JP5606014B2 - フルブリッジ回路の駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フルブリッジ回路の駆動方法に関する。このフルブリッジ回路は、交流出力信号を形成し、この交流出力信号は負荷を含む出力共振回路に供給される。この駆動方法では、フルブリッジ回路のスイッチング素子が、出力電力を決定するフルブリッジ回路のデューティ比を形成するために制御される。
ハーフブリッジ回路は2つのスイッチング素子を有し、これらは直列に接続されている。スイッチング素子の接続点は、ハーフブリッジ回路の中点である。ハーフブリッジ回路の中点は2つのスイッチング素子により、直流電力供給部のプラス極とマイナス極に交互に接続される。フルブリッジ回路は2つのハーフブリッジ回路からなり、それらの中点は所望の周波数で、すなわちフルブリッジ回路の出力信号の基本周波数で、直流電力供給部のプラス極とマイナス極にそれぞれ逆相で接続される。
直流電力供給部のプラス極がスイッチング素子によりフルブリッジ回路の出力端にスイッチオンされ、プラス極がスイッチオフされ、マイナス極がスイッチオンされ、マイナス極がスイッチオフされ、そしてプラス極が再度フルブリッジ回路の出力端にスイッチオンされる直前までの時間が1周期と称される。この周期に割り当てられた周波数が基本周波数である。
パルス幅制御では出力信号のパルス幅が出力信号の電力制御のために用いられる。ここで交流負荷がプラス極またはマイナス極に接続されている時間と、1周期の全体時間との比がデューティ比と称される。100%に近い大きなデューティ比は、フルブリッジ回路の出力電圧(=交流出力信号)またはフルブリッジ回路電圧が周期の大部分にわたって絶対値的に高いレベルにある波形に関連し、一方小さなデューティ比はレベルの低い波形に関連する。したがってデューティ比が大きいと大きな電力が出力され、デューティ比が小さいと小さな電力が出力される。デューティ比は種々の異なる制御方法によって調整することができる。このような方法はいわゆる位相シフト法である。
第1のハーフブリッジ回路のスイッチング素子の制御信号は、フルブリッジ回路が位相シフト法で動作する場合、第2のハーフブリッジ回路のスイッチング素子の制御信号に位相シフトされる。位相シフトは交流出力信号の半周期とすることができる。位相シフトを変化することによって、出力信号を変化することができる。とりわけ出力信号の電力を変化することができる。
基本的に、スイッチング素子ができるだけ小さな電圧でスイッチオンされると有利である。スイッチオン時の電圧がゼロボルトであれば、これをゼロボルトスイッチング(ZVS)と呼ぶ。これはとりわけ、スイッチング素子自体がその出力端にキャパシタンスを有する場合に有利である。このようなキャパシタンスは、スイッチオン時の電圧がゼロではない場合、放電しなければならないこととなる。しかしこのことは、スイッチング素子の損失と発熱につながる。
基本的に、スイッチング素子を流れる電流もスイッチオフ時にできるだけ小さいと同様に有利である。スイッチオフ時の電流がゼロであれば、これをゼロ電流スイッチング(ZCS)と呼ぶ。ゼロ電流スイッチングは、スイッチング素子のハーフブリッジ回路で漂遊インダクタンスを伴う回路トポロジーに対して推奨される。またスイッチング素子が高速にスイッチオフせず、例えば電荷担体の崩壊により比較的大きな残留電流が流れる場合にも推奨される。
以下に説明するように位相シフト法では種々の状況が発生し得る。図1aには、スイッチング素子Z1、Z2、Z3およびZ4を有するフルブリッジ回路が示されている。第1のハーフブリッジ回路は、直列接続されたスイッチング素子Z1とZ2からなり、第2のハーフブリッジ回路は直列接続されたスイッチング素子Z3、Z4からなる。ハーフブリッジ回路の中点はM1、M2により示されている。中点M1、M2の間の電圧がフルブリッジ回路電圧Uvないしは交流出力信号である。フルブリッジ回路は直流電力供給部DCVに接続されている。
スイッチング素子Z1〜Z4に並列にダイオードD1〜D4が接続されている。フルブリッジ回路の出力端には出力共振回路10が接続されており、この出力共振回路はコイルL1、L3ならびに負荷11を含む。負荷11はコンデンサC1を有し、このコンデンサC1には、直列に接続された抵抗R1とコイルL2が並列に配置されている。負荷11は出力端子A1、A2に接続されており、この出力端子A1、A2の間に共振回路電圧Usが印加される。IによりM1からM2に流れる電流が示されている。M2からM1への電流は、図示の矢印方向とは反対の電流である。図1bには、ポイントM1、M2間の電圧Uvと、コイルL1、L2および負荷11を流れる電流Iが示されている。コイルL1とL3は少なくとも部分的に負荷11への線路のインダクタンスである。負荷11はこの場合、それ自体が減衰性の発振回路である。負荷が例えば共振回路によるインダクタの誘導加熱の場合、とりわけ抵抗RとインダクタンスL2は非常にダイナミックである。負荷11の共振回路の共振周波数とインピーダンスは動作時に大きく変化する。したがって出力共振回路10の共振周波数とインピーダンスも大きく変化する。電力制御はこのことに常に応答しなければならない。
時点t1の前でスイッチング素子Z2、Z3がスイッチオンされ、Z1、Z4がスイッチオフされ、負の電力供給電圧UDCVが出力端M1、M2に印加される。電流IはM2からM1へ流れ、したがって図1bで電流は負である(図1aに示した矢印方向と反対の方向であるから)。時点t1でスイッチング素子Z2がスイッチオフされる。電流Iは、インダクタンスL1、L2、L3があるので瞬時の値を突然変化することができない。電流はさらにダイオードD1、スイッチング素子Z3、そして負荷11を流れる。これは上方のフリーホイールに相当する。そしてスイッチング素子Z1をスイッチオンすることができる(ZVS)。Z1のスイッチオン後に電流がZ1を流れるかまたはD1を流れるかは、Z1とD1の特性に依存する。時間間隔t1−t2の間に電流Iは消失する。出力共振回路10の固有共振周波数に対して制御周波数が高いと、この時間間隔の間に電流が完全に0に低下しない。
時点t2でスイッチング素子Z3がスイッチオフされる。図1bから、スイッチオフ中にさらにある程度の電流がスイッチング素子Z3を介して流れる(ZCSではない)ことが分かる。スイッチング素子Z3のスイッチ尾久時には損失が発生する。電流Iはその経路をZ3からD4に切り換える。そしてスイッチング素子Z4をスイッチオンすることができる(ZVS)。Z4のスイッチオン後に電流がZ4を流れるかまたはD4を流れるかは、Z4とD4の特性に依存する。
時間間隔t2−t2aでは逆給電が行われる。なぜなら電流がZ1ないしD1を介して直流電力供給部DCVに流れ、電流Iがさらに急速に消失するからである。時点t2aでスイッチング素子Z1、Z4がスイッチオンされ、電流Iは方向を変化し、M1からM2に流れる。性の電力供給電圧UDCVがフルブリッジ回路の出力端M1、M2に印加され、電流Iは急速に上昇する。
時点t4でスイッチング素子Z4がさらにスイッチオンされ、スイッチング素子Z1がスイッチオフされる。電流IはさらにZ4とD2を介して流れる。そしてスイッチング素子Z1をスイッチオンすることができる(ZVS)。フルブリッジ回路の相応の状態は下側フリーホイールと称される。なぜなら電流がダイオードD2ないしスイッチング素子Z2、負荷11およびスイッチング素子Z4を介して流れるからである。時点t5でスイッチング素子Z4がスイッチオフされる。電流がダイオードD2ないしスイッチング素子Z2、負荷11およびダイオードD3を介して直流電力供給部DCVへ流れることにより逆給電が行われる。電流Iがゼロ通過するとき(時点t5a)、電流Iはスイッチング素子Z2、Z3を転流する。このときZ3はスイッチオンされており、ダイオードD3は電流Iを導く。この制御変形例では、確実なZVSは可能であるが、ZCSは不可能である。
デューティ比が小さくなると、電流のゼロ通過は電圧のゼロ通過にますます接近する。部分負荷の場合、図2のスイッチング特性が現れる。ここでも、時点t1の前でスイッチング素子Z2、Z3がスイッチオンされ、Z1、Z4がスイッチオフされ、負の電力供給電圧UDCVが出力端M1、M2に印加される。電流IはM2からM1に流れ、したがって図2では負である。時点t1でスイッチング素子Z2はスイッチオフされ(ZCSなしで)、電流IはD1とZ3(上側フリーホイール)およびZ1を介して流れ、スイッチオンされる(ZVS)。
時点t2でZ3がスイッチオフされ、電流Iはこの時点でその方向を変化し、ほぼゼロである。Z3に対してはZCSが達成される。Z3のスイッチオフの直後にZ4がスイッチオンされると、電流Iは上昇する。
時点t5でZ1がスイッチオフされ、電流IはZ4とD2、Z2を介して流れ、損失の少ないスイッチオンが可能である(ZVS)。
時点t5でZ4がスイッチオフされ、電流はこの時点でほぼゼロである。したがってZ4に対してはZCSを達成することができる。電流は引き続きZ2とD3ないしZ3を介して、Z3がスイッチオンされると直ちに流れる。Z3はZVSによりスイッチオンすることができる。
デューティ比がさらに小さい場合には、図3に示した例が現れる。ここでは電流反転ないし電流のゼロ通過は、スイッチング素子がスイッチオンされる前に行われる。ここでも、時点t1の前でスイッチング素子Z2、Z3がスイッチオンされ、Z1、Z4がスイッチオフされ、負の電力供給電圧UDCVが出力端M1、M2に印加される。電流IはM2からM1に流れ、したがって図3では負である。時点t1でスイッチング素子Z2はスイッチオフされ(ZCSなしで)、電流IはD1とZ3(上側フリーホイール)、Z1を介して流れ、スイッチオンされる(ZVS)。時点t1aで電流Iはその方向を変化し、その後、Z1とZ3ないしD3を介して流れる(上側フリーホイール)。
時点t2でZ3はスイッチオフされる。電流Iは、Z4がスイッチオンされるとさらにD3を介して流れ、上昇する。これはZ3のスイッチオフ直後に行われる。そしてD3とZ4を介して電荷担体がD3から流れる。D3は、D3からのすべての電荷担体が消失して初めて遮断される(リカバリー時間)。この時間の間に電流ピークが発生する。なぜならD3が反対方向に、スイッチオンされたZ4とともに電力電圧供給部DCVに対する短絡を形成するからである。
時点t4でZ1がスイッチオフされ、電流IはZ4とD2、Z2を介して流れ、損失の少ないスイッチオンが可能である(ZVS)。
時点t4aで電流Iはその方向を変化し、その後、Z2およびZ4ないしD4を介して流れる。
時点t5でZ4はスイッチオフされ、Z3がスイッチオンされると、電流はさしあたりD4を介して流れ、さらに増大する。このことはZ4のスイッチオフの直後に行われる。そしてD4とZ3を介して電荷担体がD4から流れる。D4は、D4からのすべての電荷担体が消失して初めて遮断される(リカバリー時間)。この時間の間に電流ピークが発生する。なぜならD4が反対方向に、スイッチオンされたZ3とともに電力電圧供給部DCVに対する短絡を形成するからである。
古典的な位相シフト制御では、3つすべての状況が存在する。デューティ比が小さくなるとまず第2の状況が発生し、さらにデューティ比が小さくなると第3の状況が発生する。第3の状況(D4がまだ導通している間に、Z3がスイッチオンする)は絶対に回避すべきである。
本発明の課題は、負荷が変化してもスイッチング損失の少ないフルブリッジ回路が実現できるような、フルブリッジ回路の駆動方法を提供することである。
この課題は次のようなフルブリッジ回路の駆動方法によって解決される。すなわち
このフルブリッジ回路は、交流出力信号を形成し、この交流出力信号は負荷を含む出力共振回路に供給され、この駆動方法では、フルブリッジ回路のスイッチング素子が、出力電力を決定するフルブリッジ回路のデューティ比を形成するために制御される。ここでスイッチング素子の制御周波数は、スイッチング素子のスイッチング損失を低減するために、フルブリッジ回路の出力電圧と出力共振回路の電流との間の位相Θ、および/またはフルブリッジ回路の出力電圧と負荷に印加される出力共振回路電圧との間の位相φに依存して調整(変化)される。
本発明の方法により電力調整が、古典的位相シフト法のようにデューティ比を介してだけ、または周波数変化を介してだけで実行されるのではなく、両者の組合せを介して実行される。まず所望の出力電力の粗調整をデューティ比を介して行うことができる。引き続き周波数変化により動作点が調整される。この動作点では、フルブリッジ回路の出力端における電流と電圧の経過が図2に基づき説明した理想的な状況に相応する。このことは、フルブリッジ回路の電流が非常に小さい場合だけ、スイッチング素子Z3、Z4をスイッチオフすることを意味する。有利にはスイッチング素子Z3、Z4は正確に電流のゼロ通過でスイッチオフされる。このことにより逆給電を回避できる。スイッチング素子Z2とZ3は、ZVSによりスイッチオンできる。
本発明ではスイッチング素子の負荷を小さくすることができるから、安価なスイッチング素子を使用することができ、冷却コストが低減される。とりわけスイッチオン損失が低減される。なぜなら少なくとも若干のスイッチング素子が無電圧でスイッチオンされるからである。電力損失も低減される。なぜなら全体で僅少の電流損失が達成されるからである。スイッチオフ損失も最小になる。なぜなら一方のハーフブリッジ回路はスイッチオフ電流の小さいときにスイッチオフされ、他方のハーフブリッジ回路ではスイッチング素子が無電流でスイッチオフされるからである。
例えば誘導応答の場合のように負荷インピーダンスが常時変化する場合、出力共振回路の共振周波数も常時変化する。この変化に対して本発明の方法により応答することができ、したがって広い負荷変化領域にわたってフルブリッジ回路の損失の少ないスイッチングを達成することができる。これにより、負荷インピーダンスが係数2以上変化しても損失の少ない電力制御を行うことができる。
スイッチング素子の制御周波数が変化する場合にはデューティ比も変化するから、デューティ比を追従制御すると有利である。これにより、所定の出力電力を調整することができる。
フルブリッジ回路の出力電圧と出力共振回路の電流との間の位相Θは、フルブリッジ回路のスイッチング素子のスイッチ時点と、出力共振回路の電流のゼロ通過との間の時間を求めることによって検出できる。例えば、スイッチング素子Z3またはZ4のスイッチオフ時点と、出力共振回路の電流のゼロ通過との間の時間を求めることができる。
フルブリッジ回路の出力電圧と出力共振回路電圧との間の位相φは、スイッチング素子のスイッチ時点と出力共振回路電圧のゼロ通過との間の時間を求めることにより検出できる。例えば、スイッチング素子Z3またはZ4のスイッチオフ時点と、出力共振回路電圧のゼロ通過との間の時間を求めることができる。
制御周波数はまず位相φに依存して調整ないし変化され、続いて位相Θに依存して調整ないし変化される。
ここでは位相φが所定の値より大きい場合、とりわけ>90°であれば制御周波数を低下することができる。さらに位相φが所定の値より小さい場合、とりわけ<0°であれば制御周波数を上昇することができる。位相が領域0<φ<90°であれば、フルブリッジ回路の電力をデューティ比により調整することができる。周波数変化により所望の動作点(電流のゼロ通過と電圧のゼロ通過が同時である。またはスイッチ時点での電流が所定の値よりも小さい)を調整することができる。これにより逆給電が阻止される。時間間隔t2、t5(上記参照)が回避される。
フルブリッジ回路電圧と共振回路電圧との間の位相φが>90°であれば、フルブリッジ回路は過励振領域で駆動される。すなわち出力共振回路の共振周波数よりも高い周波数で駆動される。スイッチング素子の制御周波数を調整することによって、位相φが90°以下に降下し、したがってフルブリッジ回路が励振領域の下方で駆動されることが保証される。
領域φ<0°では、適切な動作点を調整することができない。電流は減少するが、デューティ比が小さいため、電流のゼロ通過が電圧のゼロ通過前に行われるか、または電流が最小値後に再上昇する。このことを阻止するために、制御周波数の調整によって位相φ≧0°が保証される。
本発明の方法により、フルブリッジ回路を、構成部材の負荷を非常に少なくして駆動することができる。スイッチオン損失は、そのために常にスイッチング素子が無電圧でスイッチオンするようにすることで回避できる。全体ではスイッチング素子の電流負荷が存在するので、わずかな電力損失が生じる。さらにわずかなスイッチオフ損失だけが発生する。なぜなら一方のハーフブリッジ回路にはスイッチオフ電流が流れ、他方のハーフブリッジ回路では無電流スイッチングだからである。スイッチング素子の電流負荷が小さいので、安価なスイッチング素子を使用することができる。さらにスイッチング素子の冷却のためのコストを低減することができる。
スイッチング素子のスイッチオンオフ時点と、フルブリッジ回路の出力端における電流(出力共振回路の電流)のゼロ通過との間の位相Θを決定することができ、測定された位相Θに依存して制御周波数を変更することができる。この場合、制御周波数は、位相Θが所定の値より大きい場合、例えば>5°であるときに高めることができ、位相Θが所定の値より小さい場合、例えば<0°であるときに低くすることができる。このように制御周波数の変化により、スイッチング素子のスイッチオンオフ時点と電流のゼロ通過との関係を調整することができる。
デューティ比を、フルブリッジ回路の出力電圧の目標値に依存して調整することができる。この場合、出力電力の現在の実際値を検出し、出力電力の目標値と比較し、出力電力の実際値が出力電力の目標値よりも小さい場合にはデューティ比を大きくし、出力電力の実際値が出力電力の目標値よりも大きい場合にはデューティ比を小さくする。
出力電力の実際値は、制御周波数をそれぞれ変更した後に測定され、出力電力の目標値と比較される。これにより電力適合と電力制御の時間を近づけることができる。
有利には制御周波数は、制御周波数が位相φに依存して調整され、かつデューティ比が検出された実際電力に依存して調整されて初めて位相Θに依存して調整される。
フルブリッジ回路の電流負荷を、制御周波数が共振回路の共振周波数よりも小さく調整されると小さく維持することができる。これにより、Qの小さな出力共振回路では、ハーフブリッジ回路の少なくとも1つのスイッチング素子の負荷を軽減することができる。
電力制御に対しては、フルブリッジ回路から出力される電力を検出することができると有利である。このために、直流電力供給部の電圧を測定すると有利である。この測定からフルブリッジ回路の出力端における電圧レベルが既知になる。この値とスイッチング素子のスイッチング時点から、出力される電力を求めることができる。
しかし位相φ、Θの検出のために、絶対値測定量は必要ない。フルブリッジ出力端における電流と電圧のゼロ通過と、共振回路電圧のゼロ通過を検出すれば十分である。これらのゼロ通過の位置から、位相φ、Θを求めることができる。
本発明のさらに別の特徴および利点は、本発明の実施例に関する以下の説明、本発明を詳細に示した図面、ならびに特許請求の範囲に示されている。個々の特徴は各々それ自体単独で実現してもよいし、あるいは本発明の変形実施例において複数の特徴を任意に組み合わせて実現してもよい。
図面には本発明の有利な実施例が描かれており、以下ではそれらの図面を参照しながら本発明の実施例について詳しく説明する。
負荷を含む出力共振回路が接続されたフルブリッジ回路の回路図である。 位相Θ>0である時の図1aの回路に対する電圧経過と電流経過を示す線図である。 位相Θ=0である時の図1aの回路に対する電圧経過と電流経過を示す線図である。 位相Θ<0である時の図1aの回路に対する電圧経過と電流経過を示す線図である。 フルブリッジ回路の出力電圧と出力共振回路の電流との間の位相、ならびにフルブリッジ回路の出力電圧と出力共振回路電圧との間の位相を示す線図である。 本発明の方法を示すフローチャートである。 本発明の別の方法を示すフローチャートである。
図4には、フルブリッジ回路電圧Uvが示されている。この電圧は実質的に矩形状の経過を有する。さらに出力端A1、A2に印加される出力共振回路電圧Usが示されている。ここでは、正弦波状の経過を有する出力共振回路電圧Usが、フルブリッジ回路のスイッチング素子のスイッチオン時点に対してφの位相ずれを有することが分かる。フルブリッジ回路のスイッチング素子のスイッチオン時点と電流のゼロ通過との間の位相は、位相Θである。
本発明の有利な適用領域である誘導加熱装置用の高周波電流供給装置においてスイッチング素子Z1、Z2、Z3、Z4の電流負荷が、出力電圧が同じに留まるときにどのように減少するかを図5を用いて説明する。デューティ比τがブロック1で粗く設定される。ブロック2で種々の測定が実行される。フルブリッジ回路の出力端では、この測定時点で印加される電力Pistが測定される。さらにフルブリッジ回路電圧Uvと電流のゼロ通過との間の位相Θが検出される。さらにフルブリッジ回路電圧Uvと出力共振回路電圧Usとの間の位相φが検出される。
位相φ>90°であれば(ブロック3)、スイッチング素子Z1−Z4の制御周波数fがブロック4で低下される。その後ブロック5で、測定された出力電力Pist>Psollであるか否かが決定される。ここでPsollは所望の出力電力である。
ブロック3でφが90°よりも小さいことが検出されると、ブロック6でφ<0°であるか否かが検査される。φが0°より小さい場合、制御周波数fは上昇される(ブロック7)。制御周波数fのこの変更の後にもブロック5でPist>Psollが検査される。実際に測定された電力Pistが所望の電力Psollより大きい場合、デューティ比τは縮小される(ブロック8)。実際に測定された電力Pistが所望の電力Psollより小さい場合、デューティ比τはブロック9で増大される。引き続き新たな測定のためにブロック2にリターンする。
ブロック6での検査でφが0°よりも大きければ、引き続きブロック10で、測定された電力Pist>Psollが検査される。肯定であればブロック11でデューティ比τが縮小され、引き続きブロック13に進む。ブロック10での比較でPist<Psollであれば、デューティ比τは増大される。
引き続きブロック13では位相Θが評価される。Θ>5°であれば、制御周波数fがブロック4で高められ、引き続きΘ、φ、およびPistがブロック2で新たに測定される。
Θ<5°であれば、ブロック15で位相Θ<0°が検査される。Θが0°より小さい場合、制御周波数fは低下され(ブロック16)、ブロック2にリターンする。ブロック15でΘ>0°であることが検出されれば、制御周波数fの変化は必要ない。同じようにブロック2で新たな測定が実行される。
図6の変形方法では、ブロック101でまずデューティ比τが粗く調整され、これにより所望の出力電力Psollが調整される。ブロック102では、Θ、φおよびPistに対する値が検出される。これは例えば絶対量を測定するか、または種々異なる信号のゼロ通過間の時間差を検出することにより行われる。引き続きステップ103で、位相φ>90°であるか否かが検査される。肯定の場合、ブロック104で制御周波数fが低下される。続いてステップ105で、測定された実際電力Pistが所定の目標電力Psollより大きいか否かが問い合わされる。肯定の場合、デューティ比τがブロック106で縮小され、引き続きブロック102にリターンする。ステップ105での問い合わせの結果が否定であれば、デューティ比τが増大され、続いてブロック102にリターンする。
ステップ103での問い合わせで、位相φ<90°であれば、ステップ118で位相φ<0°が検査される。肯定の場合、ブロック109で制御周波数が上昇され、引き続きブロック105に移行する。否定の場合、Θ>5°であるか否かが検査される。肯定の場合、ブロック111で制御周波数が上昇され、引き続きブロック105に移行する。否定の場合、Θ<0°であるか否かが検査される。この問い合わせに肯定であれば、ブロック113で周波数は低下される。問い合わせでΘ>0°であれば、直接ステップ105に移行する。

Claims (10)

  1. フルブリッジ回路の駆動方法であって、該フルブリッジ回路は交流出力信号を形成し、
    該交流出力信号は、負荷を含む出力共振回路(10)に供給され、
    フルブリッジ回路のスイッチング素子(Z1−Z4)が、フルブリッジ回路の出力電力を決定するデューティ比(τ)の形成のために制御され、
    前記スイッチング素子(Z1−Z4)の制御周波数は、スイッチング素子(Z1−Z4)のスイッチング損失を低減するために、フルブリッジ回路の出力電圧(Uv)と出力共振回路(10)の電流(I)との間の位相Θ、およびフルブリッジ回路の出力電圧(Uv)と負荷に印加される出力共振回路電圧(Us)との間の位相φに依存して調整され
    前記制御周波数を調整した後、出力電力の現在の実際値(Pist)が測定され、当該出力電力の現在の実際値(Pist)と出力電力の目標値(Psoll)との比較に基づいて、前記出力電力の目標値(Psoll)を出力するように、前記デューティ比(τ)を再度調整する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項記載の方法において、
    前記出力電力の実際値(Pist)が前記出力電力の目標値(Psoll)よりも小さい場合にはデューティ比(τ)が増大され、前記出力電力の実際値(Pist)が前記出力電力の目標値(Psoll)よりも大きい場合にはデューティ比(τ)が縮小される、ことを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2記載の方法において、
    フルブリッジ回路の出力電圧(Uv)と出力共振回路(10)の電流()との間の位相Θは、フルブリッジ回路のスイッチング素子のスイッチ時点と、出力共振回路の電流(I)のゼロ通過との間の時間を求めることによって検出される、ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項記載の方法において、
    フルブリッジ回路の出力電圧(Uv)と負荷(11)に印加される出力共振回路電圧(Us)との間の位相φは、スイッチング素子のスイッチ時点と、出力共振回路電圧(Us)のゼロ通過との間の時間を求めることによって検出される、ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項記載の方法において、
    制御周波数はまず位相φに依存して調整され、続いて位相Θに依存して調整される、ことを特徴とする方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項記載の方法において、
    位相φが所定の値より大きい場合、制御周波数(f)は低下される、ことを特徴とする方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項記載の方法において、
    位相φが所定の値より小さい場合、制御周波数(f)は上昇される、ことを特徴とする方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか一項記載の方法において、
    制御周波数が位相φに依存して変化され、かつデューティ比(τ)が検出された実際電力Pistに依存して調整されて初めて、制御周波数は位相Θに依存して調整される、ことを特徴とする方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項記載の方法において、
    位相Θが所定の値より大きい場合、制御周波数(f)は上昇される、ことを特徴とする方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項記載の方法において、
    位相Θが所定の値より小さい場合、制御周波数(f)は低下される、ことを特徴とする方法。
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