JP5605098B2 - カーテン塗布装置及びカーテン塗布方法 - Google Patents
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Description
カーテン膜の安定性を阻害する現象として、代表的なものに、カーテン膜の裏回り現象(以下、「ティーポット現象」と称することもある)、及びエッジガイド壁近傍におけるカーテン膜の薄膜化現象がある(非特許文献1参照)
ティーポット現象は、カーテン膜が鉛直下方に落下せずリップ後方に回り込もうとする現象であり、スライド面を流下する塗布液のリップ先端における運動量の不均衡によるものである。
ティーポット現象は、塗布液粘度の低下あるいは塗布量の増加、即ち、塗布液のレイノルズ数が比較的大きいときに顕著である。カーテン膜の両端はエッジガイドで支持されているため、ティーポット現象によるカーテン膜の自由な湾曲を許容することができずカーテン膜に歪が発生する。
結果として、カーテン膜幅方向に塗布量が不均一となり、良好な塗膜を得ることができない。
この方式でティーポット現象によるカーテン膜歪は、解消されるものの、ティーポット現象に起因したカーテン膜の変形の程度は、塗布液物性、流量等の操業条件によって大きく異なるため、条件毎にエッジガイドの形状を変更する必要があり、実用上充分なものではないという問題がある。
この問題を解決するために、平板型エッジガイドが提案されており、操業条件によって大きく異なるカーテン膜の湾曲量に対応できるようにエッジガイド補助水の流下面を平板型とし、かつ変形量に足りる幅を持たせている(特許文献3参照)。
しかし、エッジガイド補助水の流下面が平板であるため、カーテン塗布装置の周辺のわずかな気流又はウェブ同伴空気により、エッジガイド上のカーテン落下位置が変動し、変動量が大きい場合には、このカーテン膜がエッジガイド水流下面の幅方向端部に接触し、塗布膜厚の不均一不具合を発生するという問題がある。
更に、ウェブ上のカーテン落下位置が変動することで、塗布ムラが発生することがあるという問題がある。
この方式によってエッジガイドの調心性は確保され、カーテン膜の外乱による落下位置変動に起因する塗布ムラの発生は抑制される。
しかし、この方式はエッジガイド補助水の流下凸面が上部から下部に渡り同一の曲率であるため、ティーポット現象に起因したカーテン膜の湾曲量が大きい場合には、3次元的液流動となり湾曲部が流下面凸形状の頂点から大きく外れ、エッジガイドの凸形状頂点からの後退部に塗布液が流れてしまう。
後退部に流れることはカーテン膜の幅が広がることになり、塗布液表面張力の増大によりカーテン幅方向中央にカーテン両端部が引っ張られ、この結果、カーテン膜は凸形状頂点に移動し、頂点上を落下することになるが、3次元的液流動の屈曲が塗膜耳部の膜厚不均一を引き起こすというという問題がある。
薄膜部はウェブ上に塗布され、塗膜両端内側に薄膜部を形成し、不均一塗布膜厚となり、塗布工程ロスを生んでいる。
薄膜化現象は、カーテン膜落下における自由落下部とエッジガイド部との流体摩擦による境界層の発達により、エッジガイド近傍のカーテン膜形成塗布液をカーテン幅方向の中央方向へ移動させ、また、塗布液中の界面活性剤の動的性質によるエッジガイド近傍とカーテン幅方向の中央部の定常流部との表面張力差は、同様に、カーテン膜形成塗布液をカーテン幅方向の中央方向へ移動させる。
前記境界層の発達と表面張力差に起因する幅方向の中央方向へ向かう傾向と、凹状メニスカスに起因するエッジガイドに向かうカーテン膜形成塗布液の傾向とをバランスさせることで膜厚不均一を抑制する(特許文献5参照)。
塗布液粘度の水準とカーテン膜中央部とカーテン膜端部との表面張力差、及び、エッジガイドの接液部寸法を規定し前記のとおりバランス化している。
この方式で膜厚均一化することができるが、製品設計上、塗膜品質を達成するために塗布液物性等処方の制約があるなかで表面張力差を限定することは現実的に難しく、ごく限定された塗布液条件でしか実現できないという問題があった。
また、薄膜部のカーテン膜幅方向内側には厚膜部が存在する。しかし、薄膜部抑制方法とは異なり厚膜部抑制方法はこれまで明らかになっていない。
<1> 少なくとも1種以上の塗布液を一対のエッジガイドで両側端を支えて、該塗布液の自由落下塗布液膜を形成して連続走行する支持体上に塗布するカーテン塗布装置であって、前記エッジガイドにおけるエッジガイド補助水流下面の上部より下部に向かって、補助水を前記エッジガイド補助水流下面の幅方向に略均一に導入する補助水導入口を備え、該エッジガイド補助水流下面は、上部に、略平面形状の平面部を有し、該エッジガイド補助水流下面は、下部に、幅方向中央に配設された円弧形状に突出する円弧形状部と、該円弧形状部の幅方向両側に配設された平面部とを有することを特徴とするカーテン塗布装置である。
<2> 円弧形状部の曲率半径が2mm〜5mmである前記<1>に記載のカーテン塗布装置である。
<3> エッジガイド補助水流下面の上部における平面部から前記エッジガイド補助水流下面の下部における円弧形状部への形状変化が連続的である前記<1>から<2>のいずれかに記載のカーテン塗布装置である。
<4> エッジガイド補助水流下面の上部の平面部におけるエッジガイド補助水流下面の両端と、円弧形状部の幅方向中心線と、を結ぶ下向きの二等辺三角形の斜辺近傍が、円弧形状である前記<1>から<3>のいずれかに記載のカーテン塗布装置である。
<5> 補助水導入口から二等辺三角形の頂点までの距離が、10mm〜35mmである前記<4>に記載のカーテン塗布装置である。
<6> 補助水の導入速度が、0.40m/秒間〜1.20m/秒間である前記<1>から<5>のいずれかに記載のカーテン塗布装置である。
<7> 補助水導入口の補助水の流下方向に関する最大間隔が、0.2mm〜0.5mmである前記<1>から<6>のいずれかに記載のカーテン塗布装置である。
<8> 少なくとも1種以上の塗布液をエッジガイドで両側端を支えて、該塗布液の自由落下塗布液膜を形成して連続走行する支持体上に塗布するカーテン塗布方法であって、補助水導入口により、前記エッジガイドにおけるエッジガイド補助水流下面の上部より下部に向かって、補助水を前記エッジガイド補助水流下面の幅方向に略均一に導入することを含み、該エッジガイド補助水流下面は、上部に、略平面形状の平面部を有し、該エッジガイド補助水流下面は、下部に、幅方向中央に配設された円弧形状に突出する円弧形状部と、該円弧形状部の幅方向両側に配設された平面部とを有することを特徴とするカーテン塗布方法である。
<9> 円弧形状部の曲率半径が2mm〜5mmである前記<8>に記載のカーテン塗布方法である。
<10> エッジガイド補助水流下面の上部における平面部から前記エッジガイド補助水流下面の下部における円弧形状部への形状変化が連続的である前記<8>から<9>のいずれかに記載のカーテン塗布方法である。
<11> 平面部におけるエッジガイド補助水流下面の両端と、円弧形状部の幅方向中心線と、を結ぶ下向きの二等辺三角形の斜辺近傍が、円弧形状である前記<8>から<10>のいずれかに記載のカーテン塗布方法である。
<12> 補助水導入口から二等辺三角形の頂点までの距離が、10mm〜35mmである前記<11>に記載のカーテン塗布方法である。
<13> 補助水の導入速度が、0.40m/秒間〜1.20m/秒間である前記<8>から<12>のいずれかに記載のカーテン塗布方法である。
<14> 補助水導入口の補助水の流下方向に関する最大間隔が、0.2mm〜0.5mmである前記<8>から<13>のいずれかに記載のカーテン塗布方法である。
本発明のカーテン塗布装置は、少なくとも1種以上の塗布液をエッジガイドで両側端を支えて、該塗布液の自由落下塗布液膜を形成して連続走行する支持体上に塗布するカーテン塗布装置であって、少なくとも、補助水導入口を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明のカーテン塗布方法は、少なくとも1種以上の塗布液をエッジガイドで両側端を支えて、該塗布液の自由落下塗布液膜を形成して連続走行する支持体上に塗布するカーテン塗布方法であって、少なくとも、補助水導入工程を含み、更に必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含んでなる。
前記補助水導入口は、エッジガイドにおけるエッジガイド補助水流下面の上部より下部に向かって、補助水を前記エッジガイド補助水流下面の幅方向に略均一に導入するものであり、前記補助水導入工程は、エッジガイドにおけるエッジガイド補助水流下面の上部より下部に向かって、補助水を前記エッジガイド補助水流下面の幅方向に略均一に導入する工程である。
前記エッジガイド補助水流下面は、上部に略平面形状の平面部を有し、下部に幅方向中央に配設された円弧形状に突出する円弧形状部と、該円弧形状部の幅方向両側に配設された平面部とを有する。
前記円弧形状部の曲率半径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mm〜5mmが好ましく、3mm〜4mmがより好ましい。前記曲率半径が、2mm未満であると、前記エッジガイド補助水の前記円弧形状部表面上での均一流下が困難であることがあり、5mmを超えると、前記円弧状部へのカーテン膜の保持力が低下することがある。一方、前記曲率半径がより好ましい範囲内であると、カーテン膜を前記エッジガイドの円弧部に保持し、安定した塗布が可能である点で有利である。
前記エッジガイド補助水流下面の上部における平面部から前記エッジガイド補助水流下面の下部における円弧形状部への形状変化が連続的である。
ここで、前記補助水導入口から二等辺三角形の頂点までの距離としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mm〜35mmが好ましく、10mm〜25mmがより好ましい。
前記距離が10mm未満であると、カーテン膜がスライドダイ下端から自由落下する際の湾曲、所謂ティーポット現象に対して十分対応可能な距離とは言えず、カーテン膜に乱れが生じることがあり、35mmを超えると、前記ティーポット現象には対応できるが、前記補助水導入口から二等辺三角形の頂点までの距離が長いため、前記補助水を均一に流下させることが困難となり、カーテン膜が不安定となることがある。一方、前記距離がより好ましい範囲内であると、前記ティーポット効果を回避し、前記補助水を均一に流下させる点で有利である。
スロットダイ型カーテンの場合は、前記ティーポット効果がないため、前記下向きの二等辺三角形状の平面部は必要なく、特に平面部を有していなくても問題ない。
前記導入速度が、0.40m/秒間未満であると、カーテン膜の前記エッジガイド近傍の落下速度への増速が不十分であるため、カーテン膜に前記エッジガイド近傍と中央部での落下速度差による境界層が発生し、カーテン膜の膜厚不均一を生じることがあり、1.20m/秒間を超えると、前記エッジガイド補助水の水量が多くなるため、前記二等辺三角形の平面部においてカーテン膜に乱れが生じることや、前記エッジガイドの下部において乱流が生じることがある。一方、前記導入速度がより好ましい範囲内であると、カーテン膜の膜均一化やカーテン膜の安定化の点で有利である。
図1に、本発明のエッジガイドの実施形態を示す。
本発明では、エッジガイド本体2の上部に下方に向ってエッジガイド補助水10を、エッジガイド補助水流下面23の幅方向に概ね均一に導入するスリット(補助水導入口)11を備える。
カーテン膜6は矢印の方向に落下し、エッジガイド本体2のエッジガイド補助水流下面23を落下するエッジガイド補助水10によりその両端を支持される。
図3に示すとおり、該エッジガイド補助水流下面23の上部は平面形状(平面部)12で、図5に示す通り、下部の断面形状は、幅方向中央が塗布幅中央に向って凸形先端円弧形状部13となっており、該凸形先端円弧形状部13は、所定の角度θ1の範囲を有し、該円弧部の両側に平面形状部15を有する。
図4において、斜辺凸円弧形状部14が形成されている。
凸形先端円弧形状部13と平面形状部15の接続部は、より滑らかであることが、エッジガイド補助水10の幅方向流下速度の均一性を確保する上で好ましい。前記接続部は、図6に示すような接続部17、又は、図7に示すように凸形先端円弧形状部13の円弧の接線の延長としての平面形状部15の端部でもよい。
該エッジガイド補助水流下面23の上部平面部12は平面形状であることによって、ティーポット現象によるカーテン膜6の自由な湾曲を許容することができる。
このように、該エッジガイド補助水流下面23の上部12を平面形状とし、併せて下部を凸形先端円弧形状13とすることで、既存エッジガイドの課題を同時に解決することができる。
この部分は、ティーポット現象によるカーテン膜6の大きな湾曲、又は、塗布部周囲の気流によりカーテン膜6の落下位置が大きく変動し、凸形先端円弧形状部13を外れた場合に一時的に支える機能を有する。
反対にエッジガイド補助水流下面23の中央流速が大きく、両端側の落下流速が小さい場合には、カーテンの落下位置は安定するものの、エッジガイド補助水10の局部的過多によりウェブ5に塗布された塗布液による膜端部の付着量がばらつき、端部の直線性がなくなり、端部の塗布ロス発生の原因となってしまう。
以上のように、該エッジガイド補助水流下面の上部平面部12に設けられるスリット11の幅方向の吐出均一性は、重要である。
図10に示すとおり、カーテンエッジガイド本体2に設けられたエッジガイド補助水10の流路は、いわゆるスロットダイ、カーテンダイの内部構造と基本的に同構造であって、内部幅は、図1のスリット11の吐出幅と概ね同一である。
図示しない入り口よりエッジガイド補助水10が、図8に示される第1マニホールド21に供給され、第2マニホールド19とスロット18、20により幅方向に整流されて、スリット11で吐出される。
マニホールドは、通常1段乃至2段とし、2段であればより幅方向の吐出均一性能が良好となる。
スリットギャップを0.2mm〜0.5mm程度とすることで幅方向のスリット11の吐出均一性が得られる。
図10に示される例では第1マニホールド21の容量を大きくする、又は第1スロット20のギャップを小さくすることで幅方向の流速均一性が得られる。
第2マニホールド19を設けることで更なる均一性が得られる。
B断面部は、下向きの二等辺三角形の斜辺でティーポット現象により湾曲したカーテン膜6の落下位置が凸形先端円弧形状部13の位置を外れた場合、カーテン膜6は落下位置が矯正されて、凸形先端円弧形状部13に案内される。
この移行区間がなく、平面部12から直接凸形先端円弧形状部13に変化すると、境界部の大きな段差でカーテン膜6が乱れ、塗膜端部の膜厚不均一の原因となってしまう。
この問題を避ける手段として、平面部12の長さを大きくすることで、ティーポット現象により湾曲したエッジガイド上のカーテン膜6端部の流れが鉛直方向に向かうまでの区間を取ることもできる。
この場合には、平面区間が長いことで塗布部周囲の気流などの外乱によって平面区間でカーテン膜6の位置が変動してしまい、安定して凸形先端円弧形状部13にカーテン膜6を案内することができなくなってしまう。
以上のように、B断面移行区間の斜辺部を、塗布幅中央方向に凸の円弧形状とすることで、カーテン膜6の調心性が増し、安定して操業することができ、塗布ロスを低減することができる。
θ2は小さいことで、前記二等辺三角形の斜辺にトラップされたカーテン膜の落下の方向がより鉛直方向に近づき、カーテン膜の変形は小さいが、θ2が大きくなると前記斜辺にトラップされたカーテン膜が変形し易く、この結果カーテン膜のムラ及び塗布ムラを生じやすい。
これらの現象より、図2の上部LL寸法も小さいことが好ましい。
図2の頂部LT寸法の区間はエッジガイド補助水の流下がないため、カーテン膜の落下速度が小さい。これはカーテン膜端部の薄膜部化を促進することになるのでLT寸法は小さいことが好ましい。
液粘度250mPa・s〜1,500mPa・s、液表面張力30mN/m〜40mN/mのアクリルエマルジョン系の粘着剤を、フローレイト1.25cc/cm・sec〜2.5cc/cm・sec、かつエッジガイド補助水10は、エッジガイド補助水流下面23の幅6.5mm当り100cc/min〜300cc/minの条件で、幅20mmつまりエッジガイド補助水流下面23の幅方向中心基準より10mmであれば、距離Lは概ね20mm程度である。
距離Lが35mmの場合は、ティーポット現象によるカーテン膜6の湾曲へ充分対応できるが、Lが大きすぎるため、塗布部周辺の風によるカーテン膜6の落下位置変動の影響を受けやすい。
液粘度250mPa・s、液表面張力39mN/mのサーマルペーパ用感熱層液{固形部濃度S.C.29.9%、粘度250mPa・s、(B型粘度計)液表面張力39mN/m、(白金プレート法静的張力)}を、フローレイト2.5cc/cm・sec、かつエッジガイド補助水10は、エッジガイド補助水流下面幅6.5mm当り100cc/minの条件で、鉛直方向を基準として、塗布幅方向に対し直角面の方向にカーテンエッジガイド本体2を傾斜させてカーテン膜6の保持限界を調べた結果、曲率半径が2mmより小さい場合には、調心性の問題ではなく、エッジガイド補助水10の幅方向均一流下が困難であり、曲率半径は3mmが最も保持力が大きく、曲率半径5mmを超えると保持力は急激に低下した。
エッジガイド補助水流下面23の幅は、カーテン膜6の湾曲の度合いによるが、7mm〜20mmが好ましい。
液粘度250mPa・s〜1,500mPa・s、液表面張力30mN/m〜40mN/mのアクリルエマルジョン系の粘着剤を、フローレイト1.25cc/cm・sec〜2.5cc/cm・sec、かつエッジガイド補助水10は、エッジガイド補助水流下面23の幅6.5mm当り100〜300cc/minの条件で、幅20mm、つまりエッジガイド補助水流下面23の幅方向中心基準より10mmであれば、エッジガイド補助水流下面23の幅方向端部にカーテン膜6の接触はないが、幅7mm以下ではエッジガイド補助水流下面23の幅方向端部にカーテン膜6が接触してしまうことがあった。
従来の方法では、ポーラスガラスの細孔から約0.5cm/sec〜2.0cm/sec(吐出量50cc/min〜200cc/min、エッジガイド高さ150mm)と、カーテン幅方向中央部の落下速度1.6m/sec(落下高さ150mm)程度とを比較し、低速で補助水が吐出され、上部から吐出され、重力落下により加速され、落下速度が大きくなった補助水との混合となり、これが薄膜部形成の原因の一つとなっていると考えられる。
これは、前記の境界層の発達とは無関係にエッジガイド近傍のカーテン膜落下速度を制御できるとともに薄膜化又は厚膜化を抑制することができる。
<実験基本条件>
・塗布装置:図2に示す装置
・カーテン落下幅:250mm
・塗布液:アクリルエマルジョン系粘着剤の液粘度750mPa・s(B型粘度計)、液表面張力33mN/m(白金プレート法静的張力)、フローレイト1.25cc/cm・sec
・エッジガイド補助水:導入速度0.40m/秒間(エッジガイド補助水の9流下面の幅6.5mm当り100cc/min)、補助水導入口の隙間0.35mm
なお、エッジガイドの位置は、基材進行方向前後に移動ができ、カーテン落下位置をエッジガイド補助水流下面の幅方向中央になるよう調節した。
(1)ティーポット効果によるエッジガイド部のカーテン膜歪発生の有無
(2)外乱風によるエッジガイド部のカーテン落下位置変動の有無
なお、前記外乱風として、小型ブロワーにより、風速3m/秒間(アネモマスター測定)の風をカーテン膜に吹き付けた。
L=33mm
・図5に示すR=5mm
θ1=60度
θ2=90度
エッジガイド補助水流下面の幅W=14mm
エッジガイドの材質:SUS402J2
エッジガイド補助水流下面及びエッジガイド補助水流下面両端の側板を、サンドペーパー#1500でエッジガイド補助水流下方向に研磨した。
実施例1において、特開2001−46939号公報に記載のスライド部をガラスに替えてSUS板とした平板型エッジガイドを用いた以外は、実施例1と同様にした。
・エッジガイド補助水流下面の幅W=14mm
・エッジガイドの材質:SUS402J2系
・エッジガイド補助水流下面及びエッジガイド補助水流下面両端の側板を、サンドペーパー#1500でエッジガイド補助水流下方向に研磨した。
実施例1において、国際公開WO2008/000507号公報に記載のエッジガイド(スイス国ポリタイプ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
・エッジガイド補助水流下面の凸形状先端円弧形状の曲率半径:5.5mm
・エッジガイド補助水流下面の幅:6.5mm
エッジガイドの鉛直方向を基準として、塗布幅方向に対し直角面の方向にカーテンエッジガイド本体を傾斜させてカーテン膜の保持限界を調べた。
評価基準 : 傾斜角 10度以上 :○
傾斜角 6度以上10度未満 :△
傾斜角 6度未満 :×
・塗布液:サーマルペーパ用感熱層液{固形部濃度S.C.9.9%、粘度250mPa・s(B型粘度計)液表面張力39mN/m(白金プレート法静的張力*)*静的表面張力:FACE自動表面張力計CBVP−A3型(協和界面科学株式会社製)で測定}
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン・・・4質量部
・4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン・・・12質量部
・シリカ・・・6質量部
・ポリビニルアルコールの10質量%水溶液・・・16質量部
・水・・・41質量部
実施例1において、R=5mmからR=3mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、R=5mmからR=2mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、R=5mmからR=5.5mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、R=5mmからR=1.5mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
エッジガイド部のカーテン膜の落下状態を観察し、特に、前記二等辺三角形の斜辺の影響を確認した。
評価基準 : 凸形先端円弧形状部の頂部を垂直に落下:○
前記二等辺三角形の斜辺に約10mmの間トラップされてもよい
凸形先端円弧形状部のいずれかを垂直に落下:△
凸形先端円弧形状部を外れて落下 :×
実施例1において、エッジガイドの位置を基材進行方向上流側に2mm移動した以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、L=33mmからL=10mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、L=33mmからL=5mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、L=33mmからL=40mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、L=33mmからL=145mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
L=145mmの場合には、エッジガイド補助水の流下面の両端と、流下面下部凸形状部の幅方向中心線を結ぶ下向きの二等辺三角形の斜辺は、概ねエッジガイド上端より10mmから下端に渡る。
吐出速度は、吐出流量とエッジガイド補助水吐出スリット断面積より算出した。
エッジガイドからの距離を5mm、15mm、及び125mmの位置で測定した。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から0.80m/秒間に変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から1.20m/秒間に変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から0.20m/秒間に変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から1.60m/秒間に変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から0.35m/秒間に変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から1.25m/秒間に変えた以外は、実施例1と同様にした。
カーテンダイリップ下端から140mmの位置で測定した。
・計測器:アクト電子,型式MODEL 1110A
エッジガイドからの距離125mmの位置の落下速度を100%とし、相対速度を比較した。
評価基準:相対速度95%以上 :○
95%未満から90%:△
90%未満: :×
・幅4mmの樋でカーテンの液量を測定し、落下速度より膜厚換算した。
・エッジガイドからの距離125mmの位置の落下速度を100%とし、相対膜厚を比較した。
・カーテンダイリップ下端から140mmの位置で測定した。
・評価基準 : エッジガイドから5mm位置 −20%未満:○
−20%以上:×
エッジガイドから15mm位置 +10%未満:○
+10%以上:×
更には、これに、カーテン安定性及びカーテン膜のムラ有無を加味して評価した。
・評価基準設定理由:塗布膜厚は、これまでの知見より、カーテン膜上端より140mm位置の測定でのカーテン膜厚分布がほぼそのまま基材に転写され、膜厚均一性又は膜厚不均一性として現れる。通常塗布膜厚均一性が±10%を超える場合塗布欠陥となるので、ここでは±10%で評価した。
・エッジガイドから距離設定理由:エッジガイドから5mm位置は、膜厚が薄くなる薄膜化部のほぼ中央位置であり、エッジガイドから15mm位置は、膜厚が厚くなる厚膜部で最も値が大きくなる位置であるため設定した。
また、実施例14及び実施例16は、カーテン膜にムラが発生する場合があり、塗膜にもムラが発生する場合があった。
エッジガイド補助水の導入速度は、下記2水準とした。
・エッジガイド補助水導入速度 0.8m/秒間、1.2m/秒間
カーテン膜の形成をせずに、エッジガイド補助水導入口での導入均一性及び補助水の流下状況のみ目視観察した。
評価基準 :全幅均一導入及び流下面全面で均一 :○
導入口又は流下面いずれかで不均一 :△
導入口及び流下面で不均一 :×
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から0.80m/秒間に変え、エッジガイド補助水の導入口の隙間を0.35mmから0.2mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から0.80m/秒間に変え、エッジガイド補助水の導入口の隙間を0.35mmから0.5mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から0.80m/秒間に変え、エッジガイド補助水の導入口の隙間を0.35mmから0.1mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から0.80m/秒間に変え、エッジガイド補助水の導入口の隙間を0.35mmから0.6mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から1.2m/秒間に変え、エッジガイド補助水の導入口の隙間を0.35mmから0.2mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から1.2m/秒間に変え、エッジガイド補助水の導入口の隙間を0.35mmから0.5mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から1.2m/秒間に変え、エッジガイド補助水の導入口の隙間を0.35mmから0.1mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
実施例1において、補助水の導入速度を0.40m/秒間から1.2m/秒間に変え、エッジガイド補助水の導入口の隙間を0.35mmから0.6mmに変えた以外は、実施例1と同様にした。
また、補助水の導入口の隙間の大きさが流下面幅方向の流下均一性への影響を明らかにした。
導入口の隙間が0.2mm〜0.5mmでは、導入速度0.8m/秒間及び1.2m/秒間において概ねエッジガイド補助水が流下面の全幅均一に流下したが、隙間0.1mmの実施例19及び実施例23では、エッジガイド補助水が導入口から均一に導入されず、一部の流れが斜め下方に向かって流下し、カーテン膜の流れがその影響を受け歪んだ場合があった。
また、隙間0.6mmの実施例20及び実施例24では、流下面下部でカーテン膜にエッジガイド補助水が流下面全幅に流下しない場合があった。
以上のように、補助水の導入口の隙間を0.2〜0.5mmとすれば、補助水は流下面を幅方向均一に流下することが明らかになった。
2 カーテンエッジガイド本体
3 塗布液
4 バキューム装置
5 ウェブ
6 カーテン膜
7 スライドカーテン塗布ヘッド
8 スライド面
9 スライド部エッジガイド
10 エッジガイド補助水
11 スリット
12 平面部
13 凸形先端円弧形状部
14 斜辺凸円弧形状部
15 (両端)平面形状部
16 凸円弧形状部と平面部接続R
18 第2スロット
19 第2マニホールド
20 第1スロット
21 第1マニホールド
22 エッジガイド補助水流下面両端の側板
23 エッジガイド補助水流下面
Claims (14)
- 少なくとも1種以上の塗布液を一対のエッジガイドで両側端を支えて、該塗布液の自由落下塗布液膜を形成して連続走行する支持体上に塗布するカーテン塗布装置であって、
前記エッジガイドにおけるエッジガイド補助水流下面の上部より下部に向かって、補助水を前記エッジガイド補助水流下面の幅方向に略均一に導入する補助水導入口を備え、
該エッジガイド補助水流下面は、上部に、平面形状の平面部を有し、
該エッジガイド補助水流下面は、下部に、幅方向中央に配設され、垂直面に対して円弧形状に突出する円弧形状部と、該円弧形状部の幅方向両側に配設された平面部とを有することを特徴とするカーテン塗布装置。 - 円弧形状部の曲率半径が2mm〜5mmである請求項1に記載のカーテン塗布装置。
- エッジガイド補助水流下面の上部における平面部から前記エッジガイド補助水流下面の下部における円弧形状部への形状変化が連続的である請求項1から2のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
- エッジガイド補助水流下面の上部の平面部におけるエッジガイド補助水流下面の両端と、円弧形状部の幅方向中心線と、を結ぶ下向きの二等辺三角形の斜辺近傍が、円弧形状である請求項1から3のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
- 補助水導入口から二等辺三角形の頂点までの距離が、10mm〜35mmである請求項4に記載のカーテン塗布装置。
- 補助水の導入速度が、0.40m/秒間〜1.20m/秒間である請求項1から5のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
- 補助水導入口の補助水の流下方向に関する最大間隔が、0.2mm〜0.5mmである請求項1から6のいずれかに記載のカーテン塗布装置。
- 少なくとも1種以上の塗布液をエッジガイドで両側端を支えて、該塗布液の自由落下塗布液膜を形成して連続走行する支持体上に塗布するカーテン塗布方法であって、
補助水導入口により、前記エッジガイドにおけるエッジガイド補助水流下面の上部より下部に向かって、補助水を前記エッジガイド補助水流下面の幅方向に略均一に導入することを含み、
該エッジガイド補助水流下面は、上部に、平面形状の平面部を有し、
該エッジガイド補助水流下面は、下部に、幅方向中央に配設され、垂直面に対して円弧形状に突出する円弧形状部と、該円弧形状部の幅方向両側に配設された平面部とを有することを特徴とするカーテン塗布方法。 - 円弧形状部の曲率半径が2mm〜5mmである請求項8に記載のカーテン塗布方法。
- エッジガイド補助水流下面の上部における平面部から前記エッジガイド補助水流下面の下部における円弧形状部への形状変化が連続的である請求項8から9のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
- 平面部におけるエッジガイド補助水流下面の両端と、円弧形状部の幅方向中心線と、を結ぶ下向きの二等辺三角形の斜辺近傍が、円弧形状である請求項8から10のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
- 補助水導入口から二等辺三角形の頂点までの距離が、10mm〜35mmである請求項11に記載のカーテン塗布方法。
- 補助水の導入速度が、0.40m/秒間〜1.20m/秒間である請求項8から12のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
- 補助水導入口の補助水の流下方向に関する最大間隔が、0.2mm〜0.5mmである請求項8から13のいずれかに記載のカーテン塗布方法。
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