JP5613725B2 - 射出成形品 - Google Patents

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本発明は、規則的な凹凸から成るうねり面を有する射出成形品に関する。
樹脂成形材料を所定の形状に射出成形することによって製造される射出成形品は、様々な分野において利用されている。例えば、自動車等の車両の外装品、内装品、家電製品や電子機器製品の外面(意匠面)を構成する部材等として、種々の形状の射出成形品が用いられている。
ところで、この種の用途に用いられている射出成形品のなかには、車両の外装品としてのピラーガーニッシュやモールディング等のように、高い質感(高級感)が求められるものがあった。かかる要求に応えるべく、外面(意匠面)をいわゆるシボ加工することによって当該外面(意匠面)に皮革調、幾何学調、若しくは梨地状の微細な凹凸模様(以下、このような微細な凹凸模様を「シボ模様」と総称することがある。)を付与することが行われている。例えば、特許文献1には、射出成形の際に成形品の少なくとも一部にシボ模様を形成するのに適した形態の射出成形用金型が開示されている。
特開平07−88885号公報
従来の微細な凹凸表面(シボ模様面)は、シボ模様の形成されていない樹脂成形品の平滑な表面と比べれば、ある程度の質感向上に寄与している。しかし、より高級感を醸し出す射出成形品を提供するという観点からは、さらなる魅力的な質感向上が望まれる。例えば、意匠面に高い光沢が得られれば、当該意匠面(ひいては当該射出成形品)に対してより高い高級感を付与することができる。
しかし、従来のシボ模様を形成した意匠面においては、所望する光沢を付与することは困難であった。また、射出成形品の表面に所望の光沢を付与するために当該表面に対応する射出成形型の型面(成形面)を鏡面加工する場合、成形型の加工自体に多大な時間やコストがかかる。更に、ヒケ、ウェルドライン、フローマーク等を防止し型面(成形面)の再現性を向上させるために成形サイクルを長くすれば、製造効率が低下し、コスト増の要因ともなる。
本発明は、上述した従来の課題に鑑みて創出されたものであって、従来のシボ模様面では得られないような質感と光沢とを実現した意匠面を備えた射出成形品の提供を目的とする。
上記目的を実現するために、本発明によって以下の構成の射出成形品が提供される。
即ち、請求項1の発明は、少なくとも表面の一部に規則的な凹凸から成り、かつ緩やかな曲面から成るうねり面が形成された射出成形品である。そして当該うねり面は、以下の条件:
(1)高低差が0.1μm以上3.0μm以下であること;
(2)規則的な凹凸のピッチが1mm以上10mm以下であること;及び、
(3)JIS Z8741に基づく入反射角60°の鏡面光沢度が80%以上であること;
をいずれも具備することを特徴とする。
かかる構成の射出成形品は、上記規則的な凹凸を有するので、表面にヒケ、ウェルドライン、フローマーク等が存在しても目立ちにくい。また、上記規則的な凹凸のピッチが1mm以上10mm以下であるので、上記ヒケ等を目立ちにくくする効果(マスキングする効果)が高く、かつ上記凹凸自体も目立ちにくい。したがって、より質感の良い射出成形品となり得る。更に、上記うねり面の高低差が0.1μm以上3.0μm以下に規定されているので、該うねり面の良好な質感と、上記JIS Z8741に基づく入反射角60°の鏡面光沢度(以下、これを「光沢度Gs(60°)」と表記することがある。)が80%以上という高い光沢とを効果的に両立させることができる。
請求項2の発明は、請求項1の射出成形品において、前記うねり面を形成する凹凸の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.02μm以上0.50μm以下の範囲内にあることを特徴とする。
かかる構成によると、上記うねり面に魅力的な光沢が効果的に付与された射出成形品が実現され得る。
請求項3の発明は、請求項1又は2の射出成形品において、前記うねり面の高低差が0.2μm以上2.0μm以下の範囲内にあることを特徴とする。
かかる構成の射出成形品は、上記うねり面の高低差が小さいので上記凹凸が目立ちにくい。したがって、より質感の良い射出成形品となり得るので好ましい。
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の射出成形品において、前記うねり面の高低差が0.3μm以上1.5μm以下の範囲内にあることを特徴とする。
かかる構成によると、上記うねり面の高低差が小さいので上記凹凸が更に目立ちにくく、より質感の良い射出成形品が実現され得る。また、高低差が上記範囲にある射出成形品は、車両(例えば自動車)の外装塗膜とよく似た外観を呈するものとなり得る。このような射出成形品は、車両の外装品(ピラーガーニッシュ、モールディング等)その他の用途に好ましく適用され得る。
また、請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の射出成形品において、前記うねり面の規則的な凹凸のピッチが2mm以上4mm未満の範囲内にあることを特徴とする。
かかる構成によると、比較的廉価な自動車の外装塗膜とよく似た外観を呈する射出成形品が実現され得る。このような射出成形品は、比較的廉価な自動車の外装品その他の用途において特に好適である。
また、請求項6の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の射出成形品において、前記うねり面の規則的な凹凸のピッチが4mm以上8mm未満の範囲内にあることを特徴とする。
かかる構成によると、比較的高価な自動車(高級車)の外装塗膜とよく似た外観を呈する射出成形品が実現され得る。このような射出成形品は、高級車の外装品その他の用途において特に好適である。
また、請求項7の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の射出成形品において、前記光沢度Gs(60°)が85%以上95%以下であることを特徴とする。
かかる構成の射出成形品は、車両(例えば自動車)の外装塗膜とよく似た外観を呈するものとなり得る。このような射出成形品は、車両の外装品その他の用途に好ましく適用され得る。
また、請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の射出成形品において、少なくとも前記うねり面を包含する部分がアクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂又は塩化ビニル樹脂から形成されていることを特徴とする。
かかる組成の射出成形体は、上記光沢度Gs(60°)の高いうねり面が得られやすいので好ましい。
一実施形態に係るピラーガーニッシュが取り付けられた自動車のフロントドアパネル及びリアドアパネルを模式的に示す車外側側面図である。 一実施形態に係る射出成形品の表面形状を例示する模式的断面図である。 一実施形態に係る射出成形品の製造に用いられる射出成形用金型の製造過程を例示する模式的平面図である。 図3のIV−IV線断面図であり、一実施形態に係る射出成形品の製造に用いられる射出成形用金型の製造過程を例示する模式的断面図である。 一実施形態に係る射出成形品の製造に用いられる射出成形用金型の製造過程を例示する模式的断面図である。 うねり面の表面状態が質感に及ぼす影響を説明するための模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、溶融混練機の操作方法、射出成形型の具体的な構造、射出成形条件のコントロール方法等のような射出成形法に関する一般的な事項)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、各図における寸法関係は、実際の寸法関係を反映するものではない。
ここに開示される射出成形品は、高い光沢を伴う良好な質感を有することから、車両の外装品等のように高級感が求められる用途に好ましく使用され得る。車両外側の塗装面(外装塗膜)に似た質感を演出し得ることから、該塗装面に隣接又は近接して配置される部品として特に好適である。上記塗装面の具体例としては、車両(例えば自動車)のボディやドアパネル等が挙げられる。このような塗装面に隣接又は近接して配置される部品の具体例としては、ピラーガーニッシュ、サイドガーニッシュ、ホイールアーチプロテクタ、ドアロアモール、ロッカーモール、給油リッド等が挙げられる。
以下、本発明を自動車のピラーガーニッシュ用の射出成形品に適用する場合を主な例として、本発明の好適な一実施形態を詳細に説明する。
図1は、車両(ここでは乗用自動車)1の要部を示す左側面図である。この左側面図には、車体の左側面にあるフロントドアを構成するフロントドアパネル2、リアドアを構成するリアドアパネル4、及び車両のルーフ3が示されている。なお、車両1の図示しない右側面にも同様の構成(即ち左右対称構成)のフロントドアパネル並びにリアドアパネルが配置される。
本図に示すように、両ドアパネル2,4は、大まかにいって平板状のパネル本体2A,4Aと、当該パネル本体2A,4Aの上部に形成された窓枠10A,10Bとを備える。
具体的には、フロントドアパネル2の上部に形成された窓枠10Aは、フロントドアパネル2のフランジ(図示せず)によって構成される上縁部2Bと、当該上縁部2Bの車両前後方向の後端(即ちリアドアパネル4に隣接する端)から車両のルーフ3方向(上下方向)に延びる縦枠部12Aと、当該縦枠部12Aの上端と上記パネル上縁部2Bの車両前後方向の前端とを繋ぐようにしてルーフ3並びにフロントウィンドウに沿って形成される上枠部14Aと、から構成されている。なお、窓枠10Aの車両前方側であってパネル上縁部2Bと上枠部14Aとに挟まれた部位には、ドアミラー7を装着するためのミラーベース6が形成されている。
一方、リアドアパネル4の上部に形成された窓枠10Bは、リアドアパネル4のフランジ(図示せず)によって構成される上縁部4Bと、当該上縁部4Bの車両前後方向の前端(即ちフロントドアパネル2に隣接する端)から車両のルーフ3方向(車体上下方向)に延びる縦枠部12Bと、当該縦枠部12Bの上端と上記パネル上縁部4Bの車両前後方向の後端とを繋ぐようにしてルーフ3並びにフロントウィンドウに沿って形成される上枠部14Bと、から構成されている。上記構成のフロントドアパネル上部の窓枠10並びにリアドアパネル上部の窓枠10Aの内側には、昇降可能な窓板5A,5Bが装着されている。即ち、窓板5A,5Bは各ドアパネル本体2A,4A内に設けられた図示しない窓板昇降機構と連結し、窓枠10A,10B内を昇降移動することができる。
そして、図示されるように、フロントドアパネル2並びにリアドアパネル4それぞれの窓枠10A,10Bのうち、上述した車体上下方向に延びる縦枠部12A,12Bには、該縦枠部12A,12Bに沿って、ここに開示されるいずれかの射出成形品であるピラーガーニッシュ50A,50Bが取り付けられている。
ピラーガーニッシュ50A,50Bは、車体に取り付けられた状態で外部から視認される面(意匠面)の少なくとも一部に、規則的な凹凸から成るうねり面が形成されている。本実施形態では、上記意匠面の全体が上記うねり面となっているが、上記意匠面のうち一部の領域のみがうねり面となっていてもよい。また、車体に取り付けられた状態において外部から視認されない面にもうねり面が形成されていてもよい。
ここに開示されるいずれかの射出成形品(本実施形態では、図1に示すピラーガーニッシュ50A,50B)について、うねり面を形成する「規則的な凹凸」とは、少なくとも一方向に対して一定のパターンで凹凸が配置されていることをいう。典型的には、図2に示す模式図のように、射出成形品60の表面(うねり面)60Aに多数の凸部62及び凹部63が一定のピッチで配置されており、これらの凸部62及び凹部63によって上記規則的な凹凸が形成されている。このような規則的な凹凸から成るうねり面は、該うねり面にヒケ、ウェルドライン、フローマーク等が存在しても目立ちにくい。また、上記うねり面の光沢を高くすることにより(例えば、光沢度Gs(60°)が80%以上の光沢を有するうねり面とすることにより)、従来のシボ模様面では得られないような質感及び光沢を兼ね備えた魅力的な意匠面を有する射出成形品が提供され得る。
図2に示す例において、うねり面60Aの高低差Hは、凹部63の底部を基準とした凸部62の高さとして把握され得る。換言すれば、うねり面60Aを形成する凹凸の最も高い部分と最も低い部分との差として把握され得る。この高低差Hは、通常、3.0μm以下とすることが適当である。これにより、うねり面60Aを構成する個々の凸部62が不必要に目立つ事象を回避し、より質感の良い射出成形品60を実現することができる。かかる観点から、上記高低差Hを2.0μm以下とすることが好ましく、1.5μm以下とすることがより好ましい。一方、高低差Hを極力小さくしようとすると、射出成形型の加工自体に多大な時間やコストがかかり、該射出成形型を用いた射出成形品の製造効率も低下しがちである。また、高低差Hが小さすぎると、射出成形品表面のヒケ等を目立ちにくくする効果が小さくなる場合がある。かかる観点から、高低差Hを0.1μm以上とすることが適当であり、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.3μm以上である。
射出成形品の質感を効果的に高めるという観点からは、高低差Hを0.3μm以上1.5μm以下とすることが好ましい。高低差Hが上記範囲にあるうねり面は、塗装面によく似た質感を示し得るという点からも好ましい。例えば、一般的な静電塗装等による塗装面(自動車の車体の外装塗膜等)によく似た質感を有し、したがって該塗装面とよく調和する外観を呈する射出成形品が実現され得る。上記塗装面は、微細な凹凸を有する表面(ゆず肌状の表面)であり得る。高低差Hが0.3μm以上1.5μm以下の射出成形品は、このようなゆず肌状の塗装面に隣接又は近接して配置される部品として好適である。
図2に示す例において、うねり面60Aを形成する凹凸のピッチPは、例えば、凸部62の頂点の間隔として把握され得る。このピッチPは、1mm〜10mmの範囲とすることが適当である。ピッチPが上記範囲にあるうねり面60Aは、ヒケ等を目立ちにくくする効果が高く、かつ個々の凸部62が不必要に目立つ事象が起こりにくい。したがって、このようなうねり面を有する射出成形品は、より質感の良いものとなり得る。かかる観点から、ピッチPが2mm〜8mmである射出成形品が好ましく、より好ましくは3mm〜7mmである。
より好ましいピッチPの範囲は、射出成形品の用途によっても異なり得る。
例えば、比較的廉価な自動車の外装品として用いられる射出成形品では、そのような自動車の外装塗膜の質感との調和性の観点から、ピッチPを2mm〜4mmとすることが好ましい。ピッチPが2mm以上4mm未満(例えば2.5mm以上3.5mm以下)であり、かつ高低差Hが0.2μm〜2.0μm(より好ましくは0.3μm〜1.5μm)である射出成形品が好ましい。
一方、比較的高価な自動車(高級車)の外装品として用いられる射出成形品では、そのような自動車の外装塗膜の質感との調和性の観点から、ピッチPを4mm〜8mmとすることが好ましい。ピッチPが4mm〜8mm(典型的には5mm〜7mm)であり、かつ高低差Hが0.2μm〜2.0μm(より好ましくは0.3μm〜1.5μm)である射出成形品が好ましい。
図2に示す例において、うねり面60Aを構成する凸部62の平面形状は特に限定されず、例えば、円形、長円形、楕円形等の丸形状;三角形、四角形、六角形等の多角形状(例えば正多角形状);直線、波線、格子等のリブ状;等であり得る。凸部62の平面形状が丸形状や多角形状の場合、複数の凸部62が直線上又は曲線上に一定の間隔で配置され、全体として格子模様や千鳥模様等のパターンを形成していることが好ましい。凸部62の平面形状が直線状や波線状である場合、それらの凸部62は互いに平行に配置されていることが好ましい。
うねり面60Aを構成する凸部62の断面形状は、特に限定されない。通常は、射出成形品60の成形性、型抜け性、うねり面60Aの耐汚染性等の観点から、各凸部62の外形が緩やかな曲面から構成されていることが好ましい。また、うねり面60Aの断面形状において角がないことが好ましい。好ましい一態様では、うねり面60Aの全体が緩やかな曲面により構成されている。
ここに開示される射出成形品は、互いに形状の異なるうねり面を有する複数の領域を備えていてもよい。それらのうねり面は、該うねり面を構成する規則的な凹凸のピッチ、該凹凸の配列、凸部の平面形状、凸部の断面形状、うねり面の高低差のうち少なくとも一つが異なるものであり得る。一つのうねり面を構成する凸部は、概ね同様の平面形状及び断面形状を有することが好ましい。ここで「概ね同様」とは、それら凸部の平面形状及び断面形状が同一であることを理想とするが、射出成形型の表面形状を調整する際の製造誤差、射出成形型の繰返し使用による表面の摩耗、又は射出成形品の製造誤差等の非意図的な要因によって射出成形品の表面(うねり面)に生じ得る多少のバラツキを許容する意味である。
ここに開示される射出成形品において、上記規則的な凹凸から成るうねり面は、JIS Z8741に基づく入反射角60°の鏡面光沢度(即ち、光沢度Gs(60°))が80%以上であり、好ましくは85%以上である。このように高い光沢を有するうねり面によると、上記規則的な凹凸による質感向上効果と相俟って、従来にない魅力的な意匠面を備えた射出成形品が実現され得る。うねり面の光沢度Gs(60°)が80%よりも低すぎると、該うねり面に高級感を付与する効果が小さくなることがあり得る。また、射出成形型の加工に要する時間やコスト並びに該射出成形型を用いた射出成形品の製造効率を考慮すると、通常は、光沢度Gs(60°)を98%以下とすることが適当であり、95%以下とすることが好ましい。光沢度Gs(60°)が93%以下であってもよく、更には92%以下であってもよい。
ここに開示される射出成形品の好ましい一態様では、上記うねり面の算術平均粗さ(Ra)が0.50μm以下である。ここで、上記うねり面について「算術平均粗さ(Ra)」とは、JIS B0601:2001に規定された粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)をいう。この算術平均粗さ(Ra)は、上記うねり面を形成する凹凸自体の表面状態、より具体的には該凹凸の表面の平滑性を表す特性として把握され得る。すなわち、図6に示す模式図のように、うねり面60Aを形成する凹凸の最も高い部分と最も低い部分との差を示す高低差Hに対し、算術平均粗さ(Ra)は、そのうねり面60Aを形成する凹凸の表面における微細な凹凸65の高さhに基づいて算出される。一般に、算術平均粗さ(Ra)が小さくなるほど光沢度Gs(60°)は高くなる傾向にある。したがって、上記規則的な凹凸のピッチ及び高低差Hを有するうねり面において、算術平均粗さ(Ra)をより小さくすることにより、該うねり面の良好な質感を維持しつつ、より高い光沢を付与することができる。
射出成形型の加工に要する時間やコスト並びに該射出成形型を用いた射出成形品の製造効率と、光沢を高める効果との兼ね合いから、通常は、算術平均粗さ(Ra)を0.02μm以上0.50μm以下とすることが好ましく、0.02μm以上0.10μm以下とすることがより好ましい。
なお、ここに開示される射出成形品において、うねり面の高低差及び規則的な凹凸のピッチは、例えば、東京精密株式会社製の表面粗さ計、商品名「SURFCOM(登録商標) 1400D」を用いて測定することができる。また、うねり面の算術平均粗さ(Ra)は、上記表面粗さ計を用いて、JIS B0601:2001に準じて測定することができる。また、鏡面光沢度は、例えば、スガ試験機株式会社製の光沢計、商品名「デジタル変角光度計 UGV−6P」を用いて測定することができる。
ここに開示される射出成形品に用いられる材料としては、従来から射出成形品に用いられる射出成形用樹脂材料を特に限定なく使用することができる。例えば、各種の熱可塑性樹脂、ゴム等のポリマー材料を含む射出成形用樹脂材料を用いることができる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂;アクリル樹脂;塩化ビニル樹脂;アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体樹脂(AES樹脂);等が挙げられる。ゴムの例としては、天然ゴム(NR);アクリルゴム(ACM)、エチレン−アクリルゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、シリコーンゴム等の各種合成ゴム;等が挙げられる。また、熱可塑性エラストマーを使用することもできる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ポリアミド系、塩化ビニル系、ウレタン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
ここに開示される射出成形品は、少なくとも上記うねり面を包含する部分に熱可塑性樹脂が用いられていることが好ましい。上記うねり面の質感、光沢度Gs(60°)、耐傷つき性等の観点から好ましく採用し得る熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂及び塩化ビニル樹脂等が例示される。ここで、AESとは、アクリロニトリルとエチレンプロピレンゴムとスチレンとを含む共重合体を意味する。かかるAESの典型例は、エチレンプロピレンゴムを主鎖とし、その側鎖としてアクリロニトリルとスチレンとの共重合体を有するグラフト共重合体である。上記側鎖は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
ここに開示される射出成形品の典型的な形態では、少なくとも上記うねり面を包含する部分が、射出成形用樹脂材料を射出成形することにより形成されている。上記射出成形品の全体が射出成形により形成されていてもよい。あるいは、射出成形により形成された部分と他の部分とが複合化された射出成形品であってもよい。このような射出成形品は、例えば、上記他の部分の少なくとも一部を射出成形型の内部に配置し、該射出成形型に射出成形用樹脂を供給することにより成形され得る。射出成形により形成された部分と複合化される上記他の部分は、例えば、あらかじめ所望の形状に成形された樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム等)、金属、セラミック等であり得る。
上記射出成形用樹脂材料には、上記ポリマー材料の他に、必要に応じて種々の副成分を含有させることができる。そのような副成分の一例として、粉状及び/又は繊維状の固形充填材が挙げられる。かかる固形充填材の例としては、セラミック粉(タルク等の種々の無機化合物粉を包含する。以下同じ。)、カーボン粉(例えばカーボンブラック)、木粉、セラミックファイバー、カーボンファイバー等が挙げられる。充填材を使用する場合における使用量(含有量)は、用いる充填材の種類及び射出成形品の用途に応じて異なり得る。典型的には、成形材料全体の概ね1質量%〜60質量%となる割合で充填材を混練することが好ましい。或いは、充填材を実質的に含有しない組成の成形材料であってもよい。該成形材料には、任意成分としての上記固形充填材の他に、必要に応じて種々の補助成分(添加剤)を含有させることができる。かかる補助成分としては、酸化防止剤、光安定剤、UV吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤(顔料、染料)、難燃剤、分散剤、抗菌剤、帯電防止剤等が挙げられる。
次に、ここに開示される射出成形品の好ましい製造方法につき説明する。
ここに開示される射出成形品は、射出成形型の成形キャビティに射出成形用樹脂材料を射出して該成形キャビティを上記樹脂材料で充填し、その充填された樹脂材料を上記成形キャビティ内で冷却して固化させた後、上記射出成形型を開いて射出成形品を取り出すことにより、好ましく製造され得る。射出成形型としては、従来の一般的な射出成形型と同様、金属材料を主体に構成された射出成形型(以下「射出成形用金型」ともいう。)を好ましく用いることができる。上記金属材料の好適例として、プリハードン鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。上記プリハードン鋼とは、切削加工性の向上等のために熱処理によって硬さを高めた鋼材を指す。加工性と耐久性とのバランスの観点から、例えば、JIS Z2245に基づくロックウェル硬度(Cスケール)が30〜60HRC程度のプリハードン鋼を好ましく採用し得る。
成形キャビティに充填された射出成形用樹脂材料を固化させると、該キャビティに面する射出成形型の表面(型面)の形状に対応した表面形状を有する射出成形品が形成される。この射出成形品において上述した形状のうねり面が成形されるように、上記射出成形型の型面のうち少なくとも上記うねり面に対応する箇所(以下「うねり面成形部」ともいう。)の表面が適切な形状に調製された射出成形型を用いるとよい。例えば、うねり面の形状を反転した表面形状を有するうねり面成形部を備えた射出成形型の使用が好ましい。
上記うねり面成形部は、射出成形型の製造に関する公知技術を適宜組み合わせて適用することにより、ここに開示される好ましい表面形状のうねり面を形成し得る表面形状となるように調製することができる。以下、図3〜図5を参照しつつ、図2に模式的に示す形状のうねり面(即ち、平面形状が円形であって緩やかな曲面により形成され、所定の高低差H及びピッチPを満たす凸部62から成るうねり面)60Aを備えた射出成形品60を成形可能な射出成形用金型を製造する方法の一例につき、該金型のうねり面成形部を所望の表面形状に調製(加工)する過程を中心に説明するが、本発明の範囲を限定する意図ではない。
図2に模式的に示すうねり面60Aは、図5に示すように、このうねり面60Aの表面形状を概ね反転した形状のうねり面成形部70Aを備えた射出成形用金型70を用いて好ましく製造され得る。図5に示すうねり面成形部70Aは、例えば、以下の手順により好ましく加工することができる。
まず、うねり面成形部70Aの表面を大まかに整える。この工程は、例えば、大まかな研磨、NC加工(Numerical Control machining;数値制御加工)、ブラスト、後続するエッチングのための前処理、等の公知の手法を適宜採用して行うことができる。本工程は、例えば湿式法により行うことができる。
次に、図3及び図4に示すように、うねり面成形部70Aに凹凸パターンを付与するプロセスを実施する。この凹凸パターンは、後述する加工後に所望のうねり面成形部70Aが得られる平面形状および断面形状に形成する。本例では、うねり面成形部70Aに略円柱状の凸部72を等間隔で形成する。この凹凸パターンの付与は、例えば、切削加工(NC加工であり得る。)、ブラストその他の物理的処理、エッチングその他の化学的処理等の公知の手法により行うことができる。上記ブラスト及びエッチングは、通常、うねり面成形部70Aの一部を保護(マスキング)した上で行うことが好ましい。上記ブラストは、通常、乾式法により行うことが適当である。
特に限定するものではないが、この段階では、うねり面成形部70Aの凹凸パターンの高低差を、目的とする射出成形品のうねり面の高低差(図2に示す高低差H)と同程度又はそれよりもやや大きくしておくことが有利である。このことによって、上記凹凸パターンを図5に示す最終形状のうねり面成形部70Aへと、精度よくかつ効率よく整えることができる。例えば、高低差が10μm以下(典型的には0.1μm以上10μm以下)の凹凸パターンをうねり面成形部70Aに付与するとよい。例えば、上記凹凸パターンの高低差を0.1μm以上5.0μm以下(例えば0.2μm以上3.0μm以下)とすることが好ましい。
また、図3,4に示す凹凸パターンにおける凸部72のピッチは、図5に示す最終形状のうねり面成形部70Aにおける凸部72のピッチと同程度とすることが好ましい。例えば、凹凸パターンにおける凸部72のピッチを1mm以上(典型的には1mm以上10mm以下)とするとよい。
次いで、上記凹凸パターンが形成された型面(うねり面成形部70A)に適宜の処理を加えて、図5に示す最終形状のうねり面成形部70Aへと加工する。図5には、上記加工前におけるうねり面成形部70Aの形状を点線で示している。この点線で示す形状のうねり面成形部70Aから実線でしめす形状のうねり面成形部70Aへの加工は、例えば、上記凹凸パターンに公知の物理的処理及び/又は化学的処理を施すことにより行うことができる。好ましい一態様では、上記凹凸パターンを加工する工程が、第一研磨プロセスと、この第一研磨プロセスの後に行われる第二研磨プロセスとを包含する。
上記第一研磨プロセスは、主として上記凹凸パターンの外形(凸部の高低差や断面形状等)を図5に示す最終形状に近づける予備研磨プロセスとして把握され得る。この第一研磨プロセスでは、上記凹凸パターンが形成されたうねり面成形部70Aを、砥石若しくは研磨布紙(サンドペーパー)によって研磨することが好ましい。砥石としては、一般的な油砥石を好ましく用いることができる。特に限定するものではないが、上記第一研磨プロセスの終了時における凸部72の高低差H1は、例えば0.1μm以上3.0μm以下(典型的には0.2μm以上3.0μm以下、例えば2.0μm以上3.0μm以下)とすることができる。凸部72の高低差H1と、図5に示す最終形状における凸部72の高低差H2との差(H1−H2(mm))が例えば0〜0.2μm程度となるように実施することができる。この第一研磨プロセスは、例えば湿式法により好適に実施することができる。
上記第二研磨プロセスは、第一研磨プロセスを終えた後のうねり面成形部70Aを更に研磨する仕上げ研磨プロセスとして把握され得る。この第二研磨プロセスにより、うねり面成形部70Aの外形を図5に示す最終形状に更に近づけ、且つうねり面成形部70Aの表面の平滑性(例えば、算術平均粗さRaにより把握され得る。)を調整するとよい。第二研磨プロセスは、砥粒(例えばダイヤモンド砥粒)を含む液状若しくはペースト状の研磨剤を用いて好ましく実施され得る。例えば、上記のような研磨剤をうねり面成形部70Aに供給(例えば塗布)して手動で研磨する手法を好ましく採用し得る。
なお、この明細書により開示される事項には以下のものが含まれる。
即ち、少なくとも表面の一部に微細な凹凸が規則的に形成された微細凹凸面を有する射出成形品を製造する方法であって、
前記射出成形品の製造に用いられる射出成形用金型を用意すること;
前記用意した金型の型面の少なくとも一部に、前記微細凹凸面に対応する形状の微細凹凸面形成用型面を形成すること;及び
前記微細凹凸面形成用型面が形成された前記金型内に所定の射出成形用樹脂材料を供給して射出成形を行うこと;
を包含する。
ここで、前記微細凹凸面形成用型面の形成は、以下のプロセス:
(a)前記微細凹凸面に対応する微細な凹凸パターンであって、凹凸の高低差が5.0μm以下(典型的には0.1μm以上5.0μm以下)であり、且つ規則的な凹凸のピッチが1mm以上(典型的には1mm以上10mm以下)となる凹凸パターンを形成するプロセス;
(b)前記凹凸パターンが形成された型面を砥石若しくは研磨布紙によって研磨するプロセス;及び、
(c)前記(b)の後、更に砥粒を含む液状若しくはペースト状研磨剤を前記凹凸パターンが形成された型面に塗布して手動で研磨するプロセス;
を含むことを特徴とする、射出成形品の製造方法である。
かかる製造方法は、ここに開示されるいずれかの射出成形品の製造方法として好ましく採用され得る。
以下、本発明に関連するいくつかの実験例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
厚さ約3mmの板状体に対応する形状のキャビティを有し、上記板状体の一方の表面に対応する型面がそれぞれ異なる表面状態に調整された5種の射出成形用金型No.1〜No.5を用意した。このうち、金型No.2〜No.4は、上述したプロセス(a)〜(c)を適用して微細凹凸面形成用型面(うねり面成形用型面)を形成したものである。金型No.2及びNo.3には、プロセス(a)において、格子形状の凹凸パターンを形成した。上記凹凸パターンの高低差は、No.2よりもNo.3のほうが小さくなるようにした。また、金型No.4には、プロセス(a)において、水玉形状(図3参照)であってその高低差がNo.2とNo.3との間にある凹凸パターンを形成した。金型No.1は、一般的な射出成形用金型の型面を鏡面加工することにより用意した。金型No.5は、一般的な射出成形用金型の型面に従来のシボ加工を施すことにより用意した。
ポリマー材料として熱可塑性樹脂であるアクリル樹脂を含み、更に耐衝撃性、耐熱性、耐候性、成形性、色調等の種々の特性を調整するための添加剤としてアクリルゴム、安定剤、耐光剤、顔料、染料等を適宜含有する射出成形用樹脂材料を用意した。この射出成形用樹脂材料を上記金型No.1〜No.5のキャビティにそれぞれ充填して冷却固化することによって、射出成形品サンプル1〜5を成形した。射出成形条件は、上記一方の表面を試験者が目視で観察した場合にヒケが認められない射出成形品が得られるように調整した。その結果、金型No.1を用いたサンプル1では、上記一方の表面においてヒケが視認されない射出成形品を得るためには、金型No.2〜4を用いたサンプル2〜4に比べて成形サイクルを長くする必要があった。すなわち、サンプル1の生産性はサンプル2〜4に比べて低かった。
得られた各射出成形品サンプル(厚さ約3mmの板状体)の上記一方の表面について、東京精密株式会社製の表面粗さ計、商品名「SURFCOM(登録商標) 1400D」を用い、先端の径が800μmの触針を使用して、うねり面の高低差H及び凹凸のピッチを測定した。また、上記表面粗さ計を用い、先端の径が5μmの触針を使用して、JIS B0601:2001に準じて上記一方の表面の算術平均粗さ(Ra)を測定した。解析ソフトとしては、TIMS(TOKYO SEIMITSU Integrated Measuring System)を使用した。更に、スガ試験機株式会社製の光沢計、商品名「デジタル変角光沢計 UGV−6P」を使用して、JIS Z8741に基づく入反射角60°の鏡面光沢度Gs(60°)を測定した。
また、各射出成形品サンプルの上記一方の表面を試験者が目視により観察し、その質感(高級感)を評価した。具体的には、サンプル5の質感を標準として、これとサンプル1〜4の質感とを比較した。
以上の測定及び評価の結果を表1に示す。
Figure 0005613725
表1に示されるように、上記一方の表面(うねり面)の高低差Hが0.1μm以上3.0μm以下であり、ピッチが1mm以上10mm以下であり、かつ鏡面光沢度が80%以上であるサンプル2〜4の射出成形品は、いずれも、サンプル5の射出成形品(標準品)に比べて明らかに質感に優れていた。サンプル1〜4のうねり面において高い光沢度および高い質感が得られたことには、これらのサンプルの算術平均粗さ(Ra)がいずれも0.50以下であり、サンプル5に比べて明らかに低いことが寄与しているものと考えられる。また、これらサンプル2〜4の射出成形品は、サンプル5と概ね同程度の長さの成形サイクルにより製造可能であり、サンプル1に比べて生産性に優れていた。
以上、いくつかの実施形態により本発明を図面を参照しつつ具体的に説明したが、これらは例示にすぎず、本願発明を図示したものに限定することを意図したものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
ここに開示される射出成形品は、高い光沢を伴う良好な質感を有することから、自動車その他の車両、家電製品、電気機器、OA機器、家具、建材等の各種分野において好ましく利用され得る。特に、車両の外装品等のように高級感が求められる用途に好ましく適用され得る。例えば、ピラーガーニッシュ、サイドガーニッシュ、ホイールアーチプロテクタ、ドアロアモール、ロッカーモール、給油リッド等のように、車両外側の塗装面(外装塗膜)に隣接又は近接して配置される部品又はその一部として好適である。
1 自動車
2 フロントドアパネル
2A パネル本体
2B 上縁部
3 ルーフ
4 リアドアパネル
4A パネル本体
4B 上縁部
5A,5B 窓板
6 ミラーベース
7 ドアミラー
10A,10B 窓枠
12A,12B 縦枠部
14A,14B 上枠部
50A,50B ピラーガーニッシュ
60 射出成形品
60A 表面
62 凸部
63 凹部
65 微細な凹凸
70 射出成形用金型(射出成形型)
70A うねり面成形部
72 凸部

Claims (8)

  1. 少なくとも表面の一部に規則的な凹凸から成り、かつ緩やかな曲面から成るうねり面が形成された射出成形品であって、
    前記うねり面は、以下の条件:
    (1)高低差が0.1μm以上3.0μm以下であること;
    (2)規則的な凹凸のピッチが1mm以上10mm以下であること;及び、
    (3)JIS Z8741に基づく入反射角60°の鏡面光沢度が80%以上であること;
    をいずれも具備することを特徴とする、射出成形品。
  2. 前記うねり面を形成する凹凸の表面における算術平均粗さ(Ra)が0.02μm以上0.50μm以下の範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載の射出成形品。
  3. 前記うねり面の高低差が0.2μm以上2.0μm以下の範囲内にあることを特徴とする、請求項1又は2に記載の射出成形品。
  4. 前記うねり面の高低差が0.3μm以上1.5μm以下の範囲内にあることを特徴とする、請求項3に記載の射出成形品。
  5. 前記うねり面の規則的な凹凸のピッチが2mm以上4mm未満の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出成形品。
  6. 前記うねり面の規則的な凹凸のピッチが4mm以上8mm未満の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出成形品。
  7. 前記光沢度が85%以上95%以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の射出成形品。
  8. 少なくとも前記うねり面を包含する部分がアクリル樹脂、ABS樹脂、AES樹脂又は塩化ビニル樹脂から形成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の射出成形品。
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