JP5604054B2 - 光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアの製造方法 - Google Patents

光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアの製造方法に関するものである。
光学部品、例えば、光学レンズは、光の集束や発散等の性能を発揮するよう所定の立体的形状に形成されている。また、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc),BD(Blu-rey Disc)等の光記録メディアは、多層構造であり、そのうち記録層の表面(記録面)は凹凸等の立体的形状に形成されている。なお、光記録メディアの記録層の凹凸形状の記録面には、金属層が形成され、さらにその金属層の表面には、樹脂層が形成されている。
上記光学レンズ,光記録メディア等の立体的な光学部品では、高密度化,高耐熱化、あるいは安価生産のために、その製造方法として、樹脂を形成材料とし、その樹脂に成形型を型押しすることにより、上記所定形状,凹凸形状の立体的な光学部品を製造する方法が検討されている。
このような立体的な光学部品の製造方法は、寸法安定性の観点から、大別して2種類の方法がある。一つは、加熱溶融した熱可塑性樹脂に成形型をプレス圧着した後、上記熱可塑性樹脂を冷却し、その熱可塑性樹脂の硬化体からなる立体的な光学部品を得る方法である。もう一つは、液状ないしペースト状の紫外線硬化性樹脂に成形型を型押しした後、上記成形型を透過させて紫外線を照射することにより、上記紫外線硬化性樹脂を露光し、その感光性樹脂の硬化体からなる立体的な光学部品を得る方法である。
上記2種類の製造方法は、一般に、要求される耐熱温度を基準に選択される。すなわち、耐熱性が要求されない分野においては、PMMA(ポリメタクリル酸メチル),ポリカーボネート,ポリノルボルネン等の透明性の熱可塑性樹脂が用いられ、半田リフロー,オートクレーブ等の耐熱性が要求される分野では、エポキシ樹脂を主な樹脂成分とする紫外線硬化性樹脂が用いられる。
その一例として、上記紫外線硬化性樹脂を用い、上記所定形状,凹凸形状の立体的な光学部品を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。この製造方法は、基板上に紫外線硬化性樹脂を供給し、その紫外線硬化性樹脂を成形型で型押しし、その状態で、型押しされた上記紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射することにより、上記基板と上記成形型の型面との間の上記紫外線硬化性樹脂を露光し、上記紫外線硬化性樹脂の硬化体からなる立体的な光学部品を製造する方法である。
特開2002−355826号公報 特開平9−115191号公報
ところで、上記従来技術のように、紫外線硬化性樹脂を露光により硬化させる方法では、一般に、紫外線硬化性樹脂の硬化性および紫外線に対する感受性を高めるために、紫外線硬化性樹脂に対して光酸発生剤(硬化剤)の添加量を増加させたり増感剤を併用したりすること等が行われる。しかしながら、上記光酸発生剤および増感剤は、発色団を有する化合物であるため、それらの添加量が増えるにつれて、製造された光学部品は、透明性が低下する。光学レンズ等の光学部品は光を通す部品であるため、透明性の低下は、避けたい問題である。そこで、透明性の低下を避けるために、光酸発生剤等の添加量を少なくすると、今度は、硬化性が悪化し、生産効率が低下する。
また、最近の環境負荷低減の観点から、上記紫外線の光源として、一般的に用いられる水銀ランプに代えて、電力消費の少ないLED(発光ダイオード)を用いるとこが望まれる。しかしながら、工業的に一般に用いられるLEDは、発光波長が355〜375nm領域内の単波長であり、上記水銀ランプとは異なり、エネルギーの高い短波長の紫外線を発光しない。このため、紫外線硬化性樹脂の硬化に時間を要し(硬化性が悪く)、生産性が低下するという問題が生じる。そこで、LEDを用いても紫外線硬化性樹脂の硬化性が悪化しないよう、紫外線硬化性樹脂への光酸発生剤や増感剤の添加量を増加すると、今度は、先に述べたように、製造される光学部品の透明性が大幅に低下する。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、優れた生産効率で透明性の高い立体的な光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアを得ることができる光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアの製造方法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアの製造方法は、基板上に、エポキシ樹脂を主成分とし光酸発生剤を含有する紫外線硬化性樹脂を供給し、その紫外線硬化性樹脂を成形型で型押しし、その状態で、型押しされた上記紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射することにより、その紫外線硬化性樹脂を露光し、上記紫外線硬化性樹脂の硬化体からなる立体的な光学部品を製造する方法であって、上記紫外線硬化性樹脂中の光酸発生剤が、0.1〜4重量%の範囲内であり、上記紫外線による露光が、上記紫外線硬化性樹脂を0〜60℃の範囲内に加温し、ゲル化時間を69〜315秒にした状態で行われるという構成をとる。
なお、本発明における「光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコア」は、光を透過す光学部品である。以下、上記「光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコア」を単に「光学部品」という。
本発明者らは、エポキシ樹脂を主成分とし光酸発生剤を含有する紫外線硬化性樹脂を材料とし、成形型の型押しにより立体的な光学部品を製造するに際し、生産効率を高めるとともに、光学部品の透明性を高めるべく、紫外線による露光工程について研究を重ねた。その研究の過程で、紫外線硬化性樹脂を加温した状態で露光すると、紫外線硬化性樹脂への光酸発生剤等の添加量を少なくしても、紫外線硬化性樹脂の硬化が速まることを突き止めた。すなわち、このようにすることにより、光学部品の透明性低下の原因となる光酸発生剤等の添加量が少なくできることから、光学部品の透明性を高めることができる。しかも、紫外線硬化性樹脂の硬化が速まることから、光学部品の生産効率を高めることができる。そして、上記露光時の加温温度について、さらに研究を重ねた結果、その加温温度を30〜60℃の範囲内にすると、適正に紫外線硬化性樹脂が硬化することを見出した。すなわち、露光時の紫外線硬化性樹脂の温度が30℃を下回ると、紫外線硬化性樹脂の硬化性が悪化し、生産効率が低下し、上記温度が60℃を上回ると、光学部品の熱収縮が大きくなり、寸法安定性が悪化する。特に、上記加温温度を40〜60℃の範囲内にすると、ゲル化時間を69〜315秒と短くできる。
本発明の光学部品の製造方法は、エポキシ樹脂を主成分とし光酸発生剤を含有する紫外線硬化性樹脂を材料とし、成形型の型押しにより立体的な光学部品を製造するに際し、紫外線による露光が、上記紫外線硬化性樹脂を0〜60℃の範囲内に加温し、ゲル化時間を69〜315秒にした状態で行われる。このため、紫外線硬化性樹脂への光酸発生剤等の添加量を少なくしても、紫外線硬化性樹脂の硬化を速めることができる。すなわち、光学部品の透明性を高めることができるとともに、生産効率も高めることができる。さらに、上記露光時の紫外線硬化性樹脂の温度の上限が60℃であるため、光学部品の熱収縮は小さく、寸法安定性に優れている。
また、上記紫外線硬化性樹脂を0〜60℃の範囲内に加温することが、上記基板上に上記紫外線硬化性樹脂を供給するに先立って、上記基板および成形型の少なくとも一方を加温することにより行われる場合には、供給される紫外線硬化性樹脂の品温等を考慮して、基板や成形型に対する加温を加減できるため、温度制御を精密にでき、かつ、上記紫外線硬化性樹脂に対する加温の容易化を実現できる。
特に、上記紫外線の光源が、発光波長が単波長のLEDである場合には、水銀ランプを光源とする場合に比べて、環境に対する負荷を低減することができる。この場合、先に述べたように、工業的に一般に用いられるLEDは、水銀ランプとは異なり、エネルギーの高い短波長の紫外線を発光しないため、上記加温が行われない従来技術では、上記紫外線硬化性樹脂の硬化性が悪く、生産効率が低下する。そこで、LEDを用いても紫外線硬化性樹脂の硬化性が悪化しないよう、紫外線硬化性樹脂への光酸発生剤等の添加量を増加すると、今度は、製造された光学部品の透明性が大幅に低下する。これに対して、本発明では、露光時の紫外線硬化性樹脂の温度を0〜60℃の範囲内に加温することにより、硬化性を向上させているため、紫外線の光源がLEDであっても、生産効率を高めることができる。しかも、上記硬化性の向上により、紫外線の光源がLEDであっても、紫外線硬化性樹脂への光酸発生剤等の添加量を少なくすることができるため、光学部品の透明性も高めることができる。さらに、LEDは、電力消費が小さいことから、先に述べたように、環境への負荷を低減することができ、最近の環境問題にも対応することができる。
また、上記紫外線硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を主成分とするものであるため、エポキシ樹脂が耐熱性に優れ、熱収縮が小さい樹脂であることから、光学部品の寸法安定性により優れている。
本発明の光学部品の製造方法の一実施の形態によって得られた光学部品を模式的に示す断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の光学部品の製造方法の一実施の形態を模式的に示す説明図である。 紫外線硬化性樹脂を成形型で型押しする変形例を模式的に示す説明図である。 実施例1,2、参考例1および比較例1〜3に用いた水銀ランプの発光スペクトルを示すグラフである。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の光学部品の製造方法の一実施の形態によって得られた光学部品を模式的に示す断面図である。この光学部品A1は、紫外線硬化性樹脂からなり、基板1上に複数(図1では7個)形成されている。光学部品A1の形状としては、例えば、レンズ形状,立方体状,直方体状,角柱状,円柱状,球体状,球面状,曲面状,角錐状,円錐状等の立体的形状があげられる(図1では立方体状に図示している)。
このような立体的な光学部品は、つぎのようにして製造することができる。
まず、図2(a)に示すように、上記光学部品A1の形成材料である紫外線硬化性樹脂(図示せず)と、その紫外線硬化性樹脂が供給される基板1と、上記基板1上の紫外線硬化性樹脂を型押しする成形型2とを準備する。この成形型2の型面には、型押しして上記紫外線硬化性樹脂を所望の立体形状にする凹部2aが形成されている。なお、上記基板1および成形型2の少なくとも一方は、紫外線を透過する材料からなっている。
上記紫外線硬化性樹脂は、エポキシ樹脂等の樹脂成分と、光酸発生剤(硬化剤)等の添加剤とからなるものであり、従来用いていた紫外線硬化性樹脂よりも、上記添加剤の添加量は少なくなっている。従来用いていた紫外線硬化性樹脂では、その紫外線硬化性樹脂中、光酸発生剤が、5〜8重量%(以下「%」と略す)の範囲内であったところ、本発明では、0.1〜4%の範囲内となっている。このように光酸発生剤の添加量が少量であっても、本発明では、紫外線硬化性樹脂の硬化を速めることが可能となるのである。また、上記紫外線硬化性樹脂の樹脂成分としては、上記エポキシ樹脂の他、例えば、アクリル樹脂,アクリルウレタン樹脂,シリコーン樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐熱性および熱収縮性に優れる観点から、エポキシ樹脂が好ましい。また、上記添加剤としては、上記光酸発生剤に加えて、必要に応じて増感剤等を併用してもよい。
上記基板1の形成材料としては、ガラス,樹脂等があげられる。上記ガラスとしては、例えば、白板ガラス,石英ガラス,パイレックス(登録商標)ガラス,BK−7,青板ガラス等があげられる。上記樹脂としては、ポリオレフィン,熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂等があげられる。そのうちポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリメチルメタクリレート,ポリエチレンテレフタレート等があげられる。上記熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂,シリコーン樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、汎用性,透明性,耐熱性の観点から、白板ガラスが好ましい。
上記成形型2は、下面(型面)に、光学部品A1の形状に対応する凹部2aが形成されている。その成形型2の形成材料としては、金属,ガラス,樹脂等があげられる。上記金属からなる成形型としては、表面に、例えば、ニッケルめっき層,クロムめっき層等が形成されたものがあげられる。透明性の観点からすれば、ガラス,樹脂等が好ましい。上記ガラスとしては、例えば、白板ガラス,石英ガラス,パイレックス(登録商標)ガラス,BK−7,青板ガラス等があげられる。上記樹脂としては、ポリオレフィン,熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂等があげられる。そのうちポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリメチルメタクリレート,ポリエチレンテレフタレート等があげられる。上記熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂,シリコーン樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、汎用性,耐光性,離型性の観点から、ニッケルめっき層が形成された金型,シリコーン樹脂製成形型が好ましい。また、離型性の観点から、成形型2の型面2aには、フッ素系,シリコーン系等の離型剤を塗布してもよい。
つぎに、上記のようにして紫外線硬化性樹脂,基板1および成形型2を準備した後、基板1および成形型2の少なくとも一方(片方または双方)を、0〜60℃の範囲内に加温する。この加温方法としては、例えば、ホットプレート上に上記基板1,成形型2を載置する方法、電熱線やセラミックヒータ等の熱源を上記基板1,成形型2に放射する方法,ドライヤからの熱風を上記基板1,成形型2に吹き付ける方法等があげられる。
ついで、図2(b)に示すように、上記基板1上に、上記紫外線硬化性樹脂(液状ないしペースト状)Aをポッティング装置等を用いてポッティングする(供給する)。上記基板1上にポッティングされた紫外線硬化性樹脂Aは、それ自身の表面張力により、ドーム状の層になる。
つぎに、図2(c)に示すように、成形型2の型面2aを基板1の表面に対面させた状態で、成形型2を基板1に押圧する(型押しする)。この実施の形態では、成形型2の型面を基板1の表面に密着させている。これにより、成形型2の型面の凹部2a内に、基板1上の紫外線硬化性樹脂Aが浸入して充満し、紫外線硬化性樹脂Aのドーム状の層が成形型2の凹部2aの形状に成形される。
このように上記紫外線硬化性樹脂Aが成形型2で型押しされた状態では、始めの工程における、上記基板1および成形型2の少なくとも一方に対する0〜60℃の範囲内の加温により、その熱が、型押しされた紫外線硬化性樹脂Aに伝導し、その紫外線硬化性樹脂Aも、0〜60℃の範囲内に加温される。この紫外線硬化性樹脂Aの加温温度は、熱収縮,硬化性の観点から、35〜55℃の範囲内がより好ましい。なお、上記紫外線硬化性樹脂Aの加温温度の測定(確認)は、例えば、熱電対により行うことができる。
そして、上記紫外線硬化性樹脂Aの加温状態で、図2(d)に示すように、基板1および成形型2の少なくとも一方を透過させて紫外線Lを照射することにより、上記紫外線硬化性樹脂Aを露光し、その紫外線硬化性樹脂Aを硬化させ、立体的な光学部品A1を成形する。上記紫外線Lの光源としては、例えば、水銀ランプ,発光波長が355〜375nm領域内の単波長であるLED等があげられる。なかでも、エネルギーの高い短波長の紫外線Lを発光する観点からは、水銀ランプが好ましく、電力消費が小さく、環境への負荷を低減することができる観点からは、LED好ましい。このように、上記紫外線硬化性樹脂Aを0〜60℃の範囲内に加温した状態で、紫外線Lにより露光することが、本発明の大きな特徴である。
そして、図2(e)に示すように、脱型し、硬化した感光性樹脂を基板1から剥離して光学レンズ等の立体的な光学部品A1を得る。
なお、上記実施の形態では、基板1に紫外線硬化性樹脂Aをポッティングするのに先立って、基板1および成形型2の少なくとも一方を加温したが、紫外線硬化性樹脂Aを成形型2で型押しした状態で、基板1および成形型2の少なくとも一方を加温し、紫外線照射時の紫外線硬化性樹脂Aの温度を0〜60℃(より好ましくは35〜55℃)の範囲内に加温してもよい。
また、上記実施の形態では、図2(e)に示す工程において、脱型した後、硬化した感光性樹脂を基板1から剥離して光学部品A1として得たが、硬化した感光性樹脂が付着した基板1をそのまま光学部品として得てもよい。
さらに、上記実施の形態では、図2(c)に示すように、紫外線硬化性樹脂Aを成形型2で型押しする際に、成形型2の下面を基板1の表面に密着させたが、図3に示すように、成形型2の下面を基板1の表面に密着させない程度に、成形型2を型押しし、紫外線硬化性樹脂Aの層の表面部分に、成形型2の型面2aの形状が転写された状態にして硬化させ、平板状体の表面に凸部が形成された立体的な光学部品を製造するようにしてもよい。
つぎに、実施例および参考例について比較例と併せて説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
[実施例1〜4および参考例1,2,比較例2〜4]
〔紫外線硬化性樹脂(A):硬化剤の添加量が少ないタイプ〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート827)50g、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、CEL−2021P)50g、硬化剤(アデカ社製、アデカオプトマーSP−170)1gを、50℃で10分間攪拌混合することにより、紫外線硬化性樹脂(A)を調製し、その後、25℃未満に下がるまで放置した。なお、この紫外線硬化性樹脂(A)の25℃での粘度は1540mPa・s、硬化体の熱膨張係数は88ppm/Kであった。
[比較的1]
〔紫外線硬化性樹脂(B):硬化剤の添加量が多いタイプ〕
上記紫外線硬化性樹脂(A)において、硬化剤の添加量を4gにしたものを紫外線硬化性樹脂(B)とした。それ以外は、上記紫外線硬化性樹脂(A)と同様にした。なお、この紫外線硬化性樹脂(B)の25℃での粘度は1440mPa・s、硬化体の熱膨張係数は88ppm/Kであった。
上記紫外線硬化性樹脂(A),(B)を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、下記の表1,2に併せて示した。
〔紫外線硬化性樹脂(A),(B)のゲル化時間〕
レオロジカ社製のUVレオメータ(回転板として直径15mmのアルミニウム板を使用)を用いて、紫外線照射中における、上記紫外線硬化性樹脂(A),(B)の粘弾性を、下記の表1,2に示す各温度で測定し、測定開始から弾性項と粘性項とが交わるまでの時間をゲル化時間とした。そして、ゲル化時間が700秒以下のものを○、それを上回るもの×と評価した。
なお、上記紫外線の光源としては、下記の表1,2に示すように、水銀ランプ(浜松ホトニクス社製、LC−8:発光スペクトルは図4参照、波長365nmでの照度10mW/cm2 )またはUV−LED(浜松ホトニクス社製、光源タイプL9613−200:波長365nm単波長、照度10mW/cm2 )を用いた。また、上記粘弾性測定時の紫外線硬化性樹脂(A),(B)の温度は、ドライヤからの熱風により加温された温度であり、熱電対により測定(確認)することができる。
〔紫外線硬化性樹脂(A),(B)の着色度〕
熱硬化性樹脂(ダウコーニング社製、SYLGARD184)を材料とする成形型(直径50mm×厚み268μm)を作製した。そして、パイレックス(登録商標)ガラス基板上に、上記紫外線硬化性樹脂(A),(B)をポッティングした後、上記成形型で型押しし、下記の表1,2に示す各温度にした状態で各光源から紫外線を照射することにより、成形物を作製した。ついで、100℃で1時間加熱ポストキュアを行った後、カラーコンピュータ(スガ試験機社製、SM−T)を用いて、イエローインデックスを測定した。そして、そのイエローインデックスが5以下のものを○、それを上回るもの×と評価した。
〔成形物の寸法誤差(収縮率)〕
熱硬化性樹脂(ダウコーニング社製、SYLGARD184)を材料とする成形型(直径50mm×厚み224μm)を作製した。そして、パイレックス(登録商標)ガラス基板上に、上記紫外線硬化性樹脂(A),(B)をポッティングした後、上記成形型で型押しし、下記の表1,2に示す各温度にした状態で各光源から紫外線を照射することにより、成形物を作製した。その後、触針式表面形状測定器(アルバック社製、Dektak8)を用いて、成形型のキャビティ深さと成形物の高さとを測定し、成形型に対する成形物の収縮率を算出した。そして、その収縮率が2.00%以下のものを○、それを上回るもの×と評価した。
Figure 0005604054
Figure 0005604054
上記結果から、実施例1〜4および参考例1,2では、いずれも、ゲル化時間が短く、着色度も低く、収縮率も小さい成形物を得ることが可能であった。特に、実施例1〜4ではゲル化時間が短かった。これに対して、比較例1では、ゲル化時間および収縮率は良好であるものの、著しく着色された成形物が得られた。これは、紫外線硬化性樹脂(B)における硬化剤の添加量が多いことに原因がある。また、比較例2では、着色度および収縮率は良好であるものの、ゲル化時間が長くなった。これは、光源として水銀ランプを使用したもにかかわらず、紫外線硬化性樹脂(A)における硬化剤の添加量が少なく、しかも、加温した温度が低いことに原因がある。また、比較例3では、ゲル化時間および着色度は良好であるものの、収縮率が大きい成形物が得られた。これは、加温した温度が高いことに原因がある。また、比較例4では、着色度および収縮率は良好であるものの、ゲル化時間が長くなった。これは、紫外線硬化性樹脂(A)における硬化剤の添加量が少ないうえに、加温した温度が低いことに原因がある。
なお、上記紫外線硬化性樹脂(A),(B)は、エポキシ樹脂を主成分とするものとしたが、アクリル樹脂,アクリルウレタン樹脂,シリコーン樹脂をそれぞれ主成分とするもを用いても、上記と同様の結果が得られた。
本発明の光学部品の製造方法は、光学レンズ,光導波路や光ファイバのコアの製造に利用可能である。
1 基板
2 成形型
A 紫外線硬化性樹脂
A1 光学部品
L 紫外線

Claims (3)

  1. 基板上に、エポキシ樹脂を主成分とし光酸発生剤を含有する紫外線硬化性樹脂を供給し、その紫外線硬化性樹脂を成形型で型押しし、その状態で、型押しされた上記紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射することにより、その紫外線硬化性樹脂を露光し、上記紫外線硬化性樹脂の硬化体からなる立体的な光学部品を製造する方法であって、上記紫外線硬化性樹脂中の光酸発生剤が、0.1〜4重量%の範囲内であり、上記紫外線による露光が、上記紫外線硬化性樹脂を0〜60℃の範囲内に加温し、ゲル化時間を69〜315秒にした状態で行われることを特徴とする光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアの製造方法。
  2. 上記紫外線硬化性樹脂を0〜60℃の範囲内に加温することが、上記基板上に上記紫外線硬化性樹脂を供給するに先立って、上記基板および成形型の少なくとも一方を加温することにより行われる請求項1記載の光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアの製造方法。
  3. 上記紫外線の光源が、発光波長が単波長のLEDである請求項1または2記載の光学レンズまたは光導波路もしくは光ファイバのコアの製造方法。
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