以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における燃料交換機について説明する。ここで、燃料交換機は、原子炉用の燃料の挿入または引き出しを行うためのものである。
第1の実施の形態
まず、図1乃至図5を用いて、本発明の第1の実施の形態における燃料交換機について説明する。
図1(a)、(b)および図2に示すように、燃料交換機1は、原子炉用の燃料が収納された原子炉プール2の周囲の床3上に設置されたブリッジ用レール10と、ブリッジ用レール10上を走行可能なブリッジ20とを備えている。このうち、ブリッジ20は、ブリッジ用レール10上を走行するブリッジ車輪21と、ブリッジ車輪21を回転自在に保持する一対のブリッジ脚部22とを有している。ブリッジ脚部22は、図3に示すように、ブリッジ用レール10の長手方向(ブリッジ20の走行方向)に延びており、各ブリッジ脚部22に2つのブリッジ車輪21が保持されている。また、ブリッジ脚部22は、図2に示すように、矩形状の断面を有している。
図1に示すように、ブリッジ20の上面には、ブリッジ用レール10と直交する方向に延びるトロリ用レール30が設けられ、トロリ用レール30上には、トロリ用レール30上を走行するトロリ車輪31(図3参照)を有するトロリ32が設けられている。また、トロリ32には、燃料棒(図示せず)の挿入または引き出し操作を行うつかみ具33が設けられている。
このような燃料交換機1は、原子炉プール2に収納されている任意の燃料棒を挿入または引き出しするため、原子炉プール2の上方を跨ぐように設置されている。
図2に示すように、燃料交換機1が設置される床3にはT形鋼11が埋設され、このT形鋼11は、床3に埋め込まれた埋め込みアンカ12に対してアンカボルト71(図示しない)で固定されている。T形鋼11には、レールクリップ13を介してクリップボルト14によりブリッジ用レール10が固定されている。このようにして、ブリッジ用レール10は、床3に対して堅固に固定されている。
ブリッジ脚部22の下面22bにおいて、ブリッジ車輪21を通るブリッジ用レール10の長手方向に沿った軸線(2つのブリッジ車輪21を通る軸線)の両側に、ブリッジ用レール10に摺動自在な下面40aを有するスライドプレート(スライド部)40が設けられている。なお、本実施の形態においては、図3にも示されているように、スライドプレート40は、ブリッジ車輪21の両側(すなわち、ブリッジ用レール10の長手方向に関してブリッジ車輪21に対応する位置)に設けられているが、このことに限られることはなく、スライドプレート40は、ブリッジ車輪21に対して、ブリッジ用レール10の長手方向にずれた位置に配置されるようにしても良い。
スライドプレート40の下面40aは、上述した軸線から離れる方向に向かって下降するように傾斜している。また、スライドプレート40の下面40aは、ブリッジ車輪21の側(近位側)において、このブリッジ車輪21の下端よりも高い位置に配置されていると共に、ブリッジ車輪21とは反対側(遠位側)において、ブリッジ車輪21の下端よりも低い位置に配置されている。
図3に示すように、ブリッジ脚部22の両端部(ブリッジ20の走行方向の前端部および後端部)に、ブリッジ用レール10の側面10aに転動自在なレール用ローラ50が取り付けられている。このレール用ローラ50がブリッジ用レール10の側面10aを転動することにより、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10の長手方向に直交する方向に移動することを拘束され、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10上を案内されて走行するようになっている。また、各レール用ローラ50は、サポート51を介してブリッジ脚部22の両端部にそれぞれ保持されている。サポート51は、トリガーピン52を介してブリッジ脚部22の両端部に取り付けられている。このトリガーピン52は、通常運転時には、レール用ローラ50およびサポート51をブリッジ脚部22の両端部に保持するようになっているが、ブリッジ用レール10の長手方向に直交する略水平方向に所定値以上の力(例えば、地震力)が負荷された場合、ブリッジ脚部22から取り外されるようになっている。
図2および図4に示すように、ブリッジ脚部22の側方(外側)には、ブリッジ脚部22の側面22aに当接自在な当接面60aを有する床側固定部60が設けられている。この床側固定部60は、ブリッジ用レール10の長手方向に沿って延びており、床3にアンカボルト61を用いて固定されている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、燃料交換機1の通常運転について説明する。
通常運転時には、図1(a)、(b)に示すように、ブリッジ用レール10上において、ブリッジ車輪21を回転駆動させてブリッジ20を走行させ、ブリッジ20が所望の位置に到達した後、ブリッジ20を停止させる。この間、トリガーピン52はブリッジ脚部22から外れることなく、レール用ローラ50はブリッジ脚部22に保持されている。また、スライドプレート40の下面40aは、ブリッジ車輪21の側において、ブリッジ車輪21の下端よりも高い位置に配置されているため、スライドプレート40はブリッジ用レール10に接触していない。このことにより、ブリッジ車輪21がレール用ローラ50により案内され、ブリッジ20は、ブリッジ用レール10上をスムースに走行することができる。
また、トロリ用レール30上において、トロリ車輪31を回転駆動させてトロリ32を走行させ、トロリ32が所望の位置に到達した後、トロリ32を停止させる。
このようにして、トロリ32に設けられたつかみ具33を、原子炉プール2に複数収納されている燃料棒のうち所望の燃料棒の上方位置に配置させることができる。その後、つかみ具33を用いて燃料棒の挿入または引き出しを行うことができる。
次に、このような燃料交換機1において、地震が発生し、燃料交換機1に、ブリッジ用レール10の長手方向に直交する略水平方向の地震力が負荷される場合について説明する。
この場合、まず、この方向の地震力が所定値以上であると、レール用ローラ50を保持していたトリガーピン52が、ブリッジ脚部22の両端部から外れる。このことにより、ブリッジ車輪21は、レール用ローラ50による拘束力から解放される。
トリガーピン52が外れると、ブリッジ脚部22がブリッジ用レール10に対して、略水平方向(ここでは、一例として、図2、図4、および図5において左方向とする)に相対変位する。この場合、一対のブリッジ脚部22のうち一方(図4の左側)のブリッジ脚部22が、原子炉プール2から離れる方向に移動すると共に、他方(図4の右側)のブリッジ脚部22は、原子炉プール2側に移動する。このことにより、ブリッジ脚部22に保持されたブリッジ車輪21は、ブリッジ用レール10上を横滑りする。
ブリッジ脚部22が、所定距離、相対変位すると、図5に示すように、この一方のブリッジ脚部22に保持されているブリッジ車輪21が、ブリッジ用レール10から外れ、ブリッジ用レール10上を、ブリッジ脚部22の下面22bの内側(原子炉プール2の側)に設けられたスライドプレート40の下面40aが摺動して横滑りする。なお、この間、他方のブリッジ脚部22においても同様にして、スライドプレート40の下面40aがブリッジ用レール10上を摺動して横滑りする。この場合、ブリッジ20の荷重は、スライドプレート40により支持される。
負荷される地震力が大きい場合には、ブリッジ脚部22がさらに相対変位し、ブリッジ脚部22の側面22aが、床側固定部60の当接面60aに当接する。このことにより、ブリッジ車輪21が、スライドプレート40の下面40aから外れることを防止することができる。
ところで、燃料交換機1に、ブリッジ用レール10の長手方向に地震力が負荷される場合、ブリッジ車輪21は、ブリッジ用レール10上を、その長手方向に自由に滑ることができる。このことにより、ブリッジ用レール10の長手方向においても燃料交換機1に負荷される地震力を低減することができる。
このように本実施の形態によれば、地震が発生して、ブリッジ用レール10の長手方向と直交する略水平方向に地震力が負荷された場合、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じ、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10上を横滑りする。ここで、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10から外れた場合には、ブリッジ脚部22の下面22bに設けられたスライドプレート40の下面40aが、ブリッジ用レール10上を摺動して横滑りする。このことにより、ブリッジ20およびトロリ32に負荷される地震力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。また、スライドプレート40の下面40aが、ブリッジ用レール10上を摺動するため、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10から外れる際に、ブリッジ20およびトロリ32に衝撃が加えられることを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、ブリッジ脚部22の下面22bにスライドプレート40を取り付けると共に、ブリッジ脚部22の側方に床側固定部60を設けることにより、燃料交換機1の耐震性能を向上させている。このようなスライドプレート40および床側固定部60は、既設の燃料交換機1に低コストで容易に設置可能である。このため、新設の燃料交換機1だけでなく、既設の燃料交換機1についても耐震性能を低コストで容易に向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、ブリッジ脚部22の下面22bに設けられたスライドプレート40の下面40aは、ブリッジ車輪21から離れる方向に向かって下降するように傾斜しているため、ブリッジ脚部22の略水平方向の相対変位を抑制することができる。また、スライドプレート40を、ブリッジ車輪21をブリッジ用レール10上に戻すためのガイドとして機能させることができ、地震後の復旧作業を容易に行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、負荷される地震力が大きい場合には、ブリッジ脚部22の側方に設けられた床側固定部60の当接面60aに、ブリッジ脚部22の側面22aが当接する。このことにより、ブリッジ脚部22を確実に保持することができ、スライドプレート40の下面40aが、ブリッジ用レール10から外れることを防止することができる。
なお、本実施の形態においては、床側固定部60がブリッジ脚部22の外側(原子炉プール2とは反対側)に設けられている例について説明した。しかしながらこのことに限られることはなく、床側固定部60は、ブリッジ脚部22の内側(原子炉プール2の側)に設けられるようにしても良い。さらには、床側固定部60を、ブリッジ脚部22の外側および内側に設けるようにしても良い。この場合、ブリッジ脚部22を、より一層確実に保持することができる。
また、本実施の形態においては、ブリッジ脚部22の側面22aと床側固定部60の当接面60aとの間に、ウレタンパッド等の緩衝部材(図示せず)を介在させても良い。この場合、緩衝部材は、ブリッジ脚部22の側面22a、または床側固定部60の当接面60aの少なくとも一方に取り付ければ良い。
第2の実施の形態
次に、図6乃至図8により、本発明の第2の実施の形態における燃料交換機について説明する。
図6乃至図8に示す第2の実施の形態における燃料交換機において、ブリッジ脚部に、ブリッジ用レールの長手方向に直交する方向の力を吸収可能な力吸収機構が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図6乃至図8において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6に示すように、ブリッジ脚部22の側方(外側)に、ブリッジ用レール10の長手方向に沿って延びるガイド部材70が設けられている。このガイド部材70は、床3にアンカボルト71を用いて固定されている。また、ガイド部材70は、略水平に形成された水平ガイド面70aと、この水平ガイド面70aに連結され、略垂直に形成された垂直ガイド面70bとを有している。
ブリッジ脚部22とガイド部材70との間には、ブリッジ用レール10の長手方向に直交する方向の力を吸収可能な力吸収機構80が介在されている。この力吸収機構80は、ブリッジ脚部22に揺動自在に取り付けられた脚部側端部81と、矩形状に形成され、ガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに摺動自在なガイド側端部82とを有している。このうち、脚部側端部81は、ブリッジ脚部にピン83を用いて取り付けられている。
脚部側端部81とガイド側端部82との間には、ブリッジ用レール10の長手方向に直交する方向の力を吸収可能な力吸収部84が連結されている。この力吸収部84は、オイルダンパ85と、コイルバネ86とを有している。このうちオイルダンパ85は、脚部側端部81に連結されたダンパ本体85aと、ダンパ本体85aから延びるピストンロッド85bとを含んでいる。ピストンロッド85bの先端部に、ピン87を用いてガイド側端部82が取り付けられており、ガイド側端部82は、ピストンロッド85bに対して揺動自在になっている。
オイルダンパ85のダンパ本体85aに、第1バネ取付部材88が固定され、ピストンロッド85bに、第2バネ取付部材89が固定され、コイルバネ86は、第1バネ取付部材88と第2バネ取付部材89との間に連結されている。このコイルバネ86は、通常運転時において、圧縮されるように取り付けられている。このことにより、脚部側端部81がブリッジ脚部22に揺動自在であると共にガイド側端部82がオイルダンパ85のピストンロッド85bに揺動自在であることとあわせて、ガイド側端部82がガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに当接するようになっている。
力吸収機構80は、図7に示すように、ブリッジ脚部22の両端部(ブリッジ20の走行方向の前端部および後端部)に取り付けられている。なお、図7においては、力吸収機構80を簡略化して示している。また、図8に示すように、本実施の形態においては、ガイド部材70がブリッジ脚部22の外側にそれぞれ設けられており、各ガイド部材70に対応するように力吸収機構80は、対称的に設けられている。
図7に示すように、本実施の形態におけるスライドプレート40は、ブリッジ車輪と力吸収機構80との間に配置されている。
このような燃料交換機1における通常運転時にブリッジ20が走行する際、ガイド側端部82は、床3に設けられたガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに摺動する。このことにより、ブリッジ20は、ブリッジ用レール10上をスムースに走行することができる。
一方、略水平方向の地震力が負荷される場合、トリガーピン52(図3参照)が外されると、ブリッジ脚部22がブリッジ用レール10に対して略水平方向(例えば、図6および図8において左方向)に相対変位する。この場合、一対のブリッジ脚部22のうち一方(図8の左側)のブリッジ脚部22が、原子炉プール2から離れる方向に移動すると共に、他方(図8の右側)のブリッジ脚部22は、原子炉プール2側に移動する。
ブリッジ脚部22が、所定距離、相対変位すると、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10から外れ、ブリッジ用レール10上を、ブリッジ脚部22の下面22bに設けられたスライドプレート40の下面40aが摺動して横滑りする。この間、この一方のブリッジ脚部22に設けられた力吸収機構80のガイド側端部82がガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに当接していることにより、力吸収機構80のオイルダンパ85による減衰作用とコイルバネ86による弾性作用とにより略水平方向の地震力を吸収することができる。
なお、略水平方向の地震力が、図6および図8における右方向に負荷される場合には、図8に示す他方(右側)のブリッジ脚部22に設けられた力吸収機構80が、略水平方向の地震力を吸収することができる。
このように本実施の形態によれば、地震が発生して、ブリッジ用レール10の長手方向と直交する略水平方向に地震力が負荷された場合、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じるが、力吸収機構80のガイド側端部82が、床3に設けられたガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに当接し、力吸収機構80のオイルダンパ85の減衰作用およびコイルバネ86の弾性作用により略水平方向の地震力を吸収することができる。このことにより、ブリッジ20およびトロリ32に負荷される地震力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、ブリッジ脚部22の下面22bにスライドプレート40を取り付けると共に、ブリッジ脚部22の側方にガイド部材70を設け、さらに、ブリッジ脚部22とガイド部材70との間に力吸収機構80を介在させることにより、燃料交換機1の耐震性能を向上させている。このようなスライドプレート40、ガイド部材70、および力吸収機構80は、既設の燃料交換機1に低コストで容易に設置可能である。このため、新設の燃料交換機1だけでなく、既設の燃料交換機1についても耐震性能を低コストで容易に向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、力吸収機構80のオイルダンパ85の減衰係数、またはコイルバネ86のバネ定数を大きくすることにより、ブリッジ脚部22の略水平方向の相対変位を抑制することができる。また、コイルバネ86のバネ定数と燃料交換機1全体の質量とによって定められる固有振動数を地震動の主要成分となる周波数より低くするようにコイルバネ86のバネ定数を設定することにより、地震動が燃料交換機1へ伝達されることを抑制することができる。この場合、ブリッジ用レール10に対するブリッジ脚部22の相対変位が大きくなるが、オイルダンパ85の減衰係数を最適化することにより、地震力吸収性能(免震性能)が低下することを抑えることができる。さらには、コイルバネ86のバネ定数を小さくすることにより、通常運転時におけるブリッジ20の走行を、より一層スムースにすることもできる。
さらに、本実施の形態によれば、力吸収機構80のガイド側端部82が、床3に設けられたガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに当接していることにより、ガイド部材70に負荷されるモーメントを低減することができる。このため、ガイド部材70を床3に固定しているアンカボルト71に負荷される引き抜き力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。
なお、本実施の形態においては、力吸収部84がオイルダンパ85とコイルバネ86とを有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、オイルダンパ85の代わりに、高粘性流体ダンパ、粘弾性ダンパ、弾塑性ダンパ、摩擦ダンパ、磁気ダンパ、高減衰ゴムなどを用いても良い。また、コイルバネ86の代わりに、積層ゴム、皿バネ、板バネ、樹脂バネ、磁気バネ、空気バネ、樹脂ブロック、または金属ブロックなどの体積弾性バネを用いても良い。さらには、力吸収部84を、上述したダンパおよびバネのうちの一方のみを用いて構成するようにしても良い。
また、本実施の形態においては、ガイド部材70が、ブリッジ脚部22の外側(原子炉プール2とは反対側)に設けられ、これに対応するように力吸収機構80が設けられている例について説明した。しかしながらこのことに限られることはなく、ガイド部材70が、ブリッジ脚部22の内側(原子炉プール2の側)に設けられ、これに対応するように力吸収機構80が設けられるようにしても良い。
第3の実施の形態
次に、図9により、本発明の第3の実施の形態における燃料交換機について説明する。
図9に示す第3の実施の形態における燃料交換機において、ガイド側端部が、ガイド部材に転動自在なガイド用ローラを有している点が主に異なり、他の構成は、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図9において、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示すように、力吸収機構80のガイド側端部82は、ガイド部材70に転動自在なガイド用ローラ90を有している。このガイド用ローラ90の外周面は、円弧状に形成されており、ガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに転動自在になっている。
このような燃料交換機1において、略水平方向の地震力が負荷されてトリガーピン52(図3参照)が外された場合、ブリッジ脚部22がブリッジ用レール10に対して略水平方向に相対変位する。この場合、ブリッジ脚部22が、所定距離、相対変位すると、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10から外れ、ブリッジ用レール10上を、ブリッジ脚部22の下面22bに設けられたスライドプレート40の下面40aが摺動して横滑りする。この間、この一方のブリッジ脚部22に設けられた力吸収機構80のガイド用ローラ90がガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに当接していることにより、力吸収機構80のオイルダンパ85による減衰作用とコイルバネ86による弾性作用とにより略水平方向の地震力を吸収することができる。
このように本実施の形態によれば、地震が発生して、ブリッジ用レール10の長手方向と直交する略水平方向に地震力が負荷された場合、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じるが、力吸収機構80のガイド用ローラ90が、床3に設けられたガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに当接し、力吸収機構80のオイルダンパ85の減衰作用およびコイルバネ86の弾性作用により略水平方向の地震力を吸収することができる。このことにより、ブリッジ20およびトロリ32に負荷される地震力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、床3に設けられたガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bに、力吸収機構80のガイド用ローラ90が当接しているため、ブリッジ20の走行時に、ガイド用ローラ90がガイド部材70の水平ガイド面70aおよび垂直ガイド面70bを転動する。このことにより、ブリッジ20は、ブリッジ用レール10上をスムースに走行することができる。
第4の実施の形態
次に、図10により、本発明の第4の実施の形態における燃料交換機について説明する。
図10に示す第4の実施の形態における燃料交換機において、ガイド側端部は、ガイド部材の垂直ガイド面に対して離間している点が主に異なり、他の構成は、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図10において、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、力吸収機構80のオイルダンパ85のダンパ本体85aに固定された第1バネ取付部材88と、ピストンロッド85bに固定された第2バネ取付部材89との間に、調整ボルト91が連結されている。本実施の形態においては、調整ボルト91は、第2バネ取付部材89のボルト穴89aに、第1バネ取付部材88とは反対側から挿入して、第1バネ取付部材88のボルト穴88aに通し、第1バネ取付部材88の第2バネ取付部材89とは反対側において、ナット92により締め付けられる。このようにして、コイルバネ86の伸びを、調整可能に制限するようになっている。このことにより、ガイド側端部82と、ガイド部材70の垂直ガイド面70bとの間にギャップが形成される。このようにして、力吸収機構80のガイド側端部82は、ガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して離間するようになっている。なお、調整ボルト91の取付の方法は、上述の方法に限られることはなく、さらには、調整ボルト91の代わりに、スタッド(図示せず)を用いても良い。
このような燃料交換機1において、略水平方向の地震力が負荷されてトリガーピン52(図3参照)が外された場合、ブリッジ脚部22がブリッジ用レール10に対して略水平方向に相対変位する。この場合、ブリッジ脚部22が、所定距離、相対変位すると、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10から外れ、ブリッジ用レール10上を、ブリッジ脚部22の下面22bに設けられたスライドプレート40の下面40aが摺動して横滑りする。また、力吸収機構80のガイド側端部82は、ガイド部材70の水平ガイド面70a上を摺動し、ガイド側端部82は、ガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接する。このことにより、力吸収機構80のオイルダンパ85による減衰作用とコイルバネ86による弾性作用とにより略水平方向の地震力を吸収することができる。
このように本実施の形態によれば、地震が発生して、ブリッジ用レール10の長手方向と直交する略水平方向に地震力が負荷された場合、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じて、力吸収機構80のガイド側端部82がガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接し、力吸収機構80のオイルダンパ85の減衰作用およびコイルバネ86の弾性作用により略水平方向の地震力を吸収することができる。このことにより、ブリッジ20およびトロリ32に負荷される地震力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、床3に設けられたガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して、力吸収機構80のガイド側端部82が離間しているため、負荷される地震力が小さい場合には、ガイド側端部82がガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接することがなく、ブリッジ脚部22に地震力が負荷されることを防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、床3に設けられたガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して、力吸収機構80のガイド側端部82が離間している。このことにより、ブリッジ20は、ブリッジ用レール10上をより一層スムースに走行することができる。
第5の実施の形態
次に、図11により、本発明の第5の実施の形態における燃料交換機について説明する。
図11に示す第5の実施の形態における燃料交換機において、ガイド用ローラが、その回転面が略水平となるように配置されて、ガイド部材の垂直ガイド面に転動自在になっている点が主に異なり、他の構成は、図6乃至図9に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図11において、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図11に示すように、力吸収機構80の脚部側端部81は、ブリッジ脚部22に固定され、力吸収機構80が略水平に配置されている。
また、力吸収機構80のガイド側端部82は、ガイド部材70に転動自在なガイド用ローラ90を有している。このガイド用ローラ90は、その回転面が略水平となるように配置されて、ガイド部材70の垂直ガイド面70bに転動自在になっている。なお、ガイド用ローラ90の外周面は、円弧状に形成されている。
図11に示すように、力吸収機構80のオイルダンパ85のダンパ本体85aに固定された第1バネ取付部材88と、ピストンロッド85bに固定された第2バネ取付部材89との間に、調整ボルト91が連結されている。本実施の形態においては、調整ボルト91は、第2バネ取付部材89のボルト穴89aに、第1バネ取付部材88とは反対側から挿入して、第1バネ取付部材88のボルト穴88aに通し、第1バネ取付部材88の第2バネ取付部材89とは反対側において、ナット92により締め付けられている。このようにして、コイルバネ86の伸びを、調整可能に制限するようになっている。このことにより、ガイド側端部82と、ガイド部材70の垂直ガイド面70bとの間にギャップが形成される。このようにして、力吸収機構80のガイド側端部82がガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して離間するようになっている。なお、調整ボルト91の取付の方法は、上述の方法に限られることはなく、さらには、調整ボルト91の代わりに、スタッド(図示せず)を用いても良い。
このような燃料交換機1において、略水平方向の地震力が負荷されてトリガーピン52(図3参照)が外された場合、ブリッジ脚部22がブリッジ用レール10に対して略水平方向に相対変位する。この場合、ブリッジ脚部22が、所定距離、相対変位すると、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10から外れ、ブリッジ用レール10上を、ブリッジ脚部22の下面22bに設けられたスライドプレート40の下面40aが摺動して横滑りする。また、力吸収機構80のガイド用ローラ90は、ガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接する。このことにより、力吸収機構80のオイルダンパ85による減衰作用とコイルバネ86による弾性作用とにより略水平方向の地震力を吸収することができる。
このように本実施の形態によれば、地震が発生して、ブリッジ用レール10の長手方向と直交する略水平方向に地震力が負荷された場合、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じて、力吸収機構80のガイド用ローラ90がガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接し、力吸収機構80のオイルダンパ85の減衰作用およびコイルバネ86の弾性作用により略水平方向の地震力を吸収することができる。このことにより、ブリッジ20およびトロリ32に負荷される地震力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、床3に設けられたガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して、力吸収機構80のガイド用ローラ90が離間しているため、負荷される地震力が小さい場合には、ガイド用ローラ90がガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接することがなく、ブリッジ脚部22に地震力が負荷されることを防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、床3に設けられたガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して、力吸収機構80のガイド用ローラ90が離間している。このことにより、ブリッジ20は、ブリッジ用レール上をより一層スムースに走行することができる。
第6の実施の形態
次に、図12により、本発明の第6の実施の形態における燃料交換機について説明する。
図12に示す第6の実施の形態における燃料交換機において、ガイド部材は、略垂直に延びる垂直プレートを有し、力吸収機構のガイド側端部は、垂直プレートの両面に摺動自在な一対の摺動面を有している点が主に異なり、他の構成は、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図12において、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示すように、力吸収機構80は、略水平に配置されている。また、ガイド部材70は、略垂直に延びる垂直プレート93を有している。
本実施の形態における力吸収機構80のガイド側端部82(ガイドスライダー)は、ガイド部材70の垂直プレート93の両面に摺動自在な一対の摺動面94を有している。
このような燃料交換機1において、略水平方向の地震力が負荷されてトリガーピン52(図3参照)が外された場合、ブリッジ脚部22がブリッジ用レール10に対して略水平方向に相対変位する。この場合、ブリッジ脚部22が、所定距離、相対変位すると、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10から外れ、ブリッジ用レール10上を、ブリッジ脚部22の下面22bに設けられたスライドプレート40の下面40aが摺動して横滑りする。また、力吸収機構80のガイド側端部82の摺動面94は、ガイド部材70の垂直プレート93に当接する。このことにより、力吸収機構80のオイルダンパ85による減衰作用とコイルバネ86による弾性作用とにより略水平方向の地震力が吸収される。
このように本実施の形態によれば、地震が発生して、ブリッジ用レール10の長手方向と直交する略水平方向に地震力が負荷された場合、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じて、力吸収機構80のガイド側端部82の摺動面94がガイド部材70の垂直プレート93に当接し、力吸収機構80のオイルダンパ85の減衰作用およびコイルバネ86の弾性作用により略水平方向の地震力を吸収することができる。このことにより、ブリッジ20およびトロリ32に負荷される地震力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、力吸収機構80のガイド側端部82の摺動面94は、ガイド部材70の垂直プレート93に摺動自在になっている。このことにより、ブリッジ20は、ブリッジ用レール10上をスムースに走行することができる。
第7の実施の形態
次に、図13により、本発明の第7の実施の形態における燃料交換機について説明する。
図13に示す第7の実施の形態における燃料交換機において、ガイド部材は、略垂直に延びる垂直プレートを有し、力吸収機構のガイド側端部は、垂直プレートの両面に摺動自在な一対の摺動面を有し、ブリッジ車輪がブリッジ用レールの幅より広い幅を有している点が主に異なり、他の構成は、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図13において、図6乃至図8に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図13に示すように、力吸収機構80は、略水平に配置されている。また、ガイド部材70は、略垂直に延びる垂直プレート93を有している。
本実施の形態における力吸収機構80のガイド側端部82(ガイドスライダー)は、ガイド部材70の垂直プレート93の両面に摺動自在な一対の摺動面94を有している。
また、図13に示すように、ブリッジ車輪21は、ブリッジ用レール10の幅より広い幅を有している。なお、本実施の形態においては、ブリッジ脚部22の下面22bには、スライドプレート40(図2等参照)は設けられていない。
このような燃料交換機1において、略水平方向の地震力が負荷されてトリガーピン52(図3参照)が外された場合、ブリッジ脚部22がブリッジ用レール10に対して略水平方向に相対変位する。この場合、ブリッジ脚部22が、所定距離、相対変位すると、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10上を摺動して横滑りする。また、力吸収機構80のガイド側端部82の摺動面94は、ガイド部材70の垂直プレート93に当接する。このことにより、力吸収機構80のオイルダンパ85による減衰作用とコイルバネ86による弾性作用とにより略水平方向の地震力を吸収することができる。
このように本実施の形態によれば、地震が発生して、ブリッジ用レール10の長手方向と直交する略水平方向に地震力が負荷された場合、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じて、力吸収機構80のガイド側端部82の摺動面94がガイド部材70の垂直プレート93に当接し、力吸収機構80のオイルダンパ85の減衰作用およびコイルバネ86の弾性作用により略水平方向の地震力を吸収することができる。このことにより、ブリッジ20およびトロリ32に負荷される地震力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、ブリッジ脚部22の側方にガイド部材70を設けると共に、ブリッジ脚部22とガイド部材70との間に力吸収機構80を介在させることにより、燃料交換機1の耐震性能を向上させることができる。このようなガイド部材70、および力吸収機構80は、既設の燃料交換機1に低コストで容易に設置可能である。このため、新設の燃料交換機1だけでなく、既設の燃料交換機1についても耐震性能を低コストで容易に向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、力吸収機構80のガイド側端部82の摺動面94は、ガイド部材70の垂直プレート93に摺動自在になっている。このことにより、ブリッジ20は、ブリッジ用レール10上をスムースに走行することができる。
さらに、本実施の形態によれば、ブリッジ車輪21は、ブリッジ用レール10の幅より広い幅を有している。このことにより、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じた場合においても、ブリッジ車輪21が、ブリッジ用レール10から脱輪することを防止することができる。
第8の実施の形態
次に、図14および図15により、本発明の第8の実施の形態における燃料交換機について説明する。
図14および図15に示す第8の実施の形態における燃料交換機において、ブリッジ脚部の側面に、ブリッジ用レールの長手方向に直交する方向の力を吸収可能な力吸収機構が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図14および図15において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すように、ブリッジ脚部22の側方(外側)に、ブリッジ用レール10の長手方向に沿って延びるガイド部材70が設けられている。このガイド部材70は、床3にアンカボルト71を用いて固定されている。また、ガイド部材70は、略水平に形成された水平ガイド面70aと、この水平ガイド面70aに連結され、略垂直に形成された垂直ガイド面70bとを有している。
ブリッジ脚部22の外側(原子炉プール2とは反対側)の側面22aとガイド部材70との間には、ブリッジ用レール10の長手方向に直交する方向の力を吸収可能な力吸収機構100が介在されている。この力吸収機構100は、略水平に配置されており、ブリッジ脚部22の側面22aに取り付けられた取付台座(脚部側端部)101と、ガイド部材70の垂直ガイド面70bに摺動自在なスライドパッド(ガイド側端部)102とを有している。通常運転時には、スライドパッド102は、ガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して離間し、スライドパッド102とガイド部材70の垂直ガイド面70bとの間に隙間が形成されている。
取付台座101とスライドパッド102との間には、ブリッジ用レール10の長手方向に直交する方向の力を吸収可能な力吸収部104が連結されている。この力吸収部104は、オイルダンパ105と、コイルバネ106とを有している。このうちオイルダンパ105は、取付台座101に連結されたダンパ本体105aと、ダンパ本体105aから延びるピストンロッド105bとを含んでいる。ピストンロッド105bの先端部に、スライドパッド102が取り付けられている。
オイルダンパ105のダンパ本体105aに、第1バネ取付部材108が固定され、ピストンロッド105bに、第2バネ取付部材109が固定され、コイルバネ86は、第1バネ取付部材108と第2バネ取付部材109との間に連結されている。このコイルバネ106は、通常運転時において、圧縮されるように取り付けられている。
また、図14に示すように、ブリッジ車輪21は、ブリッジ用レール10の幅より広い幅を有している。なお、本実施の形態においては、ブリッジ脚部22の下面22bには、スライドプレート40(図2参照)は設けられていない。
本実施の形態においては、4つの力吸収機構100が、ブリッジ脚部22の外側の側面22aに取り付けられている。なお、図14および図15は、一対のブリッジ脚部22のうちの一方のブリッジ脚部22に力吸収機構100が取り付けられた状態を示しているが、他方のブリッジ脚部22の外側の側面22aにも、同様にして、4つの力吸収機構100が取り付けられており、力吸収機構100は、対称的に取り付けられている。同様に、なお、図15においては、力吸収機構100を簡略化して示している。
このような燃料交換機1において、略水平方向の地震力が負荷されてトリガーピン52(図3参照)が外された場合、ブリッジ脚部22がブリッジ用レール10に対して略水平方向に相対変位する。この場合、ブリッジ脚部22が相対変位すると、ブリッジ車輪21がブリッジ用レール10上を摺動して横滑りする。また、ブリッジ脚部22が、スライドパッド102とガイド部材70の垂直ガイド面70bとの隙間より大きく相対変位すると、力吸収機構100のスライドパッド102は、ガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接する。このことにより、力吸収機構100のオイルダンパ105による減衰作用とコイルバネ106による弾性作用とにより略水平方向の地震力を吸収することができる。
このように本実施の形態によれば、地震が発生して、ブリッジ用レール10の長手方向と直交する略水平方向に地震力が負荷された場合、ブリッジ脚部22とブリッジ用レール10との間において略水平方向の相対変位が生じて、力吸収機構100のスライドパッド102がガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接し、力吸収機構100のオイルダンパ105の減衰作用およびコイルバネ106の弾性作用により略水平方向の地震力を吸収することができる。このことにより、ブリッジ20およびトロリ32に負荷される地震力を低減することができ、耐震性能を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、床3に設けられたガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して、力吸収機構100のスライドパッド102が離間しているため、負荷される地震力が小さい場合には、スライドパッド102がガイド部材70の垂直ガイド面70bに当接することがなく、ブリッジ脚部22に地震力が負荷されることを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、床3に設けられたガイド部材70の垂直ガイド面70bに対して、力吸収機構100のスライドパッド102が離間している。このことにより、ブリッジ20は、ブリッジ用レール10上をより一層スムースに走行することができる。
また、本実施の形態によれば、ブリッジ脚部22の側方にガイド部材70を設けると共に、ブリッジ脚部22の外側の側面22aとガイド部材70との間に力吸収機構100を介在させることにより、燃料交換機1の耐震性能を向上させることができる。このようなガイド部材70、および力吸収機構100は、既設の燃料交換機1に低コストで容易に設置可能である。このため、新設の燃料交換機1だけでなく、既設の燃料交換機1についても耐震性能を低コストで容易に向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、ブリッジ脚部22の外側の側面22aに、4つの力吸収機構100が取り付けられる例について説明したが、このことに限られることはなく、燃料交換機1の構造に応じて、ブリッジ脚部22の外側の側面22aに取り付けられる力吸収機構100の個数は任意とすることができる。
また、本実施の形態においては、力吸収部104がオイルダンパ105とコイルバネ106とを有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、オイルダンパ105の代わりに、高粘性流体ダンパ、粘弾性ダンパ、弾塑性ダンパ、摩擦ダンパ、磁気ダンパ、高減衰ゴムなどを用いても良い。また、コイルバネ106の代わりに、積層ゴム、皿バネ、板バネ、樹脂バネ、磁気バネ、空気バネ、樹脂ブロック、または金属ブロックなどのような体積弾性バネを用いても良い。さらには、力吸収部104を、上述したダンパおよびバネのうちの一方のみを用いて構成するようにしても良い。
以上、本発明による実施の形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に、適宜組み合わせることも可能である。例えば、第4の実施の形態における力吸収機構80と第8の実施の形態における力吸収機構100を併用することが可能である。また、これらの本実施の形態においては、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形も可能である。