JP5616246B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

高圧ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP5616246B2
JP5616246B2 JP2011017028A JP2011017028A JP5616246B2 JP 5616246 B2 JP5616246 B2 JP 5616246B2 JP 2011017028 A JP2011017028 A JP 2011017028A JP 2011017028 A JP2011017028 A JP 2011017028A JP 5616246 B2 JP5616246 B2 JP 5616246B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
wall
fuel
hole
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011017028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012158987A (ja
Inventor
達郎 古賀
達郎 古賀
修 菱沼
修 菱沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2011017028A priority Critical patent/JP5616246B2/ja
Publication of JP2012158987A publication Critical patent/JP2012158987A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5616246B2 publication Critical patent/JP5616246B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、エンジンに用いられる高圧ポンプに関する。
従来、エンジンへ燃料を供給する燃料供給装置は、高圧燃料を圧送する高圧ポンプ、高圧ポンプから圧送された高圧燃料を蓄積する燃料レール、及び燃料レールに接続され高圧燃料を噴射する燃料噴射弁等から構成されている。ここで、例えば高圧ポンプの吸入弁や吐出弁の故障または温度上昇等によって燃料レール内の圧力が許容範囲を超えて異常高圧となる場合が考えられる。このような場合、所定のリリーフ圧以上の過剰圧をリターン通路に逃がすリリーフ弁を備えることで、燃料噴射弁等の破損を防止する高圧ポンプが知られている。
例えば特許文献1には、燃料集合管路(「燃料レール」に相当)の圧力が所定圧以下のとき、弁部材としてのボールがスプリングの付勢力によって弁座に着座し、燃料集合管路の圧力が所定圧を超えたとき、ボールが弁座から離れて燃料を通過させる圧力制限弁(「リリーフ弁」に相当)が記載されている。
特許文献1の図9に示される実施形態では、ボールと弁座との距離が近いとき、すなわちボールのリフト量が小さいとき、ボールが軸方向においてガイド穴に案内される。また、特許文献1の図10に示される実施形態では、ボールのリフト量が小さいとき、ボールを保持するばね受が軸方向においてガイド穴に案内される。
特許第4488486号公報
特許文献1の図9、図10に示される実施形態では、ボールの入口側の圧力が上昇しボールのリフト量が大きくなると、ボールまたはばね受は、ガイド穴よりも内径の大きいばね室に進入し、ボールがガイド穴に案内されなくなる。その結果、ボールがスプリングの軸に対して傾いて動き、想定したリフト量が得られず、燃料のリリーフ量が低減するおそれがある。また、ボールが暴れることでスプリングに偏心応力がかかりスプリングの耐久性を低下させるおそれがある。
また、別の課題として高圧ポンプのポンプボディの材料硬度に注目すると、ポンプボディを比較的硬度の低い材料で形成することは、切削加工時間を短縮する点で有利である。しかし、ポンプボディに弁座や摺動部を直接加工する場合には、ポンプボディを比較的硬度の低い材料で形成すると、弁座の加工精度を充分確保することができず、シール性能に影響を及ぼすおそれがある。また、長期使用によって摺動部が摩耗するおそれがある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、リリーフ弁のリフト量を安定させ、スプリングの耐久性を向上させ、また、ポンプボディの材料硬度が低い場合に弁座の加工精度や摺動部の耐摩耗性を向上させる高圧ポンプを提供することである。
請求項1に記載の高圧ポンプは、プランジャ、シリンダ、吐出弁、ポンプボディ、シート部材、ガイド部材、弁部材およびスプリングを備える。
シリンダは、プランジャを軸方向に往復移動可能に収容する。吐出弁は、プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室の出口側に設けられる。
ポンプボディは、吐出弁の出口側と連通する第1リターン流路、吐出弁の入口側と連通する第2リターン流路、及び、第1リターン流路と第2リターン流路との間に設けられ底部に第1リターン流路が開口するリターン穴を有する。
シート部材は、リターン穴の底部に挿入され、第1リターン流路と連通する入口流路、及び、入口流路の第1リターン流路と反対側の開口に形成される弁座を有する。筒状のガイド部材は、リターン穴の弁座に対して入口流路と反対側に収容される。
弁部材は、ガイド部材の内壁に案内されて摺動可能であり、吐出弁の出口側の燃料圧力が所定の圧力以下のとき弁座に着座し、吐出弁の出口側の燃料圧力が所定の圧力を超えたとき弁座から離座する。スプリングは、弁部材を閉弁方向に付勢する。
この構成により、吐出弁の出口側の燃料圧力が所定のリリーフ圧以上になったとき吐出弁の入口側に過剰圧を逃がす「リリーフ弁」が構成される。このリリーフ弁において、弁部材がガイド部材の内壁に案内されて摺動することで、弁部材の移動経路が規制される。そのため、吐出弁の出口側の燃料圧力に応じてリリーフ弁のリフト量を安定させることができる。また、スプリングの軸に対して傾いた応力がかからないため、スプリングの耐久性を向上させることができる。
また、弁座は、ポンプボディに直接形成されずにシート部材に形成され、弁部材が案内されて摺動する摺動内壁は、ポンプボディに直接形成されずにガイド部材に形成される。したがって、ポンプボディが比較的硬度の低い材料で形成される場合、シート部材およびガイド部材を比較的硬度の高い材料で別に形成することで、弁座の加工精度を確保することができ、また、弁部材の摺動に対する摺動内壁の耐摩耗性を確保することができる。
さらに、ポンプボディのリターン穴は、ガイド部材が収容される収容穴と、収容穴の底部に収容穴よりも内径が小さく形成され第1リターン流路が開口する入口穴とからなる。そして、シート部材は、入口穴に対して締り嵌めで嵌合する小径部と、収容穴に嵌合する大径部とを有している。
この構成により、小径部は、弁座に対してリターン燃料の流れの上流側で入口穴に締り嵌め嵌合する。入口穴に嵌合される小径部の第1リターン流路側端面には、燃料圧力がシート部材を収容穴側へ抜く方向に作用する。この作用力は、シート部材の第1リターン流路側端面の受圧面積に比例する。そこで、入口穴の内径を収容穴の内径よりも小さく形成することで、作用力を小さくすることができる。
その結果、抜き方向の作用力に耐えるための、小径部と入口穴との締り嵌めの嵌合代および嵌合長を少なくすることができ、ポンプボディへの締り嵌めの応力を低減することができる。したがって、特に、ポンプボディの材料硬度が低い場合に有利となる。
なお、ここで「締り嵌め」とは、圧入、焼き嵌め、冷やし嵌め等をいう。
この場合、請求項2に記載の発明によると、シート部材は、大径部が収容穴に対して隙間嵌めで嵌合する。
大径部と収容穴との嵌合を隙間嵌めとすることにより、シート部材とポンプボディとの締り嵌め箇所は、小径部と入口穴との嵌合部のみとなる。そのため、ポンプボディへの締り嵌めの応力を低減することができる。したがって、特に、ポンプボディの材料硬度が低い場合にさらに有利となる。
請求項3に記載の発明によると、シート部材とガイド部材とは、一体に形成される。
シート部材とガイド部材とは、形状的に一体化が可能であり、例えば、旋盤加工によりシート兼ガイド部材を製作することができる。
これにより、部品点数を低減することができる。
請求項4に記載の発明によると、弁部材は、弁座に着座または離座可能な弁体と、弁体を弁座の反対側から支持しガイド部材の内壁に沿って摺動可能な摺動部材とから構成される。弁体は、例えばボールでもよく、円錐形の弁でもよい。また、弁体と摺動部材とは、互いに接合されて又は一体に形成されてもよく、あるいは、別々に形成されてもよい。
弁座へ着座する部分が精度良く形成される弁体と、摺動部が精度良く形成する弁部材とを組み合わせることで、シール性および摺動性に優れた弁部材を形成することができる。
請求項に記載の発明によると、シート部材の入口流路の入口流路面積は、ガイド部材の内壁と弁部材の外壁との間に形成され燃料が通過可能な通過流路面積より大きい。
これにより、弁部材を開弁させる方向に燃料圧力がかかりやすくなる。そのため、リリーフ圧以上の過剰圧が弁部材に作用したとき、弁部材はスプリングの付勢力に抗して迅速に作動し、燃料が通過するのに充分なリフト量が得られる。したがって、燃料レール内の異常な圧力上昇による燃料噴射弁等の破損防止に対して、より大きな効果を発揮することができる。
本発明の第1実施形態による高圧ポンプが適用される燃料供給装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの断面図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの一部を断面で示すZ方向の矢視図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの(a)リリーフ弁閉弁状態、(b)リリーフ弁開弁状態、を示す断面図である。 (a):図4(a)の要部拡大図である。(b):スライダの径方向断面を示す(a)のVb−Vb断面図である。(c):本発明の第1実施形態の変形例によるスライダの径方向断面を示す(b)に相当する断面図である。 (a):本発明の第2実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁閉弁状態を示す断面図である。(b):本発明の第2実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁サブアッセンブリの断面図である。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁閉弁状態を示す要部断面図である。 本発明の第4実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁閉弁状態を示す要部断面図である。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁閉弁状態を示す要部断面図である。 参考形態による高圧ポンプのリリーフ弁閉弁状態を示す要部断面図である。 本発明のその他の実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁閉弁状態を示す要部断面図である。 別の参考形態による高圧ポンプのリリーフ弁閉弁状態を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態による高圧ポンプが適用される燃料供給装置を示す。燃料供給装置1は、高圧ポンプ10および燃料レール20を含む。
高圧ポンプ10は、燃料タンク30から低圧ポンプ31によって供給される燃料を加圧し、高圧燃料として吐出する。燃料レール20は、吐出される燃料を蓄積する。燃料レール20には複数の燃料噴射弁21が接続される。本実施形態では4つの燃料噴射弁21が燃料レール20に接続されている。
次に、高圧ポンプ10の構成について、図2〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、高圧ポンプ10は、プランジャ部40、吸入弁部50、吐出弁部60およびリリーフ弁部70を備えている。
図2に示すように、高圧ポンプ10の外郭はポンプボディ11にて構成される。ポンプボディ11には、図2の上方向にカバー14が取り付けられており、カバー14とポンプボディ11にて燃料室13が形成されている。燃料室13には、燃料の脈動を減衰するためのパルセーションダンパ19が配置されている。
カバー14の反対側には、プランジャ部40が設けられている。プランジャ部40と燃料室13との間には、燃料を加圧可能な加圧室12が形成されている。
燃料室13には、燃料タンク30から低圧ポンプ31によって燃料が供給される(図1参照)。燃料室13に供給された燃料は、吸入室55および加圧室12を経由して、吐出弁部60から燃料レール20(図1参照)へ吐出される。
次に、プランジャ部40について説明する。
プランジャ部40は、プランジャ41、プランジャシール部42、スプリングシート43およびプランジャスプリング44等を備えている。
プランジャ41は、外径が相対的に大きい大径部411と外径が相対的に小さい小径部412とが一体に形成されており、軸方向に往復移動する。加圧室12側に形成される大径部411は、シリンダ16の内壁を摺動する。
小径部412の周囲には、シリンダ16の内径に囲まれる環状の可変容積室15が形成されている。可変容積室15は、容積室通路18を経由して燃料室13と連通している。可変容積室15は、プランジャ41の下降時、容積減少分の燃料を燃料室13に供給し、プランジャ41の上昇時、容積増加分の燃料が燃料室13から供給される。
プランジャシール部42は、シリンダ16の端部に配置されている。プランジャシール部42は、シール部材、オイルシールホルダ、オイルシールなどから構成され、プランジャ41の周囲の燃料およびオイルをシールする。
スプリングシート43は、プランジャ41の端部に配設されている。プランジャ41の端部は、図示しないタペットに当接している。タペットは、エンジンブロック内のカムシャフト100に取り付けられたカム101に外面を当接させ、カムシャフト100の回転により、カムプロファイルに応じて軸方向に往復移動する(図1参照)。
プランジャスプリング44は、一端がスプリングシート43の上面に当接し、他端がポンプボディ11に挿入されたオイルシールホルダの凹面に当接している。プランジャスプリング44は、プランジャ41の戻しバネとして機能し、スプリングシート43をタペットに当接させるように付勢すると共に、タペットをカム面に当接させるように付勢する。
この構成により、カムシャフト100の回転に応じてプランジャ41が往復移動する。このとき、プランジャ41の大径部411の移動によって加圧室12の容積が変化する。
次に、吸入弁部50について説明する。
吸入弁部50は、ポンプボディ11によって形成される筒部51、筒部51の開口を覆う弁部カバー52、コネクタ53等を備えている。
筒部51は、略円筒状に形成され、内部が吸入室55となっている。吸入室55には、略円筒状のシートボディ56が配置されている。シートボディ56の内部には、吸入弁57が配置されている。また、吸入室55は、連通路58を経由して、燃料室13と連通している。
また、吸入弁57にはニードル59が当接している。ニードル59は、弁部カバー52を貫通し、コネクタ53の内部まで延びている。コネクタ53は、コイル531と当該コイル531へ通電するための端子532とを有している。コイル531の内側には、所定位置に保持される固定コア533、可動コア534、及び、固定コア533と可動コア534との間に介在するスプリング535が配置されている。可動コア534は、ニードル59と一体に固定されている。
この構成により、コネクタ53の端子532を経由してコイル531に通電が行われると、固定コア533と可動コア534との間に磁気吸引力が発生する。その結果、可動コア534が固定コア533側へ移動し、これに伴ってニードル59が加圧室12から離れる方向へ移動する。このとき、吸入弁57の移動はニードル59によって規制されないため、吸入弁57がシートボディ56に着座可能となる。吸入弁57の着座により、吸入室55と加圧室12とが遮断される。
一方、コイル531に通電が行われないと磁気吸引力は発生しないため、スプリング535によって、可動コア534およびニードル59が加圧室12側へ移動する。そして、ニードル59によって吸入弁57が加圧室12側に保持される。その結果、吸入弁57がシートボディ56から離座することとなり、吸入室55と加圧室12とが連通する。
次に、吐出弁部60について図2、図3を参照して説明する。図3は、図2のZ矢視による平面図であり、吐出弁部60およびリリーフ弁部70が断面で示されている。
吐出弁部60は、ポンプボディ11にて形成される円筒状の収容部61を有している。収容部61に形成される収容室611には、吐出弁62、スプリング63および係止部64が収容されている。また、収容室611の開口部分が吐出口65となっている。吐出口65とは反対側の収容室611の深部には、吐出弁座612が形成されている。
吐出弁62は、スプリング63の付勢力と燃料レール20内からの圧力とにより吐出弁座612に当接する。これにより、吐出弁62は、加圧室12の燃料の圧力が低いとき燃料の吐出を停止する。一方、加圧室12の燃料の圧力による力が、スプリング63の付勢力と燃料レール20内の圧力による力の和よりも大きいときは、吐出弁62が吐出口65の方向へ移動する。これにより、収容室611へ流入した燃料が吐出口65から吐出される。
なお、吐出弁62は、内部に燃料の通路を有している。したがって、吐出弁62が吐出弁座612から離座することで吐出弁62の径方向外側へ流入した燃料は、吐出弁62の内部通路を経由して吐出口65から吐出される。
次に、リリーフ弁部70の構成について、図3〜図5を参照して説明する。
図3に示すように、リリーフ弁部70は、吐出弁62が着座する吐出弁座612よりも下流側の収容室611から加圧室12への第1リターン流路71および第2リターン流路72の途中に設けられる。
リリーフ弁部70は、ポンプボディ11、シート兼ガイド部材84、弁部材80、スプリング79、スプリングホルダ78等から構成される(図4参照)。
ポンプボディ11には、プラグ穴75、収容穴76、入口穴77、第1リターン流路71が同軸に、かつ、この順に内径が小さくなるように形成される。また、入口穴77および収容穴76は、同軸度および真円度が精度良く形成される。
収容穴76および入口穴77は、特許請求の範囲に記載の「リターン穴」を構成する。
プラグ穴75には雌ねじが形成される。また、プラグ穴75の底部の一方の隅は、第2リターン流路72を経由して加圧室12と連通している。プラグ穴75の雌ねじにプラグ73が螺着されることで、収容穴76等は、高圧ポンプ外部との連通が遮断される。また、プラグ73には、スプリングホルダ78との干渉を避けるための逃がし穴74が形成される。
シート兼ガイド部材84は、小径部と大径部とを有する筒状に形成される。小径部外壁84aはポンプボディ11の入口穴77の内壁77aに圧入される(図4のP部)。段差部84cが収容穴76の底壁76cに当接することでシート兼ガイド部材84の圧入深さが規制される。大径部外壁84bの外径は収容穴76の内壁76aの内径よりも小さく、大径部外壁84bは収容穴76に隙間嵌めで嵌合する。
小径部の第1リターン流路71側の端面84dには、第1リターン流路71と連通する入口流路71aが開口している。また、入口流路71aの第1リターン流路71と反対側の開口の周囲にはシート面81sが形成される。そのため、小径部外壁84aと入口穴内壁77aとの圧入部(P部)は、シート面81sに対してリターン燃料の流れの上流側に位置することとなる。シート面81sは、特許請求の範囲に記載の「弁座」に相当する。
また、シート面81sに対して入口流路71aと反対側であって大径部外壁84bの径方向内側には、摺動内壁94aが形成される。摺動内壁94aは、小径部外壁84aとの同軸度および真円度が精度良く形成される。
弁部材80は、「弁体」としてのボール81および摺動部材82から構成される。
ボール81は、例えば市販の鋼球であり、シート兼ガイド部材84のシート面81sに着座または離座可能である。
図5(a)に示すように、摺動部材82は、保持部82dにボール81を受容し、ボール81をシート面81sの反対側から保持する。摺動部材82は、例えば、保持部82dの周囲でボール81をかしめることで、ボール81と接合されてもよい。あるいは、ボール81が保持部82dから脱落しない範囲で自由に動くことができる構成としてもよい。
また、摺動部材82の保持部82dと反対側の中央部には突起部82eが形成され、突起部82eの周囲にはスプリング座部82fが形成される。
図5(b)に示すように、摺動部材82は、径方向の外壁が2カ所の摺動面82aおよび2カ所の平坦面82bから形成されている。摺動面82aは、シート兼ガイド部材84の摺動内壁94aに案内されて摺動する。平坦面82bは、摺動内壁94aとの間に通過流路82cを形成する。ここで、入口流路71aの断面積を入口流路面積A1とし、2カ所の通過流路82cの断面積の合計を通過流路面積A2とすると、入口流路面積A1は通過流路面積A2よりも大きくなるように設定される。
さらに、図5(c)は、第1実施形態の変形例による摺動部材83の径方向の断面図を示す。摺動部材83の軸方向の断面図は、図5(a)と共通である。摺動部材83は、径方向の外壁が3カ所の摺動面83aおよび3カ所の平坦面83bから形成されている。摺動面83aは、シート兼ガイド部材84の摺動内壁94aを摺動する。平坦面83bは、摺動内壁93aとの間に通過流路83cを形成する。
この変形例では、3カ所の通過流路83cの断面積の合計を通過流路面積A3とすると、入口流路面積A1は通過流路面積A3よりも大きくなるように設定される。
次に、筒状のスプリングホルダ78は、圧入部外壁78dが収容穴76の内壁76aに所定の深さで圧入される。スプリングホルダ78は、シート兼ガイド部材84側の端部に、スプリング79が収容される開口部78aを有する。
スプリングホルダ78の内底面78bの略中央には、収容穴76と逃がし穴74とを連通する連通穴78cが形成される。これにより、収容穴76は、連通穴78c、逃がし穴74および第2リターン流路72を経由して加圧室12と連通する。
スプリング79は、一端が摺動部材82の突起部82eにガイドされてスプリング座部82fに当接し、他端がスプリングホルダ78の内底面78bに当接する。スプリング79は、弁部材80を閉弁方向、すなわちボール81がシート面81sに着座する方向に付勢する。
第1実施形態の高圧ポンプを組み立てるとき、まず、シート兼ガイド部材84を収容穴76に挿入し、段差面84cが底壁76cに当接するまで、小径部外壁84aを入口穴内壁77aに圧入する。このとき、大径部外壁84bと内壁76aとの間には隙間があるため、圧入応力は、入口穴内壁77aのみにかかる。
その後、ボール81がシート面81sに着座し、摺動部材82が摺動内壁94aに案内されて摺動可能となるように弁部材80を挿入する。次に、スプリング79の一端を弁部材80のスプリング座部82eに当接させながらスプリングホルダ78をスプリング79に被せ、圧入部外壁78dを収容穴76の内壁76aに圧入する。
次に、高圧ポンプ10の作動について説明する。
(I)吸入行程
カムシャフト100の回転によりプランジャ41が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室12の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁62は、吐出弁座612に着座し、吐出口65を閉塞する。このとき、コイル531への通電は停止されているので、可動コア534およびニードル59はスプリング535の付勢力により図2の右方向に移動する。したがって、ニードル59と吸入弁57とが当接し、吸入弁57は開弁状態を維持する。これにより、吸入室55から加圧室12に燃料が吸入される。
吸入行程では、プランジャ41の下降により、可変容積室15の容積が減少する。したがって、可変容積室15の燃料は、容積室通路18を経由して燃料室13へ送り出される。
ここで、プランジャ41の大径部711と可変容積室15の断面積比は概ね1:0.6である。したがって、加圧室12の容積の増加分と可変容積室15の容積の減少分の比も1:0.6となる。よって、加圧室12が吸入する燃料の約60%が可変容積室15から容積室通路18を経由して燃料室13へ供給され、残りの約40%が燃料入口から燃料室13へ吸入される。
(II)調量行程
カムシャフト100の回転によりプランジャ41が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室12の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル531への通電が停止され、吸入弁57は開弁状態となっている。このため、一度加圧室12に吸入された低圧燃料が、吸入弁部50を経由して吸入室55へ戻される。
プランジャ41が上昇する途中の所定の時期にコイル531への通電を開始することにより、固定コア533と可動コア534との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力がスプリング535の付勢力よりも大きくなると、可動コア534とニードル59は固定コア533側(図2の左方向)へ移動する。これにより、吸入弁57に対するニードル59の押圧力が解除され、吸入弁57は、図2の左方向に移動して閉弁状態となる。
(III)加圧行程
吸入弁57が閉弁した後、加圧室12の燃圧は、プランジャ41の上昇と共に高くなる。加圧室12の燃圧が吐出弁92に作用する力が、吐出口65の下流側からの燃圧が吐出弁62に作用する力およびスプリング63の付勢力よりも大きくなると、吐出弁62が開弁する。これにより、加圧室12で加圧された加圧燃料は吐出口65から吐出される。
なお、加圧行程の途中でコイル531への通電が停止される。加圧室12の燃圧が吸入弁57に作用する力は、スプリング535の付勢力より大きいので、吸入弁57は閉弁状態を維持する。
調量行程および加圧行程では、プランジャ41の上昇により可変容積室15の容積が増大し、燃料室13の燃料が容積室通路18を経由して可変容積室15へ流入する。このとき、加圧室12が燃料室13側へ排出した低圧燃料の容積の約60%が燃料室13から可変容積室15に吸入される。
このように、高圧ポンプ10は、吸入行程、調量行程および加圧行程を繰り返すことにより、吸入した燃料を加圧して燃料レール20に吐出する。燃料レール20は、吐出される燃料を蓄積する。燃料レール20に蓄積される高圧燃料は、図示しないECUからの通電によって、燃料噴射弁21から噴射される。
燃料レール20内の圧力が所定のリリーフ圧より低いとき、図4(a)に示すように、弁部材80は、スプリング79の付勢力により、ボール81がシート面81sに着座(閉弁)している。
燃料レール20内の圧力が所定のリリーフ圧を超えると、図4(b)に示すように、弁部材80は、スプリング79の付勢力に抗してボール81がシート面81sから離座(開弁)する。このとき、通過流路面積A2が入口流路面積A1よりも小さいため、シート面81sを通過した燃料の圧力は、弁部材80をさらに開弁させる方向に作用する。そのため、弁部材80はスプリング79の付勢力に抗して迅速に作動し、燃料が通過するのに充分なリフト量Lが得られる。
その結果、第1リターン流路71から入口流路71aに流入した燃料は、通過流路82c(図5(b)参照)を経由して収容穴76へ流入する。そして、さらに連通穴78c、逃がし穴74および第2リターン流路72を経由して、加圧室12へ流入する。
これにより、高圧燃料が第1リターン流路71から第2リターン流路72へリリーフされる。よって、燃料レール20内の圧力が許容範囲を超えて異常高圧となった場合に過剰圧を逃がし、燃料噴射弁21等の破損を防止することができる。
このとき、弁部材80は、摺動部材82がシート兼ガイド部材84の摺動内壁94aに案内されて摺動する。
また、図5(a)に示すように、第1リターン流路71の燃料圧力がボール81に対して作用する面積は、入口流路面積A1である。また、入口穴77の穴断面積をA0とすると、第1リターン流路71の燃料圧力がシート兼ガイド部材84の端面84dに対して作用する面積は、穴断面積A0から入口流路面積A1を差し引いた受圧面積(A0−A1)である。第1リターン流路71の燃料圧力は、シート兼ガイド部材84を入口穴77から収容穴76側へ抜く方向に作用する。
したがって、シート兼ガイド部材84の抜けに対する耐性を高めるには、必要な入口流路面積A1を確保し、かつ、入口流路71aの周囲の最小肉厚を確保した上で、受圧面積(A0−A1)をできるだけ小さく設定することが望ましいと言える。
言い換えれば、受圧面積(A0−A1)をできるだけ小さく設定することにより、抜き方向の作用力に耐えるための、小径部外壁84aと入口穴内壁77aとの圧入代および圧入長を少なくすることができる。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)弁部材80の摺動部材82がシート兼ガイド部材84の摺動内壁94aに案内されて摺動することで、弁部材80の移動経路が規制される。そのため、燃料レール20内の圧力に応じてリフト量を安定させることができる。また、スプリング79の軸に対して傾いた応力がかからないため、スプリング79の耐久性を向上させることができる。
また、シート面81sおよび摺動内壁94aは、いずれもポンプボディ11に直接形成されずにシート兼ガイド部材84に形成される。したがって、ポンプボディ11が比較的硬度の低い材料で形成される場合、シート兼ガイド部材84を比較的硬度の高い材料で別に形成することで、シート面81sの加工精度を確保することができ、また、弁部材80の摺動に対する摺動内壁94aの耐摩耗性を確保することができる。
(2)弁部材80は、弁体としてのボール81と摺動部材82とから構成される。これにより、例えば、市販の鋼球をボール81として使用し、摺動内壁94aが精度良く加工された摺動部材82と組み合わせることで、弁部材80を簡易に形成することができる。
(3)シート兼ガイド部材84は、小径部外壁84aがポンプボディ11の入口穴内壁77aに圧入される。ここで、入口穴77の内径は収容穴76の内径より小さいため、受圧面積(A0−A1)を比較的小さくすることができる。その結果、抜き方向の作用力に耐えるための、小径部外壁84aと入口穴内壁77aとの圧入代および圧入長を少なくすることができ、ポンプボディ11への圧入応力を低減することができる。また、シート兼ガイド部材84の大径部外壁84bは収容穴76の内壁76aに隙間嵌めで嵌合するため、圧入応力は、収容穴76の内壁76aにはかからない。
したがって、特に、ポンプボディ11の材料硬度が比較的低い場合に有利である。
(4)入口流路面積A1が通過流路面積A2よりも大きくなるように設定されることにより、弁部材80を開弁させる方向に燃料圧力がかかりやすくなる。そのため、リリーフ圧以上の過剰圧が弁部材80に作用したとき、弁部材80はスプリング79の付勢力に抗して迅速に作動し、燃料が通過するのに充分なリフト量が得られる。したがって、燃料レール内の異常な圧力上昇による燃料噴射弁等の破損防止に対して、より大きな効果を発揮することができる。
(5)シート兼ガイド部材84は、シート面81sを形成するシート部材と、摺動内壁94aを形成するガイド部材とが一体に形成されるため、部品点数を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁部70の構成について、図6を参照して説明する。以下の実施形態の説明では、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態では、シート部材兼ガイド部材85とスプリングホルダ78とが、弁部材80およびスプリング79を内蔵して一体に組み立てられることによりリリーフ弁サブアセンブリ850を構成している。
第2実施形態では、収容穴76の内壁は、プラグ穴75側の第1内壁76aと入口穴77側の第2内壁76bとからなり、第2内壁76bの内径は第1内壁76aの内径よりも小さく形成されている。シート兼ガイド部材85は、小径部外壁85aが入口穴内壁77aに圧入される(P部)。すなわち、小径部外壁85aは入口穴内壁77aに締り嵌めで嵌合する。また、大径部外壁85bは収容穴76の第2内壁76bに隙間嵌めで嵌合し、最大径部外壁95cは収容穴76の第1内壁76aに隙間嵌めで嵌合する。
また、シート兼ガイド部材85の最大径部内壁95bには、スプリングホルダ78の圧入部外壁78dが圧入される(Q部)。
リリーフ弁サブアセンブリ850を組み立てるとき、まず、ボール81がシート部材兼ガイド部材95のシート面81sに着座し、摺動部材82が摺動内壁95aに案内されて摺動可能となるように弁部材80をシート兼ガイド部材85に挿入する。次に、スプリング79の一端を弁部材80のスプリング座部に当接させながらスプリングホルダ78をスプリング79に被せ、圧入部外壁78dをシート兼ガイド部材85の最大径部内壁95bに圧入する。
そして、リリーフ弁サブアセンブリ850をポンプボディ11の挿入穴76に挿入し、段差面85cが底壁76cに当接するまで、小径部外壁85aを入口穴内壁77aに圧入する。このとき、大径部外壁85bと第2内壁76bとの間、及び、最大径部外壁95cと第1内壁77bとの間に隙間があるため、圧入応力は入口穴内壁77aのみにかかる。
特に、収容穴76と第2リターン流路72とが重なる部位(H部)の近辺が圧入部とならない点が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1)〜(5)と同様の効果が得られる。
また、収容穴76と第2リターン流路72とが重なる部位(H部)の近辺にスプリングホルダ78が圧入されない。これにより、応力が集中しやすい穴同士の重なり部での圧入を避けることができるため、ポンプボディ11の材料硬度が比較的低い場合に、一層有利である。
さらに、サブアセンブリの状態で開弁圧の検査および調整が可能となる。したがって、例えば、リリーフ弁の開弁圧を所定範囲内に収めるために、個体毎にスプリング79の荷重のばらつきに応じて圧入深さを調整する場合、調整作業が容易となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁部70の構成について、図7を参照して説明する。図7に示すように、第3実施形態では、シート部材86およびガイド部材96が別体で形成されている。
第3実施形態では、収容穴76の内壁は、プラグ穴75側の第1内壁76aと入口穴77側の第2内壁76bとからなり、第2内壁76bの内径は第1内壁76aの内径よりも小さく形成されている。シート部材86は、小径部外壁86aが入口穴内壁77aに圧入される(P部)。すなわち、小径部外壁86aは入口穴内壁77aに締り嵌めで嵌合する。また、大径部外壁86bは収容穴76の第2内壁76bに隙間嵌めで嵌合する。
ガイド部材96は、外壁96cが収容穴76の第2内壁76bに圧入される(R部)。
第3実施形態の高圧ポンプを組み立てるとき、まず、シート部材86を収容穴76に挿入し、段差面86cが底壁76cに当接するまで、小径部外壁86aを入口穴内壁77aに圧入する。このとき、大径部外壁86bと第2内壁76bとの間には隙間があるため、圧入応力は、入口穴内壁77aのみにかかる。続いて、ガイド部材96を収容穴76に挿入し、外壁96cを第2内壁76bに圧入する。
その後、ボール81がシート部材86のシート面81sに着座し、摺動部材82が摺動内壁96aに案内されて摺動可能となるように弁部材80をガイド部材96に挿入する。次に、スプリング79の一端を弁部材80のスプリング座部に当接させながらスプリングホルダ78をスプリング79に被せ、圧入部外壁78dを収容穴76の内壁76aに圧入する。
第3実施形態では、第1実施形態の効果(1)〜(4)と同様の効果が得られる。
また、シート部材86およびガイド部材96は、第1実施形態のシート兼ガイド部材84に比べて形状が単純で加工が容易である。例えば、シート部材86を旋盤加工する場合、シート面81sがワーク(シート部材86)の端面に形成されるため、刃物台をワークに接近させて加工することができる。また、ガイド部材96は、摺動内壁96aを内径研磨で仕上げる場合、砥石をワーク(ガイド部材96)の軸穴に貫通させることができる。したがって、専用工具の製作が不要となり、また、加工工数を低減することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態による高圧ポンプのリリーフ弁部70の構成について、図8を参照して説明する。図8に示すように、第4実施形態では、シート部材87およびガイド部材97が別体で形成されている。
シート部材87は、小径部外壁87aが入口穴内壁77aに圧入される(P部)。すなわち、小径部外壁87aは入口穴内壁77aに締り嵌めで嵌合する。また、大径部外壁87bはガイド部材97の接合内壁97dに圧入される(S部)。
ガイド部材97は、外壁97cが収容穴76の内壁76aに隙間嵌めで嵌合する。
第4実施形態の高圧ポンプを組み立てるとき、まず、シート部材87を収容穴76に挿入し、段差面87cが底壁76cに当接するまで、小径部外壁87aを入口穴内壁77aに圧入する。続いて、ガイド部材97を収容穴76に挿入し、接合内壁97dを大径部外壁87bに圧入する。このとき、ガイド部材97の外壁97cと収容穴76の内壁76aとの間には隙間があるため、圧入応力は、入口穴内壁77aのみにかかる。
あるいは、先にシート部材87をガイド部材97に圧入して接合したものを収容穴76に挿入して組み立ててもよい。
その後、ボール81がシート部材87のシート面81sに着座し、摺動部材82が摺動内壁97aに案内されて摺動可能となるように弁部材80をガイド部材97に挿入する。次に、スプリング79の一端を弁部材80のスプリング座部に当接させながらスプリングホルダ78をスプリング79に被せ、圧入部外壁78dを収容穴76の内壁76aに圧入する。
第4実施形態では、第1実施形態の効果(1)〜(4)と同様の効果が得られる。
また、ガイド部材97の外壁97cをポンプボディ11の収容穴76に圧入しないため、ポンプボディ11への圧縮応力を低減することができ、特に、ポンプボディ11の材料硬度が比較的低い場合に有利である。
また、シート部材87およびガイド部材97が第1実施形態のシート兼ガイド部材84に比べて形状が単純で加工が容易である点については、第3実施形態と同様である。
(第5実施形態)
上記第1〜第4実施形態では、弁部材80はボール81と摺動部材82とから構成される。その他、図9に示す第5実施形態のように、弁部材90は、弁体としての弁部91が摺動部材と一体に形成されてもよい。また、弁部91は、円錐面状に形成されたテーパ部91aがシート面91sに着座する。このように、弁体の形状は球面に限らず円錐形等であってもよい。
参考形態)
上記第1〜第5実施形態では、特許請求の範囲に記載の「底部に第1リターン流路が開口するリターン穴」は、収容穴76、及び、収容穴76より内径が小さい入口穴77から構成され、入口穴77にシート兼ガイド部材またはシート部材の小径部が圧入される。その他、図10に示す参考形態のように、「リターン穴」は、一定の内径を有する収容穴76のみから構成されてもよい。本参考形態では、シート兼ガイド部材88は、外壁88aが収容穴内壁76aに圧入される(P部)。すなわち、外壁88aは収容穴内壁76aに締り嵌めで嵌合する。また、外壁88bは、収容穴76aに隙間嵌めで嵌合する。
弁部材80は、摺動内壁98aに案内されて摺動する。
この場合、穴断面積Awから入口流路面積A1からを差し引いた面積(Aw−A1)が燃料圧力の受圧面積となるため、第1実施形態等と比べ、シート兼ガイド部材88を抜く方向に作用する力が大きくなる。しかし、シート兼ガイド部材88の圧入による耐力が、想定される燃料圧力の最大値を充分に超えている場合等は、本参考形態の構成を採用することで、穴形状を単純にし、加工工数を低減することができる。
(その他の実施形態)
(ア)上記第1実施形態のシート兼ガイド部材84は、小径部外壁84aが入口穴内壁77aに圧入され(P部)、大径部外壁84bは、軸方向の全長にわたって収容穴76に接触しない。これに対し、図11に示すように、大径部は、軸方向の小径部と反対側の一部の外壁84bのみが収容穴76の内壁76aに圧入される(R部)ようにしてもよい。
この場合、R部の圧入力によって、燃料圧力に対してシート兼ガイド部材84の抜けを防止することができ、その分、P部における小径部外壁84aと入口穴内壁77aとの圧入代を小さくし、燃料シール性を確保できる程度の「軽圧入」とすることができる。入口穴77は、第1リターン流路71と吐出弁部60の収容室611との穴の重なり部の近くに位置する(図3参照)ため、入口穴77での圧入応力を低減することで、燃料圧力によって当該穴の重なり部で発生する引っ張り応力に加算される引っ張り応力を低減することができる。その結果、ポンプボディ11の信頼性が向上する。
また、図11の例に対して、大径部の圧入部は軸方向のどの箇所に設定されてもよく、複数の箇所に設定されてもよい。
(イ)別の参考形態では、図12に示すシート兼ガイド部材89のように、入口穴77に圧入される小径部に代えて、第1リターン流路71側の端部にテーパ状のメタルシール部89aを設けている。メタルシール部89aは、入口穴77の口元77bの全周に押し付けられることで燃料をシールする(P’部)。すなわち、円筒面での面シールではなく、円周上での線シールとなる。これにより、小径部と入口穴との締り嵌め嵌合のための精密加工が不要となり、加工コストを低減することができる。
なお、シート兼ガイド部材89における大径部の外壁89bは、図11の例における外壁84bと実質的に同一であり、摺動内壁99aは、上記実施形態の摺動内壁94a等と実質的に同一である。
(ウ)上記実施形態では、「圧入」により「締り嵌め」を実現する。その他の実施形態では、例えば、ポンプボディを加熱して膨張させる「焼き嵌め」、あるいは逆に、シート部材等を冷却して収縮させる「冷やし嵌め」により「締り嵌め」を実現してもよい。
(エ)上記実施形態では、プランジャ41は、大径部411と小径部412とから構成されているが、プランジャの構成はこれに限定されない。また、可変容積室が形成されなくてもよい。
(オ)上記実施形態では、ポンプボディ11にシリンダ16を一体に形成しているが、別体のシリンダをポンプボディ11に組み付ける構成としてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1 ・・・燃料供給装置、
10 ・・・高圧ポンプ、
11 ・・・ポンプボディ、
12 ・・・加圧室、
16 ・・・シリンダ、
20 ・・・燃料レール、
21 ・・・燃料噴射弁、
41 ・・・プランジャ、
62 ・・・吐出弁、
71 ・・・第1リターン流路、
72 ・・・第2リターン流路、
76 ・・・収容穴(リターン穴)、
77 ・・・入口穴(リターン穴)、
77a ・・・内壁、入口穴内壁、
81c ・・・シート面(弁座)、
78 ・・・スプリングホルダ、
79 ・・・スプリング
80、90 ・・・弁部材、
81 ・・・弁体、
82 ・・・摺動部材、
84、85、88、89・・・シート兼ガイド部材、
84a、85a、86a、87a・・・小径部外壁、
850 ・・・リリーフ弁サブアセンブリ、
86、87 ・・・シート部材、
94a、95a、96a、97a、98a、99a・・・摺動内壁、
96、97 ・・・ガイド部材、
A1 ・・・入口流路面積、
A2、A3 ・・・通過流路面積。

Claims (5)

  1. プランジャと、
    前記プランジャを軸方向に往復移動可能に収容するシリンダと、
    前記プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室の出口側に設けられる吐出弁と、
    前記吐出弁の出口側と連通する第1リターン流路、前記吐出弁の入口側と連通する第2リターン流路、及び、前記第1リターン流路と前記第2リターン流路との間に設けられ底部に前記第1リターン流路が開口するリターン穴を有するポンプボディと、
    前記リターン穴の底部に挿入され、前記第1リターン流路と連通する入口流路、及び、前記入口流路の前記第1リターン流路と反対側の開口に形成される弁座を有するシート部材と、
    前記リターン穴の前記弁座に対して前記入口流路と反対側に収容される筒状のガイド部材と、
    前記ガイド部材の内壁に案内されて摺動可能であり、前記吐出弁の出口側の燃料圧力が所定の圧力以下のとき前記弁座に着座し、前記吐出弁の出口側の燃料圧力が所定の圧力を超えたとき前記弁座から離座する弁部材と、
    前記弁部材を閉弁方向に付勢するスプリングと、
    を備え
    前記ポンプボディの前記リターン穴は、前記ガイド部材が収容される収容穴と、前記収容穴の底部に前記収容穴よりも内径が小さく形成され前記第1リターン流路が開口する入口穴と、からなり、
    前記シート部材は、前記入口穴に対して締り嵌めで嵌合する小径部と、前記収容穴に嵌合する大径部とを有していることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記シート部材は、前記大径部が前記収容穴に対して隙間嵌めで嵌合することを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記シート部材と前記ガイド部材とは、一体に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記弁部材は、
    前記弁座に着座または離座可能な弁体と、
    前記弁体を前記弁座の反対側から支持し前記ガイド部材の内壁に沿って摺動可能な摺動部材と、から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記シート部材の前記入口流路の入口流路面積は、前記ガイド部材の内壁と前記弁部材の外壁との間に形成され燃料が通過可能な通過流路面積より大きいことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
JP2011017028A 2011-01-28 2011-01-28 高圧ポンプ Active JP5616246B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011017028A JP5616246B2 (ja) 2011-01-28 2011-01-28 高圧ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011017028A JP5616246B2 (ja) 2011-01-28 2011-01-28 高圧ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012158987A JP2012158987A (ja) 2012-08-23
JP5616246B2 true JP5616246B2 (ja) 2014-10-29

Family

ID=46839739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011017028A Active JP5616246B2 (ja) 2011-01-28 2011-01-28 高圧ポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5616246B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105402452A (zh) * 2015-12-11 2016-03-16 中国北方发动机研究所(天津) 一种泄压阀
WO2018015047A1 (de) * 2016-07-21 2018-01-25 Robert Bosch Gmbh Kraftstoff-hochdruckpumpe
DE112017002249T5 (de) 2016-04-28 2019-01-17 Denso Corporation Hochdruckpumpe

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103174572B (zh) * 2013-04-12 2015-04-15 南岳电控(衡阳)工业技术有限公司 一种可以控制压力和流量的安全溢流阀装置
JP6308921B2 (ja) * 2014-09-17 2018-04-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 高圧燃料供給ポンプ
US10253741B2 (en) 2015-05-12 2019-04-09 Hitachi Automotive Systems, Ltd High-pressure fuel pump
JP6596304B2 (ja) * 2015-10-30 2019-10-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 高圧燃料供給ポンプ
DE102018218919A1 (de) * 2018-11-06 2020-05-07 Robert Bosch Gmbh Kraftstoff-Hochdruckpumpe
DE102019131537B4 (de) * 2019-11-21 2022-01-27 Kendrion (Villingen) Gmbh Vorrichtung zur Druckregelung in einer Kraftstoffzuführung eines Verbrennungsmotors mit einer Common-Rail-Einspritzung

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4453028B2 (ja) * 2005-03-30 2010-04-21 株式会社デンソー 高圧燃料ポンプ
JP5196320B2 (ja) * 2008-12-26 2013-05-15 株式会社デンソー 高圧ポンプ
JP5176948B2 (ja) * 2008-12-26 2013-04-03 株式会社デンソー 燃料供給装置、及び、高圧ポンプ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105402452A (zh) * 2015-12-11 2016-03-16 中国北方发动机研究所(天津) 一种泄压阀
DE112017002249T5 (de) 2016-04-28 2019-01-17 Denso Corporation Hochdruckpumpe
US10883463B2 (en) 2016-04-28 2021-01-05 Denso Corporation High pressure pump
WO2018015047A1 (de) * 2016-07-21 2018-01-25 Robert Bosch Gmbh Kraftstoff-hochdruckpumpe

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012158987A (ja) 2012-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5616246B2 (ja) 高圧ポンプ
JP4453028B2 (ja) 高圧燃料ポンプ
JP5472751B2 (ja) 高圧ポンプ
US20110247488A1 (en) High-pressure pump
JP2009108847A (ja) 高圧燃料ポンプ
JP6370888B2 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP6689178B2 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP6308921B2 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP2016003687A (ja) 弁装置及びそれを用いる高圧ポンプ
JP2013133753A (ja) 圧力調整弁
JP5577270B2 (ja) 高圧ポンプ
JP6934519B2 (ja) 高圧燃料ポンプ
JP6527066B2 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP6697552B2 (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP2010112304A (ja) 燃料供給ポンプ
JP5529615B2 (ja) 高圧ポンプ
JP5012922B2 (ja) 高圧ポンプ
JP6840238B2 (ja) 弁機構、電磁吸入弁機構、及び高圧燃料ポンプ
JP7349505B2 (ja) 電磁弁機構及び高圧燃料供給ポンプ
JP5211182B2 (ja) 高圧ポンプ
WO2021140829A1 (ja) 吐出弁機構及びそれを備えた高圧燃料供給ポンプ
JPH0413553B2 (ja)
JP2012167697A (ja) 弁装置、弁装置の製造方法、及びこの弁装置を用いた高圧ポンプ
JP2021028483A (ja) 高圧燃料供給ポンプ
JP2004169685A (ja) 電磁弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140819

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5616246

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250