JP2005017940A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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Yoshiteru Naka
義輝 仲
Hideo Okazaki
英生 岡崎
Yoichi Ikemoto
陽一 池本
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Abstract

【課題】本発明は、製造が容易で、短時間に且つ安価に、複雑な構造でも精度良く光導波路を製造しうる方法を提供する。
【解決手段】(a)光造形法により光硬化性樹脂を硬化して基本型を得る工程、(b)基板の一面に積層された、熱可塑性樹脂よりなる下部クラッド層に、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって熱分解温度以下の温度で基本型を押圧し、剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程、(c)凹部に、上記熱可塑性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程、及び(d)下部クラッド層及びコア層上に、上記熱可塑性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程からなることを特徴とする光導波路の製造方法。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を用いた通信機器、制御装置、配線に利用される、光信号を伝達する光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、通信や情報処理の高速化、広帯域化への要求に伴い、従来の電気配線に代わり、光ファイバー網を基盤とした光情報通信が進展しつつあり、幹線系では既に石英ガラス光ファイバー網が張り巡らされ、波長分割多重通信に必要なアレイ導波路格子等石英系光回路が実用化されている
【0003】
これらの光情報通信を家庭内や事務所内で使用するために、光通信用部品を家庭内や事務所内に実装する光配線技術、特に、光導波路技術の確立が求められている。
【0004】
光導波路は、クラッド層の中にクラッドより屈折率の高いコア層が積層された構造を有し、光損失が小さい、耐熱性が優れている、クラッド層とコア層の屈折率の差の制御が容易で、製造が容易である等の特性が要求されるので、従来は石英を用いた石英系光導波路が主体であったが、最近はポリメチルメタクリレート、フッ素化ポリイミド等の有機材料系光導波路が盛んに開発されている。
【0005】
有機材料系光導波路の製造方法としては、例えば、シリコン基板上に下部クラッド層及び光硬化性樹脂層を形成し、光硬化性樹脂層にエッチングマスクを被覆し、露光して硬化し、コアパターンを作製した後、未硬化部分を除去し、次いで、真空槽中で反応性エッチングしてコア層を形成し、その上に上部クラッド層を積層するフォトリソグラフィ及びリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
又、異なる方法として、直接描画法とフォトブリージング法が挙げられるが、直接描画法は、電子線やレーザをフッ素化ポリイミド等の高分子樹脂に直接照射し、照射した部分の高分子樹脂を架橋を進め、屈折率を上昇させてコアを形成する方法(例えば、特許文献2参照。)であり、フォトブリージング法は、電子線描画法等で作成したフォトマスクを介して、色素を含有するポリメチルメタクリレート樹脂等の高分子樹脂に紫外線を照射して、導波路として使用する部分以外の部分の色素を分解して屈折率を低下させ、色素素の残った部分を光導波路とする方法である。
【0007】
しかし、フォトリソグラフィ及びリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)法は、上述の通り、フォトマスクの作成、レジスト層の形成、フォトリソグラフィ、エッチング処理等の多数の工程が必要であり、作成に時間がかかり、コストが高いという欠点があった。
【0008】
直接描画法波は、大気中でナノオーダーレベルの加工が可能であるが、製造装置が高価であり、安価な導波路の作成には適さなかった。又、フォトブリージング法は工程が単純で、耐環境性の低い高分子材料を用いて安価に製造することができるが、紫外線が光硬化性樹脂層の下部まで浸透しにくく、比較的大口径の100μm程度の光導波路を製造することができなかった。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−9807号公報
【特許文献2】
特許第3327356号公報
【0010】
これらの問題を解決するため型を用い、ホットスタンピングすることにより光導波路を製造する方法が種々提案されている。例えば、基板と、該基板上に形成されたクラッド層と、該クラッド層上に形成されたコアとを少なくとも有する高分子する光導波路の製造方法であって、前記クラッド層は、前記基板上に高分子膜を形成する工程と、前記高分子膜のガラス転移温度以上かつ熱分解開始温度以下の温度で、前記高分子膜を加熱保持し、金型を用いて前記高分子膜を押圧することで前記高分子膜上に凹部分または凸部分を形成する工程と、によって形成されることを特徴とする高分子光導波路の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0011】
【特許文献3】
特開平2000−56147号公報
【0012】
そして、上記型の製造方法としては、フォトリソグラフィ及びRIE法、LIGA法、SIGA法等が一般的である。LIGA法は、基板上にフォトレジスト層とフォトマスクを積層し、露光、硬化し、未硬化部分を除去し、次に、除去された箇所に電気鍍金し、硬化したレジストを除去してモールドキャビティを作製し、得られたモールドキャビティに樹脂を射出成形して型を製造する方法である。
【0013】
又、SIGA法は、マイクロ加工したシリコン基板をオリジナル型として、その表面に電気鍍金し、シリコン基板を除去してモールドキャビティを作製し、得られたモールドキャビティに樹脂を射出成形して型を製造する方法である。
【0014】
しかし、上記の方法で型を製造するには、簡単な構造の型しか製造できないうえに、製造工程が多く、製造が困難で、製造時間がかかり、製造コストも高かった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、製造が容易で、短時間に且つ安価に、複雑な構造でも精度良く光導波路を製造しうる方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の光導波路の製造方法は、(a)光造形法により光硬化性樹脂を硬化して基本型を得る工程、
(b)基板の一面に積層された、熱可塑性樹脂よりなる下部クラッド層に、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって熱分解温度以下の温度で基本型を押圧し、剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程、
(c)凹部に、上記熱可塑性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程、及び
(d)下部クラッド層及びコア層上に、上記熱可塑性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程
からなることを特徴とする。
【0017】
上記工程(a)では光造形法により光硬化性樹脂を硬化して基本型を得る。
上記光造形法とは、液状の光硬化性樹脂の液面に、紫外線レーザーを照射して硬化させ、硬化後に硬化部分を液面から降下し、次の液面に紫外線レーザーを照射して硬化させことを繰り返し、硬化面を積み重ねて全体を硬化することにより、光硬化性樹脂の成形体を得る方法である。
【0018】
そして、上記工程(a)で基本型を得る際に、所望の基本型を精度良く得るためには、CADソフトウエアにより設計された基本型の三次元形状データを、スライスソフトウエアを用いて、二次元断面データの集合に変換し、二次元データから作成されたレーザの走査パターンに基づいて、樹脂容器内の光硬化性樹脂を、紫外線レーザーにより順次線状に硬化させ、重ね合わせて基本型を形成する光造形法が好ましい。
【0019】
凹凸部の形状寸法は、製造したい光導波路にあわせて任意の形状のものが作成でき、この方法によると一般的には数μm〜100μmの凹凸形状を有する基本型を得ることが可能である。
尚、光造形後、得られた基本型の表面を滑らかにするために、表面に高分子樹脂を塗布したり、研磨剤や研磨紙で研磨してもよい。
【0020】
上記光硬化性樹脂としては、従来公知の任意の光硬化性樹脂が使用でき、例えば、光重合性オリゴマー、光重合性モノマー(反応性希釈剤)、光重合開始剤、光重合開始助剤、熱重合禁止剤、充填剤、接着付与剤、チクソ付与剤、可塑剤、着色剤等からなる光硬化性樹脂が挙げられる。
【0021】
上記光重合性オリゴマーとしては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系オリゴマー、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ビニルエーテルオリゴマー、ポリエン・チオール系オリゴマー、イミド系オリゴマー等が挙げられる。
【0022】
上記光重合性モノマー(反応性希釈剤)としては、例えば、単官能アクリレートモノマー、多官能アクリレートモノマー、エポキシモノマー、ビニルエーテル、スチレン等が挙げられる。
【0023】
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系、アセトフェノン系、パーオキサイド系、オニウム塩系等の光重合開始剤が挙げられ、光重合開始助剤としては、例えば、アミン系、キノン系等の光重合開始助剤が挙げられる。
【0024】
上記工程(b)は、基板の一面に積層された、熱可塑性樹脂よりなる下部クラッド層に、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって熱分解温度以下の温度で工程(a)で得られた基本型を押圧し、剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程である。
【0025】
上記基板は、下部クラッド層に基本型を押圧する際に変形しない材料であれば、合成樹脂板、ガラス板、金属板等任意の材料を使用可能であるが、得られた光導波路をそのまま実装するために、シリコンウエハが好ましい。
【0026】
上記熱可塑性樹脂は、下部クラッド層を形成するのであるから、透明性及び耐熱性が優れた熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル樹脂、カーボネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、アリレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、イミド樹脂及びそのフッ素化物等が挙げられる。
【0027】
下部クラッド層の形成方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、上記熱可塑性樹脂溶液を基板上に塗布、乾燥する方法、上記熱可塑性樹脂フィルムを作製し、基板上にプレス成形する方法等が挙げられ、上記熱可塑性樹脂溶液を基板上にスピンコートし乾燥する方法が好ましい。
【0028】
基板の一面に積層された、熱可塑性樹脂よりなる下部クラッド層に、基本型を押圧し、剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する方法も従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、上記基板と下部クラッド層の積層体を、基本型を装着したプレス機に供給し、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって熱分解温度以下の温度に温度設定して、プレスし、次いで冷却した後プレス成形された積層体を取出すことにより、下部クラッド層に凹部が形成された積層体が得られる。
【0029】
尚、凹部内面から光散乱の原因となる微小な凹凸を除去し表面を滑らかにするために、表面に高分子樹脂を塗布したり、研磨剤や研磨紙で研磨してもよい。
【0030】
上記工程(c)は、下部クラッド層に形成された凹部に、上記熱可塑性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程である。
【0031】
上記高分子樹脂は、光導波路のコア層を形成するのであるから透明性及び耐熱性が優れた高分子樹脂が好ましく、例えば、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル樹脂、カーボネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、アリレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、イミド樹脂及びそのフッ素化物等が挙げられ、前記下部クラッド層を形成した熱可塑性樹脂よりも屈折率の高い樹脂が使用される。
【0032】
上記コア層の形成方法も従来公知の任意の方法が採用されてよいが、上記高分子樹脂溶液を下部クラッド層上にスピンコートし乾燥する方法が好ましい。尚、この場合、必要に応じて凹部からはみ出たコア部分を研磨して取り除くのが好ましい。
【0033】
上記工程(d)は、下部クラッド層及びコア層上に、上記熱可塑性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程であり、埋め込み型光導波路が得られる。上部クラッド層を形成する熱可塑性樹脂としては、上記下部クラッド層を形成している熱可塑性樹脂と同一の熱可塑性樹脂が使用される。
【0034】
上部クラッド層の積層方法は、下部クラッド層の積層方法と同一であり、例えば、上記熱可塑性樹脂溶液を下部クラッド層及びコア層上に塗布、乾燥する方法、上記熱可塑性樹脂フィルムを作製し、下部クラッド層及びコア層上にプレス成形する方法等が挙げられ、上記熱可塑性樹脂溶液を下部クラッド層及びコア層上にスピンコートし乾燥する方法が好ましい。
【0035】
請求項2記載の光導波路の製造方法は、(a)光造形法により光硬化性樹脂を硬化して基本型を得る工程、
(e)基本型と未硬化の熱又は光硬化性樹脂層を積層し、熱又は光硬化性樹脂を硬化した後、基本型を剥離することにより、雌型を得る工程、
(f)雌型に、熱又は光硬化性耐熱性樹脂組成物をキャストし、硬化した後、雌型を剥離することにより、耐熱型を得る工程、
(b)基板の一面に積層された、熱可塑性樹脂よりなる下部クラッド層に、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって熱分解温度以下の温度で耐熱型を押圧し、剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程、
(c)凹部に、上記熱可塑性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程、及び
(d)下部クラッド層及びコア層上に、上記熱可塑性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程
からなることを特徴とする。
【0036】
上記光導波路の製造方法は、基本型により耐熱性を付与し、下部クラッド層により速く、より精密に且つより多くの凹部を形成を可能にするものであり、又、より耐熱性の優れた光導波路を製造するための方法であり、工程(a)、(b)(c)及び(d)は請求項1の工程(a)、(b)(c)及び(d)と同一である。
【0037】
工程(e)は、基本型と未硬化の熱又は光硬化性樹脂層を積層し、熱又は光硬化性樹脂を硬化した後、基本型を剥離することにより、雌型を得る工程である。
【0038】
上記熱又は光硬化性樹脂としては、従来公知の任意の熱又は光硬化性樹脂が使用可能であり、熱硬化性樹脂としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、光硬化性樹脂としては前述の光硬化性樹脂が挙げられ、シリコン樹脂が好適に使用される。
【0039】
上記基本型と未硬化の熱又は光硬化性樹脂層を積層する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、基本型上に未硬化の熱又は光硬化性樹脂をキャスティングする方法、未硬化の熱又は光硬化性樹脂をガラス板、金属板等の基板上にキャスティングし、未硬化の熱又は光硬化性樹脂層を形成し、その上に基本型を押圧して積層する方法等が挙げられる。
【0040】
工程(f)は、工程(e)で得られた雌型に、熱又は光硬化性耐熱性樹脂組成物をキャストし、硬化した後、雌型を剥離することにより、耐熱型を得る工程である。
【0041】
上記熱又は光硬化性耐熱性樹脂組成物は、耐熱性を有する熱又は光硬化性樹脂のみでもよいが、熱又は光硬化性樹脂と耐熱性を有する充填剤との組成物が好ましい。
【0042】
上記熱又は光硬化性樹脂としては、前述の熱又は光硬化性樹脂が使用される。
上記耐熱性を有する充填剤としては、従来から熱又は光硬化性樹脂に使用されている充填剤のうち耐熱性を有するものであればよいが、アルミニウム、鉄、ニッケル、銀等の金属粉末が好ましい。
【0043】
充填剤の添加量は、多くなると耐熱性は向上するが、機械的強度、耐衝撃性等が低下するので熱又は光硬化性樹脂100重量部に対し100重量部以下が好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。
【0044】
請求項3記載の光導波路の製造方法は、(a)光造形法により光硬化性樹脂を硬化して基本型を得る工程、
(g)基板の一面に積層された、未硬化の光硬化性樹脂よりなる下部クラッド層に、基本型を押圧し、紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させた後、基本型を剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程、
(h)凹部に、上記光硬化性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程、及び
(i)下部クラッド層及びコア層上に、上記光硬化性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程
からなることを特徴とする。
【0045】
上記光導波路の製造方法は、下部クラッド層として光硬化性樹脂を使用し、基本型から下部クラッド層により精密に凹部を転写形成する製造方法であり、工程(a)は請求項1の工程(a)と同一である。
【0046】
工程(g)は、基板の一面に積層された、未硬化の光硬化樹脂よりなる下部クラッド層に、基本型を押圧し、紫外線を照射して光硬化樹脂を硬化させた後、基本型を剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程である。
【0047】
上記基板及び光硬化性樹脂としては、前述の基板及び光硬化性樹脂が使用でき、下部クラッド層の形成方法も、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、光硬化性樹脂溶液を基板上に塗布、乾燥する方法、光硬化性樹脂フィルムを作製し、基板上にプレス成形する方法等が挙げられ、光硬化性樹脂溶液を基板上にスピンコートし乾燥する方法が好ましい。
【0048】
基板の一面に積層された、未硬化の光硬化性樹脂よりなる下部クラッド層に、基本型を押圧し、紫外線を照射して光硬化樹脂を硬化させた後、剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する方法も従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、上記基板と下部クラッド層の積層体を、基本型を装着したプレス機に供給してプレスし、そのままの状態で紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化した後、剥離することにより、下部クラッド層に凹部が形成された積層体が得られる。
【0049】
尚、凹部内面から光散乱の原因となる微小な凹凸を除去し表面を滑らかにするために、表面に高分子樹脂を塗布したり、研磨剤や研磨紙で研磨してもよい。
【0050】
工程(h)凹部に、上記光硬化性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程である。高分子樹脂の屈折率が、光硬化性樹脂の屈折率より高い以外は、工程(c)と同一である。
【0051】
工程(i)は、下部クラッド層及びコア層上に、上記光硬化性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程である。上記光硬化性樹脂は、クラッド層を形成するのであるから、下部クラッド層を形成したのと同一の光硬化性樹脂が使用される。
【0052】
上部クラッド層の積層方法は、下部クラッド層の積層方法と同一であり、例えば、光硬化性樹脂溶液を下部クラッド層及びコア層上に塗布、乾燥し、紫外線を照射して硬化する方法、光硬化性樹脂フィルムを作製し、下部クラッド層及びコア層上にプレス成形した後、紫外線を照射して硬化する方法等が挙げられ、光硬化性樹脂溶液を基板上にスピンコートし乾燥硬化する方法が好ましい。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を図面を参照して説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
図1は光造形法の一例を示す模式図であり、図2は光造形法で得られた基本型の一例を示す断面図である。図3は基本型から耐熱型の製造方法の一例を示す工程図であり、図4は光導波路の製造方法の一例を示す工程図である。
【0055】
図中1はコンピュータであり、CADソフトウエア及びスライスソフトウエアで作成された基本型の形状データがインプットされていると共に、紫外線照射レーザー2と光硬化性樹脂タンク3と接続されている。光硬化性樹脂タンク3内にはコンピュータ1の指示で上下するテーブル31が設置されている。
【0056】
光硬化性樹脂タンク3に光硬化性樹脂(紫外線硬化性エポキシ樹脂)4を供給し、テーブル31を光硬化性樹脂4の液面付近に設置し、コンピュータ1の指示で紫外線照射レーザー2から紫外線を照射して、光硬化性樹脂を硬化して基本型5の第1の層51を形成した。次に、テーブル31を降下し、コンピュータ1の指示で紫外線照射レーザー2から紫外線を照射して、光硬化性樹脂を硬化して基本型5の第2の層を形成した。この操作を繰り返して、図2に示した基本型5を得た。
【0057】
基本型5の上にシリコン樹脂をキャスティングし、加熱してシリコン樹脂重合した後剥離して雌型52を得た(図3(a))。次に、雌型52上にMEZ樹脂(エポキシ樹脂25重量部とアルミニウム粉末75重量部からなる。バンティコ社製、商品名「クインネートMEZ200])をキャスティングし、加熱硬化して耐熱型53を得た(図3(b))。
【0058】
シリコンウエハからなる基板6の一面に、ポリメチルメタクリレートのアセトン溶液をスピンコートし、80℃で10分間加熱しポリメチルメタクリレート(ガラス転移温度100℃、熱分解温度300℃、波長1.3μmのTH波における屈折率1.49)よりなる下部クラッド層7を積層した(図4(a))。
【0059】
下部クラッド層7が積層された基板6と耐熱型53をプレス機に供給し、150℃、60Kg/cmの条件でプレス成形して、凹部71を形成した(図4(b))。
【0060】
凹部71が形成された下部クラッド層7上に、ピロメリット酸二無水物と2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルから得られるフッ素化ポリイミド酸のN,N−ジメチルアセトアミド溶液をスピンコートし、350℃で60分間加熱してイミド樹脂(波長1.3μmのTH波における屈折率1.61)よりなるコア層8を凹部71内に形成し(図4(c))、下部クラッド層7上に形成されたイミド樹脂層は研磨して削除した(図4(d))。
【0061】
次に、下部クラッド層7とコア層8上に、下部クラッド層7の積層と同様にしてポリメチルメタクリレートよりなる上部クラッド層9を積層して埋め込み型の光導波路を得た(図4(e))。
【0062】
(実施例2)
【0063】
シリコンウエハからなる基板の一面に、紫外線硬化型エポキシ樹脂をスピンコートし、80℃で10分間加熱して、未硬化の光硬化性樹脂よりなる下部クラッド層を積層した。
【0064】
実施例1で得られた基本型を、上記未硬化の光硬化性樹脂よりなる下部クラッド層に押圧し、その状態で紫外線を照射して光硬化樹脂を硬化させた後、基本型を剥離することにより、凹部の形成された下部クラッド層と基板の積層体を得た。下部クラッド層の、波長1.3μmのTH波における屈折率は1.54であった。
【0065】
次に、実施例1で行ったと同様にして、イミド樹脂(波長1.3μmのTH波における屈折率1.61)よりなるコア層を凹部に形成した。尚、下部クラッド層上に形成されたイミド樹脂層は研磨して削除した。
【0066】
次に、下部クラッド層とコア層上に、下部クラッド層と同じ紫外線硬化型エポキシ樹脂をスピンコートしートし、紫外線を照射して光硬化樹脂を硬化して上部クラッド層を積層して埋め込み型の光導波路を得た。
【0067】
【発明の効果】
請求項1記載の光導波路の製造方法の構成は上述の通りであるから、製造が容易で、短時間に且つ安価に、複雑な構造でも精度良く光導波路を製造することができる。
【0068】
請求項2記載の光導波路の製造方法においては、耐熱型は基本型より耐熱性が優れており、下部クラッド層により速く、より精密に凹部を形成することができ、より精度が良く、より耐熱性の優れた光導波路をより速く製造することができる。又、耐熱型は耐熱性及び機械的強度が優れているので、ひとつの型でより多くの光導波路を製造することができる。
【0069】
請求項3記載の光導波路の製造方法においては、未硬化の光硬化性樹脂よりなる下部クラッド層に、基本型を押圧し、紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させた後、基本型を剥離するのであるから、下部クラッド層に基本型の形状にそってより精密に凹部を形成することができ、より精度が良く、より耐熱性の優れた光導波路をより速く製造することができる。又、クラッド層は光硬化性樹脂よりなるので、得られた光導波路はより耐熱性及び機械的強度が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の製造方法における光造形法を示す模式図である。
【図2】実施例1における光造形法で得られた基本型の1例を示す断面図である。
【図3】実施例1において、基本型から耐熱型の製造する工程の1例を示す工程図である。
【図4】実施例1における光導波路の製造方法の1例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ
2 紫外線照射レーザー
3 光硬化性樹脂タンク
4 光硬化性樹脂
5 基本型
51 雌型
52 耐熱型
6 基板
7 下部クラッド層
8 コア層
9 上部クラッド層

Claims (4)

  1. (a)光造形法により光硬化性樹脂を硬化して基本型を得る工程、
    (b)基板の一面に積層された、熱可塑性樹脂よりなる下部クラッド層に、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって熱分解温度以下の温度で基本型を押圧し、剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程、
    (c)凹部に、上記熱可塑性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程、及び
    (d)下部クラッド層及びコア層上に、上記熱可塑性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程
    からなることを特徴とする光導波路の製造方法。
  2. (a)光造形法により光硬化性樹脂を硬化して基本型を得る工程、
    (e)基本型と未硬化の熱又は光硬化性樹脂層を積層し、熱又は光硬化性樹脂を硬化した後、基本型を剥離することにより、雌型を得る工程、
    (f)雌型に、熱又は光硬化性耐熱性樹脂組成物をキャストし、硬化した後、雌型を剥離することにより、耐熱型を得る工程、
    (b)基板の一面に積層された、熱可塑性樹脂よりなる下部クラッド層に、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上であって熱分解温度以下の温度で耐熱型を押圧し、剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程、
    (c)凹部に、上記熱可塑性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程、及び
    (d)下部クラッド層及びコア層上に、上記熱可塑性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程
    からなることを特徴とする光導波路の製造方法。
  3. (a)光造形法により光硬化性樹脂を硬化して基本型を得る工程、
    (g)基板の一面に積層された、未硬化の光硬化性樹脂よりなる下部クラッド層に、基本型を押圧し、紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させた後、基本型を剥離することにより、下部クラッド層に凹部を形成する工程、
    (h)凹部に、上記光硬化性樹脂より屈折率の高い高分子樹脂を注入し、コア層を形成する工程、及び
    (i)下部クラッド層及びコア層上に、上記光硬化性樹脂よりなる上部クラッド層を積層する工程
    からなることを特徴とする光導波路の製造方法。
  4. 光造形法が、CADソフトウエアにより設計された基本型の三次元形状データを、スライスソフトウエアを用いて、二次元断面データの集合に変換し、二次元データから作成されたレーザの走査パターンに基づいて、樹脂容器内の光硬化性樹脂を、紫外線レーザーにより順次線状に硬化させ、重ね合わせて基本型を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の光導波路の製造方法。
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