以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本実施形態によるクレードル1、携帯型コンテンツ再生装置(以下、DAP(Digital Audio Player)という。)2,3、増幅装置5、およびリモコン送信機6,7を示す図である。クレードル1には、USB(Universal Serial Bus)等の任意の通信ラインを介してDAP2,3が接続可能である。なお、USBの代わりにIEEE1394やHDMI等が採用されてもよい。クレードル1は、デジタルオーディオケーブル及び制御信号ケーブルを介して増幅装置5に接続可能である。また、3つ以上のDAPがクレードル1に接続可能でもよい。
クレードル1は、DAP2,3に直流電源電圧を供給することにより、DAP2,3にバッテリを充電させる。DAP2,3は、ホストコントローラと通信しているときに(例えば、ホストコントローラからUSBを介して充電コマンドを所定時間間隔で受信しているときに)バッテリに充電を実行し、ホストコントローラと通信していないときに(例えば、ホストコントローラからUSBを介して充電コマンドを所定時間間隔で受信していないときに)バッテリに充電を実行しない。従って、クレードル1は、DAP2,3を継続的に充電するために、ホストコントローラからDAP2,3に充電コマンドを所定時間間隔で送信し続けなければならない。
DAP2、3は、各々が内蔵するHDDやフラッシュメモリ等の記録媒体に記録されたコンテンツ(オーディオファイル)を再生(例えばデコード)し、オーディオデータをUSB経由でクレードル1に送信する。クレードル1は、DAP2、3から受信したオーディオデータを増幅装置5に送信する。増幅装置5はクレードル1から受信したオーディオデータを再生(例えば、DA変換および増幅)し、外部に接続された図示しないスピーカーから音声を出力する。
増幅装置5は、ユーザ操作に応じてリモコン送信機6からリモコン信号を受信すると、クレードル1に制御信号(例えば、DAP2又は3を再生開始させる制御信号)を送信する。クレードル1は、増幅装置5から制御信号を受信すると、DAP2又は3を制御する制御信号に変換し、DAP2又は3に送信し、DAP2又は3を制御する。クレードル1は、ユーザ操作に応じて、リモコン送信機7からリモコン信号を受信する、又は、クレードル1に設けられた操作部が操作されると、制御信号をDAP2又は3に送信し、DAP2又は3を制御する。
図2は、クレードル1等のハードウェアを示す概略ブロック図である。図3は、クレードル1の外観図である。クレードル1は、マイコン(スイッチ制御部)1Aと、ホストコントローラ1Bと、スイッチ1Gと、電源部1Iと、リモコン受信部1Jと、操作部1Kと、コネクタ(第1接続部)1Lと、コネクタ(第2接続部)1Mと、デジタルオーディオ出力端子(以下、出力端子という。)1Oと、制御信号入出力端子1Pとを備える。
マイコン1Aは、図示しないメモリに格納されたプログラムに基づいてクレードル1全体を制御する。マイコン1Aは、操作部1Kのユーザ操作、リモコン受信部1Jに入力されるリモコン信号、増幅装置5から受信する制御信号、および、DAP2、3の接続回数等に応じて、スイッチ1Gを切り換え制御する。
マイコン1Aは、DAP2、3が記録する全オーディオファイルのコンテンツ情報の一覧であるコンテンツリストをDAP2、3から取得し、メモリに保存する。コンテンツ情報は、オーディオファイルを特定する特定情報(メタデータ)であり、例えば、曲名、アーティスト名、アルバム名等である。
また、マイコン1Aは、DAP2、3のクレードル1への接続回数(使用頻度)を管理する。マイコン1Aは、クレードル1に接続される複数のDAPの中からクレードル1への接続回数に基づいて、優先的に充電させるDAPを選択する。すなわち、マイコン1Aは、複数のDAPの接続回数を比較し、接続回数が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する。マイコン1Aは、優先的に充電させるDAPをホストコントローラ1Bと接続させ、優先的に充電させるDAPのDAP再生状態に切り換える。従って、接続回数が最大の(使用頻度が最大の)DAPに優先的にホストコントローラ1Bから充電コマンドが供給され、充電させることができる。
図示しないメモリには、図4に示すDAP情報DB(データベース)が格納されている。DAP情報DBは、クレードル1に接続されるDAP毎にクレードル1への接続回数や状態を管理する。DAP情報DBには、DAPの機種情報(例えば、機種番号、シリアル番号等のDAPを一意に特定できる情報)に対応付けて、クレードル1への「接続回数」と、「状態」と、「満充電情報」と、「接続コネクタ」とが登録される。
「状態」には、充電中、接続中および未接続のいずれかが登録される。ホストコントローラ1Bから充電コマンドが供給される1つのDAPのみに対して「充電中」が登録される。「満充電情報」には、状態が充電中又は接続中であるDAPのみに対して、満充電状態であるDAPには○が、未だ満充電状態ではないDAPには×が登録される。「接続コネクタ」には、DAPが接続されているクレードルのコネクタの情報が登録される。
ホストコントローラ1Bは、USB経由でDAP2と通信し、DAP2を制御する。ホストコントローラ1Bは、DAP2に接続されているとき、DAP2に充電コマンドを所定時間間隔で送信し、DAP2にバッテリを充電させる。ホストコントローラ1Bは、USB経由でDAP3と通信し、DAP3を制御する。ホストコントローラ1Bは、DAP3に接続されているとき、DAP3に充電コマンドを所定時間間隔で送信し、DAP3にバッテリを充電させる。
ホストコントローラ1Bは、スイッチ1Gと、出力端子1Oと、マイコン1Aとに接続されている。ホストコントローラ1Bは、DAP2に接続されているとき、マイコン1Aからの制御信号をDAP2に送信し、DAP2を制御する。ホストコントローラ1Bは、DAP2に接続されているとき、DAP2からオーディオデータを受信し、出力端子1Oから増幅装置5に出力する。また、ホストコントローラ1Bは、DAP3に接続されているとき、マイコン1Aからの制御信号をDAP3に送信し、DAP3を制御する。ホストコントローラ1Bは、DAP3に接続されているとき、DAP3からオーディオデータを受信し、出力端子1Oから増幅装置5に出力する。
なお、本発明の構成には必須ではないが、実際の製品の場合には、ホストコントローラ1Bと出力端子1Oとの間には、ホストコントローラ1BからのオーディオデータをSPDIF形式に変換するデジタルオーディオ送信部が設けられるとよい。
スイッチ1Gは、コネクタ1L(すなわち、DAP2)とホストコントローラ1Bとを接続させるか、又は、コネクタ1M(すなわち、DAP3)とホストコントローラ1Bとを接続させるかをマイコン1Aからの指示に基づいて切り換える。スイッチ1Gは、例えば、USB2.0対応高速バススイッチ等が採用される。
電源部1Iは、図3に示す電源コネクタから商用交流電源が供給され、商用交流電源から直流電源電圧を生成し、クレードル1の各部に供給し、かつ、コネクタ1Lを介してDAP2に供給する。DAP2に供給された直流電源電圧は、DAP2がバッテリを充電するために使用される。また、電源部1Iは、直流電源電圧を、コネクタ1Mを介してDAP3に供給する(図示せず)。DAP3に供給された直流電源電圧は、DAP3がバッテリを充電するために使用される。
リモコン受信部1Jは、クレードル1用のリモコン送信機7からリモコン信号を受信し、マイコン1Aに制御信号を供給する。
操作部1Kは、ユーザ操作に基づく指示を受け付けるものである。操作部1Kは、オーディオセレクタスイッチであるDAP2ボタン、DAP3ボタンを含む。DAP2ボタンは、クレードル1がDAP2からのオーディオデータを受信し、出力端子1Oから増幅装置5へと出力する状態(以下、DAP2再生状態という。)に切り換えるためのボタンである。DAP3ボタンは、クレードル1がDAP3からのオーディオデータを受信し、出力端子1Oから増幅装置5へと出力する状態(以下、DAP3再生状態という。)に切り換えるためのボタンである。これらのボタンはリモコン送信機7にも同様に設けられている。
コネクタ1Lは、DAP2のコネクタと接続可能である。コネクタ1Lは、USB端子(データラインD+,D−及び5V電源ラインの各端子)、及び、DAP2から接続検出信号を受信する端子を含む。コネクタ1Lは、マイコン1A、スイッチ1Gおよび電源部1Iに接続されている。
コネクタ1Mは、DAP3のコネクタと接続可能である。コネクタ1Mは、USB端子(データラインD+,D−及び5V電源ラインの各端子)、及び、DAP3から接続検出信号を受信する端子を含む。コネクタ1Mは、マイコン1A、スイッチ1Gおよび電源部1Iに接続されている。
制御信号入出力端子1Pは、マイコン1Aに接続されており、増幅装置5に制御信号ラインを介して接続可能である。増幅装置5は、増幅装置5用のリモコン送信機6からのリモコン信号を受信すると、制御信号を制御信号入出力端子1Pに送信する。制御信号入出力端子1Pは、増幅装置5からの制御信号を受信し、マイコン1Aに供給する。マイコン1Aは、制御信号入出力端子1Pを介して、増幅装置5に制御信号を送信する。
DAP2は、HDD2Aおよび再生部2B等を備える。再生部2Bは、HDDに記録されたコンテンツ(つまり、オーディオファイル)を再生し、クレードル1にオーディオデータを出力する。DAP3は、HDD3Aおよび再生部3B等を備える。再生部3Bは、HDDに記録されたオーディオファイルを再生し、クレードル1にオーディオデータを出力する。DAP2、3およびPC4自体は一般的なものが採用されるとよい。
以上の構成において、3つ以上のDAPがクレードル1に接続可能な場合にも、上記の説明を援用する。
以下、クレードル1の動作を説明する。図5は、DAPがクレードル1に接続されたときのマイコン1Aの処理を示す。マイコン1Aは、コネクタにDAPが接続されたか否かを判断している(S1)。DAPが接続されたか否かは周知の方法によって判断されるとよい。DAPが接続された場合(S1でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Gに、新たに接続されたDAPとホストコントローラ1Bとを接続させる。マイコン1Aは、ホストコントローラ1Bを介して新たに接続されたDAPから機種情報を取得する(S2)。
マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの機種情報がDAP情報DBに登録されているか否か、つまり、以前クレードル1に接続されたことがあるか否かを判断する(S3)。登録されていない場合(S3でNO)、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの機種情報をDAP情報DBに登録し、「接続回数」に1を登録し、「接続コネクタ」に接続されたコネクタの情報を登録する(S5)。一方、登録されている場合(S3でYES)、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて新たに接続されたDAPの「接続回数」を1増加させ、「接続コネクタ」に接続されたコネクタの情報を登録する(S4)。
マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの「接続回数」が、DAP情報DBで「状態」が充電中又は接続中である(つまり、現在クレードル1に接続されている)全てのDAPの「接続回数」以上であるか否かを判断する(S6)。又は、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの「接続回数」が、DAP情報DBで「状態」が充電中又は接続中である全てのDAPの「接続回数」よりも大であるか否かを判断する。
マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの「接続回数」が、DAP情報DBで「状態」が充電中又は接続中である全てのDAPの「接続回数」以上である場合(S6でYES)、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPを優先的に充電させるDAPに選択する(S7)。そして、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、新たに接続されたDAPの「状態」に充電中を登録し、クレードル1に接続されているその他のDAPの「状態」に接続中を登録する(S8)。
一方、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの「接続回数」が、DAP情報DBで「状態」が充電中又は接続中である全てのDAPの「接続回数」以上ではない場合(S6でNO)、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPを優先的に充電させるDAPに選択せず、DAP情報DBにおいて、新たに接続されたDAPの「状態」に接続中を登録する(S9)。
図6は、優先的に充電させるDAPを充電させるマイコン1Aの処理を示す。マイコン1Aは、優先的に充電させるDAP以外のDAPとホストコントローラ1Bとを順次接続させ(S11)、ホストコントローラ1Bを介して優先的に充電させるDAP以外のDAPに停止コマンドを送信する(S12)。従って、優先的に充電させるDAP以外のDAPはオーディオファイルの再生停止状態になる。これにより、優先的に充電させるDAP以外のDAPがオーディオファイルを再生している場合であっても、再生を停止させることができるので、これらのDAPのバッテリの充電レベルの低下が防止される。優先的に充電させるDAP以外のDAPは、オーディオファイルを再生していても、クレードル1を介して増幅装置5にオーディオデータを供給できないからである。
次に、マイコン1Aは、優先的に充電させるDAPとホストコントローラ1Bとを接続させ(S13)、ホストコントローラ1Bを介して優先的に充電させるDAPに再生コマンドを送信する(S14)。従って、優先的に充電させるDAPは、オーディオファイルの再生状態となる。優先的に充電させるDAPからのオーディオデータは、コネクタ、スイッチ1G、ホストコントローラ1Bを介して出力端子1Oから増幅装置5に出力される。
ホストコントローラ1Bは、所定時間間隔で優先的に充電させるDAPに充電コマンドを送信することにより、当該DAPを充電させる(S15)。そして、マイコン1Aは、当該DAPの現在の充電レベルを当該DAPから取得し、メモリに保存する(S16)。そして、マイコン1Aは、当該DAPの充電レベルが最大(例えば、0〜255の場合には255)であるか否か(すなわち、当該DAP2の充電情報が満充電状態であることを示すか否か)を判断する(S17)。当該DAPの充電レベルが最大でなければ(S17でNO)、S15に戻る。つまり、当該DAPの充電レベルが最大になるまで(当該DAPが満充電状態になるまで)、当該DAPの再生状態を継続し、当該DAPに充電コマンドを送信し続けることで、当該DAPを充電させる。
当該DAPの充電レベルが最大になると(S17でYES)、マイコン1Aは、当該DAPが現在再生しているオーディオファイルの再生が終了し、次のオーディオファイルを再生開始するか否かを判断する(S18)。例えば、現在再生しているオーディオファイルの再生が終了する直前に、当該DAPから「現在再生しているオーディオファイルの再生を終了し、次のオーディオファイルを再生開始する」旨の通知が送信される。または、当該DAPから送信されるオーディオデータに、次のオーディオファイルに切り替わることを示す情報(例えば、MP3のヘッダ情報等)が埋め込まれている。
当該DAPが現在再生しているオーディオファイルの再生が終了し、次のオーディオファイルを再生開始することが判断されると(S18でYES)、マイコン1Aは、当該DAPにホストコントローラ1B経由で停止コマンドを送信する(S19)。従って、当該DAPはオーディオファイルの再生を停止する。マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、当該DAPの「満充電情報」を○に変更する(S20)。
マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、「満充電情報」が×のDAPが存在するか否か、つまり、未だ充電完了していないDAPが存在するか否かを判断する(S21)。全てのDAPの「満充電情報」が○であれば(S21でNO)、処理を終了する。一方、「満充電情報」が×のDAPが存在する場合(S21でYES)、DAP情報DBにおいて「満充電情報」が×のDAPの中から「接続回数」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する(S22)。このとき、DAP情報DBにおいて、優先的に充電させるDAPの「状態」を充電中に変更し、クレードル1に接続されているその他のDAPの「状態」を接続中にする。
以上のように、優先的に充電させるDAPの再生状態に移行し、当該DAPを充電させながら、当該DAPからのオーディオデータを増幅装置5に出力する。従って、充電が完了していないDAPの内、接続回数が最大のDAPを優先的に充電させることができる。優先的に充電させるDAPの充電レベルが最大になった後には、充電が完了していないDAPの内、接続回数が最大のDAPを優先的に充電させることができる。また、現在再生中のオーディオファイルが再生終了するタイミングで、優先的に充電させるDAPが切り替わるので、再生されるオーディオファイルが再生途中で切り替わることを防止できる。
なお、図7に示すように、図6の処理のうち、S11、S12、S14、S18、S19を含まなくてもよい。つまり、必ずしも再生コマンドや停止コマンドを送信する必要はない。また、優先的に充電させるDAPが再生中のオーディオファイルが再生終了する際に優先的に充電させるDAPを切り換えるのではなく、優先的に充電させるDAPの充電レベルが最大になると直ぐに優先的に充電させるDAPを切り換えてもよい。
図8は、DAPをクレードルから接続解除する際のマイコン1Aの処理を示す。マイコン1Aは、クレードル1からDAPが接続解除されたか否かを判断している(S31)。接続解除された場合(S31でYES)、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、接続解除されたDAPの「状態」を未接続に変更する(S32)。マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、接続解除されたDAPの「状態」が充電中であったか否かを判断する(S33)。充電中でなければ(S33でNO)、処理を終了する。
充電中であれば(S33でYES)、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、「満充電情報」が×のDAPが存在するか否か、つまり、未だ充電完了していないDAPが存在するか否かを判断する(S34)。「満充電情報」が×のDAPが存在する場合(S34でYES)、マイコン1Aは、「満充電情報」が×のDAPの中から「接続回数」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する(S35)。なお、「接続回数」が最大のDAPが複数存在する場合には、その中の任意のDAP(例えば、接続されているコネクタの番号が小さいDAP、又は、DAP情報DBのより先頭の方に登録されているDAP)が選択されるとよい。そして、マイコン1Aは、優先的に充電させるDAPの「状態」を充電中に変更する(S36)。優先的に充電させるDAPを充電させる処理は図7の通りである。
一方、S34において、「満充電情報」が×のDAPが存在しない場合(S34でNO)、マイコン1Aは、接続されている任意のDAP(例えば、接続されているコネクタの番号が小さいDAP、又は、DAP情報DBのより先頭の方に登録されているDAP)が優先的に充電させるDAPに選択される。そして、マイコン1Aは、優先的に充電させるDAPの「状態」を充電中に変更する(S36)。優先的に充電させるDAPを充電させる処理は図7の通りである。
図9は、クレードル1がスタンバイ状態から電源オン状態に移行する際のマイコン1Aの処理を示す。なお、スタンバイ状態においても、DAP情報DBの情報は消去されずに保存されている。マイコン1Aは、クレードル1がスタンバイ状態から電源オン状態に移行するか否かを判断している(S41)。電源オン状態に移行すると(S41でYES)、マイコン1Aは、現在接続されている全DAPから機種情報を取得する。マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、「状態」が充電中又は接続中であるが、実際にはクレードル1に接続されていないDAPが存在するか否か判断する(S42)。つまりスタンバイ状態の時に接続解除されたDAPが存在するか否かを判断する。存在すれば(S42でYES)、マイコン1Aは、「状態」が充電中又は接続中であるが、実際にはクレードル1に接続されていないDAPの「状態」を未接続に変更する(S43)。
続いて、マイコン1Aは、クレードル1に接続されているDAPの中でDAP情報DBの「状態」が未接続のDAP、又は、DAP情報DBに機種情報が登録されていないDAPが存在するか否かを判断する(S44)。つまりスタンバイ状態の時に接続されたDAPが存在するか否かを判断する。存在しなければ(S44でNO)、S48に進む。存在する場合(S44でYES)、マイコン1Aは、DAP情報DBに機種情報が登録されているか否かを判断する(S45)。登録されていれば(S45でYES)、マイコン1Aは、DAP状態DBの「接続回数」を1増加させ、「接続コネクタ」に接続されているコネクタの情報を登録する(S46)。登録されていない場合(S45でNO)、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの機種情報をDAP情報DBに登録し、「接続回数」に1を登録し、「接続コネクタ」に接続されたコネクタの情報を登録する(S47)。なお、S45〜S47の処理は、S44でYESと判断された全てのDAPについて実行される。
続いて、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、「接続回数」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する(S48)。このとき、必要に応じて、「満充電情報」が○のDAPを除き、「満充電情報」が×のDAPの中から「接続回数」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択するとよい。そして、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、優先的に充電させるDAPの「状態」を充電中に変更し、接続されている優先的に充電させるDAP以外の「状態」を接続中にする(S49)。なお、優先的に充電させるDAPを充電する処理を図6の通りである。
なお、クレードル1がスタンバイ状態の時にもマイコン1AがDAPの接続および接続解除に応じてDAP情報DBを更新できる場合には、S42〜S46の処理は省略される。
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。本例では、上記実施形態において、DAP情報DBの「接続回数」が現在から所定期間前までの接続回数のみが記憶され、それ以前の接続回数は考慮されない。例えば、図10に示すように、現在が2010年である場合、2010年の接続回数と、2009年の接続回数と、2008年の接続回数とが登録され、その合計の接続回数が登録されている。合計の接続回数が最大のDAPが優先的に充電させるDAPに選択される。なお、2011年になると、2011年の接続回数と、2010年の接続回数と、2009年の接続回数とが登録され、その合計の接続回数が登録されるようになり、2008年の接続回数は消去される。このように現在から所定期間前までの接続回数によって優先的に充電させるDAPを選択することによって、過去頻繁に使用したが現在はあまり使用されていないDAPが、優先的に使用されるDAPに選択されることを防止できる。
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、接続回数の代わりにDAPが格納しているコンテンツ数(つまり、オーディオファイルの数)に基づいて、コンテンツ数が最大のDAPが頻繁に使用されるDAPとして優先的に充電させるDAPに選択される。図11は、本例のDAP情報DBを示す図である。DAP情報DBは、接続回数に代えてDAPがHDDに格納するコンテンツの数を登録可能である。
図12は、DAPがクレードル1に接続されたときのマイコン1Aの処理を示し、図5と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S2では、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPから機種情報に加えて、当該DAPが格納するコンテンツの数の情報を取得する。S3でYESと判断された場合、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて新たに接続されたDAPの「コンテンツ数」を登録する(S51)。一方、S3でNOと判断された場合、マイコン1Aは、DAP情報DBに新たに接続されたDAPの機種情報を登録し、新たに接続されたDAPの「コンテンツ数」を登録する(S52)。
続いて、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの「コンテンツ数」が、DAP情報DBで「状態」が充電中又は接続中である(つまり、現在クレードル1に接続されている)全てのDAPの「コンテンツ数」以上であるか否かを判断する(S53)。又は、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの「コンテンツ数」が、DAP情報DBで「状態」が充電中又は接続中である全てのDAPの「コンテンツ数」よりも大であるか否かを判断する。その他の処理は、図5と同じである。
図13は、優先的に充電させるDAPを充電させるマイコン1Aの処理を示し、図6と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S21でYESの場合、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて「満充電情報」が×のDAPの中から「コンテンツ数」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する(S61)。このとき、DAP情報DBにおいて、優先的に充電させるDAPの「状態」を充電中に変更し、クレードル1に接続されているその他のDAPの「状態」を接続中にする。その他の処理は、図6と同じである。なお、図14は、図13から特に必要ではない処理を省略した処理であり、図7の処理に対応している。
図15は、DAPをクレードルから接続解除する際のマイコン1Aの処理を示し、図8と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S34でYESの場合、マイコン1Aは、「満充電情報」が×のDAPの中から「コンテンツ数」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する(S81)。その他の処理は、図8と同じである。
図16は、クレードル1がスタンバイ状態から電源オン状態に移行する際のマイコン1Aの処理を示し、図9と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S45でYESの場合、マイコン1Aは、DAP状態DBの「コンテンツ数」を登録し、「接続コネクタ」に接続されているコネクタの情報を登録する(S91)。S45でNOの場合、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPの機種情報をDAP情報DBに登録し、「コンテンツ数」を登録し、「接続コネクタ」に接続されたコネクタの情報を登録する(S92)。なお、S45、S91、S92の処理は、S44でYESと判断された全てのDAPについて実行される。
続いて、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて、「コンテンツ数」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する(S93)。このとき、必要に応じて、「満充電情報」が○のDAPを除き、「満充電情報」が×のDAPの中から「接続回数」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択するとよい。
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、コンテンツ再生装置は、DAP以外に携帯電話や携帯ゲーム機等の様々な製品カテゴリのものが適用される。そして、接続回数の代わりにコンテンツ再生装置の製品カテゴリに基づいて、製品カテゴリの優先順位が高いコンテンツ再生装置が優先的に充電させるコンテンツ再生装置に選択される。図17は、本例のコンテンツ再生装置情報DBを示す図である。コンテンツ再生装置情報DBは、接続回数に代えてコンテンツ再生装置の製品カテゴリを登録可能である。図18は、製品カテゴリの優先順位を示す表であり、図示しないメモリに格納されている。製品カテゴリの優先順位は、予め定められていてもよく、ユーザ操作によって変更可能であってもよい。
図19は、コンテンツ再生装置がクレードル1に接続されたときのマイコン1Aの処理を示し、図5と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S2では、マイコン1Aは、新たに接続されたコンテンツ再生装置から機種情報に加えて、当該コンテンツ再生装置の製品カテゴリを取得する。なお、機種情報から製品カテゴリを特定できる場合には、機種情報のみで足りる。S3でYESと判断された場合、マイコン1Aは、コンテンツ再生装置情報DBにおいて新たに接続されたコンテンツ再生装置の「製品カテゴリ」を登録する(S101)。一方、S3でNOと判断された場合、マイコン1Aは、コンテンツ再生装置情報DBに、新たに接続されたコンテンツ再生装置の機種情報および製品カテゴリを登録する(S102)。
続いて、マイコン1Aは、新たに接続されたコンテンツ再生装置の「製品カテゴリ」の優先順位が、コンテンツ再生装置情報DBで「状態」が充電中又は接続中である(つまり、現在クレードル1に接続されている)全てのコンテンツ再生装置の「製品カテゴリ」の優先順位以上であるか否かを判断する(S103)。又は、マイコン1Aは、新たに接続されたコンテンツ再生装置の「製品カテゴリ」の優先順位が、コンテンツ再生装置情報DBで「状態」が充電中又は接続中である全てのコンテンツ再生装置の「製品カテゴリ」の優先順位よりも大であるか否かを判断する。その他の処理は、図5と同じである。
図20は、優先的に充電させるコンテンツ再生装置を充電させるマイコン1Aの処理を示し、図6と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S21でYESの場合、マイコン1Aは、コンテンツ再生装置情報DBにおいて「満充電情報」が×のコンテンツ再生装置の中から「製品カテゴリ」の優先順位が最大のコンテンツ再生装置を優先的に充電させるDAPに選択する(S111)。このとき、コンテンツ再生装置情報DBにおいて、優先的に充電させるコンテンツ再生装置の「状態」を充電中に変更し、クレードル1に接続されているその他のコンテンツ再生装置の「状態」を接続中にする。その他の処理は、図6と同じである。なお、図21は、図20から特に必要ではない処理を省略した処理であり、図7の処理に対応している。
図22は、コンテンツ再生装置をクレードル1から接続解除する際のマイコン1Aの処理を示し、図8と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S34でYESの場合、マイコン1Aは、「満充電情報」が×のコンテンツ再生装置の中から「製品カテゴリ」の優先順位が最大のコンテンツ再生装置を優先的に充電させるコンテンツ再生装置に選択する(S121)。その他の処理は、図8と同じである。
図23は、クレードル1がスタンバイ状態から電源オン状態に移行する際のマイコン1Aの処理を示し、図9と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S45でYESの場合、マイコン1Aは、コンテンツ再生装置状態DBの「製品カテゴリ」を登録し、「接続コネクタ」に接続されているコネクタの情報を登録する(S131)。S45でNOの場合、マイコン1Aは、新たに接続されたコンテンツ再生装置の機種情報をコンテンツ再生装置情報DBに登録し、「製品カテゴリ」を登録し、「接続コネクタ」に接続されたコネクタの情報を登録する(S132)。なお、S45、S131、S132の処理は、S44でYESと判断された全てのコンテンツ再生装置について実行される。
続いて、マイコン1Aは、コンテンツ再生装置情報DBにおいて、「製品カテゴリ」の優先順位が最大のコンテンツ再生装置を優先的に充電させるコンテンツ再生装置に選択する(S133)。このとき、必要に応じて、「満充電情報」が○のコンテンツ再生装置を除き、「満充電情報」が×のDAPの中から「製品カテゴリ」の優先順位が最大のコンテンツ再生装置を優先的に充電させるコンテンツ再生装置に選択するとよい。
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、接続回数の代わりにDAPの充電レベルに基づいて、優先的に充電させるDAPが選択される。詳細には、DAPのクレードルへの接続時の充電レベルと、DAPの現在の充電レベルとの差分が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する。充電レベルは、DAPのバッテリの充電量を示す値であり、例えば、0〜100の数値で表される。つまり、0が全く充電されていない状態を示し、100が満充電状態を示す。図24は、本例のDAP情報DBを示す図である。DAP情報DBは、接続回数に代えて現在の充電レベルと、接続時の充電レベルと、現在の充電レベルと接続時の充電レベルとの差分値(特に限定されないが絶対値)を登録可能である。従って、マイコン1Aはホストコントローラ1Bに定期的に各DAPから充電レベルを取得させ、DAP情報DBの「現在の充電レベル」と「充電レベルの差分」とを更新する。
図25は、DAPがクレードル1に接続されたときのマイコン1Aの処理を示し、図5と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S2では、マイコン1Aは、新たに接続されたDAPから機種情報に加えて、当該DAPの充電レベルを取得する。S3でYESと判断された場合、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて新たに接続されたDAPの充電レベルを、「現在の充電レベル」と「接続時の充電レベル」とに登録し、「充電レベルの差分」に0を登録する(S141)。一方、S3でNOと判断された場合、マイコン1Aは、DAP情報DBに新たに接続されたDAPの機種情報を登録し、新たに接続されたDAPの充電レベルを、「現在の充電レベル」と「接続時の充電レベル」とに登録し、「充電レベルの差分」に0を登録する(S142)。
図26は、優先的に充電させるDAPを充電させるマイコン1Aの処理を示し、図6と同じ処理には同じ符号を付し、説明を援用する。S21でYESの場合、マイコン1Aは、DAP情報DBにおいて「満充電情報」が×のDAPの中から「充電レベルの差分」が最大のDAPを優先的に充電させるDAPに選択する(S151)。なお、その他の処理は上記の実施形態の説明を援用する。
図27は、本発明の別の好ましい実施形態によるクレードル101のハードウェア構成を示す図である。このクレードル101は、PC4がUSB端子1Nに接続可能であり、DAP2とPC4とが接続されたとき、PC4のホストコントローラ4AからDAP2に充電コマンドを送信でき、DAP3とPC4とが接続されたとき、PC4のホストコントローラ4AからDAP3に充電コマンドを送信できる。このクレードル101において、PC4がUSB端子1Nに接続されていない場合にも、図2のクレードル1と同様に、DAP2の充電レベルとDAP3の充電レベルとを比較し、充電レベルの低い方のDAPを優先的に充電させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。オーディオデータの代わりに映像データや静止画データでもよく、これらを総称してコンテンツデータという。コンテンツデータを所定フォーマットでエンコードしたものをコンテンツファイルという。接続回数が多いDAPを優先的に充電させるのではなく、接続回数が少ないDAPを優先的に充電させてもよい。コンテンツ数が多いDAPを優先的に充電させるのではなく、コンテンツ数が少ないDAPを優先的に充電させてもよい。現在の充電レベルと接続時の充電レベルとの差分が最大のDAPを優先的に充電させるのではなく、差分が最小のDAPを優先的に充電させてもよい。現在の充電レベルが最大のDAPを優先的に充電させてもよく、現在の充電レベルが最小のDAPを優先的に充電させてもよく、接続時の充電レベルが最大のDAPを優先的に充電させてもよく、接続時の充電レベルが最小のDAPを優先的に充電させてもよい。これらを総称して、「DAPの充電レベルに基づいて、優先的に充電させるDAPを選択する」と定義する。本発明のクレードルは、増幅装置5に内蔵されていてもよく、PCに内蔵されていてもよい。また、本発明は、上記のクレードルや増幅装置の動作をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムという形態で提供することもできる。携帯型コンテンツ再生装置は、携帯電話、ポータブルカーナビ、ポータブルTV、ポータブルCDプレーヤ、携帯ゲーム機等でもよい。