JP2014169410A - エチレン−極性モノマー共重合体シート、並びにこれを用いた合わせガラス用中間膜、合わせガラス、太陽電池用封止膜及び太陽電池 - Google Patents
エチレン−極性モノマー共重合体シート、並びにこれを用いた合わせガラス用中間膜、合わせガラス、太陽電池用封止膜及び太陽電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】有機過酸化物の添加量を増加することなしに架橋速度が向上したエチレン−極性モノマー共重合体シート、並びにこれを用いて生産性が向上された合わせガラス及び太陽電池を提供する。
【解決手段】エチレン−極性モノマー共重合体及び有機過酸化物を含む組成物からなるエチレン−極性モノマー共重合体シートであって、当該組成物が、更に、ヘキサアリルメラミンを含むことを特徴とするエチレン−極性モノマー共重合体、並びにこれを用いた合わせガラス及び太陽電池。
【選択図】なし
【解決手段】エチレン−極性モノマー共重合体及び有機過酸化物を含む組成物からなるエチレン−極性モノマー共重合体シートであって、当該組成物が、更に、ヘキサアリルメラミンを含むことを特徴とするエチレン−極性モノマー共重合体、並びにこれを用いた合わせガラス及び太陽電池。
【選択図】なし
Description
本発明は、合わせガラス用中間膜や太陽電池用封止膜等に用いられるエチレン−極性モノマー共重合体を主成分とするシート(エチレン−極性モノマー共重合体シート)に関し、特に、架橋速度が高く、合わせガラスや太陽電池等の生産性向上に有用なエチレン−極性モノマー共重合体シートに関する。
従来から、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAともいう)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)等のエチレン−極性モノマー共重合体を主成分として含む組成物からなるシート(エチレン−極性モノマー共重合体シート)は、安価であり、高い透明性を有することから、合わせガラス用中間膜や太陽電池用封止膜等として利用されている。合わせガラス用中間膜としては、図1に示すように、ガラス板等の透明基板11A及び11Bの間に挟持され、耐貫通性や破損したガラスの飛散防止等の機能を発揮する(特許文献1)。太陽電池用封止膜としては、図2に示すように、太陽電池用セル24とガラス基板等からなる表面側透明保護部材21との間、及び太陽電池用セル24と裏面側保護部材(バックカバー)22との間に配置され、絶縁性の確保や機械的耐久性の確保等の機能を発揮する(特許文献2)。
これら合わせガラス用中間膜や太陽電池用封止膜には、上記のような透明性、耐貫通性、絶縁性、機械的耐久性等の機能を確保するため、ガラス板等の透明基板、発電素子及びバックカバー等の各部材を高い接着力で接着一体化させることが必要であり、従来から、エチレン−極性モノマー共重合体に対して有機過酸化物等の架橋剤を添加し、架橋密度を向上させて用いられている(特許文献1、2)。架橋密度の向上には、高温で一定時間保持する必要があるため、合わせガラスや太陽電池の製造工程においては架橋工程が律速になることが多い。従って、これらの製品の生産性向上のため、架橋速度が高いエチレン−極性モノマー共重合体シートが望まれている。
しかしながら、架橋速度を上げるために、有機過酸化物の添加量を増加するとガス発生によるシートの膨れ(以下、「ブリスター」と称する)が発生する場合がある。ブリスターが発生すると透明性や接着性が低下することになるため、その発生は防止する必要がある。
従って、本発明の目的は、有機過酸化物の添加量を増加することなしに架橋速度が向上したエチレン−極性モノマー共重合体シートを提供することにある。
また、本発明の目的は、このエチレン−極性モノマー共重合体シートを用いて、生産性が向上された合わせガラス及び太陽電池を提供することにある。
上記目的は、エチレン−極性モノマー共重合体及び有機過酸化物を含む組成物からなるエチレン−極性モノマー共重合体シートであって、当該組成物が、更に、ヘキサアリルメラミンを含むことを特徴とするエチレン−極性モノマー共重合体シートによって達成される。
本発明者らは、種々の添加剤を検討した結果、有機過酸化物の添加量を増加しなくても、上記ヘキサアリルメラミンを含有させることで、エチレン−極性モノマー共重合体シートの架橋速度が向上することを見出した。
ヘキサアリルメラミンは、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサアリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミンともいう。
ヘキサアリルメラミンにより、エチレン−極性モノマー共重合体シートの架橋速度が向上する要因は明らかではないが、この化合物の多数のN−アリル基により、有機過酸化物によるラジカル重合が促進されるものと考えられる。
本発明に係るエチレン−極性モノマー共重合体シートの好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記組成物中のヘキサアリルメラミンの含有量が、前記エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.01〜3.0質量部である。これにより、更にエチレン−極性モノマー共重合体シートの架橋速度が向上し、且つヘキサアリルメラミンの含有量が多過ぎることによるブリード(添加剤の浸み出し)等の悪影響がないシートとすることができる。
(2)前記エチレン−極性モノマー共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。EVAは安価であり、透明性に優れる点でエチレン−極性モノマー共重合体シートに好ましく用いることができる。
(3)前記有機過酸化物が、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン又はt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートである。これらの有機過酸化物であれば、より架橋密度が高いエチレン−極性モノマー共重合体シートとすることができる。
(4)前記エチレン−極性モノマー共重合体シートの、ダイ加硫試験A法(JIS K6300−2:2001に従う)により測定した最大トルクの10%到達時間が、4.2分以下である。このようなエチレン−極性モノマー共重合体シートであれば、架橋速度が速
いエチレン−極性モノマー共重合体シートであるといえる。
いエチレン−極性モノマー共重合体シートであるといえる。
(5)合わせガラス用中間膜又は太陽電池用封止膜である。本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートは架橋速度が向上しているので、これらの用途に好適である。
また、上記目的は、2枚の透明基板の間に本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートが挟持され、これらが接着一体化されてなることを特徴とする合わせガラスによって達成される。本発明の合わせガラスは、本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートが中間膜として用いられているので、生産性が向上された合わせガラスであるといえる。
更に、上記目的は、本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートにより太陽電池素子を封止してなることを特徴とする太陽電池によって達成される。本発明の太陽電池は、本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートが封止膜として用いられているので、生産性が向上された太陽電池であるといえる。
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートは、ヘキサアリルメラミンが含有されているので、有機過酸化物の添加量を増加することなしに架橋速度が向上している。従って、本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートを合わせガラス用中間膜、又は太陽電池用封止膜として用いることにより、ブリスターの発生を防止しつつ生産性が向上された合わせガラス、又は太陽電池を容易に得ることができる。
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートは、少なくともエチレン−極性モノマー共重合体及び有機過酸化物を含む組成物からなり、その組成物が、更に、ヘキサアリルメラミンを含んでいる。ヘキサアリルメラミンを含むことにより、有機過酸化物の添加量を増加することなしに、エチレン−極性モノマー共重合体シートの架橋速度が向上する。
ヘキサアリルメラミンにより、エチレン−極性モノマー共重合体シートの架橋速度が向上する要因は明らかではないが、この化合物の多数のN−アリル基により、有機過酸化物によるラジカル重合が促進されるものと考えられる。ヘキサアリルメラミンは、上記機能から、架橋助剤の一種ともいえる。
エチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物中のヘキサアリルメラミンの含有量は、特に制限はなく、有機過酸化物の種類や配合量等に応じて任意に設定できる。ヘキサアリルメラミンの含有量は、少な過ぎると架橋速度を向上する効果が低く、多過ぎるとブリード(添加剤の浸み出し)や、逆に架橋速度の低下等の悪影響を及ぼす場合があるため、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.01〜3.0質量部が好ましく、更に0.01〜2.7質量部が好ましく、更に0.2〜2.0質量部が好ましく、特に0.5〜2.0質量部が好ましい。
以下、本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートについて、より詳細に説明する。
[エチレン−極性モノマー共重合体]
本発明においてエチレン−極性モノマー共重合体の極性モノマーは、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル、そのアミド、ビニルエステル、一酸化炭素等を例示することができる。より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属の塩やマグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などの一種又は二種以上などを例示することができる。
本発明においてエチレン−極性モノマー共重合体の極性モノマーは、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル、そのアミド、ビニルエステル、一酸化炭素等を例示することができる。より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属の塩やマグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などの一種又は二種以上などを例示することができる。
エチレン−極性モノマー共重合体として、より具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、前記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル−メタクリル酸共重合体のようなエチレン−不飽和カルボン酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体及びそのカルボキシル基の一部又は全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体のようなエチレン−ビニルエステル共重合体等を代表例として例示することができる。
エチレン−極性モノマー共重合体としては、JIS K7210で規定されるメルトフローレートが、35g/10分以下、特に3〜20g/10分のものを使用するのが好ましい。このようなメルトフローレート有するエチレン−極性モノマー共重合体を用いたエチレン−極性モノマー共重合体シートによれば、合わせガラス用中間膜や太陽電池用封止膜として、合わせガラスや太陽電池の製造に用いる際に、シートが溶融や位置ズレを起こして基板の端部からはみ出でるのを抑制することができる。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)の値は、JIS K7210に従い、190℃、荷重21.18Nの条件に基づいて測定されたものである。
エチレン−極性モノマー共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が特に好ましい。これにより、安価であり、透明性、柔軟性に優れるエチレン−極性モノマー共重合体シートを形成することができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有量は、EVAに対して20〜35質量%、さらに22〜30質量%、特に24〜28質量%とするのが好ましい。EVAの酢酸ビニル単位の含有量が低い程、得られるシートが硬くなる傾向がある。酢酸ビニルの含有量が20質量%未満では、高温で架橋硬化させる場合に、得られるシートの透明性が充分でない恐れがある。また、35質量%を超えるとシートの硬さが不十分となる場合がある。
本発明の太陽電池封止膜は、エチレン−極性モノマー共重合体に加えて、さらにポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB)、塩化ビニル樹脂を副次的に使用しても良い。その場合、特にPVBが好ましい。
[有機過酸化物]
本発明において、有機過酸化物は、上述の通り、エチレン−極性モノマー共重合体の架橋構造を形成することができるものである。前記有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
本発明において、有機過酸化物は、上述の通り、エチレン−極性モノマー共重合体の架橋構造を形成することができるものである。前記有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド系硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート等)等が挙げられる。
有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートを用いることが好ましい。これらの有機過酸化物であれば、架橋密度を向上することができる。
有機過酸化物の含有量は、EVA100質量部に対して、通常、0.1〜3.0質量部である。架橋速度を維持し、ブリスターの発生を防止するため、有機過酸化物の含有量は、EVA100質量部に対して、0.1〜2.0質量部が好ましく、更に0.2〜1.5質量部が好ましい。
[架橋助剤]
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物は、必要に応じて、さらにヘキサアリルメラミン以外の他の架橋助剤を含んでいてもよい。他の架橋助剤は、EVAのゲル分率を向上させ、シートの接着性及び耐久性を向上させることができるものである。
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物は、必要に応じて、さらにヘキサアリルメラミン以外の他の架橋助剤を含んでいてもよい。他の架橋助剤は、EVAのゲル分率を向上させ、シートの接着性及び耐久性を向上させることができるものである。
他の架橋助剤の含有量は、EVA100質量部に対して、一般に10質量部以下、好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.1〜2.5質量部で使用される。これにより、更に接着性に優れる太陽電池用封止膜が得られる。
他の架橋助剤(一般に、官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
[接着向上剤]
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物は、更に、接着向上剤を含んでいても良い。接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、更に優れた接着力を有するエチレン−極性モノマー共重合体シートとすることができる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物は、更に、接着向上剤を含んでいても良い。接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、更に優れた接着力を有するエチレン−極性モノマー共重合体シートとすることができる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
前記シランカップリング剤の含有量はEVA100質量部に対して0.1〜0.7質量部、特に0.3〜0.65質量部であることが好ましい。
[その他]
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物は、シートの種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性等)の改良あるいは調整のため、必要に応じて、可塑剤、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物は、シートの種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性等)の改良あるいは調整のため、必要に応じて、可塑剤、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。可塑剤の含有量は、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して5質量部以下の範囲が好ましい。
アクリロキシ基含有化合物及びメタクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げることができる。エステル残基の例としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオピル基を挙げることができる。アミドの例としては、ジアセトンアクリルアミドを挙げることができる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
エポキシ含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げることができる。
前記アクリロキシ基含有化合物、前記メタクリロキシ基含有化合物、または前記エポキシ基含有化合物は、それぞれエチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対してそれぞれ一般に0.5〜5.0質量部、特に1.0〜4.0質量部含まれていることが好ましい。
更に、本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物は、紫外線吸収剤、光安定剤および老化防止剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤を含むことにより、照射された光などの影響によってエチレン−極性モノマー共重合体が劣化し、シートが黄変するのを抑制することができる。紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。なお、上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の配合量は、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
また、光安定剤を含むことによっても、照射された光などの影響によってエチレン−極性モノマー共重合体が劣化し、シートが黄変するのを抑制することができる。光安定剤としてはヒンダードアミン系と呼ばれる光安定剤を用いることが好ましく、例えば、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63LA−63p、LA−67、LA−68(いずれも(株)ADEKA製)、Tinuvin744、Tinuvin 770、Tinuvin 765、Tinuvin144、Tinuvin 622LD、CHIMASSORB 944LD(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)、UV−3034(B.F.グッドリッチ社製)等を挙げることができる。なお、上記光安定剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて用いてもよく、その配合量は、エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
老化防止剤としては、例えばN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。
[エチレン−極性モノマー共重合体シート]
上述した本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートを形成するには、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、上記の各材料をスーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル等を用いて公知の方法で混合した組成物を通常の押出成形、又はカレンダ成形(カレンダリング)等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。
上述した本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートを形成するには、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、上記の各材料をスーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル等を用いて公知の方法で混合した組成物を通常の押出成形、又はカレンダ成形(カレンダリング)等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。
また、前記組成物を溶剤に溶解させ、この溶液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布、乾燥して塗膜を形成することによりシート状物を得ることもできる。なお、製膜時の加熱温度は、特に有機過酸化物が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、50〜90℃、特に40〜80℃とするのが好ましい。エチレン−極性モノマー共重合体シートの厚さは、特に制限されず、用途によって適宜設定することができる。一般に、50μm〜2mmの範囲である。
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートは、上述の通り、ヘキサアリルメラミンが配合されていることで、有機過酸化物を増加することなしに、架橋速度が向上されている。従って、後述するような用途で使用する際に、ブリスターの発生を防止しつつ優れた生産性を得ることができる。
本発明において架橋速度は、どのような方法で測定、比較しても良い。例えば、各エチレン−極性モノマー共重合体シートについて、ダイ加硫試験A法(JISK6300−2:2001に準拠する)によりキュアトルクを測定し、その最大トルクの10%到達時間を算出することで架橋速度を測定、比較することができる。具体的には、例えば、振動式加硫試験機(キュラストメーター5型(JSRトレーディング社製))を用いて、ダイス温度150℃、圧力343kPa、振幅角±0.03°、ねじり振動数100cpmにて15分間測定した場合、架橋速度が速いエチレン−極性モノマー共重合体シートというには、上記最大トルクの10%到達時間が4.2分以下が好ましく、更に4.0分以下が好ましく、更に3.7分以下が好ましく、特に3.5分以下が好ましい。
[用途]
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートは、架橋構造を形成することで被着体を強固に接着させる用途であれば、どのような用途に用いても良い。特に、有機過酸化物を増加することなしに、架橋速度が向上されており、ブリスターの発生を防止しつつ生産性が向上されているので、合わせガラス用中間膜又は太陽電池用封止膜として好ましく使用することができる。
本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シートは、架橋構造を形成することで被着体を強固に接着させる用途であれば、どのような用途に用いても良い。特に、有機過酸化物を増加することなしに、架橋速度が向上されており、ブリスターの発生を防止しつつ生産性が向上されているので、合わせガラス用中間膜又は太陽電池用封止膜として好ましく使用することができる。
合わせガラス用中間膜として使用する場合は、通常、本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シート(中間膜)を2枚の透明基板の間に介在させて、接合一体化させて合わせガラスを製造する。合わせガラスの製造は、例えば、図1に示したように、中間膜12を2枚の透明基板11A及び11Bの間に狭持して、得られた積層体を脱気した後、加熱下に押圧する方法などが用いられる。これらの工程は、例えば、真空袋方式、ニップロール方式等を用いて行われる。これにより、中間膜12が硬化して、中間膜12と透明基板11A及び11Bとを接着一体化することができる。製造条件としては、例えば、上記積層体を80〜120℃の温度で予備圧着し、100〜150℃(特に130℃付近)で10分〜1時間加熱処理することによりEVAを架橋させる。また、加熱処理は加圧下で行ってもよい。このとき、積層体を1.0×103Pa〜5.0×107Paの圧力で加圧しながら行うのが好ましい。架橋後の冷却は一般に室温で行われるが、特に、冷却は速いほど好ましい。
前記透明基板は、例えば珪酸塩ガラス、無機ガラス板、無着色透明ガラス板などのガラス板の他、プラスチックフィルムを用いてもよい。前記プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンアフタレート(PEN)フィルム、ポリエチレンブチレートフィルムを挙げることができ、PETフィルムが好ましい。透明基板の厚さは、0.05〜20mm程度が一般的である。
合わせガラスにおいて両側に配置されるそれぞれの透明基板は、同一のもの用いてもよく、異なる基材を組み合わせて用いてもよい。基材の強度と合わせガラスの用途とを考慮して、組み合わせを決定する。
本発明の合わせガラスは、建築物や乗り物(自動車、鉄道車両、船舶)用の窓ガラス、プラズマディスプレイなどの電子機器、冷蔵庫や保温装置などのような各種装置の扉や壁部など、種々の用途に使用することができる。
また、太陽電池用封止膜に使用する場合は、通常、表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に、本発明のエチレン−極性モノマー共重合体シート(封止膜)を介在させて架橋一体化させることにより太陽電池用セルを封止させて太陽電池を製造する。太陽電池用セルを十分に封止するには、表面側透明保護部材、表面側封止膜、太陽電池用セル、裏面側封止膜及び裏面側保護部材をその順で積層し、積層体を減圧下で予備圧着し、各層の残存する空気を脱気した後、加熱加圧して封止膜を架橋硬化させればよい。なお、本発明において、太陽電池用セルの光が照射される側(受光面側)を「表面側」と称し、太陽電池用セルの受光面とは反対面側を「裏面側」と称する。
太陽電池の製造は、例えば、図2に示すように表面側透明保護部材21、表面側封止膜23A、太陽電池用セル24、裏面側封止膜23B及び裏面側保護部材22を積層し、加熱加圧など常法に従って、封止膜23A及び23Bを架橋硬化させればよい。前記加熱加圧するには、例えば、前記積層体を、真空ラミネータで温度135〜180℃、さらに140〜180℃、特に155〜180℃、脱気時間0.1〜5分、プレス圧力0.1〜1.5kg/cm2、プレス時間5〜15分で加熱圧着すればよい。この加熱加圧時に、表面側封止膜23Aおよび裏面側封止膜23Bに含まれるEVAを架橋させることにより、表面側封止膜23Aおよび裏面側封止膜23Bを介して、表面側透明保護部材21、裏面側保護部材22、および太陽電池用セル24を一体化させて、太陽電池用セル24を封止することができる。
なお、本発明の積層体形成用シート(封止膜)は、図2に示したような単結晶又は多結晶のシリコン結晶系の太陽電池セルを用いた太陽電池だけでなく、薄膜シリコン系、薄膜アモルファスシリコン系太陽電池、セレン化銅インジウム(CIS)系太陽電池等の薄膜太陽電池の封止膜にも使用することもできる。この場合は、例えば、ガラス基板、ポリイミド基板、フッ素樹脂系透明基板等の表面側透明保護部材の表面上に化学気相蒸着法等により形成された薄膜太陽電池素子層上に、裏面側封止膜、裏面側保護部材を積層し、接着一体化させた構造、裏面側保護部材の表面上に形成された太陽電池素子上に、表面側封止膜、表面側透明保護部材を積層し、接着一体化させた構造、又は表面側透明保護部材、表面側封止膜、薄膜太陽電池素子、裏面側封止膜、及び裏面側保護部材をこの順で積層し、接着一体化させた構造等が挙げられる。
本発明で使用される前記表面側透明保護部材21は、通常珪酸塩ガラスなどのガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に、或いは熱的に強化させたものであってもよい。
本発明で使用される前記裏面側保護部材22は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムが好ましく用いられる。また、耐熱性、耐湿熱性を考慮してフッ化ポリエチレンフィルム、特にフッ化ポリエチレンフィルム/Al/フッ化ポリエチレンフィルムをこの順で積層させたフィルムでも良い。
なお、本発明の太陽電池(薄膜太陽電池を含む)は、上述した通り、表面側及び/又は裏面側に用いられる封止膜に特徴を有する。したがって、表面側透明保護部材、裏面側保護部材、および太陽電池用セルなどの前記封止膜以外の部材については、従来公知の太陽電池と同様の構成を有していればよく、特に制限されない。
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1〜17、比較例1〜6)
表1及び2に示す各材料を各配合量でロールミルに供給し、80℃で、混練してエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物を調製した。前記太陽電池用封止膜の組成物を、90℃に設定したプレスで0.5mm厚のシートを作製した。
表1及び2に示す各材料を各配合量でロールミルに供給し、80℃で、混練してエチレン−極性モノマー共重合体シートの組成物を調製した。前記太陽電池用封止膜の組成物を、90℃に設定したプレスで0.5mm厚のシートを作製した。
(評価方法)
(1)架橋速度(最大トルク10%到達時間)
エチレン−極性モノマー共重合体シートとして上記で作製した各EVAシートについて、ダイ加硫試験A法(JIS K6300−2:2001に準拠する)によりキュアトルクを測定した。具体的には、振動式加硫試験機(キュラストメーター5型(JSRトレーディング社製))を用いて、ダイス温度150℃、温度150℃、圧力343kPa、振幅角±0.03°、ねじり振動数100cpmにて15分間測定した。測定された架橋(加硫)曲線から最大トルクを得て、その最大トルクの10%に達するまでの時間を算出した。
(1)架橋速度(最大トルク10%到達時間)
エチレン−極性モノマー共重合体シートとして上記で作製した各EVAシートについて、ダイ加硫試験A法(JIS K6300−2:2001に準拠する)によりキュアトルクを測定した。具体的には、振動式加硫試験機(キュラストメーター5型(JSRトレーディング社製))を用いて、ダイス温度150℃、温度150℃、圧力343kPa、振幅角±0.03°、ねじり振動数100cpmにて15分間測定した。測定された架橋(加硫)曲線から最大トルクを得て、その最大トルクの10%に達するまでの時間を算出した。
(2)ブリスター(ガス発生による膨れ)
ガラス基板、上記各EVAシート、太陽電池セル、同EVAシート、ガスバリア層(テドラー(フッ化ポリエチレンフィルム(デュポン社製))/アルミ箔/テドラー)をこの順で積層し、得られた積層体を真空ラミネーターで真空脱気し、155℃のオーブンに静置し、ガス発生による膨れが発生するまでの時間を測定した。ブリスター性の判定基準は45分以上の場合を○とし、45分未満の場合を×とした。
ガラス基板、上記各EVAシート、太陽電池セル、同EVAシート、ガスバリア層(テドラー(フッ化ポリエチレンフィルム(デュポン社製))/アルミ箔/テドラー)をこの順で積層し、得られた積層体を真空ラミネーターで真空脱気し、155℃のオーブンに静置し、ガス発生による膨れが発生するまでの時間を測定した。ブリスター性の判定基準は45分以上の場合を○とし、45分未満の場合を×とした。
(3)ブリード
上記で作製した各太陽電池用封止膜について、表面への析出物の有無を目視観察した。析出物がない場合を○とし、析出物が認められた場合を×とした。
上記で作製した各太陽電池用封止膜について、表面への析出物の有無を目視観察した。析出物がない場合を○とし、析出物が認められた場合を×とした。
(評価結果)
評価結果を表1及び2に示す。
評価結果を表1及び2に示す。
表1及び2に示したように、ヘキサアリルメラミンを配合した実施例1〜13のEVAシートは、同一の有機過酸化物が同一の含有量で配合され、ヘキサアリルメラミンが配合されていない比較例1又は4と比較して最大トルクの10%到達時間が短縮されており、有機過酸化物を増加することなしに架橋速度が向上されたことが示された。この架橋速度の向上は、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを配合した比較例2、3、5、6では認められなかった。実施例13では、最大トルク10%到達時間が短縮されるもののヘキサアリルメラミンの過剰添加によるブリードが発生した。
また、ヘキサアリルメラミンが同一の含有量で配合された実施例4、10、14〜17を比較すると、有機過酸化物の含有量を増加するに従い、架橋速度の向上は認められるが、有機過酸化物を多く含む実施例15及び17では、本実施例の評価方法では有機過酸化物の分解ガスによるブリスターが発生した。
以上により、エチレン−極性モノマー共重合体シートにヘキサアリルメラミンを含有させることで、有機過酸化物の含有量を増加せずに、架橋速度を向上させることができることが示された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、ブリスターの発生を防止しつつ生産性が向上された合わせガラス、又は太陽電池を容易に提供することができる。
11A、11B 透明基板
12 合わせガラス用中間膜
21 表面側透明保護部材
22 裏面側保護部材
23A 表面側封止膜
23B 裏面側封止膜
24 太陽電池用セル
12 合わせガラス用中間膜
21 表面側透明保護部材
22 裏面側保護部材
23A 表面側封止膜
23B 裏面側封止膜
24 太陽電池用セル
Claims (8)
- エチレン−極性モノマー共重合体及び有機過酸化物を含む組成物からなるエチレン−極性モノマー共重合体シートであって、
当該組成物が、更に、ヘキサアリルメラミンを含むことを特徴とするエチレン−極性モノマー共重合体シート。 - 前記組成物中のヘキサアリルメラミンの含有量が、前記エチレン−極性モノマー共重合体100質量部に対して、0.01〜3.0質量部である請求項1に記載のエチレン−極性モノマー共重合体シート。
- 前記エチレン−極性モノマー共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1又は2に記載のエチレン−極性モノマー共重合体シート。
- 前記有機過酸化物が、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン又はt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートである請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレン−極性モノマー共重合体シート。
- 前記エチレン−極性モノマー共重合体シートの、ダイ加硫試験A法(JIS K6300−2:2001に準拠する)により測定した最大トルクの10%到達時間が、4.2分以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン−極性モノマー共重合体シート。
- 合わせガラス用中間膜又は太陽電池用封止膜である請求項1〜5のいずれか1項に記載のエチレン−極性モノマー共重合体シート。
- 2枚の透明基板の間に請求項に請求項1〜5のいずれか1項に記載のエチレン−極性モノマー共重合体シートが挟持され、これらが接着一体化されてなることを特徴とする合わせガラス。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のエチレン−極性モノマー共重合体シートにより太陽電池素子を封止してなることを特徴とする太陽電池。
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- 2013-03-05 JP JP2013042619A patent/JP2014169410A/ja active Pending
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