端部分(チゼルエッジ)
30 第2のシュート底部
31 地点
C 中心軸線

Claims (3)

  1. チップ除去機械加工用ドリルボディであって、
    回転対称な外面(3)及び前端部と後端部(1,2)であって、前記ドリルボディが所定の回転方向(R)においてその周りを回転可能である、中心軸線(C)が前記前端部と後端部(1,2)の間を伸張する、外面(3)及び前端部と後端部(1,2)と、
    2つの切削エッジ(5)を具備する、前記前端部に形成される、ヘッド(4)であって、前記切削エッジ(5)の各々は、第1の部分エッジ(9)と第2の部分エッジ(10)とを具備しており、前記第1の部分エッジ(9)は、前記中心軸線に沿って設けられた前端部分(29)を有する、中央先端部(8)に含まれており、前記第2の部分エッジ(10)は、前記外面(3)に沿って配置される周囲端部地点(11)と、前記第2の部分エッジ(10)が前記第1の部分エッジ(9)に移行する、半径方向に内側端部地点(12)との間で伸張しており、前記2つの第1の部分エッジ(9)は、軸方向に前方方向において正のノーズ角度(α)で合流し、前記2つの第2の部分エッジ(10)は、前記軸方向に前方方向において負の角度(β)で分岐する、ヘッド(4)と、
    を具備する、ドリルボディにおいて、
    各前記切削エッジ(5)は、前記外面に凹状に形成されたチップフルート(6)のチップ表面(14)と、第1の隙間表面(13)の回転方向後方に設けられた、第2の隙間表面(15)に移行する、第1の隙間表面(13)との間において境界を区切っており、
    各前記第1の隙間表面(13)は、2つの部分表面(13a,13b)を具備しており、前記2つの部分表面(13a,13b)は、鈍角(χ)をお互いに形成し、前記第2の部分エッジ(10)の前記内側端部地点(12)から回転方向後方に伸張する、第1のシュート底部(17)でお互いに合流する、ドリルボディにおいて、
    前記ドリルボディは、第2のシュート底部(30)を具備しており、前記第2のシュート底部(30)は、前記第1のシュート底部(17)の伸張部において伸張しており、前記第2の隙間表面(15)に含まれる、2つの第2の部分表面(15a,15b)を分離し、第2の隙間表面(15)が第1の隙間表面(13)より大きな隙間角度(η)を有し、
    前記第2の隙間表面(15)は、境界線(28)を介して、移行表面(27)に移行しており、前記移行表面(27)は、前記それぞれのチップフルート(6)まで伸張しており、前記第2のシュート底部(30)は、前記第1のシュート底部(17)と、前記境界線(28)がドリルボディの周囲の回転対称な前記外面(3)で終了する地点(31)との間で伸張する、ことを特徴とするドリルボディ。
  2. 前記ドリルボディは、第1と第2の内部流体管路(7)を具備しており、前記第1と第2の内部流体管路(7)は,それぞれの第2のシュート底部(30)に沿って開口する、
    ことを特徴とする請求項に記載のドリルボディ。
  3. 前記第1の隙間表面(13)の前記2つの部分表面(13a,13b)と前記第2の隙間表面(15)の前記2つの部分表面(15a,15b)は、平らであり、直線の形の第1のシュート底部(17)により前記第1の隙間表面(13)の前記2つの部分表面(13a,13b)が分離され、直線の形の第2のシュート底部(30)により前記第2の隙間表面(15)の前記2つの部分表面(15a,15b)が分離されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドリルボディ。
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