以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態は、減量のための保健指導を遠隔で行う計算機システム(以下、指導文作成支援システム)を用いた例について説明する。減量の参加者(指導対象者)は、3ヶ月間の減量に取り組み、減量開始時には減量のための目標を設定して、毎日体重などの記録を行う。また、指導者は、参加者の減量の記録を参照しながら電子メール等の通信手段を用いて作成した指導文を送信し、遠隔での指導を所定の間隔(例えば、10日毎)で行うという場合を例とする。
図1は、本発明の指導文作成支援システムにおいて減量の指導を行う場合の計算機システムの構成の一例を示すブロック図である。
指導文作成支援システムは、サーバ101と、指導者用の端末102、参加者用の端末103がネットワーク104で接続されている。指導者端末102と参加者端末103は、1つずつしか図示していないが、指導者の数、参加者の数に応じて複数存在することができる。
サーバ101は、CPU107と記憶部108、通信部118、指導知識入出力部116、履歴データ入出力部117を有している。そして、指導知識入出力部116を介して指導文面DB(データベース)105と接続し、履歴データ入出力部117を介して履歴DB106と接続している。記憶部108には、指導着目点抽出部109、指標演算部110、文面選択部111、文面出力部112、指導文面作成部(新規指導文面生成部)113、指導者画面管理部114、参加者画面管理部115が格納されている。記憶部108は、コンピュータのメモリやハードディスクなどであり、記憶部108内の各部は必要に応じてCPU107に読みだされて実行される。
指導文面DB105は、指導者が参加者に対して指導を行う場合の指導の候補文面が管理された指導文面テーブル119を有している。また、履歴DB106は、参加者の減量の記録や指導の記録などの履歴が管理されたDBで、参加者テーブル120、指導者テーブル121、行動記録テーブル122、指導履歴テーブル123、文面利用歴テーブル124を有している。
指導者端末102及び参加者端末103は、図示しないプロセッサ記憶部を備えて、サーバ101との通信を行う通信部151、154、指導者や参加者の入力を受け付けるマウスやキーボードなどの入力部152、153、入力部152、153の入力内容やサーバ101から受け取った内容を表示する出力部153、156を有している。
図2は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、減量の参加者の情報を管理する参加者テーブル120の一例を示す図である。
参加者テーブル120は、参加者を特定する参加者ID201、参加者の氏名202、減量を始めるときの初期体重203、3ヶ月後の目標体重204、減量のために参加者が設定した行動目標205、206、207、参加者の指導担当者を示す担当指導者ID208を有している。行動目標205、206、207は、ここでは行動する内容を文字列で表現しているが、他に行動目標を定義するテーブルを持ち、そのIDの値を記録してもよい。また、行動目標の数はここでは3個で説明しているが、数を任意に増やしたり可変長の記録領域を用いてもよい。参加者テーブル120は、参加者が減量開始するときに、指導者端末102からの指令により、サーバ101が新たなレコードを生成する。
図3は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、減量の指導者の情報を管理する指導者テーブル121の一例を示す図である。指導者テーブル121は、指導者が所属する指導機関を示す指導機関ID31、指導者ID302、指導者の氏名303を管理している。指導者テーブル121は、指導者端末102からの指令を受け付けてサーバ101が更新する。
図4は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、減量の参加者が毎日の体重や行動を記録する行動記録テーブル122の一例を示す図である。行動記録テーブル122は、参加者テーブル120の参加者ID201と突き合わせて参加者を特定する参加者ID401、記録の日付402、体重403、1日の歩数404、参加者の行動目標205、206、207に対する実施の記録405、406、407、その日のイベントとして飲み会があった記録408、間食をした記録409、初期体重203と目標体重204から計算されるその日の目標体重である日別目標体重410が格納される。行動目標の実施の記録405、406、407は、ここでは、行動目標205、206、207を実施した場合には1、しなかった場合には入力なしという形で表現している。
行動記録テーブル122は、参加者が参加者端末103の入力部155から入力された体重、1日の歩数、参加者の行動目標に対する実施の記録、飲み会の記録、間食をした記録をサーバ101が受け付けて、レコードの生成または更新が行われる。本実施形態では、参加者が参加者端末103の入力部155から毎日、測定した体重や行動目標の実施結果などを入力し、通信部154を介してサーバ101に送る。サーバ101は通信部118でこれを受信し、履歴データ入出力部117を介して行動履歴テーブル122へ入力する。なお、行動記録テーブル122は、参加者の体重の変化の履歴等の身体に関する履歴情報と、参加者の行動に関する履歴情報を含む生活記録情報として扱うことができる。
図5は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、参加者の状態や指導者の前回の指導の内容に応じて出力する指導内容を記述した指導文面データを管理する指導文面テーブル119の一例を示す図である。
指導文面テーブル119は、文面を特定する文面ID501、文面が指導する内容を分類した着目点502、この文面を出力する条件として前回の指導時の着目点503、この文面を出力する条件として参加者の行動記録に関する条件を格納する条件504、出力する指導文面505、評価指標506、文面の作成の元になった文面のID507を管理している。
ここで、保健指導などの指導では、指導の要素(指導内容)が複数存在するため、文面ID501毎に文面505が参加者に対して指導する要素を明示するための着目点502を設けることで、文面505の主旨を管理することができる。着目点502は、指導者などが指導者端末102からサーバ101に設定した定義である。減量を目標とする保健指導においては、参加者の運動量(歩数)や飲酒、間食などの多くの要素が体重の増減を左右し、また、参加者の行動パターンの変化(例えば、出張や休暇)に応じて指導すべき要素が変換する。このため、指導文の内容も指導対象の参加者の状態に応じた指導の要素毎に多種の文面505が必要となる。着目点502は、指導者等が複数の指導の要素をカテゴリなどに基づいて予め分類した定義を用いることができる。本実施形態では、複数の指導の要素として、体重の他に、歩数や行動目標を加え、これらを着目点502として扱う。
次に、評価指標506は、文面505で参加者に対する指導を行った結果、次回の指導時に評価する参加者の減量に対する実績(減量の目標達成や、運動量(歩数)、行動目標)を設定した定義である。評価指標506は、指導者などが指導者端末102からサーバ101に設定した情報である。指導者は、文面505で指導を行った効果として、次回の指導時に注目すべき参加者の実績を評価指標506として予め設定することができる。
着目点502、前回指導着目点503は、ここでは、文字列で表現しているが、他に着目点の定義テーブルを設け、そのIDを記入するようにしてもよい。あるいは着目点の種類をコンピュータ上で識別できるように表現してもよい。また、条件504や評価指標506は、指標やその評価式を文字列で表現しているが、各々の指標の計算方法を他のテーブルやプログラム上で定義し、その指標の計算方法をサーバ101が特定できる方法で管理する。
図6は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、指導者が参加者に対して行った指導の実績を管理する指導履歴テーブル123の一例を示す図である。
指導履歴テーブル123は、参加者に対して指導者が行った指導の履歴を格納する。指導履歴テーブル123は、指導の履歴を特定する指導履歴ID601、指導を行った日を示す指導日602、指導の対象となった参加者を示す参加者ID603、指導を行った指導者を示す指導者ID604、指導者が参加者に送付した指導内容605を管理している。
指導履歴テーブル123は、指導者が指導者端末102を介して参加者端末103へ指導文を送信する度に、サーバ101が送信した指導文を指導内容605に格納し、日付や指導履歴IDなどの情報を対応するフィールドへ格納する。
図7は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、指導者が参加者に対して行った指導について、指導内容の作成に利用した指導文面を管理する文面利用歴テーブル124の一例を示す図である。文面利用歴テーブル124は、指導履歴テーブル123の指導履歴のレコードを特定する指導履歴ID701、図5に示した指導文面テーブル119の文面を特定する文面ID702、703、704を管理している。文面IDについては、ここでは3個を記録するようにしているが、任意の数の記録領域を設けるほか、可変長の記録が可能な構成としてもよい。
図8は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、指導者が参加者に対して指導を行う場合に、指導者端末102の出力部153に表示する指導者画面801の一例を示す図である。
図8の指導画面801は、指導者端末102から指導対象の参加者IDについて後述するように所定の要求があったときにサーバ101が指導者端末102に対して出力する。指導者画面801は、参加者の減量の取り組み状態を示すグラフ部802を有し、グラフ部802は行動記録テーブル122の参加者の体重403を折れ線グラフで表示した体重グラフ803と、行動記録テーブル122の歩数404を棒グラフで表示した歩数グラフ804、行動記録テーブル122の行動目標405、406、407を丸印のグラフで表示した行動目標実施805、行動記録テーブル122の飲み会408、間食409のイベントの有無を丸印のグラフで表示したイベント806を有する。指導者はこのグラフ部802を見て参加者の減量の進行や取り組みの状態を把握する。
また、指導者画面801には、前回の指導内容に関する情報807、指導の候補文面表示部808、809、メール文編集部810、メール送信ボタン811などを表示する。メール文編集部810で参加者に送る指導の文章を作成して、送信ボタン811をクリックすることで電子メール(以下、メールとする)で送信し、参加者に対する指導を行う。候補文面表示部は、参加者の行動記録テーブル122のデータからサーバ101が選択した候補文面1(808)と候補文面2(809)の2つの候補文面を指導文面テーブル119から抽出する例を示す。
次に、本発明の指導文作成支援システムの処理の流れについて、フローチャートとシーケンス図を使って詳細に説明する。
図9は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、指導者が参加者に対して指導を行う場合にサーバ101で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図10は、指導者が参加者に対して指導を行う場合の指導文作成支援システムにおける処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
以下の例では、図2に示した参加者テーブル120の参加者IDがP0001の参加者に対して、図3に示した指導者テーブル121の指導者IDがS0001の指導者が指導を行うものとする。
まず、参加者は指導者と事前に面談等を行って参加者の減量の目標を決定し、指導者端末102(または参加者端末103)からサーバ101に参加者に関する情報を登録する。サーバ101は指導者端末102等からの入力を受け付けて、参加者テーブル120に参加者IDP0001のデータとして、氏名202や初期体重203、目標体重204と、目標体重を実現するために行う行動の目標として、「20分歩く」や「ビール減らす」などの行動目標205、206、207と、担当する指導者のID208を格納する。これらのデータは、指導者端末102や参加者端末103の入力部152、155で入力され、通信部151、154からネットワーク104を介してサーバ101に送信される。サーバ101では、このデータを通信部118で受信し、履歴データ入出力部117を介して、履歴DB106の参加者テーブル120に格納されるものとする。
また、参加者に関する情報の入力時に指導者端末102や参加者端末103の出力部153、154に表示する画面は、サーバ101の指導者画面管理部114、参加者画面管理部115で作成した画面情報を通信部118、151、154を介して送信し、指導者端末102または参加者端末103が出力部153,156に表示する。
続いて、参加者が減量に取り組み、その状況を毎日サーバ101に登録する。参加者は1日1回体重を測り、1日の歩数を計測してサーバ101に登録する。また、その日に行動目標とした「20分歩く」や「ビールを減らす」などの行動を実施できたかどうかをサーバ101に登録する。これらの登録は、参加者が、参加者端末103の入力部155で情報を入力すると、通信部154から図10の行動記録登録要求1011を体重などのデータと一緒にサーバ101に送信する。サーバ101では、通信部118でデータ及び行動記録格納要求1012を受信し、履歴データ入出力部117から行動記録格納要求1012(図10参照)を履歴DB106に送る。履歴DB106ではこの情報を行動記録テーブル122に格納し、1日に1レコード分の行動記録を作成する。そして、行動記録格納完了通知1013(図10参照)をサーバ101に返すと、サーバ101は、参加者端末103に行動記録登録完了通知1014(図10参照)を送信し、登録の処理を終了する。こうして、参加者は毎日体重や歩数、行動目標の実施状況などを記録していく。これにより、行動記録テーブル122には、10日分のデータが入力された状態になっているものとする。
参加者が減量を開始してから、10日毎に指導者が指導者端末102からサーバ101を介して履歴DB106に格納された参加者のデータをチェックしてから、参加者にメールを送って指導を行う。本実施形態では、この時点で図4に示した行動記録テーブル122の参加者ID401がP0001の人が5月1日(以下、5/1)から開始したものとすると、5/10分までのデータが格納された状態になっているものとする。また、5/10の時点では指導履歴テーブル123、文面利用歴テーブル124は、参加者IDがP0001の人に対する指導の履歴が何もない状態であるものとする。また、指導文面テーブル119は、図5で示したように文面ID501がT0001からT0007までの指導文面データを持っているものとする。
以下の説明では、減量開始から11日目の5/11に指導者が指導を行う場合を示す。
指導を開始するには、指導者が指導者端末102の入力部152で指導の開始を要求すると、指導者端末102の通信部151から指導開始要求1021(図10参照)をサーバ101に送信する。
サーバ101は、通信部118で指導開始要求1021を受信すると、図9に示す行動記録データの読み込みステップ901で、履歴データ入出力部117から、行動記録データ取得要求1022(図10参照)を履歴DB106に送る。履歴DB106は、参加者テーブル120の担当指導者ID208がS0001の指導者は、参加者IDがP0001の参加者を指導することから、行動記録テーブル122から参加者ID401がP0001のデータを、行動記録データとしてサーバ101に返し(図10の1023)、サーバ101は行動記録データを取得する。
次に、指標演算部110が、行動記録データから着目点(図5の502)に関する指標を計算する(図9のステップ902)。ここでは、行動記録のデータから、この10日間の歩数の平均値、行動目標の平均実施数などを指標として計算する。この例では、図4の行動記録テーブル122の参加者ID=P0001から、10日間の歩数の平均は6000歩、行動目標の平均実施数は2.3であるものとする。この指標は、前回の指導時から所定期間(例えば、10日間)の行動記録データ(生活記録)の特徴量として指標演算部110で演算される。
次に、履歴データ入出力部117が、履歴DB106から指導履歴テーブル123の指導履歴データ、文面利用歴テーブル124の文面利用歴データを読み込む(図9の903)。履歴データ入出力部117は、指導履歴データ取得要求1024(図10参照)を履歴DB106に送る。ここでは、指導履歴テーブル123、文面利用歴テーブル124には、参加者ID603がP0001に関するデータは無いので、指導履歴データ1025(図10参照)は空で返す。
次に、指導知識入出力部116が、指導文面DB105から指導文面データを読み込む(図9の904)。指導知識入出力部116は、指導文面DB105に対して指導文面要求1026(図10参照)を送付し、指導文面テーブル119が管理する指導文面データ1027(図10参照)をサーバに返す。
次に、過去の指導履歴があるか判断するステップ905(図9参照)を処理する。ここでは、ステップ903の結果、過去の指導履歴のデータが無いので、ステップ907に進む。ステップ907では、文面選択部111が、ステップ904で取得した指導文面データと、ステップ902で計算した指標をもとに、出力する指導文面を選択する。ここでは、図5に示した文面ID501がT0001からT0007までの指導文面データの中でステップ902の指標が条件504に一致する文書を選択する。ここでは、図4の行動記録テーブル122において減量の開始から10日目の日付402が5/10の体重403が79.4で、日別目標体重410の79.5を下回っているので、文面ID501がT0001の条件504と合致し、その文面505を選択する。また、文面ID501がT0003とT0004の条件504も一致したものとして、その文面505も選択する。
次に、指導者画面管理部114が、指導者画面801を作成してステップ907で選択した文面を指導者端末102の出力部153の画面に出力する(図9のステップ908)。なお、指導者画面管理部114は、XMLやHTML等で指導者画面801の構成情報を生成する。
指導者画面管理部114が作成した指導者画面801は、通信部118を介して指導者端末102に送られる(図10の1028)。指導者端末102の通信部151で受信した指導者画面801は、出力部153に表示される。出力部153に表示される指導者画面801は図8に示した指導者画面801のようになる。
図8の指導者画面801上には、減量の開始から10日分である5/1から5/10までの体重803、歩数804、行動目標の実施805、飲み会や間食のイベント806を表示する。また、メール文編集部810には、着目点が体重である文面ID501がT0001の文面を表示し、候補文面表示部808、809では、図5の文面ID501がT0003とT0004の文面を表示している。また、前回の指導内容に関する情報807は、前回の指導が無いため何も表示していない。
ここで、指導者は、参加者のグラフ部802を参照しながら、入力部152を使って、メール文編集部810のメール文の内容を編集して指導の文章を作成する。このとき、候補文面808や809に表示されている文面が良い文面であれば、その文面をメール文編集部810にコピーして、文章を作成する。ここでは、指導者が、参加者に対して歩数に関する意識付けをしようと考え、入力部152を用いて候補文面表示部808に表示された歩数の文面を指導内容にコピーして、内容を編集した後、送信ボタン811を押したものとする。送信ボタン811の操作により指導者端末102は、通信部151を介してサーバ101に作成した指導文や使用した文面の情報とともに指導文送信要求1029(図10参照)を送付する。サーバ101の通信部118で指導文送信要求1029を受けると、文面出力部112は指導文を参加者に送信する(図9のステップ909)。文面出力部112は、通信部118を介して参加者端末103に指導文を送信する(図10の1030)。参加者端末103の通信部154は指導文を受信すると、指導文送信完了通知1031(図10参照)をサーバ101に返信する。参加者は、参加者端末の出力部156で、受信した指導文を読み、また次の減量に取り組む。
サーバ101の通信部118は、指導文送信完了通知1031(図10参照)を受信すると、送信した指導文や使用した文面の情報を履歴DB106に保存する(図9のステップ910)。履歴データ入出力部117は、送信した指導文や使用した文面の情報を指導文・利用文面格納要求1032(図10参照)として履歴DB106に送る。履歴DB106では、図6に示す指導履歴テーブル123に、指導履歴ID601がR0001として、指導日602に5/11、参加者ID603や指導者ID604、そして、送信した指導内容を605に格納する。また、文面利用歴テーブル124に、指導履歴ID701が同じR0001として、文面ID702にT0001、文面ID703にT0003を格納する。そして、指導文・利用文面格納完了通知を返す(図10の1033)。履歴データ入出力部117は、格納の完了通知を受けて、通信部118を介して、指導者端末102に、指導文送信完了通知1034(図10参照)を送信する。指導者端末102の通信部151は、指導文送信完了通知1034(図10参照)を受信すると、送信の完了を出力部153に表示して、一連の指導が完了する。
次に、指導者が2回目の指導を行う場合の処理の流れを説明する。指導者は、2回目の指導を5/21に実施する。参加者はサーバ101から送信された指導内容を読んでさらに減量に取り組む。参加者は、毎日、参加者端末103の入力部155から体重や歩数などをサーバ101へ入力して、行動記録テーブル122に格納する。行動記録テーブル122は、図4で示したように、参加者ID401がP0001の人について、日付402が5/11から5/20までの行動記録データが格納される。
指導者が参加者に対して指導を開始してからの処理の流れは、図9のフローチャートと、図10のシーケンス図に従う。
図9のステップ901、902は上記で説明した通りで、ステップ901では、行動記録テーブル122の日付402が5/1から5/20までの行動記録データをサーバ101は行動記録テーブル122から取得する。
ステップ902では、サーバ101がステップ901で読み込んだ、行動記録データについて5/1から5/10と、5/11から5/20の歩数の平均値や行動目標の実施数の平均値などの指標を、所定の指導間隔毎(本実施形態では10日毎)に指標を計算する。ここでは、前回の指導時からの所定期間として、前回の指導前の10日間と、前回の指導後の10日間について指標を求める。例えば、平均歩数は5/1から5/10が6000歩、5/11から5/20が8000歩であったものとする。
そして、ステップ903では、サーバ101は指導履歴テーブル123から、参加者ID603がP0001のデータとして指導履歴ID601がR0001の指導内容606と、指導履歴ID701がR0001の文面IDのT0001とT0003の情報を取得する。ステップ904は前述の通りで、ステップ905では、過去の指導履歴として5/11に送信した指導が存在するので、ステップ906に進む。
ステップ906は、指導着目点抽出部109が、前回の指導時のデータとして指導履歴テーブル123と文面利用歴テーブル124から指導データと文面利用歴データを読み込み、前回の指導履歴ID701で使用した文面ID(701〜703)の指導文面データから前回の指導文で指導した着目点を抽出する処理である。このステップ906の詳細な処理の流れである指導文からの着目点抽出処理のフローチャートを、図11に示す。
図11において、まず、サーバ101は指導履歴テーブル123のデータから、過去の指導内容の文章を取得するステップ1101を処理する。ここでは、図9のステップ903で指導履歴テーブル123から取得した指導履歴ID601がR0001の指導内容605を用いる。
次に、サーバ101は、文面利用歴テーブル124のデータから、指導対象の参加者に対して指導履歴を作成したときに使用した文面IDを取得するステップ1102を実行する。ここでは、ステップ903で文面利用歴テーブル124の指導履歴ID701がR0001の文面ID702、703に格納されたT0001とT0003の2つの文面IDが対象となる。
次に、サーバ101は、指導文面テーブル119からステップ1102で取得した文面IDが示す文面を取得するステップ1103を実行する。ここでは、ステップ904で指導文面テーブル119から読み込んだ指導文面のデータから、文面ID501がT0001とT0003の文面505を取得する。
次に、サーバ101は、ステップ1101で取得した指導履歴テーブル123の指導履歴ID601に対応する指導内容605から、指導内容605の文面に一致する文を抽出するステップ1104を実行する。ここでは、指導内容605が、「目標達成おめでとうございます。平均歩数が5000歩を超えてすばらしいですね。次も目標達成できるように続けて行きましょう。」であり、指導文面テーブル119の文面ID=T0001の文面が、「目標達成おめでとうございます。次も目標達成できるように続けて行きましょう。」である。まず、サーバ101は、指導内容605の文と文面ID=T0001の文のそれぞれを「。」で文に区切る。そして、文の文字を比較して、指導文面テーブル119の文面の文と、指導履歴の指導文(指導内容605)の文との一致を判定する。一致を判定する方法は、文字同士を単純に比較して一致する文字数を数える方法や、N−gram法などで連続する一致文字数を調べる方法、DPマッチングにより類似度を求める方法など様々な方法がある。本実施形態では、指導文面テーブル119の文面の文と、指導内容605の文の一致文字数が所定値(あるいは、所定の比率、例えば70%)以上で一致した場合で、且つ、一致した文字数が最大の指導文面テーブル119の文を、指導内容605と一致する文と判定するものとする。
この例では、指導内容605の前半の15文字は、指導文面テーブル119の文面IDがT0001の文面の前半の文と一致し、後半の22文字は文面IDがT0001の文面の後半の文と完全一致するので、これらの部分が指導文面テーブル119の文と一致した指導内容605の文とする。そして、一致する文が存在するか判断するステップ1108で、一致する文が存在する場合はステップ1105に進み、一致する文が存在しない場合は、ステップ1105を処理せずにステップ1106に進む。ここでは、一致する文が存在するのでステップ1105に進む。
次に、サーバ101は、文面IDと抽出した文のペアを保持した上で、指導内容605から指導文面テーブル119の文面に一致した文を削除するステップ1105を実行する。ここでは、文面IDがT0001、一致した文「目標達成おめでとうございます。次も目標達成できるように続けて行きましょう。」を保持した上で、指導内容605からこの文を削除し、指導内容605として「平均歩数が5000歩を超えてすばらしいですね。」という文が残る。そして、サーバ101は全ての文面IDについて上記処理を実行したか否かを判定するステップ1106を処理する。ここでは、まだ、文面IDはT0003が残っているので、ステップ1104に戻る。
ステップ1104では、指導内容605の「平均歩数が5000歩を超えてすばらしいですね。」と、文面IDがT0003の文面「平均歩数が5000歩を超えています。」から一致する文を検索する。その結果、「平均歩数が5000歩を超えて」の部分について、文面IDがT0003の文面の70%以上が指導内容の文面と一致しているので、「平均歩数が5000歩を超えてすばらしいですね。」を一致する文として抽出する。
次に、ステップ1105では、文面IDがT0003と指導内容605の文「平均歩数が5000歩を超えてすばらしいですね。」をペアとして保持し、指導内容からこの文を削除する。その結果、指導内容の文は無くなる。
そして、ステップ1106で、今回処理すべき全ての文面IDT0001とT0003を処理したので、このループを終了し、保持した文面IDと文のペア、及び、文面IDに関する着目点の情報、及び、指導文面テーブル119の文面に無い文を出力する。ここでは、文面IDがT0001とT0003の2つの文面IDと指導内容から抽出された文のペアを出力する。また、文面IDに関する着目点の情報として、文面IDがT0001については着目点502から”体重”、文面IDがT0003については着目点502から”歩数”を出力する。また、文面に無い文は今回は存在しない。以上で、ステップ906に関する処理を終了する。
次に、図9のステップ907の処理で、文面選択部111が出力する文面を選択する。ここでは、前回の指導履歴ID=R0001で利用した文面ID=T0001、T0003は指導文面テーブル119の着目点502として「体重」と「歩数」があるので、指導文面テーブル119の前回指導着目点503と条件504で一致を判断する。ここでは、文面ID501がT0006とT0007は前回指導着目点503として”歩数”を有しており、条件504の評価で、前回指導したときの平均歩数6000歩よりも今回の平均歩数8000歩で大きいので、文面ID=T0006の条件504「今回平均歩数>前回平均歩数」を満たすので、サーバ101は文面ID=T0006の文面505を選択する。また、今回も目標体重を達成できているものとして、文面ID501がT0001の文面も選択される。さらに、文面ID=T0003も条件504が該当するので、これも選択される。この結果、文面選択部111によって文面IDがT0001,T0003,T0006の3つが選択される。
次に、ステップ908では、サーバ101が図12のような画面を指導者端末102の出力部153に出力する。指導者画面801の構成としては、図8と同じであるが、グラフ部802は5/1から5/20まで20日分のデータが表示され、候補文面1(808)には文面ID501がT0006の文面505が出力され、候補文面2(809)には文面ID501がT0003の文面505が表示されている。
また、前回の指導内容に関する情報807には、前回送信したメールと、使用した文面の指標値である、前回指導までの5/1から5/10までと、5/11から5/20までの歩数の平均値を表示している。指導者は、この画面801の前回指導の情報807を確認することで、減量開始から10日目の参加者に歩数について意識づける指導をしたことで、前回指導の以前と比べて歩数の平均値が増加していることを確認できる。さらに、候補文面1、2(808,809)として、前回よりも歩数が増えていることを賞賛する文面が表示され、指導者は指導者端末102で候補文面1(808)または候補文面2(809)からメール文編集部810に文面をコピーして、メール文を作成し、参加者に送信するため送信ボタン811を押す。送信後の処理であるステップ909、910の処理の流れは、前述の通りである。
以上に説明したように、本発明の指導文作成支援システムは、指導者が参加者に対して指導を行うときに、指導着目点抽出部109において前回の指導内容の着目点503を抽出し、文面選択部111において前回の指導内容の着目点503と、着目点に対する指導前後の所定期間の参加者の行動記録の変化から文面を選択することで、参加者に対して、前回の指導と継続性を持つ文面を指導文の候補として提示することができる。これにより、前回指導した内容と、それに対する参加者の行動を含めた指導文面を提示できるので、参加者の自己効力感を高めるように、参加者の行動の変化を評価する指導を指導者が容易に行うことができる効果がある。
さらに、本発明の指導文作成支援システムは、上述のように文面利用歴テーブル124で指導文を作成したときにどの文面を利用したかを管理するとともに、指導着目点抽出部109において実際に送信した指導文と、利用記録がある文面の文章の一致を検索する。そして、一致する文章が存在する場合にのみ、指導実績から着目点を画面801に返す。これは、画面801上の指導のメール文編集部で自由にメール文を編集可能なため、画面上で候補文面808、809からメール文編集部810に文章をコピーして文面の利用歴テーブル124に記録されても、編集で削除されてしまった場合には、実際の指導文には含まれない矛盾が発生する可能性がある。本発明では、実際に送信された指導文に本当に文面が存在するかを確認する処理を含んでいるので、このような矛盾の発生を防ぐことができる効果がある。つまり、履歴データ入出力部116は、指導の履歴を指導履歴テーブル123へ格納する際に、指導内容605の文面のうち指導文面テーブル119の文面と一致する文面を抽出し、当該抽出した文面の文面ID501を文面利用歴テーブル124へ格納する。なお、本実施形態では、指導履歴テーブル123と文面利用歴テーブル124を異なるテーブルとしたが、指導履歴テーブル123に文面利用歴テーブル124の内容を加えてもよい。
さらに、本発明の指導文作成支援システムは、指導者画面801上の候補文面808、809で、継続性のある指導文の候補を指導者に提示するとともに、前回の指導に関する情報807で、前回の指導メール文や、その指導メール文の着目点の指標の変化を表示する。これにより、指導者は前回どのような指導をしたか、また、指導をしたことで参加者がその点をより改善したのか、それとも、指導にも拘わらず着目した点が改善しなかったかを把握できる。これにより、指導者は自分が前回行った指導が参加者にとって良かったかどうかを自己評価することができる。指導者が自分の指導を振り返ることで、指導者による指導内容の改善を支援することができる効果がある。また、指導者が参加者の行動の改善を把握するためには、自分が送信したメールと、参加者の記録を細かく見る必要があり手間がかかるが、本発明では、これを画面上で容易に確認でき、指導者の負荷を軽減することができる効果がある。
なお、上記第1実施形態では、保健指導に用いる身体情報として体重を用いる例を示したが、血圧や脈拍あるいは血糖値などの身体情報を用いる保健指導に適用してもよい。
また、上記第1実施形態では、指標演算部110が計算する指標として、歩数の平均と行動目標の平均実施数を用いた例を湿したが、他の指標を用いてもよい。例えば、飲み会や間食などのイベントの10日間の回数、体重や歩数の入力日数、行動目標が一定数(例えば2つ)以上実施した日数、体重の10日間の近似直線の傾きなど、行動記録テーブル122に記録された項目から計算した値を使用することで、参加者の減量中の状態や行動を表現することができる。
<第2実施形態>
次に、良い指導結果が得られた指導文から、指導文面DBを更新する場合の処理の一例について説明する。良い指導結果が得られた指導文とは、前回の指導時に送信したメールの文面に対して、次回の指導までの参加者の行動や減量に関する結果が良好であったときの文面を指す。
指導文面DB105の更新処理は、本実施形態では、月に1回など定期的に実施して新しい指導知識を作成する処理を行うものとする。次回の更新処理までには、複数の参加者と複数の指導者が指導を実施して、行動記録テーブル122には多くの行動記録が格納され、指導履歴テーブル123、文面利用歴テーブル124には多くの指導内容や指導時に使われた文面に関する情報が記録されているものとする。
本第2実施形態の構成は、前記第1実施形態の図1に示した指導文面DB105に着目点改善定義テーブル1190を加えたものであり、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
図13は、指導文面DB105で管理する着目点改善定義テーブル1190の一例を示す図である。着目点改善定義テーブル1190は、指導文面テーブル119と共に指導文面DB105で管理される。
着目点改善定義テーブル1190は、着目点1301に対して、評価指標の計算方法を格納する評価指標1302と、評価指標の値が改善されたと判定するための条件1303、評価指標の値が悪化したと判定するための条件1304、評価指標の値を維持していると判定するための条件1305から一つのレコードが構成される。着目点改善定義テーブル1190の各レコードは、管理者端末102等から管理者が設定した値を保持する。
着目点改善定義テーブル1190は、例えば、着目点1301が歩数の場合、評価指標1302としては、10日間の平均歩数を計算し、平均歩数が、前回指導時の平均歩数よりも1000歩多ければ改善、1000歩少なければ悪化、±1000歩以内であれば維持しているとみなすという定義である。
図14は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、サーバ101が指導文面DB105を更新する処理の流れを示すフローチャートである。また、図15は、本発明の指導文作成支援システムにおいて、指導文面DB105を更新する処理の流れを示すシーケンス図である。
まず、履歴データ入出力部117が、履歴DB106から、指導履歴データと文面利用歴データを取得する(図14のステップ1401)。サーバ101の履歴データ入出力部117が、履歴DB106に対して、指導履歴・文面利用歴取得要求1501(図15参照)を送信する。履歴DB106は、指導履歴・文面利用歴取得要求1501を受信して、要求された指導履歴テーブル123と文面利用歴テーブル124の全データをサーバ101に返す(図15の1502)。
次に、指導知識入出力部116は、指導文面データを取得するステップ1402(図14参照)を行う。サーバ101の指導知識入出力部116は、指導文面DB105に対して指導文面データを要求し(図15の1503)、指導文面DB105は、受け付けた要求に対する指導文面テーブル119のデータを返す1504。このとき、指導文面DB105は、指導文面テーブル119とともに管理している、図13に示した、着目点改善定義テーブル1190のデータも一緒にサーバ101に返す。
次に、指導着目点抽出部109が、取得した全ての指導履歴データについて、文面利用歴データ、指導文面データを用いて、過去に指導した着目点の抽出を行う(図14のステップ1403)。ここでは、前記第1実施形態に示した図11のフローチャートに従って、全ての指導履歴テーブル123のデータから指導の着目点を取得する。例えば、図6に示した指導履歴テーブル123の指導履歴ID601で、図7の文面利用歴テーブル124の指導履歴ID701を検索し、ID=R0001の文面利用歴データから文面IDがT0001とT0003を格納しており、図5の指導文面テーブル119から文面IDがT0001とT0003に対応する着目点502は、「体重」と「歩数」であることが指導着目点抽出部109で取得される。
次に、履歴データ入出力部117が、履歴DB106から行動記録テーブル122のデータ(行動履歴データ)を取得する1404。サーバ101の履歴データ入出力部117が、履歴DB106に行動記録データ取得要求1505(図15参照)を送り、履歴DB106は、行動記録テーブル122から全ての行動記録データをサーバ101に返す(図15の1506)。
次に、指標演算部110が、指導履歴データと文面利用歴データ及び指導文面テーブル119から取得した着目点502について、指標を計算する(図14のステップ1405)。例えば、指導履歴ID601がR0001のデータについては、着目点502が「体重」と「歩数」なので、着目点改善定義テーブル1190の着目点1301を歩数(または体重)で検索し、着目点1301が「歩数」の評価指標1302から10日間の平均歩数を求める、という指標の計算方法を取得して、前回の指導の前の10日間と始動後の10日間について平均歩数を指標として計算する。ここでは、前回の指導前の10日間では6000歩、前回の指導後の10日間では8000歩という結果が得られる。このように、全ての指導の履歴について、その着目点の指導前後の指標を計算する。
次に、指導文面作成部113が、指導文面(メール文面)に対する指導の効果を着目点について点数化(数値化)する(図14のステップ1406)。指導文面作成部113は、着目点改善定義テーブル1190を参照し、上記ステップ1403で取得した着目点502と一致する着目点1301を選択する。そして、指導文面作成部113は、選択した着目点1301のレコードから改善の条件1303、悪化の条件1304、維持の条件1305に従って行動記録データから演算を行い、指導により着目点の指標が改善したか悪化したか否かを判定し、指導の着目点を点数化する。着目点の点数化は、改善と判定された場合は+1、維持と判定された場合は0、悪化と判定された場合は−1を着目点毎の変数に加算する。例えば、指導履歴ID601がR0001のデータについては、指導前の歩数が6000歩、指導後の歩数が8000歩なので、改善と判定して変数(得点)に1を加える。この点数化は、上述のように改善の場合は1点、維持の場合は0点、悪化の場合は−1点で全ての参加者のデータと全ての指導履歴データについて演算する。
次に、指導文面作成部113が、指導文毎に点数を集計する(図14のステップ1407)。ここでは、「平均歩数が5000歩を超えてすばらしいですね。」、「平均歩数が5000歩を超えています。」というような指導文別に、それぞれ、改善の1点、維持の0点、悪化の−1点を集計する。例えば、「平均歩数が5000歩を超えてすばらしいですね。」という文は10回使用されて、改善が5回、維持が4回、悪化が1回で合計4点、「平均歩数が5000歩を超えています。」は改善が3回、維持が5回、悪化が2回で合計1点というようになる。
次に、指導文面作成部113が、同一文面IDの文の中で指導文間の得点を比較する(図14のステップ1408)。そして、同一文面IDの中で現在の指導文面テーブル119の文面505と同一の文の点よりも高い得点の文がある場合には(図14のステップ1409)、新しい指導文面データとして、指導文面テーブル119に追加する1401。ここでは、文面ID501がT0003に対して、現在の文面は「平均歩数が5000歩を超えています。」が1点、また、同一文面IDのT0003で、内容が編集された「平均歩数が5000歩を超えてすばらしいですね。」は点数が4点ということで、編集された後の文の方が点数が高いことから、この内容が編集された文面を新しい指導文面として指導文面テーブル119に採用する。この採用は、指導文面作成部113が、前回指導着目点503、条件504はT0003から引き継ぎ、T0009として指導文面テーブル119に登録する。新しく作成した指導文面テーブル119のデータは、指導文面作成部113が、指導知識入出力部116から、指導文面格納要求1507(図15参照)として指導文面DB105に送り、指導文面DB105では、指導文面テーブル119に格納する。そして、指導文面格納完了の通知1508(図15参照)をサーバ101に返す。
そして、上記の処理を全ての文面IDに対して実行するまで、ステップ1408から1410を繰り返す(ステップ1411)。全ての文面IDについて上記処理が完了すると当該処理を終了する。
以上説明したように、本発明の指導文作成支援システムは、指導着目点抽出部109が、過去の指導履歴で参加者に送信した指導文から指導の着目点502を抽出し、指導文面作成部113が、着目点について指導した指導文の中から参加者の反応の良い指導文を新たな指導文面として指導文面DB105に追加する。つまり、指導履歴テーブル123の指導内容605から同一の文面ID501を含む指導文(指導内容605)を抽出し、抽出された指導文に対する参加者の反応を行動記録データから指導の効果を数値化して得点として付与する。そして、同一の文面ID501で得点の最も高い指導文を新たな文面として指導文面テーブル119に格納することで、指導の効果が高い文面を自動的に抽出し、定型文として指導文面テーブル119に登録することができる。
このように、本発明の指導文作成支援システムは、より良い指導結果が得られた指導文を、新たな指導文面データとすることで、より指導効果の高い指導文を候補文面として出力できるようになる効果がある。特に、本システムを長期に運用し、継続的に指導文面DB105を更新していくことで、より良い効果が得られる指導文を出力できるようになる。
また、同じ歩数に対して、平均歩数と1万歩を超えた日数のように複数の指標がある場合には、指導文面テーブル119の着目点502と評価指標506の情報と、着目点の改善定義テーブルの評価指標1302の情報の対応をとることで、指導文面作成部113で指導文毎に評価すべき指標を特定することができる。
また、新しく作成した文面を指導文面テーブルに追加する場合には、元の文面ID507に新しい文面の元になった文面IDを引き継いで記録しておく。上述の例では、文面ID509がT0003の文面から、新しい文面T0009を作成したので、元の文面ID507にはT0003を記録しておく。そして、指導文面作成部113で、ステップ1407、ステップ1408で、指導文毎の点数の集計と、点数の比較を行う場合、新しく追加された文面については元文面ID507を使用し、T0003とT0009は同じ文面として比較する。これにより、T0003の文面とT0009の文面とが、その後もT0009の方が良い指導効果が得られるのかを継続的に確認することができる。また、T0003から編集された指導文とT0009から編集された指導文が同じ文面で合った場合、それを同じ文として評価することができ、双方を合わせてより良い文面を指導知識として作成することができる。
また、上記第2実施形態では、文面IDがT0003の指導文面データからT0009の指導文面データを作成する場合に、文面505を新しく生成して、条件504はそのまま引き継ぐ方法を例に説明したが、条件504も更新するようにしてもよい。例えば、図14のステップ1408で同一文面IDの文の中で得点を比較するとき、新しい文の得点が高い場合に、そのときの指標の値を調べる。文面IDがT0003では条件504は平均歩数が5000歩を超える場合だが、新しい文面が利用されたときの平均歩数、あるいは効果があると判定されたときの平均歩数が全て8000歩を超えていた場合には、T0009の条件の部分を、5000歩から8000歩に更新した指導文面データを作成してから指導文面テーブル119に追加するようにしても良い。これにより、指導知識として新しい指導文面データを追加する場合に、より効果がある文面の提示条件を作成することができる効果がある。
また、上記第2実施形態では、指導文面テーブル119の指導文面データは全ての指導者および参加者に適用される場合を例に説明したが、指導者別や指導機関別の指導文面データを作成するようにしてもよい。例えば、指導文面テーブルに指導機関の欄や指導者の欄や参加者の欄を設け、ここに指導機関ID301、指導者ID302、参加者ID201のIDを記入することで、そのIDの指導機関、指導者、参加者の場合だけに提示される文面とすることができる。さらに、指導知識として新しい指導文面データを作成する場合に、ステップ1408で、ある特定の指導機関や指導者や参加者に絞って比較した場合によりよい効果が確認できた場合、新しい指導文面データをその指導機関、指導者、参加者用として作成してもよい。これにより、指導機関や指導者、参加者用のカスタマイズを指導に利用しながら行うことができる。
また、上記第2実施形態では、指導文面件作成部113が、参加者の行動の変化に対する指標の改善、維持、悪化に対して、1点、0点、−1点と点数をつけて、その集計から新しい指導文面データを作成する方法について説明したが、他の方法を用いてもよい。例えば、点数として、改善を2点、維持を1点、悪化を−1点などとすることで、維持についても評価することができる。指導文面の評価の観点に応じて点数は任意に設定することができる。また、点数を使わない方法を用いてもよい。例えば、指導前後の指標の変化量そのものを集計してそれを比較する方法、また、その値を例えば正規化するなど、ある関数に投入して評価する方法、候補文として提示した数に対して採用された割合とある重みで掛け合わせて採用率を反映する方法、最終的な減量目標達成/未達を考慮した方法など、様々な方法が考えられる。指導の着目点に対して、その着目点に関連する指標が改善または維持できているかどうかを評価することができる方法であれば、あらゆる方法を用いることができる。
これまで説明した第2実施形態では、指導知識の中の着目点として歩数に関するものを例に説明したが、他の着目点を用いてもよい。また、着目点に対する指標についても平均歩数を用いる場合を例に説明したが、他の指標を用いてもよい。例えば、これまでの実施例で行動記録として参加者が記録する体重や行動目標の実施状況、飲み会や間食などのイベント情報をそれぞれ着目点として用いてもよい。
また、体重の指標としては、体重変化の傾き、行動目標の平均実施数や総実施数、歩数に関する指標として、期間中の平均歩数の他に1万歩を超えた日数、イベントの数などの指標を用いることができる。これにより、参加者が記録した様々な行動に対して、指導文の候補文面を提供することができる。
これまで説明した各実施形態では、前回の指導内容に関する情報807として、前回のメール文やそのメール文で指導した着目点に関する指標値を表示していたが、他の情報を提示しても良い。例えば、指導文面作成部113の処理として説明した文面毎の点数を、指導者単位で計算して表示しても良い。これにより、前回の指導の結果の参加者の反応をみるだけでなく、これまでの自分の指導で、同じ文面を使った場合の効果を点数化して参照することができるので、自分のこれまでの指導が良かったかどうかを客観的に自己評価することができる。そのほか、他の指導者の点数との比較なども表示することで、自分の指導が他の指導者と比べて良かったかどうかも確認することができる。また、候補文面808、809にも、過去の文面の点数を表示するようにしても良い。これにより、各文面が過去使われて効果的であったかどうかを客観的に確認することができ、指導者は採用する文面の選択に利用することができる。
また、これまで説明した各実施形態では、減量などの保健指導で利用する場合を例に説明したが他の場面で利用してもよい。例えば、減量以外では、血糖や血圧の管理のような生活習慣病の予防・改善の目的に利用することができる。その場合は、行動記録として記録する情報もそれに合わせて、血糖値や血圧の記録や、摂取した食事を記録するなどに利用しても良い。また、保健指導とは別の目的として、教育や人材育成などに利用しても良い。その場合、行動記録としては、学習内容やテストの点数などを行動記録として管理し、その行動に合わせて指導者が指導するようにしても良い。そして、学習の状況やテストの結果などに応じて指導文面を提示する指導文面テーブルを作成することで、保健指導の場合と同じように利用することができる。教育も保健指導と同様に参加者にとっては継続するための意欲を維持するのが大変であるが、指導者からの適切な指導により継続、効果が期待できる。本発明の指導文作成支援システムを用いて、遠隔の指導文を作成することで、指導者が行う指導をより効果的に効率的にすることができる。
なお、上記各実施形態では、電子メールによって指導者端末102から参加者端末103へ指導文を通知する例を示したが、メールに限定されるものではなく、ネットワークを介して指導者端末102から参加者端末103へ指導文を送信可能なシステム(例えば、メッセンジャーなど)を利用することができる。
これまで説明した各実施形態では、指導の間隔として10日毎で行う場合を例に説明したが、指導の間隔(周期)は他の間隔で行ってもよい。30日毎や1週間毎、また、開始からの時期に応じて間隔を長くしたり短くしたりするなど、指導の必要に応じて任意に設定できる。指導の間隔が一定でない場合でも、指標として平均値や割合などの値を用いることで、指導対象者の行動の変化を比較することができる。
また、これまで説明した各実施形態では、図11で説明した指導実績の文と指導文面テーブル中のとの一致を判定する方法として、文字の一致比較や文の類似度を計算する方法などを例に説明したが、他の方法を用いてもよい。例えば、図8や図12のメール文編集欄810でメールを作成するときに、メールの文あるいは文字に対して指導文面テーブルの文面505から作られた文や文字か、あるいは、指導者がキーボードなど入力部152から直接入力した文や文字か文の由来を管理する。そして、文面利用歴テーブル124にこの情報を記録する領域として、指導履歴ID中の文あるいは文字を特定する情報(例えば、文の出現順の番号、あるいは文字の番号)と、文面IDとのペアを格納するようにし、メールを送信した履歴を保存するステップ910などでこの情報を保存する。そして、図11の1104のステップで行う一致の判定では、この情報を利用してどの文がどの文面から作られたのかを判定することができる。
また、これまで説明した各実施形態では、生活記録として行動記録テーブルの体重、歩数、行動目標の実施、飲み会や間食などのイベント情報を用いる方法を示したが、他の情報を用いてもよい。例えば、血圧や血糖値や心拍や体温などの生体情報、加速度センサなどを用いた活動量や睡眠などの情報、位置情報や購買情報など、その人の健康状態や行動に関する情報であればあらゆる情報を用いることができる。また、生活記録の記録方法として、参加者端末103の入力部155から入力した情報をネットワーク104を介してサーバ101の行動記録テーブル122に記録する方法について説明したが、他の方法を用いてもよい。例えば、体重や血圧計や加速度センサが別途ネットワーク104に接続されている場合、そのデータが直接通信部118を介してサーバ101の行動記録テーブル122に格納する方法を用いてもよい。また、位置情報や購買情報などのように、別のシステムで管理されている情報がある場合、そのデータをネットワーク104を介して、サーバ101の通信部118で取得し、行動記録テーブル122のデータと同じようにあつかうようにしてもよい。このようにすることで、本システムで扱う生活記録のデータの種類を増やすことができる。