JP5620998B2 - 低ヘイズおよび高透明性を有するポリマー成形品 - Google Patents

低ヘイズおよび高透明性を有するポリマー成形品 Download PDF

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Description

非相溶性ポリマー材料をブレンドすることは公知である。ポリマーブレンドを利用して、個々のポリマー成分に固有のものではない性能基準が実現する。しかし、このようなブレンディングには欠点がある。例えば、異なる屈折率を有するポリマー材料をブレンドすると、最終ブレンド組成物が曇り、かつ/または透明でないものとなる。このようなブレンドは、低ヘイズおよび/または高透明性を必要とする最終用途に適していない。
したがって、個々のポリマー成分間で屈折率の整合が必要でない、高透明性および/または低ヘイズを有するポリマーブレンドに対する需要がある。
本開示は、低ヘイズおよび/または高透明性を有するポリマーブレンドおよび成形品、ならびにそれを生成する方法を対象にする。本ポリマーブレンドから構成される成形品は、低ヘイズ、高透明性、および改善された衝撃強さを示す。
本開示は、成形品を生成する方法を提供する。この方法は、プロピレン系ポリマーおよびオレフィン系エラストマーを選択するステップを含む。プロピレン系ポリマーは、ASTM D 542に従って測定された屈折率(n1)およびASTM D1238に従って230℃/2.16kgで測定されたメルトフローレート(MFR)を有する。オレフィン系エラストマーは、屈折率(n2)およびASTM D 1238に従って190℃/2.16kgで測定されたメルトインデックス(MI)を有する。屈折率は、ASTM D 542に従って測定される。この方法は、プロピレン系ポリマーおよびオレフィン系エラストマーを、
となるように選択するステップを含む。
この方法は、オレフィン系エラストマーの粒子をプロピレン系ポリマーのマトリックスにブレンドするステップと、ブレンドを、ASTM D 1003に従って測定して約20%未満のヘイズ値を有する成形品に形成するステップとをさらに含む。
本開示は、屈折率(n1)および約0.5g/10minから約100g/10minのMFRを有するプロピレン系ポリマーを約60wt%から約99wt%含むポリマー組成物を提供する。ポリマー組成物は、プロピレン系ポリマー中に分散させたオレフィン系エラストマー粒子も約40wt%から約1wt%含む。オレフィン系エラストマーは、屈折率(n2)および約0.5g/10minから約30g/10minのMIを有する。プロピレン系ポリマーとオレフィン系エラストマーとの間には、屈折率の不整合が存在し、|n1−n2|>0.002である。ポリマー組成物は、ASTM D1003に従って測定して約20%未満のヘイズ値を有する。ポリマー組成物は、>0.28の粘度比(VR)も有し、ここで、
である。
本開示は成形品を提供する。成形品は、ポリマー組成物から構成される。ポリマー組成物は、プロピレン系ポリマーのマトリックスを約60wt%から約99wt%含む。プロピレン系ポリマーは、屈折率(n1)を有する。ポリマー組成物は、プロピレン系ポリマー中に分散させた細長いエラストマー粒子も約40wt%から約1wt%含む。プロピレン系ポリマーとオレフィン系エラストマーとの間には、屈折率の不整合が存在し、|n1−n2|>0.002である。成形品は、ASTM D1003に従って測定して約20%未満のヘイズ値を有する。
実施形態において、成形品の細長いエラストマー粒子は、成形品の成形流路に沿って取られた断面図から、平均粒子幅の少なくとも10倍の平均長さを有する。
本開示の利点は、低ヘイズ値を有する成形品である。
本開示の利点は、高透明性を有する成形品である。
本開示の利点は、ポリマー組成物から構成される、低ヘイズおよび/または高透明性を有する成形品であり、ポリマー組成物の個々のポリマー成分は屈折率の不整合を示す。
本開示の利点は、改善された衝撃強さと不連続相が光を散乱させない形態とを有するポリマーブレンドの成形品である。
本開示の利点は、冷温と室温とにおいて改善された衝撃強さを有する成形品である。
本開示の実施形態における成形品の透過電子顕微鏡観察(transmission electron miscroscopy)(TEM)顕微鏡写真である。 図2A〜Dは、本開示の実施形態における成形品のTEM顕微鏡写真である。 図3A〜Bは、本開示の実施形態における成形品のTEM顕微鏡写真である。 図4A〜Bは、本開示の実施形態における成形品のTEM顕微鏡写真である。 図5A〜Bは、本開示の実施形態における成形品のTEM顕微鏡写真である。 図6A〜Bは、連続相に分散させた不連続相から構成される成形品のTEM顕微鏡写真である。
本開示は、低ヘイズおよび/または高透明性を有するポリマーブレンド(特に、オレフィン系ポリマーのブレンド)、ならびにそれを生成する方法を対象にする。本ポリマーブレンドは、高透明性、低ヘイズ、および/または高衝撃強さを必要とする最終用途に適している。個々のポリマー成分間で、屈折率値の整合(またはほぼ整合)は必要でない。
元素周期表という言葉はすべて、CRC Press,Inc.,2003が出版および著作権取得した元素周期表を意味する。また、1つまたは複数の族を示す言葉はいずれも、族の番号付けにIUPAC方式を使用したこの元素周期表に反映された1つまたは複数の族であるとする。別段の記載のない限り、文脈から黙示的に、または当技術分野において慣例として、部および%はすべて、重量を基準とするものであり、試験方法はすべて、本開示の出願日時点で通用しているものである。米国特許実務において、引用されたいずれの特許、特許出願、または刊行物の内容も、特に合成技法、生成物および処理過程の設計、ポリマー、触媒、(本開示に具体的に記載されているいずれの定義とも矛盾しないという範囲の)定義、および当技術分野における一般知識の開示に関して、それらの全体が参照により全体が組み込まれる(または、その米国対応バージョンも、参照によりそのように組み込まれる)。
本開示における数値範囲は概数であり、したがって、別段の示唆のない限り、その範囲外の値も含み得る。数値範囲は、任意の下側の値と任意の上側との値の間が少なくとも2単位離れていることを条件として、下側の値と上側の値を含むその間の1単位刻みのすべての値を含む。一例として、例えば分子量、メルトインデックスなどの組成特性、物理特性、または他の特性が100から1000である場合、100、101、102などの個々の値すべて、および100から144、155から170、197から200などの部分範囲を明示的に列挙することが意図されている。1未満の値を含む範囲または1を超える分数(例えば、1.1、1.5など)を含む範囲では、1単位は、適宜0.0001、0.001、0.01、または0.1であると考えられる。10未満の1桁の数を含む範囲(例えば、1から5)では、1単位は、典型的には0.1であると考えられる。これらは具体的に意図されるものの例に過ぎず、列挙された最低値と最高値の間の数値の可能な限りの組合せが、本開示に明示的に記載されていると考えられるべきである。本開示内では、とりわけ組成物中の諸成分の量、ならびに/または組成物中のコーティング、添加剤、および様々な他の成分の量、ならびにこれらの成分が画定される様々な特徴および特性の数値範囲が記載されている。
化学物質に関して使用されるように、特段の記載のない限り、単数形はすべての異性体の形を包含し、逆の場合も同様である(例えば、「ヘキサン」は、ヘキサンの異性体すべてを個別にまたはまとめて包含する)。用語の「化合物」と「複合体」は同義的に使用されて、有機化合物、無機化合物、および有機金属化合物を指す。「原子」という用語は、イオン状態、すなわち、それが電荷または部分電荷を有するかそれとも別の原子に結合しているか否かにかかわらず、最小の構成要素である元素を指す。「非晶質」という用語は、示差走査熱量測定(DSC)または相当の技法で決定される結晶融点をもたないポリマーを指す。
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、追加の成分、ステップ、または手順の存在を、それが具体的に開示されているか否かにかかわらず、いずれも排除するものではない。いかなる疑義も避けるために、「含む(comprising)」という用語の使用により本明細書で特許請求されたすべての組成物は、別段の記載のない限り、ポリマーにせよそうでないにせよ、追加の添加剤、アジュバント、または化合物をいずれも含むことができる。一方、「〜から本質的になる」という用語は、それに続くいずれの列挙の範囲からも、実施可能性にとって本質的でないものを除いて他のいかなる成分、ステップ、または手順も排除する。「〜からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていないいずれの成分、ステップ、または手順も排除する。「または」という用語は、別段の記載のない限り、列挙されたメンバーを個別に、また任意に組み合わせて指す。
「組成物」および同様の用語は、2つ以上の成分の混合物またはブレンドを意味する。
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」および同様の用語は、2つ以上のポリマーのブレンド、およびポリマーと様々な添加剤とのブレンドを意味する。このようなブレンドは、相溶性であってもなくてもよい。このようなブレンドは、相分離してもしなくてもよい。このようなブレンドは、透過型電子顕微鏡、光散乱、X線散乱、および当技術分野において公知である他の何らかの方法で決定して、1つまたは複数のドメイン構造を含んでも含まなくてもよい。
「ポリマー」(および同様の用語)という用語は、同じまたは異なるタイプのモノマーを反応(すなわち、重合)させることによって調製された高分子化合物である。「ポリマー」は、ホモポリマー、コポリマー、および/またはターポリマーを包含する。
本開示は方法を提供する。実施形態において、成形品を生成する方法が提供される。この方法は、プロピレン系ポリマーを選択するステップと、プロピレン系ポリマーのエラストマーを選択するステップとを含み、エラストマーはある基準に基づくものである。この方法は、エラストマーの粒子をプロピレン系ポリマーのマトリックスにブレンドするステップをさらに含む。この方法は、ポリマーブレンドを約20%未満のヘイズを有する成形品に形成するステップを含む。
この方法は、ポリマー成形品を生成するものであり、屈折率(n1)およびメルトフローレート(MFR)を有するプロピレン系ポリマーを選択するステップと、屈折率(n2)およびメルトインデックス(MI)を有するオレフィン系エラストマーを選択するステップとを含む。プロピレン系ポリマーおよびオレフィン系エラストマーは、式(I)および式(II)をそれぞれ満たすように選択される。
プロピレン系ポリマーのMFRは、ASTM D 1238に従って、条件230℃/2.16kgで測定される。オレフィン系エラストマーのMIは、ASTM D 1238に従って、条件190℃/2.16kgで測定される。式(I)は、粘度比と呼ばれることもある。「粘度比」または(「VR」)は、本明細書ではオレフィン系エラストマーのメルトフローをプロピレン系ポリマーのメルトフローで割った商である。粘度比には、プロピレン系ポリマーのメルトフローレート(MFR)とオレフィン系エラストマーのメルトインデックス(MI)を正確に比較するための換算係数が含まれる。オレフィン系エラストマーが、プロピレン系ポリマー(または他のタイプのポリマーであって、メルトフローがASTM D 1238によって条件230℃/2.16kgで決まるとき、VRは「MI−対−MFR」の換算係数を必要とせず、エラストマーのメルトフローをプロピレン系ポリマーのメルトフローで割る。実施形態において、VRは、0.28以上約1000まで、または0.5を超え約80まで、または1.0を超え約7.0まで(または、その間の値もしくは部分範囲)である。
「|n1−n2|」という用語は、n1とn2の差の絶対値であり、「Δn」という用語によって表示されることもある。Δnの値は、0.002を超えるものとすることができ、または0.002を超え0.025までとすることができる。この意味では、Δnは、組成物のポリマー成分間の「屈折率の不整合」を表す。実施形態において、プロピレン系ポリマーおよびエラストマーは、|n1−n2|≧0.08、|n1−n2|≧0.010、|n1−n2|≧0.012、または|n1−n2|≧0.015−0.025となるように選択される。
プロピレン系ポリマーは、オレフィン系エラストマーが分散(不連続相)しているマトリックス(連続相)を形成する。オレフィン系エラストマーをプロピレン系ポリマーと組み合わせると、マトリックスには、オレフィン系エラストマーが分散して含まれているまたはその他の方法で入っていることが理解されよう。オレフィン系エラストマーを除くエラストマーは、本開示の範囲内であることがさらに理解されよう。
「プロピレン系ポリマー」という用語は、本明細書では(重合性モノマーの全量に基づいて)多数重量パーセントの重合プロピレンモノマーを含み、少なくとも1つ(または複数)の重合コモノマーを場合によっては含んでもよいポリマーである。好適なプロピレン系ポリマーとしては、プロピレンホモポリマー、プロピレンコポリマー、およびプロピレンインターポリマーが挙げられる。ポリプロピレンホモポリマーは、アイソタクチック、シンジオタクチック、またはアタクチックポリプロピレンとすることができる。プロピレンインターポリマーは、ランダムまたはブロックコポリマー、またはプロピレン系ターポリマーとすることができる。ポリプロピレンのリアクターコポリマーを使用することもできる。
実施形態において、プロピレン系ポリマーは、約0.5g/10minから約100g/10minのMFRを有する。プロピレン系ポリマーは、約0.85g/ccから約0.95g/ccの密度を有する。
プロピレンと重合するのに適したコモノマーとしては、α−オレフィン、すなわち、エチレン(エチレンは、本明細書ではα−オレフィンとみなされる)、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン;および4−メチル−l−ペンテン、4−メチル−l−ヘキセン、5−メチル−l−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン;ならびにスチレンが挙げられる。実施形態において、コモノマーとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、およびそれらの組合せのいずれかが挙げられる。
プロピレン系ポリマーは、少なくとも2つの二重結合を有し、好ましくはジエンまたはトリエンであるモノマーを含んでもよい。好適なジエンおよびトリエンコモノマーとしては、7−メチル−1,6−オクタジエン;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン;5,7−ジメチル−1,6−オクタジエン;3,7,11−トリメチル−1,6,10−オクタトリエン;6−メチル−1,5−ヘプタジエン;1,3−ブタジエン;1,6−ヘプタジエン;1,7−オクタジエン;1,8−ノナジエン;1,9−デカジエン;1,10−ウンデカジエン;ノルボルネン;テトラシクロドデセン;またはそれらの混合物;ブタジエン;ヘキサジエン;オクタジエン;1,4−ヘキサジエン;1,9−デカジエン;4−メチル−1,4−ヘキサジエン;5−メチル−1,4−ヘキサジエン;ジシクロペンタジエン;および5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が挙げられる。
実施形態において、プロピレン系ポリマーは、プロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーである。プロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーは、プロピレンと少数割合の1つもしくは複数のα−オレフィン、ジエン、またはα−オレフィンの混合物もしくはブレンドとのランダムコポリマーである。混合物は、機械的ブレンドまたは現場ブレンドとすることができる。
実施形態において、プロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーは、約0.5wt%から約10wt%未満までのα−オレフィンコポリマー(単数または複数)を含む。
実施形態において、プロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーは、プロピレン/エチレンコポリマーである。プロピレン/エチレンコポリマーは、エチレンに由来する単位を約0.1wt%から約10wt%含有する。
実施形態において、プロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーは、造核剤または透明化剤を含有するプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーである。本明細書では、「透明化剤を含有するプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマー」は、透明化剤および/または造核剤を含むプロピレンとα−オレフィンとのランダムコポリマーである。透明化剤によって、プロピレンとα−オレフィンとのランダムコポリマーのヘイズ値(ASTM D 1003)が少なくとも10%低下する。したがって、「透明化剤を含有するプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマー」は、透明化剤を含まないプロピレンとα−オレフィンとのランダムコポリマーのヘイズ値より少なくとも10%低いヘイズ値を有する。別の実施形態において、透明化剤を含有するプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーは、透明化剤を含有するプロピレン/エチレンランダムコポリマーである。
透明化剤によって、クリスタリットのサイズが小さくなり、それによってコポリマーから作製された物品の透過性および透明性が改善される。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、透明化剤は、冷却時にポリオレフィンの結晶化がより規則的にかつより速く行われるための部位として働くと考えられる。結晶化のプロセスにおいて、ポリマー結晶は、球晶と呼ばれるより大きな超格子構造へと組織化する。球晶は、透明化剤の非存在下に形成された球晶より、均一で、サイズが小さい。球晶のサイズが小さくなると、光を散乱させる可能性が低下する。このように、透明化剤は、プロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーの光学的不透明度を改善するものである。実施形態において、透明化剤を含有するプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーは、589nmにおいて約1.5044の屈折率および約8.0%以下のヘイズ測定値を有する。
好適な透明化剤および/または造核剤は限定するものではないが、例としてMilliken Chemical Spartanburg,SCから商標名 Millad(登録商標)3988で入手可能な1,3−O−2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、やはりMilliken Chemicalから商標名Millad(登録商標)3940で入手可能な1,3−O−2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールなどのジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体、リン酸2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム(旭電化工業株式会社より、NA−11と呼ばれる)、アルミニウムビス[2,2'−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート](aluminum bis[2,2'-methylene-bis-(4,6-di-tert-butylphenyl)phosphate])(やはり旭電化工業株式会社より、NA−21と呼ばれる)、安息香酸ナトリウム、または他の造核剤、具体的には極めて急速な結晶形成および/または配列をもたらすものが挙げられる。透明化剤を含有するプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーとしては、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、安定剤、酸中和剤、および紫外線吸収剤などのオプションの添加剤を挙げることができる。
実施形態において、透明化剤を含有するプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーは、チーグラー・ナッタ触媒を用いて作製されるものであり、The Dow Chemical Company of Midland,MichiganからDow 6D83Kポリプロピレン樹脂という名称で入手可能である。Dow 6D83Kは、透明化剤を含有するプロピレン−エチレンランダムコポリマーであり、エチレンに由来する単位を約3%または3.2重量パーセント含有し、約1.9g/10minのメルトフローレートを有する。この透明化剤を含有するプロピレン/エチレンランダムコポリマーは、約93ジュール/グラムの融解熱、約4.5の分子量分布(Mw/Mn)、および145℃の融点を示す。
本開示のポリマーブレンドとしては、エラストマーが挙げられる。本明細書では、「エラストマー」は、元の長さの少なくとも2倍まで延伸することができ、延伸力が解放されると実質的に元の長さまで収縮するゴム状ポリマーである。エラストマーは、ASTM D638の方法を用いて、非架橋状態、室温で、約10,000psi(68.95MPa)以下の低い初期モジュラス(弾性率)および通常200%を超える伸びを示すものである。
好適なエラストマーは限定するものではないが、例としてオレフィン系エラストマー(すなわち、プロピレン系エラストマーおよび/またはエチレン系エラストマー)、ポリアミドエラストマー、エラストマー系ポリエステル(elastomeric polyester)、イソブチレンポリマー、ポリウレタンエラストマー、アクリルエラストマー(acrylic elastomer)、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添スチレン系ブロックコポリマー、および前述の任意の組合せが挙げられる。水添スチレン系ブロックコポリマーゴムは、ポリスチレン構造を有するセグメントAを1から25wt%含有する構造A−BまたはA−B−Aを有するものであり、Aは、ポリスチレン構造のセグメントであり、Bは、エチレン/ブテンまたはエチレン/プロピレン構造のセグメントである。
実施形態において、オレフィン系エラストマーは、エチレン系エラストマーである。「エチレン系エラストマー」という用語は、本明細書では、(重合性モノマーの全重量に基づいて)多数重量パーセントの重合エチレンモノマーを含み、少なくとも1つ(または複数)の重合コモノマーを場合によっては含んでもよいポリマーであり、このエチレン系ポリマーは、上記に定義したエラストマーの特性を有する。好適なエチレン系エラストマーは限定するものではないが、例としてエチレンとC〜Cのα−オレフィンコモノマーなどのエチレン/α−オレフィンコポリマー(エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、および/またはエチレン/オクテンコポリマー)、および/またはオレフィンブロックコポリマー(OBC)が挙げられる。
オレフィン−ブロックコポリマー(OBC)は、半晶質セグメントと非晶質セグメントが交互的に結合しているマルチブロックコポリマーであり、これら2つのタイプのブロック中のα−オレフィンとエチレンの比を変更することによって実現される。OBCは、単一の重合反応器中で、異なるモノマー選択性を有する別個の2つの触媒間で成長鎖を移動させるチェーンシャトリング剤を利用した触媒系を用いて生成される。OBCは、INFUSEという商標で、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能である。
「マルチブロックコポリマー」という用語は、線状に結合している2つ以上の化学的に別個の領域またはセグメント(「ブロック」とも呼ばれる)を含むポリマー、すなわち重合エチレン性官能基に対して、懸垂型でもグラフト型でもなくエンド−ツー−エンドで結合している化学的に区別される単位を含むポリマーである。ブロックは、その中に組み込まれているコモノマーの量またはタイプ、密度、結晶化度、このような組成物のポリマーに起因すると考えられるクリスタリットのサイズ、タクチシチーのタイプ(アイソタクチックまたはシンジオタクチック)または程度、位置規則性または位置不規則性、長鎖分岐または超分岐を含めて分岐の量、均質性、あるいは他の何らかの化学または物理的特性が異なる。マルチブロックコポリマーは、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーまたはプロピレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーとすることができ、(a)昇温溶出分別法(TREF)で分別したとき約40℃から約130℃の間で溶出する分子画分であって、少なくとも0.5および最高1のブロック指数および1.3を超える分子量分布(PDI、Mw/Mn、MWD)を有することを特徴とする画分、または(b)0を超え1.0までの平均ブロック指数および1.3を超えるMWDを特徴とするものである。さらに、エチレンマルチブロックインターポリマーは典型的には、以下の特性の少なくとも1つを有する:(i)1.3を超える分子量分布、(ii)0.90g/cc未満の密度、(iii)ASTM D−882−02で測定して、150メガパスカル(mPa)未満の2%割線モジュラス、(iv)125℃未満の融点、(v)インターポリマーの重量に基づいて少なくとも10wt%で80wt%未満の(−オレフィン含有量、(vi)−35℃未満のTg、および(vii)10分間当たり100グラム未満(g/10min)のメルトインデックス(MI)。マルチブロックコポリマーは、2006年3月15日出願の米国特許出願第11/376,835号に開示されており、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。プロピレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、2007年3月15日出願の米国特許出願第11/686,444号に開示されており、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
実施形態において、オレフィン系エラストマーはエチレン系エラストマーであり、約0.5g/10minから約30g/10minのメルトインデックス(またはメルトフローレート)を有する。エチレン系エラストマーは、約0.85g/ccから約0.91g/cc、または約0.86g/ccから約0.888g/ccの密度を有する。別の実施形態において、エチレン系エラストマーは、0.885g/cc未満または0.880g/cc未満の密度を有する。
方法は、エチレン系エラストマーの粒子をプロピレン系ポリマーのマトリックスにブレンドするまたはその他の方法で分散するステップを含む。プロピレン系ポリマーとエラストマーを、乾式ブレンドおよび/または溶融ブレンドすることによって組み合わせることができる。
方法は、ポリマーブレンド(すなわち、プロピレン系ポリマーマトリックス中に分散させたエラストマー粒子)を成形品に形成するステップを含む。成形は、射出成形、圧縮成形、および/または押出成形によって行うことができる。成形には、熱硬化および/または熱成形が含まれないことが理解されよう。成形手順において、ポリマーブレンドは、少なくともマトリックス相(すなわち、プロピレン系ポリマー)のガラス転移温度に加熱される。「ガラス転移温度」という用語は、本明細書ではポリマーが脆性状態またはガラス状態から塑性状態に変化する温度である。
流れ力および/またはせん断力は、ポリマーブレンドがモールドダイを進むにつれて、溶融エラストマー粒子を延伸またはその他の方法で歪ませる。成形時の力によって、エラストマー粒子がエントロピー的に好ましくない状態に歪む。この歪み状態で、エラストマー粒子は、細長くかつ/または棒状の形態を示す。方法は、エラストマーの細長い粒子が未延伸、未伸長、またはその他の方法で熱力学的に好ましい状態に戻る前に、マトリックス相を結晶化させるステップをさらに含む。言い換えれば、マトリックス相を、細長いエラストマー粒子が冷却する前に結晶化させ、それによって細長いエラストマー粒子がエントロピー的に好ましくない状態で固定化またはその他の方法で凍結される。実施形態において、方法は、成形品を冷却するステップと、細長いエラストマー粒子の歪み回復を防止するステップとを含む。
「細長いエラストマー粒子」は、本明細書では、成形品中、連続相内に分散している不連続相として存在するエラストマーであり、細長いエラストマー粒子は、平均長さが平均粒子幅より長い。実施形態において、細長いエラストマー粒子の平均長さは、流路を貫通する軸に沿って取られた成形品の断面図から、平均粒子幅の少なくとも10倍、または少なくとも50倍、または少なくとも100倍である。「流路」または「成形流路」は、モールドを通るプラスチックポリマーブレンドの走行方向である。細長いエラストマー粒子の長さおよび幅は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって決まる。細長いエラストマー粒子は、流路に平行または実質的に平行である。細長いエラストマー粒子は、成形品を通って進む光の透過に干渉せず(すなわち、光を散乱させない)、それによって成形品の透明性が改善され、ヘイズが低減されることが有利である。
特定の理論に拘泥することなく、本出願人らは、驚くべきことに、式(I)に従ってポリマーブレンドを調製し、その後にポリマーブレンドを成形すると、予想外なことに、マトリックス相が溶融エラストマー粒子を細長い形状およびエントロピー的に好ましくない状態で凍結またはその他の方法で固定化することが可能になることを発見した。式(I)の粘度比基準を満たすブレンド成分を成形すると、驚くべきことに低ヘイズおよび/または高透明性を有する成形品が得られる。予想外なことに、本方法は高い衝撃強さ、特に優れた低温衝撃強さを有する成形品をさらにもたらす。
実施形態において、方法は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または8%未満のヘイズを有する成形品をもたらす。
実施形態において、方法は、90%を超え、または95%を超え、または98%を超え、または99%を超え、または約99%から約99.9%の透明度を有する成形品をもたらす。
実施形態において、本方法は、改善された衝撃強さを有する成形品をもたらす。10wt%を超えるエラストマー(および90wt%未満のプロピレン系ポリマー)を含む成形品は、プロピレン系ポリマーだけから作製された成形品の衝撃強さの少なくとも2倍高い衝撃強さを示す。衝撃強さは、ASTM D 5420GCに従って測定される。
図1は、ポリマーブレンドから構成され、本方法で生成された成形品10のTEM顕微鏡写真である。図1は、成形流路に沿って取られた断面図である。成形品10は、連続相12および連続相12に分散させた不連続相14を含む。複数の細長いエラストマー粒子16は、連続相12全体にわたって分散している。
実施形態において、不連続相(すなわち、エラストマー)の全重量のうち約30wt%から約80wt%、または約40wt%から約70wt%、または約50wt%から約60wt%は、細長いエラストマー粒子から構成される。
実施形態において、本方法は、ポリマーブレンドを、成形手順において約8,000sec−1から約12,000sec−1のせん断速度にかけるステップを含む。「せん断速度」は、せん断応力が溶融材料に加わる速度である。「せん断応力」は、材料に平行にかつ/またはその接線に加わる応力である。一方、法線応力は、材料に垂直に加わる。ポリマーブレンドをこのせん断速度にかけると、驚くべきことにエラストマー粒子の延伸が増大して、成形品中に存在する細長いエラストマー粒子の長さがさらに伸びることが発見された。
予期せぬことに本方法によって細長いエラストマー粒子を固定化できることによって、高透明性および/または低ヘイズの成形物をより多種多様な個々の成分から生成できることが有利である。同じまたは同様の屈折率を有するポリマー組成物をブレンドすると、完成品における透明性が付与されることは公知である。本方法によって、似ていない屈折率を有する成分、すなわち屈折率不整合のポリマー成分が含まれるように、高透明性および/または低ヘイズの最終用途に適したポリマー成分の選択が広がる。
実施形態において、プロピレン系ポリマーの屈折率(n1)は約1.495から約1.505である。オレフィン系エラストマーの屈折率(n2)は約1.470から約1.497である。
本出願人らは、驚くべきことに、0.28を超えるVRを有するポリマーブレンドによって、Δn>0.002のポリマー材料を使用して、約20%未満のヘイズおよび/または95%を超える透明性を有する成形品を生成できることを発見した。
本方法は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
本開示はポリマー組成物を含む。実施形態において、ポリマー組成物が提供される。ポリマー組成物は、屈折率(n1)および約0.5g/10minから約100g/10minのMFRを有するプロピレン系ポリマーを約60wt%から約99wt%、または約70wt%から約90wt%、または約80wt%から約89wt%含む。ポリマー組成物は、プロピレン系ポリマー中に分散させたオレフィン系エラストマー粒子も約40wt%から約1wt%、または約30wt%から約10wt%、または約20wt%から約11wt%含む。オレフィン系エラストマーは、屈折率(n2)およびメルトインデックス(MI)を有する。重量パーセントは、ポリマー組成物の全重量に対するものである。オレフィン系エラストマーは、約0.5g/10minから約30g/10minのMIを有する。成分の屈折率は、式(II)を満たす。
ポリマー組成物は、ASTM D 1003に従って測定して、約20%未満のヘイズ値を有する。ポリマー組成物は、0.28を超える粘度比(VR)も有し、ここで、
である。
実施形態において、ポリマー組成物の成分のΔn値(屈折率の不整合)は、0.015以上である。
実施形態において、プロピレン系ポリマーは、約1.495から約1.505のn1値を有し、エラストマーは、約1.470から約1.497のn2値を有する。
実施形態において、ポリマー組成物は、プロピレンランダムコポリマーおよび/またはプロピレンホモポリマーを含む。オレフィン系エラストマーは、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキサンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、および/またはOBCから選択される。ポリマー組成物は、0.8を超えるVRを有する。Δn値は、0.002を超えるものである。ポリマー組成物は、約10%未満または約7%未満のヘイズ値を有する。
実施形態において、ポリマー組成物は、プロピレンホモポリマーおよび/またはプロピレンランダムコポリマーを含む。オレフィン系エラストマーは、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキサンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、および/またはOBCから選択される。Δn値は、0.002を超えるものである。ポリマー組成物は、2.0を超えるVRを有する。ポリマー組成物は、約10%未満または約8%未満のヘイズ値を有する。
実施形態において、エラストマーは、約0.860g/ccから約0.888g/cc未満の密度を有するエチレン/C〜C10α−オレフィンコポリマーである。
本開示は成形品を提供する。「成形品」は、本明細書では、射出成形法、圧縮成形法、および/または押出成形法にかけたポリマー組成物から構成される硬質物品である。繊維、フォームおよび配向フィルムなどの物品は硬質でなく、成形品でない。
実施形態において、成形品が提供される。成形品はポリマー組成物を含む。ポリマー組成物は、本明細書に開示されるポリマー組成物のいずれでもよい。成形品は、射出成形品、圧縮成形品、または押出成形品とすることができる。前述の成形品はそれぞれ、それを生成した成形方法に独特である物理的諸特性を示すものであることが理解されよう。ポリマー組成物は、プロピレン系ポリマーから構成されたマトリックスを約60wt%から約99wt%含む。ポリマー組成物は、粒子マトリックス中に分散させた細長いエラストマーも約40wt%から約1wt%含む。細長いエラストマー粒子は、成形流路を貫通する軸に沿って取られた断面図から、平均粒子幅の少なくとも10倍の平均長さを有する。成形品は、ASTM D 1003に従って測定して、約20%未満、または15%未満、または10%未満、または8%未満のヘイズ値を有する。
実施形態において、成形品は、90%を超え、または95%を超え、または約98%から、または99%を超え、または約99%から約99.9%の透明度を有する。
実施形態において、細長いエラストマー粒子は、約5nmから約200nm、または約10から約100nm、または約15から約50nmの平均幅を有する。
実施形態において、成形品の不連続相は、(不連続相の全重量に基づいて)約30wt%から約70wt%の細長いエラストマー粒子を含む。
実施形態において、成形品は、0.02を超え、または0.28を超え、または約4.0を超え、または約7.0を超える粘度VRを有する。
実施形態において、成形品の成分のΔn値は、0.002を超え、または0.01を超え、または0.015以上である。
プロピレン系ポリマーは、本明細書に開示されるいずれのプロピレン系ポリマーでもよい。実施形態において、プロピレン系ポリマーは、例えば透明化剤を含有するプロピレン−エチレンランダムコポリマーなどの透明化剤を含有するプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーである。
エラストマーは、本明細書に開示されるいずれのエラストマーでもよい。実施形態において、エラストマーは、エチレン/C〜C10α−オレフィン、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、および/またはOBCなどのエチレン系エラストマーである。
実施形態において、物品は、射出成形品である。射出成形を施したポリマーブレンドは、独特の形態を示す。特定の理論に拘泥することなく、射出成形時にポリマーブレンドに付与されるせん断力によって、先に本明細書で開示された細長いエラストマー粒子が生成すると考えられる。
実施形態において、成形品は配向していない。
実施形態において、射出成形品は、フィルム、容器(カップ、トレー、バケツ、槽)、および/またはチュービングである。
実施形態において、成形品は、約60mil未満、または約50mil未満、または約30mil未満の厚さを有する。
ポリマー組成物および/または成形品は、1つまたは複数の添加剤を含むことができる。好適な添加剤は限定するものではないが、例として酸化防止剤、中和剤、耐候剤改質剤、消泡剤、分散剤、帯電防止剤、潤滑剤、分子量調整剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、防曇剤、粘着防止剤、潤滑剤、難燃剤、導電性付与剤、架橋剤、架橋助剤、金属不活性化剤、殺真菌剤、蛍光増白剤または他の様々な助剤、充填剤、着色剤、および前述の任意の組合せが挙げられる。
成形品は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
好適な実施形態は限定するものではないが、例として以下に記載される。
ASTM D 542に従って測定された屈折率(n1)およびASTM D 1238に従って230℃/2.16kgで測定されたメルトフローレート(MFR)を有するプロピレン系ポリマー、ならびにASTM D 542に従って測定された屈折率(n2)およびASTM D 1238に従って190℃/2.16kgで測定されたメルトインデックス(MI)を有するオレフィン系エラストマーを、
となるように選択するステップを含む方法(E1)。
方法(E1)は、エラストマーの粒子をプロピレン系ポリマーのマトリックスにブレンドするステップと、ブレンドを、ASTM D 1003に従って測定して約20%未満のヘイズ値を有する成形品に形成するステップとを含む。
E2。オレフィン系エラストマーを平均粒子幅の少なくとも10倍の平均長さを有する細長いエラストマー粒子に形成するステップと、細長いエラストマー粒子をマトリックス中に固定化するステップとを含む方法E1。E3。マトリックスを少なくともマトリックスの融解温度に加熱するステップと、細長いエラストマー粒子の収縮前に、マトリックスを固定状態まで冷却するステップとを含むE1〜E2のいずれかの方法。E4。溶融ブレンドを約8,000sec−1から約12,000sec−1のせん断速度にかけるステップを含むE1〜E3のいずれかの方法。E5。形成が射出成形であるE1〜E4のいずれかの方法。
ポリマー組成物(E6)が提供される。ポリマー組成物(E6)は、ASTM D 542に従って測定された屈折率(n1)およびASTM D 1238に従って230℃/2.16kgで測定された約0.5g/10minから約100g/10minのメルトフローレート(MFR)を有するプロピレン系ポリマーを約60wt%から約99wt%;プロピレン系ポリマー中に分散させたオレフィン系エラストマー粒子を約40wt%から約1wt%を含み、オレフィン系エラストマーは、ASTM D 542に従って測定された屈折率(n2)およびASTM D 1238に従って、190℃/2.16kgで測定された約0.5g/10minから約30g/10minのメルトインデックス(MI)を有し、|n1−n2|>0.002である。ポリマー組成物(E6)は、ASTM D 1003に従って測定された約20%未満のヘイズ値および>0.28の粘度比(VR)を有し、ここで
である。
E7。プロピレン系ポリマーがプロピレンホモポリマーおよびプロピレン/α−オレフィンランダムコポリマーからなる群から選択される、E6のポリマー組成物。E8。オレフィン系エラストマーがエチレン/C〜C10α−オレフィンコポリマーおよびオレフィン−ブロックコポリマーからなる群から選択される、E6〜E7のいずれかのポリマー組成物。E9。プロピレン/エチレンランダムコポリマーと、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、およびエチレン/オクテンコポリマーからなる群から選択されるオレフィン系エラストマーとを含み、VRが0.8を超え、ヘイズ値が約10%未満である、E6〜E8のいずれかのポリマー組成物。E10。プロピレン/エチレンランダムコポリマーと、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、およびエチレン/オクテンコポリマーからなる群から選択されるオレフィン系エラストマーとを含み、VRが2.0を超え、ヘイズ値が約10%未満である、E6〜E9のいずれかのポリマー組成物。E11。プロピレン系ポリマーが、約1.495から約1.505のn1値を有し、エチレン系エラストマーが、約1.470から約1.497のn2値を有する、E10のポリマー組成物。
成形品(E12)が提供される。成形品(E12)は、屈折率(n1)を有するプロピレン系ポリマーのマトリックスを約60wt%から約99wt%;プロピレン系ポリマー上に分散させた屈折率(n2)を有する細長いエラストマー粒子を約40wt%から約1wt%を含み、|n1−n2|>0.002であるポリマー組成物を含む。成形品は、ASTM D 1003に従って測定して、約20%未満のヘイズ値を有する。E13。細長いエラストマー粒子が、成形品の成形流路に沿って取られた断面図から、平均粒子幅の少なくとも10倍の平均長さを有する、E12の成形品。E14。細長いエラストマー粒子が約5nmから約200の平均幅を有する、E12の成形品。E15。プロピレン系ポリマーが、ASTM D 1238に従って230℃/2.16kgで測定されたメルトフローレート(MFR)を有し、細長いエラストマー粒子が、ASTM D1238に従って190℃/2.16kgで測定されたメルトインデックス(MI)を有するエチレン系エラストマーを含む、E12〜E14のいずれかの成形品。成形品は、>0.28の粘度比(VR)有し、ここで
である。
E16。成形品が射出成形品である、E12〜E15のいずれかの成形品。E17。プロピレン系ポリマーが有核プロピレン/エチレンランダムコポリマーである、E12〜E16のいずれかの成形品。E18。細長いエラストマー粒子が、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、およびそれらの組合せからなる群から選択されるメンバーを含む、E12〜E17のいずれかの成形品。E19。10%未満のヘイズを有する、E12〜E18のいずれかの成形品。E20。ASTM D 1746に従って測定して、98%以上の透明性の値を有する、E12〜E19のいずれかの成形品。
試験方法
透明性は、ASTM D 1746に従って、次の寸法:0.5mm×60mm×60mmのプラックで決定される。
密度は、ASTM D 792 方法Bに従って測定される。
曲げ弾性率は、ASTM D 790に従って、射出成形タイプ1引張試験片:1/8インチ×1/2インチ×6 1/2インチを使用して、変形速度0.05インチ/分で測定される。
ガードナー衝撃強さは、ASTM D 5420GCに従って、次の寸法:0.5mm×60mm×60mmのプラックで4ポンドのハンマーを用いた方法で、標準リングを使用して、32°Fおよび−20°Fで測定される。
ヘイズは、ASTM D 1003に従って、次の寸法:0.5mm×60mm×60mmのプラックで決定される。
ノッチ付アイゾッド衝撃強さは、ASTM D 256Aに従って、ノッチ付射出成形試験片を使用して23℃で測定される。
プロピレン系ポリマーのメルトフローレート(MFR)(単位:g/10min)は、ASTM D 1238、条件230℃/2.16kgを用いて測定される。
エチレン系ポリマーのメルトインデックス(I2)(単位:g/10min)は、ASTM D 1238を用いて測定される。条件190℃/2.16kg。
屈折率(n)は、ASTM D 542に従って測定される。
限定するものではなく、例として、本開示の実施例を記載する。
A.成形品の調製
プロピレン系ポリマーおよびエラストマーを乾式ブレンドし、85トンのCincinnati Milacron Elektra射出成形機を下記の表1に記載の条件下で使用して、成形品に射出成形する。
比較試料4〜8および実施例を0.5mmのプラックに射出成形して、薄肉容器への射出成形のシミュレーションをする。実施例は、予想外なことに透明である。プロピレン系ポリマー(マトリックス)は、Dow 6D83K、Dow 751−12、およびDow 7021−50RNAである。これらプロピレン系ポリマーの3つはすべて、3(wt)%のエチレンコモノマーを含むプロピレンランダムコポリマー(RCP)である。
比較試料
比較試料1〜3。実施例2および実施例3と同様の材料を使用して、通常の押出法で比較試料を生成する。これらの試験片は、非常に曇っており、全く透明でない。これは、屈折率の不整合によって、粒子が光を散乱させるからである。
表2。比較試料1〜3。試験片はすべて、屈折率において著しい不整合を示す成分を有し、透明でない。ヘイズ値は非常に高く、透明性は低い。比較試料1は、圧縮成形される前に二軸押出機で配合される。比較試料2は、シート状に押出成形される前に二軸押出機で配合される。比較試料3は、Maddox混合機で高せん断下で混合し、次いでシート状に押出成形される前に、二軸押出機で配合される。
比較試料4〜8。これらの比較試料は、実施例と全く同じダイおよび作業条件を使用して作製される。しかし、エラストマーの粘度は、プロピレンランダムコポリマーの粘度より高い。これによって、光を散乱する球状の粒子になる。これらの試験片は、非常に曇っており、全く透明でない。
表3。比較試料4〜8。比較試料4〜8はそれぞれ、屈折率において著しい不整合を示す成分を有し、透明でない。ヘイズ値は非常に高く、透明性は低い。試料は、実施例と同じ条件下で射出成形される。しかし、これらの試験片は、プロピレンランダムコポリマーの粘度より高いエラストマーの粘度を有する。
表4。実施例1〜16。試験片はすべて、屈折率において著しい不整合を示しながら、優れた透明性および非常に低いヘイズを維持している成分を有する。これらの実施例は、すべて射出成形されたものである。エラストマーの粘度は、ポリプロピレンの粘度より低い。
下記の表5における実施例17は、ポリプロピレン(マトリックス)とプロピレン系エラストマー(Versify 3401)から構成される成形品の例である。
下記の表6に、本成形品のいくつかの実施例の衝撃特性を示す。
図2A〜2Dは、細長いエラストマー粒子を示すTEM顕微鏡写真である。これらのTEM顕微鏡写真は、実施例13から作製されたプラックから作製したものである。射出成形時に溶融しているポリマーの流れ方向を矢印で示す。
図3A〜Bは、細長いエラストマー粒子を示すTEM顕微鏡写真である。これらのTEM顕微鏡写真は、実施例7から作製されたプラックから作製したものである。射出成形時に溶融しているポリマーの流れ方向を矢印で示す。
図4A〜4Bは、細長いエラストマー粒子を示すTEM顕微鏡写真である。これらのTEM顕微鏡写真は、実施例3から作製されたものである。射出成形時に溶融しているポリマーの流れ方向を矢印で示す。
図5A〜5Bは、細長いエラストマー粒子を示すTEM顕微鏡写真である。これらのTEM顕微鏡写真は、実施例2から作製されたものである。5Aにおいて、射出成形時に溶融しているポリマーの流れ方向を赤い矢印で示す。図5Bは、ポリマーの流れ方向と直角を成して取られた横断面のカットのTEM顕微鏡写真である。この画像は、細長いエラストマー粒子が棒状であることをさらに示す。
図6A〜6Bは、比較試料7のTEM顕微鏡写真である。この試料中の粒子は球状である。球状粒子は光を散乱させるものであり、比較試料は曇っている。
特に、本発明は、本明細書に含まれている実施形態および例示に限定されるものではなく、次の特許請求の範囲内に入る実施形態の部分および異なる実施形態の要素の組合せを含めて、それら実施形態の修正された形を含むものとする。
上記の開示によって提供される本願発明の具体例として、以下の発明が挙げられる。
[1] ASTM D 542に従って測定された屈折率(n1)およびASTM D 1238に従って230℃/2.16kgで測定されたメルトフローレート(MFR)を有するプロピレン系ポリマー、ならびにASTM D 542に従って測定された屈折率(n2)およびASTM D 1238に従って190℃/2.16kgで測定されたメルトインデックス(MI)を有するオレフィン系エラストマーを、


となるように選択するステップと、
オレフィン系エラストマーの粒子を前記プロピレン系ポリマーのマトリックスにブレンドするステップと、
ブレンドを、ASTM D 1003に従って測定して約20%未満のヘイズ値を有する成形品に形成するステップと
を含む方法。
[2] ブレンドを、約8,000sec −1 から約12,000sec −1 のせん断速度にかけるステップを含む、[1]に記載の方法。
[3] ASTM D 542に従って測定された屈折率(n1)およびASTM D 1238に従って230℃/2.16kgで測定された約0.5g/10minから約100g/10minのメルトフローレート(MFR)を有するプロピレン系ポリマーを約60wt%から約99wt%、
前記プロピレン系ポリマー中に分散させたオレフィン系エラストマー粒子であって、ASTM D 542に従って測定された屈折率(n2)およびASTM D1238に従って190℃/2.16kgで測定された約0.5g/10minから約30g/10minのメルトインデックス(MI)を有するオレフィン系エラストマー粒子を約40wt%から約1wt%含み、
|n1−n2|>0.002であるポリマー組成物であって、
該ポリマー組成物はASTM D 1003に従って測定された約20%未満のヘイズ値および>0.28の粘度比(VR)を有し、ここで


であるポリマー組成物。
[4] オレフィン系エラストマーが、エチレン/C 〜C 10 α−オレフィンコポリマーおよびオレフィン−ブロックコポリマーからなる群から選択される、[3]に記載のポリマー組成物。
[5] プロピレン/エチレンランダムコポリマーと、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、およびエチレン/オクテンコポリマーからなる群から選択されるオレフィン系エラストマーとを含み、VRが0.8を超え、ヘイズ値が約10%未満である、[3]または[4]に記載のポリマー組成物。
[6] プロピレン/エチレンランダムコポリマーと、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、およびエチレン/オクテンコポリマーからなる群から選択されるオレフィン系エラストマーとを含み、VRが2.0を超え、ヘイズ値が約10%未満である、[3]から[5]のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
[7] プロピレン系ポリマーが約1.495から約1.505のn1値を有し、エチレン系エラストマーが約1.470から約1.497のn2値を有する、[6]に記載のポリマー組成物。
[8] 屈折率(n1)を有するプロピレン系ポリマーのマトリックスを約60wt%から約99wt%、
プロピレン系ポリマー上に分散させた屈折率(n2)を有する細長いエラストマー粒子を約40wt%から約1wt%含むポリマー組成物を含む成形品であって、
|n1−n2|>0.002であり、ASTM D 1003に従って測定して約20%未満のヘイズ値を有する、成形品。
[9] 細長いエラストマー粒子が、約5nmから約200nmの平均幅を有する、[8]に記載の成形品。
[10] プロピレン系ポリマーが有核プロピレン/エチレンランダムコポリマーである、[8]または[9]に記載の成形品。

Claims (5)

  1. ASTM D 542に従って測定された屈折率(n1)およびASTM D 1238に従って230℃/2.16kgで測定されたメルトフローレート(MFR)を有する70重量%〜90重量%のプロピレン系ポリマー、ならびにASTM D 542に従って測定された屈折率(n2)およびASTM D 1238に従って190℃/2.16kgで測定されたメルトインデックス(MI)を有する30重量%〜10重量%のエチレン系エラストマーを、
    となるように選択するステップと、
    前記エチレン系エラストマーの粒子を前記プロピレン系ポリマーのマトリックスにブレンドするステップであって、該プロピレン系ポリマーが連続相であり、該エラストマーが不連続相であるステップと、
    ブレンドを、8,000sec−1から12,000sec−1のせん断速度にかけて前記エラストマーの粒子を細長い粒子にするステップと、そして、
    ブレンドを、ASTM D 1003に従って測定して15%未満のヘイズ値を有する成形品に形成するステップと
    を含む方法。
  2. 前記細長いエラストマー粒子が平均粒子幅の少なくとも10倍の平均長さを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 連続相であるプロピレン系ポリマーであって、ASTM D 542に従って測定された1.495から1.505の屈折率(n1)およびASTM D 1238に従って230℃/2.16kgで測定された0.5g/10minから100g/10minのメルトフローレート(MFR)を有するプロピレン系ポリマーを60wt%から99wt%、
    前記プロピレン系ポリマー中に分散され、不連続相であるエチレン系エラストマー粒子であって、ASTM D 542に従って測定された1.470から1.497の屈折率(n2)およびASTM D1238に従って190℃/2.16kgで測定された0.5g/10minから30g/10minのメルトインデックス(MI)を有し、平均粒子幅の少なくとも10倍の平均長さを有する細長いエチレン系エラストマー粒子を40wt%から1wt%含み、
    |n1−n2|>0.008であるポリマー組成物であって、
    該ポリマー組成物はASTM D 1003に従って測定された15%未満のヘイズ値および>0.28の粘度比(VR)を有し、ここで

    であるポリマー組成物を含む、射出成形品。
  4. 前記細長いエラストマー粒子が、5nmから200nmの平均幅を有する、請求項3に記載の成形品。
  5. プロピレン系ポリマーが有核プロピレン/エチレンランダムコポリマーである、請求項3または4に記載の成形品。
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