JP5606954B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に関するものである。より詳細には、本発明は、タッチパネルに対する操作入力を検出して、操作感をフィードバックする電子機器に関するものである。
現在、電子機器の入力装置として、タッチパネルやタッチパッドなどが広く採用されている。そのような入力装置において、操作者がタッチパネルやタッチパッドなどを操作した際に、タッチパネルやタッチパッドを湾曲振動させることにより、操作者の指先などに操作感をフィードバックするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に記載の電子機器を分解した外観斜視図である。図8に示すように、特許文献1に記載の電子機器(ディスプレイ装置)は、ディスプレイモニタ100、パネル固定用フレーム210、タッチパネル400、およびカバー500を備えている。この電子機器は、タッチパネル400等の各部品が、上記ディスプレイモニタ100に対して組付けられることにより構成されている。
特許文献1に記載の電子機器において、ディスプレイモニタ100は、液晶ディスプレイ(LCD)からなり、全体が矩形かつ扁平な形状を有している。ディスプレイモニタ100は、図示しない制御装置による制御に従って、例えばキーやボタン等のオブジェクトまたは各種の情報などを、その表示面に表示する。このディスプレイモニタ100の表示面上には、当該モニタ100とほぼ同じ大きさのタッチパネル400が位置するように組付けられる。
タッチパネル400は、例えば透明な樹脂板にマトリクス状のスイッチ回路が形成され、パネル表面が操作者の指先などにより接触されると、その接触位置に応じた検出信号を前記制御装置に出力するように構成されている。つまり、操作者は、タッチパネル400を通して映し出されるディスプレイモニタ100の表示に従って当該パネル400に対して操作を行うことにより、前記電子機器に対して当該表示に応じた各種情報を入力することができる。
この電子機器においては、図8に示すように、タッチパネル400の裏面側の上辺(図の奥側)および下辺(図の手前側)に沿って、一対の圧電素子(ピエゾ素子)420が貼り付けられている。タッチパネル400が操作者による接触を検出すると、この電子機器は、前記制御装置から圧電素子420に駆動信号(電圧)を付与する。この駆動信号を受信すると、圧電素子420は伸縮してタッチパネル400を変形(湾曲)させるため、この電子機器は、タッチパネル400の操作面に対して振動を発生させることができる。すなわち、上記操作に伴って、タッチパネル400が振動することにより、操作者は操作感を得ることができるようになっている。
なお、この電子機器において、タッチパネル400は、パネル固定用フレーム210を介して前記ディスプレイモニタ100に組付けられている。パネル固定用フレーム210は、ABS等の硬質の樹脂材料から形成されることにより全体が剛性を有した構成となっている。
図8に示すように、パネル固定用フレーム210には、前記タッチパネル400をその四隅において保持するホルダ220が組付けられる。図9は、4つのホルダ220のうち1つが、タッチパネル400の隅に取り付けられる様子を示す拡大図である。各ホルダ220には、タッチパネル400の角部を差込み可能なスリット状の差込み部360がそれぞれ形成されている。また、図8に示すように、パネル固定用フレーム210の周囲側面には、各側面それぞれの端部付近に、ホルダ220を固定するための固定孔320が設けられている。そして、図9に示すホルダ220に形成されたフック340aが、図8に示す各固定孔320に差し込まれることにより、各ホルダ220は、タッチパネル400をパネル固定用フレーム210に固定する。
このように、各ホルダ220にタッチパネル400の四隅がそれぞれ差込まれると、各ホルダ220は、タッチパネル400を四隅で外側から拘束するとともに、厚み方向の両側からも拘束した状態で保持する。したがって、特許文献1に記載の電子機器は、タッチパネル400が固定されるように配置することができる。
また、ホルダ220は、それぞれ、パネル固定用フレーム210よりも弾性係数の小さい材料から形成されており、例えばシリコーン系の樹脂またはゴムにより一体成型されている。このように、ホルダ220は、タッチパネル400を安定的に保持する一方で、タッチパネル400が振動できるように弾性変形可能に構成されている。なお、タッチパネル400とディスプレイモニタ100との間には、タッチパネル400の厚み方向の変位を可能とする隙間が確保される。このため、圧電素子420が振動する際に、当該振動に伴うタッチパネル400の厚み方向の変位が可能となっている。
したがって、特許文献1に記載の電子機器は、タッチパネル400を振動させる際に、その振動を大きく妨げることがないようになっているため、タッチパネル400の振動による操作感を良好に確保することができる。
特開2010−44497号公報
上述したように、特許文献1に記載の電子機器は、タッチパネルの振動による操作感を良好に確保することができるとともに、タッチパネルが固定されるように配置することができる。
ところで、特許文献1に記載の電子機器は、例えば車載用ナビゲーションシステムのディスプレイ装置などを想定しており、電子機器そのものの防塵対策および防水対策は特に施されていない。例えば、図8に示す電子機器を組み立てると、タッチパネル400は、弾性材料のホルダ220の差込み部360に差し込まれた状態で、つまりホルダ220を介して、パネル固定用フレーム210に取り付けられる。これは、タッチパネル400をパネル固定用フレーム210に強固に固定してしまうと、圧電素子420が振動する際に、タッチパネル400が厚み方向に変位せず、タッチパネル400を良好に振動させることができなくなるためである。したがって、タッチパネル400とパネル固定用フレーム210との間には、隙間ができることになり、当該隙間から埃や水分が浸入することが多分に想定される。
そこで、特許文献1に記載の電子機器において、防塵対策として、例えば、タッチパネル400とパネル固定用フレーム210との間に防塵用クッションなどの部材を挿入することも考えられる。しかしながら、このような防塵用クッションは、ある程度圧縮可能な材質を用いたとしても、圧縮後の厚さの分だけタッチパネルが湾曲する物理的なスペースを奪ってしまうことになる。したがって、このような構造においては、タッチパネルが振動する際の振幅を稼ぐことができないという問題が生じる。
また、特許文献1に示されている電子機器に対して防水を施す場合、外部からの埃や水の浸入を防ぐために、例えば、タッチパネル400と当該タッチパネル400の周囲を覆う部材との間を防水テープで固着するという対策が考えられる。例えば図8に示したように、パネル固定用フレーム210を介してタッチパネル400とディスプレイモニタ100とを組み合わせたものに、さらにカバー500を装着する場合、カバー500とタッチパネル400とを防水テープで固着することができる。このようにしてカバー500とタッチパネル400とを防水テープで固着すれば、カバー500とタッチパネル400との隙間を埋めることができるため、外部からの水の浸入を防ぐことができる。
しかしながら、このようにカバー500とタッチパネル400とを防水テープで固着してしまうと、タッチパネル400が振動する際の振幅を稼ぐことができなくなってしまう。このように、タッチパネル装置に防水対策を施すと、同時にタッチパネルを振動させる際の振幅を減殺してしまうという問題がある。
さらに、特許文献1に記載の電子機器において、タッチパネル400をパネル固定用フレーム210に固定しているのは、四隅のホルダ220のみである。また、このホルダ220は、上述したように、シリコーン系の樹脂またはゴムなどの弾性材料製である。このため、この電子機器は、例えば床に落下するなどして外から強い衝撃が加わると、ホルダ220によって固定された部分(例えば差込み部360)が衝撃に耐えきれず、タッチパネル400がホルダ220から外れて剥離してしまうなどの不都合が想定される。
図8に示したように、タッチパネル400を組付けた後さらにカバー500を装着する場合は、タッチパネル400がホルダ220から外れたとしても、タッチパネル400がカバー500を経て脱落することはないようにも思われる。しかしながら、このような構成においても、タッチパネル400がホルダ220から外れると、すなわちタッチパネル400が剥離すると、カバー500内部においてタッチパネル400がずれたり、ぐらついたりするなどの不都合は避けられない。また、上述したように、タッチパネル400の剥離を防止するために、例えばタッチパネル400とカバー500とを頑丈に固定してしまうと、タッチパネル400が湾曲しにくくなるため、タッチパネル400を振動させる際の振幅を減殺してしまうという問題がある。
そこで本発明は、圧電素子等によりタッチパネルを湾曲振動させる電子機器において、防水、防塵対策を施しつつ、振動の減衰をできるだけ抑えることができる電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成する第1の観点に係る電子機器の発明は、
タッチパネルと、
前記タッチパネルを湾曲振動させる振動部と、
前記タッチパネルの操作領域が露出されている開口部を備える支持部材と、を備えた電子機器であって、
前記支持部材は、前記タッチパネルの表面と隙間をおいて延在するとともに前記開口部を備える天壁と、前記タッチパネルの裏面と隙間をおいて延在する底壁と、当該天壁と底壁とを前記タッチパネルを取り囲んで連結する周壁とを有し、
前記周壁のうち、少なくとも、前記湾曲振動の振動面に対して直交する向きに延在する第1の側壁が、前記タッチパネルに対して隙間をおいて配設され、
前記タッチパネルの表面に、当該タッチパネルの外周に沿って設けられて前記天壁との隙間を埋める枠状の上部弾性体が配設されるとともに、当該タッチパネルの裏面に、当該タッチパネルの外周に沿って設けられて前記底壁との隙間を埋める枠状の下部弾性体が配設され、
前記下部弾性体の枠辺のうち、前記湾曲振動の振動面に対して直交する向きに延在する第1の枠辺に、前記タッチパネルを支持する支持部が配設されていることを特徴とするものである。
本発明よれば、圧電素子等によりタッチパネルを湾曲振動させる電子機器において、タッチパネルの振動を極力減衰させることなく、電子機器内への水や埃の入り込みを確実に抑制することができる電子機器が提供される。
本発明の一実施の形態に係る電子機器の全体を示す斜視図である。 図1に示すA−Aに沿う断面図である。 図1に示す電子機器の筐体内に配設される支持部材等を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)に示すB−Bに沿う断面図であり、(c)は(b)の分解断面図である。 図3に示す支持部材内に配設されるタッチパネル等を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)に示すC−Cに沿う断面図である。 図4に示すタッチパネル等を裏面から示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)に示すD−Dに沿う断面図である。 タッチパネルの湾曲振動における振動面を説明する図である。 本発明の他の実施の形態に係る電子機器に関し、図1に示すA−Aに準じた位置での断面図である。 従来の電子機器の構造を説明する図である。 従来の電子機器の構造を説明する他の図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子機器の全体を示す斜視図である。本実施の形態に係る電子機器1は、外観上、上部筐体11と、下部筐体12と、タッチパネル21とを備えている。なお、タッチパネル21については後述する。
上部筐体11及び下部筐体12は、両者が一体に組み合わさることにより、筐体10を構成する。これら上部筐体11と下部筐体12との間は、これらが一体に組み合わされた状態においては、図示は省略するが例えばゴム製のパッキンを介した密閉構造にする等して、適当な防水および防塵の措置がなされている。上部筐体11及び下部筐体12は、例えば樹脂製のケースなどとして、ある程度の衝撃に耐えうる素材により構成するのが好適である。なお、以下の説明においては、上部筐体11と下部筐体12との組み合わせ構造については、詳細な説明を省略する。
図2は、図1に示す電子機器1につき、図1に示すA−Aに沿う断面図である。図2に示すように電子機器1は、筐体10の内部にタッチパネル21を備えていて、操作領域21aが筐体10から露出している。また図2及び図3(a)、(b)に示すようにタッチパネル21は、その表面及び裏面に対して隙間をもたせた支持部材30に取り囲まれるとともに、上部弾性体41と下部弾性体42によって、それらの隙間が封止されている。
本実施の形態においてタッチパネル21は、例えば透明の樹脂材によって形成されている。図4(a)に示す例で、タッチパネル21は長方形状となっているが、正方形状であってもよい。本明細書において「長方形状」、「正方形状」とは、各辺が直線である場合に限らず、円弧である場合も含むものである。
また本実施の形態においては、図4(a)、(b)に示すように、2個の振動部22が、タッチパネル21の短辺側の近傍において、その短辺側の端縁21bに沿う向きにほぼ並行に延在していて、例えば両面テープや接着剤等によってタッチパネル21に固着されている。
この振動部22は、所定の振動パターンによる振動を発生させることにより、タッチパネル21の操作領域21aに接触している接触物に対して触感を呈示する。本実施の形態において、振動部22は、例えば圧電素子であって、例えば図2に例示する回路基板50上の制御部から供給される駆動信号に基づいて、長手方向に伸縮変位する。これにより、タッチパネル21を、図1に矢印で示す向き、すなわち、長辺側よりも短辺側が大きく撓む向きに湾曲振動させることができる。
タッチパネル21は、例えば図2に例示する表示部60の前面に配置して、表示部60に表示したオブジェクトに対する操作者の指やスタイラスペン等(以下、単に「接触物」と総称する)による接触を、対応するタッチパネル21の操作領域において検出する。したがって、本実施の形態において、「タッチパネル」とは、例えばLCD等とすることができる表示部60の前面に配置する、すなわち当該表示部60とは別に設けられる部材を想定して説明する。また、タッチパネル21は、操作領域21aに対する接触物の接触の位置を検出し、当該検出した接触の位置を、例えば上述した回路基板50上の制御部に通知する。
このタッチパネル21は、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知の方式のもので構成されたタッチパネルを用いることができる。なお、タッチパネル21が接触物による接触を検出する上で、接触物がタッチパネル21に物理的に触れることは必須ではない。例えば、タッチパネル21が光学式である場合は、タッチパネル21は当該タッチパネル21上の赤外線が接触物で遮られた位置を検出するため、接触物がタッチパネル21に触れることは不要である。
上述した表示部60は、例えばキーのような押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)等のオブジェクトを画像で表示する。このオブジェクトは、タッチパネル21の操作領域21a上において接触すべき領域を操作者に示唆する画像である。また、押しボタンスイッチとは、操作者が入力の操作に用いるボタンやキー等(以下、単に「キー等」と総称する)である。この表示部60は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成される。なお本明細書においては、表示関連の事項については、詳細な説明を省略する。
本実施の形態において支持部材30は、図3(b)に示すように、上部支持部材31、及び下部支持部材32が、一体に組み合わさったものである。これら上部支持部材31と下部支持部材32との間は、これらが一体に組み合わされた状態においては、例えばゴム製のパッキンを介した密閉構造にする等して、適当な防水および防塵の措置がなされている。図3(b)、(c)に示すように上部支持部材31は、タッチパネル21の表面に対して隙間をおいて延在する天壁31aを備えている。また天壁31aの中央部分には、天壁31aの表裏を貫通させた開口部31bが形成されていて、この開口部31bから操作領域21aを露出させている。そして上部支持部材31は、天壁31aの外縁部を取り囲んで垂下する上部周壁31c(図3(c)参照)を備えていて、下部支持部材32は、上部周壁31cから連続して垂下する下部周壁32a(図3(c)参照)を備えている。これら上部周壁31c及び下部周壁32aによって、支持部材30は、タッチパネル21を取り囲む周壁30a(図3(b)参照)を構成する。さらに下部支持部材32は、タッチパネル21の裏面に対して隙間をおいて延在する底壁32bを備えている。
また、タッチパネル21を取り囲む支持部材30の周壁30aのうち、少なくとも、タッチパネル21の湾曲振動の振動面に対して直交する向きに延在する第1の側壁30aは、タッチパネル21に対して隙間をおいて配設されている。ここで湾曲振動の「振動面」とは、図6に示すように、タッチパネルが湾曲振動する際に、振幅の変動する向きに沿う面を示す。すなわち、図1に示すように、タッチパネル21が長辺側よりも短辺側が大きく撓む向きに湾曲振動する場合には、湾曲振動の振動面に対して直交する向きとは、図4(a)に示すタッチパネル21の長辺側の端縁21cに沿う向きとなる。また、振動部22に圧電素子を用いる場合においては、当該圧電素子の延在する向きと直交する向きが、湾曲振動の振動面に対して直交する向きとなる。本実施の形態においてタッチパネル21は、長辺側よりも短辺側が大きく撓む向きに湾曲振動するので、図3(a)、(b)に示すタッチパネル21の長辺側の端縁21cは、第1の側壁30aに対して接近、離隔を繰り返すことになるが、少なくとも長辺側の端縁21cは、第1の側壁30aの間には隙間が設けられているので、湾曲振動の妨げとはならない。なお可能であれば、図3(a)に示す、タッチパネル21の湾曲振動の振動面に沿う向きに延在する第2の側壁30a側にもタッチパネル21に対する隙間を設けることが好ましい。
タッチパネル21の表面には、その縁部において、タッチパネル21の外周、すなわち図4(a)に示す、短辺側の端縁21b及び長辺側の端縁21cのそれぞれに沿って延在する、枠状の上部弾性体41が設けられている。ここで「枠状」とは、一体に形成されたものに限られず、例えば辺毎に分離したものを組み合わせて形成されるものも含む。上部弾性体41は、ゲル状の材料、例えば(株)タイカ製のαGEL(登録商標)で形成されるものであり、タッチパネル21と天壁31aとの隙間寸法よりも若干厚くなっている。なお、ゲル状材料の硬度としては、JISK2207で示す針入度(1/10mm)にて、55〜100程度であることが好ましい。またタッチパネル21の裏面には、図5に示すように、その縁部において、同じく短辺側の端縁21b及び長辺側の端縁21cのそれぞれに沿って延在する、枠状の下部弾性体42が設けられている。上部弾性体41及び下部弾性体42は、タッチパネル21の湾曲振動の減衰をできるだけ抑えるために、振動部22よりもタッチパネル21の外周側に配設されている。ここで、下部弾性体42は、上部弾性体41と同様にゲル状の材料で構成される弾性部42aと、この弾性部42aよりも硬度が高い硬質の支持部42bとからなる。支持部42bは、例えば金属や樹脂等で形成されている。弾性部42aは、タッチパネル21と底壁32bとの隙間寸法よりも若干厚くなっていて、支持部42bは、タッチパネル21と底壁32bとの隙間寸法と略同じ厚さとなっている。
そして支持部42bは、下部弾性体42の枠辺のうち、図5(a)、(b)に示す、タッチパネル21の湾曲振動の振動面に対して直交する向きに延在する第1の枠辺42cに、その枠辺42cに沿って設けられている。本実施の形態において弾性部42aは、支持部42bの内側が枠状であり、両外側が矩形状であって、これらを接着剤やインサート成型によって固着させて一体化したものであるが、内側の枠状のみで弾性部42aを形成してもよい。なお、図5(a)に示す、タッチパネル21の湾曲振動の振動面に沿う向きに延在する第2の枠辺42dは、弾性部42aのみで構成されている。
上記のように構成される上部弾性体41及び下部弾性体42は、図3(a)、(b)に示すように、タッチパネル21を表面、裏面から挟み込んで支持部材30内に配設されている。この時、上部弾性体41、及び下部弾性体42の弾性部42aは変形して、タッチパネル21と支持部材30との隙間を、タッチパネル21の全周に亘って埋めることができるので、これらの間からの水の浸入や埃の入り込みを阻止することができる。また、本実施の形態においてタッチパネル21は、長辺側よりも短辺側が大きく撓む向きに湾曲振動するところ、タッチパネル21は長辺側に配設される支持部42bによって裏面から支持されるので、所期する高さのまま保持することができる。一方、タッチパネル21の短辺側は、表側、裏側とも弾性体のみが密着しているので、湾曲振動の減衰を極力抑えることができる。
さらに本実施の形態においては、タッチパネル21を収容した支持部材30が筐体10内に収められる。ここで図2に示すように支持部材30は、枠状の防水テープ70によって固着されるので、操作領域21aからの水の浸入や埃の入り込みを阻止することができる。
また本実施の形態においては、図2に示すように、操作領域21aを露出させる上部筐体10の開口壁11aが、上部支持部材31の開口部31b及び上部弾性体41に、全周に亘って当接している。これにより、支持部材30及び上部弾性体41が操作領域21a側にずれることがなくなるので、例えば電子機器1に落下等によって外から強い衝撃が加わる場合にも、タッチパネル21は大きく位置ずれすることがなく、剥離のおそれを十分に排除することができる。なお、開口壁11aの先端部とタッチパネル21の表面との間には隙間が設けられているので、タッチパネル21が湾曲振動する際にも、開口壁11aの先端部がタッチパネル21の表面に接触することはなく、湾曲振動が阻害されることはない。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、振動部22は2個に限られず、所要の湾曲振動の振幅に応じて任意の個数とすることができる。
また上述した、開口壁11aの先端部とタッチパネル21の表面との隙間は、湾曲振動の振幅によっては広げる必要がある。この場合、上部弾性体41が操作者によって直接触れられて、破損につながるおそれがある。ここで図7に示す、上部支持部材31の開口部31bに、上部弾性体41の操作領域21a側への飛び出しを抑える内壁31dを設ける場合には、上記隙間から上部弾性体41に触ることが困難になるので、意図しない破損を防止することができる。
そして本実施の形態においては、上述した上部支持部材31及び下部支持部材32が「支持部材30」を構成するものであって、当該支持部材は、ディスプレイなどの表示部や制御部等を構成する基板などを含まないものとして説明した。しかしながら、本発明において、「支持部材」は上部支持部材31及び下部支持部材32に限定されず、例えば、筐体10に上部支持部材31及び下部支持部材32を直接取り付けてタッチパネル21を支持するようにすれば、上部筐体11及び下部筐体12を支持部材とすることもできる。同様に、表示部60、回路基板50など、種々の部材を支持部材とすることもできる。
また、本実施の形態においては、タッチパネル21を支持する支持部42bが、下部支持部材32に組み込まれているものとして説明した。しかしながら、本発明の変形例として、支持部42bに代えて支持部材30の底壁と一体となる支持部を設けても、上述した効果と同様の効果が期待できる。
さらに、本発明は、タッチパネル21に配設される上部弾性体41、下部弾性体42、及び支持部材30を中心に特徴を有するものであり、その他の構成要素については、本明細書において説明した以外にも、種々の構成を採用することができる。例えば、上述した各実施の形態においては、タッチパネル21の裏側に配置した表示部60にオブジェクトを表示してタッチパネル21が操作者の接触を検出する態様について説明した。しかしながら、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば表示部60を有さずに、タッチパネルの操作領域21a上にオブジェクトがインクなどにより直接印刷されているような態様を想定することもできる。
そして、上記実施の形態では、タッチパネル21を用いて、当該タッチパネル21の操作領域21aに対する接触を検出した。すなわち、上記実施の形態において、「タッチパネル21」は、いわゆるタッチセンサのような部材を想定して説明した。しかしながら、本発明による電子機器に用いるタッチパネルは、操作者の指やスタイラスペンなどの接触物により接触されるものであれば任意のものとすることができる。
例えば、本発明による電子機器に用いるタッチパネル21は、操作領域21aに対する接触物の接触の位置を検出しない(つまりセンシング機能を有さない)、単なる「パネル」のような部材とすることもできる。このような構成の電子機器においては、例えば、押圧の荷重を検出する荷重検出部をさらに設けることにより、所定の押圧荷重の基準を満たした場合に、タッチパネルに対する接触がなされたものと判定することができる。このような荷重検出部は、任意の個数の歪みゲージセンサ等をタッチパネルに設けたものとして構成することができる。
また、上記実施の形態では、タッチパネル21を用いて、当該タッチパネルの操作領域21aに対する接触を検出した。しかしながら、タッチパネルに対する押圧の荷重を検出して、所定の押圧荷重の基準が満たされた場合に、タッチパネルに対する接触がなされたものと判定することもできる。このような荷重の検出を行う場合、任意の個数の歪みゲージセンサ等をタッチパネルに設けて、押圧によるタッチパネルの歪みを検出することにより、当該歪みからタッチパネル対する押圧の荷重を算出するなどの構成を想定することができる。
このような荷重の検出は、タッチパネルにおける接触検出方式に応じて各種の構成を想定することができる。例えば、抵抗膜方式の場合には、接触面積による抵抗変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出できれば、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。あるいは、静電容量方式の場合には、静電容量の変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出できる場合も、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。
また、振動部22は、タッチパネル21の全面に透明圧電素子を設けて構成したり、偏心モータを駆動信号の1周期で1回転させるようにして構成したり、することもできる。さらに、荷重検出部および振動部は、圧電素子を用いて構成する場合に、圧電素子を共用して荷重検出部兼振動部を構成することもできる。圧電素子は、圧力が加わると電力を発生し、電力が加えられると変形するためである。
また、上述したように、振動部22は、荷重検出部も兼ねる圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が所定の基準を満たした際に、当該圧電素子等を駆動させて振動を発生するようにもできる。ここで、圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際とは、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値に達した際であってもよいし、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値を超えた際でもよいし、圧電素子の出力に基づいて触感を呈示する基準値が検出された際でもよい。
上述した実施の形態においては、タッチパネル21を表示部の上面に重ねて配置した構成を想定して説明した。本発明による電子機器は、このような構成にすることは必須ではなく、タッチパネルと表示部とを離間した構成にすることもできる。しかしながら、タッチパネルを表示部の上面に重ねて配置した構成とする方が、表示される画像と発生する振動との対応関係を、操作者に容易に認識させることができる。
また、本実施の形態の説明における表示部およびタッチパネルは、表示部と接触検出部との両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されるようにしてもよい。このように表示部と接触検出部との両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものを挙げることができる。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することによって、タッチ位置を検出することができる。
なお、振動部22は、振動モータ(偏心モータ)などに基づいて電子機器を振動させることにより、タッチパネルを間接的に振動させるように構成してもよい。
1 電子機器
10 筐体
11 上部筐体
11a 開口壁
12 下部筐体
21 タッチパネル
21a 操作領域
21b タッチパネルの短辺側の端縁
21c タッチパネルの長辺側の端縁
22 振動部
30 支持部材
30a 周壁
30a 第1の側壁
31 上部支持部材
31a 天壁
31b 開口部
31c 上部周壁
31d 内壁
32 下部支持部材
32a 下部周壁
32b 底壁
41 上部弾性体
42 下部弾性体
42a 弾性部
42b 支持部
42c 第1の枠辺
50 回路基板
60 表示部
70 防水テープ

Claims (1)

  1. タッチパネルと、
    前記タッチパネルを湾曲振動させる振動部と、
    前記タッチパネルの操作領域が露出されている開口部を備える支持部材と、を備えた電子機器であって、
    前記支持部材は、前記タッチパネルの表面と隙間をおいて延在するとともに前記開口部を備える天壁と、前記タッチパネルの裏面と隙間をおいて延在する底壁と、当該天壁と底壁とを前記タッチパネルを取り囲んで連結する周壁とを有し、
    前記周壁のうち、少なくとも、前記湾曲振動の振動面に対して直交する向きに延在する第1の側壁が、前記タッチパネルに対して隙間をおいて配設され、
    前記タッチパネルの表面に、当該タッチパネルの外周に沿って設けられて前記天壁との隙間を埋める枠状の上部弾性体が配設されるとともに、当該タッチパネルの裏面に、当該タッチパネルの外周に沿って設けられて前記底壁との隙間を埋める枠状の下部弾性体が配設され、
    前記下部弾性体の枠辺のうち、前記湾曲振動の振動面に対して直交する向きに延在する第1の枠辺に、前記タッチパネルを支持する支持部が配設されていることを特徴とする電子機器。
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