JP5619717B2 - 放射線検出器用電源回路およびそれを用いた半導体放射線検出装置 - Google Patents

放射線検出器用電源回路およびそれを用いた半導体放射線検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射線検出器に印加するバイアス電圧を制御する放射線検出器用電源回路、およびそれを用いた半導体放射線検出装置に関する。
テルル化カドミウムを使用した半導体放射線検出器において、連続して検出器にバイアス電圧を印加していると印加時間の長さに応じて検出特性が悪化するような不安定現象が知られている。この現象はポーラリゼーション現象と呼ばれ、その進行を防ぐためには、例えば30秒から5分程度の一定の間隔で定期的にバイアス電圧をオフ(OFF)すればよい。この操作をリフレッシュと呼ぶ。なお、リフレッシュ時の電圧オフの時間は、測定が中断するため、極力短時間の方が良く、高速でバイアス電圧をオン・オフすることが望ましい。
このリフレッシュ時のオン・オフ動作に関連して、特許文献1には、バイアス電源と放射線検出器との間にノイズフィルタ回路を設けるとともに、バイアス電圧伝達回路を設け、バイアス電圧を印加している状態ではノイズフィルタ回路を動作させ、バイアス電圧をオン・オフする状態ではバイアス電圧伝達回路を動作させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、被検体が搭載されたベッドの断続的移動に同期して、検出器に電圧を印加するコンデンサへの充放電電流を定電流装置から供給する核医学診断装置に関する技術が開示されている。
ここで、核医学診断装置というのは、放射線濃度分布を測定する機能を有するものであり、そのため多数の放射線検出器を並べて放射線濃度分布のイメージが得られるようになっている。すなわち核医学診断装置は、多数の放射線検出器を使用している。
一方、テルル化カドミウムのような半導体放射線検出器では、放射線が結晶内で電荷に変換され、その電荷量を測定することで放射線のエネルギーが測定される。このとき、電荷量の正確な測定のためには、あらかじめ回路要素の一つであるコンデンサに充分な量の電荷を蓄積しておき、検出器で生じた電荷をスムーズに流すことが重要である。
すなわち、検出器が多いほど静電容量の大きなコンデンサが必要となる。特に検出器が1個ずつ専用のコンデンサを持つことが必要な場合、検出器数に比例して静電容量の大きいコンデンサが搭載される。
リフレッシュ時には、回路要素に含まれる静電容量の充放電、特に充電は高圧電源からの供給電流により行うが、充電を高速に行うためには大きな供給電流が必要となる。特に放射線検出器を多数使用するイメージング検出器において大きな電流が流れる。
この多数の放射線検出器を用いることに関連して、特許文献2には、マトリクス読出しと呼ばれる信号読出し方式が開示されている。
また、特許文献3には、リフレッシュの必要性がテルル化カドミウム放射線検出器に関して記載されていて、検出器へのバイアス電圧を一時的にオフして復帰させ、かつそれを高速に実行するための電源回路が開示されている。
特許第4747195号公報 特許第3938189号公報 米国特許第7154100号明細書
しかしながら特許文献1の技術では、放射線検出器を多数使用するイメージング検出器において、大きな供給電流が必要となり、高価かつ大型の高圧電源装置が必要となる。
また、特許文献2の技術では、マトリクス読出しと呼ばれる信号読出し方式を使用する場合においては、さらに大きな供給電流が必要となり、一層、高価かつ大型の高圧電源装置が必要となるという問題がある。
また、特許文献3の技術では高圧電源装置からの供給電流が小さく、静電容量を充電するためにはリフレッシュ期間と比較して無視できないほどの長大な時間を要するという問題がある。
そこで、本発明はこのような問題点を解決するものであって、その目的は、リフレッシュ後の検出器に印加する電圧を速やかに復帰し、かつ廉価で供給電流の小さい高圧電源装置にも対応可能な放射線検出器用電源回路を提供することである。
前記の目的を達成するために、各発明を以下のような構成にした。
すなわち、本発明の放射線検出器用電源回路は、放射線検出器にバイアス電圧を印加する放射線検出器用電源回路であって、高圧電源装置の出力に並列に接続され、電荷を蓄積するバッファコンデンサと、前記バッファコンデンサから電力を入力し、所定の電圧に変換かつ調整維持し、前記放射線検出器を所定の周期でリフレッシュするリフレッシュ制御回路に前記所定の電圧の電力を出力する電圧レギュレータ回路と、を備えることで、前記電圧レギュレータ回路は、前記リフレッシュ制御回路が前記放射線検出器に前記電圧レギュレータ回路のバイアス電圧の印加をオフしてから再度オンしたときの電圧回復期に前記バッファコンデンサが蓄積した電荷を利用して前記放射線検出器への充電を行い、前記バッファコンデンサは、前記電圧回復期に所定の電圧まで回復、充電されることを特徴とする。
また、本発明の半導体放射線検出装置は、前記放射線検出器用電源回路と、前記放射線検出器と、を備えた半導体放射線検出装置であって、前記放射線検出器を構成する材料がテルル化カドミウム、あるいはテルル化亜鉛カドミウム、あるいは臭化タリウムであることを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、リフレッシュ後の検出器に印加する電圧を速やかに復帰し、かつ廉価で供給電流の小さい高圧電源装置にも対応可能な放射線検出器用電源回路を提供できる。
本発明の放射線検出器用電源回路の第1実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。 本発明の放射線検出器用電源回路の第1実施形態のリフレッシュ制御の仕方を示すリフレッシュコントローラによる出力電圧の波形とバッファコンデンサの電圧波形を示したものである。 本発明の放射線検出器用電源回路の第2実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。 本発明の放射線検出器用電源回路の第2実施形態のリフレッシュ制御の仕方を示すリフレッシュコントローラによる出力電圧の波形とバッファコンデンサの電圧波形を示したものである。 本発明の放射線検出器用電源回路の第3実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。 本発明の放射線検出器用電源回路の第3実施形態の検出器ユニットの電圧波形と、バッファコンデンサの電圧波形を示したものである。 本発明の放射線検出器用電源回路の第4実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。 本発明の放射線検出器用電源回路の第5実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。 従来の放射線検出器用電源回路の例を参考回路として示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の放射線検出器用電源回路の第1実施形態を、図1、図2を参照して説明する。
図1は、本発明の放射線検出器用電源回路の第1実施形態と、関連する回路、装置との構成を示す回路図である。
<放射線検出器用電源回路の構成>
高圧電源装置10の出力にバッファコンデンサ11が並列に接続されていて、バッファコンデンサ11は、高圧電源装置10の出力である直流電圧の略−800Vで充電されている。
また、バッファコンデンサ11は、電圧レギュレータ回路12の入力端子に並列に接続されていて、電圧レギュレータ回路12の入力端子にバッファコンデンサ11に蓄積された電荷を供給している。
電圧レギュレータ回路12は、入力した直流電圧の略−800Vを略−500Vに変換して出力するとともに、入力電圧の変動に対しても、出力電圧(略−500V)を一定に保つように調整する制御をしている。
電圧レギュレータ回路12の出力は、リフレッシュコントローラ13に入力される。
なお、以上において、バッファコンデンサ11と電圧レギュレータ回路12が本実施形態の放射線検出器用電源回路の必須要素である。
<放射線検出器用電源回路に関連する回路の構成>
図1において、リフレッシュコントローラ13は、電圧レギュレータ回路12の出力電圧(略−500V)と0Vとを周期的に切り換える機能を有する回路で構成されている。
なお、リフレッシュコントローラ13が出力電圧を切り換えて、放射線検出器(41、43)へのバイアス電圧を制御する方法については後記する。
リフレッシュコントローラ13の出力端子は、抵抗14とコンデンサ15で構成されるローパスフィルタ回路(以下、適宜、「ローパスフィルタ」と略す)45に接続されている。リフレッシュコントローラ13の出力で制御された出力電圧は、ローパスフィルタ45で高周波の雑音が除かれた後、バイアス抵抗17を経由して検出器ユニット41に搭載されている各検出器(43)へ送られる。
なお、バイパス回路16は、抵抗14に並列に接続されている。また、バイパス回路18は、バイアス抵抗17に並列に接続されている。このバイパス回路16およびバイパス回路18は、リフレッシュのときの急激な電圧変化のみを、放射線検出器側の検出器ユニット41に搭載されている各検出器へ伝達するための回路となっており、具体的にはツェナーダイオード(Zener diode)やPINダイオード(p-intrinsic-n Diode)等が使用される。
<放射線検出器の検出回路>
検出器ユニット41は、16個の検出器43が行列状に構成されている。検出器43は、ダイオードで表記され、ダイオード(43)におけるアノード側に負電圧、カソード側に正電圧を印加する逆バイアスで使用される。
図1では、横に並ぶ検出器4個のアノードが一括接続され、また縦に並ぶ検出器4個のカソードが一括接続されている。
1行目のアノード線101を通る信号は、読出し回路28に入力し、増幅されて出力端子128から出力される。同様に、2行目のアノード線102を通る信号は、読出し回路29に入力し、増幅されて出力端子129から出力される。3行目のアノード線103を通る信号は、読出し回路30に入力し、増幅されて出力端子130から出力される。4行目のアノード線104を通る信号は、読出し回路31に入力し、増幅されて出力端子131から出力される。
また、1列目のカソード線201を通る信号は、読出し回路32に入力し、増幅されて出力端子132から出力される。同様に、2列目のカソード線202を通る信号は、読出し回路33に入力し、増幅されて出力端子133から出力される。3列目のカソード線203を通る信号は、読出し回路34に入力し、増幅されて出力端子134から出力される。4列目のカソード線204を通る信号は、読出し回路35に入力し、増幅されて出力端子135から出力される。
また、カソード線201〜204は、それぞれ各接地抵抗19を介してグランドGに接続されている。
なお、読出し回路28〜35は、それぞれ入力端子に結合コンデンサ20〜27を備えている。結合コンデンサ20〜27から入力した信号は、アンプとコンデンサと抵抗とを備えた演算増幅器で所望の信号の抽出と増幅とを行い、さらにバッファによって増幅処理されて出力端子128〜135からそれぞれ検出信号を出力する構成となっている。
<信号の読み出し方>
信号の読み出し方について説明する。
ガンマ線(放射線)42が検出器ユニット41に備えられたひとつの検出器43に入射すると、ガンマ線のエネルギーが電気信号として検出され、アノード線101を介して読出し回路28と、また、カソード線202を介して読出し回路33とに同時に信号が発生する。
この二つの信号が検出されることによって、同時に信号が生じた線が交差する場所、すなわち検出器43がガンマ線(放射線)42の入射位置と特定できる(同時性を判定する回路は図示せず)。
図1に示した放射線検出器(検出器ユニット41)の構成は、マトリクス接続と呼ばれ、16個の検出器(43)に対して読出し回路28〜35は、その半分の8回路で構成されている。
<リフレッシュ制御について>
次に、放射線検出器のリフレッシュ制御について説明する。
前述したように、例えばテルル化カドミウムを使用した半導体放射線検出器において、連続してバイアス電圧を印加していると、時間とともに検出特性が悪化する不安定現象があることが知られている。この現象はポーラリゼーション現象と呼ばれ、その進行を防ぐためには、所定の間隔でバイアス電圧をオフするリフレッシュ制御を行う必要がある。
図2は、前述のポーラリゼーション現象からの検出特性が悪化するのを防止するために、リフレッシュ制御の仕方を示すものであって、リフレッシュコントローラ13(図1)による出力電圧51(51A、51B)の波形とバッファコンデンサの電圧波形55(55A、55B)を示したものである。
図2において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表している。
リフレッシュコントローラ13は、電圧レギュレータ回路12(図1)の出力電圧−500Vと0Vを所定の期間で切り換える。
リフレッシュコントローラ13の出力電圧51(51A、51B)は、大部分の時間である期間503において、電圧レギュレータ回路12の出力電圧−500V(51A)をそのまま検出器ユニット41(図1)側へ伝達する。また、期間504の周期ごとにオフの期間502において0V(51B)を出力する。この出力電圧−500V(51A)の期間503と0V(51B)の期間502とが周期的に繰り返される。
次に、図2の出力電圧51(51A、51B)に示した電圧制御を行う理由を述べる。
図1における放射線の検出器ユニット41は、テルル化カドミウム(CdTe)結晶で構成される検出器となっている。
このテルル化カドミウム検出器は、バイアス電圧を継続して印加し続けると数分程度で結晶内に電荷蓄積する”ポーラリゼーション”と呼ばれる現象が生じることが知られている。ポーラリゼーションが生じると結晶内部の電界分布が変化して放射線入射で生じた電荷の収集が正常にできなくなり、放射線検出特性が著しく悪化する。
しかしこの現象は恒久的なものではなく、バイアス電圧を一度オフすれば、蓄積した電荷は、自然に中和されてもとの正常状態に戻る。
そのため、図2の出力電圧51(51A、51B)の波形に示したように、期間504の周期毎にオフ時間である期間502を設けることで放射線検出特性を一定に維持させることができるのである。
この周期的にバイアス電圧をオフ、すなわち0Vとする操作をリフレッシュと呼ぶ。リフレッシュの周期の期間504およびオフの期間502は、検出器に使用するテルル化カドミウム素子の厚さや電圧に依存するが、代表的な数値としては期間504、もしくは期間503が概ね30秒、オフの期間502の時間は30ミリ秒程度とすればよい。
この条件では、測定時間に対するリフレッシュによる測定不能時間の割合は0.1パーセントとわずかであり、事実上、無視できる。
このようにして、リフレッシュコントローラ13で周期的に電圧を0Vにする。
なお、図2において、電圧波形55(55A、55B)は、バッファコンデンサ11(図1)の電圧波形である。充分に充電されたバッファコンデンサ11の電圧は、略−800Vである。
しかし、リフレッシュ制御によって、検出器ユニット41(図1)にリフレッシュコントローラ13(図1)から短時間に0Vが印加された後に、再度、電圧レギュレータ回路12(図1)の電圧(−500V)を印加すると、電圧レギュレータ回路12は検出器ユニット41、検出器(43)を作動状態に戻すために0Vを−500Vに充電する必要がある。
したがって、電圧レギュレータ回路12は、多量の電荷(電力)を必要として、バッファコンデンサ11から多量の電荷の供給を受ける。このために、バッファコンデンサ11は多量の電荷を放出し、コンデンサ両端の電圧の絶対値が急激に低下する(電圧波形55B、期間505)。
ただし、コンデンサ両端の電圧の絶対値は、−500Vまでには低下しない低下電圧54(略−533V、この数値の根拠については後述する)で、回復を始める。
この電圧の回復は、期間505に放出した電荷分を既に補ったために、回復期に入ったことを示している。期間503に入ると、バッファコンデンサ11は電圧レギュレータ回路12に電荷を供給し続けるとともに、バッファコンデンサ11自身もコンデンサ電圧を指数関数的に回復して期間503の間に再び略−800Vに達する。
なお、バッファコンデンサ11の電圧波形55Bは、リフレッシュコントローラ13の出力電圧51が0Vから−500Vに変化する非常な短時間(期間505)に急激に変化している。この変化はバッファコンデンサ11が多量の電荷を電圧レギュレータ回路12に供給しているとともに、多量の電荷を供給する能力があるように設定されていることを示している。
また、バッファコンデンサ11の電圧波形55Aは、電圧波形55Bに比較して緩やかに変化している。これは、高圧電源装置10(図1)の電流(電荷)供給能力がさほど高くなくても期間503内に回復すればよいことを示している。
また、電圧波形55Bと電圧波形55Aの電圧変化率の相違は、バッファコンデンサ11の電荷供給能力が高圧電源装置10の電流(電荷)供給能力よりもかなり高いことを意味している。また、高圧電源装置10の電流(電荷)供給能力が低くてもよいことを示している。
なお、本発明の第1実施形態において、高圧電源装置10の電流(電荷)供給能力が低くとも使用可能であるのは、第1の理由として、バッファコンデンサ11と電圧レギュレータ回路12を備え、短時間(期間505)で多量の電荷(電力)を供給する必要があるときには、バッファコンデンサ11に蓄積した電荷を供給するからである。
また、第2の理由として、充分な時間のある回復期の期間503において、時間をかけて高圧電源装置10がバッファコンデンサ11の電圧を充電して回復させる方式をとるからである。
また、第3の理由として、電圧レギュレータ回路12によって、期間503の検出器にかける電圧を概ね一定に保つからである。
<放射線検出器の構成の特徴>
図1に示した放射線検出器の構成は、前述したように、マトリクス接続と呼ばれ、16個の検出器(43)に対して読出し回路28〜35は、その半分の8回路で構成されている。したがって、検出器数に対する読出し回路数の削減を図った回路となっている。
以上のようにマトリクス接続では検出器数より少ない読出し回路数ですむという利点があるが、一方でバイアス電圧を充電する静電容量が大きくなるという課題がある。
すなわちアノード線101〜104に接続された4個のバイアス抵抗17には、4個の結合コンデンサ20〜23が接続されており、これらは全て高電圧に充電する必要がある。さらに検出器ユニット41が1システムに25個搭載されるとすると、1個の検出器ユニット41に対して4個ある結合コンデンサ20〜23を合計100個、充電する必要がある。
なお、カソード線201〜204にそれぞれ接続された結合コンデンサ24〜27は、高電圧に充電する必要がない。したがって、リフレッシュコントローラ13が充電する対象から外し、考慮していない。
<バッファコンデンサの電荷供給能力>
結合コンデンサ20〜23がそれぞれ1000pF、ローパスフィルタ用のコンデンサ15が0.1μFとすると、検出器ユニット41が25個ある場合に、合計の静電容量は0.2μFとなる(1000pF×4×25+0.1μF=0.2μF)。
ここでバッファコンデンサ11を0.4μFとすると、図2のバッファコンデンサ電圧55の電圧波形に示したように、バッファコンデンサ11を−800Vに充電しておけば、リフレッシュコントローラ13によってリフレッシュ直後の0Vの状態でバッファコンデンサ11を検出器側に接続しても、バッファコンデンサ11の電圧波形55は、期間505において、低下電圧54の略−533Vに低下するだけである。
そのため電圧レギュレータ回路12の出力は、常に−500Vに保つことができ、検出器ユニット41に印加される電圧は、即座に−500Vまで立ち上げることができる。
なお、バッファコンデンサ電圧55の電圧波形が最も低下したときの電圧である低下電圧54が、略−533Vであることの具体的な根拠を以下に示す。
前記した各要素の設定値に対して、バッファコンデンサ11に当初蓄積されている電荷Qが、
Q=(0.4μF)×(−800V)、であり、
バッファコンデンサ11を検出器側に接続したときの低下電圧をVminとすれば、
Q=(0.4μF+0.2μF)×(Vmin)、であるので、
(0.4μF)×(−800V)=(0.4μF+0.2μF)×(Vmin)
の関係式から、Vmin=−533Vと算出できる。
次に、期間503において、バッファコンデンサ11は、高圧電源装置10により低下電圧54の略−533Vから−800Vまで充電される。このとき、−800Vまで充電に要する時間は、次の通りである。
高圧電源装置10の内部抵抗は10MΩであるので、バッファコンデンサ11との時定数は4秒(0.4μF×10MΩ)である。実用的には、時定数の2倍から3倍の時間で充電は完了(満充電)する。したがって、8秒ないし12秒の時間があればよい。
図2のバッファコンデンサ電圧55の電圧波形に示したように、次回のリフレッシュまでの時間(期間)は概ね30秒である。この30秒という時間は、8秒ないし12秒の時間より充分に大きいので、次回のリフレッシュまでの時間の30秒の間には、−800Vへの充電が完了する。
ここで高圧電源装置10が供給すべき電流は、−800Vで10MΩ、すなわち80μAで充分である(800V/10MΩ=80μA)。
このように供給能力が小さい高圧電源装置10を使用しても、リフレッシュ直後の電圧立ち上がり時間は制限を受けない。厳密には電圧レギュレータ回路12やリフレッシュコントローラ13の許容電流値で制限を受けるため、本実施形態では50ミリアンペアに制限しており電圧の立ち上がり時間は2msとなった。
それでも2msであれば前述したオフ時間(オフ期間)502の30msに対して充分小さいので、要求される特性を満たす回路構成と装置となっている。
《バッファコンデンサの静電容量値の設定》
また、第1実施形態において、バッファコンデンサ11の静電容量(静電容量値)の設定の仕方について説明する。
バッファコンデンサ11の静電容量をC0、充分に充電されたときのバッファコンデンサ11の電圧(電圧値)をV0、放射線検出器の電気回路要素の静電容量をC1、電圧レギュレータ回路12が放射線検出器の電気回路要素へ印加する電圧をV1として、
C0×V0>(C0+C1)×V1 ・・・ (1式)
と設定することである。
なお、C0×V0は、バッファコンデンサ11に蓄積される電荷の総量であり、(C0+C1)×V1は、静電容量の合計値に(C0+C1)に放射線検出器の電気回路要素へ印加する電圧V1として電荷を分配したときの電荷の総量であるので(1式)の関係が成立すれば、放射線検出器の電気回路要素へV1の電圧を印加するに充分な電荷をバッファコンデンサ11が蓄積できることを意味している
なお、放射線検出器の電気回路要素の静電容量をC1とは、リフレッシュコントローラ13の出力端子から検出器ユニットや読出し回路28〜35の方を計測したときの静電容量値である。主なものとしては、コンデンサ15、結合コンデンサ20〜27、検出器ユニット41の各検出器43がある。さらに静電容量C1には、抵抗14、バイアス抵抗17の回路の信号線に寄生する静電容量や信号線に接続された関連する回路の寄生容量も含まれる。以上の静電容量値の合成値としてリフレッシュコントローラ13の出力端子で計測される静電容量値である。
また、検出器ユニット41や読出し回路28〜35の個数が増加すれば、それに応じて放射線検出器の電気回路要素の静電容量C1は増加する。
また、放射線検出器の電気回路要素への電圧V1とは、リフレッシュコントローラ13の出力端子における電圧である。
<参考回路>
次に、第1実施形態におけるバッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12の機能、効果を明確に示すために、バッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12のない回路を参考回路として示しその相違を説明する。
図9は、従来の放射線検出器用電源回路の例を参考回路として示す図である。
図9は、図1に示した第1実施形態の放射線検出器用電源回路から、バッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12を除いたもので、他の構成要素は全く同一である。したがって、重複する説明は省略する。
図9においては、高圧電源装置10の出力電圧がリフレッシュコントローラ13に直接接続されている。
《第1例》
図9に示した参考回路でリフレッシュを行ったところ、リフレッシュ直後の電圧を0Vから−500Vまで立ち上げるのに要した時間は約10秒であった。
この約10秒の時間は、オフ時間である30msよりはるかに長く、計測が中断する時間として無視できないものである。
これは高圧電源装置10の内部抵抗が10MΩと高く、充電のための電流が充分に供給できなかったためである。
《第2例》
そこで、さらに高圧電源装置10を最大電流供給能力が5mAで、内部抵抗が1kΩの大型の高圧電源に取り換えたが、リフレッシュ直後の電圧を0Vから−500Vまで立ち上げるのに要した時間は約20msであった。
この約20msという値は、本発明の第1実施形態である図1の回路で得られた、図2におけるオフの期間502が30msに近い値となる。したがって、リフレッシュ開始からバイアス電圧の復帰までに少なくとも50msを要することを意味している。
すなわち本発明の第1実施形態では、高圧電源装置10が最大80μAの供給電流で検出器電圧の立ち上がり時間は2msであったのに対して、図9の参考回路では高圧電源装置10が5mA供給しても立ち上がり時間に20msも要していた。
以上、本発明の第1実施形態は、従来の参考回路の形態より、はるかに小さい供給電流で、検出器電圧の立ち上がり時間を大幅に短縮できる効果があることを示している。この効果は、図1の第1実施形態において、バッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12を備えたことによるものである。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態として、さらに電流供給能力が小さくてすむ実施形態を図3、図4を参照して説明する。
図3は、本発明の放射線検出器用電源回路の第2実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。
図3は、図1に示した第1実施形態の放射線検出器用電源回路において、高圧電源装置60とバッファコンデンサ11との間に定電流回路65を追加して挿入したものである。
なお、高圧電源装置60と図1の高圧電源装置10と符号を変えたのは、後記するように、高圧電源装置60は高圧電源装置10(図1)に比較してさらに性能の低い高圧電源装置でもすむ可能性があることを示すためである。また、他の構成要素は基本的に同一である。したがって、重複する説明は省略する。
図4は、図2と同じように、前述のポーラリゼーション現象からの検出特性が悪化するのを防止するための、リフレッシュ制御の仕方を示すものであって、リフレッシュコントローラ13(図3)による出力電圧71(71A、71B)の波形を示したものである。
図4において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表している。
図4と図2との異なる点は、期間703におけるバッファコンデンサ11の電圧波形が直線的な変化で再充電されていることである。なお、図2において、期間503におけるバッファコンデンサ11の電圧波形は、指数関数的な変化で再充電されている。
この「直線的な変化」と「指数関数的な変化」との差は、定電流回路65の有無によるものである。この電圧波形による差異と効果を次に説明する。
図3において、高圧電源装置10は、最大供給電流20μA、内部抵抗1kΩのものを使用し、その出力は定電流回路(定電流装置、電流制御回路)65を経由してバッファコンデンサ11に接続されている。
第2実施形態では、高圧電源装置10の出力は電流制御の機能を有する定電流回路65によって、電流の上限値が10μAに制限されている。
それでも図4に示したように、検出器ユニット41に印加される出力電圧71(71A、71B)は図2における出力電圧51(51A、51B)と同一である。異なるのはバッファコンデンサ11の出力電圧75(75A、75B)における電圧波形75Aの波形の形状である。
すなわち、図2においては前記したようにバッファコンデンサ11の電圧波形55Aは、リフレッシュ直後に−800Vまで復帰するのに指数関数的に変化した。これは高圧電源装置10の内部抵抗(図示せず)とバッファコンデンサ11との時定数で決まる変化を示している。
一方、第2実施形態では定電流回路65が電流を10μAに定電流化(制限)しているので、電圧波形75Aのリフレッシュ直後の−800Vまでの復帰は直線的に行われる。
それでもリフレッシュ直後の低下電圧74は−533Vであり、バッファコンデンサ11の静電容量0.4μFを−800Vまで復帰させるのに10μAでは10.7秒要するだけであって、リフレッシュ間隔704の30秒より充分短い。
なお、−800Vまで復帰させる10.7秒間においても、電圧レギュレータ回路12が略−500Vをリフレッシュコントローラ13に供給しているので、リフレッシュ間隔704の30秒間までにバッファコンデンサ11は−800Vまで復帰すればよい。
すなわち高圧電源装置60が供給する電流は10μAですむことになり、これは第1実施形態の80μAの1/8である。
この効果を生む要因は、定電流回路65を高圧電源装置60とバッファコンデンサ11との間に追加して挿入したことによる。
定電流回路65によって、一定の電流をバッファコンデンサ11に流すことにより、満充電(フル充電)に近づいても一定の電流がバッファコンデンサ11に供給されるので、直線的な特性(電圧波形75A)で満充電に早く達する。
また、定電流回路65によって、電流値が一定の電流値より大きく流れることを制限されるので、高圧電源装置60の電流供給能力は、定電流回路65に流れる以上の電流値を超えないので、少ない電流供給能力ですむ。
なお、図2に示した定電流回路のない第1実施形態においては、図3に示すように、バッファコンデンサ11は指数関数的な波形の電圧波形55Aで充電されるので、満充電に近づくと充電のされ方が緩やかになり、満充電に達するのに長い時間を要する。
また、バッファコンデンサ11は指数関数的な波形の電圧波形55Aで充電されるので、充電が開始される当初においては、大きな電流が流れる。したがって、この充電が開始される当初において、高圧電源装置60の高い電流供給能力が要求されるので、高い機能の高価な高圧電源装置60が必要となるのである。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態として、高圧電源装置80、83、バッファコンデンサ81、84、電圧レギュレータ回路82、85を正極性用と負極性用として2組、用いた実施形態を図5、図6を参照して説明する。
図5は、本発明の放射線検出器用電源回路の第3実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。
図5において、図1と異なるのは、高圧電源装置80とバッファコンデンサ(第1のバッファコンデンサ)81と電圧レギュレータ回路(第1の電圧レギュレータ回路)82が正極性の放射線検出器用電源回路として備えら、また、高圧電源装置83とバッファコンデンサ(第2のバッファコンデンサ)84と電圧レギュレータ回路(第2の電圧レギュレータ回路)85が負極性の放射線検出器用電源回路として備えられていることである。
また、検出器ユニット91は、等価的にはダイオードではなく高抵抗体である臭化タリウム(TlBr)結晶を用いていることである。なお、他の構成要素は基本的に同一である。したがって、重複する説明は省略する。
第3実施形態における検出器ユニット91は、前記したように臭化タリウム結晶を用いたものである。臭化タリウム結晶の場合、等価的にはダイオードではなく高抵抗体であるため、ダイオードによる表記はしていない。
臭化タリウム結晶は、安定動作の観点から、バイアス電圧の極性を定期的あるいは不定期的に反転させて使用する場合がある。バイアス電圧の極性を定期的にあるいは不定期的に反転させることがリフレッシュ制御となる。第3実施形態は、そのような場合に対応したものである。
すなわち正極性の高圧電源装置80および負極性の高圧電源装置83の両方を使用し、それぞれにバッファコンデンサ81およびバッファコンデンサ84を使用する。また、それぞれに電圧レギュレータ回路82および電圧レギュレータ回路85を使用する。
なお高圧電源装置80、83は、ともに内部抵抗が10MΩである。バイアス電圧極性切換回路(リフレッシュコントローラ)86は、検出器ユニット91に印加すべき電圧の極性の正負を切り換える機能を有している。
また、図5のバイアス電圧極性切換回路86は、図1におけるリフレッシュコントローラ13に対応している。リフレッシュコントローラ13は、負極性の電圧レギュレータ回路12の電圧と短い期間の0Vとの間を切り換えていたが、図5のバイアス電圧極性切換回路86は、前記したように正負の電圧レギュレータ回路82、85の出力電圧を切り換えている。
なおバイアス電圧極性切換回路86と検出器ユニット91との間の回路は、第1実施形態におけるリフレッシュコントローラ13と検出器ユニット91との間の回路と同一のため、重複する説明は省略する。
図5において、高圧電源装置80は+800Vを出力し、高圧電源装置83は−800Vを出力している。バッファコンデンサ81は、静電容量1μFを有していて、+800Vに充電されている。また、バッファコンデンサ84も静電容量1μFを有していて、−800Vに充電されている。
この図5の回路におけるリフレッシュ動作を次に説明する。
<リフレッシュ制御とバッファコンデンサ電圧波形>
図6は、図5における検出器ユニット91に印加するバイアス電圧極性切換回路86の出力電圧601、バッファコンデンサ81の電圧603(603A、603B)、バッファコンデンサ84の電圧602(602A、602B)のそれぞれの電圧波形を示したものである。
図6において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表している。
出力電圧601は、周期604で極性を反転させるが、ここではその設定時間を8分とした。出力電圧601が+500Vから−500Vに切り替わると、電圧602(602B)は−800Vから−583Vまで低下する。
この電圧低下は次の理由による。バイアス電圧極性切換回路86から検出器ユニット91側への負荷容量0.2μFが+500V、すなわち+0.1ミリクーロンの電荷が蓄積していたのに対し、バッファコンデンサ84は1μFに−800V、すなわち−0.8ミリクーロンの電荷が蓄積していた。
そこでバイアス電圧極性切換回路86によって正電圧が負電圧に切り換えられると、
+0.1−0.8=−0.7ミリクーロンの電荷が負荷容量0.2μFとバッファコンデンサ84の容量1μFとの和である1.2μFに分配される(−0.7×10−3C/1.2μF=−583V)。その結果、バッファコンデンサ84の電圧は一時的に−800Vから−583Vまで低下する。
なおバッファコンデンサ84とバイアス電圧極性切換回路86との間には、電圧レギュレータ回路85があるために、バッファコンデンサ84の電圧変動はバイアス電圧極性切換回路86へ伝達されず、常に−500Vに保たれる。
バッファコンデンサ84は、次の正電圧から負電圧への切り換えの時間、すなわち電圧反転の周期604の2倍の時間、すなわち16分以内に−800Vに復帰すればよい。
第3実施形態では、高圧電源装置83によって充電されて、30秒ほどで−800Vに復帰するため、次の極性切換え時も全く同じ動作が可能である。
また、30秒で1μFを−800Vまで復帰させるための高圧電源装置83の電流供給能力は80μAあれば充分である。
以上、正電圧から負電圧に切換える動作に関して述べたが、負電圧から正電圧に切り換える場合も同様である。
なお極性切換えに要する時間は(期間605)、バイアス電圧極性切換回路86および電圧レギュレータ回路82、電圧レギュレータ回路85の最大電流50mAで制限されるが、切換え時間は高々4msであり、切換えの周期604が8分であるのに対して充分短い。そのため測定の中断は問題とはならない。
極性が反転すると信号の極性も反転するが、それは読出し回路28〜35よりも後段の回路(図示せず)で切換えを行う。
第3実施形態において、80μAという小さい電流供給能力の高圧電源を使用した場合でも0.2μFの負荷容量を−500Vから+500V、あるいは、その逆に関しても4msという高速で切換えることが可能であった。
一方、第3実施形態を適用しない、すなわちバッファコンデンサ81、84、電圧レギュレータ回路82、85を用いない場合は、時定数2秒で電圧が切り替わるため、測定中断時間が極めて長くなっている。
これを高速化するためには、電流供給能力が大きい高圧電源装置が必要となってしまい、大型化や高コスト化などの不都合が生じる。
《バッファコンデンサの静電容量値の設定》
なお、第3実施形態において、バッファコンデンサ(第1のバッファコンデンサ)81およびバッファコンデンサ(第2のバッファコンデンサ)84の静電容量値の設定の仕方について説明する。
バッファコンデンサ81、84の静電容量(静電容量値)をともにC0、充分に充電されたときのバッファコンデンサ81の電圧(電圧値)を+V0、充分に充電されたときのバッファコンデンサ84の電圧(電圧値)を−V0とする。
また、放射線検出器の電気回路要素の静電容量をC1、電圧レギュレータ回路82が放射線検出器の電気回路要素へ印加する電圧を+V1、電圧レギュレータ回路85が放射線検出器の電気回路要素へ印加する電圧を−V1とする。
このときに、
C0×V0>(C0+C1)×V1×2 ・・・ (2式)
と設定することである。
なお、C0×V0は、バッファコンデンサ81、84にそれぞれ蓄積される電荷の総量であり、(C0+C1)×V1×2は、静電容量の合計値に(C0+C1)に放射線検出器の電気回路要素へ印加する電圧+V1を−V1の状態から電荷を再分配したときの電荷の総量であるので(2式)の関係が成立すれば、放射線検出器の電気回路要素へV1の電圧を印加するに充分な電荷をバッファコンデンサ81,84が蓄積できることを意味している。
また、(1式)の右辺と比較して(2)式の右辺が2倍となっているのは、(1)式が0からV1とするのに対し、(2)式では、−V1から+V1へと電圧が2倍の2V1となっているためである。
なお、放射線検出器の電気回路要素の静電容量C1とは、バイアス電圧極性切換回路(リフレッシュコントローラ)86の出力端子から検出器ユニット91や読出し回路28〜35の方を計測したときの静電容量値であり、主なものとしては、コンデンサ15、結合コンデンサ20〜23、検出器ユニット91の各検出器92がある。
さらに静電容量C1には、抵抗14、バイアス抵抗17の回路の信号線に寄生する静電容量や信号線に接続された関連する回路の寄生容量も含まれる。また、検出器ユニット91や読出し回路28〜35の個数が増加すれば、それに応じて放射線検出器の電気回路要素の静電容量C1は増加する。
また、放射線検出器の電気回路要素への電圧V1とは、バイアス電圧極性切換回路(リフレッシュコントローラ)86の出力端子における電圧である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。
図7は、本発明の放射線検出器用電源回路の第4実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。
図7において、第1実施形態および第2実施形態と検出器ユニット41は同じであるが、検出器ユニット41と読出し回路などの検出回路との接続方法が異なるものを示す。
アノード線7mn(m=1〜4、n=1〜4、m×n=16)は、検出器ユニット41に搭載されている16個の検出器と同じ数の16本がある。また、読出し回路428〜443も16個の読出し回路から構成されている。そして、16本のアノード線7mnの信号を読出し回路28〜43はそれぞれ検出している。
すなわち16個の各検出器は、16個の個別の専用の読出し回路428〜443で信号が検出される。なお、アノード線7mnは5本のみ図示され、読出し回路428〜443は最初の5個と最後の1個の計6個のみが図示されている。
このような回路を使用すると読出し回路数は多く必要となるものの、高計数率における追従性や、検出器の片側の電極が接地できるため配線が単純化できるなどの利点がある。
また放射線42の入射位置と検出器との位置が1対1に対応した場所から信号が出るため、放射線42の入射位置特定が容易という利点もある。
例えば放射線42が検出器43に入射すると読出し回路429のみに出力信号が生じ、検出器43への放射線42の入射が検出される。
実際の接続としては、検出器のダイオードの極性で表わされるアノード側が読出し回路に接続され、カソード側のカソード線201〜204は抵抗を介さずに接地されている。
《回路動作》
次に第4実施形態の回路動作に関して説明する。内部抵抗10MΩの高圧電源装置10は、バッファコンデンサ11を充電するために接続されている。バッファコンデンサ11は、通常−800Vに充電されるが、電圧レギュレータ回路12によりリフレッシュコントローラ13には−500Vが供給される。リフレッシュコントローラ13は、検出器(41、43)側に対して電圧レギュレータ回路12の出力とグランド電位(0V、G)とを切り換えるために使用される。
リフレッシュコントローラ13を使用する理由に関しては、第1実施形態での説明と同様であるので重複する説明は省略する。
リフレッシュコントローラ13の出力電圧は、ローパスフィルタ45を構成する抵抗14およびコンデンサ15によりノイズが除去された後、バイアス抵抗17を経由して検出器ユニット41に印加される。
ここでバイパス回路16およびバイパス回路18は、図1の回路と同様に、リフレッシュ時の急激な電圧変化が抵抗14およびバイアス抵抗17をバイパスして伝達されるようにする回路である。
リフレッシュコントローラ13から検出器ユニット41にバイアス電圧が供給されることになるが、このときリフレッシュコントローラ13からはコンデンサ15と、結合コンデンサ320〜335など結合コンデンサ全部とを足し合わせた静電容量が負荷となる。例えば、結合コンデンサの1個が1000pFとすると検出器ユニット41では16000pFであり、検出器ユニット41が25個あると0.4μFであり、コンデンサ15が0.1μFとすると、総合計で0.5μFとなる。
なお、検出器ユニット41の容量や漏れ電流も負荷となるが、無視できるほど小さい。
また、ここでバッファコンデンサ11の静電容量を1μFとすると、第4実施形態におけるリフレッシュコントローラ13の出力電圧は、第1実施形態の例である図2の出力電圧51と全く同じとなる。
また、バッファコンデンサ11の電圧も同様に図2の電圧波形55と同じとなる。すなわち2msという極めて短時間でリフレッシュ後の電圧回復が可能である。このときに高圧電源装置10から供給すべき電流も第1実施形態の例と同じく最大80μAでよい。
《従来回路との比較》
一方、図7においてバッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12を省略して従来の回路構成とした場合、時定数が5秒(0.5μF×10MΩ)となるためにリフレッシュ後の電圧回復に10秒から15秒程度を要し、かつ電圧レギュレータ回路12がないために、不充分な電圧、あるいは不安定な電圧波形が検出器ユニット41と検出器(43)に加わるので、この時間は計測ができない時間帯となる。
これは、リフレッシュの周期が略30秒とすると、これは明らかに無視し難い時間である。
バッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12を省略した従来の回路構成でリフレッシュ後の電圧回復を速くするためには高圧電源装置10の内部抵抗の低減および電流供給能力の増大が必要であるが、例えば、内部抵抗1kΩ、電流供給能力が最大10mAの電源としても電圧回復のためには最低でも25msは必要で、本発明の第4実施形態の2msよりもはるかに多くの時間を要する。
したがって、バッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12を備えた本発明の第4実施形態は、従来の方式に比較して、高圧電源装置10は性能が低いものでも使用が可能であり、廉価な放射線検出器用電源回路が提供できる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。
図8は、本発明の放射線検出器用電源回路の第5実施形態と関連する回路、装置との構成を示す回路図である。
図8において、第1実施形態および第2実施形態と検出器ユニット41は同じであるが、接続方法が異なるものを示す。
アノード線801は、検出器ユニット41に搭載されている16個の検出器にすべて共通に使用され1本のみである。
ただし、カソード線8mn(m=1〜4、n=1〜4、m×n=16)は、検出器ユニット41と同じ数の16本がある。
また、読出し回路628〜643も16個の読出し回路から構成されている。そして、16本のカソード線8mnの信号を読出し回路628〜643がそれぞれ検出している。また、カソード線8mnはそれぞれ接地抵抗19を介してグランドGに接続されている。
すなわち16個の各検出器は、16個の個別の専用の読出し回路628〜643で信号を検出される。
なお、カソード線8mnは5本のみ図示され、読出し回路628〜643は最初の5個と最後の1個の計6個のみが図示されている。
このような回路を使用すると第4実施形態と同様に読出し回路数は、多く必要となるものの、高計数率における追従性や、放射線42の入射位置と検出器との位置が1対1に対応した場所から信号が出るため、放射線42の入射位置特定が容易という利点がある。
第4実施形態と異なっている点は、前記したように、検出器のダイオードの極性で表わされるアノード側は高圧電源装置10側に接続され、カソード側が読出し回路に接続されている点である。また、カソード線8mnはそれぞれ接地抵抗19を介してグランドGに接続されている。
この接続方法では、検出器のカソード側を直接に接地せず16個の接地抵抗19を要するため配線は複雑となるが、高圧電源装置10側から見ると検出器を経由して結合コンデンサ520〜535が接続されている。したがって、結合コンデンサ520〜535と検出器43の静電容量の直列回路となる。そして、検出器43は20pF以下の静電容量で結合コンデンサ520〜535より充分小さいため、高圧電源装置10側から充電すべき負荷容量は、結合コンデンサ520〜535に比較すると小さく無視できる程度である。
《回路動作》
次に第5実施形態の回路動作に関して説明する。
内部抵抗10MΩの高圧電源装置10は、バッファコンデンサ11を充電するために接続されている。バッファコンデンサ11は通常−800Vに充電されるが、電圧レギュレータ回路12によりリフレッシュコントローラ13には−500Vが供給される。
リフレッシュコントローラ13は、検出器ユニット41側に対して電圧レギュレータ回路12の出力とグランド電位とを切り換えるために使用される。
リフレッシュコントローラ13を使用する理由に関しては第1実施形態で説明したので重複する説明は省略する。
リフレッシュコントローラ13の出力電圧は、ローパスフィルタ45を構成する抵抗14およびコンデンサ15によって、ノイズが除去された後、検出器ユニット41に印加される。
また、前記したように、バイパス回路16は、リフレッシュ時の急激な電圧変化が抵抗14をバイパスして伝達されるようにする回路である。
また検出器にバイアス電圧をかけると直流の漏れ電流が生じるため、これを逃がすために検出器のカソードは接地抵抗19を経由して接地されている。
放射線42が検出器ユニット41に入射すると、入射した検出器からパルス信号が生じるが、接地抵抗19は充分高抵抗であるため信号は、結合コンデンサ(520〜535)を経由して読出し回路へ流れる。そして出力端子(1628〜1643)から検出信号が出力される。
リフレッシュコントローラ13からは、検出器ユニット41にバイアス電圧が供給されることになるが、このときリフレッシュコントローラ13から見て、コンデンサ15が静電容量負荷となる。なお、コンデンサ15の静電容量は0.1μFである。
ここでバッファコンデンサ11の静電容量を0.2μFとすると、第5実施形態におけるリフレッシュコントローラ13の出力電圧は、第1実施形態の例である図2の出力電圧51と全く同じとなる。
またバッファコンデンサの電圧も同様に図2の電圧波形55と同じとなる。すなわち2msという極めて短時間でリフレッシュ後の電圧回復が可能である。このときに高圧電源装置10から供給すべき電流も第1実施形態の例と同じく最大80μAでよい。
一方、図8においてバッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12を省略して従来の回路構成とした場合、時定数は1秒となるためにリフレッシュ後の電圧回復には2秒から3秒程度を要する。この時間は、電圧レギュレータ回路12がない場合には、検出器が測定できない時間となるため、リフレッシュの周期が略30秒とすると、無視し難い時間である。
従来の回路構成でリフレッシュ後の電圧回復を速くするためには、高圧電源装置10の内部抵抗の低減および電流供給能力の増大が必要であるが、内部抵抗1kΩ、電流供給能力が最大10mAの電源としても電圧回復のためには最低でも5msは必要で、本発明の2msよりも多くの時間を要する。本実施例は高圧電源側から見た静電容量は小さくなる接続方法であるが、それでも従来と比較して小容量の電源で高速の電圧回復を図ることができるのである。
(その他の実施形態)
本発明は前記の実施形態に限定されるものではない。以下に例をあげる。
第1実施形態の放射線検出器用電源回路においては、図1のバッファコンデンサ11と電圧レギュレータ回路12を必須要素の回路としたが、高圧電源装置10あるいはリフレッシュ制御回路(リフレッシュコントローラ)13を放射線検出器用電源回路としての要素に含めても良い。
前記放射線検出器を構成する半導体材料は、第1実施形態においてはテルル化カドミウム、第3施形態においては臭化タリウムで説明したが、これらに限られない。テルル化亜鉛カドミウムであってもよい。
図1、図3、図5において、検出器ユニット1個に対して、検出器は16個の構成を示したが、16個に限らず、例えば、4個、64個、256個などで構成してもよい。
また、検出器ユニットを1個のみならず、複数個、搭載してもよい。
また、検出器もしくは検出器ユニットに接続される読出し回路などの関連回路の回路数システムに搭載される検出器数に応じて増加する。
図1、図3、図5において、読出し回路28〜35は、アンプとコンデンサと抵抗を備えた演算増幅器の回路を例に示したが、これらの回路は、信号を読み出す機能を有すれば、他の回路構成であってもよい。
(本発明、本実施形態の補足)
本発明、本実施形態においては、バッファコンデンサ11および電圧レギュレータ回路12を備えたことが大きな特徴である。すなわちリフレッシュ後の電圧復帰時には高圧電源装置ではなく、バッファコンデンサに蓄積した電荷を利用して、負荷容量を充電する。
この構成により、検出器のバイアス電圧を復帰させるための時間が高圧電源装置の供給電流の大きさに依存しなくなる。そのため、バイアス電圧の復帰時間を原理的には無限に小さくすることができる。
実際には電圧レギュレータの許容電流などにより制限を受けるが、これは従来の高圧電源の供給電流による制限よりはるかに緩い制約である。さらに高圧電源装置はリフレッシュとリフレッシュとの間でバッファコンデンサを充電できる電流を供給できればよい。
これは検出器側の負荷容量を充電するための電流よりはるかに小さくてすむ。したがって、高圧電源の電流供給能力が小さくて済み、高圧電源装置の小型化・低コスト化、さらには低消費電力化を図る効果がある。
10、60 高圧電源装置
11、81、84 バッファコンデンサ
12 電圧レギュレータ回路
13 リフレッシュコントローラ
14 抵抗
15 コンデンサ
16、18 バイパス回路
17 バイアス抵抗
19 接地抵抗
101〜104、7mn、801 アノード線
128〜135、1428〜1443、1628〜1643 出力端子
20〜27、320〜335、520〜535 結合コンデンサ
28〜35、428〜443、628〜643 読出し回路
201〜204、8mn カソード線
41 検出器ユニット、検出器ユニット(CdTe)、放射線検出器
42 放射線
43 検出器、検出器(CdTe)、放射線検出器
45 ローパスフィルタ回路、ローパスフィルタ
51、71、601 出力電圧、電圧波形
51A、71A 負の出力電圧、出力電圧、電圧波形
51B、71B 0の出力電圧、出力電圧、電圧波形
54、74、606、607 バッファコンデンサの低下電圧
55、75、602、603 バッファコンデンサ電圧、電圧波形
55A、75A、602A、603A 充電期間のバッファコンデンサ電圧、バッファコンデンサ電圧、電圧波形
55B、75B、602B、603B 放電期間のバッファコンデンサ電圧、バッファコンデンサ電圧、電圧波形
502、702 期間、バイアスオフ期間(バイアスオフ時間)
503、703 期間、バッファコンデンサ充電期間
504、704 期間、リフレッシュ周期
505、705 期間、バッファコンデンサ放電期間
65 定電流回路
604 電圧反転周期
605 電圧反転に要する時間
80 高圧電源装置、正極性の高圧電源装置
81 バッファコンデンサ(第1のバッファコンデンサ)
82 正極性の電圧レギュレータ回路、第1の電圧レギュレータ回路、電圧レギュレータ回路
83 高圧電源装置、負極性の高圧電源装置
84 バッファコンデンサ(第2のバッファコンデンサ)
85 負極性の電圧レギュレータ回路、第2の電圧レギュレータ回路、電圧レギュレータ回路
86 リフレッシュコントローラ、バイアス電圧極性切換回路
91 検出器ユニット、検出器ユニット(TlBr)、放射線検出器
92 検出器、検出器(TlBr)、放射線検出器

Claims (8)

  1. 放射線検出器にバイアス電圧を印加する放射線検出器用電源回路であって、
    高圧電源装置の出力に並列に接続され、電荷を蓄積するバッファコンデンサと、
    前記バッファコンデンサから電力を入力し、所定の電圧に変換かつ調整維持し、前記放射線検出器を所定の周期でリフレッシュするリフレッシュ制御回路に前記所定の電圧の電力を出力する電圧レギュレータ回路と、
    を備え、
    前記電圧レギュレータ回路は、前記リフレッシュ制御回路が前記放射線検出器に前記電圧レギュレータ回路のバイアス電圧の印加をオフしてから再度オンしたときの電圧回復期に前記バッファコンデンサが蓄積した電荷を利用して前記放射線検出器への充電を行い、
    前記バッファコンデンサは、前記電圧回復期に所定の電圧まで回復、充電されることを特徴とする放射線検出器用電源回路。
  2. 放射線検出器にバイアス電圧を印加するための放射線検出器用電源回路であって、
    高圧電源装置の出力に接続された所定の電流を出力する定電流回路と、
    前記定電流回路の出力に並列に接続され、電荷を蓄積するバッファコンデンサと、
    前記バッファコンデンサから電力を入力し、所定の電圧に変換かつ調整維持し、前記放射線検出器を所定の周期でリフレッシュするリフレッシュ制御回路に前記所定の電圧の電力を出力する電圧レギュレータ回路と、
    を備え、
    前記電圧レギュレータ回路は、前記リフレッシュ制御回路が前記放射線検出器にバイアス電圧の印加をオフしてから再度オンしたときの電圧回復期に前記バッファコンデンサが蓄積した電荷を利用して前記放射線検出器への充電を行い、
    前記バッファコンデンサは、前記電圧回復期に所定の電圧まで回復、充電されることを特徴とする放射線検出器用電源回路。
  3. 放射線検出器にバイアス電圧を印加するための放射線検出器用電源回路であって、
    正極性の出力を備えた高圧電源装置の正極性の出力に並列に接続され、電荷を蓄積する第1のバッファコンデンサと、
    負極性の出力を備えた高圧電源装置の負正極性の出力に並列に接続され、電荷を蓄積する第2のバッファコンデンサと、
    前記第1のバッファコンデンサから電力を入力し、正極性の所定の電圧に変換かつ調整維持し、前記放射線検出器を所定の周期でリフレッシュするリフレッシュ制御回路に前記正極性の所定の電圧の電力を出力する第1の電圧レギュレータ回路と、
    前記第2のバッファコンデンサから電力を入力し、負極性の所定の電圧に変換かつ調整維持し、前記放射線検出器を所定の周期でリフレッシュするリフレッシュ制御回路に前記負極性の所定の電圧の電力を出力する第2の電圧レギュレータ回路と、
    を備えることで、
    前記第1の電圧レギュレータ回路は、前記リフレッシュ制御回路が前記放射線検出器に正極性のバイアス電圧を印加するときに前記第1のバッファコンデンサが蓄積した電荷を利用して前記放射線検出器への充電を行い、
    前記第2の電圧レギュレータ回路は、前記リフレッシュ制御回路が前記放射線検出器に負極性のバイアス電圧を印加するときに前記第2のバッファコンデンサが蓄積した電荷を利用して前記放射線検出器への充電を行い、
    前記第1のバッファコンデンサは、前記リフレッシュ制御回路が前記放射線検出器への正極性のバイアス電圧を印加している期間に所定の電圧まで回復、充電され、
    前記第2のバッファコンデンサは、前記リフレッシュ制御回路が前記放射線検出器への負極性のバイアス電圧を印加している期間に所定の電圧まで回復、充電され
    ることを特徴とする放射線検出器用電源回路。
  4. 請求項1または請求項2に記載の放射線検出器用電源回路において、
    前記バッファコンデンサの静電容量をC0、
    充分に充電されたときの前記バッファコンデンサの電圧をV0、
    前記放射線検出器の電気回路要素の静電容量をC1、
    前記電圧レギュレータ回路が前記放射線検出器の電気回路要素へ印加する電圧をV1、として、
    C0×V0の値が(C0+C1)×V1の値より大きく設定されることを特徴とする放射線検出器用電源回路。
  5. 請求項3に記載の放射線検出器用電源回路において、
    前記第1および第2のバッファコンデンサの静電容量をC0、
    充分に充電されたときの第1のバッファコンデンサの電圧を+V0、
    充分に充電されたときの第2のバッファコンデンサの電圧を−V0、
    前記放射線検出器の電気回路要素の静電容量をC1、
    前記第1の電圧レギュレータ回路が前記放射線検出器の電気回路要素へ印加する電圧を+V1、
    前記第2の電圧レギュレータ回路が前記放射線検出器の電気回路要素へ印加する電圧を−V1として、
    C0×V0の値が(C0+C1)×V1×2の値より大きく設定されることを特徴とする放射線検出器用電源回路。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の放射線検出器用電源回路であって、
    さらに前記高圧電源装置を備えたことを特徴とする放射線検出器用電源回路。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の放射線検出器用電源回路であって、
    さらに前記リフレッシュ制御回路を備えたことを特徴とする放射線検出器用電源回路。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の放射線検出器用電源回路と、
    前記放射線検出器と、
    を備えた半導体放射線検出装置であって、
    前記放射線検出器を構成する材料がテルル化カドミウム、あるいはテルル化亜鉛カドミウム、あるいは臭化タリウムであることを特徴とする半導体放射線検出装置。
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