JP5613542B2 - エアバッグ - Google Patents
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Description
そのようなエアバッグの普及によって、非常に多くの作動事例(衝突事例)において、有用性が確認されているところであるが、また、より一層好ましい保護を提供するための改良についても、種々の試みがなされている。
本発明に係る従来技術としては、インフレータから袋状のバッグ本体内に供給されるガスにより膨張展開されるエアバッグであって、前記バッグ本体の展開状態に応じて前記バッグ本体の内外におけるガスの流通状態が変化される可変ベントホールと、その可変ベントホールにおけるガスの流通状態を変更する流通状態変更手段とを備え、前記バッグ本体は、段階的に複数の方向に向かって展開されるものであり、前記流通状態変更手段は、前記バッグ本体の膨張展開初期における初期展開方向への初期展開段階では、その可変ベントホールを介する前記バッグ本体の内外におけるガスの流通を許容する許容状態にあり、前記初期展開段階以降で前記初期展開方向とは異なる展開方向への後続展開段階では、前記バッグ本体の展開状態に応じて前記許容状態と、その可変ベントホールを介する前記バッグ本体の内外におけるガスの流通を抑制する抑制状態とを選択的に設定することを特徴とするエアバッグ。(例えば、特許文献1参照)が存在している。
しかし、直線的な基布バルブでは、エアバッグの最大膨張展開時に基布バルブの折れや歪みにより基布バルブが細くなってしまい、排気穴がうまく閉じなく、好適なエアバッグ展開を行えない場合が生じる可能性がある。
そのため、好ましい折り畳み方法や基布バルブの動きを円滑にするための手段を工夫するなど、エアバッグの研究開発や製造の段階において煩雑であり、コストアップの問題を孕んでいる。
そこで、本発明は、上記の課題である好適なエアバッグ展開を安定的かつ容易にさせることができるエアバッグを提供することを目的としている。
折り畳まれ、インフレータから供給される膨張用ガスにより展開するエアバッグを備えるエアバッグ装置において、前記エアバッグは、排気穴と、排気穴の開閉を行う基布バルブである引っ張り部材を有し、引っ張り部材は、排気穴を中心とした時の乗員側エアバッグ部分に取り付けられる第1取付部と、排気穴を中心とした時の車体側エアバッグ部分、または車体に取り付けられる第2取付部と、排気穴に重層可能に配置された閉止部を有し、乗員側エアバッグ部分と車体側エアバッグ部分との相対的離隔により基布バルブである引っ張り部材が引き動かされて、排気穴に閉止部が少なくとも部分的に重なるか、退避位置に移動するように構成され、第2取付部を複数の取付片より構成し、車体側の複数の取り付け点で取り付けられ、基布バルブである引っ張り部材の複数の取付片の膨張前の原形における寸法に対して、最大膨張展開時の前記複数の取り付け点の間の空間的な距離が大となる構成である。
請求項1に記載の発明に加えて、前記第1取付部、第2取付部を各複数の取付片により構成するエアバッグである。
(1)本発明のエアバッグは、乗員に好適なエアバッグ膨張展開をするために、余分なガスを排出するための排気穴の開閉開を行う構造であり、基布バルブである引っ張り部材を第1取付部と第2取付部とで構成することにより、排気穴のテンションを一定部位に集中させることができ、排気穴からのガスの流出を抑制することができ、好適なエアバッグ展開を安定して行うことができる。
(2)引っ張り保護部材を設けることにより、エアバッグ展開時に引っ張り部材が浮いてしまうのを防止し、よりガスの流出を好適なエアバッグ展開をするように抑制することができる。
(3)エアバッグ製造時における基布裁断時に直線的に切断させることにより引っ張り部材を構成することができるので、歩留まりがよくなる。
(4)引っ張り部材の第1取付部、第2取付部を多股(例えば第2取付部を2股)にしてエアバッグ内に取り付けるため、通常エアバッグ内に設けられているエアバッグの過膨張を防ぐための吊り紐を避けて、引っ張り部材の2股部を取り付けることができる。
図1は本発明のエアバッグの構成を示す概略斜視図であり、本発明のエアバッグは、エアバッグの反乗員側メインパネル1の膨張体内には、エアバッグ内のガスを外部に排気させるための排気穴3を設けてあり、反乗員側メインパネル1には引っ張り部材4の直線的な部分である第1取付部6が縫製され、引っ張り部材4のもう一方の端部である第2取付部7を2股形状にして反乗員側メインパネル1から乗員側メインパネル2にかけて縫製されて構成されている。
図2は、基布切断後の引っ張り部材4を示すものであり、本発明で使用する引っ張り部材4は直線状の基布の第2取付部7を直線的に切断することで、2股形状に成形することができるため、従来技術の直線状に形成された引っ張り部材4´より優れた効果を奏するにも関わらず、従来と同様のコストで作成することができ、歩留まりも良くなるものである。
図3は、本発明のエアバッグにおける引っ張り部材4の効果を示したものであり、本発明の引っ張り部材4には直線的な部位である第1取付部6と2股に分かれている部位である第2取付部7があり、それぞれがエアバッグ展開時に引っ張られると、引っ張り部材4のエアバッグ内のガスを外部に排気させるための排気穴3と重なる部分にテンションが集中し、エアバッグからガスが抜けるのを抑制し、乗員に対して好適なエアバッグ展開を提供することができるものである。
この引っ張り保護部材5は、引っ張り部材4のスムーズなスライドを助ける役目をなすと共に、エアバッグ展開時の引っ張り部材4の浮き上がりを防ぐ効果も有しているものである。
図6(a)はエアバッグ展開直後の状態を示したものであり、エアバッグは展開途中であり、引っ張り部材4の2股部である第2取付部7が開いていることにより、反乗員側メインパネル1の排気穴3と引っ張り部材4とが重なっていないため、排気穴3は開いた状態にある。
図6(b)は、エアバッグが最大膨張展開をした状態を示したものであり、引っ張り部材4が引っ張られ、2股部ではない直線的な部分が排気穴3を重なり合い、排気穴3を閉じた状態を示す。
図6(c)は、乗員がエアバッグに接触し、乗員がエアバッグを押圧し、引っ張り部材4が排気穴3と重なっていた状態が乗員のエアバッグの押圧による移動により、引っ張り部材4が排気穴3からエアバッグ外部へ押し出されるため、排気穴3が開いた状態を示すものである。
つまり、衝撃が加わり、エアバッグ展開が始まった直後からエアバッグ展開終了時までの排気穴3の変化は開閉開の順で行われ、乗員がエアバッグに接触する時に、エアバッグの内圧を最大にし、乗員がエアバッグ側に移動してしまうのを支えて衝撃を吸収し、その後は、乗員に対して、エアバッグ展開の反力を少なくするように、エアバッグ内の内圧を下げ、乗員に対して好適なエアバッグの展開を提供するものである。
図7は、引っ張り部材4の他の実施例を示したもので、第2取付部7に設けた2股部を乗員側メインパネル2側だけでなく、反乗員側メインパネル側である第1取付部6にも設けたもので、4方向からのテンションの集中によりより限定した場所に力を集中することができるものである。
なお、図面では示していないが、第1取付部6、第2取付部7は、2股だけでなく多股の引っ張り部材4を採用することができる。
2・・・・乗員側メインパネル
3・・・・排気穴
4・・・・引っ張り部材
4´・・・・従来の引っ張り部材
5・・・・引っ張り保護部材
6・・・・第1取付部
7・・・・第2取付部
Claims (2)
- 折り畳まれ、インフレータから供給される膨張用ガスにより展開するエアバッグを備えるエアバッグ装置において、前記エアバッグは、排気穴と、排気穴の開閉を行う基布バルブである引っ張り部材を有し、引っ張り部材は、排気穴を中心とした時の乗員側エアバッグ部分に取り付けられる第1取付部と、排気穴を中心とした時の車体側エアバッグ部分、または車体に取り付けられる第2取付部と、排気穴に重層可能に配置された閉止部を有し、乗員側エアバッグ部分と車体側エアバッグ部分との相対的離隔により基布バルブである引っ張り部材が引き動かされて、排気穴に閉止部が少なくとも部分的に重なるか、退避位置に移動するように構成され、第2取付部を複数の取付片より構成し、車体側の複数の取り付け点で取り付けられ、基布バルブである引っ張り部材の複数の取付片の膨張前の原形における寸法に対して、最大膨張展開時の前記複数の取り付け点の間の空間的な距離が大となることを特徴とするエアバッグ。
- 前記第1取付部、第2取付部を各複数の取付片により構成することを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
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