JP5614801B2 - 消化器アニサキス症用薬剤 - Google Patents

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本発明は、消化器アニサキス症用薬剤に関し、詳しくはアニサキスに起因する消化器アニサキス症の予防、症状改善、感染後のアニサキスの内視鏡摘出(内視鏡検査をおこなって内視鏡下に鉗子で摘出)を行いやすくする薬剤に関する。
アニサキスは、線形動物門・双線綱・桿線虫亜綱・回虫目の、アニサキス亜科に属するアニサキス属(アニサキスI、II型)及びテラノパ属(テラノパA、B型)の幼虫をいう。消化器アニサキス症は、これら幼虫の寄生による消化管障害を総称する。
サケやサバ、アジ、イカ、タラなどの魚介類を生食するのは、特に日本人の食生活としては一般的な習慣であり、それ故にアニサキスに汚染された魚介類を摂食する機会も多く、アニサキスによる消化器症状は避けられない。
従来、アニサキスに感染した場合の一般的な治療としては、胃カメラとも呼ばれる上部消化管内視鏡や高密度光励起ファイバーレーザー装置(特許文献1)を用いて、消化管粘膜上の虫体を確認したうえで鉗子を用いてアニサキスを摘出(内視鏡検査をおこなって内視鏡下に鉗子で摘出)していた。
特開2007−299774号公報
従来、アニサキスに特異的で、かつ効果的な治療薬(薬剤)は存在していない。
従って、本発明の目的は、アニサキスに特異的な治療薬である消化器アニサキス症用薬剤を提供することにある。
本発明者は、発症後は内視鏡や高密度光励起ファイバーレーザー装置にしか頼れなかったアニサキスによる感染症(消化器アニサキス症)の治療、あるいは発症後における医療機関での受診までの間の応急処置が可能となる薬剤について鋭意検討を重ねた結果、木クレオソートが消化器アニサキス症の激しい腹痛などの消化器症状を軽減したり、消失することを見出し、本発明に至った。
上記目的を達成するための本発明に係る消化器アニサキス症用薬剤は、消化器アニサキス症の予防又は症状改善のための消化器アニサキス症用薬剤であって、その特徴構成は、少なくともグアヤコール、4−エチルグアヤコール、クレオゾール、オルトクレゾール、パラクレゾールを含む木クレオソートを有効成分として含有する点にある。
本構成によれば、木クレオソートが消化器アニサキス症の原因となるアニサキスの運動を抑制するので、アニサキスに汚染された魚介類を生食し、消化器(胃・腸)アニサキス症を発症して激しい腹痛(周期的に襲ってくるしぼるような胃痛)や嘔吐などの消化器症状を起こした際に本発明の消化器アニサキス症用薬剤を服用すると、当該症状が軽減したり、消失する。また予め、予防的に服用しておくことにより(食事中あるいは食後に服用することにより)、アニサキスに汚染された魚介類を生食しても、消化器アニサキス症の症状が軽減されたり、起こさなかったりする。これは、胃消化器アニサキス症のみならず、腹痛や強い腹部膨満感、腸閉塞と同じような症状をもつ腸消化器アニサキス症でも効果を奏する。
また、本発明に係る消化器アニサキス症用薬剤は、消化器アニサキス症の治療を必要とする哺乳動物に治療上有効量を投与し、消化器内のアニサキスを内視鏡下に鉗子で摘出しやすくする消化器アニサキス症用薬剤であって、その特徴構成は、少なくともグアヤコール、4−エチルグアヤコール、クレオゾール、オルトクレゾール、パラクレゾールを含む木クレオソートを有効成分として含有する点にある。
本構成によれば、木クレオソートが消化器アニサキス症の原因となるアニサキスの運動を抑制するので、アニサキスに汚染された魚介類を生食し、消化器(胃・十二指腸)アニサキス症を発症して消化器症状を起こし、胃や十二指腸内に居るアニサキスを内視鏡により摘出(内視鏡摘出)する必要が生じた際、本発明の消化器アニサキス症用薬剤を摘出前に服用すると、当該アニサキスの動きが鈍くなったり、停止するなど運動が抑制される。これにより、内視鏡による摘出(内視鏡検査をおこなって内視鏡下に鉗子で摘出)が容易となる。
また、本発明に係る消化器アニサキス症用薬剤は、経口投与及び直腸内投与用であり、有効成分であるクレオソートを1日当たり体重1kgに対して1〜500mgとなるように調製してある。
また、本発明に係る消化器アニサキス症用薬剤は、非経口投与用であり、有効成分であるクレオソートを1日当たり体重1kgに対して0.2〜300mgとなるように調製してある。
本発明の消化器アニサキス症用薬剤は、消化器アニサキス症の予防又は症状改善のために使用する。当該消化器アニサキス症用薬剤は、木クレオソートを有効成分として含有する。
また、本発明の消化器アニサキス症用薬剤は、消化器アニサキス症の治療を必要とする哺乳動物に治療上有効量を投与し、消化器内のアニサキスを内視鏡下に鉗子で摘出しやすくする。
アニサキス
本発明でいうアニサキスは、線形動物門・双線綱・桿線虫亜綱・回虫目の、アニサキス亜科に属するアニサキス属(アニサキスI、II型)及びテラノパ属(テラノパA、B型)の幼虫(Anisakis simplex、Anisakis physeteris、Pseudoterranova decipiens、Anisakis pegreffii、Anisakis schupakovi、Anisakis typica、Anisakis ziphidarumなど)をいう。そして、消化器アニサキス症は、これら幼虫の寄生による消化管障害を総称する。また、これらの幼虫はニシン、サバ、アジ、サケ、イカ、スルメイカなどの海産魚類に寄生し、海産哺乳類(イルカ、アザラシなど)の体内で成虫となる。
クレオソート(木クレオソート)
クレオソートは、医薬品製造指針(日本公定書協会編)1988年版第240頁の胃腸薬製造承認基準において、V欄の止瀉薬の区分中1項の殺菌剤として収載されている。また、伊藤宏著「薬理学」((株)蛍光堂、1983年1月5日改訂第6版発行)第416頁にも、クレオソートは、腸内防腐に用いるほか、吸入適応により去痰作用を示す旨記載されている。日本薬局方でも、去痰、腸内異常醗酵、食中毒などに用いる旨記載されている。ザ・ユナイテッド・ステーツ・ディスペンサトリー(The United States Dispensatory)、27th ed.(1973)、第355頁にも、クレオソートは、外用として殺菌剤、内用として去痰剤として使用される旨記載されている。さらに、緒方規男(N.Ogata)ら著のファーマコロジー(Pharmacology)、46巻、(1993)、第173頁には、クレオソートは腸管運動抑制に基づく止瀉作用を有する旨記載されている。
本発明薬剤の有効成分であるクレオソートそのものは、従来から公知であり、日本薬局方、米国のナショナル フォーミュラリー(NationalFormulary)等に収載されている。当該クレオソートは、ブナ、カシ、モミジ、マツ等の樹木、特に広葉樹から得られる木タールを蒸留し、分留により200〜230℃程度(760mmHg)の留分を集めて得られるいわゆる木クレオソート(ウッドクレオソート)であり、石炭タールから得られるクレオソートとは明確に区別されているものである(緒方規男、馬場達也著、リサーチ コミュニケーションズ インケミカル パソロジー アンド ファーマコロジー、66刊、411頁〜423頁、1989(N. Ogata and T. Baba, Res. Commun. Chem. Pathol.Pharmacol. 66, 411423, 1989))。
本発明の薬剤の有効成分であるクレオソートは、グアヤコール約20〜35%、クレオゾール約15〜25%のほか、フェノール、クレゾール類、キシレノール類等の各種フェノール誘導体を含有する混合物であり、特徴的な煙臭及び舌を焼くような味を有する無色〜淡黄色の液体で、比重1.064以上を有する(クレオソート構成成分:グアヤコール、4−エチルグアヤコール、クレオゾール、オルトクレゾール、パラクレゾール等のクレゾール類、フェノールやキシレノール類等のフェノール誘導体など)。
製剤(形態)
本発明においては、上記クレオソートが一般的な医薬製剤の形態で用いられる。すなわち、薬学的に許容され、通常使用される賦形剤ないし希釈剤を用いて常法に従い調製され、治療目的に応じて各種の形態とすることができる。その代表的なものとしては、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、内服液剤等の経口投与に適した剤形、注射剤等の血管内投与、筋肉内投与、皮下又は皮内投与等に適した剤形及び坐剤等の直腸内投与に適した剤形等を挙げることができる。
錠剤、顆粒剤、散剤の形態に調製する際には、従来公知の担体を広く使用でき、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、澱粉、結晶セルロース等の賦形剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、トラガント、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム等の結合剤、例えば、澱粉、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等の崩壊剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸等の滑沢剤が使用できる。錠剤には、必要に応じて、通常の剤皮を施すこともでき、例えば、糖衣錠、フィルムコーティング錠等とすることができ、さらに二層錠、多層錠としてもよい。また、顆粒剤や散剤も通常の剤皮を施すことができる。
丸剤の形態に調製するには、やはりこの分野で従来から公知の各種担体を用いることができ、例えば、甘草末、ブドウ糖、小麦粉等の賦形剤、例えば、グリセリン、水シロップ、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン等の結合剤、薬用酵母、アロールート、ラミナリア末等の崩壊剤等が使用される。
カプセル剤の形態に調製するには、この分野で従来から公知の各種担体、例えば、乳糖、オリーブ油、大豆油等の賦形剤が使用される。
内用液剤は、水性又は油性懸濁液、溶液、シロップ、その他の形態であってもよい。このような液体製剤には、普通に用いられる添加剤、例えば、懸濁化剤、例えば、ソルビットシロップ、メチルセルロース、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、乳化剤、例えば、レシチン、モノオレフィン酸ソルビタン、アラビアゴム等が使用できる。
注射剤の形態に調製するには、組成物は、懸濁液、溶液、油性又は水性ビヒクル中の乳液のような形態であってもよく、懸濁化剤、安定化剤及び分散剤のような処方剤を含んでいてもよい。
坐剤の形態に調製するには、従来公知の担体を広く使用できる。例えば、カカオ脂、グリセロゼラチン、マクロゴール等の基剤が使用できる。坐剤には必要に応じて乳化剤、懸濁化剤が使用できる。更に本発明の薬剤には、必要に応じて着色剤、香味剤等を添加することもできる。
本発明の消化器アニサキス症用薬剤中に有効成分として含有されるクレオソートの量は特に制限されず、製剤の形態等に応じて適宜選択すればよいが、一般には、製剤全重量の0.2〜60%程度が好ましい。
本発明の消化器アニサキス症用薬剤の投与量は、患者の性別、年齢、体重、症状の程度等により適宜選択されるが、一般に、経口投与及び直腸内投与の場合には、成人に対し、有効成分であるクレオソートを1日当たり体重1kgに対して1〜500mg程度、好ましくは2〜100mg程度、より好ましくは2〜25mg程度とすればよい。注射剤として非経口的に投与する場合は、同じく成人に対し、有効成分であるクレオソートを1日当たり体重1kgに対して0.2〜300mg程度、好ましくは0.2〜50mg程度、より好ましくは0.5〜5mg程度とすればよい。なお、これらを1日2〜4回程度に分けて投与してもよい。
〔実施例1〕
以下に、本発明の消化器アニサキス症用薬剤の製剤態様について説明する。
(製剤例1:[丸剤]成分名と量(mg))
クレオソート(50)
カンゾウ(25)
グリセリン(10)
常水(50)
上記処方の各成分を練合し、その丸剤塊を切丸機で分割し、成丸機で成丸し、1丸中クレオソート50mgを含有する丸剤を調製した。
(製剤例2:[カプセル剤]成分名と量(mg))
クレオソート(100)
でんぷん(250)
クレオソートとでんぷんを混合して、混合末とし、硬カプセルに充填して、1カプセル中にクレオソート100mg含有するハードカプセル剤を調製した。
(製剤例3:[カプセル剤]成分名と量(mg))
クレオソート(100)
オリーブ油(200)
クレオソートとオリーブ油に溶解して溶液を得、ソフトカプセルに充填して、1カプセル中にクレオソート100mg含有するカプセル剤を調製した。
(製剤例4:[錠剤]成分名と量(mg))
クレオソート(150)
乳糖(250)
メチルセルロース(3)
ステアリン酸マグネシウム(2)
カルボキシメチルセルロース(10)
上記処方のステアリン酸マグネシウム以外の各成分を混合し、これを水と混練して顆粒とし、この顆粒を乾燥後、ステアリン酸マグネシウムと混合して圧縮成型するか、或いは、上記処方の各成分を混合して、直接圧縮成型して、1錠415mgの錠剤を調製した。
(製剤例5:[注射剤]成分名と量(mg))
クレオソート(50)
注射用蒸留水(2)
クレオソート50mgを注射用蒸留水に溶解させた後、密封及び滅菌をして注射剤を調製した。
〔実施例2〕
数尾のサバの内臓からアニサキスを数匹採取した。走査電子顕微鏡における表面観察(外見的特徴)から、すべてAnisakis simplexであることを確認した。採取したアニサキスを、in vitoroで木クレオソート45mgを水に溶解した溶液に入れた。結果は、水5mlに溶かした場合は3分3秒±49秒(2分14秒〜3分52秒)で、水10mlに溶かした場合は4分6秒で、水20mlに溶かした場合は26分25秒でアニサキスの運動が停止した。なお、コントロール(比較例)として水のみに入れた場合は、1時間以上動き続けたことを観察した。
〔実施例3〕
上腹部不快感を訴えて来院した男性患者(49歳)に、本発明の消化器アニサキス症用薬剤を適用した。この男性患者は身長174cm、体重76kgであり、48歳より高血圧症にて降圧剤を服薬していた。男性の飲酒の嗜好は、飲酒ビール小瓶1本、焼酎1合であり非喫煙者であった。血圧・心拍数は共に異常なしであり、眼瞼結膜に貧血・黄疸は認められなかった。
来院時の腹部所見は、上腹部不快感を訴え、触診において心窩部(みぞおち)に軽度圧痛が認められた。来院後に行なった血液検査の結果は、白血球数9940(軽度上昇)、好酸球:正常値、単球8.6%(軽度上昇)、GPT 51U/L(軽度上昇)であり、CRPの上昇は認められなかった。
男性患者の来院までの経緯は、以下の通りである。
前日の夕食に刺身(イカ、タイ、マグロ)を食した後(21時頃)、軽い吐き気と胃部不快感を覚えたが軽快した。翌日深夜3時頃、突然、心窩部痛で目覚めた。心窩部の一点に鋭的痛みが約10分続いた。その1時間後、全く同じ痛みが起こったため、ファモチジン10mg(H2ブロッカー)を含有する錠剤を1錠内服するが痛みは10分以上続いた。さらに、1時間おきに10分程度の痛みが続いた。朝6時頃、今までにはない、より強い痛みが出現したため、来院した。
このような経過を経て来院した男性に十分な説明を行い、了解を得たうえで木クレオソート134mgを服用させたところ、1〜2分で痛みが消失した。痛みが消失した後、内視鏡検査を行った。食道粘膜に異常はなかった。胃内へカメラを挿入した時点で胃体部後壁の粘膜が腫大し、中心部に血液の付着が確認された。同病変部に胃カメラを近接すると、糸状の白色の寄生虫が粘膜の凝血塊に付着した状態で存在した。しかしながら、その寄生虫は動きがなく、生検鉗子を用いてその寄生虫を容易に摘出することができた。それは、その寄生虫が動いている状態で取り出すよりも遥かに容易であった。その虫体の大きさや形状より、アニサキス(Anisakis simplex)による胃アニサキス症と診断した。患者は、特に処方せんなしで軽快した。
〔実施例4〕
来院した男性患者(43歳)に、本発明の消化器アニサキス症用薬剤を適用した。この男性患者は身長178cm、体重70kgであり、既往歴として十二指腸潰瘍があり飲酒の嗜好は飲酒ビール大瓶1本であり、喫煙者(10本/日)であった。血圧・心拍数は共に異常なしであり、眼瞼結膜に貧血・黄疸は認められなかった。
来院時の腹部所見は、腹部平坦であり、圧痛を認めず、触診により腫隆および肝臓・脾臓の肥大は認められなかった。
男性患者の来院までの経緯は、以下の通りである。
前日の夕食にサバの刺身を食べ、その2時間半後、気分が悪くなり自宅で嘔吐した。その後、吐き気が続いた状態で入眠するが鋭い心窩部痛で目が覚め、翌日の昼まで1〜2時間おきに鋭い痛みが5分〜15分程度続いたため、来院した。
このような経過を経て来院した男性に十分な説明を行い、了解を得たうえで木クレオソート578mgを服用させたところ、1〜2分で痛みが消失した。痛みが消失した後、内視鏡検査を行った。病変部に胃カメラを近接すると、動きのない細長い白色の寄生虫が胃粘膜に刺入している状態を観察できた。内視鏡下で生検鉗子によってその寄生虫を容易に摘出することができた。それは、その寄生虫が動いている状態で取り出すよりも遥かに容易であった。摘出した寄生虫の大きさや形状より、アニサキス(Anisakis simplex)による胃アニサキス症と診断した。
本発明の消化器アニサキス症用薬剤は、消化器アニサキス症の予防又は症状改善のために利用することができる。

Claims (4)

  1. 消化器アニサキス症の予防又は症状改善のための消化器アニサキス症用薬剤であって、
    少なくともグアヤコール、4−エチルグアヤコール、クレオゾール、オルトクレゾール、パラクレゾールを含む木クレオソートを有効成分として含有する消化器アニサキス症用薬剤。
  2. 消化器アニサキス症の治療を必要とする哺乳動物に治療上有効量を投与し、消化器内のアニサキスを内視鏡下に鉗子で摘出しやすくする消化器アニサキス症用薬剤であって、
    少なくともグアヤコール、4−エチルグアヤコール、クレオゾール、オルトクレゾール、パラクレゾールを含む木クレオソートを有効成分として含有する消化器アニサキス症用薬剤。
  3. 経口投与及び直腸内投与用であり、有効成分であるクレオソートを1日当たり体重1kgに対して1〜500mgとなるように調製してある請求項1または2に記載の消化器アニサキス症用薬剤。
  4. 非経口投与用であり、有効成分であるクレオソートを1日当たり体重1kgに対して0.2〜300mgとなるように調製してある請求項1または2に記載の消化器アニサキス症用薬剤。
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