JP5615550B2 - 脂肪酸アルカノールアミドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は脂肪酸アルカノールアミドの製造方法に関する。
親水性の官能基を有する脂肪酸誘導体は、界面活性物質として広く使用されている。このような界面活性物質の重要な種類には、金属加工で乳化剤、防食剤、冷却潤滑剤として、鉱油産業で潤滑添加剤として、並びに洗剤(Waschmitteln)、洗浄濃縮液、洗浄剤(Detergentien)、化粧品、および医薬品を製造するための原料として大量に使用される非イオン性両親媒性物質がある。
そのとき特に重要なものは、とりわけ、アミド基を介して結合しており、親水性を付与する少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されている少なくとも1つのアルキル基を有する脂肪酸誘導体である。実際に使用する前に、これを、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、若しくはブチレンオキサイドのようなアルキレンオキサイドと反応させることによって、又は、適した酸化剤で酸化させることによって、更に誘導することもできる。このようなアミドは、対応するエステルと比較して非常に高い加水分解安定性を有する。
既存のおよび新規な用途に対する要求が高まっており、このような要求を満たすために、ヒドロキシル基を有する脂肪酸アミドの様々な製造方法が開発された。このようなアミドを製造するとき、商業的に有利な収量を達成するために、従来、費用のかかるおよび/又は時間のかかる製造方法に依存している。一般的な製造方法では、例えば、酸無水物、酸ハロゲン化物(酸塩化物など)、又はエステルのような活性化されたカルボン酸誘導体を、ヒドロキシル基を有するアミン(本明細書では以下アルカノールアミンと称する)と反応させるか、又は、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカップリング試薬を使用して反応物(Reaktanden)をin−situで活性化することを必要とする。これらの製造方法では、一部、大量の望ましくない副生成物(アルコール、酸、および塩など)が生成し、それを生成物から分離し、処分しなければならない。しかし、生成物中に残存するこれらの助剤(Hilfsprodukte)および副生成物の残留物はまた、一部、非常に望ましくない作用をする可能性がある。従って、例えば、ハロゲン化物イオンおよび酸によって腐食が起こり;カップリング試薬およびそれによって生成した副生成物は、一部、毒性、感作性、又は発癌性がある。
カルボン酸とアルカノールアミンの直接的な熱縮合では満足な結果が得られないが、その理由は、様々な副反応によって収量が減少し、幾分、生成物の性質も低下するからである。そのとき、1つにはアルカノールアミンの二官能性が問題であり、それによってアミド生成のほかに、相当量、エステルが生成する。アルカノールアミンエステルは、異なる性質、例えば、著しく低い加水分解安定性を有するため、それはほとんどの用途で副生成物として望ましくない。更に、アミノ基もヒドロキシル基もアシル化されているエステルアミドは、界面活性剤溶液中で望ましくない濁りを生じる。エステル成分は、確かに少なくとも部分的に、熱処理によってアミドに転換され得るが、それには長い反応時間が必要であるため、このように製造されたアルカノールアミドの色および臭いが悪化することが非常に多い。しかし、エステル成分およびエステルアミド成分の分離は、物理的性質がたいてい非常に類似しているため困難であるか、又は全く不可能である。別の望ましくない副反応として、例えば、高い転換率の達成に必要な長時間の加熱中に、カルボン酸の脱炭酸、並びにアミノ基の酸化反応および脱離反応が観察される。一般に、これらの副反応により着色した副生成物が生成し、とりわけ化粧品用途に望ましい無色の、例えば、250未満のハーゼン色数(DIN/ISO6271による)を有する生成物を製造することは不可能である。後者は、例えば、漂白のような追加のプロセス工程を必要とするが、それは他の助剤の添加を必要とし、アミドの臭いが悪化して、同様に望ましくない結果となるか、又は、過酸化物およびその分解生成物のような望ましくない副生成物の生成に繋がることが多い。
アミドを合成するための比較的新しい手法は、マイクロ波を使用してカルボン酸をアミンと反応させ、アミドを得る方法である。例えば、非特許文献1は、マイクロ波を照射して合成された多数のアミドを開示している。その中には安息香酸モノエタノールアミドもあり、これは66%の収量で得られる。
非特許文献2は、酒石酸とエタノールアミンのジアミドの合成を記載しており、68%のジアミド収量が達成される。
特許文献1は、マイクロ波照射下で2−アミノ−オクタデカンジオール−1,3と2−ヒドロキシステアリン酸をアミド化することを開示しており、約70%の収量でセラミドが生成する。
安息香酸又はヒドロキシカルボン酸とアルカノールアミンをアミド化する場合の更なる転換率向上は、マイクロ波の照射による方法では、副反応として起こる脱離(安息香酸の脱炭酸;ヒドロキシカルボン酸からの脱水)のため不可能であると思われる。そのとき、生成する副生成物をリサイクルしてこのプロセスに利用することができず、分離して処分しなければならず費用がかかるため、これらの副反応は商業的および生態学的観点で特に不利である。
欧州特許出願第0884305号明細書
ゲレンズ(Gelens)ら、テトラヘドロンレターズ2005、46(21)、3751〜3754頁(Tetrahedron Letters 2005, 46(21), 3751−3754) マシコット(Massicot)ら、合成2001(16)、2441〜2444頁(Synthesis 2001(16), 2441−2444) 「マイクロ波合成」、B.L.ヘイズ著、CEM出版2002年(「Microwave Synthesis」 von B.L.Hayes, CEM Publishing 2002)
本発明の課題は、脂肪酸とヒドロキシル基を有するアミンを直接、高い収量で、即ち、定量までの収量で、脂肪酸アルカノールアミドに転換することができる脂肪酸アルカノールアミドの製造方法を見出すことであった。更に、そのとき、とりわけパラフィンおよび/又はオレフィンのような副生成物が生成してはならないか、又は少量しか生成してはならない。更に、そのとき、固有の着色ができるだけ少ない脂肪酸アルカノールアミドが生成しなければならない。
驚いたことに、脂肪酸アルカノールアミドは、少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミンと脂肪酸とから誘導されるアンモニウム塩に、マイクロ波を照射することによって高収量で製造できることが分かった。驚いたことに、そのとき、実質的に脂肪酸の脱炭酸が起こらず、エステル生成もあまり起こらない。更に、脂肪酸アミドは実質的に固有の着色がない。
本発明の対象は、少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更にアルカノールアミドに転換することよる、脂肪酸アルカノールアミドの製造方法である。
本発明の別の対象は、少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更に脂肪酸アルカノールアミドに転換することによって製造可能な、エステルとエステルアミドの含有量が合計5mol%未満の脂肪酸アルカノールアミドである。
本発明の別の対象は、少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更に脂肪酸アルカノールアミドに転換することによって製造可能な、200未満のハーゼン色数を有する脂肪酸アルカノールアミドである。
本発明の別の対象は、少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更に塩基性アミドに転換することによって製造可能な、ハロゲン化物イオンおよびカップリング試薬に由来する副生成物を含まない脂肪酸アルカノールアミドである。
アルカノールアミドとは、脂肪酸から誘導され、アミドの窒素原子が、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換された少なくとも1つの炭化水素基を有するアミドと理解される。ハロゲン化物イオンを含まない脂肪酸アミドは、遍在するハロゲン化物イオン量を超える量のハロゲン化物イオンを含有しない。
脂肪酸の概念は、本明細書では脂肪族モノカルボン酸の意味で使用される。脂肪酸とは、好ましくは、炭素数1〜50の炭化水素基を有するカルボン酸と理解される。好ましくは、脂肪酸は炭素数4〜50、とりわけ6〜30、特に8〜24、例えば、炭素数12〜18である。それらは天然由来であっても又は合成由来であってもよい。置換基が反応条件下で安定であり、例えば、脱離反応のような副反応が起こらない限り、それらは、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、シアノ基、ヒドロキシアルキル基、メトキシ基、ニトリル基、ニトロ基、および/又はスルホン酸基のような置換基を有してもよい。好ましくは、炭化水素基は、炭素と水素のみからなる。特に好ましい脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐鎖又は環状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい。それらが不飽和である場合、それらは1つ以上の、例えば、2つ、3つ又はそれより多くの二重結合を含有してもよい。好ましくは、二重結合はカルボキシル基に対してα,β位にはない。不飽和脂肪酸の二重結合が攻撃されないため、本発明による方法は、従って、特に多不飽和脂肪酸のアルカノールアミドの製造に有効であることが分かった。適した脂肪酸は、例えば、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、12−メチルトリデカン酸、ペンタデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、12−メチルテトラデカン酸、ヘキサデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イソオクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、およびテトラコサン酸、並びにミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ヘキサデカジエン酸、デルタ−9−cis−ヘプタデセン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、ゴンドレイン(Gondo−)酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、およびテトラコセン酸、並びにリシノール酸である。更に、例えば、綿実油、ヤシ油、落花生油、紅花油、コーン油、パーム核油、菜種油、ヒマシ油、オリーブ油、マスタードシードオイル、大豆油、ヒマワリ油、並びに、獣脂、骨油、および魚油のような天然の脂肪および油から得られる脂肪酸混合物が適している。脂肪酸又は脂肪酸混合物として本発明による方法に同様に適しているものには、トール油脂肪酸並びに樹脂酸およびナフテン酸がある。
本発明に適したアルカノールアミンは、少なくとも1つの一級又は二級アミノ基を有する、即ち、少なくとも1つのアミノ基は1つ又は2つの水素原子を有する。更に、少なくとも1つのアルキル基は、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する。好ましいアミンは次式に対応し、
HNR
式中、
は、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する炭素数1〜50の炭化水素基を表し、
は、水素、R又は炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
は、好ましくは炭素数2〜20、例えば、炭素数3〜10である。更に、好ましくはRは直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。このアルキル基は、酸素又は窒素のようなヘテロ原子で中断されていてもよい。Rは、1つ以上の、例えば、2個、3個又はそれより多くのヒドロキシル基を有してもよい。好ましくは、1つ又は複数のヒドロキシル基がそれぞれ炭化水素基の一級又は二級炭素原子に結合している。またRもRを表す場合、全部で5個以下、とりわけ1個、2個又は3個のヒドロキシル基を有するアミンが好ましい。
好ましい実施形態では、Rは次式の基を表し、
−(B−O)−H
式中、Bは、炭素数2〜10のアルキレン基を表し、
mは、1〜500の数を表す。
好ましくは、Bは、炭素数2〜5の直鎖又は分岐鎖アルキレン基、特に好ましくは炭素数2又は3の直鎖又は分岐鎖アルキレン基、とりわけ式−CH−CH−および/又は−CH(CH)−CH−の基を表す。
好ましくは、mは2〜300の数、とりわけ3〜100の数を表す。特に好ましい実施形態では、mは1又は2を表す。m≧3、とりわけm≧5のアルコキシ鎖は、様々なアルコキシ単位、好ましくはエトキシ単位とプロポキシ単位の交互のブロックを有するブロックポリマー鎖であってもよい。それは、アルコキシ単位のランダムな配列を有する鎖であっても又はホモポリマーであってもよい。
好ましい実施形態では、Rは、水素、C〜C30アルキル、C〜C30アルケニル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12アリール、C〜C30アラルキル、又は環員数5〜12の芳香族複素環基を表す。炭化水素基は、例えば、酸素および窒素のようなヘテロ原子を含有してもよく、場合によっては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ニトリル基、および/又はアミノ基のような置換基を有してもよい。好ましくは、Rは、炭素数1〜18、とりわけ炭素数1〜8のアルキル基、および炭素数2〜18、とりわけ炭素数2〜8のアルケニル基を表す。これらのアルキル基およびアルケニル基は直鎖であっても又は分岐鎖であってもよい。適したアルキル基およびアルケニル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソステアリル、およびオレイルである。
別の好ましい実施形態では、Rは、例えば、メチル又はエチルのような炭素数1〜4のアルキル基を表す。特に好ましい実施形態では、Rは水素を表す。
本発明による方法は、Rが式−(B−O)−H(式中、RおよびR中のBとmの意味は同じであっても又は異なってもよい)の基を表す脂肪酸ジ(アルカノール)アミドの製造に特に適している。とりわけ、そのとき、RとRの意味は同じである。
適したアルカノールアミンの例としては、アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、イソプロパノールアミン、N−メチルアミノエタノール、N−エチルアミノエタノール、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ(ジエチレングリコール)アミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、並びに、それぞれ4〜50のアルキレンオキサイド単位を有するポリ(エチレングリコール)アミンおよびポリ(プロピレングリコール)アミンのようなポリ(エーテル)アミンがある。
本方法は、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジグリコールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジグリコールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジグリコールアミド、トール油脂肪酸モノエタノールアミド、トール油脂肪酸ジエタノールアミド、およびトール油脂肪酸ジグリコールアミドの製造にとりわけ適している。
本発明により製造されたアルカノールアミドは、アルカノールアミンのヒドロキシル基のアシル化の結果として生じるエステル又はエステルアミドを、存在する脂肪酸および脂肪酸誘導体の総量を基準にして、好ましくは5mol%未満、特に2mol%未満含有し、とりわけ実質的に含有しない。「エステルおよびアルカノールアミンエステルを実質的に含有しない」は、エステルとエステルアミドの含有量が1mol%未満であり、例えば、H−NMR分光法のような一般的な分析方法で検出できないアルカノールアミドと理解される。
本発明により製造されたアルカノールアミドのハーゼン色数は、100%活性物質に関して、好ましくは150未満、とりわけ100未満である。
本発明により製造されたアルカノールアミドのエステルとエステルアミドの総含有量は、好ましくは2mol%未満、例えば、1mol%未満である。
本発明による方法では、脂肪酸とアミンを任意の比で互いに反応させることができる。好ましくは、脂肪酸とアミンのモル比10:1〜1:10、好ましくは2:1〜1:2、特に1:1.2〜1.2:1で、とりわけ等モルで反応を行う。
多くの場合、アミンを少し過剰にして、即ち、アミン対脂肪酸のモル比を少なくとも1.01:1.00、とりわけ1.02:1.00〜1.3:1.0、例えば、1.05:1.0〜1.1:1にして処理することが有利であることが分かった。そのとき、脂肪酸は、実質的に定量的にアルカノールアミドに転換される。使用される、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する少なくとも1つの一級および/又は二級アルカノールアミンが易揮発性であるとき、この方法は特に有利である。易揮発性は、本明細書では、アミンが常圧で好ましくは200℃未満、例えば、150℃未満の沸点を有し、従って、蒸留でアミドから分離できることを意味する。
本発明によるアミド製造は、脂肪酸とアルカノールアミンを反応させてアンモニウム塩を得た後、その塩にマイクロ波を照射することによって行われる。アンモニウム塩は、そのとき、好ましくはin−situで生成され、単離されない。好ましくは、マイクロ波照射によって起こる温度上昇は、マイクロ波強度の調整および/又は反応容器の冷却により、300℃以下に制限される。100〜250℃以下、特に120〜200℃以下の温度で、例えば、125〜180℃の温度で反応を実施することが特に有効であることが分かった。
マイクロ波照射の持続時間は、反応容積、反応室の幾何学的形態、および所望の転換率のような様々な要因に依存する。通常、マイクロ波照射は、30分未満、好ましくは0.01秒〜15分間、特に好ましくは0.1秒〜10分間、とりわけ1秒〜5分間、例えば、5秒間〜2分間の時間にわたって行われる。そのとき、マイクロ波の強度(出力)は、反応混合物(Reaktionsgut)ができるだけ短時間で、目的の反応温度に到達するように調整される。その後、温度を維持するために、反応混合物をより低い出力および/又はパルス出力で更に照射することができる。同時にできるだけ出力の大きいマイクロ波を照射する場合、最高温度を維持するために、反応混合物を例えば冷却ジャケット、反応室内にある冷却管で、幾つかの照射ゾーン間の断続的な冷却により、および/又は外部熱交換器での蒸発冷却により冷却することが有効であることが分かった。好ましい実施形態では、反応生成物は、マイクロ波照射の終了後直ぐに、できるだけ迅速に120℃未満、好ましくは100℃未満、特に60℃未満の温度に冷却される。
好ましくは、反応は、0.1〜200バール、特に1バール(大気圧)〜50バールの圧力で実施される。反応物(Edukte)又は生成物の沸点より高温で、場合によっては存在する溶剤の沸点より高温で、および/又は反応中に生成する反応水の沸点より高温で処理が行われる閉鎖容器内で処理することが特に有効であることが分かった。通常、反応バッチ(Reaktionsansatzes)の加熱により生じる圧力は、本発明による方法を成功裏に実施するのに十分である。しかし、より高い圧力で、および/又は圧力プロファイルを適用して処理することもできる。本発明による方法の別の好ましい変形では、例えば、開放容器内で生じるような大気圧で処理する。
副反応を回避するために、およびできるだけ純粋な生成物を製造するために、例えば、窒素、アルゴン、又はヘリウムのような不活性保護ガスの存在下で本発明による方法を実施することが有効であることが分かった。
好ましい実施形態では、反応を加速するために又は完全にするために、脱水触媒の存在下で処理する。好ましくは、そのとき、無機酸触媒、有機金属酸触媒、又は有機酸触媒又はこれらの触媒の複数の混合物の存在下で処理する。
本発明の意味における無機酸触媒としては、例えば、硫酸、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸、硫酸アルミニウム水和物、明礬、酸性シリカゲル、および酸性水酸化アルミニウム(saures Aluminiumhydroxid)が挙げられる。更に、例えば、一般式Al(ORのアルミニウム化合物および一般式Ti(ORのチタネートが無機酸触媒として使用可能であり、式中、R基はそれぞれ同じであっても又は異なってもよく、互いに独立して、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル又はn−デシルなどのC〜C10アルキル基;例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、およびシクロドデシルなどのC〜C12シクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが好ましい)から選択される。好ましくはAl(OR又はTi(OR中のR基は、それぞれ同じであり、イソプロピル、ブチル、および2−エチルヘキシルから選択される。
好ましい有機金属酸触媒は、例えば、ジアルキル錫オキサイド(ORSnOから選択され、式中、Rは前述の定義通りである。有機金属酸触媒の特に好ましい代表としては、いわゆるオキソ錫(Oxo−Zinn)として又はファスキャット(Fascat)(登録商標)の商標で市販されているジ−n−ブチル錫オキサイドがある。
好ましい有機酸触媒は、例えば、ホスフェート基、スルホン酸基、スルフェート基、又はホスホン酸基を有する有機酸化合物である。特に好ましいスルホン酸は、少なくとも1つのスルホン酸基と、炭素数1〜40、好ましくは炭素数3〜24の少なくとも1つの飽和又は不飽和の、直鎖、分岐鎖および/又は環式炭化水素基を含有する。とりわけ好ましいのは、芳香族スルホン酸、特に、1つまたはそれ以上のC〜C28アルキル基を有するアルキル芳香族モノスルホン酸、とりわけC〜C22アルキル基を有するものである。適した例としては、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、2−メシチレンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、4−ブチルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸;ドデシルベンゼンスルホン酸、ジドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸がある。例えば、約2mol%のジビニルベンゼンで架橋されているスルホン酸基含有ポリ(スチレン)樹脂などの酸性イオン交換樹脂も有機酸触媒として使用することができる。
ホウ酸、リン酸、ポリリン酸、およびポリスチレンスルホン酸は、本発明の方法の実施に特に好ましい。一般式Ti(ORのチタネート、特にチタンテトラブチレートおよびチタンテトライソプロピレートがとりわけ好ましい。
無機酸触媒、金属有機酸触媒、又は有機酸触媒の使用を所望する場合、本発明に従って0.01〜10重量%、好ましくは0.02〜2重量%の触媒が使用される。特に好ましい実施形態では、触媒を使用することなく処理する。
別の好ましい実施形態では、マイクロ波照射は、固体酸触媒の存在下で実施される。そのとき、場合によっては溶剤と混合されるアンモニウム塩中にこの固体触媒を懸濁させるか、又は、連続的な方法では、有利には、場合によっては溶剤と混合されるアンモニウム塩を固定床触媒上に導き、マイクロ波を照射する。適した固体触媒は、例えば、ゼオライト、シリカゲル、モンモリロナイト、および(部分)架橋されたポリスチレンスルホン酸であり、場合によってはそれに触媒活性のある金属塩が含浸されていてもよい。固相触媒として使用され得るポリスチレンスルホン酸をベースにする適した酸性イオン交換樹脂は、例えば、ロームアンドハース(Rohm & Haas)社からアンバーリスト(Amberlyst)(登録商標)の商標名で入手可能である。
例えば、反応媒体の粘度を低下させるために、反応混合物(Reaktionsgemisch)が不均一である場合に反応混合物を流動化させるために、および/又は、例えば蒸発冷却により熱除去を改善するために、溶剤の存在下で処理することが有利であることが分かった。そのために、使用される反応条件下で不活性であり、反応物又は生成する生成物と反応しない全ての溶剤を原則的に使用することができる。適した溶剤を選択するときの重要な要因の1つはその極性であり、それは一方では溶解特性を、他方では照射マイクロ波との相互作用の大きさを決定する。適した溶剤を選択するときの特に重要な要因の1つはその誘電損失ε”である。誘電損失ε”は、物質が照射マイクロ波と相互作用する際に熱に変換されるマイクロ波の割合を説明する。最後に挙げた値は、本発明による方法を実施するための溶剤の適性の特に重要な基準であることが分かった。できるだけ少ないマイクロ波吸収を示し、従って、反応系の加熱に少ししか寄与しない溶剤中で処理することが特に有効であることが分かった。本発明による方法に好ましい溶剤は、室温、2450MHzで測定した誘電損失ε”が10未満、好ましくは1未満、例えば、0.5未満である。様々な溶剤の誘電損失の概要は、例えば、非特許文献3に記載されている。本発明による方法に適しているのは、とりわけ、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド又はアセトンのような10未満のε”値を有する溶剤、とりわけ1未満のε”値を有する溶剤である。1未満のε”値を有する特に好ましい溶剤の例としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン、ヘキサン、シクロへキサン、デカン、ペンタデカン、デカリンのような芳香族および/又は脂肪族炭化水素、並びに、石油ベンジンフラクション(Benzinfraktion)、灯油、ソルベントナフサ、シェルゾール(Shellsol)(登録商標)AB、ソルベッソ(Solvesso)(登録商標)150、ソルベッソ(Solvesso)(登録商標)200、エクソール(Exxsol)(登録商標)、アイソパー(Isopar)(登録商標)およびシェルゾール(Shellsol)(登録商標)タイプのような市販の炭化水素混合物がある。好ましくは10未満、特に1未満のε”値を有する溶剤混合物は、本発明による方法の実施に同様に好ましい。原則的に、本発明による方法は、10以上のε”値を有する溶剤中でも可能であるが、これは、最高温度を維持するのに特別な措置を必要とし、収量の減少に繋がることが多い。溶剤の存在下で処理する場合、反応混合物中の溶剤の割合は、好ましくは2重量%〜95重量%、特に5重量%〜90重量%、とりわけ10重量%〜75重量%、例えば、30重量%〜60重量%である。特に好ましくは、反応は溶剤を使用することなく実施される。
マイクロ波の照射は、通常、マイクロ波透過性が非常に高い材料からなる反応室を有する装置内で実施され、マイクロ波発生器内で発生するマイクロ波が好適なアンテナシステムで反応室の中に注入される。例えば、マグネトロンおよびクライストロンのようなマイクロ波発生器が当業者に既知である。
マイクロ波とは、約1cm〜1mの波長および約300MHz〜30GHzの周波数を有する電磁放射線のことを言う。この周波数領域は原則的に本発明による方法に適している。好ましくは、本発明による方法には、産業用、科学用、および医療用に許可されている915MHz、2.45GHz、5.8GHz、又は27.12GHzの周波数を有するマイクロ波が使用される。単一又は準単一モードでも、多モードでも処理することができる。装置及び反応室の幾何学的形態および大きさに対して高度の要求がある単一モードの場合、定常波によって、とりわけその最大で、非常に高いエネルギー密度が発生する。それに対して多モードの場合、反応室全体が十分均一に照射され、それによって、例えば、より大きい反応容積が可能になる。
本発明による方法を実施するために反応容器の中に照射されるべきマイクロ波の出力は、とりわけ、反応室の幾何学的形態、従って反応容積の幾何学的形態、および必要な照射の持続時間に依存する。それは、通常、100W〜数100kW、とりわけ200W〜100kW、例えば、500W〜70kWである。それを反応器の1つまたはそれ以上の場所に照射することができる。それを1つまたはそれ以上のマイクロ波発生器で発生させることができる。
反応は、回分法で非連続的に、又は、好ましくは、例えば流通管内で連続的に実施することができる。それは、更に、例えば、連続的に運転される攪拌反応器又は反応器カスケードのような半回分式プロセスで実施することができる。好ましい実施形態では、反応は閉鎖容器内で実施され、生成する縮合物、並びに、場合によっては反応物、および溶剤(存在する場合)によって圧力が増加する。反応終了後、過剰圧力は、除圧すること(Entspannung)により、反応水と場合によっては溶剤および過剰な反応物の気化および分離に、および/又は、反応生成物の冷却に使用され得る。別の実施形態では、生成した反応水は、冷却および/又は除圧の後、例えば、相分離、蒸留および/又は吸収のような通常の方法で分離される。本発明による方法は、開放容器内で、反応水を蒸発冷却および/又は除去(Auskreisen)して同様に成功裏に実施することができる。
好ましい実施形態では、本発明による方法は、非連続的なマイクロ波反応器内で実施される。そのとき、マイクロ波照射は攪拌容器内で行われる。好ましくは、過剰な熱を取り去るために、反応容器内に、例えば、冷却フィンガー(Kuehlfinger)又は冷却コイルのような冷却要素があるか、又は反応容器に、反応媒体を蒸発冷却するための還流冷却器がフランジを介して固定されている。より大きい反応容積を照射するために、マイクロ波はここでは好ましくは多モードで運転される。本発明による方法の非連続的な実施形態は、マイクロ波の出力を変化させることにより、迅速な加熱速度と緩速な加熱速度、および、とりわけ、より長時間にわたる、例えば、数時間にわたる温度の維持を可能にする。反応物および場合によっては溶剤および他の助剤を、マイクロ波照射の開始前に反応容器に予め入れておくことができる。好ましくは、そのとき、それらの温度は100℃未満、例えば、10℃〜50℃である。好ましい実施形態では、反応物又はその一部はマイクロ波照射中に初めて反応容器に供給される。別の好ましい実施形態では、非連続的なマイクロ波反応器は、半回分式又は反応器カスケードの形態で、反応物を連続的に供給し、同時に反応混合物を放出して運転される。
特に好ましい実施形態では、本発明による方法は、連続的なマイクロ波反応器内で実施される。そのために、反応混合物は、耐圧性があり、反応物に対して不活性で、マイクロ波透過性が非常に高く、マイクロ波加熱炉内に設けられている反応管に流通される。この反応管の直径は、好ましくは1ミリメートル〜約50cm、特に1mm〜35cm、例えば、2mm〜15cmである。反応管とは、本明細書では、長さ対直径の比が5より大きい、好ましくは10〜100,000、特に好ましくは20〜10,000、例えば、30〜1,000である容器と理解される。特別な実施形態では、反応管は二重ジャケット管の形態に構成されており、例えば、本方法の温度制御とエネルギー効率を向上させるために、反応混合物を二重ジャケット管の内部空間と外部空間に次々に向流で流通させることができる。反応管の長さとは、そのとき、反応混合物が貫流する全体の距離と理解され得る。反応管は、その長さにわたって、少なくとも1つの、好ましくは複数の、例えば、2、3、4、5、6、7、8又はそれより多くのマイクロ波照射器に取り囲まれている。マイクロ波照射は、好ましくは管ジャケットを通して行われる。別の好ましい実施形態では、マイクロ波照射は少なくとも1つのアンテナによって管端部を通して行われる。反応管は、通常、入口に計量ポンプとマノメータを備え、出口に圧力調整弁と熱交換器を備える。好ましくは、反応物であるアルカノールアミンと脂肪酸は、共に互いに独立して、場合によっては溶剤で希釈され、反応管に入れる直前に初めて混合される。更に、好ましくは反応物は、本発明による方法に100℃未満、例えば、10℃〜50℃の温度を有する液体の形態で供給される。そのために、それより融点の高い反応物は、例えば、溶融状態で又は溶剤と混合して使用することができる。
管の断面、照射ゾーン(以下、反応混合物にマイクロ波が照射される反応管の部分と理解される)の長さ、流動速度、マイクロ波照射器の幾何学的形状、照射されるマイクロ波出力およびそのときに到達される温度を変化させることによって、できるだけ速く最高反応温度に到達し、副反応又は後反応の発生ができるだけ少なくなるように最高温度での滞留時間を短く保つように反応条件を調整する。好ましくは、連続的なマイクロ波反応器は単一モード又は準単一モードで運転される。反応管内での滞留時間は、そのとき、一般に30分未満、好ましくは0.01秒〜15分、好ましくは0.1秒〜5分、例えば1秒〜3分である。反応を完全にするため、場合によっては中間冷却後に反応混合物を数回、反応器に通してもよい。反応管から流出した直後に、反応生成物を例えば、ジャケット冷却又は除圧によって冷却することが特に有効であることが分かった。
そのとき、特に驚いたことには、連続的に貫流される流通管内のマイクロ波領域にアンモニウム塩が非常に短い時間しか滞留しないことにも関わらず、十分なアミド化が起こり、あまり副生成物が生成しない。熱ジャケット加熱により流通管内でこのアンモニウム塩を対応して反応させる場合、アミドへの転換は少ししか達成されず、同時に相当量のエステルとエステルアミドが生成する。それに加えて、好適な反応温度を達成するのに必要な非常に高い壁体温度により、分解反応および着色種の生成が起こる。
反応を完全にするために、多くの場合、得られる粗生成物を、反応水の除去後に、および、場合によっては生成物および/又は副生成物の分離(Austragen)後に、再びマイクロ波を照射することが有効であることが分かった。
通常、本発明による方法で製造されたアルカノールアミドは、更に使用するのに十分な純度で生成する。しかし、特別な要求のために、それらを、蒸留、再結晶、ろ過又はクロマトグラフィー法のような通常の精製法で更に精製してもよい。
本発明により製造された塩基性アミドは、例えば、乳化剤として、石油産業で防食剤又は水和ガス抑制剤として、および潤滑油および燃料油の潤滑改善剤として、並びに、金属加工で冷却潤滑剤として適している。場合によっては存在する末端のヒドロキシル基を、必要に応じて、その後、例えば、エステル化、エーテル化、および他の既知の反応で更に誘導してもよい。
本発明による方法は、高収量および高純度の脂肪酸アルカノールアミドの非常に迅速で安価な製造を可能にする。とりわけ、それらはアルカノールアミンエステルおよびエステルアミドの含有量が少ない。従って、その水溶液は透明であり、熱縮合によって製造された対応する脂肪酸アルカノールアミドとは対照的に、エステルアミドによって起こる濁りがない。本発明により製造されたアミドの固有の着色は、ハーゼン色数(DIN/ISO6271による)200未満、一部は150未満、例えば、100未満に相当し、それに対して、従来の方法では追加のプロセス工程なしに250未満のハーゼン色数は達成できない。更に、例えば、脱炭酸されたカルボン酸のような副生成物があまり生成しない。このように迅速で選択的な反応は、従来の方法では達成できず、また、高温に加熱することだけでは期待できない。それに加えて、本発明による方法で製造されたアルカノールアミドは、方法的にカップリング試薬又はそれによって生成する副生成物(Folgeprodukten)の残留物を含有しないため、それらは、毒物学的に慎重な対応を要する領域、例えば、化粧品や医薬品の調製にも問題なく使用することができる。
マイクロ波照射による反応は、CEM社の「ディスカバー(Discover)」タイプの単一モードマイクロ波反応器内で、2.45GHzの周波数で行った。反応容器の冷却は、加圧空気で行った。温度測定は、IRセンサでセル底部で行った。温度測定は、反応容器内の圧力条件のため、IRセンサでセル底部で行わなければならなかった。反応混合物中に浸漬されるグラスファイバ光学素子を用いた比較試験により、反応媒体内の温度は、IRセンサでセル底部で測定した温度より約50〜80℃高い、ここで重要な温度範囲にあることが確認された。
非連続的に実施される反応は、容積8mlの閉鎖した耐圧性のガラスセル内で、磁気攪拌して行った。連続的に実施される反応は、内部にあり、セル底部上で終端する流入管(底部入口)とセルの上端にある生成物取出部とを有する、耐圧性、円筒状で二重ジャケット管として構成されたガラスセル(約10×1.5cm;反応容積15ml)内で行った。反応中に増加する圧力を、圧力調整弁で20バール以下に制限し、捕集器に逃がした。流入管を通してアンモニウム塩をセルにポンプで圧送し、ポンプ出力を変更することによって照射ゾーン内での滞留時間を調整した。
生成物の分析は、H−NMR分光法を用いて500MHzでCDCl中で行った。水の測定は、カールフィッシャー滴定(Karl−Fischer−Titration)で行った。ハーゼン色数はDIN/ISO6271に従って測定した。
実施例1:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドの製造
冷却および攪拌下にエタノールアミン1.5gをゆっくり溶融ヤシ油脂肪酸5.0gと合わせて、混合した。発熱が鎮静した後、このようにして得られたアンモニウム塩に、閉鎖セル内で最大能力で冷却しつつ、10分間、200Wのマイクロ波を照射した。IRセンサで測定した温度は195℃に到達し、圧力は10バールに上昇した。
得られた粗生成物は、主成分として85%のヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、5.4%の水、および未反応の反応物を含有した。反応バッチをMgSOで乾燥させた後、200Wのマイクロ波を再び5分間照射し、MgSOで乾燥させると、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドが98%を超える収量で得られた。このようにして得られたヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドは、1mol%未満のアミノエステルとエステルアミドを含有した。ハーゼン色数は80であった(希釈していない溶融生成物)。
実施例2:ラウリン酸ジエタノールアミドの製造
50℃で、ジエタノールアミン2.5gを攪拌下にゆっくり溶融ラウリン酸4.6gと合わせて、混合した。発熱が鎮静した後、このようにして得られたアンモニウム塩に、閉鎖セル内で最大能力で冷却しつつ、10分間、200Wのマイクロ波を照射した。IRセンサで測定した温度は190℃に到達し、圧力は10バールに上昇した。
粗生成物は、主成分として78%のラウリン酸ジエタノールアミド、4.5%の水、および未反応の反応物を含有した。反応バッチをMgSOで乾燥させた後、200Wのマイクロ波を再び5分間照射し、反応水および過剰なジエタノールアミンを減圧蒸留で除去すると、ラウリン酸ジエタノールアミドが97%を超える収量で得られた。得られたヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドは、約1mol%のアミノエステルとエステルアミドを含有した。ハーゼン色数は120であった(希釈していない溶融生成物)。
実施例3:N−ラウロイル−2−(2−アミノエトキシ)エタノールの製造
冷却および攪拌下に2−(2−アミノエトキシ)エタノール2.5gをゆっくり、等モルのラウリン酸と合わせて、混合した。発熱が鎮静した後、そのようにして得られたアンモニウム塩に、閉鎖セル内で最大能力で冷却しつつ、5分間、150Wのマイクロ波を照射した。IRセンサで測定した温度は200℃に到達し、圧力は12バールに上昇した。
粗生成物は、主成分として80%のN−ラウロイル−2−(2−アミノエトキシ)エタノール、4.7%の水、および未反応の反応物を含有した。反応バッチをMgSOで乾燥させた後、150Wのマイクロ波を再び2分間照射し、乾燥させると、N−ラウロイル−2−(2−アミノエトキシ)エタノールが97%を超える収量で得られた。得られたN−ラウロイル−2−(2−アミノエトキシ)エタノールは、1mol%未満のアミノエステルとエステルアミドを含有した。ハーゼン色数は90であった(希釈していない生成物)。
実施例4:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドの連続的製造
冷却および攪拌下にジエタノールアミン105gを40℃でゆっくりヤシ油脂肪酸205gと混合した。発熱が鎮静した後、このようにして得られたアンモニウム塩を連続的に、底部入口を経て、マイクロ波キャビティに嵌め込まれた耐圧性ガラスセルにポンプで圧送した。そのとき、セル内での、従って照射ゾーン内での滞留時間が約2分となるように、ポンプの送出量を調整した。最大能力で冷却しつつ200Wのマイクロ波出力で処理し、このときIRセンサで測定した温度は180℃に到達した。ガラスセルから流出した後、反応混合物を短いリービッヒ冷却器で40℃に冷却した。
反応水を分離した後、粗生成物をもう一度前述のようにガラスセルにポンプで圧送し、そのとき、再びマイクロ波を照射した。反応水を分離した後、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドが97%を超える収量で得られた。エステル成分は検出できなかった。得られたヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドは、1mol%未満のアミノエステルとエステルアミドを含有した。このアミドのハーゼン色数は90であった(希釈していない生成物)。
実施例5:ヤシ油脂肪酸プロパノールアミドの連続的製造
冷却および攪拌下にプロパノールアミン75g(1mol)を40℃でゆっくりヤシ油脂肪酸214g(1mol)と混合した。発熱が鎮静した後、このようにして得られたアンモニウム塩を連続的に、底部入口を経て、マイクロ波キャビティに嵌め込まれた耐圧性ガラスセルにポンプで圧送した。そのとき、セル内での、従って照射ゾーン内での滞留時間が約1.5分となるように、ポンプの送出量を調整した。最大能力で冷却しつつ300Wのマイクロ波出力で処理し、このときIRセンサで測定した温度は195℃に到達した。ガラスセルから流出した後、反応混合物を短いリービッヒ冷却器で約100℃に冷却し、その後、減圧下で反応水を分離した。
未反応の、同様に分離されたイソプロパノールを置換した後、粗生成物をその後もう一度前述のようにガラスセルにポンプで圧送し、そのとき、再びマイクロ波を照射した。反応水を再び分離した後、ヤシ油脂肪酸プロパノールアミドが95%を超える収量で得られた。H−NMRスペクトルによれば、生成物はまだ約3%の未反応のヤシ油脂肪酸を含有した;生成し得る他の副生成物(例えば、エステル、エステルアミド)の濃度は検出限界未満であった。このアミドのハーゼン色数は70であった(希釈していない溶融生成物)。
実施例6:トール油脂肪酸ジグリコールアミドの連続的製造
冷却および攪拌下にジグリコールアミン119g(1mol)を50℃でゆっくりトール油脂肪酸280g(1mol)と混合した。発熱が鎮静した後、このようにして得られたアンモニウム塩を連続的に、底部入口を経て、マイクロ波キャビティに嵌め込まれた耐圧性ガラスセルにポンプで圧送した。そのとき、セル内での、従って照射ゾーン内での滞留時間が約2.5分となるように、ポンプの送出量を調整した。最大能力で冷却しつつ200Wのマイクロ波出力で処理し、このとき、IRセンサで測定した温度は190℃に到達した。ガラスセルから流出した後、反応混合物を短いリービッヒ冷却器で約100℃に冷却し、その後、減圧下で反応水を分離した。粗生成物をその後、更に2回、前述のようにガラスセルにポンプで圧送し、そのとき、再びマイクロ波を照射し、その後、そのつど反応水を取り除いた。
従って反応混合物にマイクロ波を3回照射した後、純度96%(H−NMR)のトール油脂肪酸ジグリコールアミドが得られた。H−NMRスペクトルによれば、生成物はまだ約2%の未反応のトール油脂肪酸を含有した;生成し得る他の副生成物(例えば、エステル、エステルアミド)の濃度は検出限界未満であった。このアミドのハーゼン色数は80であった。
実施例7:ラウリン酸とエタノールアミンの連続的熱反応(比較例)
冷却および攪拌下にエタノールアミン61g(1mol)をゆっくりラウリン酸214g(1mol)と混合した。発熱が鎮静した後、このようにして得られたアンモニウム塩を連続的に、底部入口を経て、250℃の加熱油浴中にある耐圧性ガラスセルにポンプで圧送した。そのとき、セル内での、従って反応ゾーン内での反応物の滞留時間が約90秒となるように、ポンプの送出量を調整した。温度測定は、セルのオーバーフローのところで行った。ここで観察された最高温度は190℃であった。ガラスセルから流出した後、反応混合物を短いリービッヒ冷却器で室温に冷却した。
従来の熱媒体を使用したこの連続的処理法では、10%しか所望の生成物に転換できなかった。それに加えて、H−NMRで、3%の対応するエステルが検出された。副生成物としてのエステルアミドは転換率が低いため、明確に識別できなかった。この反応生成物のハーゼン色数は280であった。
本願は、特許請求の範囲に記載される発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを、少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更にアルカノールアミドに転換する、脂肪酸アルカノールアミドの製造方法。
2.前記脂肪酸が炭素数1〜50の脂肪族炭化水素基を含む、上記1に記載の方法。
3.前記炭化水素基が、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、シアノ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、ニトリル基、ニトロ基、およびスルホン酸基から選択される少なくとも1つの置換基を含む、上記2に記載の方法。
4.前記炭化水素基が飽和である、上記2又は3に記載の方法。
5.前記炭化水素基が少なくとも1つの二重結合を含む、上記2〜4のいずれか一項に記載の方法。
6.前記脂肪酸が、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、12−メチルトリデカン酸、ペンタデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、12−メチルテトラデカン酸、ヘキサデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イソオクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、およびテトラコサン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ヘキサデカジエン酸、デルタ−9−cis−ヘプタデセン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、ゴンドレイン酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、テトラコセン酸、リシノール酸、トール油脂肪酸、樹脂酸、およびナフテン酸からなる群から選択される、上記1〜5のいずれか一項に記載の方法。
7.前記アミンが一級アミノ基を含有する、上記1〜6のいずれか一項に記載の方法。
8.前記アミンが、少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する、上記1〜7のいずれか一項に記載の方法。
9.前記アミンが、次式に対応し、
HNR
式中、
が、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する炭素数1〜50の炭化水素基を表し、R が、水素、R 又は炭素数1〜50の炭化水素基を表す、
上記1〜8のいずれか一項に記載の方法。
10.前記アミンが、アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、イソプロパノールアミン、N−メチルアミノエタノール、N−エチルアミノエタノール、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ(ジエチレングリコール)アミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、並びに、それぞれ4〜50のアルキレンオキサイド単位を有するポリ(エチレングリコール)アミンおよびポリ(プロピレングリコール)アミンのようなポリ(エーテル)アミンからなる群から選択される、上記1〜9のいずれか一項に記載の方法。
11.前記マイクロ波照射が、脱水触媒の存在下で実施される、上記1〜10のいずれか一項に記載の方法。
12.溶剤の存在下で実施される、上記1〜11のいずれか一項に記載の方法。
13.前記溶剤が10未満のε”値を有する、上記12に記載の方法。
14.300℃未満の温度で実施される、上記1〜13のいずれか一項に記載の方法。
15.少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを、少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更にアルカノールアミドに転換することによって製造可能な、脂肪酸アルカノールアミド。
16.少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを、少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更にアルカノールアミドに転換することによって製造可能な、ハロゲン化物イオンおよびカップリング試薬に由来する副生成物を含まない脂肪酸アルカノールアミド。
17.少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを、少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更にアルカノールアミドに転換することによって製造可能な、アミノエステルとエステルアミドの含有量が5mol%未満の脂肪酸アルカノールアミド。
18.少なくとも1つの一級又は二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンを、少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更にアルカノールアミドに転換することによって製造可能な、ハーゼン色数が200未満の脂肪酸アルカノールアミド。
19.前記反応が、0.1〜200バールの圧力で実施される、上記1〜18のいずれか一項に記載の方法。
20.前記反応が、アンモニウム塩が貫流する(durchstroemten)反応管内で、マイクロ波を照射することによって連続的に行われる、上記1〜19のいずれか一項に記載の方法。
21.前記反応管が、非金属でマイクロ波透過性の材料からなる、上記21に記載の方法。
22.前記反応管内での反応混合物(Reaktionsgutes)の滞留時間が30分未満である、上記20又は21に記載の方法。
23.前記反応管の長さ対直径の比が少なくとも5である、上記20〜22のいずれか一項に記載の方法。

Claims (16)

  1. 少なくとも1つの二級アミノ基と少なくとも1つのヒドロキシル基とを含有する少なくとも1種のアミンであって、次式
    HNR
    [Rは次式−(B−O)−Hの基を表し、
    Bは炭素数2〜10のアルキレン基を表し、
    mは1〜500の数を表し、そして
    はR又は炭素数1〜50の炭化水素基を表す。]
    に対応するアミンを、少なくとも1種の脂肪酸と反応させてアンモニウム塩を得た後、このアンモニウム塩をマイクロ波照射下で更にアルカノールアミドに転換する、脂肪酸アルカノールアミドの製造方法であって、前記脂肪酸が炭素数1〜50の脂肪族炭化水素基を有する、製造方法
  2. 前記の脂肪酸における炭化水素基が、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、シアノ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、ニトリル基、ニトロ基、およびスルホン酸基から選択される少なくとも1つの置換基を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記の脂肪酸における炭化水素基が飽和である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記の脂肪酸における炭化水素基が少なくとも1つの二重結合を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記脂肪酸が、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、12−メチルトリデカン酸、ペンタデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、12−メチルテトラデカン酸、ヘキサデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イソオクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、およびテトラコサン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ヘキサデカジエン酸、デルタ−9−cis−ヘプタデセン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、ゴンドレイン酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、テトラコセン酸、リシノール酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、樹脂酸、およびナフテン酸からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記アミンが、N−メチルアミノエタノール、N−エチルアミノエタノール、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンおよびジ(ジエチレングリコール)アミンからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記マイクロ波照射が脱水触媒の存在下で実施される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 溶剤の存在下で実施される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記溶剤が10未満のε”値を有し、ここで、ε”値は誘電損失ε”であり、誘電損失ε”は、物質が照射マイクロ波と相互作用する際に熱に変換されるマイクロ波の割合を意味する、請求項8に記載の方法。
  10. 300℃未満の温度で実施される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記反応が、0.1〜200バールの圧力で実施される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記反応が、アンモニウム塩が貫流する(durchstroemten)反応管内で、マイクロ波を照射することによって連続的に行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記反応管が、非金属でマイクロ波透過性の材料からなる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記反応管内での反応混合物(Reaktionsgutes)の滞留時間が30分未満である、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 前記反応管の長さ対直径の比が少なくとも5であり、Rが次式
    −(B−O)−H
    [Bは炭素数2〜10のアルキレン基を表し、そしてmは1〜500の数を表す。]
    の基を表す、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記Bが炭素数2〜5の直鎖アルキレン基を表す、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
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