JP5623361B2 - 腰用ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、長時間着用していてもズレが生じ難い腰用ベルトに関する。
腰痛の予防や治療をするための道具として、古くから腰用ベルトが知られている。腰用ベルトの一例として、例えば特許文献1には、天然ゴムからなる帯状のベルト本体と、ベルト本体の左右両端に設けられ、互いに係止される面ファスナーとを有する腰用ベルトが開示されている。
この従来の腰用ベルトを使用する際には、ベルト本体を腰に適度に締め付けるようにして巻き付け、面ファスナーを互いに係止させて固定する。これにより、腰の周囲が腰痛ベルトによって覆われ、腰を適切に保護することができる。
特開2003−52838号公報(図1)
従来の腰用ベルトは、その表面が平滑面であることから、長時間の着用で身体を前に屈めたり後ろに反らしていると、腰用ベルトが滑って位置が上下にずれてしまい、その度に位置調整をする必要があり、非常に煩わしいという問題があった。
もちろん、ベルト本体の幅を広くすれば、位置ずれし難くなるため位置調整を行う煩わしさからは解放されるが、腰を曲げ難いとか、内側に湿気がこもってムレが生じやすいという新たな問題が生じてしまう。
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、長時間の着用によっても位置ずれが生じ難く、快適に使用できる腰用ベルトを提供することにある。
請求項1に記載した発明は、「伸縮性を有する材料からなる帯状のベルト本体12と、ベルト本体12の両端部に設けられ、互いに係止される面ファスナー14とを有しており、ベルト本体12の肌に接する側の面には、ベルト本体12の幅方向一方端部から幅方向他方端部に至る凹溝18が細長い凸部20を散点状に作るように押圧形成されており、凸部20は、その長軸側Aがベルト本体12の幅方向に沿っており、短軸側Bがベルト本体12の長手方向に沿っており、凹溝18は、ベルト本体12に対して斜行して所定間隔で交差し、ダイヤ形状の凸部20を形成するものであり、ダイヤ形状の凸部20の長軸側対角線Aがベルト本体12の幅方向に沿っており、短軸側対角線Bがベルト本体12の長手方向に沿っている」ことを特徴とする腰用ベルト10である。
請求項に記載した発明は、「ベルト本体12には、複数の通気孔16が形成されている」ことを特徴とする。
請求項に記載した発明は、「ベルト本体12を構成している伸縮性を有する材料は、天然ゴムを母材とし、セシオンが練り込まれたものである」ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、ベルト本体12の肌に接する側の面に、ベルト本体12の幅方向一方端部から幅方向他方端部に至る凹溝18が散点状の凸部20を作るように押圧形成されているので、ベルト本体12を伸ばしたときの伸び方は、凹溝18部分と凸部20部分とで異なることとなる。つまり、凹溝18部分(押圧によってその密度が高められている)は、凸部20部分(押圧されておらず密度が高められていない)に比べて伸び難い。換言すれば、凸部20部分は、凹溝18部分に比べて伸びやすくなっている。そして、この凸部20部分は細長く、その長軸側Aがベルト本体12の幅方向に沿っており、短軸側Bがベルト本体12の長手方向に沿っているので、ベルト本体12全体として見たときには、凸部20の長軸側Aに沿う方向、つまり、ベルト本体12の幅方向に伸びやすくなっている。
しかも、伸縮性を有するベルト本体12を若干長手方向に伸ばしながら腰部に巻きつけると、凸部20が着用した衣服に入り込むように接することになって滑らず、腰用ベルト10の着用時に体を前に屈めたり、後ろに反らした場合には、ベルト本体12が体の動きに追随して幅方向に大きく伸縮することができ、長時間の着用であってもずれることがない。
また、ベルト本体12の裏面側に設けられている凹溝18は、ベルト本体12の幅方向一方端部から幅方向他方端部に至るように形成されているので、皮膚表面から蒸発した汗(湿気)は、凹溝18を通ってベルト本体12の端部から外部に排出されることになる。したがって、長時間の着用でもムレが生じにくく、快適に過ごすことができる。
さらに、凹溝18をベルト本体12に対して斜行して所定間隔で交差するように押圧形成することにより、ダイヤ形状の凸部20を簡単に形成することができる。
なお、請求項に記載の発明のように、ベルト本体12に複数の通気孔16を設けておけば、皮膚表面から蒸発した汗(湿気)をベルト本体12の端部だけでなく、通気孔16からも排出できるので、長時間着用することによるムレをより効果的に防止することができる。
また、請求項に記載の発明のように、ベルト本体12の母材として天然ゴムを使用すれば安価に製造できるし、母材である天然ゴムにセシオンを練り込んでおけば、セシオンが有する諸機能、すなわち、遠赤外線効果とマイナスイオン効果を得ることができる。
本発明に係る腰用ベルトを示す正面図である。 本発明に係る腰用ベルトを示す背面図である。 図2におけるX−X’部分拡大図である。 凹溝と凸部の他の例を示す図である。
以下、本発明を図面に従って説明する。図1は、本発明にかかる腰用ベルト10を示す正面図であり、図2は、腰用ベルト10の背面図である。
これらの図が示すように、本発明の腰用ベルト10は、ベルト本体12と、面ファスナー14とで大略構成されている。
ベルト本体12は、帯状の部材であり、その長さは、人の腰に巻き付けて使用できるよう適宜設定されている。ベルト本体12の材質は、伸縮性を有するものであれば特に限定されるものではないが、本実施例では、天然ゴムを母材とし、これにセシオンを練り込んだものが使用されている。
ここで、セシオンとは、静電気に帯電しにくい高分子化合物、希土類鉱石およびトルマリン若しくは遠赤外線放射セラミックスのいずれかを含有し、マイナスイオンを放出すると同時に遠赤外線を放射する樹脂組成物であり、例えば、高分子化合物としてのシリコンゴムに、希土類鉱石としてのモナズ石(粒径10μm、配合量は、高分子基材100重量部に対して10〜50重量部)と、トルマリン(粒径10μm、配合量は、高分子基材100重量部に対して10〜50重量部)を配合したものを使用できる。なお、その具体的内容は、特許第3035279号に開示されている。
ベルト本体12には、複数の通気孔16がその全面に亘って穿設されている。本実施例では、通気孔16として大径通気孔16aと、これよりも小径の小径通気孔16aとを設けるようにしている。具体的には、複数(17個)の大径通気孔16aがベルト本体12の幅方向中央にその長手方向に所定間隔を隔てて穿設されており、大径通気孔16aの周囲に複数の小径通気孔16bがベルト本体12の全面に等間隔或いは等角度で散らばるように穿設されている。なお、各通気孔16(大径通気孔16aおよび小径通気孔16b)は、後述する凹溝18と繋がっている。
ベルト本体12の裏面側(肌に接する側の面:図2参照)には、凹溝18が形成されている。凹溝18は、ベルト本体12に対して斜行して所定間隔で交差してダイヤ形状の凸部20を作るように、架橋時における金型の加熱圧締によって押圧形成されている。凹溝18の深さは、ベルト本体12の厚みや強度等によって適宜設定すればよく、本実施例では、ベルト本体12の厚み2mmに対して、凹溝18の深さが0.5mmに設定されている。なお、ベルト本体12の厚みは1.5〜2.5mmの範囲(好ましくは2.0mm)で設定することができ、凹溝18の深さは0.2〜0.8mmの範囲(好ましくは0.5mm)で設定できる。
凹溝18によって作られるダイヤ形状の凸部20は、長軸側対角線Aがベルト本体12の幅方向に沿っており、短軸側対角線Bがベルト本体12の長手方向に沿うように形成されている(図3参照)。
上述したように、凹溝18は金型による圧締によって押圧形成されている。したがって、ベルト本体12における凹溝18が形成されている部分の密度は、ダイヤ形状の凸部20部分よりも高められている。つまり、ダイヤ形状の凸部20部分(密度が高められていない)は、凹溝18部分(押圧によって密度が高められている)に比べて伸びやすくなっている。
また、ベルト本体12の凹溝18部分が金型による圧締によって押圧形成されているので、その分、ベルト本体12の基材強度が高められることとなる。したがって、ベルト本体12の厚みをより薄くすることが可能となる。
なお、本実施例では、凹溝18がベルト本体12に対して斜行して所定間隔で交差してダイヤ形状の凸部20を作るように形成されているが、ベルト本体12が幅方向に伸びやすく、かつ、ムレを防止できるという効果を得るという観点から考えれば、ベルト本体12の幅方向一方端部から幅方向他方端部に至り、散点状の細長い凸部20を一定間隔で散点状に作るように金型による圧締によって押圧形成されていればよい。したがって、凸部20の形状として、例えば長円形状(図4参照)や長方形状などとしてもよい(ただし、いずれの場合であっても、長軸側Aがベルト本体12の幅方向に沿っており、短軸側Bがベルト本体12の長手方向に沿うように形成される必要がある)。
ベルト本体12の両側端部には、互いに係脱可能な一対の面ファスナー14が設けられている。一方の面ファスナー14はベルト本体12の表面側に取り付けられており、他方の面ファスナー14はベルト本体12の裏面側に取り付けられている。
以上のように構成されている腰用ベルト10を使用する際には、ベルト本体12の裏面側(凹溝18が形成されている側)を体に宛てがい、ベルト本体12を適度に締め付けるようにして体に巻きつけ、面ファスナー14を互いに係止させて位置を固定する。これにより、腰の周囲が適切に保護され、腰痛の予防や治療を行うことができる。
本発明に係る腰用ベルト10によれば、ベルト本体12の裏面側に凹溝18が設けられているので、腰用ベルト10の着用時には、衣服が凹溝18に食い込むことによる滑り止め効果を得ることができる。
ここで、ベルト本体12においては、ダイヤ形状の凸部20部分が、凹溝18部分に比べて伸びやすくなっている。そして、このダイヤ形状の凸部20部分は、その長軸側の対角線Aがベルト本体12の幅方向に沿っており、短軸側の対角線Bがベルト本体12の長手方向に沿っているので、ベルト本体12全体として見たときには、ダイヤ形状の凸部20部分の長軸側の対角線Aに沿う方向(ベルト本体12の幅方向)に伸びやすくなっている。したがって、腰用ベルト10の着用時に体を前に屈めたり、後ろに反らした場合には、腰用ベルト10が幅方向に伸びてこの体の動きに追従することができ、ズレが生じ難い。
また、本発明にかかる腰用ベルト10は上述したようにズレが生じ難いので、ズレ防止のために幅方向の幅を広くする必要がない(換言すれば、狭くすることができる)。
また、ベルト本体12の裏面側には、凹溝18がベルト本体12に対して斜行して所定間隔で交差するように形成されているので、皮膚表面から蒸発した汗(湿気)は、凹溝18を通ってベルト本体12の端部から外部に排出することができる。したがって、上述したベルト本体12の幅狭効果とも相俟って、長時間の着用でもムレが生じにくく、快適に過ごすことができる。
なお、本実施例のように、ベルト本体12の全面に複数の通気孔16を形成し、凹溝18にこれら通気孔16がかかるようにしておけば、皮膚表面から蒸発した汗(湿気)をベルト本体12の通気孔16からもショートパスにて効果的に排出することができるので、長時間の着用によるムレをより効果的に生じにくくすることができ、快適に着用することができる。
さらに、ベルト本体12は、母材である天然ゴムにセシオンが練り込まれているので、このセシオンによる諸機能、すなわち、遠赤外線効果とマイナスイオン効果を得ることができる。
10…腰用ベルト
12…ベルト本体
14…面ファスナー
16…通気孔
18…凹溝
20…凸部


Claims (3)

  1. 伸縮性を有する材料からなる帯状のベルト本体と、前記ベルト本体の両端部に設けられ、互いに係止される面ファスナーとを有しており、
    前記ベルト本体の肌に接する側の面には、前記ベルト本体の幅方向一方端部から幅方向他方端部に至る凹溝が細長い凸部を散点状に作るように押圧形成されており、
    前記凸部は、その長軸側が前記ベルト本体の幅方向に沿っており、前記短軸側が前記ベルト本体の長手方向に沿っており、
    前記凹溝は、前記ベルト本体に対して斜行して所定間隔で交差し、ダイヤ形状の凸部を形成するものであり、
    前記ダイヤ形状の凸部の長軸側対角線が前記ベルト本体の幅方向に沿っており、短軸側対角線が前記ベルト本体の長手方向に沿っていることを特徴とする腰用ベルト。
  2. 前記ベルト本体には、複数の通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の腰用ベルト。
  3. 前記ベルト本体を構成している伸縮性を有する材料は、天然ゴムを母材とし、セシオンが練り込まれたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の腰用ベルト。
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