[第1の実施形態]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。パチンコ遊技機1は、本実施形態では、1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機として構成されている。図1及び図2に示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
また、皿28と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、皿28の下面の一部が開口されて、皿28に溜まった遊技球が皿28の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜める上皿と、賞球を溜める下皿との2つの皿によって構成されてもよい。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、上記電動チューリップ17、特定入賞口19、及び羽根部材90が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、普通入賞口14などに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が皿28に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、すなわち1種大当たりが発生した場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。なお、第2特別図柄判定の結果が小当たりであることを示す所定の小当たり図柄が表示器4に停止表示されると、後述する羽根部材90を開放する小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中には、V入賞口92(図4参照)が一時的に開放され、この間にV入賞口92に遊技球が入賞することで2種大当たりが発生する。大入賞口13は、このように2種大当たりが発生した場合にも開放される。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が入賞し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が入賞し易い状態となる。なお、以下の説明では、遊技球がゲート16を通過したことを条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
後述するメイン液晶表示装置5の前面側には、特別図柄判定の結果に応じて一時的に開放される特定領域9が設けられている。この特定領域9については、図4に基づいて後に詳述する。
図1に示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、メイン液晶表示装置5、サブ液晶表示装置6、ロゴ役物7、スピーカ24、及び枠ランプ25が設けられている。
メイン液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。メイン液晶表示装置5には、例えば、特別図柄判定の結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留表示画像等が表示される。
サブ液晶表示装置6は、演出画像を表示する画像表示装置であり、メイン液晶表示装置5の上方に設けられている。サブ液晶表示装置6としては、メイン液晶表示装置5に比べて表示画面が小さいものが用いられ、主に、メイン液晶表示装置5で行われる演出に関連する演出を行うために使用される。
なお、本実施形態では、メイン液晶表示装置5及びサブ液晶表示装置6が共に液晶表示装置によって構成されている場合について説明するが、これらの両方又はどちらか一方が例えばEL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。また、メイン液晶表示装置5のみを備えていてもよい。
ロゴ役物7は、サブ液晶表示装置6に対して可動に構成されており、サブ液晶表示装置6に遊技者の視線を誘導することを目的として、サブ液晶表示装置6において演出が行われるのに先立って振動するように動作する。
スピーカ24は、メイン液晶表示装置5又はサブ液晶表示装置6で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ25は、発光色や発光パターン、光の放射方向を変化させることによって光による演出を行う。
[パチンコ遊技機1の入力手段の構成例]
枠部材3には、遊技者によって操作される演出ボタン26及び演出キー27が皿28に近接して設けられている(図2参照)。
演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26の操作を促す所定の演出画像をメイン液晶表示装置5に表示させることにより、遊技者に対して演出ボタン26の操作を促す報知演出が行われる場合がある。この報知演出は、演出ボタン26の操作が有効になる有効期間中に行われる。これに対して、遊技者が演出ボタン26を押下することにより、メイン液晶表示装置5において、その押下に応じた所定の演出変化が発生する。
一方、パチンコ遊技機1では、上記報知演出が行われていない場合でも演出ボタン26の操作が有効になる有効期間があり、この有効期間中に遊技者が演出ボタン26を押下することにより、メイン液晶表示装置5においてその押下に応じた所定の演出変化が発生する。
なお、以下の説明では、演出ボタン26の操作を促す報知演出が行われる有効期間を「第1の有効期間」と呼び、演出ボタン26の操作を促す報知演出が行われない有効期間を「第2の有効期間」と呼び、これらを総称して「有効期間」と呼ぶものとする。また、第1の有効期間中に演出ボタン26が操作されたことに応じて発生する演出変化を「第1の演出変化」と呼び、第2の有効期間中に演出ボタン26が操作されたことに応じて発生する演出変化を「第2の演出変化」と呼び、これらを総称して「有効期間」と呼ぶものとする。
図2には示されていないが、演出ボタン26には、演出ボタン26を発光させるボタンランプ261(図11参照)が内蔵されている。このボタンランプ261は、演出ボタン26の有効期間中であることを暗示するものであり、有効期間中に発光する一方で、有効期間中ではないときには発光しない。
演出キー27は、図2に示されるように、中央キーと中央キーの周辺に配置された4つの周辺キーとを有して構成されている。中央キーは、決定ボタンとして機能するものである。周辺キーは、遊技者が選択操作を行うためのものであり、遊技者が4つの周辺キーのいずれかを押下することによって、上下左右のいずれかの方向を選択したり、メイン液晶表示装置5に表示された複数の選択肢の中からいずれかを選択したりすることができる。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器41には、第1特別図柄判定の結果が「大当たり」(1種大当たり)であることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器42には、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」(1種大当たり)であることを示す大当たり図柄、第2特別図柄判定の結果が小当たりであることを示す小当たり図柄、又は第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中、後述する小当たり遊技中に第1始動口11に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、第1始動口11に遊技球が入賞しても即座に第1特別図柄判定を実行できない場合に、第1特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第1特別図柄保留表示器43は、このようにして保留された第1特別図柄判定の保留数を表示する。
なお、パチンコ遊技機1では、第2始動口12に遊技球が入賞しても第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行できない場合、すなわち特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中、小当たり遊技中に第2始動口12に新たに遊技球が入賞した場合には、第2特別図柄判定は実行されず、また、第2特別図柄判定の権利が保留されることもない。このため、表示器4には、第2特別図柄判定の保留数を表示する表示器は設けられていない。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器45における図柄の変動表示中など、遊技球がゲート16を通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器46は、このようして保留された普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。パチンコ遊技機1の遊技状態については、図5に基づいて後に詳述する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[特定領域9の構成例]
図4は、特定領域9の内部構造を示す模式図である。図4における鉛直方向34及び幅方向35は、図1における鉛直方向34及び幅方向35と対応している。特定領域9は、小当たりが発生することによって遊技球が進入可能に開放される領域であり、その入口である特定入賞口19には、特定入賞口19を開閉する羽根部材90が設けられている。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄が判定図柄として停止表示されると、1種大当たりとなって大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技は、所定条件(例えば大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は大入賞口13が開放されてから29秒が経過)を満たすまで大入賞口13を開放した状態を維持した後に大入賞口13を閉塞する長開放ラウンド遊技を規定回数実行するものである。
一方、第2特別図柄表示器42に第2特別図柄判定の結果が「小当たり」であることを示す小当たり図柄が判定図柄として停止表示されると、羽根部材90を作動させて特定領域9を開放する小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技では、特定領域9を開放してから所定時間(例えば3.2秒)が経過するまで特定領域9を開放した状態を維持した後に特定領域9を閉塞する羽根部材90の動作が規定回数(例えば1回)実行される。このように、小当たりが発生することで、特定領域9への遊技球の進入が可能になる。
図4に示されるように、特定領域9には、案内部材91、V入賞口92、ハズレ入賞口93、及びスライド部材94が設けられている。案内部材91は、特定入賞口19から特定領域9に進入した遊技球をV入賞口92又はハズレ入賞口93へと案内するものである。V入賞口92又はハズレ入賞口93に遊技球が入賞した場合、所定数の賞球が払い出される。ハズレ入賞口93が常時開放されているのに対して、V入賞口92は、通常はスライド部材94によって閉塞されており、特定入賞口19が開放された後の所定期間だけ開放される。具体的には、本実施形態では、特定入賞口19が開放されてから例えば0.5秒後にスライド部材94がスライドしてV入賞口92が開放され、V入賞口92の開放から0.2秒が経過するとスライド部材94が図3に示される元の位置に戻ってV入賞口92が閉塞される。そして、このV入賞口92の開放期間にV入賞口92に遊技球が入賞(V入賞)することで2種大当たりが発生し、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が実行される。なお、V入賞口92の開放期間中に遊技球がV入賞口92に入賞しなかった場合、小当たり遊技に続く大当たり遊技は行われない。
なお、本実施形態では、V入賞口92がスライド部材94によって開閉される場合について説明するが、パチンコ遊技機1の奥行方向を軸方向として回動する羽根部材によってV入賞口92を開閉するようにしてもよい。また、1回の小当たり遊技中の羽根部材90の動作パターン(特定入賞口19を開放する時間及び回数)等も適宜変更可能である。
[遊技状態の変化の説明]
次に、図5を参照しつつ、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。ここで、図5は、大当たりと遊技状態について説明するための説明図である。図5に示されるように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」又は「時短遊技状態」にて遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、いわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。「通常遊技状態」は、具体的には、第2始動口12を開放すると普通図柄判定において判定される割合が相対的に低い割合(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される遊技状態である。
「時短遊技状態」は、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。「時短遊技状態」は、具体的には、第2始動口12を開放すると普通図柄判定において判定される割合が相対的に高い割合(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば0.3秒×5回)に設定される遊技状態である。すなわち、「時短遊技状態」は、通常遊技状態に比べて、第2始動口12が開放状態に制御され易い遊技状態である。
遊技盤2の盤面構成上、遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球は第1始動口11に入賞可能であるのに対して、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞することはない。また、「通常遊技状態」のときには第2始動口12は開放状態になり難い。このため、「通常遊技状態」のときに右打ちを行うメリットはない。このように、「通常遊技状態」は、遊技球を遊技領域10の左側領域に打ち出した方が右側領域に打ち出すよりも「大当たり」を引き当て易い左側有利状態であるため、遊技者は、メイン液晶表示装置5に表示されるメッセージやスピーカ24から出力される音声ガイダンスに従って左打ちを行うことになる。
「通常遊技状態」のときに遊技者が左打ちを行って遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞すると、第1特別図柄判定が行われ、第1特別図柄表示器41に特別図柄が変動表示された後にその第1特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第1特別図柄判定によって1種大当たりと判定された場合には第1特別図柄表示器41にその旨を示す大当たり図柄が停止表示され、大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。そして、この大当たり遊技開始時に第1特別図柄表示器41に停止表示されていた大当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技終了時に遊技状態が時短遊技状態又は通常遊技状態に設定される。
遊技状態が「時短遊技状態」に移行すると、「通常遊技状態」のときに比べて第2始動口12が開放状態になり易くなる。その上、第2始動口12に遊技球が入賞することを条件として実行される第2特別図柄判定の判定結果の大半が小当たりとなるため、2種大当たりが発生し易い。このように、「時短遊技状態」は、遊技球を遊技領域10の右側領域に打ち出した方が左側領域に打ち出すよりも「大当たり」を引き当て易い右側有利状態であるため、遊技者は、メイン液晶表示装置5に表示されるメッセージやスピーカ24から出力される音声ガイダンスに従って右打ちを行うことになる。
「時短遊技状態」のときに遊技者が右打ちを行って遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球がゲート16を通過すると、普通図柄判定が行われる。「時短遊技状態」のときに普通図柄判定が行われて第2始動口12を開放すると判定された場合、第2始動口12の開放時間が「通常遊技状態」のときに比べて長いので、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球は、第2始動口12に容易に入賞する。
「時短遊技状態」において、特別図柄が変動表示されておらず、且つ大当たり遊技中や小当たり遊技中ではないときに第2始動口12に遊技球が入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第2特別図柄判定によって小当たりと判定された場合には第2特別図柄表示器42にその旨を示す小当たり図柄が停止表示され、特定領域9及びV入賞口92を一時的に開放する小当たり遊技が実行され、この小当たり遊技中に遊技球がV入賞口92に入賞することで2種大当たりとなって、当該小当たり遊技に続いて大当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技のときに第2特別図柄表示器42に停止表示されていた小当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技終了時に遊技状態が時短遊技状態又は通常遊技状態に設定される。これに対して、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には小当たり遊技が行われることなく大当たり遊技が行われ、「ハズレ」である場合には小当たり遊技も大当たり遊技も行われない。そして、「ハズレ」の場合には遊技状態が変化しないのに対して、大当たり遊技が行われた場合には、第1特別図柄判定の結果が「大当たり」となって大当たり遊技が行われた場合と同様に、その後の遊技状態が時短遊技状態又は通常遊技状態に設定される。
なお、詳細な説明は省略するが、「時短遊技状態」において例えば100回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりが発生しなかった場合には、遊技状態が「時短遊技状態」から「通常遊技状態」に戻されることになる。
[遊技システムの構成例]
以下、図6を参照しつつ、遊技システムの構成について説明する。ここで、図6は、インターネットを介した携帯通信端末300とサーバ500との遊技システムの構成例を示すシステム構成図である。
パチンコ遊技機1で遊技を行っている遊技者が所持する携帯通信端末300は、インターネットを介して、パチンコ遊技機1で行われた遊技の遊技履歴を記憶するサーバ500にアクセス可能である。ここで、「遊技履歴」は、特別図柄判定の判定結果、特別図柄の変動回数、大当たり回数、遊技状態が変更されることなく大当たりが連続して行われた回数(連チャン回数)、パチンコ遊技機1における遊技によって溜まったポイント等の様々な遊技に関する履歴を示すものであるが、ポイントを含んでいれば必ずしもこれらすべての情報を含んでいる必要はなく、一部の情報のみを含むものであってもよい。
パチンコ遊技機1に対して遊技者によって所定の遊技開始操作が行われると、そのパチンコ遊技機1において遊技の履歴を示す遊技履歴情報の蓄積が開始される。そして、パチンコ遊技機1に対して遊技者によって所定の遊技終了操作が行われると、遊技開始操作が行われてから遊技終了操作が行われるまでの間に蓄積された遊技履歴情報とサーバ500にアクセスするためのアドレス(いわゆるホームページのアドレス)とに基づいてQRコード(登録商標)が生成され、生成されたQRコードがメイン液晶表示装置5に表示される。
携帯通信端末300は、例えばQRコードを読み取り可能なカメラ付き携帯電話であり、メイン液晶表示装置5に表示されたQRコードを読み取り、サーバ500にアクセスする。
これに対して、サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、携帯通信端末300から遊技履歴情報を取得してその遊技履歴情報を記憶することになる。より詳細には、サーバ500は、携帯通信端末300の端末固有情報(例えば、携帯電話等であればユーザーID、以下「UID」という)を携帯通信端末300から受信し、端末固有情報毎に登録処理又は認証処理を行い、認証処理に成功すると、携帯通信端末300から受信した遊技履歴情報を記憶する。これらの処理の概念については、図7の遊技システムのシーケンスに基づいて後述する。
なお、サーバ500は、遊技者の遊技履歴情報を携帯通信端末300の画面に表示させるためのWEBサーバ501と、遊技者の登録処理及び認証処理を行うアプリケーションサーバ502と、遊技者の遊技履歴情報を記憶するデータベースサーバ503とから構成されている。なお、本実施形態ではサーバ500を3つのサーバから構成しているが、サーバ500を1つのサーバで構成したり、サーバ500に他の機能を有するサーバを含ませたりしてもよい。
[遊技システムにおけるシーケンス]
次に、図7を参照しつつ、図6で説明した遊技システムにおけるシーケンスについて説明する。ここで、図7は、遊技システムのシーケンスを示す図である。なお、図7において、左列は遊技者の行為又は遊技者が所持する携帯通信端末300が実行する処理を例示し、中央列はパチンコ遊技機1が実行する処理を例示し、右列はサーバ500が実行する処理を例示している。
携帯通信端末300を所持する遊技者は、パチンコ遊技機1における遊技を開始するに際して、演出キー27を用いて所定の遊技開始操作を行う。
所定の遊技開始操作が行われると、パチンコ遊技機1は、パチンコ遊技機1内に記憶している遊技履歴情報をクリアし(ステップS401)、第1QRコードを生成してメイン液晶表示装置5に表示する(ステップS402)。そして、遊技履歴情報の蓄積を許可する(ステップS403)。
これに対して、遊技者は、メイン液晶表示装置5に表示された第1QRコードを携帯通信端末300で読み取り、サーバ500にアクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300の端末固有情報(UID)、第1QRコードに含まれたパチンコ遊技機1の識別コード(QR識別カウンタ)を携帯通信端末300から取得し、取得した端末固有情報及び識別コードを登録するQR登録処理を行う(ステップS501)。そして、QR登録処理の結果を携帯通信端末300に表示させるための表示処理を実行する(ステップS502)。具体的には、QR登録処理における登録に成功すると成功した旨を報知する成功画像データを携帯通信端末300に送信し、QR登録処理における登録に失敗すると失敗した旨を報知する失敗画像データを携帯通信端末300に送信する。
遊技者は、携帯通信端末300に成功画像データが表示されたことを確認してから、ハンドル20を回転させて遊技を開始する。これに対して、パチンコ遊技機1は、特別図柄判定、特別図柄の変動表示、大当たり遊技、各種演出などの遊技処理を行う(ステップS404)。パチンコ遊技機1は、遊技開始操作が行われてから遊技終了操作が行われるまでの間、上記ステップS404の遊技処理に応じた遊技履歴情報を蓄積していく(ステップS405)。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、後述する画像音響制御基板140が備える制御用RAM143(図11参照)に遊技履歴情報が蓄積される。
遊技者は、遊技をやめるに際して、パチンコ遊技機1に対して演出キー27を用いて所定の遊技終了操作を行う。
遊技者による遊技終了操作が行われると、パチンコ遊技機1は、制御用RAM143に記憶されている遊技履歴情報をコード化した第2QRコードを生成し、生成した第2QRコードをメイン液晶表示装置5に表示させる(ステップS406)。
メイン液晶表示装置5に第2QRコードが表示されると、遊技者は、携帯通信端末300を用いてその第2QRコードを読み取り、サーバ500に再びアクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300から再びアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300からその端末固有情報、第2QRコードに含まれたパチンコ遊技機1の識別コードを新たに取得し、取得した端末固有情報及び識別コードが上記ステップS501の処理で登録された端末固有情報及びパチンコ遊技機1の識別コードに対応するものであるか否かを認証する(ステップS503)。そして、この認証処理における認証に成功すると、第2QRコードに含まれていた遊技履歴情報をデータベースサーバ503に蓄積する(ステップS504)。ここで、認証処理における認証に成功したときには、遊技者の遊技履歴情報を携帯通信端末300に表示させるために、遊技履歴情報に基づいて生成した遊技履歴画像データを携帯通信端末300に送信する(ステップS505)。一方、認証処理における認証に失敗したときには、認証に失敗した旨を携帯通信端末300に表示させるためのエラー画像データを携帯通信端末300に送信する。
また、遊技者は、これまでの遊技履歴情報を確認したいときには、サーバ500に直接アクセスする。
サーバ500は、携帯通信端末300からのアクセスがあると、アクセスしてきた携帯通信端末300の端末固有情報を取得し、取得した端末固有情報がデータベースに登録されているか否かの認証を行う(ステップS506)。そして、既にデータベースに登録されている端末固有情報である場合には、その端末固有情報に対応する遊技履歴情報を表示するための遊技履歴画像データを携帯通信端末300に送信する(ステップS507)。
ここまで、遊技システムにおけるシーケンスの一例について説明したが、遊技システムにおけるシーケンスはここで説明したものに限定されるものではなく、遊技履歴情報をサーバ500に適切に蓄積することができれば、他のシーケンスで遊技履歴情報を蓄積するようにしてもよい。
[ボタン操作に関する各種演出の説明]
次に、図8〜図10を参照しつつ、演出ボタン26のボタン操作に関する各種演出について説明する。ここで、図8は、遊技者にボタン操作を促す報知が行われる第1の有効期間において行われる演出の一例について説明するための説明図である。図9は、遊技者にボタン操作を促す報知が行われない第2の有効期間において行われる演出の一例について説明するための説明図である。図10は、有効期間中に行われるボタン操作に関する各種演出の実行タイミングを例示したタイムチャートである。
上述した第1の有効期間になると、遊技者に演出ボタン26の押下を促す報知演出及び第1の有効期間中であることを暗示する暗示演出が開始される。具体的には、報知演出として、例えば、演出ボタン26を示すボタン画像と、演出ボタン26の連打を促す文言と、演出ボタン26の操作が可能な残り時間を報知するゲージ画像とを含む報知演出画像がメイン液晶表示装置5に表示される。そして、これに伴い、暗示演出として、有効期間中でないときには基本的に発光していないボタンランプ261が発光する(図8(A)及び図10(A)参照)。このように、第1の有効期間になると報知演出及び暗示演出の両方が行われるので、遊技者は、演出ボタン26を押下した場合にその押下操作が有効になることを明確に認識することが可能である。
報知演出が行われているときにその報知演出に従って遊技者が演出ボタン26を連打すると、その連打操作に応じて、例えばメイン液晶表示装置5に表示されている演出画像の周縁部におけるエフェクトの色が次第に変化していくといった第1の演出変化が発生する(図8(B)参照)。そして、第1の有効期間が終了すると、例えば、大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行する大当たりとなったことを報知する演出が行われる(図8(C)参照)。このように、第1の有効期間の開始から第1の有効期間の終了後にわたって関連性のある一連の演出変化を発生させることにより、あたかも自身のボタン操作によって大当たりを引き当てたかのような好ましい感覚を遊技者に与えることができる。
なお、第1の有効期間中に演出ボタン26が一度も押下されなかった場合には、図8(B)に例示したような第1の演出変化は発生せず(図10(A)参照)、図8(A)に例示されるような報知演出が第1の有効期間が終了するまで継続した後に、図8(C)に示される演出表示が行われる。
また、ここでは第1の有効期間中に遊技者に演出ボタン26を連打させる場合について説明したが、第1の有効期間中に遊技者に演出ボタン26の押下を1回だけ行わせる場合もある。このような場合、報知演出として、「連打」ではなく例えば「一撃」といった文言を含む報知演出画像が表示され、演出ボタン26が1回でも押下されると報知演出画像が画面から消去されて通常の演出画像のみの表示となる。そして、このような1回のボタン操作が行われた場合には、例えば、いわゆるカットインと呼ばれる特定の演出画像をボタン操作前に表示されている演出画像に重畳表示させるといった第1の演出変化が発生する。
ところで、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技を行っている際には、遊技領域10を流下する遊技球やメイン液晶表示装置5における画像表示を見ながら遊技を行うため、報知演出画像をメイン液晶表示装置5に表示させることにより、第1の有効期間になったことを遊技者に効果的に認識させることが可能である。これに対して、第2の有効期間はいわゆる「裏ボタン」の有効期間であるため、第2の有効期間中には、第1の有効期間中と同様にボタンランプ261は発光するものの、報知演出は行われない。これに対して、遊技者は大抵の場合、遊技領域10やメイン液晶表示装置5を注視しているため、たとえボタンランプ261が発光していたとしても「裏ボタン」の有効期間である第2の有効期間になったことに気付き難い。このため、裏ボタン操作が有効になるタイミングを事前に把握している遊技者しか、裏ボタン操作を容易に行うことができないといった問題が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、このような問題が生じるのを抑制するために、第2の有効期間中に演出ボタン26が操作された場合に発生するのと同じ第2の演出変化を発生させて、裏ボタン操作が可能であることを遊技者に示唆することとしている。
具体的には、例えば第2の有効期間中に遊技者が演出ボタン26を押下する毎にポイントを1ポイントずつ獲得できるといった第2の演出変化が発生するといった構成において、第2の有効期間が始まると、演出ボタン26が1回押下された場合に発生するのと同じ第2の演出変化を発生させる(図9(A)及び(B)参照)。図9(A)及び(B)には、自転車に乗ったキャラクタが「1PT」(1ポイント)の文字を含むハートを獲得してそのハートが上空に昇っていく様子が示されている。
そして、図9(A)及び(B)に示される第2の演出変化が発生した後も所定時間は第2の有効期間が継続するため、演出ボタン26が連続して押下された場合には、第2の有効期間が始まる際に自動的に発生したのと同じ第2の演出変化が、押下回数だけ発生することになる(図9(C)参照)。一方、自動的に発生した第2の演出変化に続いて演出ボタン26が一度も押下されなかった場合、第2の演出変化は発生しない(図9(D)参照)。
ところで、第2の有効期間が始まる際に演出ボタン26の操作を促す演出を行ってしまうと、演出ボタン26の押下が有効になることを容易に認識できるようになるため、裏ボタン機能が損なわれてしまうおそれがある。これに対して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第2の有効期間が始まる際に報知演出が行われるのではなく、第2の有効期間中における演出ボタン26の押下に応じた演出変化を発生させるので、裏ボタン機能を損なうことなく裏ボタン操作が可能であることを遊技者に示唆することができる。
また、演出ボタン26を押下しなくても第2の演出変化が発生するため、第2の演出変化を見て、裏ボタン操作を行うか否かを決定することができる。すなわち、第2の演出変化が自身にとって有益な演出変化である場合には演出ボタン26を押下し、逆に自身にとって有益でない演出変化である場合には演出ボタン26を押下しないというように、演出ボタン26を押下するか否かの判断材料を遊技者に提供することができる。
ところで、本実施形態では、図10(B)に例示されるように、第2の有効期間において、メイン液晶表示装置5による報知演出は行わないものの、ボタンランプ261を発光させる暗示演出は行うこととしているが、図10(C)に例示されるように、報知演出及び暗示演出の両方を行わないようにしてもよい。この場合、パチンコ遊技機1で行われる演出の変化に基づいて遊技者が第2の有効期間を特定することが不可能になる。したがって、本発明は、このような場合に適用されるとより効果的である。
なお、本実施形態では、遊技開始操作が行われてから遊技終了操作が行われるまでの間、第2の有効期間が始まる際に自動的に行われた第2の演出変化によって遊技者が獲得したポイントと、第2の有効期間中の演出ボタン26の押下によって遊技者が獲得したポイントとを加算した合計ポイントが遊技履歴情報として蓄積され、携帯通信端末300によって、その合計ポイントが大当たり回数などの他の遊技履歴情報と共にサーバ500へ送られる。そして、サーバ500に累積記憶されたポイントが所定ポイントに達すると、例えば所定の画像をサーバ500からダウンロードすることが可能になるといったパチンコ遊技機1における遊技とは無関係な特典が遊技者に与えられる。
このため、第2の演出変化が単なる演出変化である場合に比べて、第2の有効期間における演出ボタン26の押下を遊技者に対して効果的且つ間接的に促すことができる。
以下、このような演出ボタン26の有効期間における演出制御を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図11に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、判定の実行や演出制御基板130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプやロゴ役物7による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。本実施形態では、遊技制御基板100が遊技の進行を制御する遊技制御部として機能し、演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が演出を制御する演出制御部として機能する。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ114、大入賞口スイッチ115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ117、特定入賞口スイッチ118、特定領域開閉部119、V入賞口スイッチ120、ハズレ入賞口スイッチ121、V入賞口開閉部122、及び表示器4を構成する各表示器41〜43,45〜47が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口スイッチ115は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
特定入賞口スイッチ118は、遊技球が特定入賞口19に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。特定領域開閉部119は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、羽根部材90に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、特定入賞口19を開閉する。V入賞口スイッチ120は、遊技球がV入賞口92に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。ハズレ入賞口スイッチ121は、遊技球がハズレ入賞口93に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。V入賞口開閉部122は、スライド部材94に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V入賞口92を開閉する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、普通入賞口スイッチ117、V入賞口スイッチ120、又はハズレ入賞口スイッチ121からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
この払出制御基板は、遊技盤2の裏面側に設けられている球タンクから皿28へ賞球を送り出す駆動モータ等を有して構成されている。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、「大当たり」であると判定した場合には、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する。
また、メインCPU101は、第2特別図柄判定の結果が小当たりであると判定した場合には、特定領域開閉部119を介して羽根部材90を作動させることで特定入賞口19を開閉すると共に、V入賞口開閉部122を介してスライド部材94を作動させることでV入賞口92を開閉する。そして、スライド部材94の作動中にV入賞口92に遊技球が入賞した場合、「大当たり」であると判定した場合と同様に、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を作動させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜43,45〜47に対して、図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、特別遊技等に関する遊技情報に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。また、サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、統括CPU141、制御用ROM142、及び制御用RAM143を備えている。統括CPU141は、制御用ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出制御基板130において演出内容が設定された演出を表現する画像や音を制御する際の演算処理を行う。画像音響制御基板140は、メイン液晶表示装置5及びサブ液晶表示装置6に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)144、及びスピーカ24から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital
Signal Processor)145を備えている。統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンド及び制御用ROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP144及び音響DSP145に出力することによって、VDP144及び音響DSP145の動作を制御する。
音響DSP145には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSP145によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMとが接続されている。音響DSP145は、統括CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
VDP144は、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像をメイン液晶表示装置5及びサブ液晶表示装置6に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、統括CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングでメイン液晶表示装置5及びサブ液晶表示装置6に出力する。上述したQRコードは、このVDP144によって生成される。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、CPU、ROM、及びRAMを備えている。ランプ制御基板150のCPUは、ROMに記憶されたプログラムに基づいて、枠ランプ25やロゴ役物7、ボタンランプ261(例えばLEDなどの発光素子)の動作を制御する際の演算処理を行う。ランプ制御基板150のRAMは、CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御基板150のROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ25やロゴ役物7が備える発光素子、ボタンランプ261のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、ロゴ役物7の動作パターンを示すデータである。
ランプ制御基板150のCPUは、ROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したデータに対応する発光パターンデータをRAMに読み出して、枠ランプ25やロゴ役物7の発光素子、ボタンランプ261の発光を制御する。この制御が行われることにより、第1の有効期間中、及び第2の有効期間中における暗示演出が実現される。また、ランプ制御基板150のCPUは、ROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したデータに対応する動作パターンデータをRAMに読み出して、ロゴ役物7を動作させるモータの駆動を制御する。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図12を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図12は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図12に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図12以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり、小当たり、又はハズレを決定するための乱数である。大当たり用図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。小当たり用図柄乱数は、小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞した場合に発生する2種大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図13〜図15に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図16に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の特別図柄処理において小当たりであると判定した場合に、特定領域開閉部119を介して羽根部材90を作動させると共に、V入賞口開閉部122を介してスライド部材94を作動させる特定領域開放制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3において大当たりであると判定した場合、又は小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞した場合に、大入賞口制御部116を制御して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。
ステップS8の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS8以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS9)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図13は、図12のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図13に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図14に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図15に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。上記ステップS4の普通図柄処理においては、ここで取得された普通図柄乱数が予め設定された乱数値と一致するか否かに基づいて、第2始動口12を開放するか否かが判定される。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図14は、図13のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図14に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS211)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS211:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めメインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS212)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS212:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS213)。そして、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM103の所定領域に格納する(ステップS214〜S217)。そして、第1特別図柄判定が保留されたことを通知する保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS218)。この保留コマンドは、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。演出制御基板130においてこの保留コマンドを受信した場合の処理については、後に詳述する。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、第1特別図柄判定の結果が大当たり又はハズレのいずれかとなり、第1特別図柄判定においては、小当たり遊技を発生させる小当たりと判定されないように構成されている。このため、第1始動口スイッチ処理には、2種大当たりの種類を決定するための小当たり用図柄乱数を取得するステップが含まれていない。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図15は、図13のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図15に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS221:YES)、例えば、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大入賞口13を開放する大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS222)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS222:NO)、例えば、メインRAM103に記憶されている小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、特定入賞口19を開放する小当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS223)。この小当たり遊技フラグは、特定入賞口19を開放する小当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、小当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、小当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。
メインCPU101は、小当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS223:NO)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42における特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS224)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS224:NO)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、小当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM103の所定領域に格納する(ステップS225〜S229)。
このように、特別遊技中ではなく特別図柄の変動表示中でもないときに第2始動口12に遊技球が入賞した場合には、メインCPU101は、第2特別図柄判定に使用する各種乱数を、メインRAM103の判定用記憶領域に直接格納する。この判定用記憶領域は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種乱数が記憶される記憶領域である。なお、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には、メインCPU101は、第1特別図柄判定に使用する各種乱数をメインRAM103の保留記憶領域に格納し、実際に第1特別図柄判定を行って特別図柄の変動表示を開始させるときに、保留記憶領域に記憶されている各種乱数を判定用記憶領域にシフトさせる。
以上説明したように、本実施形態では、特別図柄の変動表示中や特別遊技中に第2始動口12に遊技球が入賞したためにその入賞に対応する第2特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合には、第2始動口12への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄判定は行われない。一方、第1始動口11に遊技球が入賞したときにその入賞に対応する第1特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示を直ちに開始できない場合であっても、第1特別図柄判定の権利は、4つを上限として保留される。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図16を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図16は、図12のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図16に例示されるように、遊技制御基板100のメインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグ又は小当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。ここで、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、第2始動口入賞に係る各種乱数がメインRAM103の判定用記憶領域に記憶されているか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、遊技球が第2始動口12に入賞したことに応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域に直接記憶されると共に、第2始動口入賞に係る各種乱数が記憶されたことを示すフラグが判定用記憶領域に記憶されるので、判定用記憶領域に各種乱数が記憶された際にこのフラグが記憶されているか否かに基づいて、判定用記憶領域に記憶された各種乱数が第2始動口入賞に係るものであるか或いは第1始動口入賞に係るものであるかを判定する。ここで、第2始動口入賞に係る乱数が記憶されていると判定された場合(ステップS303:YES)、後述するステップS307に処理が進められる。
メインCPU101は、第2始動口入賞に係る乱数が判定用記憶領域に記憶されていないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS304:YES)、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS305)。そして、メインRAM103の記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS306)。具体的には、メインRAM103の保留記憶領域に記憶されている第1特別図柄判定に係る大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの(最も古いもの)を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。
メインCPU101は、ステップS306の処理を実行した場合、又は第2始動口入賞に係る乱数が判定用記憶領域に記憶されていると判定した場合(ステップS303:YES)、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS307)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり、小当たり、及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。そして、大当たり(1種大当たり)であると判定された場合には大当たりの種類が決定され、小当たりであると判定された場合には小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞したことを契機として発生する2種大当たりの種類が決定される。この大当たり判定処理については、図17に基づいて後に詳述する。
ステップS307の処理に続いて、メインCPU101は、変動パターン選択処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインROM102に予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、ステップS307における大当たり判定の判定結果、メインRAM103にセットされた判定図柄の種類、現在の遊技状態、第1特別図柄判定の保留数U1、上記ステップS307の処理で使用した大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このステップS308の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。この変動パターン選択処理については、図18に基づいて後に詳述する。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS307の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS308の処理で設定した変動パターンの設定情報、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらの演出を行うかを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS309)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
これに対して、演出制御基板130は、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、パチンコ遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42における特別図柄の変動表示に伴って、メイン液晶表示装置5にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、スピーカ24からどのような音を出力するか、枠ランプ25をどのような発光パターンで発光させるか、ロゴ役物7を作動させるか否か等を決定し、決定した内容の演出を画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に実行させる。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS310)。なお、この特別図柄の変動表示は、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る乱数が記憶されている状態でステップS307〜ステップS309の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われ、第2特別図柄判定に係る乱数が記憶されている状態でステップS307〜ステップS309の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われる。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS311)。この客待ちフラグは、パチンコ遊技機1が客待ち状態であるか否かを示すフラグであり、第1特別図柄判定の権利が保留されておらず且つ特別図柄の変動表示が行われなくなったタイミングで「ON」に設定され、特別図柄の変動表示が再び開始されるときに「OFF」に設定される。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS311:YES)、客待ちフラグを「OFF」に設定する(ステップS312)。そして、このステップS312の処理を実行した場合、又は客待ちフラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS311:NO)、ステップS310における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS308の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、一連の特別図柄処理が終了してステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS9における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、メイン液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS310の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了する(ステップS317)。その際、ステップS307の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。具体的には、第1特別図柄表示器41において特別図柄が変動表示されていた場合には第1特別図柄表示器41に大当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示器42において特別図柄が変動表示されていた場合には第2特別図柄表示器42に大当たり図柄、小当たり図柄、又はハズレ図柄を停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させ、小当たりである場合に小当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
一方、メインCPU101は、第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS304:NO)、客待ちフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS321)。ここで、客待ちフラグが「ON」に設定されていると判定された場合(ステップS321:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、客待ちフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS321:NO)、パチンコ遊技機1が客待ち状態になったことを通知する客待ちコマンドをメインRAM103にセットし(ステップS322)、客待ちフラグを「ON」に設定する(ステップS323)。この客待ちコマンドは、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130に送信される。その結果、客待ちコマンドが送信されてから所定時間(本実施形態では30秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図17は、図16のステップS307における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域に第2特別図柄判定に係る乱数がフラグと共に記憶されていると判定した場合(ステップS303:YES)、又はステップS306の処理を実行した場合、図17に例示されるように、大当たり判定を実行する(ステップS3071)。ここで、第2始動口入賞に係る大当たり判定を実行する場合にはメインROM102に予め記憶されている第2始動口入賞用大当たり判定テーブルを参照し、第1始動口入賞に係る大当たり判定を実行する場合にはメインROM102に予め記憶されている第1始動口入賞用大当たり判定テーブルを参照する。
第2始動口入賞用大当たり判定テーブルには、判定結果と乱数値とが対応付けられて記憶されている。具体的には、大当たりに対する乱数値と、小当たりに対する乱数値と、ハズレに対する乱数値とが記憶されている。メインCPU101は、第2始動口入賞に係る大当たり判定を実行する場合、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第2始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり(1種大当たり)であるか、小当たりであるか、又はハズレであるかを判定する。
第1始動口入賞用大当たり判定テーブルには、判定結果と乱数値とが対応付けられて記憶されている。具体的には、大当たりに対する乱数値とハズレに対する乱数値とが記憶されている。メインCPU101は、第1始動口入賞に係る大当たり判定を実行する場合、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第1始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たり(1種大当たり)であるか、又はハズレであるかを判定する。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定に係る各種乱数が判定用記憶領域に記憶されるといった始動条件が成立すると、判定用記憶領域に記憶されている各種乱数に基づいて、大当たり遊技を行うか否かを判定する。
メインCPU101は、ステップS3071の判定結果に基づいて、1種大当たりであるか否かを判定する(ステップS3072)。ここで、1種大当たりであると判定した場合(ステップS3072:YES)、メインROM102に予め記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3073)。
大当たり時の図柄決定テーブルには、当たりの種類と乱数値とが対応付けられて記憶されている。メインCPU101は、大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数が、大当たり時の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、1種大当たりの種類を決定する。
メインCPU101は、ステップS3073で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3074)。これにより、上記ステップS315の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。
一方、メインCPU101は、特別図柄判定の結果が1種大当たりではないと判定した場合(ステップS3072:NO)、判定用記憶領域に第2特別図柄判定に係るフラグが記憶されているか否かに基づいて、この特別図柄判定が第1始動口入賞に係る第1特別図柄判定であるか否かを判断する(ステップS3075)。ここで、第1特別図柄判定であると判断した場合(ステップS3075:YES)、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりでない場合にはハズレであるので、ハズレ図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3076)。これにより、上記ステップS315の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41に判定図柄として停止表示されることになる。
第2特別図柄判定の判定結果が大当たりではない場合、その判定結果は、小当たり又はハズレとなる。これに対して、メインCPU101は、第1特別図柄判定ではないと判定した場合(ステップS3075:NO)、すなわち今回の特別図柄判定が第2特別図柄判定である場合、ステップS3071における大当たり判定の結果が小当たりであるか否かを判定する(ステップS3077)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第2始動口入賞用大当たり判定テーブルに規定されている小当たりに対応する乱数値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄判定の判定結果が小当たりであるかハズレであるかを判定する。
メインCPU101は、第2特別図柄判定の結果が小当たりではないと判定した場合(ステップS3077:NO)、上記ステップS3076の処理を実行する。この場合、上記ステップS315の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されることになる。
一方、メインCPU101は、第2特別図柄判定の結果が小当たりであると判定した場合(ステップS3077:YES)、メインROM102に予め記憶されている小当たり時の図柄決定テーブルを参照して小当たりの種類を決定する(ステップS3078)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている小当たり用図柄乱数が、小当たり時の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、小当たりの種類を決定する。そして、決定した小当たり図柄を設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3079)。これにより、上記ステップS315の処理の際にここでセットされた小当たり図柄が第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されることになる。
このようにして小当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示されると、上述した小当たり遊技が開始される。そして、小当たり遊技中にV入賞口92に遊技球が入賞すると2種大当たりとなり、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が行われることになる。なお、2種大当たりの種類は、第2特別図柄表示器42に停止表示された小当たり図柄に基づいて決定される。このため、小当たりの種類を決定する処理は、2種大当たりの種類を決定する処理と捉えることができる。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図18は、図16のステップS308における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図16のステップS307における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3071の判定結果に基づいて、上記ステップS3072の処理と同様に、特別図柄判定の判定結果が1種大当たりであるか否かを判定する(ステップS3081)。ここで、1種大当たりであると判定した場合(ステップS3081:YES)、大当たり用の変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3082)。
メインCPU101は、1種大当たりではないと判定した場合(ステップS3081:NO)、小当たりであるか否かを判定する(ステップS3083)。ここで、小当たりであると判定した場合(ステップS3083:YES)、小当たり用の変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3084)。
メインCPU101は、小当たりではないと判定した場合(ステップS3083:NO)、すなわちハズレである場合、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3085)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数と一致するか否かに基づいて、リーチ演出を行うか否かを判定する。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3085:YES)、リーチ用の変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットし(ステップS3086)、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3085:NO)、ハズレ用の変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3087)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間2秒、3秒、8秒、10秒、18秒、30秒、36秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の乱数値とを対応付けたテーブルである。
次に、メインCPU101は、ステップS3082、ステップS3084、ステップS3086、又はステップS3087の処理でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行う(ステップS3088)。具体的には、メインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して、判定用記憶領域に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択する。このステップS3088の処理が行われることにより、特別図柄の変動パターン(変動時間)が決定されることとなる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンを設定情報としてメインRAM103にセットする(ステップS3089)。この変動パターンの設定情報は、大当たり判定処理によって設定された図柄と共に、上記ステップS309の処理でセットされる変動開始コマンドに含まれ、ステップS9の送信処理によって演出制御基板130へ送信される。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述する演出制御処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期で演出制御処理(タイマ割込み処理)を繰り返す。
以下、図19を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図19は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図19に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図19以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドを受信した場合に、コマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理の詳細については、図20及び図21に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたと判定した場合(ステップS11:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU131は、ステップS11で「NO」と判定した場合、又はステップS12の処理を実行した場合、コマンド送信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、ステップS10やステップS12の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯やロゴ役物7の動作による演出の実行がランプ制御基板150に対して指示される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
以下、図20及び図21を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるコマンド受信処理について説明する。ここで、図20及び図21は、図19のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。
図20に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS102)。
ところで、通常遊技状態のときには、遊技者が左打ちを行って第1始動口11に遊技球を入賞させる遊技が行われるため、遊技球が第1始動口11に入賞したことを条件として実行される第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留表示画像をメイン液晶表示装置5に表示することとしている。これに対して、時短遊技状態のときには、遊技者が右打ちを行って第2始動口12に遊技球を入賞させる遊技が行われるが、遊技球が第2始動口12に入賞したことを条件として実行される第2特別図柄判定が保留されることはなく、また、盤面の構成上、右打ちされた遊技球が第1始動口11に入賞することはない。このため、時短遊技状態のときには、第1特別図柄判定の保留数を表示しないこととしている。
演出制御基板130では、このような保留表示画像の表示制御を実現するために、以下のような処理が行われる。
すなわち、上記ステップS102の処理に続いて、サブCPU131は、例えば現在の遊技状態を示す情報を遊技制御基板100から取得して、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、通常遊技状態であると判定した場合(ステップS103:YES)、1個の保留表示画像をメイン液晶表示装置5に新たに表示させる処理を画像音響制御基板140に実行させるためのコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS104)。
一方、通常遊技状態ではないと判定された場合(ステップS103:NO)、ステップS104の処理が行われずに後述するステップS105に処理が進められる。
サブCPU131は、ステップS104の処理を実行した場合、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS101:NO)、又は通常遊技状態ではないと判定した場合(ステップS103:NO)、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。
サブCPU131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS105:NO)、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS106)。ここで、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS106:YES)、例えば、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信してから客待ち演出を開始させた後に変動開始コマンドを受信したか否かに基づいて、客待ち演出中であるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、客待ち演出中であると判定した場合(ステップS107:YES)、客待ち演出用の画面を通常画面に戻すための画面表示切替処理を実行する(ステップS108)。具体的には、客待ち演出を中止して複数の装飾図柄を含む通常の演出画面を表示する処理の実行を画像音響制御基板140に指示するコマンドをサブRAM133にセットする。
サブCPU131は、このステップS108の処理を実行した場合、又は客待ち演出中ではないと判定した場合(ステップS107:NO)、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS109)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄の設定情報、この設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらの演出を行うかを示す設定情報、変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断し、特別図柄が変動表示される変動時間を特定し、パチンコ遊技機1の遊技状態を特定することが可能である。
サブCPU131は、ステップS109の解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴って装飾図柄を変動表示させる変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS110)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、演出ボタン演出の有無、背景画像の種類等の変動演出を構成する各演出の態様が決定される。この変動演出パターン設定処理については、図22に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、変動演出パターン設定処理によって装飾図柄の変動演出パターンを設定すると、その変動演出パターンによる変動演出の実行を画像音響制御基板140に指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS111)。
ステップS111の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS110の解析結果に基づいて、今回受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係るものであるか否かを判定する(ステップS112)。ここで、第1特別図柄判定に係るものであると判定した場合(ステップS112:YES)、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS113)。これに伴い、今回消化される第1特別図柄判定に係る保留表示画像を画面から消去すると共に、他に保留表示画像が表示されている場合にはその保留表示画像の表示位置をシフトさせる処理が画像音響制御基板140によって実行される。
一方、サブCPU131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS105:YES)、遊技制御基板100から図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS114)。ここで、図柄確定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS114:YES)、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を画像音響制御基板140に指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS115)。これにより、特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄がメイン液晶表示装置5に少なくとも所定時間(例えば0.8秒)停止表示されることになる。
サブCPU131は、ステップS113の処理を実行した場合、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS106:NO)、又は今回受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係るものではないと判定した場合(ステップS112:NO)、図21に例示されるように、上記ステップS107の処理と同様に、客待ち演出中であるか否かを判定する(ステップS117)。
サブCPU131は、客待ち演出中ではないと判定した場合(ステップS117:NO)、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS118)。ここで、客待ちコマンドを受信したと判定した場合(ステップS118:YES)、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測を開始し(ステップS119)、サブRAM133に記憶されている計測フラグを「ON」に設定する(ステップS120)。この計測フラグは、客待ちコマンドを受信してからの経過時間の計測中であるか否かを示すフラグである。
サブCPU131は、客待ちコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS118:NO)、計測フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS121)。ここで、計測フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS121:YES)、又はステップS120の処理を実行した場合、客待ち演出の開始タイミングを規定する客待ち判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS122)。具体的には、ステップS119の処理で計測を開始した経過時間が、サブROM132に記憶されている客待ち判定時間(例えば30秒)に達したか否かを判定する。
サブCPU131は、客待ち判定時間が経過したと判定した場合(ステップS122:YES)、計測フラグを「OFF」に設定し(ステップS123)、経過時間をリセットし(ステップS124)、客待ち演出の開始を画像音響制御基板140に指示するコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS125)。このコマンドがステップS13に送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることにより、所定の客待ち演出が開始される。
[演出制御基板130による変動演出パターン設定処理]
図22は、図20のステップS110における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。ステップS109の処理に続いて、サブCPU131は、図22に例示されるように、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれているリーチ演出に係る設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判定する(ステップS1101)。
サブCPU131は、リーチ有り演出を行う必要がないと判定した場合(ステップS1101:NO)、装飾図柄を変動表示してから停止表示するまでの変動演出パターンを設定する(ステップS1102)。
サブROM132には、リーチ演出を伴わない変動演出に関して、ハズレリーチ無し演出テーブルが記憶されている。このハズレリーチ無し演出テーブルには、3秒用、8秒用、18秒用、36秒用というように、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応する演出テーブルが複数設けられている。ステップS1102において、サブCPU131は、これら複数の演出テーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1の演出テーブルを選択する。例えば設定情報に特別図柄の変動時間が3秒であることを示す変動パターンの設定情報が含まれている場合、3秒用の演出テーブルを選択する。
各演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU131は、上述した乱数更新処理が行われる毎に更新される演出乱数について、変動開始コマンドを受信した時点の値を取得しておき、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、予め取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。これにより、リーチ演出を含まない変動演出の変動演出パターンが設定される。
ステップS1102の処理に続いて、サブCPU131は、ステップアップ予告やカットイン予告などの他の演出を設定し(ステップS1103)、変動開始コマンドに含まれている判定図柄の設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において判定図柄が停止表示されるのに伴ってメイン液晶表示装置5に停止表示する装飾図柄を設定する(ステップS1104)。
一方、サブCPU131は、リーチ有り演出を行う必要があると判定した場合(ステップS1101:YES)、上記ステップS1102の処理と同様にリーチ有り演出用或いは大当たり用の演出テーブルを用いて、リーチ成立までの変動演出パターンを設定する(ステップS1107)。そして、例えば遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、リーチ成立時に左列及び右列の有効ライン上に停止表示されるリーチ図柄を決定する(ステップS1108)。なお、このリーチ図柄は、上記設定情報とは無関係に、演出乱数を用いた抽選処理を行ってランダムに決定するようにしてもよい。
ここで、パチンコ遊技機1において行われるリーチ演出について説明する。メイン液晶表示装置5では、特別図柄の変動表示が開始されるのに伴って、装飾図柄の変動表示が開始される。具体的には、メイン液晶表示装置5の表示画面には、例えば、1〜9、A、B、Kの数字とアルファベットが縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が3列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されると同時に、これらの装飾図柄が例えば上から下へのスクロールを開始する。そして、スクロールの開始後、全ての装飾図柄が停止するのに先立って、まず、左列と右列の装飾図柄が停止する。
その際、有効ライン上に同一の装飾図柄が停止表示されなかった場合にはリーチが成立しないため、リーチ演出が行われることなく、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知する3つの装飾図柄が有効ライン上に停止表示されることになる。
一方、左列と右列の装飾図柄が停止表示される際に有効ライン上に同一の装飾図柄が停止表示されると、リーチが成立する。リーチが成立すると、有効ライン上に同一の装飾図柄が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、このリーチ演出として、ロングリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出の少なくとも3種類のリーチ演出が用意されている。
ロングリーチ演出は、中列の装飾図柄のスクロール速度を徐々に低下させていくのに伴って、アニメのキャラクタが活躍する演出が展開されるリーチ演出である。このロングリーチ演出は、主に、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ特別図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば30秒)に設定された場合に行われる。このロングリーチ演出が行われると、リーチ成立後に、リーチ図柄とは異なる中図柄が有効ライン上に停止表示されて、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される。このように、ロングリーチ演出は、大当たりとなる信頼度が相対的に低い場合に行われるリーチ演出である。
SPリーチ演出は、リーチ成立後に、有効ライン上に中図柄が停止するまでの間に、実写のキャラクタが活躍する演出が展開されるリーチ演出である。このSPリーチ演出は、特別図柄の変動時間が中程度(例えば75秒)に設定された場合に行われるリーチ演出である。すなわち、SPリーチ演出は、「大当たり」となる信頼度が中程度である場合に行われるリーチ演出である。
特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、リーチ演出として、ロングリーチ演出又はSPリーチ演出が行われて、最終的に有効ライン上に停止表示される3つの装飾図柄の表示態様によって特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される。その一方で、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、又は「大当たり」にならないとしても「大当たり」となる信頼度が相対的に高い場合、特別図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば120秒)に設定される。このような場合、ロングリーチ演出又はSPリーチ演出の終盤で、リーチ演出が発展することを示唆する発展図柄が中図柄として有効ライン上に擬似停止される。ここで、擬似停止とは、有効ライン上の装飾図柄を完全には静止させずに微動させることをいう。発展図柄が擬似停止されると、3列表示された装飾図柄が再始動し、SPSPリーチ演出が行われることになる。
このSPSPリーチ演出は、SPリーチ演出と同様に実写のキャラクタが活躍するリーチ演出であるが、リーチ成立直後ではなくロングリーチ演出又はSPリーチ演出を経由してこれら2種類のリーチ演出の後に行われる点で、これらの2種類のリーチ演出とは異なる。
ステップS1108の処理に続いて、サブCPU131は、リーチ構成を決定する(ステップS1109)。このリーチ構成を決定する処理は、具体的には、リーチ成立直後に行うリーチ演出としてロングリーチ演出及びSPリーチ演出のいずれか一方を選択し、選択したロングリーチ演出又はSPリーチ演出に続いてSPSPリーチ演出を行うか否かを決定する処理である。なお、これらのリーチ演出は、特別図柄の変動表示に伴って行われるものであるため、リーチ構成は、特別図柄の変動時間に基づいて決定される。
サブCPU131は、ステップS1109の処理に続いて、リーチ演出の演出内容をランダムに設定する(ステップS1110)。具体的には、ロングリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出は、それぞれ複数の演出内容を有しているので、上記ステップS1109の処理で決定したリーチ構成に含まれているリーチ演出の演出内容を、例えば演出乱数を用いた抽選処理を行っていずれか1つの演出内容を選択することによって演出内容を設定する。
ところで、ロングリーチ演出は、上述したように、SPリーチ演出及びSPSPリーチ演出に比べて「大当たり」となる信頼度が低いリーチ演出である。言い換えれば、ロングリーチ演出は、遊技者が「大当たり」に対する期待感を抱き難い演出である。このため、ロングリーチ演出中は遊技者が手持無沙汰になる可能性があり、「大当たり」とは異なる何らかの特典を遊技者が獲得可能な機会を設けるのが好ましいと考えられる。これに対して、SPリーチ演出及びSPSPリーチ演出は、ロングリーチ演出に比べて「大当たり」となる信頼度が高いリーチ演出である。このため、演出ボタン26の押下によって遊技者が自分で大当たりを引き当てたかのように思わせる演出を行うことで、特別図柄判定の判定結果を効果的に報知することが可能である。そこで、本実施形態では、ロングリーチ演出に関しては遊技者がポイントを獲得可能な第2の有効期間を設定する一方で、SPリーチ演出及びSPSPリーチ演出に関しては第1の有効期間を設定することとしている。サブCPU131は、このような制御を実現するために、以下のような処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、上記ステップS1110の処理に続いて、上記ステップS1109の処理で決定したリーチ構成にロングリーチ演出が含まれているか否かを判定する(ステップS1111)。ここで、ロングリーチ演出が含まれていると判定した場合(ステップS1111:YES)、そのロングリーチ演出の演出内容に基づいて、第2の有効期間を設定する(ステップS1112)。具体的には、ロングリーチ演出中のどの期間を第2の有効期間とすべきかを示す情報がサブROM132に予め記憶されているので、この情報に基づいて、第2の有効期間を設定する。なお、同じロングリーチ演出であっても、演出内容によって第2の有効期間として設定すべきタイミングが異なるような場合には、上記情報を各ロングリーチ演出についてそれぞれ記憶しておき、ロングリーチ演出に対して上記ステップS1110の処理で設定した演出内容に対応する情報に基づいてロングリーチ中におけるどの期間を第2の有効期間とするかを判断して、第2の有効期間を設定すればよい。
サブCPU131は、ステップS1112の処理を実行した場合、又はロングリーチ演出を含まないと判定した場合(ステップS1111:NO)、上記ステップS1109の処理で決定したリーチ構成に他のリーチ演出(SPリーチ演出又はSPSPリーチ演出)が含まれているか否かを判定する(ステップS1113)。
サブCPU131は、他のリーチ演出が含まれていると判定した場合(ステップS1113:YES)、そのリーチ演出の演出内容に基づいて、第1の有効期間を設定する(ステップS1114)。具体的には、SPリーチ演出中及びSPSPリーチ演出中のどの期間を第1の有効期間とすべきかを示す情報がそれぞれサブROM132に予め記憶されているので、この情報に基づいて、第1の有効期間を設定する。なお、ロングリーチ演出と同様に、SPリーチ演出又はSPSPリーチ演出の演出内容によって第1の有効期間として設定すべきタイミングが異なるような場合には、上記情報を各SPリーチ演出及び各SPSPリーチ演出についてそれぞれ記憶しておくようにすればよい。これにより、上記ステップS1110の処理で設定したSPリーチ演出(又はSPSPリーチ演出)の演出内容に対応する情報をサブROM132から読み出すことで、第1の有効期間を容易に設定することができる。
なお、第1の有効期間の設定情報及び第2の有効期間の設定情報は、それぞれ、サブRAM133の所定領域に一時的に格納され、他の設定情報などと一緒に変動演出開始コマンドに含まれて画像音響制御基板140に送信される。
サブCPU131は、ステップS1114の処理を実行した場合、又は他のリーチ演出を含まないと判定した場合(ステップS1113:NO)、上記ステップS1102の処理を実行した場合と同様に、ステップS1103及びステップS1104の処理を実行する。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
次に、図23及び図24を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図23及び図24は、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図23及び図24に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、統括CPU141は、演出制御基板130から客待ち演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1401)。ここで、客待ち演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1401:YES)、その客待ち演出開始コマンドに応じた客待ち演出をVDP144及び音響DSP145に開始させる(ステップS1402)。
統括CPU141は、ステップS1402の処理を実行した場合、又は客待ち演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1401:NO)、演出制御基板130から保留表示コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1403)。ここで、保留表示コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1403:YES)、メイン液晶表示装置5に保留表示画像を追加表示する処理をVDP144に実行させる(ステップS1404)。なお、保留表示コマンドを受信したタイミングで客待ち演出が行われている場合には、客待ち演出画面が通常画面に戻されて、その通常画面に対して保留表示画像が表示されることになる。
統括CPU141は、ステップS1404の処理を実行した場合、又は保留表示コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1403:NO)、演出制御基板130から変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1405)。ここで、変動演出開始コマンドを受信していないと統括CPU141によって判定された場合(ステップS1405:NO)、後述するステップS1411(図24参照)に処理が進められる。
統括CPU141は、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1405:YES)、メイン液晶表示装置5における保留表示画像の表示をVDP144に更新させる(ステップS1406)。具体的には、例えば、受信した変動演出開始コマンドに対応する保留表示画像をメイン液晶表示装置5の画面から消去すると共に、他に保留表示画像が表示されている場合には、その保留表示画像を消去した保留表示画像が表示されていた位置へシフトさせるシフト処理をVDP144に実行させる。
次に、統括CPU141は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて、装飾図柄の変動表示などを含む変動演出をVDP144及び音響DSP145に開始させ(ステップS1407)、その変動演出開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS1408)。この経過時間は、制御用RAM143に記憶される。
ところで、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技者が遊技を開始する際に遊技開始操作を行ったか否かに関わらず、変動演出が行われる毎に1ポイントのポイントが付与されるように構成されている。
このため、統括CPU141は、ステップS1408の処理に続いて、制御用RAM143に記憶されている合計ポイントを「1」加算した値に更新するポイント加算処理を実行する(ステップS1409)。その際、統括CPU141は、1ポイントが加算されたことを遊技者に報知するための所定の演出をメイン液晶表示装置5で行うための処理をVDP144に実行させる。
統括CPU141は、ステップS1409の処理を実行した場合、変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1405:NO)、図24に示されるように、上記ステップS1408の処理で計測を開始した経過時間(以下、単に「経過時間」という。)が今回の変動演出の実行時間(すなわち変動時間)に達したか否かに基づいて、変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS1411)。ここで、変動演出の実行中ではないと統括CPU141によって判定された場合(ステップS1411:NO)、後述するステップS1426に処理が進められる。
統括CPU141は、変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS1411:YES)、演出制御基板130から受信した変動演出開始コマンドに有効期間の設定情報が含まれているか否かに基づいて、今回の変動演出中に有効期間が存在するか否かを判定する(ステップS1412)。ここで、有効期間が存在しないと統括CPU141によって判定された場合(ステップS1412:NO)、後述するステップS1426に処理が進められる。
統括CPU141は、有効期間が存在すると判定した場合(ステップS1412:YES)、有効期間の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS1413)。具体的には、演出制御基板130から受信する変動演出開始コマンドには、有効期間の設定情報として、有効期間が第1の有効期間であるか或いは第2の有効期間であるかを示す情報、変動演出を開始してから第1時間を経過したタイミングが有効期間の開始タイミングであり、変動演出を開始してから第2時間を経過したタイミングが有効期間の終了タイミングであるといった有効期間を特定するための情報が含まれている。このため、統括CPU141は、変動演出を開始してからの経過時間が第1時間と一致するか否かに基づいて、有効期間の開始タイミングであるか否かを判定する。このステップS1413において、有効期間の開始タイミングではないと統括CPU141によって判定された場合(ステップS1413:NO)、後述するステップS1419に処理が進められる。
統括CPU141は、有効期間の開始タイミングであると判定した場合(ステップS1413:YES)、今回の変動演出の開始に際して演出制御基板130から受信した変動演出開始コマンドに含まれている有効期間の設定情報に基づいて、これから始まる有効期間が第1の有効期間であるか否かを判定する(ステップS1414)。
統括CPU141は、第1の有効期間であると判定した場合(ステップS1414:YES)、遊技者に対して演出ボタン26の操作を促す報知演出を開始する(ステップS1415)。具体的には、図8(A)で例示したような報知演出画像をメイン液晶表示装置5に表示するための描画処理をVDP144に実行させる。
一方、統括CPU141は、第1の有効期間ではないと判定した場合(ステップS1414:NO)、すなわち第2の有効期間が始まるタイミングである場合、図9(A)及び(B)に例示したようなポイント付与演出を実行する(ステップS1416)。具体的には、このポイント付与演出を実現するための処理をVDP144及び音響DSP145に実行させる。そして、本実施形態では、このポイント付与演出を行うことによって、遊技者が演出ボタン26を押下しなくても1ポイントを付与することとしているので、統括CPU141は、制御用RAM143に記憶されている合計ポイントを「1」加算した値に更新する(ステップS1417)。
統括CPU141は、ステップS1417の処理を実行した場合、ステップS1415の処理を実行した場合、又は有効期間の開始タイミングではないと判定した場合(ステップS1413:NO)、演出制御基板130から操作コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1419)。ここで、操作コマンドを受信していないと統括CPU141によって判定された場合(ステップS1419:NO)、後述するステップS1426に処理が進められる。
統括CPU141は、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1419:YES)、すなわち演出ボタン26が押下された場合、第1の有効期間中であるか否かを判定する(ステップS1420)。具体的には、今回の変動演出を開始するに際して演出制御基板130から受信した変動演出開始コマンドに含まれている有効期間に関する設定情報が、第1の有効期間に関するものであるという第1条件と、変動演出を開始してからの経過時間が上述した第1時間以上であり且つ第2時間未満であるという第2条件との両方を満たすか否かに基づいて、第1の有効期間中であるか否かを判定する。
統括CPU141は、第1の有効期間中であると判定した場合(ステップS1420:YES)、演出ボタン26の操作に応じて変動演出の表示態様を変化させる(ステップS1421)。具体的には、図8(B)に例示したように演出画像に含まれているエフェクトの色を変化させたり、演出ボタン26の操作によってエフェクトが振動したように見せたり、演出ボタン26の押下に応じた所定の効果音を出力したりするための処理をVDP144及び音響DSP145に実行させる。このように、第1の有効期間中に演出ボタン26が押下された場合には、第1の演出変化を発生させる。
一方、統括CPU141は、第1の有効期間中ではないと判定した場合(ステップS1420:NO)、第2の有効期間中であるか否かを判定する(ステップS1422)。具体的には、今回の変動演出を開始するに際して演出制御基板130から受信した変動演出開始コマンドに含まれている有効期間に関する設定情報が、第2の有効期間に関するものであるという第3条件と、変動演出を開始してからの経過時間が上述した第1時間以上であり且つ第2時間未満であるという第4条件との両方を満たすか否かに基づいて、第2の有効期間中であるか否かを判定する。ここで、第2の有効期間中ではないと統括CPU141によって判定された場合(ステップS1422:NO)、後述するステップS1426に処理が進められる。
統括CPU141は、第2の有効期間中であると判定した場合(ステップS1422:YES)、ポイント付与演出を実行する(ステップS1423)。具体的には、1つのハートがメイン液晶表示装置5の画面上に出現すると共にスピーカ24から所定の効果音が出力され、出現したハートが上空に昇っていくといった演出変化を発生させるための処理をVDP144及び音響DSP145に実行させる。このように、第2の有効期間中に演出ボタン26が押下された場合には、第2の演出変化を発生させる。なお、このステップS1423の処理は、第2の有効期間中に演出ボタン26が押下される毎に繰り返し実行されるので、第2の有効期間中に演出ボタン26が連打されると、図9(D)に例示したように多数のハートが昇っていくような演出変化が発生することになる。
ステップS1423の処理に続いて、統括CPU141は、上記ステップS1417の処理と同様に、制御用RAM143に記憶されている合計ポイントを「1」加算した値に更新する(ステップS1424)。このステップS1424の処理も第2の有効期間中に演出ボタン26が押下される毎に繰り返し実行されるので、第2の有効期間中に遊技者が演出ボタン26を連打することによって多くのポイントを獲得することが可能である。
統括CPU141は、ステップS1424の処理を実行した場合、ステップS1421の処理を実行した場合、変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS1411:NO)、有効期間が存在しないと判定した場合(ステップS1412:NO)、操作コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1419:NO)、又は第2の有効期間中ではないと判定した場合(ステップS1422:NO)、演出制御基板130から変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1426)。
統括CPU141は、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1426:YES)、VDP144及び音響DSP145に変動演出を終了させ(ステップS1427)、制御用RAM143に記憶されている経過時間をリセットする(ステップS1428)。
統括CPU141は、ステップS1428の処理を実行した場合、又は変動演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1426:NO)、データ送信制御処理を実行する(ステップS1429)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、メイン液晶表示装置5、サブ液晶表示装置6、及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、枠ランプ25やロゴ役物7、ボタンランプ261などが制御されることとなる。
[ランプ制御基板150によるタイマ割込み処理]
次に、図25を参照しつつ、ランプ制御基板150において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図25は、ランプ制御基板150において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信されるデータに基づいて、図25に例示されている一連の処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
ランプ制御基板150のCPUは、メイン液晶表示装置5における客待ち演出が開始されたか否かを判断する(ステップS1501)。ここで、客待ち演出が開始されたと判断した場合(ステップS1501:YES)、客待ち演出用のランプ発光制御を開始する(ステップS1502)。具体的には、ランプ制御基板150のROMから客待ち演出用の発光パターンデータをROMからRAMに読み出して、枠ランプ25やロゴ役物7の発光素子の発光制御を開始する。
ランプ制御基板150のCPUは、ステップS1502の処理を実行した場合、又は客待ち演出が開始されていないと判断した場合(ステップS1501:NO)、メイン液晶表示装置5における変動演出が開始されたか否かを判断する(ステップS1503)。ここで、変動演出が開始されたと判断した場合(ステップS1503:YES)、変動演出用のランプ発光制御を開始する(ステップS1504)。具体的には、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から受信した変動演出に関するデータに対応する発光パターンデータをRAMに読み出して、枠ランプ25やロゴ役物7の発光素子の発光制御を開始する。
ランプ制御基板150のCPUは、ステップS1504の処理を実行した場合、又は変動演出が開始されていないと判断した場合(ステップS1503:NO)、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から受信した有効期間に関する情報に基づいて、演出ボタン26の有効期間が始まったか否かを判断する(ステップS1505)。ここで、有効期間が始まったと判断した場合(ステップS1505:YES)、ボタンランプ発光制御を開始する(ステップS1506)。具体的には、図8及び図9に例示した暗示演出を実現するために、ボタンランプ261を有効期間中にわたって発光させる発光制御を開始する。
ランプ制御基板150のCPUは、ステップS1506の処理を実行した場合、又は有効期間が始まっていないと判断した場合(ステップS1505:NO)、有効期間が終わるか否か(終了タイミングであるか否か)を判断する(ステップS1507)。ここで、有効期間が終わると判断した場合(ステップS1507:YES)、ステップS1506の処理で開始した発光制御を終了させる(ステップS1508)。
なお、第1の有効期間と第2の有効期間のうちの第1の有効期間においてのみボタンランプ261を発光させるために、第2の有効期間については、上記ステップS1506及びステップS1508の処理を行わないようにしてもよい。
ランプ制御基板150のCPUは、ステップS1508の処理を実行した場合、又は有効期間が終了しないと判断した場合(ステップS1507:NO)、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から受信したデータに基づいて、ロゴ役物7の作動タイミングであるか否かを判断する(ステップS1509)。
ランプ制御基板150のCPUは、作動タイミングであると判断した場合(ステップS1509:YES)、ロゴ役物7の作動制御を実行する(ステップS1510)。具体的には、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から受信したデータに対応する動作パターンデータをROMから読み出し、読み出した動作パターンデータに基づいて、ロゴ役物7を動作させるモータの駆動を制御する。
ランプ制御基板150のCPUは、ステップS1510の処理を実行した場合、又はロゴ役物7の作動タイミングではないと判断した場合(ステップS1509:NO)、メイン液晶表示装置5における変動演出が終了されたか否かを判断する(ステップS1511)。ここで、変動演出が終了されたと判断した場合(ステップS1511:YES)、上記ステップS1504の処理で開始した発光制御を終了する(ステップS1512)。
このステップS1512の処理が実行された場合、又は変動演出が終了されないと判断された場合(ステップS1511:NO)、上記ステップS1501に処理が戻される。
[第1の実施形態の作用効果]
以上説明したように、第1の実施形態によれば、演出ボタン26の裏ボタン操作の有効期間中(第2の有効期間中)に演出ボタン26を押下した場合に生じるのと同じ演出変化が遊技者のボタン操作の有無に関わらず自動的に発生するので、遊技者が裏ボタン操作の有効期間を事前に把握していない場合であっても裏ボタン操作を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、遊技者が遊技履歴としての合計ポイントの情報を含むQRコードを携帯通信端末300で読み取り、合計ポイントをサーバ500へ送ることによってサーバ500に記憶されているポイントに応じた特典(例えば所定画像のダウンロード)を遊技者が得ることができるので、遊技者に積極的な裏ボタン操作を促すことが可能である。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、本発明における第2の演出変化がポイント獲得演出である場合について説明したが、第2の演出変化は、大当たりに対する信頼度を報知する信頼度報知演出であってもよい。具体的には、裏ボタンの有効期間中に遊技者が演出ボタン26を連打することによって例えばロゴ役物7の発光色を白色→青色→黄色→赤色→レインボーの順で変化させ、ロゴ役物7の発光色が最終的にどの発光色まで発展するかによって大当たりに対する信頼度を報知するといった構成において、裏ボタンの有効期間である第2の有効期間が始まるときに、ロゴ役物7を白色で発光させてからその発光色を青色に変化させるといった第2の演出変化を演出ボタン26の押下の有無に関わらず自動的に発生させる。
この構成によれば、裏ボタン操作を行えば大当たりの信頼度を示唆する情報を得ることができるということを遊技者に効果的に認識させて裏ボタン操作を促すことが可能である。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記第1の実施形態では、第2の有効期間が始まるタイミングで裏ボタン操作の有無に関わらず第2の演出変化を自動的に発生させる場合について説明したが、この第2の演出変化を発生させるタイミングは必ずしも第2の有効期間が始まるタイミングと一致している必要はない。すなわち、第2の有効期間が始まる前に、第2の演出変化を発生させるようにしてもよいし、或いは第2の有効期間が始まってから所定時間が経過した後に第2の演出変化を発生させるようにしてもよい。ただし、後者の場合、所定時間が長すぎると第2の演出変化が自動的に発生してから第2の有効期間が終わるまでの時間が短くなってしまい、その結果、遊技者が裏ボタン操作を容易に行えなくなってしまうおそれがある。このため、第2の演出変化を自動的に発生させるタイミングは、第2の有効期間が始まるタイミングか、或いはそれよりも前のタイミングであることが好ましい。
また、上記第1の実施形態では、本発明の入力手段が演出ボタン26である場合について説明したが、入力手段はこれに限定されるものではなく、演出キー27の中央キー、遊技者のタッチ操作を検知可能なタッチパネル、例えば遊技盤2に対してかざされた遊技者の手を検知可能な光センサ、ジョイスティックといった他の入力手段であってもよい。
また、上記第1の実施形態では、第1の演出変化と第2の演出変化とが相異なる場合について説明したが、これらの演出変化は同じであってもよい。
また、上記実施形態では、本発明を1種2種混合タイプのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明を1種タイプのパチンコ遊技機に適用してもよいし、或いは回胴式遊技機などの他の遊技機に適用してもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の表示態様の画面であってもよい。