以下、相対測位装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、2つの端末間の相関性の高い衛星からの信号を用いて、2つの端末間の相対位置を取得し、出力する相対測位装置について説明する。
また、本実施の形態において、信頼性の高い衛星からの信号、および信頼性は低いが相関性の高い衛星からの信号の両方を用いて、2つの端末間の相対位置を取得し、出力する相対測位装置について説明する。
さらに、本実施の形態において、信頼性の高い衛星からの信号を用いた後、および信頼性は低いが相関性の高い衛星からの信号を順次用いて、相対位置の変動が閾値より大きい場合は、その衛星の信号を利用しない相対測位装置について説明する。なお、ここで、端末とは、相対測位装置である。
図1は、本実施の形態における相対測位装置1を含む相対測位システムの概念図である。相対測位システムは、2以上の衛星(好ましくは4以上の衛星)と、2つの相対測位装置1を有する。ここでは、相対測位システムは、第一の相対測位装置1と、第二の相対測位装置1との相対位置を出力する、とする。また、第一の相対測位装置1は自端末、第二の相対測位装置1は、自端末ではない他の端末であり、他端末ということとする。また、図1において、衛星は(n+1)つであり、a1、a2、・・・、an、a(n+1)である。さらに、図1において、11は、後述するGPS信号受信部である。GPS信号受信部11は、通常、GPS受信アンテナである。また、13、14は、後述する自端末情報群送信部および他端末情報群受信部であり、通常、通信用アンテナである。
図2は、本実施の形態における相対測位装置1のブロック図である。図3は、相対位置取得部17のブロック図である。
相対測位装置1は、GPS信号受信部11、自端末情報群取得部12、自端末情報群送信部13、他端末情報群受信部14、高信頼性衛星決定部15、相関性判断部16、相対位置取得部17、および出力部18を具備する。
自端末情報群取得部12は、例えば、計測擬似距離取得手段121、受信SNR取得手段122、衛星位置取得手段123、および自端末移動情報取得手段124を具備する。自端末情報群取得部12は、上記の手段をすべて具備する必要はないし、他の情報取得手段を具備しても良い。自端末情報群取得部12は、例えば、計測擬似距離取得手段121、受信SNR取得手段122、衛星位置取得手段123のみを具備しても良い。
他端末情報群受信部14は、他端末擬似距離受信手段141、受信SNR受信手段142、および他端末移動情報受信手段143を具備する。
相対位置取得部17は、例えば、位置格納手段171、相対位置格納手段172、予測位置取得手段173、推測疑似距離算出手段174、位置算出手段175、相対位置算出手段176、変動判断手段177、位置蓄積手段178、および相対位置蓄積手段179を具備する。相対位置取得部17は、上記の手段をすべて具備する必要はない。相対位置取得部17は、例えば、位置格納手段171、位置算出手段175、相対位置算出手段176、および位置蓄積手段178のみを具備しても良い。
GPS信号受信部11は、2以上の衛星からGPS信号を受信する。GPS信号は、測位信号とも言う。GPS信号受信部11は、GPS受信アンテナ等により実現される。
自端末情報群取得部12は、自端末情報群を取得する。自端末情報群は、自端末に関する情報である1以上の自端末情報の集合である。また、自端末情報群は、自端末衛星情報群、または自端末移動情報のうちの1以上の情報の集合である。自端末衛星情報は、自端末に関する情報であり、GPS信号受信部11が受信したGPS信号またはGPS信号を用いて取得される情報である。自端末衛星情報群は、1以上の自端末衛星情報の集合である。自端末情報群取得部12は、2以上の衛星ごとに、自端末衛星情報群を取得する。
自端末衛星情報は、例えば、受信するGPS信号の信号雑音比である受信SNR、受信するGPS信号の仰角、GPS信号を送信する衛星の位置(x,y,z)、計測疑似距離などである。計測疑似距離とは、計測された擬似距離である。自端末の計測疑似距離を、適宜、自端末計測疑似距離という。擬似距離は、衛星と端末との距離指標である。また、自端末移動情報は、移動速度と移動方向を含む自端末の移動に関する情報である。
自端末情報群取得部12を構成する計測擬似距離取得手段121は、2以上の衛星ごとに、GPS信号受信部11が受信したGPS信号を用いて、自端末と各衛星との擬似距離である自端末計測疑似距離を取得する。計測擬似距離を取得する計測擬似距離取得手段121の技術は、公知技術であるので詳細な説明を省略する。
受信SNR取得手段122は、2以上の衛星ごとに、GPS信号の自端末受信SNRを取得する。信号雑音比(SNR)を取得する技術は公知技術であるので詳細な説明を省略する。
衛星位置取得手段123は、2以上の衛星ごとに、衛星の位置を示す衛星位置を取得する。衛星位置を取得する技術は公知技術であるので詳細な説明を省略する。
自端末移動情報取得手段124は、自端末の移動速度と移動方向を含む自端末の移動に関する情報である自端末移動情報を取得する。自端末移動情報取得手段124は、例えば、車速パルスまたは加速度センサーにより移動速度を算出し、ジャイロ又は電子地図で移動方向を算出する。自端末移動情報を取得する技術も公知技術であるので詳細な説明を省略する。自端末移動情報取得手段124は、加速度センサーやジャイロ等で実現され得る。
自端末情報群送信部13は、自端末情報群のうちの一部または全部の情報を送信する。自端末情報群送信部13が送信する情報は、予め決められている。自端末情報群送信部13は、例えば、計測疑似距離、受信SNRを送信する。なお、自端末情報群の送信先は、本明細書で言う他端末である。ただし、自端末情報群送信部13は、通常、相手先を指定せずに、情報をブロードキャストする。
他端末情報群受信部14は、他端末(通常、相対測位装置1)が送信した他端末情報群のうちの一部または全部の情報を受信する。他端末情報群は、衛星ごとの他端末衛星情報群を有する。他端末衛星情報群は、他端末が受信したGPS信号またはGPS信号を用いて取得される情報のうちの1以上の情報である。他端末情報群は、他端末衛星情報群、または他端末移動情報のうちの1以上の情報の集合である。
他端末衛星情報は、例えば、他端末が受信したGPS信号の信号雑音比である受信SNR、他端末が受信したGPS信号の仰角、GPS信号を送信する衛星の位置(x,y,z)、他端末計測疑似距離などである。他端末計測疑似距離とは、他端末が計算した計測疑似距離である。他端末移動情報は、他端末の移動速度と移動方向を含む他端末の移動に関する情報である。
他端末擬似距離受信手段141は、2以上の衛星ごとに、各衛星と他端末との擬似距離である他端末計測疑似距離を受信する。
受信SNR受信手段142は、2以上の衛星ごとに、他端末のGPS信号の他端末受信SNRを受信する。
他端末移動情報受信手段143は、他端末の移動速度と移動方向を含む他端末の移動に関する情報である他端末移動情報を受信する。
高信頼性衛星決定部15は、2以上の衛星ごとの自端末衛星情報群のうちの信号雑音比であるSNR1、および2以上の衛星ごとの他端末衛星情報群のうちの信号雑音比であるSNR2を用いて、SNR1およびSNR2が共に閾値より大きいほど、信頼性の高い1以上の衛星を選択する。高信頼性衛星決定部15は、たとえば、高信頼性であることを判断する条件である高信頼性条件「SNR1>=閾値 かつ SNR2>=閾値」を保持しており、衛星ごとに高信頼性条件を満たすか否かを判断し、高信頼性条件を満たす衛星を選択する。なお、「閾値より大きい」の「より大きい」は「以上」でも良い。また、本明細書において、通常、「以上」は「より大」でも良く、「以下(以内)」は「より小」でも良い。また、信頼性の高い1以上の衛星とは、信頼性の高いGPS信号を受信できた衛星である。また、「信頼性の高い1以上の衛星を選択する」とは、信頼性が高い衛星と信頼性が低い衛星を分類する趣旨である。「信頼性の高い1以上の衛星を選択する」とは、信頼性が低い衛星を選択することと同意義である。また、選択とは、例えば、衛星を識別する衛星識別子を取得する処理である。
相関性判断部16は、自端末衛星情報群と他端末衛星情報群とが相関性が高いか否かを判断する。また、相関性判断部16は、自端末と他端末とが、同じ衛星から受信した信号の相関性が高いか否かを判断する、と言っても良い。かかることを、適宜、相関性の高い衛星、とも言うこととする。相関性判断部16は、例えば、2以上の衛星ごとの自端末衛星情報群のうちの1以上の情報、および2以上の衛星ごとの他端末衛星情報群のうちの1以上の情報を用いて、各衛星ごとに、自端末衛星情報群と他端末衛星情報群とが相関性が高いか否かを判断する。相関性判断部16は、例えば、受信SNRを用いて、衛星を相関性の高いグループと相関性の低いグループに分ける。
相関性判断部16は、例えば、2以上の衛星ごとの自端末衛星情報群のうちの信号雑音比であるSNR1、および2以上の衛星ごとの他端末衛星情報群のうちの信号雑音比であるSNR2の差が閾値より小さい場合に相関性が高いと判断する。
相関性判断部16は、2以上の衛星ごとの自端末衛星情報群のうちの1以上の情報、および2以上の衛星ごとの他端末衛星情報群のうちの1以上の情報を用いて、2以上の衛星に対して、自端末衛星情報群と他端末衛星情報群との相関度を算出する。
相関度を算出する場合に利用する1以上の情報は、例えば、SNR、疑似距離などである。また、「相関性が高い」とは、例えば、SNR1とSNR2の差が閾値以内、または自端末の疑似距離誤差と他端末の疑似距離誤差の差が閾値以内である。相関度は、例えば、擬似距離誤差が小さいほど相関度が大きくなる。また、相関度は、SNRの差が小さいほど相関度が大きくなる。相関度は、通常、自端末衛星情報群と他端末衛星情報群との関連度合いの深さを示す値である。
相対位置取得部17は、相関性が高いと判断された1以上の衛星の自端末衛星情報群および他端末衛星情報群を用いて、自端末と他端末との相対位置を取得する。
相対位置取得部17は、信頼性の高い1以上の衛星の自端末衛星情報群と信頼性の高い1以上の衛星の他端末衛星情報群、および相関性の高い1以上の衛星の自端末衛星情報群と相関性の高い1以上の衛星の他端末衛星情報群を用いて、自端末と他端末との相対位置を取得することは好適である。
相対位置取得部17は、相関度が閾値より大きい衛星の自端末衛星情報群および他端末衛星情報群を、相関度の大きい順に用いて、自端末と他端末との相対位置を取得することは好適である。そして、相対位置取得部17は、第一に、信頼性の高い1以上の衛星の自端末衛星情報群と信頼性の高い1以上の衛星の他端末衛星情報群を用いて、自端末と他端末との相対位置を取得し、第二に、信頼性の低い衛星であるが相関性の高い衛星の自端末衛星情報群および他端末衛星情報群を、順次用いて、自端末と他端末との相対位置を取得することは好適である。
さらに、相対位置取得部17は、後述する変動判断手段177が閾値以上の相対位置の変動があると判断した場合は、判断の元になる衛星から送信された信号を利用しないことは好適である。
なお、上記の「信号を利用しない」とは、閾値以上の変動があると判断された相対位置は有効としないと言い換えても良い。また、「信号を利用しない」とは、後述する相対位置蓄積手段179が、閾値以上の変動があると判断された相対位置は蓄積しないことと考えても良い。
位置格納手段171は、自端末の前の時点の位置である自端末前時点位置、および他端末の前の時点の位置である他端末前時点位置とを格納し得る。なお、前の時点とは、現時点より、n(例えば、1)秒前の時点である。なお、「n」は、相対位置を算出する周期の時間である。また、自端末前時点位置、および他端末前時点位置の初期値は、公知の単独測位技術によって算出した位置情報である。
相対位置格納手段172は、自端末と他端末との相対位置を、少なくとも一時的に格納し得る。
予測位置取得手段173は、自端末前時点位置と自端末移動情報とを用いて、自端末のn秒後の位置である自端末現時点予測位置を取得し、かつ、他端末前時点位置と他端末移動情報とを用いて、他端末のn秒後の位置である他端末現時点予測位置を取得する。なお、ここでの自端末移動情報と他端末移動情報とは、通常、自端末と他端末の移動速度と移動方向である。また、n秒後の位置とは、現時点の位置と考えても良い。また、前時点位置と移動速度と移動方向とが与えられた場合、前時点よりn秒後の位置を算出する方法は公知である。
推測疑似距離算出手段174は、自端末現時点予測位置と、1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、自端末と1以上の各衛星との疑似距離である1以上の自端末推測疑似距離を算出する。また、推測疑似距離算出手段174は、他端末現時点予測位置と、1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、他端末と1以上の各衛星との疑似距離である1以上の他端末推測疑似距離を算出する。また、推測疑似距離算出手段174は、自端末現時点予測位置と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、自端末と1以上の各衛星との疑似距離である1以上の自端末推測疑似距離を算出することは好適である。また、推測疑似距離算出手段174は、他端末現時点予測位置と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、他端末と1以上の各衛星との疑似距離である1以上の他端末推測疑似距離を算出することは好適である。また、推測疑似距離算出手段174は、自端末現時点予測位置と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、自端末と1以上の各衛星との疑似距離である1以上の自端末推測疑似距離を算出しても良い。また、推測疑似距離算出手段174は、他端末現時点予測位置と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、他端末と1以上の各衛星との疑似距離である1以上の他端末推測疑似距離を算出しても良い。また、推測疑似距離算出手段174は、自端末現時点予測位置と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、自端末と1以上の各衛星との疑似距離である1以上の自端末推測疑似距離を算出しても良い。また、推測疑似距離算出手段174は、他端末現時点予測位置と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、他端末と1以上の各衛星との疑似距離である1以上の他端末推測疑似距離を算出しても良い。
位置算出手段175は、自端末現時点予測位置と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末計測疑似距離と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末推測疑似距離とを用いて、自端末の位置である自端末位置を算出する。また、位置算出手段175は、他端末現時点予測位置と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末計測疑似距離と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末推測疑似距離とを用いて、他端末の位置である他端末位置を算出する。また、位置算出手段175は、自端末現時点予測位置と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末計測疑似距離と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末推測疑似距離とを用いて、自端末の位置である自端末位置を算出しても良い。また、位置算出手段175は、他端末現時点予測位置と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末計測疑似距離と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末推測疑似距離とを用いて、他端末の位置である他端末位置を算出しても良い。また、位置算出手段175は、自端末現時点予測位置と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末計測疑似距離と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末推測疑似距離と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末計測疑似距離と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末推測疑似距離とを用いて、自端末の位置である自端末位置を算出しても良い。また、位置算出手段175は、他端末現時点予測位置と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末計測疑似距離と、信頼性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末推測疑似距離と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末計測疑似距離と、相関性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末推測疑似距離とを用いて、他端末の位置である他端末位置を算出しても良い。
相対位置算出手段176は、自端末位置および他端末位置から自端末と他端末の相対位置を算出する。2つの端末の位置が与えられた場合に、当該2つの端末の相対位置を算出する処理は公知技術である。
変動判断手段177は、現時点で、相対位置算出手段176が算出した相対位置と、相対位置格納手段172に格納されている更新前の相対位置とを比較し、閾値以上の変動があるか否かを判断する。なお、変動判断手段177は、閾値を予め保持している、とする。また、現時点とは、前の時点の次の時点である。
位置蓄積手段178は、自端末位置および他端末位置を、自端末前時点位置および他端末の前の時点の位置である他端末前時点位置として、位置格納手段171に蓄積する。自端末位置および他端末位置は、現時点での各端末の位置であり、位置算出手段175が算出した情報である。なお、位置蓄積手段178は、変動判断手段177が閾値以上の変動があると判断した場合、対応する自端末位置および他端末位置は蓄積しないことは好適である。
相対位置蓄積手段179は、相対位置算出手段176が算出した相対位置を相対位置格納手段172に蓄積する。相対位置蓄積手段179は、相対位置算出手段176が演算途中の相対位置を一時的に相対位置格納手段172に蓄積する。つまり、相対位置蓄積手段179は、疑似距離を用いて自端末位置および他端末位置が更新されている間、自端末位置および他端末位置が更新されるごとに、一時的に相対位置を蓄積する。相対位置蓄積手段179は、変動判断手段177が閾値以上の変動があると判断した場合、対応する相対位置は蓄積しないことは好適である。
出力部18は、相対位置取得部17が取得した相対位置を出力する。出力部18が相対位置を出力するタイミングは問わない。相対位置取得部17が相対位置を取得するごとに、相対位置を出力しても良いし、図示しない受付部が、ユーザからの出力指示を受け付けた場合に、相対位置を出力しても良い。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。なお、出力部18が出力した相対位置を、図示しないナビゲーション装置に渡し、ナビゲーション装置が他端末の位置を画面上(地図上)に出力しても良い。また、出力部18が出力した相対位置を、図示しない危険判定装置に渡し、危険判定装置が、相対位置が示す距離が閾値以内、または相対位置が示す状況が危険な状況であると判断した場合に、ユーザに警告の出力を行うようにしても良い。
出力部18は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部18は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
なお、上述した自端末情報群取得部12、高信頼性衛星決定部15、相関性判断部16、相対位置取得部17、計測擬似距離取得手段121、受信SNR取得手段122、衛星位置取得手段123、自端末移動情報取得手段124、予測位置取得手段173、推測疑似距離算出手段174、位置算出手段175、相対位置算出手段176、変動判断手段177、位置蓄積手段178、および相対位置蓄積手段179は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。自端末情報群取得部12等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
また、自端末情報群送信部13、および他端末情報群受信部14は、通常、無線の通信手段で実現される。また、自端末情報群送信部13および他端末情報群受信部14は、一の通信モジュールにより実現されることは好適である。
また、位置格納手段171、および相対位置格納手段172は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
次に、相対測位装置1の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS401)GPS信号受信部11は、GPS信号を受信したか否かを判断する。GPS信号を受信すればステップS402に行き、受信しなければステップS401に戻る。なお、ここでは、GPS信号受信部11は、1以上の衛星からのGPS信号を受信する、とする。
(ステップS402)自端末情報群取得部12は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS403)自端末情報群取得部12は、ステップS401で受信したGPS信号の中に、i番目の衛星の信号が存在するか否かを判断する。i番目の衛星の信号が存在すればステップS404に行き、存在しなければステップS406に行く。
(ステップS404)自端末情報群取得部12は、i番目の衛星のGPS信号から、自端末衛星情報を取得し、自端末衛星情報群に追加する。
(ステップS405)自端末情報群取得部12は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS403に戻る。
(ステップS406)自端末情報群取得部12の自端末移動情報取得手段124は、自端末移動情報を取得する。
(ステップS407)自端末情報群送信部13は、ステップS404で取得された自端末衛星情報群、およびステップS406で取得された自端末移動情報のうちの1以上の情報から、他端末に送信する自端末情報群を構成する。
(ステップS408)自端末情報群送信部13は、ステップS407で構成した自端末情報群を送信する。
(ステップS409)他端末情報群受信部14は、他端末情報群を受信したか否かを判断する。他端末情報群を受信すればステップS410に行き、受信しなければステップS409に戻る。
(ステップS410)相対位置取得部17の予測位置取得手段173は、位置格納手段171の自端末前時点位置と、ステップS406で取得された自端末移動情報(通常、速度と移動方向)とを用いて、自端末のn秒後の位置である自端末現時点予測位置を算出する。また、予測位置取得手段173は、ステップS409で受信された他端末情報群が有する他端末前時点位置と他端末移動情報とを用いて、他端末のn秒後の位置である他端末現時点予測位置を取得する。
(ステップS411)相対位置取得部17は、2以上の衛星をグループ分けする。かかる衛星グループ分け処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、図5のフローチャートにおいて、2以上の衛星は、グループA、B、Cの3つにグループ分けされる。グループAは、信頼性の高い衛星グループである。グループBは、信頼性が低く、相関性が高い衛星グループである。ループCは、信頼性が低く、相関性も低い衛星グループである。
(ステップS412)相対位置取得部17は、グループBの衛星について、使用順序を決定する。相対位置取得部17は、例えば、擬似距離誤差が少ない順(昇順)に、使用する衛星を決定する。擬似距離誤差については、後述する。また、相対位置取得部17は、例えば、|SNR1−SNR2|が小さい順(昇順)に、使用する衛星を決定するなどしても良い。その他、使用順序の決定方法は、問わない。なお、使用順序とは、位置算出手段175が自端末位置や他端末位置を算出する場合、または相対位置算出手段176が相対位置を算出する場合に利用するGPS信号の使用順序である。衛星の使用順序とは、当該衛星から送信されてくるGPS信号の使用順序である。
(ステップS413)相対位置取得部17は、グループAの衛星を用いて、現在位置を更新する。かかる処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS414)相対位置取得部17は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS415)相対位置取得部17は、グループBのi番目の衛星が存在するか否かを判断する。i番目の衛星が存在すればステップS416に行き、存在しなければステップS423に行く。
(ステップS416)相対位置取得部17は、グループBのi番目の衛星を用いて、現在位置を取得する。なお、ここでの現在位置は、自端末位置と他端末位置である。かかる処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS417)相対位置取得部17を構成する相対位置算出手段176は、ステップS416で取得した自端末位置と他端末位置とを用いて、自端末と他端末との相対位置を算出する。相対位置算出手段176は、通常、|自端末位置−他端末位置|により、相対位置を算出する。
(ステップS418)変動判断手段177は、相対位置格納手段172に格納されている相対位置を読み出し、当該相対位置と、ステップS417で算出された相対位置とから、相対位置の変動量を算出する。変動量は、通常、|読み出した相対位置−算出された相対位置|により、算出される。
(ステップS419)変動判断手段177は、ステップS418で算出した変動量が閾値以上であるか否かを判断する。変動量が閾値以上であればステップS422に行き、変動量が閾値以上でなければステップS420に行く。
(ステップS420)位置蓄積手段178は、ステップS416で取得された自端末位置と他端末位置とを、位置格納手段171に蓄積する。
(ステップS421)相対位置蓄積手段179は、ステップS417で算出された相対位置を、相対位置格納手段172に蓄積する。
(ステップS422)相対位置取得部17は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS415に戻る。
(ステップS423)出力部18は、更新された相対位置を出力する。ステップS401に戻る。
なお、図4のフローチャートにおいて、グループAの衛星を用いてから、順次、グループBの衛星を用いて、位置を更新した。しかし、グループAの衛星およびグループBの衛星を一括して用いて、位置を更新しても良い。なお、通常、グループAの衛星は、相関性も高い衛星である。
また、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、ステップS411の衛星グループ分け処理の一例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS501)高信頼性衛星決定部15は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS502)高信頼性衛星決定部15は、受信されたGPS信号の中に、i番目の衛星の信号が存在するか否か(自端末についてi番目の衛星が存在するか否か)を判断する。i番目の衛星の信号が存在すればステップS503に行き、存在しなければ上位処理にリターンする。
(ステップS503)高信頼性衛星決定部15は、他端末情報群受信部14が受信した他端末衛星情報群から、i番目の衛星が存在するか否かを判断する。i番目の衛星が存在すればステップS504に行き、i番目の衛星が存在しなければステップS508に行く。
(ステップS504)自端末情報群取得部12の受信SNR取得手段122は、i番目の衛星の自端末受信SNR(SNR1)を取得する。
(ステップS505)他端末情報群受信部14の受信SNR受信手段142は、i番目の衛星の他端末受信SNR(SNR2)を取得する。
(ステップS506)高信頼性衛星決定部15は、高信頼性であることを判断する条件である高信頼性条件「SNR1>=閾値 かつ SNR2>=閾値」を満たすか否かを判断する。高信頼性条件を満たせばステップS507に行き、高信頼性条件を満たさなければステップS509に行く。
(ステップS507)高信頼性衛星決定部15は、i番目の衛星を識別する情報(例えば、i)とグループAを識別する情報(例えば、A)とを、対応づけて図示しないバッファに一時蓄積する。
(ステップS508)高信頼性衛星決定部15は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS502に戻る。
(ステップS509)相関性判断部16は、相関性判断条件で用いるパラメータ(例えば、|SNR1−SNR2|)を算出する。
(ステップS510)相関性判断部16は、相関性判断条件(例えば、「|SNR1−SNR2|<閾値」)を満たすか否かを判断する。相関性判断条件を満たせばステップS511に行き、を満たさなければステップS508に行く。
(ステップS511)相関性判断部16は、i番目の衛星を識別する情報(例えば、i)とグループBを識別する情報(例えば、B)とを、対応づけて図示しないバッファに一時蓄積する。ステップS508に行く。
なお、図5のフローチャートにおいて、高信頼性条件は他の条件でも良い。また、図5のフローチャートにおいて、相関性判断条件は他の条件でも良い。
また、図5のフローチャートにおいて、グループAにもBにも分類されなかった衛星がグループCの衛星である。
次に、ステップS413のグループAの衛星を用いて、現在位置を更新する処理の一例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS601)推測疑似距離算出手段174は、グループAの各衛星の位置を、自端末衛星情報群から取得する。
(ステップS602)推測疑似距離算出手段174は、ステップS410で取得された自端末現時点予測位置を読み出す。
(ステップS603)推測疑似距離算出手段174は、ステップS602で取得した自端末現時点予測位置と、ステップS601で取得した各衛星の衛星位置とを予め決められた算出式に代入して、グループAの各衛星の自端末推測疑似距離を算出する。
(ステップS604)計測擬似距離取得手段121は、グループAの各衛星の自端末計測疑似距離を取得する。
(ステップS605)位置算出手段175は、自端末現時点予測位置と、グループAの1以上の各衛星の自端末計測疑似距離と、グループAの1以上の各衛星の自端末推測疑似距離とを予め決められた算出式に代入して、自端末位置を算出する。そして、位置蓄積手段178は、算出された自端末位置を位置格納手段171に一時蓄積する。
(ステップS606)推測疑似距離算出手段174は、ステップS410で取得された他端末現時点予測位置を読み出す。
(ステップS607)推測疑似距離算出手段174は、ステップS606で取得した他端末現時点予測位置と、ステップS601で取得した各衛星の衛星位置とを予め決められた算出式に代入して、グループAの各衛星の他端末推測疑似距離を算出する。
(ステップS608)他端末擬似距離受信手段141は、グループAの各衛星の他端末計測疑似距離を取得する。
(ステップS609)位置算出手段175は、他端末現時点予測位置と、グループAの1以上の各衛星の他端末計測疑似距離と、グループAの1以上の各衛星の他端末推測疑似距離とを予め決められた算出式に代入して、他端末位置を算出する。そして、位置蓄積手段178は、算出された他端末位置を位置格納手段171に一時蓄積する。
(ステップS610)相対位置算出手段176は、ステップS605で算出された自端末位置とステップS609で算出された他端末位置とから、相対位置を算出する。そして、相対位置蓄積手段179は、算出された相対位置を相対位置格納手段172に一時蓄積する。上位処理にリターンする。
なお、図6のフローチャートにおいて、自端末位置と他端末位置とを個々に算出した。しかし、自端末位置と他端末位置とを一緒に算出しても良い。かかる場合の例を下記の具体例で後述する。
次に、ステップS416のグループBのi番目の衛星を用いて、現在位置を取得する処理の一例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS701)推測疑似距離算出手段174は、グループBの着目している一衛星の位置を、自端末衛星情報群から取得する。
(ステップS702)推測疑似距離算出手段174は、位置格納手段171から自端末現時点位置を読み出す。
(ステップS703)推測疑似距離算出手段174は、ステップS702で取得した自端末現時点位置と、ステップS701で取得した衛星位置とを予め決められた算出式に代入して、自端末推測疑似距離を算出する。
(ステップS704)計測擬似距離取得手段121は、グループBの着目している一衛星の自端末計測疑似距離を取得する。
(ステップS705)位置算出手段175は、自端末現時点予測位置と、自端末計測疑似距離と、自端末推測疑似距離とを予め決められた算出式に代入して、自端末位置を更新する。
(ステップS706)推測疑似距離算出手段174は、位置格納手段171から他端末現時点位置を読み出す。
(ステップS707)推測疑似距離算出手段174は、ステップS706で取得した他端末現時点位置と、衛星位置とを予め決められた算出式に代入して、他端末推測疑似距離を算出する。
(ステップS708)他端末擬似距離受信手段141は、他端末計測疑似距離を取得する。
(ステップS709)位置算出手段175は、他端末現時点予測位置と、他端末計測疑似距離と、他端末推測疑似距離とを予め決められた算出式に代入して、他端末位置を算出する。
(ステップS710)相対位置算出手段176は、ステップS705で算出された自端末位置とステップS709で算出された他端末位置とから、相対位置を算出する。上位処理にリターンする。
なお、図7のフローチャートにおいて、自端末位置と他端末位置とを個々に算出した。しかし、自端末位置と他端末位置とを一緒に算出しても良い。かかる場合の例を下記の具体例で後述する。
以下、本実施の形態における相対測位装置1の具体的な動作について説明する。
今、相対測位装置1は、2つの移動体(例えば、車車間通信を行う2台の車両)に搭載されている。そして、以下の具体例において、2つの移動体の相対測位装置1は、2以上(n個とする)のGPS衛星(例えば、衛星a1、a2、a3、a4等)から信号を受信し、算出した疑似距離などの情報を交換し合って、相対位置を算出する、とする。なお、一方の相対測位装置1は上述した自端末、他方の相対測位装置1は上述した他端末である。
かかる状況において、2つの具体例について、以下に説明する。
(具体例1)
まず、相対測位装置1のGPS信号受信部11は、2以上のGPS信号を受信する。
次に、自端末情報群取得部12は、衛星ごとに、各衛星のGPS信号から、1以上の自端末衛星情報を取得する。ここでは、自端末情報群取得部12は、例えば、衛星ごとに、計測擬似距離、受信SNR、および衛星位置を取得した、とする。
次に、自端末情報群取得部12の自端末移動情報取得手段124は、自端末移動情報を取得する。ここでは、自端末移動情報取得手段124は、移動速度、および移動方向を取得した、とする。
次に、自端末情報群送信部13は、自端末衛星情報群、自端末移動情報のうちの1以上の情報から、他端末に送信する自端末情報群を構成する。ここで、自端末である相対測位装置1は、図8(a)の自端末情報群を構成した、とする。
そして、他端末の相対測位装置1も、自端末の相対測位装置1と同様の動作を行い、図8(b)の他端末情報群を構成した、とする。
図8(a)において、Headerの「SRC=1」は自車両のaddress(相対測位装置の識別子)である。また、「DST=0xff」はbroadcast address(衛星識別子の一例)である。また、Payload1は相対測位装置1の前時点の位置(x1,y1,z1)(x2,y2,z2)、および速度(v1x,v1y,v1z)(v2x,v2y,v2z)である。なお、図8において、位置と速度を一つにして、車両位置(例えば、(x1,y1,z1,v1x,v1y,v1z))として記載している。
Payload2は衛星のbitmapと受信できる衛星の擬似距離(p1,1、p1,3、p2,1、p2,3等)、および受信SNR(SNR1,1、SNR1,3、SNR2,1、SNR2,3等)である。なお、前時点の位置は、位置格納手段171に格納されている。また、前時点の速度も図示しないバッファに格納されている、とする。また、衛星のbitmapとは、順号を受信した衛星を識別する情報であり、衛星bitmapの「1」に対応する信号が受信できていることを示す。なお、8a1の衛星bitmapの「1」は、1番目の衛星の信号が受信できていることを示す。また、8a2は、1番目の衛星の計測擬似距離とSNRとを示す。
なお、2台の移動体(相対測位装置1)の衛星bitmapから、共通に見える衛星(図8の(a)(b)の衛星bitmapの値が共に「1」の衛星)を判断する。
次に、自端末情報群送信部13は、構成した自端末情報群(図8(a))を送信する。なお、この自端末情報群(図8(a))は、他端末である相対測位装置1が受信する、とする。
次に、自端末の他端末情報群受信部14は、他端末情報群(図8(b))を受信する。
次に、予測位置取得手段173は、位置格納手段171の自端末前時点位置を読み出す。そして、予測位置取得手段173は、自端末前時点位置、および速度と移動方向とを用いて、自端末のn秒後(例えば、1秒後)の位置である自端末現時点予測位置を算出する。ここで、予測位置取得手段173は、自端末現時点予測位置Xを算出した、とする。また、予測位置取得手段173は、位置格納手段171の他端末前時点位置を読み出す。そして、予測位置取得手段173は、他端末前時点位置、および他端末の速度と移動方向とを用いて、他端末のn秒後(例えば、1秒後)の位置である他端末現時点予測位置を算出する。ここで、予測位置取得手段173は、他端末現時点予測位置X'を算出した、とする。
ここで、Xは、ベクトルである。また、X=(x,y,z,δ,vx,vy,vz)である、とする。また、(x,y,z)は位置を示す。また、δは、時刻誤差に相当する部分である。さらに、(vx,vy,vz)は、速度である。なお、X1←→3は、ベクトルXの1つ目から3つ目の要素からなるベクトルであり、位置(x,y,z)を示す。し、X5←→7はベクトルXの5つ目から7つ目の要素からなるベクトルであり、速度(vx,vy,vz)を示す、とする。ここで、δの初期値は単独測位によって算出される。なお、X'のデータ構造は、Xと同様である。
また、ここで、相対測位装置1の計測情報(計測疑似距離と速度)Yは計測したn個の衛星の計測疑似距離と移動体の3次元速度からなる、とする。ベクトルYは、(p1,p2・・・,pn,vx,vy,vz)である、とする。ここで、p1は相対測位装置1と第一の衛星との計測疑似距離である。
なお、具体例において、2台の相対測位装置1の位置情報は間隔1秒(τ=1秒)で算出される、とする。また、時刻m秒のときの自端末の予測位置をx− 1,m、他端末の予測位置をx− 2,mとする。そして、疑似距離を用いた更新後の自端末の位置をx+ 1,m、更新後の他端末の位置をx+ 2,mとする。
そして、予測位置取得手段173は、以下の数式1を用いて、前時点(m−1)の位置x− 1,m−1、x− 2,m−1から現時点(m)の位置(x− 1,m,x− 2,m)とその誤差matrix(P− 1,m,P− 2,m)を算出する。誤差matrixとは、Xの7×7のco-variance matrixであり、その7個のdiagonal elementはXの各elementの誤差を示す。
なお、数式1において、Φはstate transition matrixであり、Qはstate randomness matrixである。
また、数式1において、位置情報の初期値であるx+ 1,0、x+ 2,0は、最初のGPS単独測位結果である。
また、最初の誤差matrixは「P+ 1,0=P+ 2,0=I7・σ」である。この式において、σはパラメータである。また、σは、例えば、1である。
次に、相対位置取得部17等は、以下のように、2以上の衛星をグループ分けする。ここでは、相対位置取得部17は、2以上の衛星は、グループA、B、Cの3つにグループ分けされる、とする。ただし、4以上のグループに分けられても良い。
まず、高信頼性衛星決定部15は、共通衛星の中の各衛星について、自端末の信号雑音比(SNR1)と他端末の信号雑音比(SNR2)とを取得する。
そして、高信頼性衛星決定部15は、高信頼性であることを判断する条件である高信頼性条件「SNR1>=閾値 かつ SNR2>=閾値」を満たすか否かを判断する。ここで、高信頼性衛星決定部15は、上記の高信頼性条件および閾値を予め保持している、とする。
次に、高信頼性衛星決定部15は、共通衛星の中で高信頼性条件に合致する衛星をグループAの衛星と決定する。そして、高信頼性衛星決定部15は、グループAの衛星を識別する衛星識別子を、グループAのグループ識別子と対応付けて、図示しないバッファに一時蓄積する。
次に、グループAにクラス分けされなかった共通衛星に関して、相対位置取得部17は、相関性判断条件で用いるパラメータ(|SNR1−SNR2|)を算出する。
次に、グループAにクラス分けされなかった共通衛星に関して、相対位置取得部17は、相関性判断条件(「|SNR1−SNR2|<閾値」)を満たすか否かを判断する。なお、相対位置取得部17は、相関性判断条件および上記の閾値を予め保持している、とする。
次に、相対位置取得部17は、相関性判断条件を満たす衛星の衛星識別子とグループBのグループ識別子とを、対応づけて図示しないバッファに一時蓄積する。
次に、相対位置取得部17は、グループBの衛星について、擬似距離誤差が少ない順(昇順)に、使用する衛星の順序を決定する。
二つの相対測位装置1が同じ衛星から反射波を受信する場合、二つの反射波が同じ壁によって反射されれば、信号の減衰が同じぐらいなので、受信SNRも同じぐらいである。また、2台の相対測位装置1で同じ衛星に対するSNR(SNR1とSNR2)の差|SNR1−SNR2|が既定の閾値以下(未満でも良い)である場合、2台の相対測位装置1での受信信号の相関性が高いとする。SNRの差|SNR1−SNR2|が閾値以上(より大でも良い)である場合、相関性が低いとする。
次に、反射波が疑似距離に与える誤差の算出について説明する。図9に示すように、衛星1の仰角がα1であり、移動体(相対測位装置1を搭載)の移動方向に対して直交する方向と、衛星の受信方向との角度がβ1である場合、直接波と路側で道路と平行する壁によって反射される反射波との間の疑似距離差は、下記の数式2の通りである。
そして、異なる衛星からの電波が同じ壁によって反射される場合、dRが同じぐらいなので、cos(γ1)=cos(α1)×cos(β1)を疑似距離誤差(正規化疑似距離誤差とも言う)とする。
次に、相対位置取得部17は、グループAの共通衛星を用いて、以下のように現在位置を更新する。まず、推測疑似距離算出手段174は、グループAの各衛星(k個である、とする。)の位置を取得する。ここで、推測疑似距離算出手段174は、k個の衛星の位置(Z1,・・・・、Zk)を取得した、とする。
次に、推測疑似距離算出手段174は、予測位置取得手段173が取得していた自端末位置(x− 1,m)を読み出す。また、推測疑似距離算出手段174は、予測位置取得手段173が取得していた他端末位置(x− 2,m)を読み出す。さらに、推測疑似距離算出手段174は、予測位置取得手段173が取得した誤差matrix(P− 1,m,P− 2,m)も読み出す。
そして、推測疑似距離算出手段174は、自端末位置(x− 1,m)、他端末位置(x− 2,m)、および誤差matrix(P− 1,m,P− 2,m)と、衛星の位置(Z1,・・・・、Zk)とを用いて、グループAの各衛星の自端末推測擬似距離を算出する。また、推測疑似距離算出手段174は、グループAの各衛星の他端末推測擬似距離を算出する。
次に、計測擬似距離取得手段121は、グループAの各衛星の自端末計測疑似距離(p1,1,…,p1,k)および他端末計測疑似距離(p2,1,…,p2,k)を取得する。
次に、位置算出手段175は、自端末位置、他端末位置、グループAの1以上の各衛星の自端末計測疑似距離、他端末計測疑似距離と、グループAの1以上の各衛星の自端末推測疑似距離、他端末推測疑似距離とを予め決められた算出式に代入して、自端末位置および他端末位置を更新する。
具体的には、位置算出手段175は、以下の数式3を用いて、自端末位置(x+ 1,m)および他端末位置(x+ 2,m)とその誤差matrix(P+ 1,m,P+ 2,m)を取得する。なお、数式3におけるHl,mは、数式4により算出される。さらに、数式3におけるΔ1、Δ2は、数式5により算出される。また、数式3において、Rmは、計測誤差matrixである。そして、Rm =diag{σ2ρ1, σ2ρ2, …, σ2ρk, σ2 vx, σ2 vy, σ2 vz}である。また、σ2ρ1は、衛星1の疑似距離の計測誤差であり、σ2 vxはx方向の速度計測誤差である。
そして、位置蓄積手段178は、自端末位置と他端末位置とを、自端末位置(x+ 1,m)および他端末位置(x+ 2,m)を、自端末位置(x− 1,m)と他端末位置(x− 2,m)にするように、自端末位置(x+ 1,m)および他端末位置(x+ 2,m)を位置格納手段171に蓄積する。また、位置蓄積手段178は、誤差matrix(P+ 1,m,P+ 2,m)を誤差matrix(P− 1,m,P− 2,m)に更新する。
次に、相対位置算出手段176は、算出された自端末位置(x+ 1,m)と算出された他端末位置(x+ 2,m)とから、相対位置を算出する。そして、相対位置蓄積手段179は、算出された相対位置を相対位置格納手段172に一時蓄積する。
以上により、グループAの共通衛星を用いて、位置が更新された。ここでは、グループAの共通衛星のGPS信号を一括して用いて、自端末位置と他端末位置とが更新された。また、
次に、相対位置取得部17は、グループBに属する共通衛星を用いて順次に位置を更新する処理を、以下のように行う。
まず、推測疑似距離算出手段174は、グループBのn番目(nは1から順次に選択される)の衛星の位置(Zn)を取得する。
次に、推測疑似距離算出手段174は、位置格納手段171から自端末位置(x− 1,m)を読み出す。また、推測疑似距離算出手段174は、位置格納手段171から他端末位置(x− 2,m)を読み出す。さらに、推測疑似距離算出手段174は、予測位置取得手段173が取得した誤差matrix(P− 1,m,P− 2,m)も読み出す。
そして、推測疑似距離算出手段174は、自端末位置(x− 1,m)、他端末位置(x− 2,m)、および衛星の位置(Zn)とを用いて、n番目の衛星の自端末推測擬似距離と他端末推測擬似距離を算出する。
次に、計測擬似距離取得手段121は、グループBのn番目の衛星の自端末計測疑似距離(p1,n)および他端末計測疑似距離(p2,n)を取得する。
そして、位置算出手段175は、計測擬似距離(p1,n、p2,n)と推測擬似距離との差(Δに含まれている)を用いて、数式3で、位置情報(自端末位置と他端末位置)とその誤差matrixを更新する。そして、位置算出手段175は、更新された自端末位置(x+ 1,m)と更新された他端末位置(x+ 2,m)を得る。また、更新前の自端末位置は(x− 1,m)、更新前の他端末位置は(x− 2,m)である。
ただし、n番目の衛星に対して、数式3のHl,mは、数式6により算出される。さらに、n番目の衛星に対して、数式3におけるΔ1は、数式7により算出される。
次に、相対位置取得部17を構成する相対位置算出手段176は、取得した自端末位置(x+ 1,m)と他端末位置(x+ 2,m)とを用いて、自端末と他端末との相対位置(x+ 1,m−x+ 2,m)を算出する。
次に、変動判断手段177は、相対位置格納手段172に格納されている更新前の相対位置(x− 1,m−x− 2,m)と、算出された相対位置(x+ 1,m−x+ 2,m)とから、相対位置の変動量(ΔECEF=(x+ 1,m−x+ 2,m)−(x− 1,m−x− 2,m))を算出する。
そして、変動判断手段177は、相対位置の変動量(ΔECEF)を、ENU座標ΔENU=(ΔE,ΔN,ΔU)に変換し、車両間の水平距離の変動量dh=(ΔE 2+ΔN 2)1/2を算出する。
次に、変動判断手段177は、dhが既定の閾値を超えるかどうかを判断し、超えない場合に、位置蓄積手段178は、自端末位置(x+ 1,m)と他端末位置(x+ 2,m)を、位置格納手段171に蓄積し、更新する。また、超えない場合に、相対位置蓄積手段179は、算出された相対位置(x+ 1,m−x+ 2,m)を、相対位置格納手段172に蓄積する。
なお、変動判断手段177が超えると判断した場合は、この衛星を排除する。つまり、超える場合は、先に算出した自端末位置(x+ 1,m)と他端末位置(x+ 2,m)を更新しない。また、超える場合は、相対位置も更新しない。
グループBの衛星に関して、すべての衛星について、上記の処理を繰り返す。
そして、グループBのすべての衛星に対して、処理が完了した時点で、更新する相対位置が確定する。そして、出力部18は、更新された相対位置を出力する。
以下、相対測位装置1の位置の更新例について説明する。図10は、相対測位装置1の位置を順次、更新する場合について説明する図である。
まず、501と601で、二台の移動体(相対測位装置1を搭載)の前時点(m−1)の位置を基に、予測位置取得手段173は、現時点(m)の予測位置x− 1,m(502)とx− 2,m(602)を取得する。
次に、推測疑似距離算出手段174は、グループAに属する共通衛星に対して、予測した位置(502、602)と衛星の位置を用いて擬似距離を推測する。計測した擬似距離(503、603)と推測した擬似距離(504、604)の差を用いて、位置情報を505、605で更新する。更新後の位置は、x+ 1,m(506)、x+ 2,m(606)である。そして、x+ 1,mをx− ,mにし、P+ 1,mをP− 1,mにし、x+ 2,mをx− 2,mにし、P+ 2,mをP− 2,mにする。
次に、グループBにおけるn番目の共通衛星に対して、前回更新した位置(506、606)とn番目の衛星の位置を用いて、推測疑似距離算出手段174は、その擬似距離を推測する。推測した擬似距離(508、608)と計測した疑似距離(507、607)を用いて、位置情報を509、609で更新する。更新後の位置はx+ 1,m(510)、x+ 2,m(610)である。図10には、両受信機で13番の衛星から反射波を受信しているが、その相関性が高いため、相対位置の変動量が小さくて、その衛星を測位中使用する。
次に、グループCに属する14番の衛星から、移動体1は直接波を受信しているが、移動体2は反射波を受信している。両受信機での受信波の相関性が低いため、その衛星を排除する。
次に、(ΔE,ΔN)を2台の移動体間の水平相対位置とする。そして、510と610を移動体1(自端末)と移動体2(他端末)の現時点の位置とする。その差から相対位置を算出する。
次に、出力部18は、算出された相対位置を出力する。
(具体例2)
具体例1において、移動体の前時点の位置と速度を用いて相対位置におけるrandom誤差を低減しているが、具体例2では、以下のように、単純に瞬時の疑似距離を用いて相対位置を算出する。
まず、相対測位装置1のGPS信号受信部11は、2以上のGPS信号を受信する。
次に、自端末情報群取得部12は、衛星ごとに、各衛星のGPS信号から、1以上の自端末衛星情報を取得する。ここでは、自端末情報群取得部12は、例えば、衛星ごとに、計測擬似距離、受信SNR、および衛星位置を取得した、とする。
次に、自端末情報群送信部13は、自端末衛星情報群、自端末移動情報のうちの1以上の情報から、他端末に送信する自端末情報群を構成する。ここで、自端末である相対測位装置1は、図11(a)の自端末情報群を構成した、とする。
そして、他端末の相対測位装置1も、自端末の相対測位装置1と同様の動作を行い、図11(b)の他端末情報群を構成した、とする。
図11(a)(b)において、自端末情報群および他端末情報群は、計測擬似距離、および受信SNRである。
なお、相対位置を算出するときに、共通衛星からの信号のみが使用される。
次に、自端末情報群送信部13は、構成した自端末情報群(図11(a))を送信する。なお、この自端末情報群(図11(a))は、他端末である相対測位装置1が受信する、とする。
次に、自端末の他端末情報群受信部14は、他端末情報群(図11(b))を受信する。
次に、SNRを用いて、衛星をグループ分けする。そして、衛星は、信頼性の高いグループAの衛星、信頼性が低く相関性の高いグループBの衛星、および信頼性が低く相関性の低いグループCの衛星に分けられる。
具体的には、まず、高信頼性衛星決定部15は、共通衛星の中の各衛星について、自端末の信号雑音比(SNR1)と他端末の信号雑音比(SNR2)とを取得する。そして、高信頼性衛星決定部15は、高信頼性であることを判断する条件である高信頼性条件「SNR1>=閾値 かつ SNR2>=閾値」を満たすか否かを判断する。
次に、高信頼性衛星決定部15は、共通衛星の中で高信頼性条件に合致する衛星をグループAの衛星と決定する。そして、高信頼性衛星決定部15は、グループAの衛星を識別する衛星識別子を、グループAのグループ識別子と対応付けて、図示しないバッファに一時蓄積する。
次に、グループAにクラス分けされなかった共通衛星に関して、相関性判断部16は、相関性判断条件で用いるパラメータ(|SNR1−SNR2|)を算出する。
次に、グループAにクラス分けされなかった共通衛星に関して、相関性判断部16は、相関性判断条件(「|SNR1−SNR2|<閾値」)を満たすか否かを判断する。なお、相関性判断部16は、相関性判断条件および上記の閾値を予め保持している、とする。
次に、相関性判断部16は、相関性判断条件を満たす衛星の衛星識別子とグループBのグループ識別子とを、対応づけて図示しないバッファに一時蓄積する。なお、残りの衛星がグループCの衛星である。
時刻mで、グループAとBに属するn個の衛星の位置をZ1,Z2,・・・,Znとし、2台の移動体で計測した計測疑似距離のvectorをそれぞれp1,m、p2,mとし、移動体1のm−1時点の位置をr1,m−1とし、2台の受信機のm時点の位置をそれぞれr1,m、r2,mとする。
かかる状況において、相対位置取得部17は、以下の数式8、数式9を用いて、相対位置を算出する。
そして、出力部18は、算出された相対位置を出力する。なお、具体例2における相対測位装置1のブロック図は、図12である。ここでは、相対測位装置1は、GPS信号受信部11、自端末情報群取得部12、自端末情報群送信部13、他端末情報群受信部14、高信頼性衛星決定部15、相関性判断部16、相対位置取得部17、および出力部18を具備する。また、自端末情報群取得部12は、計測擬似距離取得手段121、受信SNR取得手段122、衛星位置取得手段123を具備する。また、他端末情報群受信部14は、他端末擬似距離受信手段141、受信SNR受信手段142を具備する。さらに、相対位置取得部17は、相対位置算出手段176を具備する。
以上、本実施の形態によれば、自端末が受信した衛星からの信号に基づく情報と他端末が受信した衛星からの信号に基づく情報との相関性が高い衛星の情報を用いて、端末間の相対位置を精度高く取得できる。
また、本実施の形態によれば、隣接する移動体間共通に受信できる衛星に対して、各衛星の受信SNR、仰角、方位角度等を基に、衛星をグループに分け、信頼性の高い衛星を抽出し、かつ相関性高い衛星を相関性の順番でソートし、信頼性または相関性の高い共通衛星を先に用いて予測した位置を更新する。そして、高感度GPSによって両受信機で共通に受信できた信号のうちに、反射波を含めた相関性の高い受信波を用い、相関性の低い反射波を排除する。従って、反射波の悪い影響を回避しながら、測位中使用する衛星の数を増加でき、取得する相対位置の精度を向上できる。
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、2以上の衛星からGPS信号を受信するGPS信号受信部と、前記GPS信号受信部が受信したGPS信号または当該GPS信号を用いて取得される情報のうちの1以上の自端末に関する情報である前記2以上の衛星ごとの自端末衛星情報群を有する自端末情報群を取得する自端末情報群取得部と、前記自端末情報群のうちの一部または全部の情報を送信する自端末情報群送信部と、他端末が受信したGPS信号または当該GPS信号を用いて取得される情報のうちの1以上の前記他端末に関する情報である2以上の衛星ごとの他端末衛星情報群を有する他端末情報群のうちの一部または全部の情報を受信する他端末情報群受信部と、前記2以上の衛星ごとの前記自端末衛星情報群のうちの1以上の情報、および前記2以上の衛星ごとの前記他端末衛星情報群のうちの1以上の情報を用いて、前記2以上の衛星ごとに、前記自端末衛星情報群と前記他端末衛星情報群とが相関性が高いか否かを判断する相関性判断部と、前記相関性が高いと判断された1以上の衛星の自端末衛星情報群および他端末衛星情報群を用いて、前記自端末と前記他端末との相対位置を取得する相対位置取得部と、前記相対位置取得部が取得した相対位置を出力する出力部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記2以上の衛星ごとの前記自端末衛星情報群のうちの信号雑音比であるSNR1、および前記2以上の衛星ごとの前記他端末衛星情報群のうちの信号雑音比であるSNR2を用いて、前記SNR1および前記SNR2が共に閾値より大きいほど、信頼性の高い1以上の衛星を選択する高信頼性衛星決定部をさらに具備し、前記相関性判断部は、前記高信頼性衛星決定部が選択しなかった1以上の衛星の中で、当該1以上の衛星ごとの前記自端末衛星情報群のうちの1以上の情報、および前記1以上の衛星ごとの前記他端末衛星情報群のうちの1以上の情報を用いて、前記1以上の衛星ごとに、前記自端末衛星情報群と前記他端末衛星情報群とが相関性が高いか否かを判断し、前記相対位置取得部は、前記信頼性の高い1以上の衛星の自端末衛星情報群と前記信頼性の高い1以上の衛星の他端末衛星情報群、および前記相関性の高い1以上の衛星の自端末衛星情報群と前記相関性の高い1以上の衛星の他端末衛星情報群を用いて、前記自端末と前記他端末との相対位置を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記相関性判断部は、前記2以上の衛星ごとの前記自端末衛星情報群のうちの信号雑音比であるSNR1、および前記2以上の衛星ごとの前記他端末衛星情報群のうちの信号雑音比であるSNR2の差が閾値より小さい場合に相関性が高いと判断するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記相関性判断部は、前記2以上の衛星ごとの前記自端末衛星情報群のうちの1以上の情報、および前記2以上の衛星ごとの前記他端末衛星情報群のうちの1以上の情報を用いて、前記2以上の衛星に対して、前記自端末衛星情報群と前記他端末衛星情報群との相関度を算出し、前記相対位置取得部は、前記相関度が閾値より大きい衛星の自端末衛星情報群および他端末衛星情報群を、前記相関度の大きい順に用いて、前記自端末と前記他端末との相対位置を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記自端末情報群取得部は、前記2以上の衛星ごとに、前記GPS信号受信部が受信したGPS信号を用いて、前記自端末と各衛星との擬似距離である自端末計測疑似距離を取得する計測擬似距離取得手段と、前記2以上の衛星ごとに、前記GPS信号の自端末受信SNRを取得する受信SNR取得手段と、前記2以上の衛星ごとに、当該衛星の位置を示す衛星位置を取得する衛星位置取得手段と、前記自端末の移動速度と移動方向を含む自端末の移動に関する情報である自端末移動情報を取得する自端末移動情報取得手段とを具備し、前記他端末情報群受信部は、前記2以上の衛星ごとに、各衛星と前記他端末との擬似距離である他端末計測疑似距離を受信する他端末擬似距離受信手段と、前記2以上の衛星ごとに、前記他端末の前記GPS信号の他端末受信SNRを受信する受信SNR受信手段と、前記他端末の移動速度と移動方向を含む他端末の移動に関する情報である他端末移動情報を受信する他端末移動情報受信手段とを具備し、前記相対位置取得部は、自端末の前の時点の位置である自端末前時点位置、および他端末の前の時点の位置である他端末前時点位置とを格納し得る位置格納手段と、前記自端末前時点位置と前記自端末移動情報とを用いて、前記自端末のn秒後の位置である自端末現時点予測位置を取得し、かつ、前記他端末前時点位置と前記他端末移動情報とを用いて、前記他端末のn秒後の位置である他端末現時点予測位置を取得する予測位置取得手段と、前記自端末現時点予測位置と、前記相関性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、前記自端末と前記1以上の各衛星との疑似距離である1以上の自端末推測疑似距離を算出し、かつ前記他端末現時点予測位置と、前記相関性が高いと判断された1以上の各衛星の衛星位置とを用いて、前記他端末と前記1以上の各衛星との疑似距離である1以上の他端末推測疑似距離を算出する推測疑似距離算出手段と、前記自端末現時点予測位置と、前記相関性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末計測疑似距離と、前記相関性が高いと判断された1以上の各衛星の自端末推測疑似距離とを用いて、前記自端末の位置である自端末位置を算出し、かつ前記他端末現時点予測位置と、前記相関性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末計測疑似距離と、前記相関性が高いと判断された1以上の各衛星の他端末推測疑似距離とを用いて、前記他端末の位置である他端末位置を算出する位置算出手段と、前記自端末位置および前記他端末位置から自端末と他端末の相対位置を算出する相対位置算出手段と、前記自端末位置および前記他端末位置を、前記自端末前時点位置および他端末の前の時点の位置である前記他端末前時点位置として、前記位置格納手段に蓄積する位置蓄積手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記相対位置取得部は、自端末と他端末の相対位置を格納し得る相対位置格納手段と、前記相対位置算出手段が算出した相対位置を前記相対位置格納手段に蓄積する相対位置蓄積手段と、現時点で、前記相対位置算出手段が算出した相対位置と、前記相対位置格納手段に格納されている相対位置とを比較し、閾値以上の相対位置の変動があるか否かを判断する変動判断手段とをさらに具備し、前記相対位置取得部は、前記変動判断手段が閾値以上の相対位置の変動があると判断した場合は、当該判断の元になる衛星から送信された信号を利用しないものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記自端末情報群取得部は、前記2以上の衛星ごとに、前記GPS信号受信部が受信したGPS信号を用いて、前記自端末と各衛星との擬似距離である自端末計測疑似距離を取得する計測擬似距離取得手段と、前記2以上の衛星ごとに、GPS信号の自端末受信SNRであるSNR1を取得する受信SNR取得手段と、前記2以上の衛星ごとに、当該衛星の位置を示す衛星位置を取得する衛星位置取得手段とを具備し、前記他端末情報群受信部は、前記2以上の衛星ごとに、各衛星と前記他端末との計測擬似距離である他端末計測疑似距離を受信する他端末擬似距離受信手段と、前記2以上の衛星ごとに、他端末のGPS信号の他端末受信SNRであるSNR2を受信する受信SNR受信手段とを具備し、前記相対位置取得部は、前記信頼性の高い1以上の衛星と相関性の高い1以上の衛星の自端末計測疑似距離と前記信頼性の高い衛星と相関性の高い衛星の他端末計測疑似距離と各衛星の衛星位置とを用いて、自端末と他端末との相対位置を算出する相対位置算出手段を具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
また、図13は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の相対測位装置等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図13は、このコンピュータシステム340の概観図であり、図14は、コンピュータシステム340の内部構成を示す図である。
図13において、コンピュータシステム340は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412を含むコンピュータ341と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344とを含む。
図14において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、MPU3413と、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3415とに接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ341は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態の相対測位装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態の相対測位装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、モデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。