JP5616065B2 - 抗微生物テルペン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特にHIVに対する抗微生物テルペン組成物及びその使用に関する。
テルペン類、特にショウノウやその誘導体は、医薬品として広く用いられており、あらゆる疾病に対して活性であると評されている。ショウノウは、一般的には、殺菌剤や麻酔薬のような局所外服剤として用いられていた。また、ショウノウは、強心薬として内服用にも用いられている。しかしながら、それは水溶性に乏しく、その使用が制約されている。
ショウノウは、一般的に、海岸近くの松の木から流れ出る樹液から得られるテレビン油に含まれるα−ピネンから得られる。そして、α−ピネンは、様々な中間体、特に、塩化ボルニル、カンフェン、及び、イソボルネオールの有機エステルを経てショウノウに変換される。
さらに、水銀と結合したショウノウ置換誘導体はまた、過去において利尿剤としても広く使用されてきた。
しかしながら、それらの低い水溶性を考えると、テルペン類、特に、ショウノウの誘導体やその合成中間体の使用は、ヒトや動物の医薬品としての使用に制約を残している。
さらに、特にケトン誘導体のようないくつかの誘導体は、細胞障害性であることが見出されている。
しかしながら、テルペン化学は長期間存在しており、今や良く知られている。そして、その結果、治療上の効能を有するこれら生物的に活性な分子を得るためのコストは、比較的低い。
したがって、現に発生しており本発明が解決しようとする1つの課題は、抗微生物剤として使用することができ、ヒトに簡単に投与することができるテルペン組成物を提供することである。他の目的は、活性成分の効力が向上されたテルペン組成物を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
この問題を解決することを目的として、本発明は、第1の態様として、抗微生物剤として使用されるテルペン組成物を提案する。本発明によれば、テルペン組成物は、一般式(C(ただし、nは2から5である。)で表されるテルペンから得られる環状テルペン化合物と、前記環状テルペン化合物と会合したベクター形成有機物質とからなり、前記有機物質と会合した前記環状テルペン化合物が金属カチオンと結合している。
このように、本発明の1つの特徴は、抗微生物特性を有する環状テルペン化合物と、活性テルペン化合物の微生物への運搬のための有機物質との会合にあり、前記有機物質と会合した前記環状テルペン化合物が金属カチオンと結合されることで、前記組成物の抗微生物特性を助長する。さらに、有機物質は、任意に、微生物自体を介してテルペン化合物を移動させるのを可能とし、それによって所定の標的、例えば遺伝子物質に到達するので、テルペン化合物は、それらの阻害をもたらすことができる。
環状テルペン化合物は、n=2であり他のテルペン類よりも抗微生物活性が大きいモノテルペンから得られるのが良い。望ましくは、モノテルペンは、結果として5つの炭素原子を含む単環を有するテルペン化合物を生成する。
例えば、テルペン化合物は、それ自身、上述したようなα−ピネンの転化によって誘導されたショウノウの酸化によって得られる。
ピネンの異性体であるカンフェン、特に、竜脳(ボルネオール)、ショウノウ酸、ショウノウ水酸化物、あるいはショウノウジオール等、その酸誘導体やアルコール誘導体は、最もふさわしいテルペン化合物である。これらはカンフェンから合成によって得られる。酸−アルコールは、バイヤー・ヴィリガー反応により、過酸の力によって得られ、また、アルデヒドは、水酸化カリウムで処理することによって得られる。
本発明の1つの特に有利な実施形態によれば、テルペン化合物は、少なくとも1つのカルボン酸基を有し、望ましくは2つのカルボン酸基を有する。さらに、前記テルペン化合物は、前記有機物質とエステル結合を形成する。テルペン化合物は、ショウノウ酸であるのが良い。
さらに、テルペン化合物と結合する金属カチオンは、元素周期分類とも称されるメンデレーエフの元素周期表の第3周期元素又は第4周期元素の金属から選択される。望ましくは、金属カチオンは、亜鉛、銅、ニッケル、マグネシウム、あるいはマンガンからなる元素群から選択される。
しかしながら、錫や水銀等、上述した周期表の第5周期や第6周期の他の金属もまた、安定した化合物を形成することができる。
さらにまた、組織を介してテルペン化合物を運搬し、不活性化にされるべき微生物である潜在する標的に到達させることができるベクター形成有機物質は、炭水化物、望ましくは単糖類やその配糖体(monosaccharides and osides)、特に、グルコン酸塩、アミノ酸化合物、ビタミン、核酸、あるいはベンゼン化合物から選択される。サリチル酸やパラ・アミノサリチル酸、及び桂皮酸は、特に、これらベンゼン化合物に含まれる。
ビタミンのうち、葉酸、パラ・アミノ安息香酸、あるいはアスコルビン酸が特に選択され得る。したがって、例えば、アスコルビン・ショウノウ酸亜鉛(zinc ascorbo-camphorate)、ボルニル葉酸亜鉛(zinc bornyl folate)、ボルニルグルコン酸マンガン(manganese bornyl gluconate)が形成され得る。酢酸の使用はまた、アセト・ショウノウ酸亜鉛(zinc aceto-camphorate)を形成するために想定される。上述した化合物のいずれかの金属イオンは、亜鉛又はマンガンである上述した金属イオンのうちのいずれかと置換可能である。
他の態様によれば、本発明は、HIVの克服に使用するための薬剤の調製のための、あるいは、外服用の抗菌剤としての、上述したようなテルペン組成物の使用を提案する。したがって、そのような薬剤は、上述したテルペン組成物がそれ自身低コストで製造可能であることから、非常に有利なコストで製造することができる。
薬剤調製を目的とするテルペン組成物は、水性溶液、又は、水/アルコール混合物で希釈されることができ、外服用にジェルの形態としたり、注射可能な溶液の形態としたりして、生理学的に受け入れ可能な賦形剤の状態とすることができる。また一方で、テルペン組成物は、粉末状とすることもでき、それにより経口投与することが可能である。
一般に、上述したテルペン組成物は、防腐剤、殺菌剤若しくは消毒薬の調製用に、あるいは、ヒトや動物若しくは植物の病気の治療や健康用途に用いることができる。
他の態様によれば、本発明は、テルペン組成物の調製方法に関する。この調製方法によれば、ベクター形成有機物質が、一般式(C(ただし、nは2から5である。)で表されるテルペンから得られる環状テルペン化合物と会合され、前記環状テルペン化合物が、金属カチオンと結合される。
さらに他の態様によれば、本発明は、例えばHIVタイプのウイルス感染やレトロウイルス感染に対抗する薬剤を得るための上述したようなテルペン組成物の使用に関する。
本発明の他の特徴及び利点は、限定的でない指針として以下に与えられる本発明の特有の実施形態の記載を読むことによって明らかになるはずである。
本発明の1つの特徴点は、一般式(C(ただし、nは2から5である。)で表されるテルペンから得られる環状テルペン化合物を、金属カチオン及びベクター形成有機物質とともに使用することにある。
以下の実施例において、本発明にかかるテルペン組成物は、それらの効能や有効性を示し得る実験的な量と比例的に準備された。しかしながら、これらの実験的な量から工業的な量の推定は、何らの困難ももたらすことはない。
実施例1
アスコルビン酸、ショウノウ酸、及び亜鉛を主成分とする第1の調製を、常温且つ常圧、すなわち、298.15K且つ10Paのもとで行った。ただし、ある段階では、混合物は僅かに加熱されて撹拌される。
この第1の実施例によれば、式(I)で示されるショウノウ酸は、ピネンを出発物質として使用した周知の方法にしたがって得られたショウノウから、ショウノウの酸化によって調製される。
Figure 0005616065
そして、200mgのショウノウ酸を1gの90°エタノールに溶解する。次に、0.5gの超純水を混合物に加える。
その後、ショウノウ酸混合物を溶液中で酸化亜鉛と化合させる。この際、81.3mgの酸化亜鉛を1gの超純水と混合し、この混合物を撹拌して乳白色の溶液を形成する。上述したショウノウ酸混合物を乳白色の溶液中にゆっくりと注ぐ。全体を適度に且つ間欠的に撹拌する。さらに、反応を促進するために、各撹拌期間の間に例えばオーブン内にて僅かに加熱する。
そして、ショウノウ酸亜鉛の沈殿物が形成され、加熱又は凍結乾燥のいずれかによる溶液の抽出によって回収する。
次に、このようにして得られた265.3mgのショウノウ酸亜鉛を、式(II)で表される176mgのアスコルビン酸を含む10gの純水の溶液と混合する。
Figure 0005616065
望ましくは、混合は、298.15K以下の温度で実施する。このようにして得られた調製物を適度に撹拌し、アスコルビン酸の酸化を防ぐため暗所に放置する。
撹拌の間に、ショウノウ酸亜鉛が溶解し、溶液中にアスコルビン・ショウノウ酸亜鉛が形成される。しかしながら、調製物中のショウノウ酸亜鉛の1/4のみが溶解する一方で、ショウノウ酸亜鉛の残りの3/4は溶解せずに混合物中に留まる。一方、全てのアスコルビン酸が消失し、したがって、ショウノウ酸亜鉛と反応する。そして、1/200に希釈された又は200倍希釈されたこの調製物は、結果として、3/4モルのショウノウ酸亜鉛分子あたり(ここでは、1/1000モルの3/4の分子あたり)、1/4モルのアスコルビン・ショウノウ酸亜鉛分子(ここでは、1/1000モルの1/4の分子)からなる分子化合物を含む。
以下に説明するように、溶液中のこの粉末は、微生物やウイルス、特にHIVを不活性化するテルペン組成物を調製するのを可能とする。
第2の調製は、実施例2にしたがって、同じ基礎生成物であるショウノウ酸亜鉛及びアスコルビン酸を用い、また、アスコルビン酸の量を除いては同じ手順にしたがって実施される。具体的には、この実施例では、352mgのアスコルビン酸をショウノウ酸亜鉛とともに10gの超純水に溶解する。したがって、第2の組成物は、1モルのショウノウ酸あたり1モルではなく2モルのアスコルビン酸からなる。一方、この第2の調製によれば、溶解するショウノウ酸亜鉛は1/2(半分)である一方で、アスコルビン酸は全て反応する。その結果、調製物は、1/2モルのショウノウ酸亜鉛分子あたり1/2モルのアスコルビン・ショウノウ酸亜鉛分子からなる分子化合物を含む。
第3の調製は、実施例3にしたがって、同じ基礎生成物を用い、また、ここでは704mgであるアスコルビン酸の量を除いては同じ手順にしたがって実施される。そして、第3の組成物は、1モルのショウノウ酸あたり4モルのアスコルビン酸からなる。さらに、この第3の調製によれば、全てのショウノウ酸亜鉛が溶解し、アスコルビン酸と反応する。したがって、結論としては、これらから4モルのアスコルビン酸が1モルのショウノウ酸亜鉛と反応することになり、それ故に、4分子のアスコルビン酸が1分子のショウノウ酸亜鉛に結びつくものと推定される。したがって、形成される分子は、Zn[(C1014)(C]と記述されることができる。この分子はまた、ここでは記載されていないが、所定数の水和物を形成することができる。
溶解したアスコルビン・ショウノウ酸亜鉛が、凍結乾燥によって粉末の形態で回収されることができることが観察される。
さらに、第4の実施例にかかる第4の調製では、アスコルビン酸ではなく下記式で表される桂皮酸を用いて調製される。
Figure 0005616065
実施例4
148mgの桂皮酸を1gのエタノールに溶解し、それに500mgの超純水を加える。上述した方法にしたがって得られる132.65mgのショウノウ酸亜鉛を、このようにして調製された溶液中に加える。溶解の後、沈殿物が形成されるが、この沈殿物は、桂皮・ショウノウ酸亜鉛(zinc cinnamo-camphorate)に相当する。桂皮・ショウノウ酸亜鉛は、1000倍希釈(1000重量部の水あたり1重量部)を意味する1/1000の割合で水に溶け、回収される。
下記表1は、4つの実施例に対応して得られた上述した4つの調製の基本構成成分の分子比率をまとめたものであり、これに基づいて本発明にかかるテルペン組成物が調製される。
Figure 0005616065
細胞毒性試験及び感染阻害活性試験を実施するために、3種類の細胞種と2種類のウイルス株を用いた。これは、健康なドナーに由来するリンパ球で増幅された実験室株HIV−1NDK(X4指向性)や、マクロファージで増幅された初代株HIV−1Bal(R5指向性)を含む。
細胞種については、マクロファージや樹状細胞が末梢血単核細胞から得られた。さらに、リンパ球が提供された。
テルペン組成物の細胞毒性は、シグマ社が提供しているMTT試験を用いて検証した。上述したマクロファージや樹状細胞を、このようにして培養した後、それぞれの組成物で処理し、それからMTT試薬を加えた。そして、後者は、高代謝生細胞とともに結晶を形成する。溶解した結晶の490nmの吸収度は、生細胞の数に対応する。したがって、培養された非処理のマクロファージや樹状細胞と比較することにより、生存率が得られ、テルペン組成物の毒性が明らかになる。
その結果は、上述した4つの化合物の10000倍希釈を意味する1/10000、500倍、及び、100倍の希釈物が、観察した細胞に有毒ではないことを示している。
阻害活性については、テルペン組成物の存在下と不存在下とにおいて、上述した菌株HIV−1NDK(X4指向性)又は初代株HIV−1Bal(R5指向性)のウイルス粒子とともに、マクロファージ又は樹状細胞を培養する。続いて、細胞を洗浄した後、培養に戻し、最後に遠心分離する。そして、浮遊物を回収し、ELISA分析を用いてウイルスタンパクの濃度を計測するために、ウイルス粒子を溶解する。このようにして、テルペン組成物の阻害活性が、非処理の感染細胞と処理した感染細胞とを比較することによって評価される。
さらに、樹状細胞から自己Tリンパ球、すなわち、同じ幹細胞に由来するTリンパ球へのウイルスの転移試験を実施した。
このために、樹状細胞を移し替え、テルペン組成物及びウイルスのそれぞれと培養する。次に、洗浄した後、自己Tリンパ球を1つの樹状細胞あたり5つのTリンパ球となるように加える。そして、上述したタイプのウイルスタンパクの濃度をELISA分析によって評価する。
次に、マクロファージの感染の阻害を評価した。後者はHIVの潜在的な宿主であることから、テルペン組成物のマクロファージの感染阻害能を計測することには疑義がある。
Figure 0005616065
ここで、第3の調製から得られ且つ200倍希釈を意味する1/200に希釈されたテルペン組成物は、X4指向性群やR5指向性群の株によるマクロファージの感染を、95%を超えて阻害することがわかる。さらに、第3の調製及び第4の調製によってそれぞれ得られた第3の組成物及び第4の組成物について、第4の組成物は、200倍ではなく2000倍希釈でも同様の結果が得られている。
さらにまた、樹状細胞の感染阻害試験を実施した。これらの細胞は、粘膜レベルにおいてHIV感染に関与している。
Figure 0005616065
ここでも、第3の調製から得られ且つ200倍希釈されたテルペン組成物は、X4指向性株やR5指向性株による樹状細胞の感染を、95%を超えて阻害する。ここで注意すべきことは、第3の調製から得られ且つ2000倍希釈された第4の組成物もまた、同じ結果を得ることができることである。このように、100倍希釈された、この同じ第3の調製は、X4株の非伝染性を与えることができる。
樹状細胞は、HIVを捕捉し且つ「トランス感染(trans-infection)」メカニズムを経て許容細胞の感染を促進し得るウイルス受容体を形成する接着タンパク質DC−SIGNをその表面に発現する。これは、DC−SIGN受容体が、その後に近接したリンパ節中の許容されたTリンパ球に感染するように、HIVの外膜と相互作用して伝染性状態のウイルス粒子を保持することができるためである。
Figure 0005616065
このように、第3の化合物に由来するテルペン組成物の200倍希釈物は、R5指向性株やX4指向性株による樹状細胞の感染について95%を超える阻害を引き起こす。ここでも、第3の調製から得られ且つ2000倍希釈された第3の組成物は、同じ結果を与える。
さらに、本発明にかかる他のテルペン組成物であるアセト・サリチロ・ボルネオレート亜鉛を有機溶媒中で調製した。この50%に希釈された第5の調製物についてマクロファージ感染阻害を試験した。その結果、R5指向性株によるマクロファージの感染を、50%を超えて阻害した。このことは他の有機物質においても示され、この点に関して、第5の調製によれば、酢酸及びサリチル酸はベクターを形成するために使用することが可能である。
したがって、上述した組成物に基づいて調製されるテルペン組成物は、HIVの対抗するための内服用又は外服用の薬剤を調製するのを可能とする。上述した全ての試験において最も効果的で最も大きな活性を有するテルペン組成物は、第3の調製から得られた組成物であることに注目すべきである。このように、ベクターとしてのアスコルビン酸の役割が究明されている。
また、この第3の調製から得られたテルペン組成物は、100倍希釈した場合に、X4株に対して浄化作用を有することにも注目すべきである。
また、この第3の調製から得られたテルペン組成物は、100倍希釈した場合に、X4株に対して浄化作用を有することにも注目すべきである。
このように、HIVに対抗する見地から殺菌性調製物として、第3の調製から得られたテルペン組成物を使用するために、ウサギをモデルとして膣毒性試験を実施した。
第3の調製から得られたテルペン組成物の反復塗布が膣炎症を引き起こすか否かを示すために、ニュージーランドホワイトウサギのモデルを用いた。このために、用量1mlの2つの組成物を用いて動物たちを処理した。2つの組成物のうちの一方は、2.1μg/ミリリットルの組成物を含んでおり、他方は、4200μg/ミリリットルの組成物を含んでいる。対照動物は、同じ条件のもとで、PBS緩衝液のみを用いて処理した。
総数9匹の動物全てには、連続した10日間、上述した組成物を毎日膣内投与した。組成物の最後の投与から24時間後に、全ての動物の膣道を摘出し、病理組織学的な評価を実施した。予期した通り、PBS緩衝液を用いて処理した対照動物は、通常の組織を示した。異なる濃度の2種類の組成物を用いて処理した他の2つのグループの動物の膣組織は、上皮や上皮下にある結合組織において、多形核を有する細胞の浸潤を示した。しかしながら、浸潤をよく観察すると、鬱血が「ごく僅かに」みられ、浮腫は観察されなかった。膣上皮は、完全に損傷を受けていないままであり、軽微な形態上の変化が認められただけであった。
このように、上述した2つの希釈物にかかる組成物は、「ごく僅かな」膣の炎症をもたらしたにすぎない。そのため、この程度の炎症は、膣への使用に対して容認可能である。したがって、これらの試験は、組成物の無毒を検証することを可能にした。
このように、これらの試験は、テルペン誘導体が高い抗レトロウイルス活性を有し、マクロファージや樹状細胞、リンパ球等の粘膜標的細胞内でのウイルス複製を阻害し得ることを示している。それらのいくつかは、樹状細胞からCD4 Tリンパ球へのHIV転移を効果的に阻害する。前記HIV転移は、ウイルスの粘膜の通過、及び粘膜内での播種の増幅に関与する仮説に基づいた大きな機構の1つである。
テルペン誘導体は、これまで未発表の機構を経てHIV−1の侵入や複製を阻害することから、既に存在する他の抗レトロウイルス化合物とは区別された分類を構成し、これらの化合物は、予防と治療の双方の観点から魅力ある抗ウイルス分子源となる。
内服用については、テルペン組成物は、例えば粉体のような固形物の形態で得られ、その後、経口投与のための錠剤に変換されたり、非経口的に投与されるように生理的に受け入れ可能な賦形剤に可溶化されたりすることが可能である。
さらに、テルペン組成物は、ネズミを用いた毒物学的な期間での試験が行われ、投与から48時間後におけるLD50(50%の個体が死亡することを根幹とする致死量)が、1kgあたり5.5g±0.5gであることが解明された。したがって、そのような組成物は無毒と見なされる。
さらにまた、亜急性毒性試験もまた、本発明にかかるテルペン組成物がヒトの病変の治療にも適していることを示した。
ヒトの治療においては、上述したテルペン組成物は、分別摂取または非分別摂取についての配賦あたり1mgから300mgの割合で形成され、投与量の範囲は、成人で1日あたり1mgから3000mgである。
勿論、本発明の他の形態、特にボルニルから得られるテルペン化合物を用いた場合には、投与量をより多くすることが可能である。

Claims (4)

  1. 抗HIV剤として使用されるテルペン組成物であって、
    ショウノウ酸である環状テルペン化合物と、
    前記環状テルペン化合物とエステル結合を形成しているアスコルビン酸、桂皮酸から選ばれるベクター形成有機物質とからなり、
    前記ベクター形成有機物質と会合した前記環状テルペン化合物が亜鉛カチオンと結合していることを特徴とするテルペン組成物。
  2. 請求項1に記載のテルペン組成物の製造方法であって、
    アスコルビン酸、桂皮酸から選ばれるベクター形成有機物質がショウノウ酸である環状テルペン化合物と会合され、前記環状テルペン化合物が亜鉛カチオンと結合されることを特徴とするテルペン組成物の製造方法。
  3. 抗HIV剤の調製のための、請求項1に記載のテルペン組成物の使用。
  4. 成人で1日あたり1mgから3000mgの投与量にしたがって投与可能な薬剤を調製するための、請求項に記載のテルペン組成物の使用。
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