JP5622530B2 - 鉄筋移動装置及びそれを用いた施工方法 - Google Patents
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Description
ここで、鉄筋の使用本数は非常に多く、縦筋と横筋との交差する箇所(結束箇所)も多数存在する。そのため、縦筋と横筋とを交差して配置し、多数の交差箇所で縦筋と横筋とを結束する作業は、多大な労力を必要とする。
また、高所や足場の条件が悪い施工現場においては、多数の縦筋と横筋を交差して配置する作業、多数の交差箇所で縦筋と横筋とを結束する作業は、危険を伴う場合が存在する。
さらに、多数の縦筋と横筋を交差して配置する作業、多数の交差箇所で縦筋と横筋とを結束する作業が行い難い作業現場(施工現場)も存在する。
安全で、作業がし易い箇所で仮組を行なうことにより、構造物の必要箇所に鉄筋を配置する作業の効率が向上するからである。
しかし、従来の仮組用治具に鉄筋を配置する作業には、多大な労力が必要とされる。
また、複数本の鉄筋を仮組用治具に配置する場合に、地上からの高さが高い箇所で作業をしなければならない場合が存在する。その様な場合には、例えば足場を設けて、当該足場に作業員が登って作業をしなければならず、不安定な足場で鉄筋を仮組用治具に配置する作業には危険が伴う。
さらに、鉄筋が仮組されて、クレーン等で施工現場に移動した後、施工現場で既に固定された鉄筋に結束されて、次の仮組が行なうまでの間、プレファブ場では仮組作業員が待機していなければならず、その間、時間の無駄となってしまう。
係る待機時間を短縮するためには、例えば、仮組用治具と吊り下げ用のクレーンを複数台用意しなければならず、そのためのコストが必要となり、作業コスト全体が高騰してしまう。
しかし、係る従来技術(特許文献1)では、仮組治具で仮組した鉄筋ユニットを移載治具体に載せ換える作業が必須であり、係る作業に労力を費やしてしまうという問題点を有している。
横筋載置部材回動部材(ホルダ駆動プレート3)及び横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)を装置本体部(フレーム1)に固定して、横筋載置部材(横筋ホルダ2)の先端部分(横筋を載置する部分:湾曲部分23)が装置本体部(フレーム1)の外部に露出した状態で、当該先端部分(横筋を載置する部分)に横筋を配筋する工程(図20のステップS1参照)と、
横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)と装置本体部(フレーム1)の固定状態を解除して、横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)を装置本体部(フレーム1)に対して移動して、複数の横筋外止部材(横筋クランプ4)を回動して配筋された横筋(横筋ホルダ2上に載置された横筋)に被せて保持する工程(図20のステップS2参照)と、
複数の横筋外止部材(横筋クランプ4)を回動して配筋された横筋(ホルダ上に載置された横筋)に被せて保持した状態(図20のステップS2参照)で、横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)を装置本体部(フレーム1)に固定する工程(図20のステップS3参照)と、
装置本体部(フレーム1)の接続治具(吊り金具16)を紐状部材(吊りワイヤロープW)と結合して、鉄筋移動装置(請求項1の鉄筋移動装置100)を吊り下げて施工現場まで移動する工程(図20のステップS5及び図21(d)参照)、
を含むことを特徴としている。
横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)と装置本体部(フレーム1)の固定状態を解除して、横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)を装置本体部(フレーム1)に対して相対移動して、横筋外止部材(横筋クランプ4)を回動して横筋上に被さっていない状態にせしめる工程(図20のステップS6及び図21(e)参照)と、
鉄筋移動装置(請求項1の鉄筋移動装置100)に保持された複数の横筋と、施工現場に固定されている縦筋を結合(結束)する工程(図20のステップS7及び図21(f)参照)と、
(請求項1の鉄筋移動装置100を、例えば下降して、)横筋と横筋載置部材(横筋ホルダ2)を離隔する工程と、
横筋載置部材回動部材(ホルダ駆動プレート3)と装置本体部(フレーム1)の固定を解除して、横筋載置部材回動部材(ホルダ駆動プレート3)を装置本体部(フレーム1)に対して相対移動させ、以って、横筋載置部材(横筋ホルダ2)を回動して装置本体部(フレーム1)の内部に収容する工程(図20のステップS8及び図21(g)参照)と、
鉄筋移動装置(請求項1の鉄筋移動装置100)を吊り上げる工程(図20のステップS9及び図21(g)、(h)参照)、
を含むのが好ましい。
前記横筋を配筋する工程では横筋に縦筋を結合(結束)し(図22のステップS11〜S13及び図23(a)、(b)参照)、
結束された縦筋及び横筋を保持した状態で前記鉄筋移動装置(請求項1の鉄筋移動装置100)を施工現場に移動し、施工現場で固定されている鉄筋(例えば、円環状のガイド筋)に隣接した位置で停止する工程(図22のステップS15、S16及び図23(c)、(d)参照)と、
鉄筋移動装置(請求項1の鉄筋移動装置100)に保持された複数の横筋及びそれに結束された縦筋を、施工現場に固定されている鉄筋(例えば、円環状のガイド筋)に結合(結束)する工程(図22のステップS17及び図23(e)参照)と、
横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)と装置本体部(フレーム1)の固定状態を解除して、横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)を装置本体部(フレーム1)に対して相対移動して、横筋外止部材(横筋クランプ4)を回動して横筋上に被さっていない状態にせしめる工程(図22のステップS18及び図23(f)参照)と、
(請求項1の鉄筋移動装置100を例えば下降して、)横筋と横筋載置部材(横筋ホルダ2)を離隔する工程と、
横筋載置部材回動部材(ホルダ駆動プレート3)と装置本体部(フレーム1)の固定を解除して、横筋載置部材回動部材(ホルダ駆動プレート)を装置本体部(フレーム)に対して相対移動させ、以って、横筋載置部材(横筋ホルダ)を回動して装置本体部(フレーム)の内部に収容する工程(図22のステップS19及び図23(g)参照)と、
鉄筋移動装置(請求項1の鉄筋移動装置)を吊り上げる工程(図22のステップS20及び図23(h)参照)、
を含むのが好ましい。
また、横筋を配筋する工程に先立って、フレーム下部のベース部分(19)を伸縮して、横筋ホルダ(2)の高さを調節するのが好ましい。
ここで、装置本体部(フレーム1)に自立用部材(安定支持部材9)を取り付けることにより、装置本体部(フレーム1)が垂直方向に立設した状態(フレーム1が自立した状態)を維持して、本発明の鉄筋移動装置をプレファブ場における仮組治具として機能させることが出来る。
換言すれば、本発明の鉄筋移動装置は、従来の移載治具体として機能させることも出来る。
すなわち、本発明の鉄筋移動装置は、仮組治具及び移載治具体としての機能を有しているので、仮組治具と移載治具体として、兼用することが出来る。その結果、本発明によれば、仮組した鉄筋を、仮組治具以外の部材(例えば、特許文献1における移載治具体)に載せ換える必要がなく、当該載せ換える作業の分だけ、作業時間が短縮され、作業に費やされる労力や時間が軽減される。
その結果、鉄筋を仮組してから、再度仮組するまでの時間が短縮されて、鉄筋の仮組を行なう場所(プレファブ場)における作業者の待機時間が短縮される。そして、待機時間の短縮に伴い、プレファブ場および施工現場における作業効率が向上する。
同様に、本発明によれば、複数の横筋外止部材(横筋クランプ4)が横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)に接続しているので、個々の横筋外止部材(横筋クランプ4)を装置本体部(フレーム1)に対して固定或いは固定解除せずに、横筋外止部材回動部材(クランプ駆動部材5)を装置本体部(フレーム1)に対して固定或いは固定解除することにより、複数の横筋外止部材(横筋クランプ4)を同時に回動可能状態/固定状態に切り換えることが出来る。
そのため、複数の横筋全てについて、確実に保持し、或いは、保持状態を解除することが出来て、作業の安全性が向上する。
最初に、仮組を行なう場所(プレファブ場)で鉄筋を仮組し、仮組した状態の鉄筋を施工現場まで移動するための鉄筋移動装置について、図1〜図19を参照して、第1実施形態として説明する。
図1では、横筋ホルダ2、横筋クランプ4、軸用ボルト6A、6B、軸固定用ナット7A、7Bが、何れも3個示されている。ただし、これ等の部材の個数は3個に限定されるものではない。
軸固定用ナット7Aは、軸用ボルト6Aをフレーム1に固定する部材である。
軸用ボルト6B(図3参照)は、横筋ホルダ2における端部軸受部22に挿入されて、ホルダ駆動プレート3との接続用を兼ねた回転軸として機能する。
軸固定用ナット7B(図3参照)は、軸用ボルト6Bが横筋ホルダ2から脱落しないようするために用いられている。
図5は鉄筋移動装置100を斜め上方から視た状態を、簡略化して示しており、鉄筋移動装置100における構成の一部を省略すると共に、フレーム1の一部を透視して示している。
図6(及び図1)において、符号C2は横筋ホルダ2の回転軸の中心(回転中心)を示しており、符号C22は横筋ホルダ2におけるホルダ駆動プレート3との接続中心を示している。
また、符号C4は横筋クランプ4の回転軸の中心(回転中心)を示しており、符号C42は横筋クランプ4におけるクランプ駆動部材5との接続中心を示している。
横筋ホルダ2、ホルダ駆動プレート3、横筋クランプ4、クランプ駆動部材5については後述する。
ここで、符号Ha、Hbで示す部材に代えて、公知の機構を適宜選択して用いることも出来る。
さらにフレーム1は、中間接続部材12、クランプ軸支用部材14、上端接続部材15、吊り金具16、ロックピン係止部材17、クランプ駆動部材係止部材18を有している。
さらに、1対の柱状部材11、11の下端近傍は下端近傍接続部材12Bにより接続されており、1対の柱状部材11、11の上端は上端接続部材15によって接続されている。
図7、図8で示す状態では、ベースプレート13の下面から柱状部材11の上端までの高さ寸法H(図7参照)は、最小となっている。この状態から、高さ調節機構19を伸張させれば、当該高さ寸法Hが増大する。
すなわち、高さ調節機構19により、ベースプレート13の下面から柱状部材11の上端までの高さ寸法H(図7参照)を調節し、以って、作業の状況によって、仮組(或いは配筋)する横筋の高さを最適に調節することが出来る。
後述する様に、ホルダ駆動用プレート3をフレーム1に固定する際には、ホルダ駆動用プレート3の下端に形成されたボルト挿通孔32a(図15参照)に、その上方から接続用ボルトBB(図1参照)を挿通させ、接続用ボルトBBの雄ねじとベースプレート13の雌ねじ13aとを螺合させる。これにより、ホルダ駆動用プレート3とフレーム1は、接続用ボルトBBと雌ねじ13aの螺合によって固定される。
ここで、雌ねじ13に代えて、例えば12φのキリ孔を形成し、ベースプレート13の下面側で、図示しないナットと接続用ボルトBBを螺合させても良い。
そしてクランプ軸支用部材14は、フレーム1における隣接する2枚の中間接続部材12の概略中間の箇所(2箇所)と、中間接続部材12と下端近傍接続部材12Bの間で且つ下端近傍接続部材12Bに近い箇所において、柱状部材11に溶接されている。
図7で例示した吊り金具16は、長方形の一つの隅部(角部)が四角形状に切り欠かれた形状をしており、当該切り欠かれた部分(四角形状の部分)の垂直方向に延在する辺が、上端接続部材15に溶接されている。
吊り金具16には、吊り具であるワイヤロープ(紐状部材)を通す孔16aが形成されている。そして、当該吊り金具16にワイヤロープを挿通し、図示しないクレーン等によってフレーム1を吊り上げ、鉄筋移動装置100を移動する。
なお、ホルダ駆動プレート3にも吊り金具34が形成されているので、鉄筋移動装置100を移動する際には、フレーム側の吊り金具16と、ホルダ駆動プレート側の吊り金具34の何れか一方を使用しても良いし、或いは、双方を同時に使用しても良い。
ロックピン係止部材17は、図9に示すように断面がL字状であり、1対の柱状部材11の各々に一つずつ固設されている。
図7において、ロックピン係止部材17の下方には、逆V字状の切欠き17vが形成され、その切欠きには半円弧の湾曲部であるロック溝17cが形成されている。
ここで、鉄筋移動装置100では、横筋ホルダ2(及び横筋クランプ4)が横筋Khを保持した状態を維持させるための機構が、フレーム1及びホルダ駆動用プレート3に組み込まれているが、当該機構については後述する。
横筋クランプ4の右端にはクランプ駆動部材5が連結されており、横筋クランプ4とクランプ駆動部材5とは回転中心C42周りで相対的に回動自在に連結されている。そのため、図1、図5においてクランプ駆動部材5が下方に移動すれば、横筋クランプ4が時計回りに回動する。
図1で示す状態では、横筋クランプ4が横筋Kh(図1では図示せず)を抑えており(或いは、クランプしており)、横筋クランプ4は図1で示す状態以上には反時計回りに回動することはない。
図1において、ロックピン係止部材17の下方に、クランプ駆動部材5係止部材18が設けられている。
張り出し部分18aは、1対の柱状部材11、11に跨って固設(溶接)されており、図8に例示されている態様では、左側の柱状部材11の左方に延在している。
プレート係止部18bは、張り出し部分18aに直交して延在しており、張り出し部分18aにおける端部(図8では左端)の下面部に一体化している。
長孔18cは、クランプ駆動部材5の上端部51aが貫通する様に形成されている。
クランプ駆動部材係止部材18により、クランプ駆動部材5を図1で示す位置(横筋クランプ4が横筋Khを保持する位置)に係止するに際しては、図1で示すように、クランプ駆動部材5におけるロッド部51の上端部51aに形成された雄ねじ51bに、ナットNを螺合させる。雄ねじ51bにナットNを螺合させることにより、プレート係止部18b、張り出し部分18aを介して、クランプ駆動部材5は、フレーム1の柱状部材11に固定される。
これにより、クランプ駆動部材5は、図1で示す位置に固定される。
図9で示すように、安定部材取付ブラケット11Bは、形状が異なる2枚の板状部材11Ba、11Bbから成る。
板状部材11Baは、柱状部材11のウェブ面に溶接等により固設され、板状部材11Bbは、柱状部材11のフランジ面に溶接等により固設されている。板状部材11Ba、11Bbは、平行且つ斜め方向に延在している。
安定部材取付ブラケット11Bには、安定支持部材9の一方の端部92が、回動自在に軸支される(図1参照)。
ロッド91aの長さ調整機構93側の端部と、ロッド91bの長さ調整機構93側の端部には、異なる方向の雄ねじが形成されている。例えば、ロッド91aの長さ調整機構93側の端部には右ねじが形成され、ロッド91bの長さ調整機構93寄りの端部には左ねじが形成されている。
調整機構93には、2種類の雌ネジが形成されており、例えば、ロッド91a側には右ねじが形成され、ロッド91b側には左ねじが形成されている。
このように構成すれば、高さ調節機構19によってフレーム1の高さH(図7参照)が調整された際に、それに対応して安定支持部材9を伸縮し、鉄筋移動装置100が自立した状態を確保することが出来る。
なお、図示してはいないが、長さ調整機構93の外周にレンチ操作用の二面幅を設けることも可能である。
帯板状部材81のフレーム1から離隔する側(図4では右側)の端部には、安定部材取付ブラケット82が固設されている。
安定支持部材9における一方の端部(フレーム1側の端部)は、前記フレーム1側の安定部材取付ブラケット11Bに枢着している。そして、安定支持部材9における他方の端部(フレーム設置用ベース部材8側の端部)が、帯板状部材81側の安定部材取付ブラケット82に枢着している。
なお、フレーム設置用ベース部材8は、図4で例示した三角形状に限定する必要はなく、単一の板状部材で構成しても良い。
図11、図12において、横筋ホルダ2は、板状部材20、中央軸受部21、端部軸受部22、横筋保持部23を有している。
図11において、符号C2は、中央軸受部21の中心点であり、横筋ホルダ2の回転中心を示す。符号C22は、端部軸受部22の中心を示しており、符号C23は横筋保持部23の中心を示している。
端部軸受部22の中心C22と横筋保持部23の中心C23とを結ぶ中心線Lc2に対して、中央軸受部21の中心点C2は、図11において上方に位置している。
中央軸受部21には軸用ボルト6A(図3参照)が挿通され、軸用ボルト6Aは、フレーム1の柱状部材11における取付孔11hに挿通している。そして、軸用ボルト6Aに螺合したナット7A(図3参照)により、軸用ボルト6Aは、柱状部材11、11(図3参照)の取付孔11hに挿入した状態で保持されている。
端部軸受部22(図11参照)には軸用ボルト6B(図3参照)が挿通され、軸用ボルト6Bは取付孔13a(図13参照)に挿通しており、取付孔13aはホルダ駆動プレート3の帯状プレート31(図13参照)に形成されている。帯状プレート31及び取付孔13aについては、後述する。
これにより、横筋ホルダ2は、端部軸受部22(図11参照)に挿通された軸用ボルト6Bを介して、ホルダ駆動プレート3と回動自在に連結される。
図6において、ホルダ駆動プレート3を上方に移動すると、横筋保持部23は反時計回りに回動して、柱状部材11の左端面11fよりも、図6において左側の位置(フレーム1に重なり、露出しない位置)に移動する。換言すれば、図6では、ロックピン35がロックピン係合部材17の係合溝17cに係合された状態が示されている。
ホルダ駆動プレート3に設けたロックピン35が、ロックピン係合部材17のロック溝17cに当接すると、ホルダ駆動プレート3はそれよりも上方には移動せず、横筋保持部23もそれ以上(ロックピン35がロック溝17cに当接する位置よりも反時計回り)には回動しない。
図13〜図15において、ホルダ駆動プレート3は、2枚の帯状プレート31、底部接続部材32、2枚の中間接続部材33、吊り金具34、ロックピン35を有している。吊り金具34は、2枚の帯状プレート31、31の上部接続部材を兼ねている。
2枚の帯状プレート31、31は、所定の間隔を隔てて対向して配置されている。そして、2枚の帯状プレート31、31は、底部接続部材32、2枚の中間接続部材33、吊り金具34の水平部材34bによって、平行に延在して、間隔が同一寸法となる様に接続されている。
ここで、上記所定の間隔は、横筋ホルダ2の端部軸受部22の長手方向寸法(図11で、紙面に垂直な方向の寸法)よりも、大きく設定されている。
底部接続部材32及び2枚の中間接続部材33は、吊り金具34のワイヤーを掛ける孔34cの反対側(図13では左側)に位置しており、2枚の帯状プレート31、31を平行に接続している。
図15において、底部接続部材32の平面中央には、ボルト挿通孔32aが形成されている。
横筋Khを保持した状態では、ホルダ駆動プレート3は、図6で示す位置よりも下方の位置(図1で示す位置)に移動している。横筋Khを保持した状態を維持するためには、図6で示す位置よりも下方の位置(図1で示す位置)に移動したホルダ駆動プレート3を、フレーム1のベースプレート13に固定する。
ここで、ベースプレート13に雌ねじ13aを形成することに代えて、貫通孔(例えば、φ12のキリ穴)を形成している場合には、接続用ボルトBBを貫通孔に貫通させて、ベースプレート13の下側から図示しないナットを螺合すれば良い。
複数(3箇所)の取付孔31aの間隔は同一であり、鉄筋移動装置100が保持している3本の横筋の間隔と等しくなる様に設定されている。
図13において、帯状プレート31における上端近傍において、孔34cが形成された側(図13では左側)に偏寄した位置には、ロックピン35が固設されている。ロックピン35は、1対の帯状プレート31を貫通するように配置されている。ロックピン35の長さ方向寸法L(図14参照)は、図8におけるロックピン係合部材17の組幅Wよりも長く設定されている。
なお、図6では、横筋ホルダ2が横筋Khの保持していない状態で、ホルダ駆動プレート3が上方へ移動して、ロックピン35がロックピン係合部材17の係合溝17cに係合された状態が示されている。
図16、図17において、横筋クランプ4は、板状部材40、中央軸受部41、接続用ピン挿通孔42、横筋押圧部43を有している。
図16において、符号C4は中央軸受部41の中心点、すなわち、横筋クランプ4の回転中心を示す。符号C42は接続用ピン挿通孔42の中心を示し、符号C43は横筋押圧部43の中心を示している。
中央軸受部41の中心点C4と横筋押圧部43の中心C43とを結ぶ中心線Lc4の延長上に対して、接続用ピン挿通孔42の中心C42は、図16における上方に位置している。
中央軸受部41には横筋クランプ用軸14(図3参照)が挿通され、横筋クランプ用軸14は、フレーム1における柱状部材11(図3参照)に設けられている。
接続用ピン挿通孔42には図示しない軸用ピンが挿通され、当該軸用ピン(図示せず)は、後述するクランプ駆動部材5(図18参照)に形成された取付孔53a(図18参照)に挿入される。
すなわち、横筋クランプ4は、接続用ピン挿通孔42に挿入される図示しない軸用ピンを介して、クランプ駆動部材5と回動自在に連結される。
図6において、クランプ駆動部材5を下方に移動すると、横筋押圧部43は時計方向へ回動して、1対の円柱状部材11の左端面11fよりも内側の位置(横筋クランプ4がフレーム1から露出しない位置)に移動する。
図18、図19において、クランプ駆動部材5は、ロッド部51とロッド部51の長手方向の複数箇所(図示の例では3箇所)に設けた枢着部52を有している。
ロッド部51は断面が矩形であり、上端部51aは円柱状に形成されている。そして、上端部51aの上端側には、雄ねじ51bが形成されている。
複数の枢着部52の各々は、1対のプレート53、53を有している。1対のプレート53、53は、ロッド部51の対向する2面に溶接されている。
一対のプレート53、53の間隔(隙間寸法)は、前述の横筋クランプ4における板状部材40の厚さ寸法よりも大きく設定されている(図3参照)。
次に、クランプ駆動部材5を、図1で示す位置(最上方の位置:横筋クランプ4が横筋Khを保持する位置)に固定する態様について説明する。
この状態で、図1で示す様に、雄ねじ51bにナットNを螺合させる。ナットNを螺合させる作業は、例えば、作業員がナットNを工具で締め付けることにより、行なわれる。
ロッド部51の雄ねじ51bにナットNを螺合させることにより、クランプ駆動部材5は、図1で示す位置(最上方の位置:横筋クランプ4が横筋Khを保持する位置)に固定される。
鉄筋移動装置100を仮組治具として用いる際には、ホルダ駆動プレート3を動かして複数の横筋ホルダ2をフレーム1の外部に露出した位置まで回動し、接続用ボルトBBによりホルダ駆動プレート3をベースプレート13に固定する。そして、フレーム1の外部に露出した複数の横筋ホルダ2に横筋Khを載置すれば、容易に仮組を行なうことが出来る。
そして、複数の横筋クランプ4を回動して横筋Khに被せ、クランプ駆動部材5をクランプ駆動部材係合部材18において固定すれば、横筋クランプ4は横筋ホルダ2に載置された横筋Khを保持した状態に固定される。
その際に、仮組した鉄筋を、仮組治具以外の部材(例えば、特許文献1における移載治具体)に載せ換える必要がない。換言すれば、当該載せ換える作業の分だけ、作業時間が短縮され、作業に費やされる労力や時間が軽減される。
図20、図21で示す第2実施形態は、第1実施形態の鉄筋移動装置100を用いて、仮組みした横筋を施工現場まで移動させ、所定の作業を行なう施工方法に係る実施形態である。
以下、図20のフローチャートに基づいて、図21を参照しつつ、第2実施形態に係る施工方法を説明する。
さらに、ホルダ駆動用プレート3を図1で示す位置(複数の横筋ホルダ2が回動して、フレーム1の外部に露出した位置)に移動して、接続用ボルトBBによってベースプレート13に固定する。すなわち、図1において、ホルダ駆動用プレート3の底部接続部材32に形成されたボルト挿通孔32aに接続用ボルトBBを挿入し、接続用ボルトBBの雄ねじをフレーム1のベースプレート13に形成された雌ねじ13aに螺合させ、締め込むことによって、ホルダ駆動用プレート3を、ベースプレート13に固定する。
クランプ駆動部材5が自由に移動出来る様にすれば、クランプ駆動部材5は、その自重によって下降し、横筋クランプ4は横筋Khを解放する方向へ回動する。
そして、横筋Khを配置したならば、ステップS2に進む。
ステップS2では、クランプ駆動部材5を上方へ移動し、以って、横筋クランプ4を図21の(a)における反時計方向へ回動して、横筋クランプ4によって複数の横筋Khを抑える(図21の(b)参照)。そして、ステップS3に進む。
これにより、横筋クランプ4が横筋Khを抑えた状態からクランプ駆動部材5は移動せず、横筋クランプ4が図21の(a)における時計方向(横筋クランプ4が横筋Khを解放する方向)に回動してしまうことが防止される。
なお、鉄筋移動装置100を吊り上げる場合、吊り金具16の孔16aに加えて、ホルダ駆動プレート3の孔34cを用いても良い。或いは、吊り金具16の孔16aを使用せず、ホルダ駆動プレート3の孔34cのみを用いても良い。
横筋Khを配筋して鉄筋移動装置100を移動する際には、ホルダ駆動プレート3は接続用ボルトBBによってフレーム1に固定されており、フレーム1とホルダ駆動プレート3の間で相対移動が生じないからである。
そしてステップS6では、クランプ駆動部材5におけるロッド部51の上端部51aからナットNを取り外し、クランプ駆動部材5を移動可能にせしめ、以って、クランプ4を解除する(図21の(e)参照)。
クランプ4が解除されたなら、ステップS7において、施工現場の縦筋に移動した横筋を結束する(図21の(f)参照)。
ここで、施工現場の縦筋に、鉄筋異動装置100で運搬した横筋Khを結束する工程(ステップS7:図21の(f)参照)は、ステップS5で、施工現場の縦筋近傍に鉄筋移動装置100を停止させた段階で実施することも可能である。
ホルダ駆動プレート3を上方に移動した状態を維持するには、図6で示すように、スペーサHaを底部接続部材32とベースプレート13の隙間に挿入するか、或いは、スペーサHbを吊り金具34と柱状部材11の隙間に挿入すればよい。
最後のステップS9では、施工現場から鉄筋移動装置100を撤去する(図21の(h)参照)。
さらに、第1実施形態の鉄筋移動装置100で保持された鉄筋を、施工現場に固定された縦筋に結合(結束)して固定している。
その際には、横筋クランプ4を解除(横筋Khを覆っていない状態に)して、横筋Khが施工現場の縦筋Kvに結束かのうにせしめている(図20のステップS6及び図21(e)参照)。
そして、鉄筋移動装置100のフレーム1を、鉄筋から後退させて施工現場から撤去させている。
その結果、鉄筋を仮組してから、再度仮組するまでの時間が短縮されて、鉄筋の仮組を行なう場所(プレファブ場)における作業者の待機時間が短縮される。そして、待機時間の短縮に伴い、プレファブ場および施工現場における作業効率が向上する。
同様に、第2実施形態によれば、複数の横筋クランプ4がクランプ駆動部材5に接続している。したがって、複数の横筋クランプ4の各々を個別にフレーム1に対して固定或いは固定解除する必要がない。クランプ駆動部材5をフレーム1に対して固定或いは固定解除することにより、複数の横筋クランプ4を同時に回動可能状態/固定状態に切り換えることが出来る。
そのため、複数の横筋Kh全てについて、確実に保持し、或いは、保持状態を解除することが出来て、作業の安全性が向上する。
図20、図21の第2実施形態は、第1実施形態の鉄筋移動装置100に横筋Khのみを配置して施工現場まで移動させ、所定の作業を行なう施工方法の実施形態である。
それに対して、図22、図23で示す第3実施形態では、第1実施形態の鉄筋移動装置100に配置された横筋Khに対して、プレファブ場で縦筋Kvを結束して、その状態で横筋および縦筋を施工現場まで移動させ、所定の作業を行なう施工方法に係る実施形態である。
以下、第3実施形態について、主として、第2実施形態と異なる施工工程について説明する。
図22のステップS13では、ステップS12において横筋クランプ4で押さえ込まれた3本の横筋Khに対して、更に所定本数の縦筋Kvを結束する(図23の(b)参照)。
図22のステップS16では、鉄筋移動装置100に縦筋Kvと横筋Khとを仮組みした状態で、施工現場における円環状のガイド筋Kgに囲まれた領域まで移動する(図23の(d)参照)。すなわち、鉄筋移動装置100により移動される対象に、横筋Khのみならず、それに結束された縦筋Kvが加わっている。
そして、縦筋Kvと横筋Khとを仮組みした状態で搭載した鉄筋移動装置100を所定位置に近づける。そして、鉄筋移動装置100に搭載された縦筋Kvと横筋Khを、円環状に組まれたガイド筋Kgにおける所定の位置へ結束する(ステップS17:図23の(e)参照)。
第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、第2実施形態と同様である。
2・・・横筋載置部材/横筋ホルダ
3・・・横筋載置部材回動部材/ホルダ駆動プレート
4・・・横筋外止部材/横筋クランプ
5・・・横筋外止部材回動部材/クランプ駆動部材
6、6A・・・軸用ボルト
7、7A・・・軸固定用ナット
8・・・フレーム設置用ベース部材
9・・・安定支持ロッド
11・・・柱状部材
13・・・ベースプレート
14・・・横筋クランプ用軸
16・・・吊り金具
17・・・ロックピン係止部材
18・・・クランプ駆動部材係止部材
19・・・高さ調節機構
Claims (4)
- 構造物で使用される鉄筋を、鉄筋の仮組を行う場所から仮組した状態を維持しつつ施工現場まで移動するための鉄筋移動装置において、装置本体部に回動自在に設けられた複数の横筋載置部材と、該複数の横筋載置部材を回動するために接続された横筋載置部材回動部材と、該横筋載置部材回動部材を装置本体部に対して固定し解除する機能を有する横筋載置部材回動部材脱着部材と、前記装置本体部に回動自在に設けられた複数の横筋外止部材と、該複数の横筋外止部材を回動するために接続された横筋外止部材回動部材と、該横筋外止部材回動部材を装置本体部に対して固定し解除する機能を有する横筋外止部材回動部材脱着部材と、前記装置本体部を紐状部材と結合するための接続治具と、前記装置本体部を構成する柱状部材をベースプレートに対して伸縮可能な高さ調節機構とを備え、装置本体部には自立用部材が着脱自在であることを特徴とする鉄筋移動装置。
- 請求項1の鉄筋移動装置を用いた施工方法において、横筋載置部材回動部材及び横筋外止部材回動部材を装置本体部に固定して、横筋載置部材の先端部分が装置本体部の外部に露出した状態で、当該先端部分に横筋を配筋する工程と、横筋外止部材回動部材と装置本体部の固定状態を解除して、横筋外止部材回動部材を装置本体部に対して移動して、複数の横筋外止部材を回動して配筋された横筋に被せて保持する工程と、複数の横筋外止部材を回動して配筋された横筋に被せて保持した状態で、横筋外止部材回動部材を装置本体部に固定する工程と、装置本体部の接続治具を紐状部材と結合して、鉄筋移動装置を吊り下げて施工現場まで移動する工程、を含むことを特徴とする施工方法。
- 横筋を保持した状態で前記鉄筋移動装置を施工現場に移動し、施工現場で固定されている縦筋に隣接した位置で停止する工程と、横筋外止部材回動部材と装置本体部の固定状態を解除して、横筋外止部材回動部材を装置本体部に対して相対移動して、横筋外止部材を回動して横筋上に被さっていない状態にせしめる工程と、鉄筋移動装置に保持された複数の横筋と、施工現場に固定されている縦筋を結合する工程と、横筋と横筋載置部材を離隔する工程と、横筋載置部材回動部材と装置本体部の固定を解除して、横筋載置部材回動部材と装置本体部に対して相対移動させ、以って、横筋載置部材を回動して装置本体部の内部に収容する工程と、鉄筋移動装置を吊り上げる工程を含む請求項2の施工方法。
- 前記横筋を配筋する工程では、横筋に縦筋を結合し、結束された縦筋及び横筋を保持した状態で前記鉄筋移動装置を施工現場に移動し、施工現場で固定されている鉄筋に隣接した位置で停止する工程と、鉄筋移動装置に保持された複数の横筋及びそれに結束された縦筋を、施工現場に固定されている鉄筋に結合する工程と、横筋外止部材回動部材と装置本体部の固定状態を解除して、横筋外止部材回動部材を装置本体部に対して相対移動して、横筋外止部材を回動して横筋上に被さっていない状態にせしめる工程と、横筋と横筋載置部材を離隔する工程と、横筋載置部材回動部材と装置本体部の固定を解除して、横筋載置部材回動部材と装置本体部に対して相対移動させ、以って、横筋載置部材を回動して装置本体部の内部に収容する工程と、鉄筋移動装置を吊り上げる工程を含む請求項2の施工方法。
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