JP5610414B2 - チップ型電子部品収納台紙および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、紙製チップ型電子部品収納台紙に関し、さらに詳しくは、収納するチップ型電子部品の錆の発生のない紙製チップ型電子部品収納台紙および製造方法に関する。
チップ型電子部品収納用台紙は、通常、台紙用板紙シートに下記の加工処理を施してチップ型電子部品のキャリアに形成される。
(1)台紙用板紙シートを所定の幅にスリットする。
(2)形成された板紙テープに所定大きさの角孔(凹部状又は透孔)と丸孔(透孔)を形成する。角孔はチップ型電子部品収納用であり、丸孔は充填機内において、電子部品を収納している台紙を移動させるために用いられる送り用である。
(3)台紙の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着して、角形透孔の底部開口部を閉塞し、それによって角形凹部を形成する。なお、角形透孔を開けないで、台紙に所定の大きさの角状エンボンス加工をして角形凹部を形成することもあり、この場合、このボトム側カバーテープの接着工程は省かれる。台紙とカバーテープを接着する方法は、台紙とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。
(4)前記角形凹部中に、その封止されていない開口部を通してチップ型電子部品を充填する。
(5)台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを接着して、電子部品を収納している台紙を作製する。
(6)この電子部品収納台紙を所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品と共に出荷する。
(7)最終ユーザーで台紙の表面からトップ側カバーテープを剥がし、前記角孔からチップ型電子部品を取り出す。
前記の用途に対応して、収納台紙に求められる品質として、(1)充填したチップ部品に悪影響を及ぼさないこと、(2)カバーテープが良好に接着されるように、台紙の表面が平滑性を有すること、及び(3)紙に対する各種処理に耐え得る機械的強度を有していること等が挙げられる。
充填したチップ部品への悪影響として、チップ型電子部品の錆が挙げられている。チップ型電子部品には導電性物質として銀を素材として含有している場合がある。紙製の収納台紙の場合には、パルプの原料や、製造過程で使用される薬品により、銀の腐食を発生する場合がある。
古紙の配合量が多い場合には還元性硫黄が硫化水素として遊離発生し、チップ型電子部品の金属部分を腐食してしまい、その結果ユーザー先では主にハンダ付け工程でのトラブルが発生し、チップ型電子部品を使用する製品における不良率が増加して、ユーザーに甚大が被害をあたえる恐れがある。
また、品質保証を確保するために、原料及び製品の夫々について錆発生の有無を試験しなければならず、膨大な量のサンプルを前にその試験だけのための人員、及び時間を割かなければならず効率的でない。
また、実験によればチップ型収納台紙を細菌ポテンシャルの高い状態、即ち繁殖の最適状態である30〜50℃付近、或いはグラム陰性菌の発育最適pHである酸性領域の状態で保管すると、チップの錆発生率はさらに増加するという結果が出ている。これは抄紙時のpH、及び保管、運搬の温度条件(特に夏場の倉庫内および輸出する場合の赤道通過時の船庫内)に合致することになり、必ずしもユーザー先での使用時まで品質保証できるとは限らないため、大きな問題になっている。
従来は、収納台紙を構成するパルプ原料を製造するに当たって、硫化水素の発生要因となる硫酸塩還元細菌の発生を抑えるために、製造工程内で使用する水としてM/C工程白水を用いず、清水に切り替えたり、防腐剤、防錆剤を添加するなどの対策が採られていたが、完全には前記トラブルが解消できず現在に至っている。気化性防錆剤を添加した技術としては、実開昭64−2766号公報、特開昭62−39463号公報、特開平9−188385号公報、(特許文献1〜3)が挙げられるが、気化性防錆剤のチップ型電子部品への影響については検証されていない。また、近年のチップ型電子部品に使用量の増加に伴い、収納台紙の使用量も増え、実装工程で発生する使用済みの収納台紙の処理も問題になっており、一部は製紙会社に戻されて再利用されているが、大半は焼却処分とされているため、低温焼却時に発生する有害物質については考慮されていない。
また、原料を限定して、腐食の原因物質を抑えたものの特許第3289244号(特許文献4)には、酸性物質による金属の腐食を防止するためにパルプの漂白方法を規定、特開2005−67734号(特許文献5)では使用薬品を規定して塩素含有量を制限する技術や紙力増強剤や増粘剤により紙表面のpHを下げることなく、残留硫酸イオンを低下させて腐食を防ぐ技術、特開2004−67222号公報(特許文献6)ではイオウ系薬品を使用して蒸解したパルプを含有せず、ミルクカートン古紙を用いて腐食を防ぐ技術が開示されているが、いずれも原料や使用薬品に制限がある。
他に、金属塩化合物を紙に付与するものとして特開平7−54298号公報(特許文献7)ではリン酸カルシウムに金属を担持させて紙に抄く技術、特開昭63−99399号公報(特許文献8)では活性炭微粉末と金属とバインダーを板紙に塗布又は含浸させる技術が開示されているが、精密機械用のチップ型電子部品を収納する台紙ではチップ型電子部品を収納するキャビティ形成時の金型の磨耗や、微粉末の脱落等の問題があるためこれらの技術は転用することが不可能である。
実開昭64−2766号公報 特開昭62−39463号公報 特開平9−188385号公報 特許第3289244号公報 特開2005−67734号公報 特開2004−67222号公報 特開平7−54298号公報 特開昭63−99399号公報
本発明は、製造工程で発生してしまう硫化水素をいかに効率よく固定し、チップ型電子部品収納台紙に収納されるチップ型電子部品の錆の発生を抑制する機能を収納台紙に持たせることである。
発明者らは硫化水素の固定化について、気化性防錆剤を除き、硫化水素の固定に効果のあるものについて、検討、試験を行った結果、金属イオン、中でも銅、亜鉛から選ばれた金属イオンを、紙中に10ppm〜1000ppm含有させることにより、台紙に収納される電子部品の金属部分の腐食を防止できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は以下の発明より選択される発明である
(1)銅又は亜鉛の金属塩化合物を含有するチップ型電子部品収納台紙。
(2)前記銅又は亜鉛の金属塩化合物は台紙中に銅又は亜鉛の質量として、台紙中に10〜1000ppm含有する(1)記載のチップ型電子部品収納台紙。
(3)前記銅又は亜鉛の金属塩化合物は表裏層以外に含有する(1)記載のチップ型電子部品収納台紙。
(4)前記金属塩化合物は硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、硫酸亜鉛、塩化亜鉛から選ばれる少なくとも1種である(4)記載のチップ型電子部品収納台紙。
(5)前記金属塩化合物が硫酸銅である(4)記載のチップ型電子部品収納台紙。
(6)銅又は亜鉛の金属塩化合物を対パルプ固形分当たり0.01〜1.0%の範囲で原料パルプスラリー中に添加するチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
(7)前記金属塩化合物は硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅、硫酸亜鉛、塩化亜鉛から選ばれる少なくとも1種である(6)記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
(8)前記金属塩化合物が硫酸銅である(6)又は(7)のいずれか1項記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
(9)前記金属塩化合物を前記原料スラリーのうち、表裏層用のパルプスラリー以外に添加することを特徴とする(6)〜(8)のいずれか1項に記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
銅又は亜鉛の金属塩化合物を台紙内に含有させることにより、硫化水素を効率的に吸着固定するため、長期的に、銀を素材とする金属部分の腐食を防止することが可能となった。また、パルプスラリーに銅又は亜鉛の金属塩化合物を添加して、抄造することにより、パルプ中或いは収納台紙中に均一に銅又は亜鉛の金属塩化合物が存在するため、効果も均一になる。
本発明では、硫化水素を吸着固定するために銅又は亜鉛の金属塩化合物を台紙中に含有させる。
銅や亜鉛の含有量は質量として、台紙中に10〜1000ppm含有することが好ましく、更に好ましい範囲としては、10ppm〜300ppmである。古紙を使用しない台紙については、製造工程中での硫酸塩還元菌の発生が古紙に比べて少ないため、10ppm〜150ppmで効果がある。10ppm未満では硫酸塩還元細菌の増殖にともなう硫化水素の発生分が吸収されず、錆の発生を抑えることができないため好ましくない。また1000ppmを超えると、効果が頭打ちになり、さらに多量に入れると、特に銅化合物では、金属塩化合物水溶液が青色に着色していることからパルプ自体に色目が変化してしまい好ましくない。
前記、銅又は亜鉛の金属塩化合物を台紙中に含有させるには、金属塩化合物を水溶液にして添加する方法が簡便であり、またパルプスラリーに添加・攪拌することで均一に金属イオンを分散させることができるため好ましい。チップ型電子部品収納台紙はチップ型電子部品を収納するキャビティが形成されてその中にチップ型電子部品が収納されるため、収納台紙全体で硫化水素を固定する必要があり、塗布や含浸では不十分となるため好ましくない。収納台紙の坪量は収納されるチップ型電子部品により様々であるが、一般に200〜1000g/m程度であり、坪量の大きなものは地合いの取りやすい多層抄き、通常3〜10層で抄造されるため、均一な防錆効果を達成するためにもパルプスラリーへの添加が好ましい。
金属塩化合物としては、水溶液として添加できる、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸との塩が好ましい。硫酸銅、硝酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅等の銅化合物、又は、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、等の亜鉛化合物、或いは硝酸鉛、酢酸鉛等の鉛化合物等が挙げられ、いずれも効果があるが、鉛は環境に影響があるため好ましくない。この面で、銅化合物、亜鉛化合物が良いが、中でも銅の金属塩化合物の効果は大きく、薬品の安定性、作業環境、安全性の面から硫酸銅がもっとも好ましい。硫酸銅は食品添加物として使用されており、安全性には問題がない。廃棄物として燃焼させたときにも問題が無いため、また、灰からの溶出基準もなく、環境に影響を与えるものではないため、好ましい。
銅又は亜鉛の金属塩化合物は、チップ型電子部品収納台紙中に有効量が存在すれば、実用的な範囲での防錆効果を発揮するが、最も効率的な方法としては、銅又は亜鉛の金属塩化合物を表裏層以外に含有することが好ましい。表裏層以外の層(中層)は収納されたチップと接する可能性も大きく、表裏層はカバーテープとの接着性、剥離性への影響について考慮する必要と色目の問題などがある。中層に金属塩化合物を含有させることで、台紙全ての層に金属塩化合物を含有させた場合と同等の効果が得られ、発生する硫化水素を固定でき、錆の発生を抑えることができる。
銅又は亜鉛の金属塩化合物は、中層用スラリーのみに金属塩化物を添加して多層抄することにより、中層に含有させることが可能である。中層に添加するだけで全ての層に添加する場合と同等の効果が得られる理由は定かではないが、多層抄紙時の脱水時に金属塩化物が他の層に脱水される水とともに移動することが考えられる。
金属塩化合物を台紙表裏層用パルプスラリーに主に添加し、台紙中層用パルプスラリーには添加しない場合、添加量によっては、台紙中に均一に金属塩化合物が存在しなくなり、中層部分から硫化水素が発生してしまう恐れがある。
本発明のパルプスラリー中のパルプに特に制限はなく、化学パルプ(広葉樹、針葉樹)、機械パルプ、古紙パルプ、非木材繊維パルプ、合成パルプ等の各種パルプを使用できる。
中でも硫化水素が発生しやすい古紙パルプには本発明は効果が大きい。
パルプスラリーへの添加について、添加時の金属塩化合物水溶液の濃度に特に制限はなく、対パルプ固形分で0.01〜1.0%の範囲で添加すればよく、更に好ましい範囲としては、0.01%〜0.1%である。古紙を使用しない台紙については、0.01〜0.05%が好ましい。0.01%未満では硫酸塩還元細菌の増殖にともなう硫化水素の発生分が吸収されず錆の発生を抑えることができないため好ましくない。また1%を超えると、効果が頭打ちになり、さらに多量に入れると、特に銅化合物では、金属塩化合物水溶液が青色に着色していることからパルプ自体に色目が変化してしまい好ましくない。
チップ型電子部品収納台紙の製造装置に制限はなく、例えば、円網抄紙機、長網抄紙機での多層抄き合わせにより抄紙され、金属塩化合物以外には必要に応じて、種々の内添薬品を使用できる。例えばロジン系サイズ剤、スチレン・マレイン酸、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など天然及び合成の製紙用の内添サイズ剤、濾水歩留り向上剤、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、澱粉等各種紙力増強剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、消泡剤、染料等を使用することができる。
また、トップカバーテープとの接着性を向上させ、更に収納台紙の強度を高めるためにスチレン・マレイン酸樹脂やオレフィン・マレイン酸樹脂を含有させた表面処理剤を塗布・含浸することが好ましい。スチレン・マレイン酸樹脂は疎水基とカルボン酸のような親水基を有しており、台紙表面に塗布することにより、表面のカバーリングのほか、紙層中に浸透し、親水基であるカルボン酸がパルプ繊維と水素結合を形成し、パルプ繊維間を架橋した状態にし、繊維間結合を大幅に向上させると推察される。繊維間結合の向上により、トップカバーテープを剥がす際の抵抗力が向上し、剥離強度を強くするほかケバとなる繊
維の抜けを防止できる。
本発明では、スチレン・マレイン酸樹脂又はオレフィン・マレイン酸樹脂の塗布・含浸量をコントロールすることにより、ケバ発生を抑制して必要なカバーテープの接着強度のレベルを得ることができる。表面処理剤にスチレン・マレイン酸樹脂又はオレフィン・マレイン酸樹脂を混合して塗布する場合、水溶性高分子との固形分比率は任意に調整できるが、スチレン・マレイン樹脂酸又はオレフィン・マレイン酸樹脂の塗布・含浸量は、0.01g/m〜0.10g/mの範囲が好ましい。スチレン・マレイン酸樹脂又はオレフィン・マレイン酸樹脂の塗布・含浸量が0.10g/mを超えても効果は頭打ちとなるためコスト的に好ましくなく、0.01g/mよりも少ないと効果が明確に発現しない。
本発明において、台紙表面に表面処理剤を塗布・含浸する手段としては、例えばバーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパーコーター等製紙製造設備が使用できる。中でも、サイズプレスやキャレンダーコーターのニップ圧調整が容易でより表面処理剤を深く浸透させやすいため好ましい。
さらに、ボトムテープとの接着性及びケバ防止効果を向上させるために、収納台紙の裏面にポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂、スチレン・ブタジエン系樹脂、スチレン・イソプレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル・ビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂などの必要な薬品を適宜塗布させることが好ましい。更に塗布手段についてもバーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレス、キャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等の設備が使用できる。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、配合、濃度等を示す数値は、固形分又は、有効成分の質量基準の数値である。加工条件、測定条件の詳細は以下の通りである。
実施例1
表層、中層、裏層でパルプを使い分け、表層用にはLBKP(A)100%を叩解し、カナディアンスタンダードフリーネス430mlに調成した。中層用にはNBKP20%(ラジアータパイン材)、LBKP(B)80%の配合で混合叩解を行いカナディアンスタンダードフリーネス380mlのパルプを調成し、裏層用にはLBKP(A)100%を叩解しカナディアンスタンダードフリーネス430mlのパルプを調成した。中層用に使用するパルプスラリーに硫酸銅(5水和物)を対パルプ(全層合計)で0.1%になるように添加し、硫酸バンドを添加して、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミド(荒川化学製ポリストロン−SH20A)を0.3%添加した。以上の条件のパルプスラリーを円網抄紙機で、それぞれ表層80g/m、中層350g/m、裏層70g/m抄き合わせ、抄紙機に設置されたカレンダーで平滑化処理した後、ポリアクリルアミド(荒川化学製ポリマセット−512)を表面処理剤カラー温度を60℃に調整し、カラー濃度3.6%で塗布し、坪量500g/m、厚さ0.60mmのチップ型電子部品収納用台紙を製造した。この台紙中の金属含有量は下記の方法にて測定した。また、この台紙を用いて下記の銀発錆試験を行った。
<チップ型電子部品収納台紙中の金属の定性および含有量の測定方法>
以下の通り、前処理として台紙を密閉式湿式分解した後、高周波誘導プラズマ発光法(ICP)により、台紙中に含有される金属の種類およびその量を定量した。
1)前処理(台紙の密閉式湿式分解)
まず、台紙サンプルをセラミック製はさみを用いて、2〜5mm角のサイズに裁断した。裁断した試料から0.2g正確に測り採り、これを密閉式弗素樹脂加工容器に移し、硫酸を2ml、硝酸を5ml添加し、この試料を湿式分解装置(アステック社製、型式:MARS5)にて分解させた。その後、弗素樹脂加工容器内の分解溶液を遠沈管に洗い移し、これを0.45μのメンブランフィルターでろ過したのち、全量を蒸留水で洗いながらフラスコで50mlに定容とした。
2)高周波誘導プラズマ発光法(ICP)による測定
上記の前処理した試料中の金属濃度を、ICP−OES(リガク製、型式:CIROS−120)を用いて測定した。尚、定量に際しては予め、含有量既知の金属塩標準液を用いて検量線を作製しておき、含有量(ppm)を算出した。また、検出限界は0.01ppmであった。
<チップ型電子部品収納台紙−銀発錆試験>
イ)マシンポープリール卸し製品を採取し、全幅の中央部から錆試験用サンプルを所定の大きさ(8mm×250mm)、枚数(8枚)を用意し、サンプル瓶に入れる。
ロ)電極部分に銀が使用されているチップコンデンサー2種類(1.25mm×2.05mm 厚さ大1.27mm 小0.59mm)を各々10ヶずつ試料(チップ)の入った瓶に入れ、堅くキャップをしめる。
ハ)この瓶を150℃に加熱してある乾燥機に1時間入れておく。
ニ)1時間処理した瓶からチップコンデンサーを乾いた濾紙の上に出し、速やかにポリ袋に入れ拡大鏡で表裏の錆の発生状況を観察する。
判定基準(B判定以上が実用可能範囲とされている。)
A:試験前と同様変化の無いこと。
B:若干茶色に変色したチップ3ヶ以内。
C:若干茶色に変色したチップ4〜6ヶ、又は茶色に変色したチップ1ヶと若干変色したチップ3ヶ以内。
D:茶色に変色したチップ4〜6ヶ、又は黒色に変色したチップ1ヶと茶色に変色したチップ3ヶ以内。
E:黒色に変色したチップ2ヶ以上。
実施例2
硫酸銅(5水和物)を硝酸銅(3水和物)に変えた以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
参考例1
硫酸銅(5水和物)を塩化第一銅に変えた以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
実施例
硫酸銅(5水和物)を塩化第二銅(2水和物)に変えた以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
実施例
硫酸銅(5水和物)を酢酸銅(1水和物)に変えた以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
参考例2
硫酸銅(5水和物)を硫酸亜鉛(7水和物)に変えた以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
参考例3
硫酸銅(5水和物)を塩化亜鉛に変えた以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
実施例
硫酸銅(5水和物)の量が0.05%になるように添加した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
実施例
硫酸銅(5水和物)の量が0.02%になるように添加した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
実施例
硫酸銅(5水和物)の含有量が0.05%になるように全層に添加した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
参考例4
硫酸銅(5水和物)の含有量が0.05%になるように表裏層のみに添加した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
実施例
中層用にはNBKP15%(ラジアータパイン材)、LBKP(B)60%、古紙脱墨パルプ25%の配合で混合叩解を行いカナディアンスタンダードフリーネス380mlのパルプを調成し、このパルプスラリーに硫酸銅(5水和物)を対パルプ(全層合計)0.1%になるように添加した以外は実施例1と同様にして、チップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
実施例
硫酸銅(5水和物)の量が対パルプ(全層合計)0.05%になるように中層に添加した以外は、実施例と同様にして、チップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
参考例5
硫酸銅(5水和物)を表裏層のみに添加したこと以外は、実施例と同様にして、チップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
参考例6
硫酸銅(5水和物)が0.5%となるように添加した以外は、参考例5と同様にして、チップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
参考例7
表層、中層、裏層の全層に、古紙脱墨パルプを叩解して300mlとしたもののみを使用し、表裏層のみに硫酸銅(5水和物)が対パルプ(全層合計で)1.0%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
比較例1
硫酸銅(5水和物)を無添加とした以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
比較例2
硫酸銅(5水和物)を無添加とした以外は、実施例と同様にして、チップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属塩含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
比較例3
硫酸銅(5水和物)を酢酸カルシウム(1水和物)に変えた以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
比較例4
硫酸銅(5水和物)を酢酸マグネシウム(4水和物)に変えた以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造し、この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
参考例
硫酸銅(5水和物)の量が5%になるように添加した以外は、実施例1と同様にしてチップ型電子部品収納用台紙を製造したが青みを帯びていて外観不良となった。この台紙の金属含有量を前記測定法にて定量するとともに、前記銀発錆試験で判定した。
Figure 0005610414

Claims (6)

  1. 少なくとも中層用の原料パルプスラリー中に銅の金属塩化合物を添加して形成されている多層抄き台紙であって、該台紙中に均一に銅の質量として10〜300ppmの銅の金属塩化合物を含有することを特徴とするチップ型電子収納台紙。
  2. 前記銅の金属塩化合物は硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のチップ型電子部品収納台紙。
  3. 前記銅の金属塩化合物が硫酸銅であることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップ型電子部品収納台紙。
  4. 銅の金属塩化合物を対パルプ固形分(全層合計)当たり0.01〜1.0%の範囲となるように、少なくとも中層用の原料パルプスラリー中に添加して抄き合せることを特徴とする、銅の金属塩化合物を台紙中に均一に銅の質量として10〜300ppm含有するチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
  5. 前記銅の金属塩化合物は硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化第一銅、塩化第二銅から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
  6. 前記銅の金属塩化合物が硫酸銅であることを特徴とする請求項4又は5に記載のチップ型電子部品収納台紙の製造方法。
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