JP5604365B2 - 多チャンネルスピーカ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、多チャンネルスピーカ装置に関し、特に、ディスプレイの周囲に配置された複数のスピーカよりマルチチャンネル音響方式の音を再生する多チャンネルスピーカ装置に関する。
次世代のマルチチャンネル音響にとって、様々な方向からの音の再生は重要な要素であるが、実現するには多数のスピーカを室内に配置する必要がある(例えば、非特許文献1参照)。一方、頭部伝達関数を用いて様々な方向からの音を再現する方式はこれまでにも積極的に研究が進められてきており、応用への期待が高い(例えば、非特許文献2参照)。頭部伝達関数を用いた再生方式はバイノーラル方式、つまりイヤホンやヘッドホンを用いて両耳間のクロストーク無く再生する方法が主流だが、聴取が一人に限定される点やヘッドホンの装着感が煩わしいなどの問題があり、それらを解決すべく、スピーカ再生による頭部伝達関数の利用方法も考えられてきた(例えば、非特許文献3参照)。
安藤、「高臨場感音響技術とその理論」、IEICE Fundamentals Review、Vol.3、No.4、pp.33-46、2010年4月. 平原、外2名、「頭部伝達関数の計測とバイノーラル再生にかかわる諸問題」、平原 他, IEICE Fundamentals Review、vol.2、no.4、pp.68-85、2009年4月. Matsui, et al., "Binaural Reproduction of 22.2 Multichannel Sound over Loudspeakers," Audio Engineering Society 129th Convention Paper 8272, 2010 November.
ところで、近年は家庭用テレビの薄型化が進んでおり、SHV(スーパーハイビジョン)など容易に高精細かつ迫力のある映像体験が可能になりつつある。これに伴い、高い臨場感の音響を創出する音響再生が必要とされているが、テレビが薄型化するに従い、テレビに取り付けるスピーカも薄型化・小型化を余儀なくされている。一般的に、面積・容量を確保できない場合、スピーカ再生音は音質・音量の両面で制限されたものとなり、十分な品質を維持できない。
さて、家庭でテレビを視聴する場合に高い臨場感の音響再生をおこなうに当たって、前述のスピーカ再生による頭部伝達関数の利用は、利便性や視聴環境との親和性が高い。しかしながら、マルチチャンネル化が進む次世代の音響システムを薄型ディスプレイと組み合わせて再現する場合、従来の手法では側方や後方、上方などの複数のチャンネル成分を統合(加算)して再生する必要があるため、単純に計算すると1チャンネル増加するたびに再生レベルが約3dB(最大6dB)上がってしまい、再生レベルが飽和するという問題があった。
さらに、同一のスピーカから多数のチャンネルの成分が合成されて再生されるため、実際の再生空間による音響特性の変化と原信号の方向感との齟齬により、意図した再生方向を知覚しにくいという問題もあった。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、頭部伝達関数を用い、ディスプレイの周囲に配置された複数のスピーカにより臨場感の高いマルチチャンネル音響方式の音再生が可能な多チャンネルスピーカ装置を提供することにある。
上述した諸課題を解決すべく、本発明に係る多チャンネルスピーカ装置は、視聴者の前方に配置されたチャンネルの前方信号と、前記視聴者より高い位置に配置されたチャンネルの信号であって前記前方信号以外の上層信号と、前記視聴者の耳の高さの位置に配置されたチャンネルの信号であって前記前方信号以外の中層信号とを区別可能なマルチチャンネル音響方式に対応し、前記前方信号以外の上層信号及び前記前方信号以外の中層信号に頭部伝達関数を用い、ディスプレイの周囲に配置された複数のスピーカより前記マルチチャンネル音響方式の音再生を行う多チャンネルスピーカ装置であって、前記前方信号以外の上層信号及び前記前方信号以外の中層信号に、視聴者の位置及びスピーカの配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う頭部伝達関数畳み込み手段と、前記前方信号以外の上層信号を再生する上層信号再生スピーカと、前記前方信号以外の中層信号を再生する中層信号再生スピーカと、を備え、前記前方信号以外の上層信号再生スピーカは、前記ディスプレイの上部に配置され、前記前方信号以外の中層信号再生スピーカは、前記ディスプレイの垂直方向中央又は前記垂直方向中央より低い位置に配置されることを特徴とするものである。
また、前記マルチチャンネル音響方式は、前記前方信号以外の上層信号及び前記前方信号以外の中層信号それぞれについて、さらに、前記視聴者の左側のチャンネルの信号と右側のチャンネルの信号とを区別可能であり、前記前方信号以外の上層信号再生スピーカとして、前記ディスプレイの水平方向中央より左側に前記前方信号以外の上層信号のうち前記視聴者の左側のチャンネルの信号を再生する上層左用スピーカと、前記水平方向中央より右側に前記前方信号以外の上層信号のうち前記視聴者の右側のチャンネルの信号を再生する上層右用スピーカとを備え、前記前方信号以外の中層信号再生スピーカとして、前記水平方向中央より左側に前記前方信号以外の中層信号のうち前記視聴者の左側のチャンネルの信号を再生する中層左用スピーカと、前記水平方向中央より右側に前記前方信号以外の中層信号のうち前記視聴者の右側のチャンネルの信号を再生する中層右用スピーカとを備える、ことが好ましい。
本発明に係る多チャンネルスピーカ装置によれば、頭部伝達関数を用い、ディスプレイの周囲に配置された複数のスピーカにより臨場感の高いマルチチャンネル音響方式の音再生を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る多チャンネルスピーカ装置の概略構成を示す図である。 前方信号以外の上層信号再生スピーカ及び前方信号以外の中層信号再生スピーカの第1の配置例を示す図である。 前方信号以外の上層信号再生スピーカ及び前方信号以外の中層信号再生スピーカの第2の配置例を示す図である。 前方信号以外の上層信号再生スピーカ及び前方信号以外の中層信号再生スピーカの第3の配置例を示す図である。 前方信号以外の上層信号再生スピーカ及び前方信号以外の中層信号再生スピーカの第3の配置例の変形例を示す図である。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。ここで、以下の説明においては、マルチチャンネル音響方式として、SHV用の音響方式である22.2マルチチャンネル音響(以下、22.2ch音響と称する)(例えば、非特許文献1参照)を例に説明を行うが、本発明は22.2ch音響のみに限定されるものではない点に留意されたい。本発明は、視聴者の前方に配置されたチャンネルの前方信号と、視聴者より高い位置に配置されたチャンネルの信号であって前方信号以外の上層信号と、視聴者の耳の高さの位置に配置されたチャンネルの信号であって前方信号以外の中層信号とを区別可能なマルチチャンネル音響方式であれば、いかなる音響方式にも対応することが可能である。
22.2ch音響は、視聴者より高い位置に配置された上層の9chと、視聴者の耳の高さの位置に配置された中層の10chと、視聴者より低い位置に配置された下層の3chと、低音用LFEの2ch(0.2ch)とから構成される。視聴者の前方(画面上)には、22.2chのうち、上層の3ch、中層の5ch、下層の3ch、及びLFEの2chが配置される。上層の9chのうち、視聴者前方の3chを除く6chは、視聴者の上方(1ch)、側方(2ch)、後方(3ch)にそれぞれ配置される。また、中層の10chのうち、視聴者前方の5chを除く5chは、視聴者の側方(2ch)及び後方(3ch)にそれぞれ配置される。なお、下層の3chは全て前方に配置されるため、視聴者の側方及び後方に下層のチャンネルは存在しない。
以下の説明において、視聴者前方の11ch及びLFE2chの信号を「前方信号」、上層9chのうち視聴者前方の3chを除く6chの信号を「上層信号」、中層10chのうち視聴者前方の5chを除く5chの信号を「中層信号」とそれぞれ称するものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係る多チャンネルスピーカ装置の概略構成を示す図である。多チャンネルスピーカ装置1は、デコーダ11と、前方信号分配器12と、上層信号分配器13と、上層用頭部伝達関数畳み込み手段14と、中層信号分配器15と、中層用頭部伝達関数畳み込み手段16と、マルチチャンネル増幅器17と、前方信号再生スピーカ18と、上層信号再生スピーカ19と、中層信号再生スピーカ20とを備える。なお、多チャンネルスピーカ装置1は、図示しないディスプレイをさらに備えるものであって、前方信号再生スピーカ18と、上層信号再生スピーカ19と、中層信号再生スピーカ20とは、当該ディスプレイの周囲に配置されるものである。
デコーダ11は、入力される22.2マルチチャンネル音響放送信号を復号し、視聴者前方の11ch及びLFEの2chの前方信号を前方信号分配器12に出力し、上層9chのうち前方3chを除く6chの上層信号を上層信号分配器13に出力し、中層10chのうち前方5chを除く5chの中層信号を中層信号分配器15に出力する。
前方信号分配器12は、前方信号再生スピーカ18の配置に応じて、前方11ch及びLFE2chの前方信号を分配してマルチチャンネル増幅器17に出力する。
上層信号分配器13は、上層信号再生スピーカ19の配置に応じて、上層信号を分配して上層用頭部伝達関数畳み込み手段14に出力する。
上層用頭部伝達関数畳み込み手段14は、入力された上層信号に対して、視聴者の位置及び上層信号再生スピーカ19の配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う。なお、本実施形態においては、頭部伝達関数の畳み込み処理の詳述は行わないが、当業者であれば、例えば非特許文献2及び3等に示されるように、適宜好適な頭部伝達関数の畳み込み処理を実装できることに留意されたい。また、視聴者の位置は、予め設定された値や、リモコン操作などにより動的に取得した値を用いることができる。上層用頭部伝達関数畳み込み手段14は、畳み込み処理後の上層信号をマルチチャンネル増幅器17に出力する。
中層信号分配器15は、中層信号再生スピーカ20の配置に応じて、中層信号を分配して中層用頭部伝達関数畳み込み手段16に出力する。
中層用頭部伝達関数畳み込み手段16は、入力された中層信号に対して、視聴者の位置及び中層信号再生スピーカ20の配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う。中層用頭部伝達関数畳み込み手段16は、畳み込み処理後の中層信号をマルチチャンネル増幅器17に出力する。
マルチチャンネル増幅器17は、各チャンネルの信号を増幅し、前方信号を前方信号再生スピーカ18に出力し、上層信号を上層信号再生スピーカ19に出力し、中層信号を中層信号再生スピーカ20に出力する。
前方信号再生スピーカ18は、入力される前方信号を音に変換して再生する。なお、前方信号再生スピーカ18は、視聴者前方の11chを再生するスピーカと、LFE2chを再生するスピーカとを含むものである。前方信号再生スピーカ18は、ディスプレイの周囲において、上層信号再生スピーカ19及び中層信号再生スピーカ20が配置される箇所を除く任意の場所に配置されるものである。
上層信号再生スピーカ19は、入力される上層信号を音に変換して再生する。上層信号再生スピーカ19は、ディスプレイの上部(又は垂直方向中央より高い位置)に配置されるものであり、例えばディスプレイが長方形の場合、ディスプレイの上辺(又は左右各辺の中央より高い位置)に配置されるものである。
中層信号再生スピーカ20は、入力される中層信号を音に変換して再生する。中層信号再生スピーカ20は、ディスプレイの垂直方向中央又は垂直方向中央より低い位置に配置されるものであり、例えばディスプレイが長方形の場合、ディスプレイの左右各辺の中央に配置されるか、又はディスプレイの下辺に配置されるものである。
図2〜図5において、上層信号再生スピーカ19及び中層信号再生スピーカ20の配置について詳述する。なお、図2〜図5において、前方信号再生スピーカ18の図示は省略しているが、前述の通り、前方信号再生スピーカ18は、ディスプレイの周囲において、上層信号再生スピーカ19及び中層信号再生スピーカ20が配置される箇所を除く任意の場所に配置されるものである。例えば、前方信号再生スピーカ18をWFS(Wave Field Synthesis)方式に対応したスピーカアレーとして、ディスプレイ周囲の各辺に配置することも可能である。
図2は、上層信号再生スピーカ19及び中層信号再生スピーカ20の第1の配置例を示す図である。第1の配置例では、上層信号再生スピーカ19は、ディスプレイDISの上部に配置された上層左用スピーカ19L及び上層右用スピーカ19Rから構成される。また、中層信号再生スピーカ20は、ディスプレイDISの左辺の中央に配置された中層左用スピーカ20L及び右辺の中央に配置された中層右用スピーカ20Rから構成される。
第1の配置例の場合、上層信号分配器13は、上層左用スピーカ19L及び上層右用スピーカ19Rそれぞれから各チャンネルの信号(6ch)が再生されるように上層信号を分配する。上層用頭部伝達関数畳み込み手段14は、視聴者の位置と、上層左用スピーカ19L及び上層右用スピーカ19Rとの配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う。
また、中層信号分配器15は、中層左用スピーカ20L及び中層右用スピーカ20Rそれぞれから各チャンネルの信号(5ch)が再生されるように中層信号を分配する。中層用頭部伝達関数畳み込み手段16は、視聴者の位置と、中層左用スピーカ20L及び中層右用スピーカ20Rとの配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う。
このように、第1の配置例によれば、上層信号を再生する上層信号再生スピーカ19は、ディスプレイDISの上部に配置され、中層信号再生スピーカ20は、ディスプレイDISの垂直方向中央(左右各辺の中央)に配置される。これにより、上層信号と中層信号との位置関係を反映させた音再生が可能になり、視聴者は正しい再生方向を知覚し易くなる。すなわち、ディスプレイDISの周囲に配置された複数のスピーカよりマルチチャンネル音響方式の音を再生する場合でも、上層及び中層のチャンネルの上下の位置関係を反映させた臨場感の高いマルチチャンネル音響の再生が可能となる。
図3は、上層信号再生スピーカ19及び中層信号再生スピーカ20の第2の配置例を示す図である。第1の配置例では、上層信号再生スピーカ19及び中層信号再生スピーカ20を、それぞれ2つのスピーカにより構成したが、薄型ディスプレイの各辺に配置可能な小型スピーカの場合、複数のチャンネル成分を統合することにより、各スピーカの再生レベルが飽和してしまう場合がある。第2の配置例は、かかる再生レベルの飽和を防ぐため、上層信号及び中層信号それぞれについて、視聴者の側方のチャンネルの信号と後方のチャンネルの信号とを異なるスピーカにより再生する態様を示すものである。
第2の配置例では、上層信号再生スピーカ19は、ディスプレイDISの上部に配置された上層左側方用スピーカ19LSと、上層右側方用スピーカ19RSと、2つの上層後方用スピーカ19Bとから構成される。また、中層信号再生スピーカ20は、ディスプレイDISの左辺の中央に配置された中層左側方用スピーカ20LSと、右辺の中央に配置された中層右側方用スピーカ20RSと、左辺及び右辺の中央より下に配置された2つの中層後方用スピーカ20Bとから構成される。
第2の配置例の場合、上層信号分配器13は、上層信号のうち、視聴者の側方のチャンネルの信号を上層左側方用スピーカ19LS及び上層右側方用スピーカ19RSに分配し、視聴者の後方のチャンネルを上層後方用スピーカ19Bに分配する。なお、上層信号分配器13は、上層信号のうち、視聴者の上部(頭上)のチャンネルの信号については、上層左側方用スピーカ19LS、上層右側方用スピーカ19RS、及び2つの上層後方用スピーカ19Bのいずれか1つ又は複数に適宜分配するものとする。上層用頭部伝達関数畳み込み手段14は、視聴者の位置及び上層信号再生スピーカ19(上層左側方用スピーカ19LS、上層右側方用スピーカ19RS、及び2つの上層後方用スピーカ19B)の配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う。
また、中層信号分配器15は、中層信号のうち、視聴者の側方のチャンネルの信号を中層左側方用スピーカ20LS及び中層右側方用スピーカ20RSに分配し、視聴者の後方のチャンネルを中層後方用スピーカ20Bに分配する。中層用頭部伝達関数畳み込み手段16は、視聴者の位置及び中層信号再生スピーカ20(中層左側方用スピーカ20LS、中層右側方用スピーカ20RS、及び2つの中層後方用スピーカ20B)の配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う。
このように、第2の配置例では、上層信号及び中層信号それぞれについて、視聴者の側方のチャンネルの信号と後方のチャンネルの信号とが異なるスピーカにより再生されるため、複数のチャンネル成分の統合による各スピーカの再生レベルの飽和を防ぐことが可能になる。
図4は、上層信号再生スピーカ19及び中層信号再生スピーカ20の第3の配置例を示す図である。第3の配置例は、上層信号及び中層信号のうち、視聴者の左側のチャンネルの信号と右側のチャンネルの信号とを異なるスピーカにより再生する態様を示すものである。
第3の配置例では、上層信号再生スピーカ19は、ディスプレイDISの上部(上辺)に配置された上層左用左スピーカ19LLと、上層左用右スピーカ19LRと、上層右用左スピーカ19RLと、上層右用右スピーカ19RRとから構成される。また、中層信号再生スピーカ20は、ディスプレイDISの下辺に配置された中層左用左スピーカ20LLと、中層左用右スピーカ20LRと、中層右用左スピーカ20RLと、中層右用右スピーカ20RRとから構成される。
第3の配置例の場合、上層信号分配器13は、上層信号のうち、視聴者の左側のチャンネルの信号を上層左用左スピーカ19LL及び上層左用右スピーカ19LRに分配し、右側のチャンネルの信号を上層右用左スピーカ19RL及び上層右用右スピーカ19RRに分配する。なお、上層信号分配器13は、上層信号のうち、視聴者の左右方向に分類されないチャンネルの信号については、上層左用左スピーカ19LL、上層左用右スピーカ19LR、上層右用左スピーカ19RL、及び上層右用右スピーカ19RRのいずれか1つ又は複数に適宜分配するものとする。上層用頭部伝達関数畳み込み手段14は、視聴者の位置及び上層信号再生スピーカ19(上層左用左スピーカ19LL、上層左用右スピーカ19LR、上層右用左スピーカ19RL、及び上層右用右スピーカ19RR)の配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う。
また、中層信号分配器15は、中層信号のうち、視聴者の左側のチャンネルの信号を中層左用左スピーカ20LL及び中層左用右スピーカ20LRに分配し、右側のチャンネルの信号を中層右用左スピーカ20RL及び中層右用右スピーカ20RRに分配する。なお、中層信号分配器15は、中層信号のうち、視聴者の左右方向に分類されないチャンネルの信号については、中層左用左スピーカ20LL、中層左用右スピーカ20LR、中層右用左スピーカ20RL、及び中層右用右スピーカ20RRのいずれか1つ又は複数に適宜分配するものとする。中層用頭部伝達関数畳み込み手段16は、視聴者の位置及び中層信号再生スピーカ20(中層左用左スピーカ20LL、中層左用右スピーカ20LR、中層右用左スピーカ20RL、及び中層右用右スピーカ20RR)の配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う。
このように、第3の配置例によれば、上層信号を再生する上層信号再生スピーカ19は、ディスプレイDISの上部(上辺)に配置され、中層信号再生スピーカ20は、ディスプレイDISの垂直方向中央より低い位置(下辺)に配置される。なお、上層信号及び中層信号の再生方向の知覚には、上下方向の相対的な位置関係が最も重要な要素であり、中層信号再生スピーカ20を必ずしもディスプレイDISの中央に配置する必要はない(同様に、上層信号再生スピーカ19を必ずしもディスプレイDISの上部に配置する必要はない)。このため、ディスプレイDISの周囲に配置された複数のスピーカよりマルチチャンネル音響方式の音を再生する場合でも、上層及び中層のチャンネルの上下の位置関係を反映させた臨場感の高いマルチチャンネル音響の再生が可能となる。
さらに、第3の配置例によれば、多チャンネルスピーカ装置1は、上層信号再生スピーカ19として、ディスプレイDISの水平方向中央より左側に上層信号のうち視聴者の左側のチャンネルの信号を再生する上層左用スピーカ(上層左用左スピーカ19LL及び上層左用右スピーカ19LR)と、水平方向中央より右側に上層信号のうち視聴者の右側のチャンネルの信号を再生する上層右用スピーカ(上層右用左スピーカ19RL及び上層右用右スピーカ19RR)とを備え、かつ、中層信号再生スピーカ20として、水平方向中央より左側に中層信号のうち視聴者の左側のチャンネルの信号を再生する中層左用スピーカ(中層左用左スピーカ20LL及び中層左用右スピーカ20LR)と、水平方向中央より右側に中層信号のうち視聴者の右側のチャンネルの信号を再生する中層右用スピーカ(中層右用左スピーカ20RL及び中層右用右スピーカ20RR)とを備える。これにより、左右のチャンネルの位置関係を反映させた音再生が可能になり、視聴者は正しい再生方向を知覚し易くなる。即ち、ディスプレイDISの周囲に配置された複数のスピーカよりマルチチャンネル音響方式の音を再生する場合でも、視聴者の左右方向のチャンネルの位置関係を反映させたより臨場感の高いマルチチャンネル音響再生が可能となる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段などに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段などを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、第3の配置例においては、視聴者の左側のチャンネルの信号を再生するスピーカはディスプレイの水平方向中央より左側に配置され、右側のチャンネルの信号を再生するスピーカはディスプレイの水平方向中央より右側に配置されていた。しかし、視聴者の左側のチャンネルの信号を再生するスピーカの一部をディスプレイの水平方向中央より右側に配置し、右側のチャンネルの信号を再生するスピーカの一部をディスプレイの水平方向中央より左側に配置することも可能である。図5は、第3の配置例の変形例を示す図である。図5に示す変形例では、第3の配置例に比べ、上層左用右スピーカ19LR及び上層右用左スピーカ19RLの位置と、中層左用右スピーカ20LR及び中層右用左スピーカ20RLの位置とがそれぞれ入れ替わっている。
変形例のように、視聴者の左側のチャンネルの信号を再生するスピーカの一部をディスプレイの水平方向中央より右側に配置し、右側のチャンネルの信号を再生するスピーカの一部をディスプレイの水平方向中央より左側に配置した場合でも、視聴者の左側のチャンネルの信号を再生するスピーカ全体の平均位置が水平方向中央より左側に配置され、視聴者の右側のチャンネルの信号を再生するスピーカ全体の平均位置が水平方向中央より右側に配置される場合には、視聴者の左右方向のチャンネルの位置を反映したより臨場感の高いマルチチャンネル音響再生が可能となる。また、変形例では、上層信号及び中層信号それぞれについて、左側及び右側の信号を再生するスピーカの間隔が広げることができる。一般的に、頭部伝達関数を再生するスピーカは、その間隔を広げることで、左右両耳のクロストークを抑制できるが、聴取範囲(サービスエリア)は狭まる傾向がある。そこで、スピーカ間を適当な距離にすることで、視聴形態に応じた聴取範囲を設定することが可能になる。
また、図2〜図5において、多チャンネルスピーカ装置のディスプレイを長方形として説明したが、本発明を適用可能なディスプレイ形状は長方形に限定されない。
また、22.2ch音響以外のマルチチャンネル音響方式であって、視聴者の上方、側方、後方のチャンネルに関し3層以上の層を用いるマルチチャンネル音響方式については、より多層の信号再生スピーカを配置することでより臨場感の高い音再生を実現可能である。
本発明によれば、ディスプレイの周囲に配置された複数のスピーカよりマルチチャンネル音響方式の音を再生することが可能になり、より臨場感の高い音再生を、より簡易な構成で実現できるという有用性がある。
1 多チャンネルスピーカ装置
11 デコーダ
12 前方信号分配器
13 上層信号分配器
14 上層用頭部伝達関数畳み込み手段
15 中層信号分配器
16 中層用頭部伝達関数畳み込み手段
17 マルチチャンネル増幅器
18 前方信号再生スピーカ
19 上層信号再生スピーカ
19L 上層左用スピーカ
19LS 上層左側方用スピーカ
19LL 上層左用左スピーカ
19LR 上層左用右スピーカ
19R 上層右用スピーカ
19RS 上層右側方用スピーカ
19RL 上層右用左スピーカ
19RR 上層右用右スピーカ
19B 上層後方用スピーカ
20 中層信号再生スピーカ
20LS 中層左側方用スピーカ
20LL 中層左用左スピーカ
20LR 中層左用右スピーカ
20R 中層右用スピーカ
20RS 中層右側方用スピーカ
20RL 中層右用左スピーカ
20RR 中層右用右スピーカ
20B 中層後方用スピーカ
DIS ディスプレイ

Claims (2)

  1. 視聴者の前方に配置されたチャンネルの前方信号と、前記視聴者より高い位置に配置されたチャンネルの信号であって前記前方信号以外の上層信号と、前記視聴者の耳の高さの位置に配置されたチャンネルの信号であって前記前方信号以外の中層信号とを区別可能なマルチチャンネル音響方式に対応し、前記前方信号以外の上層信号及び前記前方信号以外の中層信号に頭部伝達関数を用い、ディスプレイの周囲に配置された複数のスピーカより前記マルチチャンネル音響方式の音再生を行う多チャンネルスピーカ装置であって、
    前記前方信号以外の上層信号及び前記前方信号以外の中層信号に、視聴者の位置及びスピーカの配置に応じた頭部伝達関数の畳み込み処理を行う頭部伝達関数畳み込み手段と、
    前記前方信号以外の上層信号を再生する上層信号再生スピーカと、
    前記前方信号以外の中層信号を再生する中層信号再生スピーカと、を備え、
    前記前方信号以外の上層信号再生スピーカは、前記ディスプレイの上部に配置され、
    前記前方信号以外の中層信号再生スピーカは、前記ディスプレイの垂直方向中央又は前記垂直方向中央より低い位置に配置されることを特徴とする多チャンネルスピーカ装置。
  2. 前記マルチチャンネル音響方式は、前記前方信号以外の上層信号及び前記前方信号以外の中層信号それぞれについて、さらに、前記視聴者の左側のチャンネルの信号と右側のチャンネルの信号とを区別可能であり、
    前記前方信号以外の上層信号再生スピーカとして、前記ディスプレイの水平方向中央より左側に前記前方信号以外の上層信号のうち前記視聴者の左側のチャンネルの信号を再生する上層左用スピーカと、前記水平方向中央より右側に前記前方信号以外の上層信号のうち前記視聴者の右側のチャンネルの信号を再生する上層右用スピーカとを備え、
    前記前方信号以外の中層信号再生スピーカとして、前記水平方向中央より左側に前記前方信号以外の中層信号のうち前記視聴者の左側のチャンネルの信号を再生する中層左用スピーカと、前記水平方向中央より右側に前記前方信号以外の中層信号のうち前記視聴者の右側のチャンネルの信号を再生する中層右用スピーカとを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の多チャンネルスピーカ装置。
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