JP5617870B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は,例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池に関する。特に,帯状の正極板と帯状の負極板とを有する捲回型の二次電池に関する。
従来より,捲回型の電極体を有する二次電池がある。このような二次電池では,正極板と負極板との間にイオン透過性を有する絶縁部材が配置される。従来より,絶縁部材として,多孔性のフィルム状のセパレータが多く使用されている。ただし,捲回型の二次電池のセパレータとして使用するためには,捲回機によって引っ張りながら捲回できる程度の引っ張り強度がセパレータにも要求される。そのため,捲回型の二次電池に使用されるセパレータには,通常,比較的分子量の大きいポリオレフィンが採用されている。一般に,ポリオレフィンは,分子量の大きいものほど強度が大きいからである。
一方で,分子量が大きいほど,ポリオレフィンの融点は高い。そのため,捲回機での捲回に適した十分な強度を有するフィルムセパレータによる電流遮断温度は,130℃程度以上である。例えば,特許文献1には,多孔性のPPフィルムに,コート層を設けたフィルム状のセパレータが提案されている。本文献では,コート層として,その融点が100〜150℃のものを選択することにより,130〜150℃での電流遮断機能が得られるとされている。本文献には,このようなコート層の例として,PE粒子とプロピレン共重合体のバインダーとを含むものが挙げられている。
特開2009−19118号公報
しかしながら,二次電池の電解液には,例えば130℃程度で蒸発が始まるものがある。電解液が蒸発し始めると,その箇所で局所的に正極板の温度が上がり過ぎるおそれがあるため,好ましくない。電解液の蒸発を発生させないためには,たとえ局所的にでも,130℃に至らせないことが望ましい。つまり,そのような電解液を使用する二次電池では,前記した従来のフィルムセパレータの電流遮断温度はまだ高すぎる。そこで,もう少し低い温度,例えば100℃程度まで温度上昇すれば電流が遮断される二次電池が望まれていた。
本発明は,前記した従来の二次電池が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,内部の温度が100℃程度まで昇温すれば,電流が遮断される二次電池を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の二次電池は,帯状の正極板と帯状の負極板とを有する捲回型の電極体を備える二次電池であって,正極板と負極板との少なくともいずれか一方が,金属箔と,金属箔の表面に電極活物質粒子によって形成され,電極活物質粒子間に隙間がある電極活物質層と,電極活物質層の上に重量平均分子量が5000〜25000の範囲内のポリエチレン粒子によって少なくとも10μm以上の層厚で形成された樹脂微粒子層とを有するものであり,正極板と負極板との間に,重量平均分子量が400000以上の樹脂による少なくとも10μm以上の膜厚のフィルムセパレータが配置されており,樹脂微粒子層の層厚とフィルムセパレータの膜厚との合計厚が,40μm以下の範囲内であるものである。
本発明の二次電池によれば,電極体をなす負極板または正極板が,金属箔と電極活物質層と樹脂微粒子層とを有している。負極板と正極板とのいずれも,金属箔と電極活物質粒子による電極活物質層とは有している。樹脂微粒子層については,負極板または正極板のいずれかに形成されていればよい。そして,本発明では,この樹脂微粒子層のポリエチレン粒子の重量平均分子量が5000〜25000の範囲内なので,二次電池の温度が100℃程度まで上昇すれば,この粒子は溶融して,電極活物質粒子間の隙間に入り込む。さらに,この樹脂微粒子層が10μm以上の層厚で形成されているので,その溶融によって確実に電極活物質粒子を覆う。従って,この二次電池は,100℃程度まで昇温すれば,電流が遮断される。さらに,正極板と負極板との間に配置されているフィルムセパレータは,その重量平均分子量が400000以上であるので,捲回機での捲回に耐える強度を有している。さらに,樹脂微粒子層の層厚とフィルムセパレータの膜厚との合計厚が40μm以下の範囲内で両方を備えているので,常温時における内部抵抗が小さく抑えられたものとなっている。
さらに本発明では,樹脂微粒子層の層厚が,15μm以下の範囲内であり,フィルムセパレータの膜厚が,20μm以下の範囲内であることが望ましい。
この範囲内であれば,良好な特質を確保できるとともに,全体として薄い電極体とすることができる。
さらに本発明では,樹脂微粒子層を構成する粒子の90重量%以上が,粒径1〜4μmの範囲内の粒子で占められていることが望ましい。
この範囲内の粒径の樹脂微粒子であれば,溶融していない状態で大量の粒子が電極活物質層の中に入り込むことはなく,また,電池が昇温すれば適切な時間内に電極活物質層の電極活物質粒子を覆うことができる。
さらに本発明では,樹脂微粒子層が,負極板に形成されていることが望ましい。
過充電時には一般に,負極板の方が正極板より先に昇温するので,樹脂微粒子層が,負極板に形成されていればより確実である。
本発明の二次電池によれば,内部の温度が100℃程度まで昇温すれば,電流が遮断される。
本形態の二次電池の電極体の一部を模式的に示す断面図である。 本形態の負極板を模式的に示す断面図である。 PE粒子の吸熱特性を示すグラフ図である。 シャットダウン温度の決定方法を示すグラフ図である。
以下,本発明を具体化した形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,捲回型のリチウムイオン二次電池に本発明を適用したものである。
本形態の二次電池は,正極板と負極板とセパレータとが重ねて捲回された電極体と,電解液とをケースに封入してなるものである。例えば,特開2007−053055号公報の図1に示されているようなものである。本形態の二次電池の電極体は,その一部分の断面図を図1に示すように,負極板11,正極板12と,これらの間に配置されたフィルムセパレータ13とを有している。本形態の二次電池の電極体は,両面塗工タイプの負極板11と両面塗工タイプの正極板12と同種の2枚のフィルムセパレータ13を重ねて捲回したものである。
本形態の正極板12は,例えば,アルミ箔27の両面に正極活物質層28を形成したものである。正極活物質層28は,リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を含む正極合剤の層である。正極合剤としては,例えば,リチウム含有金属酸化物に結着剤と分散溶媒等を混練したものが好適である。また,電解液は,非水電解液またはイオン伝導ポリマー等にリチウム塩を含有させたものが好適である。本発明は,負極板とセパレータとに特徴があるものであり,それ以外の正極板,電解液等は,いずれも従来より用いられている一般的なものとすればよい。
本形態の負極板11は,図2の断面図にその片面側のみを模式的に示すように,銅箔21と負極活物質層22と樹脂微粒子層23とを有するものである。本形態の負極活物質層22は,負極活物質粒子31により構成されている。負極活物質粒子31は,例えば黒鉛を主成分とするものである。負極活物質粒子31は,バインダ等によって,銅箔21に対して,また互いに対して,固定されている。さらに,負極活物質粒子31の粒子同士の間には,空孔32となっている箇所があり,その中に電解液が入り込むことができる。負極活物質粒子31と電解液とが接触することにより,この二次電池は発電可能なものとなっている。
さらに,負極活物質層22の上(銅箔21と反対の側)には,樹脂微粒子層23が形成されている。本形態の樹脂微粒子層23は,微粒子状のPE(PE粒子35)を積み重ねて層状としたものである。つまり,本形態の負極板11は,銅箔21の両面に負極活物質層22と樹脂微粒子層23とがこの順に重なり,その全体で一体的に帯状となっているものである。
本形態の負極板11の樹脂微粒子層23は,その構成要素として,分子量が5000〜25000の範囲内のPE粒子35を含むものである。そして,樹脂微粒子層23は,このようなPE粒子35を,その層厚が10μm以上となるように積み重ねた層である。なお,図1や図2では,きちんと並んで積まれたものを図示しているが,このように整然と配列されることは必要ではない。PE粒子35同士が互いに接触して重なり,層となっていればよい。
なお,このような粒子状のPE樹脂としては,例えば,PE樹脂粒子を水中に分散した懸濁液状で提供されている,三井化学製の「ケミパール」(商品名)等を使用することができる。そして,銅箔21に負極活物質層22を形成したものの上に,この懸濁液を塗布して乾燥させることにより,負極活物質層22の表面に樹脂の微粒子が付着した状態とすることができる。このとき,樹脂の微粒子同士も互いに付着して,全体として層状をなすので,図2に示すような樹脂微粒子層23が形成される。
樹脂微粒子層23中の各PE粒子35は,元もとの粒子の形状(ここでは,略球状)をほぼ保ったまま固定されており,図2に模式的に示したように,PE粒子35の粒子同士の間には隙間が多く残っている。従って,リチウムイオンはこの隙間を通過することができる。これにより,樹脂微粒子層23はイオン透過性を有するものとなっている。なお,樹脂微粒子層23に含まれるPE粒子35は互いに重なり合っており,樹脂微粒子層23の全体として負極活物質層22を覆っている。つまり,負極活物質層22が表面に露出している箇所はほとんどない。
すなわち,本形態の樹脂微粒子層23は,二次電池の温度が高くない通常の状態では,PE粒子35が互いに積み重なって層状となったものである。PE粒子35が負極活物質粒子31を直接覆うことはなく,負極活物質粒子31同士の間には空孔32がある。PE粒子35同士の間にも隙間がある。従って,リチウムイオンは,PE粒子35の間を通って負極活物質層22まで到達し,負極活物質粒子31に接触することができる。
分子量が5000〜25000の範囲内のPE粒子35は,100℃付近に吸熱ピークを有している。分子量7530のPEの吸熱特性の例を図3に示す。この図の例では,図中にXで示したように,100℃くらいの箇所に吸熱のピークがある。つまり,分子量が5000〜25000の範囲内のPE粒子35は,100℃程度まで昇温すれば流動性を有するものとなる。
本形態の樹脂微粒子層23のPE粒子35は,電池の内部温度が100℃程度まで昇温すると,その粒子の形状を失って流動性を有するようになる。流動化したPE樹脂は,負極活物質層22の空孔32に入り込むことができる。そして,流れ込んだPE樹脂によって負極活物質粒子31の表面が覆われる。PE樹脂に覆われた箇所では,負極活物質粒子31とリチウムイオンとの接触が妨げられる。
つまり,溶融した樹脂の空孔32への進入量が多くなるにつれて,二次電池には電流が流れにくくなる。そして,負極活物質粒子31の表面が完全にPE樹脂によって覆われ,リチウムイオンと接触する負極活物質粒子31の箇所が無くなると,二次電池の電流は完全に遮断される。このときには,PE樹脂は,もはや層状をなしていなくてもよい。樹脂微粒子層23の層厚は,少なくとも,溶融したPE樹脂が負極活物質層22の負極活物質粒子31の表面を完全に覆うことのできる量となるように決定されている。
本形態では,層厚が10μm以上であれば,溶融したPE粒子35が,負極活物質粒子31の表面を完全に覆うことができ,負極活物質層22の空孔32をほぼ満たすことができる。なお,負極活物質層22の空孔32の全容積は,負極板11の種類によりほぼ決まっている。この容積は,活物質の材料の種類や粒径と,製造時のプレス条件等とによって異なる負極活物質層22の空孔率,および,負極活物質層22の層厚に依存するからである。つまり,樹脂微粒子層23の層厚は,空孔32の全容積を満たす量のPE粒子35を含むように決定されることがより望ましい。
本形態のPE粒子35は,重量平均分子量が5000〜25000の範囲内であるので,内部温度が99〜101℃まで上昇すると,流動性を有するようになる。さらに,樹脂微粒子層23の層厚が10μm以上であるので,層内のPE粒子35がすべて溶融すれば,ほぼすべての負極活物質粒子31の表面がPE樹脂で覆われる。従って,本形態の二次電池の電流遮断温度は,100℃程度である。
また,本形態のフィルムセパレータ13は,ポリオレフィン系の多孔性フィルムである。本形態のフィルムセパレータ13は,重量平均分子量が400000以上であり,その膜厚が10μm以上のものである。重量平均分子量が400000以上の樹脂で形成されたフィルムは,充分な引っ張り強度を有しているので,捲回機による捲回を行うことができる。また,あまりに薄すぎるフィルムは,常温時の正極板12と負極板11との間の絶縁性に不安が残るので好ましくない。本形態のフィルムセパレータ13は,膜厚が10μm以上であるので,常温での電気絶縁性に優れた電極体とすることができる。従って,本形態の二次電池は,たとえ長時間放置しても,自己放電量はごくわずかである。
さらに,樹脂微粒子層23の層厚とフィルムセパレータ13の膜厚との合計が大きすぎるのは好ましくない。合計厚が厚すぎる場合には,これらの双方を通り抜けるためにリチウムイオンの拡散抵抗が大きく,昇温していない通常時における内部抵抗が大きすぎる二次電池となるからである。本形態の二次電池では,樹脂微粒子層23の層厚とフィルムセパレータ13の膜厚との合計が40μm以下である。この範囲内であれば,内部抵抗が大きすぎるものとなることはない。従って,本形態の二次電池は,常温時の内部抵抗は適切な範囲内のものとなっている。
なお,樹脂微粒子層23の層厚は,さらに好ましくは,15μm以下であるとよい。層厚が15μmより大きいと,負極板の全体の厚さが厚くなりすぎる。二次電池が昇温した場合に電流を遮断する,という機能だけについていえば,この樹脂微粒子層23を充分に厚く形成することにより,フィルムセパレータ13を含まない電極体とすることもできる。しかし,樹脂微粒子層23のPE粒子35間の空隙は,一般的に,フィルムセパレータ13の空孔より大きい。そのため,樹脂微粒子層23のみによって,常温時の正極板12と負極板11との間の絶縁性を確実なものとするためには,層厚をかなり厚くする必要がある。本形態の二次電池は,フィルムセパレータ13を有しているので,樹脂微粒子層23の層厚を15μm以下としても,常温時の電気絶縁性を確保できる。
本形態のフィルムセパレータ13としてはさらに,膜厚が20μm以下のPP/PE/PPフィルムあるいはPEフィルムが好適である。膜厚が20μm以下であれば,電極体の大きさは,全体として特に大きくなることはないので好ましい。
さらに,本形態の負極板11の樹脂微粒子層23に用いられるPE粒子35としては,平均粒子径1〜4μmの範囲内のものであることが好ましい。PE粒子35の平均粒径が1μmより小さいと,粒子状のままでも負極活物質層22の空孔32内に入り込むおそれがある。溶融していないPE粒子35であっても,空孔32がPE粒子35で満たされると,負極活物質とリチウムイオンとの接触は妨げられる。つまり,粒径の小さいPE粒子35が多く含まれていると,二次電池の温度が正常範囲内であっても電流が流れにくいものとなるおそれがあるので好ましくない。
一方,平均粒径が4μmより大きいと,粒子の表面が溶け始めてから全量が溶融するまでに,粒径の小さいものに比較して時間が長くかかる。つまり,二次電池の内部温度がPE粒子35の溶融温度を超えて上昇し始めてから,PE樹脂が負極活物質粒子31の表面を完全に覆って,電流が完全に遮断されるまでの時間が長い。そして,その間にも内部温度の上昇がさらに続いているおそれがある。そのようになると,粒径の小さいPE粒子35を使用した場合より,電流が遮断される温度が高いことになるので好ましくない。
なお,PE粒子の粒径は,レーザー回折・散乱式粒径粒度分布測定法でのD50の値として得ることができる。例えば,日機装株式会社製のマイクロトラック(型式:MT3300EXII)を使用して,40W60秒の超音波照射による前処理の後に測定することが
できる。ここでの粒径1〜4μmとは,樹脂微粒子層23を構成する粒子のうち粒径1〜4μmの範囲内のものの割合が,重量%で90%以上であるということである。全ての粒子の粒径がこの範囲内であるというわけではない。なお,メーカーによる公称値での粒径がこの範囲のものであれば,それでよい。
このように,本形態の二次電池は,負極板11に10μm以上の厚さの樹脂微粒子層23を有している。そして,本形態の樹脂微粒子層23は,分子量が5000〜25000の範囲内のPE粒子35によって形成されている。そのため,例えば過充電等が原因で,二次電池の温度が100℃に近くなると,樹脂微粒子層23のPE粒子35が溶融して流動性を有するようになる。そして,負極活物質層22の負極活物質粒子31の間の空孔32に入り込み,負極活物質粒子31の表面を覆う。これにより,負極活物質と電解液との接触が妨げられ,電流が遮断される。従って,例えば130℃程度で蒸発が始まる電解液を使用しても,局所的にも温度上昇は防止されている。
なお,図1に示したような各層の積層順序を実現するだけなら,フィルムセパレータ上に樹脂微粒子層を形成したものを使用することもできる。例えば背景技術の欄に記載した特許文献1の電池では,フィルムセパレータ上に,樹脂微粒子とバインダとを含むコート層が形成されている。
しかしながら,フィルムセパレータは,金属箔とは異なり,捲回機で引っ張るとやや伸びる。そのため,樹脂微粒子層をフィルムセパレータ上に形成する場合には,バインダ等を用いて強力に接着しておく必要がある。そして,このバインダは通常,樹脂微粒子に比較して分子量の大きい樹脂を含むものであり,その分,樹脂微粒子より融点が高いものであることが多い。そして,樹脂微粒子がバインダに固定されていると,溶融した樹脂微粒子の流動性は多少低いものとなる。これに対し,本形態の樹脂微粒子層23は,内部に銅箔21を有する負極板11に設けられているので,バインダで固定しなくてもはがれ落ちることなく,捲回機での捲回が可能である。
本発明者は,本発明の効果を確かめるための実験を行った。この実験では,PE粒子35による樹脂微粒子層23を形成した負極板11を用いて,実験用の二次電池を作成した。樹脂微粒子層23の層厚とフィルムセパレータ13の膜厚とを変えて,以下の表1に示すように実施例1〜6および比較例1〜4を作成した。
各例に共通の条件は,以下の通りである。なお,樹脂微粒子層23の層厚およびフィルムセパレータ13の膜厚は,接触式厚み計にて測定した。
樹脂微粒子層: PE微粒子,分子量7530,平均粒径2.5μm
フィルムセパレータ: PP/PE/PPセパレータ,分子量418000
電池: 18650形状の円筒電池,容量は560mAh。
そして,製造した各二次電池について,電流遮断温度,自己放電ΔV,内部抵抗を測定し,比較した。
電流遮断温度: 気温25℃において,電流5Cで連続して充電することにより過充電試験を行い,電池電圧と電池表面温度とを測定した。電圧が急上昇した時の温度を電流遮断温度とした。電流遮断温度の判定基準は,
99〜101℃の範囲内で電流が遮断されたものを○,
102℃以上となるまで電流が遮断されなかったものを×,
とした。
自己放電ΔV: 4.1Vまで充電後,気温25℃で7日間放置した。放置前の電圧と放置後の電圧の差をΔVとした。自己放電ΔVの判定基準は,
50mV以下のものを○,
50mVを超えたものを×,
とした。
内部抵抗: 気温25℃において,SOC(State Of Charge)60%の状態から,10秒間一定電流で充電(または放電)し,電圧の変化量と流れた電流値とから抵抗を算出した。内部抵抗の判定基準は,
60mΩ以下のものを○,
60mΩを超え,80mΩ以下のものを△
80mΩを超えたものを×,
とした。なお,○のものと△のものとが許容範囲内であるとした。
さらに,総合評価として,これらの電流遮断温度,自己放電ΔV,内部抵抗のすべてにおいて○であったものを◎とした。電流遮断温度と自己放電ΔVが○であり,内部抵抗が△であったものは,許容範囲内であるので○とした。またこれら3種のうち1つでも×があるものは許容範囲外であり,×とした。
なお,本形態の二次電池について,電流遮断温度の測定時における電圧・電流の変化の様子を図4に示す。この実験では,電池電圧4VからCC(定電流)2.15Aで充電し,電圧の急上昇が起こった時点をシャットダウン時とした。このときの温度が,電流遮断温度である。シャットダウン後はCV(定電圧)10Vで電圧をかけ続けた。この二次電池の温度は,この図に示すように,シャットダウン後もしばらくは上昇し続けたものの,110℃を超えることはなかった。その後,温度は,ゆっくりと下降した。
実施例1〜6は,いずれも,樹脂微粒子層23の層厚,フィルムセパレータ13の膜厚ともに本願発明の範囲内のものである。樹脂微粒子層23の層厚は10〜20μm,フィルムセパレータ13の膜厚は10〜25μmとした。これらの組み合わせで,4通りの実施例1〜4を作成した。実施例5,6は,合計厚が40μmのものである。実施例5では,層厚が,特に望ましい範囲よりはやや大きすぎる。実施例6では,膜厚が,特に望ましい範囲よりはやや大きすぎる。
なお,合計厚が40μmを超えるものについては,電極体の大きさが大きく,内部抵抗が大きくなりすぎることが明白である。そこで,この実験では,合計厚が40μmを超えない範囲に限ってその性能を確かめた。
比較例1〜4は,樹脂微粒子層23の層厚とフィルムセパレータ13の膜厚との少なくともいずれか一方が本願の範囲外であるものである。比較例1は,層厚が小さすぎる。比較例2は,膜厚が小さすぎる。比較例3は,樹脂微粒子層23を有していない。比較例4は,フィルムセパレータ13を有していない。
Figure 0005617870
この実験の結果は,上の表1の通りであった。実施例1〜4は,いずれも,電流遮断温度,自己放電ΔV,内部抵抗のすべてについて良好な結果であり,総合評価は◎であった。また,実施例5,6は,電流遮断温度と自己放電ΔVとについては,良好な結果であったものの,内部抵抗については,実施例1〜4よりやや劣る結果となった。それでも,これらの実施例5,6は,許容範囲内であり,総合評価は○であった。
一方,比較例1〜4では,電流遮断温度,自己放電ΔVのいずれかにおいて許容範囲外であった。樹脂微粒子層23が無いか薄すぎる比較例1と3は,電流遮断温度が高すぎた。フィルムセパレータ13が無いか薄すぎる比較例2と4は,自己放電ΔVが大きすぎた。従って,比較例1〜4の総合評価は,いずれも×であった。従って,本形態の樹脂微粒子層23とフィルムセパレータ13とをともに有することにより,良好な特性の二次電池とできることが確認できた。
以上詳細に説明したように,本形態の二次電池によれば,分子量5000〜25000のPE粒子35による樹脂微粒子層23が設けられた負極板11を用い,その樹脂微粒子層23に重ねて,分子量400000以上の樹脂によるフィルムセパレータ13を有している。従って,樹脂微粒子層23によって,100℃程度までの昇温によって電流が遮断される適切なシャットダウン温度を実現できている。さらに,フィルムセパレータ13によって,確実な絶縁性が得られているので,放置しても自己放電量は小さい。また,負極板11,フィルムセパレータ13ともに,捲回機での捲回に耐えられる引っ張り強度を有しているので,捲回型の電極体を適切に製造することができる。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
上記の形態では,樹脂微粒子層23を負極板11に形成したが,正極板12に形成することもできる。ただし,負極板11に形成する方がより好ましい。それは,リチウムイオン二次電池において,過充電時に100℃以下で電解液と反応して発熱するのが負極側だからである。負極側の反応を抑制することにより,連鎖的に発生する正極側の発熱をも防止することができる。また,上記の形態では,負極板11と正極板12とをともに,両面塗工タイプのものとしたが,片面塗工タイプのものを用いることも可能である。
11 負極板
12 正極板
13 フィルムセパレータ
21 銅箔
22 負極活物質層
23 樹脂微粒子層
27 アルミ箔
28 正極活物質層
35 PE粒子

Claims (4)

  1. 帯状の正極板と帯状の負極板とを有する捲回型の電極体を備える二次電池において,
    前記正極板と前記負極板との少なくともいずれか一方が,
    金属箔と,
    前記金属箔の表面に電極活物質粒子によって形成され,前記電極活物質粒子間に隙間がある電極活物質層と,
    前記電極活物質層の上に重量平均分子量が5000〜25000の範囲内のポリエチレン粒子によって少なくとも10μm以上の層厚で形成された樹脂微粒子層とを有するものであり,
    前記正極板と前記負極板との間に,重量平均分子量が400000以上の樹脂による少なくとも10μm以上の膜厚のフィルムセパレータが配置されており,
    前記樹脂微粒子層の層厚と前記フィルムセパレータの膜厚との合計厚が,40μm以下の範囲内であることを特徴とする二次電池。
  2. 請求項1に記載の二次電池において,
    前記樹脂微粒子層の層厚が,15μm以下の範囲内であり,
    前記フィルムセパレータの膜厚が,20μm以下の範囲内であることを特徴とする二次電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の二次電池において,
    前記樹脂微粒子層を構成する粒子の90重量%以上が,粒径1〜4μmの範囲内の粒子で占められていることを特徴とする二次電池。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の二次電池において,
    前記樹脂微粒子層が,前記負極板に形成されていることを特徴とする二次電池。
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