JP5604571B1 - ジルコニウムとハフニウムの分離方法及びハフニウムが除去されたジルコニウムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハフニウムの選択的な抽出速度を向上させ、ハフニウムが除去されたジルコニウムを迅速かつ効率的に得ることのできる、ジルコニウムとハフニウムの分離方法及びハフニウムが除去されたジルコニウムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態によるジルコニウムとハフニウムの分離方法は、ジルコニウム、ハフニウム及び硫酸を含む水溶液と触媒とを含む抽出原液を準備する準備段階と、水溶液である前記抽出原液と酸性抽出剤を含む有機相溶液とを攪拌し、前記抽出原液中のハフニウムを前記有機相溶液に選択的に抽出する抽出段階と、前記抽出段階を経てハフニウムが除去された水溶液である第1攪拌液と前記抽出段階を経た有機相溶液である第2抽出液とを分離する分離段階とを含み、前記触媒は、ハフニウムの抽出速度を向上させる金属イオンであり、ニッケルイオン、銅イオン及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つである。
【選択図】図1

Description

本発明は、D2EHPA(Di-(2-ethylhexyl) phosphoric acid)、PC88A(2-Ethylhexyl phosphonic acid mono-2-ethylhexyl ester)、M2EHPA(Mono-(2-ethylhexyl) phosphoric acid)、Cyanex272(Bis(2,4,4-trimethylpentyl) phosphinic acid)又はP−229(Di(2-ethylhexyl) phosphinic acid)などの酸性抽出剤を用いて溶媒抽出法でジルコニウムとハフニウムを分離する方法に関する。また、本発明は、異常に遅いハフニウムの抽出速度を向上させるために、触媒剤としてニッケルイオン又は銅イオンを添加すると共に、酢酸イソアミル(isoamyl acetate, C7H14O2)を有機相に添加することにより、ハフニウムの選択的な抽出速度を向上させ、ハフニウムが除去されたジルコニウムを迅速かつ効率的に得る方法に関する。
類似した物理化学的特性を有する金属であるジルコニウムとハフニウムは、中性子吸収断面積がそれぞれ0.18barnと104barnであり、特異に中性子吸収断面積の差がほぼ600倍に達することが知られている。
ジルコニウムは、高温耐食性及び高温強度に優れ、特に中性子吸収断面積が非常に小さい金属であるため、原子力発電の核燃料棒に必ず使用される素材である。それに対して、ハフニウムは、他の物性はジルコニウムと非常に類似しているが、中性子吸収断面積が非常に大きい特性を有する。従って、核燃料棒に使用される金属ジルコニウムは、ハフニウム含量が100ppm未満に制限されている。
ジルコニウムとハフニウムの分離技術としては、従来より様々な方法が試みられているが、そのうち溶媒抽出法は従来の代表的な方法といえる。
水溶液中のジルコニウムとハフニウムの分離抽出に用いられる抽出剤としては、ジエチルエーテル(Diethyl Ether)、メチルイソブチルケトン(Methyl isobutyl Ketone, MIBK)、リン酸トリブチル(Tributyl Phosphate, TBP)、トリオクチルアミン(Trioctyl Amine, TOA)、塩化トリオクチルメチルアンモニウム(Trioctyl Methylammonium Chloride)など、様々な抽出剤が用いられてきた。
ところが、前記抽出剤のうち実際に商品化されてジルコニウムとハフニウムの分離に適用された事例は一部に過ぎない。これは、抽出剤の価格などの経済的な問題に加え、ジルコニウムとハフニウムの分離効果の高い抽出剤が少ないからである。
従来のジルコニウムとハフニウムの溶媒抽出工程としては、MIBKを抽出剤として用いる工程と、TBPを抽出剤として用いる工程がある。
しかし、ジルコニウムとハフニウムの溶媒抽出工程でMIBKを抽出剤として用いる場合、非常に安価なMIBKを用い、特に水溶液からジルコニウムよりは量がはるかに少ないハフニウムを選択的に抽出するため、抽出剤の使用量が少ないという利点はあるが、抽出する前にチオシアネート(SCN−1)イオンを水溶液に添加しなければならないため、シアン(CN)化合物による環境汚染問題を引き起こすという欠点があった。また、MIBKの水に対する溶解度が約1.8%と非常に高いため、抽出剤の損失が大きいという欠点もあった。
一方、ジルコニウムとハフニウムの溶媒抽出工程でTBPを抽出剤として用いる場合、MIBKを抽出剤として用いる場合とは異なり、シアン化合物を添加しないという利点はあるが、抽出剤の価格が高く、特に水溶液からハフニウムよりはジルコニウムを選択的に抽出するため、抽出剤の使用量が相対的に多くなるという問題があった。
そこで、本発明においては、迅速かつ効率的にハフニウムを選択的に抽出し、ハフニウムが除去されたジルコニウムを製造する方法を提示する。
本発明の目的は、D2EHPA、PC88A、M2EHPA、Cyanex272、P−229、又はこれらの組み合わせなどの抽出剤を用いて、溶媒抽出法で水溶液中のジルコニウムとハフニウムを分離する際に、異常に遅いハフニウムの抽出速度を向上させて分離工程を効果的に行う方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、触媒剤としてニッケルイオン又は銅イオンを水溶液中に添加すると共に、酢酸イソアミル(C14)を有機相に添加することにより、水溶液からのハフニウムの選択的な抽出速度を向上させ、ジルコニウムとハフニウムを効果的に分離する溶媒抽出方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態によるジルコニウムとハフニウムの分離方法は、ジルコニウム、ハフニウム及び硫酸を含む水溶液と触媒とを含む抽出原液を準備する準備段階と、水溶液である前記抽出原液と酸性抽出剤を含む有機相溶液とを攪拌し、前記抽出原液中のハフニウムを前記有機相溶液に選択的に抽出する抽出段階と、前記抽出段階を経てハフニウムが除去された水溶液である第1攪拌液と前記抽出段階を経た有機相溶液である第2抽出液とを分離する分離段階とを含む。
前記触媒は、ハフニウムの抽出速度を向上させる金属イオンであり、ニッケルイオン、銅イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つである。
前記有機相溶液は、酢酸イソアミルをさらに含んでもよい。
前記酸性抽出剤は、ジ(2−エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル(PC88A)、モノ(2−エチルヘキシル)リン酸(M2EHPA)、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸(Cyanex272)、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸(P−229)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むものであってもよい。
前記抽出原液中の前記硫酸の濃度は、2〜10mol/lであってもよい。
前記抽出原液中の前記金属イオンの濃度は、0.1〜2.0g/lであってもよい。
前記酢酸イソアミルは、0.01〜0.1vol%の範囲で前記有機相溶液に含まれてもよい。
前記金属イオンは、ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸ニッケル水和物、銅、硫酸銅、硫酸銅水和物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つに由来するものであってもよい。
本発明の他の実施形態によるジルコニウムの製造方法は、ジルコニウム、ハフニウム及び硫酸を含む水溶液と触媒とを含む抽出原液を準備する準備段階と、水溶液である前記抽出原液と酸性抽出剤を含む有機相溶液とを攪拌し、前記抽出原液中のハフニウムを前記有機相溶液に選択的に抽出する抽出段階と、前記抽出段階を経てハフニウムが除去された水溶液である第1攪拌液と前記抽出段階を経た有機相溶液である第2抽出液とを分離する分離段階と、前記第1攪拌液からハフニウムが除去されたジルコニウムを回収する回収段階とを含む。
前記触媒は、ハフニウムの抽出速度を向上させる金属イオンであり、ニッケルイオン、銅イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つである。
前記有機相溶液は、酢酸イソアミルをさらに含んでもよい。
前記酸性抽出剤は、ジ(2−エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル(PC88A)、モノ(2−エチルヘキシル)リン酸(M2EHPA)、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸(Cyanex272)、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸(P−229)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含むものであってもよい。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の一実施形態によるジルコニウムとハフニウムの分離方法は、準備段階、抽出段階及び分離段階を含み、ジルコニウムと類似した物理化学的特性を有する金属であるハフニウムを迅速かつ効率的に分離する。
前記準備段階は、抽出原液を準備する段階であって、ハフニウムを含有するジルコニウムを硫酸水溶液に溶解し、それに触媒を加えて抽出原液を準備してもよく、所定量のハフニウムを含有するジルコニウム化合物を水に溶解させ、硫酸を徐々に混合し、それに触媒を加えて抽出原液を準備してもよい。
前記硫酸は、前記抽出原液中に2〜10mol/l含まれることが好ましい。前記抽出原液中の前記硫酸の濃度が2〜10mol/lの範囲から外れた場合は、ジルコニウムとハフニウムの分離効果が低下する。
前記水溶液中の酸成分は、実質的に硫酸を含むことが好ましい。前記水溶液中の酸成分として、塩酸又は硝酸を使用するよりも、硫酸を使用すると、ジルコニウムの選択的回収率を向上させることができる。
前記触媒は、ニッケルイオン、銅イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つの金属イオンを含む。さらに、前記触媒を前記抽出原液に加えて前記ジルコニウムとハフニウムの分離方法を行うと、酸性抽出剤を用いて前記抽出原液からジルコニウムを選択的に抽出する際に、その抽出速度が画期的に速くなる。
前記触媒は、前記金属イオンを前記抽出原液に供給できるものであればいずれも適用可能であり、前記抽出段階で硫酸水溶液を使用することを考慮すると、前記金属イオンとしては、ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸ニッケル水和物、銅、硫酸銅、硫酸銅水和物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを適用することが好ましい。
前記抽出原液中の前記金属イオンの濃度は、0.1〜2.0g/lであることが好ましく、前記金属イオンの濃度が0.1g/l未満の場合は、抽出速度向上効果が低下し、2.0g/lを超える場合は、薬品消費量が不要に増加する。
前記有機相溶液は、酢酸イソアミルをさらに含んでもよい。前記酢酸イソアミルは、前記有機相溶液に含まれ、水溶液と有機相が接触する界面での化学的特性を変化させることにより、ハフニウムの抽出速度をより促進させる。
すなわち、界面特性(例えば、界面張力)の変化は、ハフニウムの抽出が結局は界面で発生することから、抽出速度に非常に重要な影響を及ぼす。つまり、前記有機相溶液は、酢酸イソアミルをさらに含む場合、前記水溶液中に含まれる金属イオンの触媒作用に加え、水溶液と有機相が接触する界面の特性を変化させ、究極的にはハフニウムの抽出速度を大きく促進させる。
前記酢酸イソアミルは、前記有機相溶液全体に対して0.01〜0.1vol%の範囲で添加することが好ましい。前記酢酸イソアミルの添加量が前記範囲より少なければ、ハフニウムの抽出速度向上効果が不十分となり、前記範囲より多ければ、薬品コストが非常に高くなる。
前記抽出段階は、水溶液である前記抽出原液と酸性抽出剤を含む有機相溶液とを攪拌し、前記抽出原液中のハフニウムを前記有機相溶液に選択的に抽出する段階である。
前記酸性抽出剤としては、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル(PC88A)、モノ(2−エチルヘキシル)リン酸(M2EHPA)、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸(Cyanex272)、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸(P−229)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む酸性抽出剤を使用してもよい。
前記有機相溶液は、前記酸性抽出剤に希釈剤をさらに含むものであってもよく、前記希釈剤は、有機溶媒であってもよい。前記希釈剤としては、灯油(ケロシン)などが使用されるが、これに限定されるものではなく、前記抽出反応を妨げず、前記酸性抽出剤とよく混合されて溶媒抽出段階で前記有機相溶液に含まれるものであればいずれも適用可能である。また、前記希釈剤と前記酸性抽出剤との混合比率は、前記抽出反応の効率を阻害しなければ、制限なく使用することができる。
前記抽出段階の攪拌により、前記抽出原液中のジルコニウムは、少量のみ前記有機相溶液に抽出され、残りはそのまま水溶液に残留し、前記抽出原液中のハフニウムは、ほぼ全量抽出される。従って、前述した方法により、ジルコニウムとハフニウムを非常に効果的に分離することができる。
前記抽出段階における抽出温度は、特に限定されないが、必要であれば、反応器の温度を昇温して抽出段階を行ってもよい。
ジルコニウムとハフニウムの分離効果を向上させるために、抽出装置を用いてもよく、例えばミキサセトラ(多段槽型抽出器)などの抽出装置を用いて前記分離方法を多段に適用してもよく、抽出温度を昇温して適用してもよい。しかし、本発明においては、前述した抽出装置や抽出温度に限定されることなく、前述したジルコニウムとハフニウムの分離方法を適用することができる。
図2は後述する比較例1によるハフニウムの抽出速度を示すグラフであり、図2を参照すると、比較例1によれば、ハフニウムの抽出量が平衡に達するまで、激しく攪拌し続けなければならない抽出時間が約90分以上かかることを確認することができる。
しかし、このように長い抽出時間を必要とする分離方法を適用して十分な抽出率(抽出効率)を得るためには、反応器内の滞留時間を長くしなければならず、抽出のための反応器(例えば、攪拌機)を大きく製作しなければならず、結局はコストが増加して経済性の低下につながる恐れがある。
一方、前述した本発明の分離方法によれば、触媒を用いない方法を適用した場合に処理できる時間当たりの処理量が僅かであるのとは異なり、ハフニウムの抽出速度が向上し、短時間で抽出の平衡値に達するため、このような問題を解決することができる。
つまり、触媒を用いる本発明の一実施形態によるジルコニウムとハフニウムの分離方法は、触媒を用いない方法と比較すると、同じ条件で実験を行った場合、抽出量の平衡値に達する時間が約10倍速いため、約10分の抽出時間を適用しても十分なハフニウムの抽出効果が得られ、これは触媒を用いない方式と明確に区別される特徴である。
前記分離段階は、前記抽出段階を経てハフニウムが除去された水溶液である第1攪拌液と前記抽出段階を経た有機相溶液である第2抽出液とを分離する段階である。
前記水溶液である第1攪拌液と前記有機相溶液である第2抽出液とを分離する方法は、特に限定されるものではなく、通常の溶液抽出法で水溶液相と有機相とを分離する方法を適用すればよい。
一般に、地殻中に分布するジルコニウムの原鉱は約0.5〜2wt%のハフニウムを含有し、ジルコニウムとハフニウムとは物理化学的特性が非常に類似しており、これらを分離することが非常に難しい。しかし、前述したジルコニウムとハフニウムの分離方法を適用することにより、溶液抽出法という簡単な方式でジルコニウムに微量含有されているハフニウムを抽出することができ、抽出率と抽出速度に優れていてジルコニウムからハフニウムを迅速かつ効率的に除去することができる。
本発明の他の実施形態によるジルコニウムの製造方法は、準備段階、抽出段階、分離段階及び回収段階を含み、ハフニウムが除去されたジルコニウムを迅速に製造することができる。
本発明の他の実施形態における準備段階、抽出段階及び分離段階については、本発明の一実施形態の説明と重複するので省略する。
前記回収段階は、前記第1攪拌液からハフニウムが除去されたジルコニウムを回収する段階であって、ジルコニウムを含む水溶液(第1攪拌液)から意図する形態のジルコニウムが得られる方法であればいずれも適用可能である。また、必要であれば、触媒として使用した金属イオンを前記第1攪拌液から除去する段階をさらに行ってもよい。
このようにして、ハフニウムが十分に除去されたジルコニウムを比較的簡単な方式で、短時間で提供することができる。
本発明によるジルコニウムとハフニウムの分離方法及びハフニウムが除去されたジルコニウムの製造方法においては、D2EHPA、PC88A、M2EHPA、Cyanex272、P−229などの酸性抽出剤を単独又は混合使用してハフニウムを選択的に抽出することにより、通常の他の金属の溶媒抽出速度に比べて異常に遅いハフニウムの抽出速度を画期的に向上させることができる。
本発明の実施例1における、水溶液相にニッケルイオンを添加して有機相溶液に酢酸イソアミルを添加する方式でジルコニウムからハフニウムを抽出する場合の攪拌時間による抽出率(%)を示すグラフである。 本発明の比較例1における、水溶液相にニッケルイオンや銅イオンを添加せず有機相溶液に酢酸イソアミルを添加しない方式でジルコニウムからハフニウムを抽出する場合の攪拌時間による抽出率(%)を示すグラフである。
以下、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、本発明は、ここに説明する実施例に限定されるものではなく、様々な形態で実現することができる。
(実施例1)
ジルコニウム17,500mg/l及びハフニウム148.5mg/lを含む硫酸濃度2モルの水溶液1リットルに、硫酸ニッケル(NiSO)をニッケルイオン含量が0.1g/lとなるように添加し、抽出原液を製造した。
そして、D2EHPAを0.1リットル、灯油(希釈剤)を0.9リットル混合した有機相溶液(第1抽出液)1リットルに、酢酸イソアミルを0.1vol%となるように添加した。前記有機相溶液と水溶液である前記抽出原液1リットルを反応槽に入れ、常温で水溶液(抽出原液)と有機相溶液(第1抽出液)とを攪拌機で激しく攪拌した。
前記攪拌過程で前記水溶液(抽出原液)中のハフニウムが前記有機相溶液に選択的に抽出されるようにした。約10分間攪拌を続けた後に攪拌を止め、前記抽出原液から抽出されたハフニウムを含む有機相溶液(第2抽出液)と前記抽出原液からハフニウムが選択的に除去された水溶液(第1攪拌液)を製造し、それらを相分離させた。
このように相分離により得られた水溶液(第1攪拌液)中のジルコニウム及びハフニウムの含量をICP分光光度計(Perkin Elmer社製,Optima 5300 DV)により分析した。また、前記水溶液(抽出原液)と前記有機相溶液(第1抽出液)とを攪拌する抽出時間を変化させて前記水溶液(第1攪拌液)中のジルコニウム及びハフニウムの含量を測定し、前記抽出原液から除去されたハフニウムの比率(%)を図1に示す。
なお、前記10分間攪拌した実施例1の測定結果は、ジルコニウム16,300mg/l、ハフニウム0.9mg/lであった。
すなわち、前記抽出原液に含まれていたジルコニウムは93.1%(=16,300/17,500)がそのまま前記水溶液(第1攪拌液)に残留し、前記抽出原液に含まれていたハフニウムは99.4%(=(148.5−0.9)/148.5)が前記有機相溶液(第2抽出液)に抽出された。
つまり、抽出剤との攪拌及び相分離という簡単な方法と、約10分間の攪拌という非常に短い抽出時間にもかかわらず、前記ジルコニウムとハフニウムの分離方法を用いた場合、ジルコニウムとハフニウムとを非常に効果的に分離することができ、このようにしてジルコニウムに含有されていたハフニウムが選択的に除去されることにより、ハフニウムの含量が非常に少ないジルコニウムが製造できることを確認した。
(実施例2)
ジルコニウム17,500mg/l及びハフニウム148.5mg/lを含む硫酸濃度10モルの水溶液1リットルに、硫酸銅(CuSO)を銅イオン含量が2.0g/lとなるように添加し、抽出原液を製造した。
そして、D2EHPAを0.02リットル、PC88Aを0.02リットル、M2EHPAを0.02リットル、Cyanex272を0.02リットル、P−229を0.02リットル、灯油を0.9リットル混合した有機相溶液(第1抽出液)1リットルに、酢酸イソアミルを0.01vol%となるように添加した。前記有機相溶液1リットルと水溶液である前記抽出原液1リットルを反応槽に入れ、常温で水溶液(抽出原液)と有機相溶液(第1抽出液)とを攪拌機で激しく攪拌した。
前記攪拌過程で前記水溶液(抽出原液)中のハフニウムが前記有機相溶液に選択的に抽出されるようにした。約10分間攪拌を続けた後に攪拌を止め、前記抽出原液から抽出されたハフニウムを含む有機相溶液(第2抽出液)と前記抽出原液からハフニウムが選択的に除去された水溶液(第1攪拌液)を製造し、それらを相分離させた。
このように相分離により得られた水溶液(第1攪拌液)中のジルコニウム及びハフニウムの含量をICP分光光度計(Perkin Elmer社製,Optima 5300 DV)により分析した。その結果、前記水溶液(第1攪拌液)中のジルコニウム及びハフニウムの含量は、それぞれ16,900mg/l、1.2mg/lであった。
すなわち、前記抽出原液に含まれていたジルコニウムは96.6%(=16,900/17,500)がそのまま前記水溶液(第1攪拌液)に残留し、前記抽出原液に含まれていたハフニウムは99.2%(=(148.5−1.2)/148.5)が前記有機相溶液(第2抽出液)に抽出された。つまり、前記ジルコニウムとハフニウムの分離方法を用いた場合、ジルコニウムとハフニウムを非常に効果的に分離することができ、ハフニウムの含量が非常に少ないジルコニウムを製造することができた。
(比較例1)
ジルコニウム17,500mg/l及びハフニウム148.5mg/lを含む硫酸濃度2モルの水溶液1リットルを、ニッケルイオンや銅イオンを添加せずに製造した。
そして、D2EHPAを0.1リットル、灯油を0.9リットル混合した有機相溶液(第1抽出液)1リットルを製造した。前記製造されたジルコニウム水溶液(抽出原液)1リットルと前記有機相溶液(第1抽出液)1リットルを反応槽に入れ、実施例1と同様に、常温で水溶液(抽出原液)と有機相溶液(第1抽出液)とを攪拌機で激しく攪拌しながら10分間水溶液から有機相溶液にハフニウムを選択的に抽出した。
前記攪拌過程で前記水溶液(抽出原液)中のハフニウムが前記有機相溶液に選択的に抽出されるようにし、前記抽出過程が完了した水溶液(第1攪拌液)中のジルコニウム及びハフニウムの含量をICP分光光度計(Perkin Elmer社製,Optima 5300 DV)により分析した。また、前記水溶液(抽出原液)と前記有機相溶液(第1抽出液)とを攪拌する抽出時間を変化させて前記水溶液(第1攪拌液)中のジルコニウム及びハフニウムの含量を測定し、前記抽出原液から除去されたハフニウムの比率(%)を図2に示す。
なお、前記10分間攪拌した比較例1の測定結果は、ジルコニウム16,200mg/l、ハフニウム73.8mg/lであった。
すなわち、前記抽出原液に含まれていたジルコニウムは92.6%(=16,200/17,500)がそのまま前記水溶液(第1攪拌液)に残留し、実施例1とほぼ同じ結果を示すが、前記抽出原液に含まれていたハフニウムは50.3%(=(148.5−73.8)/148.5)のみ前記有機相溶液(第2抽出液)に抽出され、99.4%が前記有機相溶液(第2抽出液)に抽出された実施例1の結果と比較して大きな差があった。つまり、触媒をさらに使用するか否かによってジルコニウムとハフニウムの分離効果が大きく異なることが確認された。
以上、本発明の好ましい実施例を詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の様々な変形や改良形態も本発明の権利範囲に含まれる。

Claims (10)

  1. ジルコニウム、ハフニウム及び硫酸を含む水溶液と触媒とを含む抽出原液を準備する準備段階と、
    水溶液である前記抽出原液と酸性抽出剤を含む有機相溶液とを攪拌し、前記抽出原液中のハフニウムを前記有機相溶液に選択的に抽出する抽出段階と、
    前記抽出段階を経てハフニウムが除去された水溶液である第1攪拌液と前記抽出段階を経た有機相溶液である第2抽出液とを分離する分離段階とを含み、
    前記触媒は、ハフニウムの抽出速度を向上させる金属イオンであり、ニッケルイオン、銅イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つである、ジルコニウムとハフニウムの分離方法。
  2. 前記有機相溶液は、酢酸イソアミルをさらに含む、請求項1に記載のジルコニウムとハフニウムの分離方法。
  3. 前記酸性抽出剤は、ジ(2−エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル(PC88A)、モノ(2−エチルヘキシル)リン酸(M2EHPA)、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸(Cyanex272)、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸(P−229)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む、請求項1に記載のジルコニウムとハフニウムの分離方法。
  4. 前記抽出原液中の前記硫酸の濃度は、2〜10mol/lである、請求項1に記載のジルコニウムとハフニウムの分離方法。
  5. 前記抽出原液中の前記金属イオンの濃度は、0.1〜2.0g/lである、請求項1に記載のジルコニウムとハフニウムの分離方法。
  6. 前記酢酸イソアミルは、0.01〜0.1vol%の範囲で前記有機相溶液に含まれる、請求項2に記載のジルコニウムとハフニウムの分離方法。
  7. 前記金属イオンは、ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸ニッケル水和物、銅、硫酸銅、硫酸銅水和物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つに由来するものである、請求項1に記載のジルコニウムとハフニウムの分離方法。
  8. ジルコニウム、ハフニウム及び硫酸を含む水溶液と触媒とを含む抽出原液を準備する準備段階と、
    水溶液である前記抽出原液と酸性抽出剤を含む有機相溶液とを攪拌し、前記抽出原液中のハフニウムを前記有機相溶液に選択的に抽出する抽出段階と、
    前記抽出段階を経てハフニウムが除去された水溶液である第1攪拌液と前記抽出段階を経た有機相溶液である第2抽出液とを分離する分離段階と、
    前記第1攪拌液からハフニウムが除去されたジルコニウムを回収する回収段階とを含み、
    前記触媒は、ハフニウムの抽出速度を向上させる金属イオンであり、ニッケルイオン、銅イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つである、ジルコニウムの製造方法。
  9. 前記有機相溶液は、酢酸イソアミルをさらに含む、請求項8に記載のジルコニウムの製造方法。
  10. 前記酸性抽出剤は、ジ(2−エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル(PC88A)、モノ(2−エチルヘキシル)リン酸(M2EHPA)、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸(Cyanex272)、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸(P−229)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか1つを含む、請求項8に記載のジルコニウムの製造方法。
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