JP5610784B2 - 加飾成形品および加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾成形品および加飾成形品の製造方法 Download PDF

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本発明は、表面が加飾された加飾成形品およびこの加飾成形品の製造方法に関するものである。
従来から、表面が加飾された加飾成形品が、自動車内装部品、またはコンピュータ、携帯電話その他の電気製品など各種製品に用いられている。そして、これらに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
具体的に、特許文献1には、物体の表面に形成した横断面が凸状の凸部からなるシボを有する物体の表面構造であって、凸部間に狭凸部を、凸部の幅よりも狭く、且つ、凸部の高さと等しい高さ、若しくは凸部の高さよりも低く形成したことが開示されている。
また、特許文献2には、内装部品の基材の表面全体に、光沢を有するクリヤ塗料の塗膜が形成され、自動車の車内に設置したときに太陽光の直射を受けやすい部位に形成されたその塗膜の表面に、押し型で無数の凹みを付けて光を散乱させる微細な凹凸模様が形成されていることが開示されている。
特開2007−22000号公報 特開2001−276725号公報
ところで、自動車用の内装部品または電気製品などの各種製品には、高級感および/または立体感といった個性的な装飾がなされた意匠性が求められることがある。
本発明は、表面が加飾され好適な意匠性を有する、新たな加飾成形品および加飾成形品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みなされた本発明の一側面は、表面が加飾された加飾成形品であって、基材と、アルミニウム顔料を含むベース塗料によって、前記基材の表面に形成されたベースコートと、前記ベースコートの一部が露出するようにして、前記ベースコートの表面に50g/m 以上付与された紫外線硬化型樹脂インクを、JIS K 5600−5−4に規定された鉛筆法に準拠して測定された引掻き硬度がHB以上に硬化させて形成された部分加飾部とを有し、前記ベースコートの表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクは、JIS K 5600−6−1に規定された浸せき法に準拠して浸せきした後の加飾成形品の色と、浸せき前の加飾成形品の色との色差が、JIS K 5600−4−3に準拠し、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上となる光量の紫外線によって硬化されていることを特徴とする加飾成形品である。これによれば、加飾成形品において高級感および/または立体感などの点で多彩な意匠表現が可能となる。より好適な立体感を得ることができる。加飾成形品において露出したベースコートの劣化を抑制し、耐薬品性を確保することができる。なお、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上であるとは、等級が0,1,2または3であるということである。
ここで、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上となる光量は、4J/m以下であることを特徴としてもよい。これによれば、より好適に加飾成形品において露出したベースコートの劣化を抑制し、耐薬品性を確保することできる。
また、前記部分加飾部は、JIS K 5600−5−4に規定された鉛筆法に準拠して測定された引掻き硬度がH以上に硬化した紫外線硬化型樹脂インクによって形成されていることを特徴としてもよい。これによれば、部分加飾部の耐摩耗性を確保することができる。
また、前記基材の表面は、鉛直方向および水平方向に対して傾斜した面または湾曲した面を含み、前記ベースコートは、傾斜または湾曲した基材の表面に形成され、前記部分加飾部は、傾斜または湾曲した基材の表面に形成されたベースコートの一部が露出するようにして形成されていることを特徴としてもよい。これによれば、さらに多彩な意匠表現が実現された加飾成形品とすることができる。
本発明の他の側面は、表面が加飾された加飾成形品の製造方法であって、基材に、アルミニウム顔料を含むベース塗料によってベースコートを形成する工程と、前記ベースコートの一部が露出するようにして、前記ベースコートの表面に50g/m 以上の紫外線硬化型樹脂インクを付与する工程と、前記ベースコートの表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクに紫外線を照射する工程とを含み、前記紫外線を照射する工程では、JIS K 5600−6−1に規定された浸せき法に準拠して浸せきした後の加飾成形品の色と、浸せき前の加飾成形品の色との色差が、JIS K 5600−4−3に準拠し、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上となり、かつJIS K 5600−5−4に規定された鉛筆法に準拠して測定された引掻き硬度がHB以上となる光量の紫外線が照射されることを特徴とする製造方法である。
これによれば、加飾成形品において高級感および/または立体感などの点で多彩な意匠表現が可能となる。より好適な立体感を得ることができる。加飾成形品において露出したベースコートの劣化を抑制し、耐薬品性を確保することできる。なお、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上であるとは、上記のとおりである。
本発明によれば、表面が加飾され好適な意匠性を有する、新たな加飾成形品および加飾成形品の製造方法を得ることができる。
(a)は加飾成形品の概略を示す図であり、(b)は(a)に示すA−A線拡大断面図である。
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略しまたは他の構成などに置換してもよい。また、他の構成を含むようにしてもよい。
(加飾成形品および加飾成形品の製造方法)
加飾成形品100は、例えば自動車内装部品、電気製品の筐体などとして用いられる。自動車内装部品としては、インストルメントパネル、センターコンソール、ドアトリムなどが例示される。また、電気製品としては、コンピュータ、携帯電話などの弱電製品などが例示される。この他、加飾成形品100は、インテリア資材もしくはハウジング資材、またはオフィス用品(椅子、机などの部品)などとして用いられる。加飾成形品100は、特に限定されない。加飾成形品100には、例えば、高い意匠性と手触り感が求められ、また軽量で耐摩耗性に優れることが要求されることがある。
加飾成形品100は、図1(a)に示すように表面が、例えば複数の横ライン(符号130参照)による横ライン柄に加飾されている。加飾成形品100は、基材110と、ベースコート120と部分加飾部130とを有する。加飾成形品100は、JIS K 5600−6−1に規定された浸せき法に準拠して浸せきした後の加飾成形品100の色と、浸せき前の加飾成形品100の色との色差が、JIS K 5600−4−3に準拠し、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上、より好ましくはこれより高い等級(例えば、0,1または2)に設定されている。
基材110は、例えば合成樹脂を成形して形成されている。基材110は、図1に示すようにベースコート120が形成される面が、鉛直方向および水平方向に対して湾曲した形状を有する。なお、基材110のベースコート120が形成される表面は、鉛直方向および水平方向に対して湾曲した面の他、鉛直方向および水平方向に対して傾斜した面その他形状の面であってもよい。基材110を形成する合成樹脂および基材110の形成方法の詳細については後述する。ベースコート120は、基材110の表面に、アルミニウム顔料を含むベース塗料を塗布して形成された被膜である。ベースコート120を形成するベース塗料およびベースコート120の形成方法などの詳細については後述する。
部分加飾部130は、例えば図1(a)に示すように複数の横ラインによる横ライン柄によって構成されている。図1(b)に示すように部分加飾部130を構成する横ラインは、ベースコート120の表面から所定の高さの凸形状を有する。部分加飾部130は、JIS K 5600−5−4に規定された鉛筆法に準拠して測定された引掻き硬度がHB以上、より好ましくはH以上に設定されている。なお、部分加飾部130を構成する柄は、図1に示すような横ライン柄の他、ベースコート120の一部が露出した領域である露出領域120aが形成されるような柄であれば、種々の柄とすることができる。
部分加飾部130は、凸版プリント、平版プリント、凹版プリント、孔版プリント、インクジェットプリント(インクジェット記録)など、従来から用いられている捺染方式を用いて、紫外線硬化型樹脂インク(紫外線硬化型樹脂組成分)をベースコート120の表面に付与して形成される。このような捺染方式のうち、インクジェット記録は、版型を必要とせず、緻密な意匠表現および立体模様の形成が可能であり、好適である。
インクジェット記録は、部分加飾部130を形成したい領域に対し、画像処理ソフトウェアを用いて任意に行うことができるため、同一形状の基材110だけでなく、多種多様な基材110に対して、多様な立体模様を形成することができる。また、デジタルデータを元に、液滴重量、インク付与量などのインクジェット記録条件、紫外線照射条件およびインク付与箇所を自由に制御することができるので、ドット1個の大きさから、部分加飾部130の形状、高低および付与面積などまでを任意に設定することができ、加飾成形品100の表面に緻密で手触り感に優れた加飾表面構造体を形成することができる。
インクジェット方式は、特に限定されず、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式などの連続方式、ステムメ方式、パルスジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式、静電吸引方式などのオン・デマンド方式などを採用することができる。
部分加飾部130は、例えばインクジェット記録装置を用いて形成される。具体的には、シリアル型のインクジェット記録装置の記録ヘッドに形成されたノズルから、ベースコート120の一部が露出した露出領域120aが形成されるようにして、複数の紫外線硬化型樹脂インクが吐出され、これがベースコート120の表面に付与されて形成される。ベースコート120の表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクには、記録ヘッドが搭載されたキャリッジの側部に配置された紫外線照射ランプからの紫外線が、一走査ごとに照射される。紫外線硬化型樹脂インクは、紫外線の照射によって硬化し、これによって部分加飾部130が形成される。十分な立体感および触感を得るためには、紫外線硬化型樹脂インクの付与および硬化を複数回繰り返すことが好ましい。例えば、2〜8回の繰返しによって少なくとも50g/m以上のインク付与量を実現し、40μm〜120μm、より好ましくは50μm〜120μmの厚みを持つ部分加飾部130を形成すると、十分な立体感および高触感が得られる。
紫外線ランプの出力は、紫外線硬化型樹脂インクの硬化性ならびに紫外線照射エネルギーによるベースコート120(露出領域120a)の劣化、およびエネルギーによって発生する過剰な熱による基材110の変形を防止する観点から、50〜280W/cmが好ましく、60〜160W/cmがより好ましい。紫外線ランプの出力は、インクジェット記録条件によって調整することが好ましい。例えば、キャリッジの走査速度が速い場合には強く、走査速度が遅い場合には弱くすることが好ましい。また、紫外線硬化型樹脂インクの付与および硬化の回数が少ない場合には強くし、多い場合には少なくすることが好ましい。
すなわち、紫外線ランプの出力とインクジェット記録条件とを調整することにより、ベースコート120(露出領域120a)と、ベースコート120の表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクとに与えられる積算光量は、1〜5J/m、より好ましくは1〜4J/mに設定するとよい。1J/mより少ない場合には、紫外線硬化樹脂インクの硬化反応が不十分となり、ベースコート120との密着不良を生じやすくなり、5J/mを超えてくると、ベースコート120(露出領域120a)の劣化が大きくなり、耐薬品性、具体的には、耐アルカリ変色特性が低下する。このことは、ライン型のインクジェット記録装置においても同じである。また、上記した他の捺染方式においても同じである。なお、加飾成形品100における耐薬品性などについては、後述する実施例において詳細に説明する。
紫外線硬化型樹脂インクの硬化工程は複数、例えば2工程としてもよい。すなわち、インクジェット記録装置に搭載されている光源により仮硬化工程を行い、別工程で紫外線照射のみを行う本硬化工程を行ってもよい。仮硬化工程は、弱い出力で行うことでベースコート120(露出領域120a)の劣化を最小限にとどめることができ、本硬化工程により紫外線硬化型樹脂インクの硬化不良を防ぐことができる。
紫外線を照射する光源としては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、紫外線発光ダイオードなどが挙げられ、必要とする出力に合わせて単体ないしは併用して使用することができる。
また、ドアトリムのように自動車本体に固定して使用する加飾成形品100の場合には、ベースコート120が形成された基材110を水平に固定することができる治具に取り付けた状態で記録を行うことが好ましい。その理由は、基材110を水平に固定できない場合、記録ヘッドのノズルから吐出された紫外線硬化型樹脂インクの液滴の着弾精度を一定に保つことが困難となり、記録品位が低下するからである。かかる場合、基材110の形状に応じて非記録部分にはマスキングなどによりカバーを施した状態で記録することが好ましい。その理由は、自動車本体内部へはめ込まれる部位に紫外線硬化型樹脂インクが付着した場合、自動車本体への組み付け不良、音泣きなどの実装不良が生じるおそれがあるからである。
(基材)
合成樹脂製の基材110は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などのプラスチック材料、およびスチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系、塩素化ポリエチレン系、1,2−ポリブタジエン系の熱可塑性エラストマーを単体、または組成物として使用することができる。組成物として使用する場合には、各材料が相溶化された数mm程度のペレット(樹脂組成物)を用いることが好ましい。ここで、ペレット(樹脂組成物)は、各材料と極性基変性エラストマーからなる相溶化剤とを2軸押出機に投入し、180℃前後で混練した後に押出、切断して形成される。次に、基材110は、上記の樹脂材料または樹脂組成物を射出成形法、押出成形法、ブロー成形法などの成形方法にしたがって形成される。射出成形法であれば、例えば180〜220℃で樹脂材料を溶融し、5〜50℃に保持された金型のキャビティ内(成形凹部)へ射出して成形される。また、基材110には、有機フィラー、可塑剤、酸化防止剤、加水分解抑制剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤などを各用途の目的にしたがい適量配合することができる。基材110の表面形状は特に限定されない。鏡面仕上げ、梨地仕上げ、皮シボ仕上げなどがされた金型を使用することで、多様な基材110とすることができる。
ここで、加飾成形品100が、インテリア資材もしくはハウジング資材、またはオフィス用品(椅子、机などの部品)などとして用いられる場合、基材110は、例えば、木材、窯業板、金属板(アルミニウム、スチールなど)によって形成される。なお、基材110とベースコート120との間に、所定の中間層を形成してもよい。
(ベースコートおよびベース塗料)
ベースコート120は、上記のとおりベース塗料を塗布して形成された被膜である。ベース塗料としては、一般的な顔料からなる通常の塗装用塗料、艶消し塗装用塗料、金属片、金属酸化物などを含有するメタリック塗装用塗料、パール塗装用塗料が例示される。加飾成形品100のベースコート120は、アルミニウム顔料を含むベース塗料によって形成されている。
なお、基材110を熱可塑性エラストマーとした場合、熱可塑性エラストマーは、耐光性、耐熱性、耐摩耗性が十分ではない。そのため、ベースコート120を形成することは、熱可塑性エラストマー製の基材110を保護する役割も有している。また、一つの加飾成形品100であっても、ベースコート120を形成するベース塗料を変更することで自由に加飾することができるという利点がある。
ベース塗料には、ポリウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、エポキシ樹脂系、アルキド樹脂系、アミノアルキド樹脂系塗料組成物などの樹脂組成物が使用できる。なかでも、アクリル系ポリオールとポリイソシアネート化合物とからなる2液型アクリル塗料が、耐候性、耐溶剤性、密着性が高く好ましい。さらには、被膜の強度(被膜の硬度)が高く、摩耗物性が高いという理由から、ベース塗料の水酸基価は5mgKOH以上であることが好ましく、ベースコート120の表面に形成される部分加飾部130との密着性に優れるという理由から、水酸基価は100mgKOH以下であることが好ましい。
また、アクリルポリオールは単一または複数種用いてもよく、必要とされる物性に応じてTgの低いものとTgの高いものとを併用して使用することができる。ベースコート120の柔軟性と硬さとのバランスから、Tgは40℃〜120℃のものが好適に使用できる。Tgが低すぎる場合、耐熱変色や表面硬度の低下が問題となり、逆に、高すぎる場合、低温衝撃耐性やインク密着性低下が問題となる。
ベース塗料は、メタリック調を実現するため、色材としてアルミニウム顔料を含む。アルミニウム顔料としては、例えば、アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミフレーク顔料が例示される。また、メタリック調で、さらに着色されたベースコート120とすることもできる。この場合、着色材としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソイントリノン系顔料、金属錯体顔料などの有機系顔料、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなどの無機顔料、タルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、シリカなどの体質顔料、ホワイトマイカ、着色マイカ、干渉マイカなどのマイカ系顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト顔料、金属チタンフレーク顔料、ステンレスフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、金属めっきガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆めっきガラスフレーク顔料、ホログラム顔料などを使用することができる。例えば、アルミニウム顔料とグラファイト顔料とを含むベース塗料によれば、ブラックメタリックを実現することができる。なお、上記の顔料の表面に耐薬品性や耐光性、分散性を向上させるために無機材料あるいは有機材料でのコーティングが施されたものも同様に使用することができる。
ベース塗料は、必要に応じて、分散剤、スリップ剤、増粘剤、沈降防止剤、消泡剤、帯電防止剤、酸化防止剤、硬化触媒、防眩剤、レベリング剤、平滑剤、紫外線吸収剤などの成分を添加してもよい。しかし、これら添加剤は、耐薬品性、耐光性、耐熱性などの諸物性に悪影響を及ぼすことが多いため、0.2〜5%の最小限の添加量に抑えることが好ましい。
ベース塗料は、ロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェットミル、ビーズミルなどの分散機を使って分散される。その後、ろ過を行い、塗料から粗大粒子を除去することが好ましい。なお、ボールミルまたはビーズミルは、分散時の温度上昇による分散性低下、ならびに分散時のアルミフレークの変形による輝度の低下が起こりやすい。そのため、メタリック調のベース塗料の場合、分散機としてはディスパー、ロールミル、ジェットミルがより好ましい。
ベース塗料を基材110の表面に塗布する塗布装置は、特に限定されず、エアスプレー、エアレススプレー、カーテンコーターなどが好適に使用できる。ベース塗料は、塗布装置に適した動粘性、乾燥性を持たせるために各種有機溶剤で希釈して使用することができる。
ベース塗料の塗布後に50℃〜100℃で20分〜60分の加熱硬化を行うことにより、硬化膜厚が10μm〜30μmの被膜を形成することができる。基材110を完全に覆い、塗布ムラの目立つことを防止し、かつ被膜の強度と耐摩耗性とを高めるために、硬化膜厚は10μm以上が好ましい。一方、ベース塗料の乾燥効率、およびユズ肌、ピンホールといったベースコート120の外観面の不具合が発生することを防止する観点から、硬化膜厚は30μm以下が好ましい。
また、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系樹脂などによる基材110の場合には、塩素化ポリプロピレンならびにその変性物を含有するプライマーの塗布、基材110のコロナ処理やプラズマ処理などの表面改質処理といった前処理を実施してもよい。
(紫外線硬化型樹脂インク)
部分加飾部130を形成する紫外線硬化型樹脂インクは、主に反応性モノマー、反応性オリゴマー、光重合開始剤から構成される。必要に応じて、紫外線硬化型樹脂インクには、部分加飾部130を着色するための色材、光重合開始剤の開始反応を促進させるための増感剤や、その他分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、浸透剤などの添加剤が添加される。
反応性モノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレートやそれら変性体などの6官能アクリレート;ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレートなどの5官能アクリレート;ペンタジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの4官能アクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレートなどの3官能アクリレート;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレートなどの2官能アクリレート;および、カプロラクトンアクリレート、トリデシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ネオペンチルフリコールアクリル酸安息香酸エステル、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、メトキシ−トリエチレングリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸などの単官能アクリレートなどが挙げられる。さらに、これらにリンやフッ素の官能基を付与した反応性希釈剤が挙げられる。これらの反応性希釈剤は単独または組み合わせて使用することができる。なかでも、形成された部分加飾部130が耐摩耗性および柔軟性に優れるという理由から2官能モノマーが好ましく、なかでも透明性に優れ、粘性の低い1,6−ヘキサンジオールジアクリレートがより好ましい。
反応性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエンアクリレートなどが挙げられ、単独または複合して使用することができる。なかでも、ウレタンアクリレートが接着性に優れるという理由から好ましい。反応性オリゴマーの配合量としては、紫外線硬化型樹脂インク中に5重量%〜40重量%含まれることが好ましく、15重量%〜25重量%であることがより好ましい。配合量が5重量%より少ない場合、柔軟性ならびに密着性が低下し、40重量%を超えてくるとインク粘性が高くなり、塗布安定性が低下する。
光重合開始剤としては、ベンゾイン系、チオキサントン系、ベンゾフェノン系、ケタール系、アセトフェノン系などが挙げられ、単独または複合して使用することができる。なかでも、高反応性であり難黄変であるという理由からヒドロキシケトン類およびアシルホスフィンオキサイド類が好ましい。光重合開始剤の配合量としては、重合が十分になされること、硬化率、硬化速度およびコストを考慮して1重量%〜10重量%であることが好ましく、3重量%〜7重量%であることがより好ましい。
色材としては、顔料、染料などを使用することができる。耐候性や耐光性に優れる顔料を使用することが好ましい。有機顔料としては、例えばニトロソ類、染付レーキ類、アゾレーキ類、不溶性アゾ類、モノアゾ類、ジスアゾ類、縮合アゾ類、ベンゾイミダゾロン類、フタロシアニン類、アントラキノン類、ペリレン類、キナクリドン類、ジオキサジン類、イソインドリン類、アゾメチン類、ピロロピロール類などが挙げられる。無機顔料としては、例えば酸化物類、水酸化物類、硫化物類、フェロシアン化物類、クロム酸塩類、炭酸塩類、ケイ酸塩類、リン酸塩類、炭素類(カーボンブラック)、金属粉類などが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂インクは、ロールミル、ボールミル、コロイドミル、ジェットミル、ビーズミルなどの分散機を使って分散される。その後、ろ過を行い、インクから粗大粒子を除去することが好ましい。
(本実施形態に基づく効果)
紫外線硬化型樹脂インクの付与は、上記のとおり、インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録などによって行うことができる。例えば、シリアル型のインクジェット記録装置を用いた場合、シリアル型のインクジェット記録装置は、一走査あたりのインク付与量が少ない。そのため、50g/m以上のインク付与量を実現しようとする場合、複数回にわたってのインク付与が必要となる。紫外線照射ランプからは一走査ごとに、紫外線が、ベースコート120の表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクに照射される。紫外線照射ランプは所定の長さを有する。紫外線照射ランプからの紫外線は、ベースコート120の表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクにのみ照射されるのではなく、一走査ごとに、紫外線照射ランプの長さ分の幅に対応した全面に照射される。具体的に、紫外線は、露出領域120aと、ベースコート120の表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクとに照射される。
紫外線硬化型樹脂インクを付与するための走査回数が増加するのにともない、紫外線照射ランプから照射される積算光量は増加する。これにともない、紫外線硬化型樹脂インクが付与されずに露出した露出領域120aに照射される積算光量も同時に増加する。
ベースコート120を形成するためのベース塗料に含まれる樹脂は、極めて耐光性、耐薬品性の高いものを使用しなくてはならない場合があるが、例えば、水酸基価の高いアクリルポリオールは、部分加飾部130との密着性が低くなるという問題があった。また、ベース塗料には、塗料安定性ならびに物性向上を目的として、分散剤、レベリング剤、スリップ剤などの各種添加剤が使用されることがある。しかし、これらの多くは非架橋性であり、比較的分子量の小さいものが多く、高い耐光性を有しておらず、積算光量の増加にともない耐薬品性が低下していくという問題があった。
積算光量の増加にともなう耐薬品性の低下については、アルミニウム顔料を含むメタリック調のベースコート120での耐アルカリ変色が特に顕著であった。この点に関し、アルミニウム顔料を含むベース塗料を塗布した後、アルミニウム顔料を含まないクリアコートを、いわゆる2コート2ベーク(ドライオンウェット)または2コート1ベーク(ウェットオンウェット)で形成し、紫外線硬化型樹脂インクによる記録を行うことで、耐薬品性の問題を解消することもできる。しかし、このような手法は、生産性を考慮しなければならない場合には好適ではない。
本実施形態の加飾成形品100および加飾成形品100の製造方法によれば、このような問題が生じることがなく、以下の実施例に示すような、好適な耐薬品性と引掻き硬度と立体感とを実現することが可能となる。なお、加飾成形品100が、インテリア資材もしくはハウジング資材、またはオフィス用品(椅子、机などの部品)などとして用いられる場合についても、同様である。
本実施形態の加飾成形品100について、インクジェット記録条件および紫外線照射条件を変更し、それぞれの条件による評価試料を対象として、耐薬品性と引掻き硬度と立体感とを評価した。以下、評価方法および評価結果について説明する。
(評価方法)
(1)顔料ペーストの作製
ベース塗料に含まれる顔料ペーストは、次に示す各材料を1.5インチのディスパーを用いて2000rpmで10min間攪拌して作製した。
BP−6340 10重量部
(東洋アルミ(株)製、アルミニウム顔料)
CERAFAK110 15重量部
(BYK(株)製、沈降防止剤、酢ビ共重合体)
アクリディック BL−616 60重量部
(DIC(株)製、アクリル樹脂)
メチルイソブチルケトン 13重量部
キシレン 13重量部
(2)ベース塗料の作製
ベース塗料は、まず、上記のように作製した顔料ペースト100重量部と、次に示す各材料とを、全体が均一になるまで混合した。
塗料用レベリング剤 1.0重量部
(BYK(株)製、商品名:BYK−358N)
塗料用平滑剤 1.0重量部
(BYK(株)製、商品名:BYK−310)
メチルイソブチルケトン 25重量部
キシレン 25重量部
酢酸ブチル 25重量部
トルエン 25重量部
その後、ポリイソシアネートプレポリマー(DIC(株)製、商品名:バーノックDN−980)10重量部を加えた後、ろ過を行って不純物除去し、アルミニウム顔料を含むメタリック調のベース塗料を作製した。
(3)ベースコートの形成
基材110に対応して、縦150mm×横100mmで厚さ3mmのABS成形品を用意した。ABS成形品の表面をイソプロパノールで洗浄後、ABS成形品を乾燥した。次に、スプレーガン(アネスト岩田(株)製、商品名:W−101)を用いて、乾燥膜厚20μmとなるよう塗布し、80℃で30分間、熱風乾燥した。
(4)紫外線硬化型樹脂インクの作製
紫外線硬化型樹脂インクは、次に示す各材料を秤量し、50℃で4時間加温し、ディスパーにて3000rpmで20分間混合した後、ろ過を行い作製した。
CN983 25重量部
(サートマージャパン(株)製、ウレタンアクリレートオリゴマー)
SR238F 70重量部
(サートマージャパン(株)製、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、Tg:43℃)
イルガキュア184 5重量部
(チバスペシャルティケミカルズ(株)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
(5)評価試料の作製
評価試料は、シリアル型のインクジェット記録装置を用いて作製した。具体的に、上記ABS成形品の表面に形成されたベースコート120の表面に、上記紫外線硬化型樹脂インクを吐出しつつ、ベースコート120の表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクに紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂インクを硬化させて、これを評価試料とした。
ここで、後述する耐薬品性および立体感の評価に用いた評価試料は、図1に示すような露出領域120aが形成されるようにして、上記紫外線硬化型樹脂インクを吐出し、図1に示すような横ライン柄を、次に示す「(評価柄)」の状態で記録しつつ、ベースコート120の表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクに紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂インクを硬化させて部分加飾部130を形成した。なお、部分加飾部130を構成する横ラインは、ベースコート120の表面から所定の高さの凸形状を有する。
これに対し、引掻き硬度の測定に用いた評価試料は、ベースコート120の表面に、いわゆるベタ画像を記録するようにして、上記紫外線硬化型樹脂インクを吐出した。ライン柄をベタ画像とした点以外については、耐薬品性および立体感の評価と同一とした。
耐薬品性および立体感の評価に用いた、部分加飾部130としての評価柄と、全ての評価に共通したインクジェット記録条件および紫外線照射条件は次に示すとおりである。評価試料は、紫外線照射電圧と、走査速度と、インク総付与量とを表1に示すような組合せとした12種類を作製した。評価試料1〜評価試料12における積算光量(照射光総量)は、表1に示すとおりである。積算光量は、UVICURE PLUS(BLAZE TECHNOLOGY製)で測定した。
(評価柄)
評価柄 : 横ライン柄
横ラインの幅 : 0.2mm
横ラインの間隔 : 0.8mm
横ラインの占める面積率: 20%
(インクジェット記録条件)
ノズル径 : 70 μm
印加電圧 : 50 V
加熱温度 : 50 ℃
走査速度 : 200,300,400,600mm/sec
インク総付与量: 40,80,160g/m
(紫外線照射条件)
ランプ種類: メタルハライドランプ
照射電圧 : 80,100,120,160W/cm
照射距離 : 5mm
Figure 0005610784
(6)耐薬品性の評価方法
耐薬品性は、横ライン柄の評価試料1〜評価試料12それぞれを対象として、JIS K 5600−6−1に規定された浸せき法に準拠して浸せきした後の色と、浸せき前の色との色差を、JIS K 5600−4−3に準拠し、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した。
具体的には、部分加飾部130が記録された評価試料1〜評価試料12のそれぞれを、JIS K 5600−6−1に規定された浸せき法に基づき、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に浸せきし、55℃の高温恒湿機で4時間加温後、流水にて十分に洗浄した。その後、浸せき後の評価試料1〜評価試料12の色と、同一条件の浸せきされていない(浸せき前の)評価試料1〜評価試料12(基準試料)の色との色差を、JIS K 5600−4−3に準拠し、表2に示すJIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表(表B.1 目視評価のための色差成分の等級表)にしたがって評価した。
Figure 0005610784
(7)引掻き硬度の測定方法
引掻き硬度は、ベタ画像の評価試料1〜評価試料12それぞれを対象として、JIS K 5600−5−4に規定された鉛筆法に準拠して測定した。その概略は、次のとおりである。すなわち、指定角度で削られた鉛筆を指定荷重で、評価試料1〜評価試料12の表面を指定角度で移動させた後、部分加飾部130に相当する紫外線硬化型樹脂インクが硬化した被膜の削れの有無を目視で判断した。
(8)立体感の評価方法
立体感は、横ライン柄の評価試料1〜評価試料12それぞれを対象として、評価試料1〜評価試料12をそれぞれ対比観察し、表3に示す基準にしたがって評価した。立体感の評価は、加飾成形品における加飾(記録)の分野に属する通常の知識を有する20名のモニターによって行い、各モニターによる評価の平均値を最終評価とした。
Figure 0005610784
(評価結果)
耐薬品性と引掻き硬度と立体感との評価結果は、表4に示すとおりであった。
Figure 0005610784
耐薬品性について、紫外線の光量が4J/mより多い評価試料10および評価試料12(ともに積算光量は5.4J/m)では、浸せき前後の色差が、等級4(かなりな差)となった。露出領域120aが、紫外線によって劣化したためであると推測される。例えば、評価試料1〜評価試料9および評価試料11に係る加飾成形品100が自動車内装部品である場合、自動車の利用者が、アルカリ性の洗浄剤を用いて、自動車内装部品を清掃したとしても、自動車内装部品に「かなりな変色」が生じることを防止することができる。なお、このことは、電気製品などの各種製品についても同じである。
引掻き硬度について、紫外線の光量が1J/mより少ない評価試料8(積算光量は0.7J/m)および評価試料11(積算光量は0.9J/m)では、引掻き硬度が、HBを下回りBとなった。紫外線硬化型樹脂インクの紫外線硬化樹脂塑性物に与えられる照射光総量が少なく、硬化反応が不十分となり、架橋が十分に行われず硬度低下したと推測される。
立体感について、インク総付与量が50g/mより少ない評価試料8および評価試料9(ともにインク総付与量は40g/m)では、評価「2(立体感を感じない)」となった。
以上の評価結果に基づけば、評価試料1〜評価試料7は、耐薬品性と引掻き硬度と立体感とについて、概ね好適な評価結果を得ることができた。特に、評価試料4および評価試料7は、好適な評価結果を得ることができた。
100 加飾成形品
110 基材
120 ベースコート
120a 露出領域
130 部分加飾部

Claims (5)

  1. 表面が加飾された加飾成形品であって、
    基材と、
    アルミニウム顔料を含むベース塗料によって、前記基材の表面に形成されたベースコートと、
    前記ベースコートの一部が露出するようにして、前記ベースコートの表面に50g/m 以上付与された紫外線硬化型樹脂インクを、JIS K 5600−5−4に規定された鉛筆法に準拠して測定された引掻き硬度がHB以上に硬化させて形成された部分加飾部とを有し、
    前記ベースコートの表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクは、JIS K 5600−6−1に規定された浸せき法に準拠して浸せきした後の加飾成形品の色と、浸せき前の加飾成形品の色との色差が、JIS K 5600−4−3に準拠し、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上となる光量の紫外線によって硬化されていることを特徴とする加飾成形品。
  2. JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上となる光量は、4J/m以下であることを特徴とする請求項に記載の加飾成形品。
  3. 前記部分加飾部は、JIS K 5600−5−4に規定された鉛筆法に準拠して測定された引掻き硬度がH以上に硬化した紫外線硬化型樹脂インクによって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加飾成形品。
  4. 前記基材の表面は、鉛直方向および水平方向に対して傾斜した面または湾曲した面を含み、
    前記ベースコートは、傾斜または湾曲した基材の表面に形成され、
    前記部分加飾部は、傾斜または湾曲した基材の表面に形成されたベースコートの一部が露出するようにして形成されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の加飾成形品。
  5. 表面が加飾された加飾成形品の製造方法であって、
    基材に、アルミニウム顔料を含むベース塗料によってベースコートを形成する工程と、
    前記ベースコートの一部が露出するようにして、前記ベースコートの表面に50g/m 以上の紫外線硬化型樹脂インクを付与する工程と、
    前記ベースコートの表面に付与された紫外線硬化型樹脂インクに紫外線を照射する工程とを含み、
    前記紫外線を照射する工程では、JIS K 5600−6−1に規定された浸せき法に準拠して浸せきした後の加飾成形品の色と、浸せき前の加飾成形品の色との色差が、JIS K 5600−4−3に準拠し、JIS K 5600−4−3に規定された附属書Bの色差等級表にしたがって評価した等級で3以上となり、かつJIS K 5600−5−4に規定された鉛筆法に準拠して測定された引掻き硬度がHB以上となる光量の紫外線が照射されることを特徴とする製造方法。
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