JP5604191B2 - エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、並びにそれを用いた合わせガラス及び太陽電池 - Google Patents

エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、並びにそれを用いた合わせガラス及び太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするフィルムに関し、特に、ブロッキングが防止され、加熱硬化する際の収縮が抑制されたフィルムに関する。
従来から、エチレン酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略す)を主成分として含む組成物からなるフィルム(以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(EVAフィルム)ともいう)は、安価であり、絶縁性に優れ、高い透明性を有することから、合わせガラス用中間膜や太陽電池用封止膜等に利用されている。合わせガラス用中間膜としては、例えば、図1に示すように、ガラス板11A及び11Bの間に挟持された中間膜12として、耐貫通性や破損したガラスの飛散防止等の機能を発揮する(特許文献1)。太陽電池用封止膜としては、例えば、図2に示すように、太陽電池用セル24とガラス基板等からなる表面側透明保護部材21との間に配置された表面側封止膜23A、及び太陽電池用セル24と裏面側保護部材(バックカバー)22との間に配置された裏面側封止膜23Bとして、絶縁性の確保や機械的耐久性の確保等の機能を発揮する(特許文献2)。また、薄膜シリコン系、薄膜アモルファスシリコン系太陽電池、セレン化銅インジウム(CIS)系太陽電池等の薄膜太陽電池においても、例えば、ガラスやポリイミド基板等の透明基板の表面に化学気相蒸着法等により半導体層等の発電素子層が形成され、その発電素子層と、保護部材との間に配置された封止膜として用いられる。
合わせガラスや太陽電池を製造する場合は、一般に、上記各部材を積層し、減圧下で予備圧着し、各層に残存する空気を脱気した後、加熱加圧により本圧着して、EVAフィルム(図1における、中間膜12、図2における表面側封止膜23A及び裏面側封止膜23B)を硬化させることにより接着一体化させる。この際、封止膜では、有機過酸化物などの架橋剤を用いて共重合体を架橋させることにより、封止膜の接着性、耐久性を向上させることができる。
EVAフィルムは、EVA及び架橋剤などを含む組成物を成膜することで得ることができる。具体的には、組成物を、ミキシングロール等に投入して溶融混練した後に、製膜することにより得られる。製膜方法としては、例えば、押出成形法、カレンダ成形法、射出成形法、又は加熱プレス法などが用いられる。なかでも、均一な厚さを有する封止膜を高速で生産できることから、カレンダ成形法が特に有用である。カレンダ成形法は、溶融混練した組成物を、加熱ロールに投入して圧延することにより膜状に成形する方法である。
このようなEVAフィルムは、保管時や使用時にフィルム同士が付着し塊状となる現象(ブロッキングという)が生じないこと、及び加熱加圧する際に、EVAフィルムの熱収縮が大きく生じないことが要求される。ブロッキングが生じると歩留りの低下や、作業性の悪化を引き起こすことになる。一方、熱収縮の程度が大きいと、合わせガラスでは、ガラス板のズレが生じて外観不良となる場合がある。また、太陽電池では、太陽電池用セルが封止膜(EVAフィルム)に引っ張られて重なり合ったり、セルが損傷したり、プラスチックフィルム製のバックカバーにしわが生じたりして、発電効率不良や外観不良となる場合がある。
上述の保管時や使用時のブロッキングの防止等のために、表面に微細な凹凸形状パターン(エンボスともいう)を施されたEVAフィルムが開発されている(特許文献3、4)。
特開昭58−79848号公報 特開平06−177412号公報 特開2001−130931号公報 特開2002−185027号公報
しかしながら、従来のEVAフィルムでは、加熱加圧時の熱収縮の抑制については十分とは言えず、合わせガラスや太陽電池の製造に用いた場合に、上述のような不良が生じる場合がある。
従って、本発明の目的は、保管時や使用時のブロッキングが防止され、且つ熱収縮の発生が抑制されたEVAフィルムを提供することにある。
また、本発明の目的は、そのEVAフィルムを用いた合わせガラス及び太陽電地を提供することにある。
EVAフィルムには製膜工程において引っ張られることによりテンションが付与されるが、このような封止膜は加熱加圧により架橋硬化する際に元の形状に戻ろうとする力が生じ、これにより封止膜の熱収縮が発生するものと考えられる。
本発明者等はこの熱収縮の発生機構に着目し、EVAフィルムが収縮しないようにガラス板等の隣接部材表面へのタック性(軽い力で短時間に被接着体に粘着する性質をいう)を高くすることが有効であると考えた。但し、フィルムのタック性が高くなることは、逆にブロッキングが生じ易くなるものと考えられる。そこで、本発明者らは両者を両立させるために種々の検討を行った結果、特定の組成のEVAを用いて、特定の表面性状のエンボスをフィルム表面に付与することにより上記課題を解決できることを見出した。
即ち、上記目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び架橋剤を含む組成物からなり、当該フィルムの少なくとも一方の面にエンボスを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムにおいて、当該フィルムが、引っ張られることによりテンションが付与されるカレンダ成形法による製膜工程であって、製膜時の加熱温度が40〜90℃である工程を含む製造方法により得られ、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル繰り返し単位の含有率が、エチレン−酢酸ビニル共重合体の質量を基準として、26〜28質量%であり、
前記エンボスを有する面の算術平均粗さRa(JIS−B0601(2001))が、3.0μm以上20μm以下であり、且つ前記エンボスを有する面の粗さ曲線要素の平均長さRSm(JIS−B0601(2001))が、300μm以上600μm未満であることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムによって達成される。
本発明のEVAフィルムの好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記架橋剤の含有量が、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、0.5〜2.5質量部である。これによりEVAフィルムの使用時に、必要且つ十分な架橋構造を付与することが出来る。
(2)前記架橋剤が、有機過酸化物である。
(3)フィルムの平均厚さが、50μm〜2mmである。より熱収縮を抑制できる。
(4)合わせガラス用中間膜又は太陽電池用封止膜である。これらは本発明のEVAフィルムの用途として好適である。
また、本発明の目的は、本発明のEVAフィルムを合わせガラス用中間膜として用いたことを特徴とする合わせガラスによって達成される。本発明の合わせガラスは、本発明のEVAフィルムを用いているので、製造時のブロッキングによる作業性が悪化することもなく、EVAフィルムの熱収縮による外観不良が生じ難い。
更に、本発明の目的は、本発明のEVAフィルムを太陽電池用封止膜として用いたことを特徴とする太陽電池によって達成される。本発明の太陽電池は、本発明のEVAフィルムを用いているので、製造時のブロッキングによる作業性が悪化することもなく、EVAフィルムの熱収縮による外観不良や太陽電池セルの損傷等による発電効率不良が生じ難い。
本発明のEVAフィルムは、上記範囲の酢酸ビニル含有率を有するEVAを含む組成物からなり、EVAフィルム表面に上記範囲の表面性状(算術表面粗さRa、粗さ曲線要素の平均長さRSm)を有するエンボスが付与されているので、隣接部材表面への適度なタック性を有し、且つEVAフィルム同士の付着が防止されている。これらにより、EVAフィルムの保管時や使用時のブロッキングを防止し、且つ熱収縮の発生を抑制することができる。
従って、本発明のEVAフィルムを用いることで、ブロッキングによる歩留り低下や作業性の悪化を引き起こすことなく、加熱加圧時の熱収縮による外観不良や発電効率不良の発生が抑制された合わせガラス及び太陽電池を得ることができる。
一般的な合わせガラスの概略断面図である。 一般的な太陽電池の概略断面図である。
本発明のEVAフィルムは、EVA及び架橋剤を含む組成物からなり、そのフィルムが、引っ張られることによりテンションが付与されるカレンダ成形法による製膜工程であって、製膜時の加熱温度が40〜90℃である工程を含む製造方法により得られる。また、そのEVAフィルムの少なくとも一方の面にエンボスを有している。そして、EVAの酢酸ビニル繰り返し単位が、EVAの質量を基準として26〜28質量%である。更に、そのエンボスを有する面(エンボス面ともいう)の算術平均粗さRaが、3.0μm以上20μm以下であり、エンボス面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが、300μm以上600μm未満である。
一般に、EVAにおける酢酸ビニル含有率が低い程、EVA組成物が硬く、タック性が低くなり、酢酸ビニル含有率が高い程、流動性が高く、タック性が高くなる傾向がある。本発明においては、上記範囲の酢酸ビニル含有率のEVAを用いることで、タック性を適正化している。即ち、酢酸ビニル含有率が26質量%未満では、EVAフィルムのタック性が低く熱収縮が生じ易くなり、28質量%より大きい場合は、EVAフィルムのタック性が高くブロッキングが生じ易くなる。更に、上記範囲の表面性状のエンボスを形成することにより、フィルム同士が付着し合うブロッキングは生じ難く、ガラス板等のEVAフィルムと隣接する部材には適度なタック性を示すEVAフィルムとすることができる。EVAフィルムがガラス板等の隣接部材に適度なタック性で密着するため、EVAフィルムが加熱により収縮することが抑制される。
本発明のEVAフィルムのエンボス面の算術平均粗さRaが3.0μm未満では、EVAフィルムのタック性が高くブロッキングが生じやすくなり、20μmより大きい場合は、EVAフィルムのタック性が低く熱収縮が生じやすくなる。算術平均粗さRaは、5〜13μmが好ましく、更に6〜11μmが好ましい。また、エンボス面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが300μm未満では、EVAフィルムのタック性が低く熱収縮が生じやすくなり、600μm以上ではEVAフィルムのタック性が高くブロッキングが生じ易くなる。粗さ曲線要素の平均長さRSmは、350〜550μmが好ましく、更に400〜500μmが好ましい。
なお、本発明において、表面の算術平均粗さRaとは、JIS−B0601(2001)に準拠した方法により測定した値である。即ち、粗さ曲線から、その平均線の方向に、所定の長さを抜き取り、その抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
また、粗さ曲線要素の平均長さRSmとは、JIS−B0601(2001)に準拠した方法により測定した値である(JIS−B0601(1994)における「凹凸の平均間隔Sm」と同様)。即ち、粗さ曲線から、その平均線の方向に、所定の長さを抜き取り、その抜き取り部分の1個の山及びこれに隣り合う1個の谷に対応する平均線の長さ(輪郭曲線要素の長さ)の和を求め、平均した値である。
更に、本発明において「適度なタック性」は、ガラス板にエンボス面を接触させ、500gの荷重を90秒かけた後、300mm/分の速度で剥がしたときの密着力(タックメータ(MODEL:DPX−SOT(イマダ社製))にて測定)が0.15〜0.35Nであることが好ましい。
本発明のEVAフィルムのエンボスの凹凸形状パターンは、上述した算術平均粗さRa及び粗さ曲線要素の平均長さRSmを有するものであれば特に制限されない。例えば、凹凸形状パターンにおける凸部を、円形状、半円形状、多角形状として所要間隔を空けて設け、又は凸部をストライプ状、メッシュ状として設けることができる。なかでも、製造が容易であることから、凸部がストライプ状に設けられた凹凸形状であるのが好ましい。
本発明のEVAフィルムにおいて、エンボスは、EVAフィルムの少なくとも一方の面に形成されていれば良い。例えば、図1に示した合わせガラスの中間膜12として用いる場合は、一方のガラス板11Aに接する面にのみエンボスが形成されていても良く、ガラス板11A及び11Bに接する両面にエンボスが形成されていても良い。双方のガラス板に適度なタック性で密着し、より熱収縮が抑制される点で、両面にエンボスが形成されていることが好ましい。
また、図2に示した太陽電池の表面側封止膜23A及び裏面側封止膜23Bとして用いる場合も、表面側透明保護部材21と太陽電池用セル24と接する面の何れか一方の面、又は双方の面(表面側封止膜23Aの場合)、太陽電池用セル24と裏面側保護部材22と接する面の何れか一方の面又は双方の面(裏面側封止膜23Bの場合)に形成されていれば良い。特に、熱収縮を抑制するためにガラス板のように硬い面にエンボス面が密着することが好ましいので、少なくとも表面側封止膜23Aの表面側透明保護部材21と接する面、裏面側封止膜23Bの太陽電池用セル24と接する面にエンボスが形成されていることが好ましい。各層間に適度なタック性で密着するため、表面側封止膜23Aの双方の面、及び裏面側封止膜23Bの双方の面にエンボスが形成されていることが特に好ましい。
EVAフィルムの平均厚さは、50μm〜2mm、特に100μm〜1.5mmとするのが好ましい。これにより、熱収縮を抑制することができる。なお、EVAフィルムの平均厚さとは、マイクロメーターを用いてEVAフィルムの厚さを10箇所以上測定し、その測定値の平均値とする。
[架橋剤]
本発明のEVAフィルムの組成物は、EVAの他に架橋剤を含む。これにより、EVAの架橋構造を形成することができ、EVAフィルムの接着力を高めることができる。
架橋剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
前記有機過酸化物としては、樹脂の加工温度・貯蔵安定性の観点から、ハイドロパーオキサイド系化合物、ジアルキルパーオキサイド系化合物、及びケトンパーオキサイド系化合物を使用するのが好ましい。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
前記ハイドロパーオキサイド系化合物としては、例えば、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
前記ジアルキルパーオキサイド系化合物としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,4−ビス((t−ブチルジオキシ)イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス((t−ブチルジオキシ)イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス((t−ブチルパーオキシ)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
前記ケトンパーオキサイド系化合物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、優れた接着力、耐熱性、耐紫外線性を有する硬化膜が得られることから、ジアルキルパーオキサイド系化合物、特に、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いるのが好ましい。
架橋剤の含有量は、EVA100質量部に対して、通常0.5〜5.0質量部であり、好ましくは0.5〜2.5質量部、より好ましくは0.65〜2.5質量部である。架橋剤の含有量が上記の範囲であれば、強固な架橋構造が得られ、且つ加熱加圧時に発生する酢酸ガス等の分解ガスの量を少なくすることができ、EVAフィルムを隣接部材と十分密着させることができる。
[架橋助剤]
本発明のEVAフィルムの組成物は、必要に応じて、さらに架橋助剤を含んでいてもよい。前記架橋助剤は、EVAのゲル分率を向上させ、EVAフィルムの接着性及び耐久性を向上させることができる。
前記架橋助剤の含有量は、EVA100質量部に対して、一般に10質量部以下、好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.1〜2.5質量部で使用される。これにより、更に接着性に優れるEVAフィルムが得られる。
前記架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
[接着向上剤]
本発明のEVAフィルムの組成物は、用途によって、更に優れた接着力を有するのが好ましい。そのために、接着向上剤をさらに含んでいても良い。接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、優れた接着力を有するEVAシートとすることが可能となる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
前記シランカップリング剤の含有量はEVA100質量部に対して0.1〜0.7質量部、特に0.3〜0.65質量部であることが好ましい。
[その他]
本発明のEVAフィルムの組成物は、EVAシートの種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整のため、必要に応じて、可塑剤、本発明における化合物Iの他のアクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。可塑剤の含有量は、EVA100質量部に対して5質量部以下の範囲が好ましい。
アクリロキシ基含有化合物及びメタクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げることができる。エステル残基の例としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオピル基を挙げることができる。アミドの例としては、ジアセトンアクリルアミドを挙げることができる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
エポキシ含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げることができる。
前記アクリロキシ基含有化合物、前記メタクリロキシ基含有化合物、または前記エポキシ基含有化合物は、それぞれEVA100質量部に対してそれぞれ一般に0.5〜5.0質量部、特に1.0〜4.0質量部含まれていることが好ましい。
更に、本発明に係わるEVA組成物は、紫外線吸収剤、光安定剤および老化防止剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤を含むことにより、照射された光などの影響によってEVAが劣化し、EVAシートが黄変するのを抑制することができる。紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。なお、上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の配合量は、EVA100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
また、光安定剤を含むことによっても、照射された光などの影響によってEVAの劣化し、EVAシートが黄変するのを抑制することができる。光安定剤としてはヒンダードアミン系と呼ばれる光安定剤を用いることが好ましく、例えば、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63LA−63p、LA−67、LA−68(いずれも(株)ADEKA製)、Tinuvin744、Tinuvin 770、Tinuvin 765、Tinuvin144、Tinuvin 622LD、CHIMASSORB 944LD(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)、UV−3034(B.F.グッドリッチ社製)等を挙げることができる。なお、上記光安定剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて用いてもよく、その配合量は、EVA100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
老化防止剤としては、例えばN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。
[EVAフィルムの製造]
本発明のEVAフィルムを製造するには、例えば、(a)EVA及び架橋剤を含む組成物をシート状に成形して成形体を得る工程、(b)前記成形体の少なくとも一方の面にエンボス加工により、算術平均粗さRaが、3.0μm以上20μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが、300μm以上600μm未満のエンボスを付与する工程を含む方法が用いられる。
工程(a)において、EVA及び架橋剤、及び必要に応じて上述した各種成分を含む組成物をシート状に成形するには、カレンダ成形(カレンダリング)の方法が用いられる。組成物の混合は、40〜90℃、特に60〜80℃の温度で加熱混練することにより行うのが好ましい。また、製膜時の加熱温度は、架橋剤が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、40〜90℃、特に50〜80℃とするのが好ましい。

工程(b)において、シート状の成形体に上述したエンボスを付与するには、エンボス加工など、従来公知の方法を用いて行えばよい。例えば、上記表面性状の所定のエンボスの反転凹凸パターンを有するエンボスローラーやエンボスプレートを成形体の所定の面に加熱押圧し、エンボスを付与することができる。エンボスローラー等を成形体の両面に加熱押圧し、両面にエンボスが形成されたEVAフィルムとしても良い。
本発明のEVAフィルムは、上述のようにブロッキングが防止され、且つ熱収縮の発生が抑制されているので、特に、製造時に高い作業効率が要求され、熱収縮による隣接部材のズレやしわの発生が問題とされる合わせガラス用中間膜、及び太陽電池用封止膜として好ましく使用することができる。
[合わせガラス]
本発明の合わせガラスは、本発明のEVAフィルムを合わせガラス用中間膜として用いていれば良い。上記のように本発明のEVAフィルムは、ブロッキングが防止され、且つ熱収縮の発生が抑制されているので、本発明の合わせガラスは、生産性が高く、ガラス板のズレによる外観不良が生じ難い合わせガラスである。
本発明の合わせガラスを製造するには、例えば、図1に示したように、本発明のEVAフィルムを合わせガラス用中間膜12として用い、2枚のガラス板11A及び11Bの間に狭持して、得られた積層体を脱気した後、加熱下に押圧する方法などが用いられる。これらの工程は、例えば、真空袋方式、ニップロール方式等を用いて行われる。これにより、合わせガラス用中間膜12が硬化して、合わせガラス用中間膜12とガラス板11A及び11Bとを接着一体化することができる。製造条件としては、例えば、上記積層体を80〜120℃の温度で予備圧着し、100〜150℃(特に130℃付近)で10分〜1時間加熱処理することによりEVAを架橋させる。また、加熱処理は加圧下で行ってもよい。このとき、積層体を1.0×10Pa〜5.0×10Paの圧力で加圧しながら行うのが好ましい。架橋後の冷却は一般に室温で行われるが、特に、冷却は速いほど好ましい。
本発明におけるガラス板は透明基板であれば良く、例えば、グリーンガラス、珪酸塩ガラス、無機ガラス板、無着色透明ガラス板などのガラス板の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンブチレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のプラスチック製の基板又はフィルムを用いてもよい。耐候性、耐衝撃性等の点でガラス板が好ましい。ガラス板の厚さは、1〜20mm程度が一般的である。合わせガラスにおいて両側に配置されるそれぞれのガラス板は、同一のもの用いてもよく、異なる基材を組み合わせて用いてもよい。基材の強度と合わせガラスの用途とを考慮して、組み合わせを決定する。
本発明の合わせガラスは、建築物や乗り物(自動車、鉄道車両、船舶)用の窓ガラス、プラズマディスプレイなどの電子機器、冷蔵庫や保温装置などのような各種装置の扉や壁部など、種々の用途に使用することができる。
[太陽電池]
本発明の太陽電池は、本発明のEVAフィルムを太陽電池用封止膜として用いていれば、特に制限されない。例えば、表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に、本発明のEVAフィルムを太陽電池用封止膜として用い、架橋一体化させることにより太陽電池用セルを封止させた構造などが挙げられる。なお、本発明において、太陽電池セルの光が照射される側(受光面側)を「表面側」と称し、太陽電池セルの受光面とは反対面側を「裏面側」と称する。
上記のように本発明のEVAフィルムは、ブロッキングが防止され、且つ熱収縮の発生が抑制されているので、本発明の太陽電池は、生産性が高く、太陽電池用セルの重なりやバックカバーのしわによる、発電効率不良や外観不良が生じ難い太陽電池である。
本発明の太陽電池を製造するには、例えば、図2に示すように表面側透明保護部材21、表面側封止膜23A(本発明のEVAフィルム)、太陽電池用セル24、裏面側封止膜23B(本発明のEVAフィルム)及び裏面側保護部材22を積層し、加熱加圧など常法に従って、封止膜23A及び23Bを架橋硬化させればよい。前記加熱加圧するには、例えば、前記積層体を、真空ラミネータで温度135〜180℃、さらに140〜180℃、特に155〜180℃、脱気時間0.1〜5分、プレス圧力0.1〜1.5kg/cm2、プレス時間5〜15分で加熱圧着すればよい。この加熱加圧時に、表面側封止膜23Aおよび裏面側封止膜23Bに含まれるEVAを架橋させることにより、表面側封止膜23Aおよび裏面側封止膜23Bを介して、表面側透明保護部材21、裏面側透明部材22、および太陽電池用セル24を一体化させて、太陽電池用セル24を封止することができる。
なお、本発明の太陽電池用封止膜は、図2に示したような単結晶又は多結晶のシリコン結晶系の太陽電池セルを用いた太陽電池だけでなく、薄膜シリコン系、薄膜アモルファスシリコン系太陽電池、セレン化銅インジウム(CIS)系太陽電池等の薄膜太陽電池の封止膜にも使用することもできる。この場合は、例えば、ガラス基板、ポリイミド基板、フッ素樹脂系透明基板等の表面側透明保護部材の表面上に化学気相蒸着法等により形成された薄膜太陽電池素子層上に、太陽電池用封止膜(本発明のEVAフィルム)、裏面側保護部材を積層し、接着一体化させた構造、裏面側保護部材の表面上に形成された太陽電池素子上に、太陽電池用封止膜(本発明のEVAフィルム)、表面側透明保護部材を積層し、接着一体化させた構造、又は表面側透明保護部材、表面側封止膜(本発明のEVAフィルム)、薄膜太陽電池素子、裏面側封止膜(本発明のEVAフィルム)、及び裏面側保護部材をこの順で積層し、接着一体化させた構造等が挙げられる。
本発明の太陽電池に使用される表面側透明保護部材11は、通常珪酸塩ガラスなどのガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に、或いは熱的に強化させたものであってもよい。
本発明で使用される裏面側保護部材12は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムが好ましく用いられる。また、耐熱性、耐湿熱性を考慮してフッ化ポリエチレンフィルム、特にフッ化ポリエチレンフィルム/Al/フッ化ポリエチレンフィルムをこの順で積層させたフィルムでも良い。
なお、本発明の太陽電池(薄膜太陽電池を含む)は、上述した通り、表面側及び/又は裏面側に用いられるEVAフィルムに特徴を有する。したがって、表面側透明保護部材、裏面側保護部材、および太陽電池用セルなどの前記封止膜以外の部材については、従来公知の太陽電池と同様の構成を有していればよく、特に制限されない。
以下、本発明を実施例により説明する。
[実施例1〜6、比較例1〜4]
1.EVAフィルム試料の作製
下記の配合1及び配合2の組成物を原料としてカレンダ成形法によりシート状の成形体(厚さ1.0mm)を得た。なお、組成物の混練は80℃で15分行い、またカレンダロールの温度は80℃、加工速度は5m/分であった。その後、ミニエンボスロールを用いて、成形体をエンボス加工することにより、表1に示した表面性状(算術平均粗さRa、粗さ曲線要素の平均長さRSm)の実施例1〜6、及び比較例1〜4の各EVAフィルム試料(厚さ0.5mm、幅100mm、長さ305mm)を得た。
(配合1)
EVA(EVAにおける酢酸ビニル含有率26質量%):100質量部、
架橋剤(2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン):1.0質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌネート):2.0質量部
(配合2)
EVA(EVAにおける酢酸ビニル含有率28質量%):100質量部、
架橋剤(2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン):1.0質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌネート):2.0質量部
2.表面性状の測定方法
EVAフィルム試料のエンボス面の算術平均粗さRa、及び粗さ曲線要素の平均長さRSmの測定は、JIS−B0601(2001)に従い、表面粗さ測定機(Rank Taylor Hobson社製 Surtronic 3+)を用いて測定した。また、測定は10箇所行い、その測定値の平均値を求めた。測定条件は、測定距離:7.5cm、測定速度:1mm/s、カットオフ波長:2.5μm、長波長基準長さλc:2.5mm、短波長基準長さλs:0.0025mmとした。
3.評価方法
(1)ガラス板上での熱収縮性
上記で作製したEVAフィルム試料をガラス板(大きさ:305mm×305mm、厚さ:3mm)上に、エンボス面をガラス板側にして載せ、155℃に加熱したオーブン中に投入した。3分後に封止膜を取り出し、空気中に10分間放置した。その後、封止膜の加熱前の長辺方向の長さA(305mm)と、加熱後の長辺方向の長さA(mm)を測定し、式[(A−A)/A×100]により熱収縮率(%)を算出した。0.8%以下を合格とした。
(2)タック性(ブロッキング性)の評価
上記で作製したEVAフィルムサンプルのエンボス面をガラス板に接触させ、500gの荷重を90秒かけた後、300mm/分の速度で剥がしたときの密着力をタックメータ(MODEL:DPX−SOT(イマダ社製))にて測定した。密着力が0.15〜0.35Nを適度なタック性として合格とした。
4.評価結果
評価結果を表1に示す。
Figure 0005604191
表1に示す通り、EVAの酢酸ビニル含有率が26〜28質量%で、エンボス面の算術平均粗さRaが、3.0μm以上20μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが、300μm以上600μm未満の実施例1〜6のEVAフィルムは、ガラス板上の熱収縮率が小さく、タック性も合格であった。従って、これらのEVAフィルムは、熱収縮によるガラス板や太陽電池用セルのズレや、バックカバーのしわが生じ難く、且つブロッキングが防止され、作業性に問題のないEVAフィルムであることが示された。
一方、粗さ曲線要素の平均長さRSmが300μmより小さい、比較例1及び3は、ガラス板上の熱収縮率が大きく不合格であった。これらのEVAフィルムでは、ガラス板や太陽電池用セルのズレ等の不良が生じ易い。また、粗さ曲線要素の平均長さRSmが600μm以上の比較例2及び4は、ガラス板上の熱収縮率は小さいが、タック性(ブロッキング性)が大きくなり過ぎて不合格であった。これらのEVAフィルムでは、ブロッキングが生じ易く、作業性に問題が生じる。
以上により、本発明のEVAフィルムは、ブロッキングが防止され、熱収縮の発生が抑制されたものであることが示された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、外観不良が生じ難い合わせガラス、及び発電効率不良や外観不良が生じ難い太陽電池等を、高い生産性で提供することができる。
11A、11B ガラス板
12 中間膜
21 表面側透明保護部材
22 裏面側保護部材
23A 表面側封止膜
23B 裏面側封止膜
24 太陽電池用セル

Claims (7)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体及び架橋剤を含む組成物からなり、当該フィルムの少なくとも一方の面にエンボスを有するエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムにおいて、
    当該フィルムが、引っ張られることによりテンションが付与されるカレンダ成形法による製膜工程であって、製膜時の加熱温度が40〜90℃である工程を含む製造方法により得られ、
    前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル繰り返し単位の含有率が、エチレン−酢酸ビニル共重合体の質量を基準として、26〜28質量%であり、
    前記エンボスを有する面の算術平均粗さRa(JIS−B0601(2001))が、3.0μm以上20μm以下であり、且つ
    前記エンボスを有する面の粗さ曲線要素の平均長さRSm(JIS−B0601(2001))が、300μm以上600μm未満であることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム。
  2. 前記架橋剤が、有機過酸化物である請求項1に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム。
  3. 前記架橋剤の含有量が、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、0.5〜2.5質量部である請求項1又は2に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム。
  4. フィルムの平均厚さが、50μm〜2mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム。
  5. 合わせガラス用中間膜又は太陽電池用封止膜である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを合わせガラス用中間膜として用いたことを特徴とする合わせガラス。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを太陽電池用封止膜として用いたことを特徴とする太陽電池。
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