現在、電子機器の入力装置として、タッチパネルやタッチパッドなどが広く採用されている。そのような入力装置において、操作者がタッチパネルやタッチパッドなどを操作した際に、タッチパネルやタッチパッドを湾曲振動させることにより、操作者の指先などに操作感をフィードバックするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載の電子機器を分解した外観斜視図である。図7に示すように、特許文献1に記載の電子機器(ディスプレイ装置)は、ディスプレイモニタ100、パネル固定用フレーム210、タッチパネル400、およびカバー500を備えている。この電子機器は、タッチパネル400等の各部品が、上記ディスプレイモニタ100に対して組付けられることにより構成されている。
特許文献1に記載の電子機器において、ディスプレイモニタ100は、液晶ディスプレイ(LCD)からなり、全体が矩形かつ扁平な形状を有している。ディスプレイモニタ100は、図示しない制御装置による制御に従って、例えばキーやボタン等のオブジェクトまたは各種の情報などを、その表示面に表示する。このディスプレイモニタ100の表示面上には、当該モニタ100とほぼ同じ大きさのタッチパネル400が位置するように組付けられる。
タッチパネル400は、例えば透明な樹脂板にマトリクス状のスイッチ回路が形成され、パネル表面が操作者の指先などにより接触されると、その接触位置に応じた検出信号を前記制御装置に出力するように構成されている。つまり、操作者は、タッチパネル400を通して映し出されるディスプレイモニタ100の表示に従って当該パネル400に対して操作を行うことにより、前記電子機器に対して当該表示に応じた各種情報を入力することができる。
この電子機器においては、図7に示すように、タッチパネル400の裏面側の上辺(図の奥側)および下辺(図の手前側)に沿って、一対の圧電素子(ピエゾ素子)420が貼り付けられている。タッチパネル400が操作者による接触を検出すると、この電子機器は、前記制御装置から圧電素子420に駆動信号(電圧)を付与する。この駆動信号を受信すると、圧電素子420は伸縮してタッチパネル400を変形(湾曲)させるため、この電子機器は、タッチパネル400の操作面に対して振動を発生させることができる。すなわち、上記操作に伴って、タッチパネル400が振動することにより、操作者は操作感を得ることができるようになっている。
なお、この電子機器において、タッチパネル400は、パネル固定用フレーム210を介して前記ディスプレイモニタ100に組付けられている。パネル固定用フレーム210は、ABS等の硬質の樹脂材料から形成されることにより全体が剛性を有した構成となっている。
図7に示すように、パネル固定用フレーム210には、前記タッチパネル400をその四隅において保持するホルダ220が組付けられる。図8は、4つのホルダ220のうち1つが、タッチパネル400の隅に取り付けられる様子を示す拡大図である。各ホルダ220には、タッチパネル400の角部を差込み可能なスリット状の差込み部360がそれぞれ形成されている。また、図7に示すように、パネル固定用フレーム210の周囲側面には、各側面それぞれの端部付近に、ホルダ220を固定するための固定孔320が設けられている。そして、図8に示すホルダ220に形成されたフック340aが、図7に示す各固定孔320に差し込まれることにより、各ホルダ220は、タッチパネル400をパネル固定用フレーム210に固定する。
このように、各ホルダ220にタッチパネル400の四隅がそれぞれ差込まれると、各ホルダ220は、タッチパネル400を四隅で外側から拘束するとともに、厚み方向の両側からも拘束した状態で保持する。したがって、特許文献1に記載の電子機器は、タッチパネル400が固定されるように配置することができる。
また、ホルダ220は、それぞれ、パネル固定用フレーム210よりも弾性係数の小さい材料から形成されており、例えばシリコーン系の樹脂またはゴムにより一体成型されている。このように、ホルダ220は、タッチパネル400を安定的に保持する一方で、タッチパネル400が振動できるように弾性変形可能に構成されている。なお、タッチパネル400とディスプレイモニタ100との間には、タッチパネル400の厚み方向の変位を可能とする隙間が確保される。このため、圧電素子420が振動する際に、当該振動に伴うタッチパネル400の厚み方向の変位が可能となっている。
したがって、特許文献1に記載の電子機器は、タッチパネル400を振動させる際に、その振動を大きく妨げることがないようになっているため、タッチパネル400の振動による操作感を良好に確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の実施の形態に係る電子機器の概略構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の外観を示す斜視図である。図1に示すように、電子機器1は、外観上、ベゼル10aと、上部筐体10bと、下部筐体10cと、タッチパネル20と、弁30と、を備えている。
ベゼル10aと上部筐体10bと下部筐体10cとは、三者が一体に組み合わさることにより、筐体10を構成する。なお、本明細書においては、ベゼル10aと上部筐体10bとが「支持部材」を構成する。ベゼル10aと上部筐体10bとは、側面に設けられた通気孔11を除いた部分において接着剤等で接着されている。また、上部筐体10bと下部筐体10cとの間は、これらが一体に組み合わされた状態においては、例えばゴム製のパッキンを介した密閉構造にする等して、適当な防水および防塵の措置がなされているものとする。上部筐体10bおよび下部筐体10cは、例えば樹脂製のケースなどとして、ある程度の衝撃に耐えうる素材により構成するのが好適である。なお、以下の説明においては、上部筐体10bと下部筐体10cとの組み合わせ構造については、詳細な説明を省略する。
タッチパネル20は、通常は表示部(図示せず)の前面に配置して、表示部に表示したオブジェクトに対する操作者の指やスタイラスペン等(以下、単に「接触物」と総称する)による接触を、対応するタッチパネル20のタッチ面において検出する。したがって、本実施の形態において、「タッチパネル」とは、例えばLCD等とすることができる表示部の前面に配置する、すなわち当該表示部とは別に設けられる部材を想定して説明する。また、タッチパネル20は、タッチ面に対する接触物の接触の位置を検出し、当該検出した接触の位置を制御部(図示せず)に通知する。
このタッチパネル20は、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知の方式のもので構成されたタッチパネルを用いることができる。なお、タッチパネル20が接触物による接触を検出する上で、接触物がタッチパネル20に物理的に触れることは必須ではない。例えば、タッチパネル20が光学式である場合は、タッチパネル20は当該タッチパネル20上の赤外線が接触物で遮られた位置を検出するため、接触物がタッチパネル20に触れることは不要である。
上述した表示部は、例えばキーのような押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)等のオブジェクトを画像で表示する。このオブジェクトは、タッチパネル20のタッチ面上において接触すべき領域を操作者に示唆する画像である。また、押しボタンスイッチとは、操作者が入力の操作に用いるボタンやキー等(以下、単に「キー等」と総称する)である。この表示部は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成する。すなわち、図1に示すタッチパネル20の裏側には、図示しないが、LCDなどの表示部を配置することができる。しかしながら、本明細書においては、表示関連の事項については、詳細な説明を省略する。
ベゼル10aは、上部筐体10bに例えば接着剤を介して接着されている。また、ベゼル10aは、タッチパネル20の縁辺部分を覆い、タッチパネル20を外部から視認可能な開口部を有する額縁状である。ベゼル10aの開口部はタッチパネル20の外形より小さいため、タッチパネル20が電子機器1から脱落することはない。ベゼル10aは、例えば金属製、樹脂製とすることができる。
弁30は、ベゼル10aの開口部のX方向の縁辺部分にわたって配置されている。弁30は、長手方向の一辺が、ベゼル10aの裏側に、接着テープ等により接続され、長手方向の他辺が、タッチパネル20に接触している。弁30は、タッチパネル20の振動を妨げないように、タッチパネル20に応動する。弁30は、例えば金属製、樹脂製とすることができる。
図2は、図1に示した電子機器1において、上部筐体10bからベゼル10aを取り外した状態を示す分解斜視図である。なお、以下の説明においては、下部筐体10cは取り外した状態の電子機器1について説明する。
図2に示すように、ベゼル10aと上部筐体10bとの接合部分に設けられた通気孔11(直径1mm〜10mm程度)の電子機器1内部に、通気孔11を覆う大きさを有する防塵フィルタ40が配置されている。防塵フィルタ40は空気を透過するが、塵を透過しない目開きを有する。防塵フィルタ40は、例えば金属製、樹脂製とすることができる。
上部筐体10bの内部にタッチパネル20が嵌め込まれている。このタッチパネル20のY方向の縁辺部分にわたって、タッチパネル20上に封止部材50が配置されている。封止部材50は、シリコーンゴムなどの弾性材料製であり、例えばJIS−A硬度40〜60度程度とするのが好適である。
図3は、図2に示した上部筐体10bからタッチパネル20、防塵フィルタ40および封止部材50を取り外した状態を示す分解斜視図である。上部筐体10bには、Y方向の側面に、内部に突出する支持部12が形成され、この支持部12によってタッチパネル20が支持されている。
タッチパネル20の裏面には、そのX方向の縁辺付近に、振動部60が接着されている。振動部60は、タッチパネル20の裏面に例えば両面テープまたは接着剤などにより接着されている。この振動部60は、例えば圧電素子で構成し、タッチパネル20を振動させる。また、このように振動部60がタッチパネル20に接着された圧電素子とする場合、弁30は、圧電素子の長手方向(伸縮方向)と略平行な方向に配置されているようにするとともに、封止部材50は、圧電素子の長手方向(伸縮方向)と略直交する方向に配置されているようにする。
圧電素子は、電圧を印加すると、その長手方向に伸縮するため、タッチパネル20は、圧電素子の長手方向に平行な方向に湾曲することになる。それゆえ、封止部材50を、圧電素子の長手方向に平行な方向に配置すると、封止部材50は弾性体であるため、多少の動きは許容するものの、タッチパネル20の湾曲を制限してしまう。そこで、弁30を、圧電素子の長手方向に平行な方向に配置すると、弁30はタッチパネル20の湾曲に応じて動くので、タッチパネル20の湾曲を制限せず、タッチパネル20の振動を減殺することにならない。なお、タッチパネル20は、圧電素子の長手方向に直交する方向には湾曲しないので、この方向に封止部材50を配置することにより、タッチパネル20の湾曲を制限せずに、防塵機能を果たすことができる。
この振動部60は、所定の振動パターンによる振動を発生させることにより、タッチ面に接触している接触物に対して触感を呈示する。本実施の形態において、振動部60は、例えば図示しない制御部から供給される駆動信号に基づいて振動を発生する。
次に、本発明の実施の形態に係る電子機器の内部構成の詳細について、図4〜図6を用いて説明する。なお、図4〜図6では、電子機器1の上部筐体10b以上の部分の端面を示している(すなわち下部筐体10cは図示を省略している)。なお、以下、振動部60は、圧電素子で構成されたものとして説明する。
図4は、図1のA−A線に沿った電子機器1の端面を示す図である。図4(a)は、タッチパネル20が振動していない状態を示す図である。上部筐体10bのY方向に平行な側面には、電子機器1の内部に突出する支持部12が形成され、この支持部12によってタッチパネル20が支持されている。タッチパネル20の辺縁部分には、タッチパネル20とベゼル10aとの間に封止部材50が配置されている。封止部材50は、図中上側がベゼル10aと密着され、図中下側がタッチパネル20と密着されることにより、防塵機能を発揮している。
図4(b)、(c)は、タッチパネル20が振動して湾曲している状態を示す図である。すなわち、タッチパネル20は、図4(b)に示す上側の湾曲と図4(c)に示す下側の湾曲とを繰り返すことにより振動する。上述したとおり、圧電素子は、その長手方向に伸縮するため、タッチパネル20は、圧電素子の長手方向に平行な方向に湾曲することになる。それゆえ、封止部材50が配置されている方向のタッチパネル20の縁辺部分はわずかにしか変位せず、タッチパネル20の中央部分が大きく変位する。封止部材50は、上述したように弾性材料製であるため、タッチパネル20のわずかな変位に応じて圧縮変形するので、タッチパネル20の振動を妨げることはない。
図5は、図1のB−B線に沿った電子機器1の端面を示す図である。図5(a)は、タッチパネル20が振動していない状態を示す図である。上部筐体10bとベゼル10aとの間に通気孔11が設けられ、この通気孔11を覆うように電子機器1の内部に防塵フィルタ40が設けられている。弁30は、その一端(一辺)が、例えば接着テープ31を介してベゼル10aに接続されている。接着テープ31は、弁30の動きを妨げないため、軟らかい材料製である必要がある。また、弁30は、その他端(他辺)が、タッチパネル20に接触している。
図5(b)は、タッチパネル20が振動して上側に湾曲している状態を示す図である。タッチパネル20は、圧電素子の長手方向に平行な方向に湾曲し、タッチパネル20のX方向の中央部分は、電子機器1の内部で上方に変位する。すると、弁30は、タッチパネル20に対する傾斜角度を小さくしながら、タッチパネル20への接触を維持する。すなわち、弁30の先端は、タッチパネル20の表面に対して摺動する。弁30は、タッチパネル20の動きを妨げることなく、タッチパネル20に応動するように、摩擦係数の小さい材料製である必要がある。なお、弁30をベゼル10aに接続する機構は、接着テープ31に限定されることはなく、任意のものとすることができる。但し、当該接続機構は、弁30の角度を保つようにする必要がある。
図5(c)は、通気孔11および防塵フィルタ40を介して電子機器1内部に流入した空気(図中矢印で示す)が、弁30が開弁することにより電子機器1外部に流出している状態を示す図である。なお、電子機器1内部に流入した空気は、防塵フィルタ40を通過することにより、塵が除去されている。タッチパネル20が振動していないときでも、通気孔11および防塵フィルタ40を介して電子機器1内部に空気が流入すると、風圧によって弁30が開弁して、弁30とタッチパネル20との間の間隙から空気が流出する。弁30は、風圧によって開弁可能となるように、軽量な材料製である必要がある。
また、通気孔11および防塵フィルタ40を介して電子機器1内部に流入した空気が、タッチパネル20より下方に流入せず、弁30を介して電子機器1外部に流出するように、通気孔11および防塵フィルタ40は、タッチパネル20のタッチ面の水平位置よりも高い位置に設けられていることが好適である。通気孔11および防塵フィルタ40は、弁30に近い位置に設けるほど好適であり、本実施の形態のように、ベゼル10aと上部筐体10bとの間である側面ではなく、ベゼル10aの上面(タッチパネル20のタッチ面と平行な面)に設けることもできる。また、通気孔11の形状、大きさおよび数等は、電子機器1の大きさに応じて適宜変更することができる。さらにまた、防塵フィルタ40は、通気孔11内部に設けてもよい。
本実施の形態では、弁30を設けてタッチパネル20に応動させることにより、タッチパネル20の振動の減衰を最小限に抑制し、また、通気孔11、防塵フィルタ40を設けて弁30を開くことにより、防塵機能を発揮している。また、電子機器1の内部を密封していないので、タッチパネル20の振動により電子機器1の内圧が変化して電子機器1内部の種々の電子部品などの動作に影響を与えることはない。
弁30は、上述した実施の形態に限定されず、様々な形態を有することができる。図1のB−B線に沿った電子機器の端面図に対応する図6を参照して、その他の実施の形態に係る弁30を説明する。図6(a)は、タッチパネル20が振動していない状態を示す図である。弁30は、その一端(一辺)が、例えば接着テープ31を介してベゼル10aに接続され、他端(他辺)が、屈曲しながらタッチパネル20に接触している。
図6(b)は、タッチパネル20が振動して上側に湾曲している状態を示す図である。タッチパネル20のX方向の中央部分は、電子機器1の内部で上方に変位する。すると、弁30は、変形して、タッチパネル20との接触面積を増加させる。なお、このとき、タッチパネル20のX方向の辺縁部分では、タッチパネル20は変位しないので、弁30は図6(a)の状態のまま、タッチパネル20に接触している。本実施の形態では、弁30は、シリコーンゴムなどの弾性材料製であり、弁30自体が変形して、タッチパネル20の湾曲に応動するので、弁30とタッチパネル20との間に間隙が生じない。それゆえ、本実施の形態では、タッチパネル20の振動の減衰を最小限に抑制するとともに、より高い防塵効果を発揮することができる。
本明細書においては、ベゼル10aと上部筐体10bとからなる支持部材は、ディスプレイなどの表示部や基板などを含まないものとして説明した。しかしながら、本発明において、「支持部材」はベゼル10aと上部筐体10bとからなるものに限定されず、例えば、下部筐体10c、上述した表示部の保持部材や各種の基板など、種々の部材を含めたものとすることもできる。例えば、タッチパネル20が、ポリマーシートなどの弾性部材を介して支持部材に配置されるような構成においては、当該支持部材は、表示部や基板などを含めたものとして構成するのが好適である。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上述した実施の形態では、ベゼル10aと上部筐体10bとを別体として構成したが、一体成型した部材として構成することもできる。また、弁30は、外部から視認できないように、ベゼル10aの裏側の奥(防塵フィルタ40に近い位置)に接続されていてもよく、また、ベゼル10aの開口端に接続されていてもよい。
本発明は、タッチパネル20および弁30を中心に特徴を有するものであり、その他の構成要素については、本明細書において説明した以外にも、種々の構成を採用することができる。例えば、上述した各実施の形態では、上部筐体10bおよび下部筐体10cは、電子機器の本体を構成する筐体を想定して説明した。しかしながら、本発明の筐体は上述した部材に限定されるものではなく、種々の部材とすることができる。例えば、タッチパネル20を支持する部材として、筐体をLCDや各種基板などとすることもできる。
また、上述した各実施の形態においては、タッチパネル20の裏側に配置した表示部(図示せず)にオブジェクトを表示してタッチパネル20が操作者の接触を検出する態様について説明した。しかしながら、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば表示部30を有さずに、タッチパネル20のタッチ面上にオブジェクトがインクなどにより直接印刷されているような態様を想定することもできる。
また、上記実施の形態では、タッチパネル20を用いて、当該タッチパネル20のタッチ面に対する接触を検出した。しかしながら、タッチパネル20に対する押圧の荷重を検出して、所定の押圧荷重の基準が満たされた場合に、タッチパネル20に対する接触がなされたものと判定することもできる。このような荷重の検出を行う場合、任意の個数の歪みゲージセンサ等をタッチパネル20に設けて、押圧によるタッチパネル20の歪みを検出することにより、当該歪みからタッチパネル20対する押圧の荷重を算出するなどの構成を想定することができる。
このような荷重の検出は、タッチパネル20における接触検出方式に応じて各種の構成を想定することができる。例えば、抵抗膜方式の場合には、接触面積による抵抗変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出できれば、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。あるいは、静電容量方式の場合には、静電容量の変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出できる場合も、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。
また、振動部60は、任意の個数の圧電振動子を用いて構成したり、タッチパネル20の全面に透明圧電素子を設けて構成したり、偏心モータを駆動信号の1周期で1回転させるようにして構成したり、することもできる。さらに、荷重検出部および振動部60は、圧電素子を用いて構成する場合は、圧電素子を共用して荷重検出部兼振動部を構成することもできる。圧電素子は、圧力が加わると電力を発生し、電力が加えられると変形するためである。
また、上述したように、振動部60は、荷重検出部も兼ねる圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が所定の基準を満たした際に、当該圧電素子を駆動することにより振動を発生するようにもできる。ここで、圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際とは、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値に達した際であってもよいし、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値を超えた際でもよいし、圧電素子の出力に基づいて触感を呈示する基準値が検出された際でもよい。
上述した実施の形態においては、タッチパネル20を表示部の上面に重ねて配置した構成を想定して説明した。本発明による電子機器は、このような構成にすることは必須ではなく、タッチパネル20と表示部とを離間した構成にすることもできる。しかしながら、タッチパネル20を表示部の上面に重ねて配置した構成とする方が、表示される画像と発生する振動との対応関係を、操作者に容易に認識させることができる。
また、本実施の形態の説明における表示部およびタッチパネル20は、表示部と接触検出部との両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されるようにしてもよい。このように表示部と接触検出部との両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものを挙げることができる。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することによって、タッチ位置を検出することができる。
なお、振動部60は、振動モータ(偏心モータ)などに基づいて電子機器を振動させることにより、タッチパネル20を間接的に振動させるように構成してもよいし、タッチパネル20に圧電素子を配設することにより、タッチパネル20を直接的に振動させるように構成してもよい。