JP5602558B2 - 減速機構付モータ装置 - Google Patents
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Description
図1は、減速機構付モータ装置1の斜視図である。
図2は、ギヤカバー20(第2ケース)を取り外したときの減速機構付モータ装置1の部分断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の減速機構付モータ装置1は、主に減速機構付モータ装置1の一方側(図1、図2における左側)に配された電動モータ40と、他方側(図1、図2における右側)に配置され電動モータ40と連結された減速機構30と、減速機構30を収納するギヤケース10(第1ケース)およびギヤカバー20(第2ケース)と、を備えている。
電動モータ40は、不図示のブラシを用いて電力を給電する、いわゆるブラシ付モータである。電動モータ40は、有底筒状のモータハウジング41と、略中央に配置されたモータシャフト44と、モータシャフト44を回転軸として回転するアーマチュア43と、を備えている。
モータハウジング41は、鉄等の金属からなる部材であり、例えば深絞りによるプレス加工等により成型される。モータハウジング41は、その開口部41aが、他端側に配置された減速機構30側を向くように取り付けられている。モータハウジング41の他端側にはフランジ部41bが形成されている。フランジ部41bには、フランジ部41bを貫通する取付孔(不図示)が形成されている。フランジ部41bの取付孔にボルト85を挿通して、ギヤケース10にボルト85を締結することで、ギヤケース10にモータハウジング41を固定している。
モータハウジング41の底部には、一方側に突出した突出部48が形成されている。突出部48の内側には、すべり軸受45aが嵌合されている。
さらに、モータハウジング41の突出部48の底部には、スラストプレート46が設けられている。スラストプレート46は、スチールボール46aを介してモータシャフト44のスラスト荷重を受けている。スチールボール46aは、モータシャフト44とスラストプレート46との間の摺動抵抗を減少するとともにモータシャフト44の芯ズレを吸収し、モータシャフト44のスラスト荷重をスラストプレート46に確実に伝達するためのものである。
アーマチュア43は、モータシャフト44と、モータシャフト44に外挿固定されるアーマチュアコア43aと、アーマチュアコア43aよりも減速機構30側に配置されたコンミテータ47と、を有している。
モータシャフト44は鉄等の金属からなる棒状部材である。モータシャフト44のモータハウジング41側端部は、モータハウジング41に設けられたすべり軸受45aを介して、モータハウジング41に回転自在に枢支されている。また、モータシャフト44の減速機構30側端部は、モータハウジング41に圧入される後述のブラシホルダ90に設けられた図示しないすべり軸受を介して、モータハウジング41に回転自在に枢支されている。
ウォーム31およびウォームホイール33は、樹脂や金属等からなる部材であり、インジェクション成型や焼結、機械加工等により形成される。また、出力ホイール35は金属からなる部材であり、焼結や機械加工等により形成される。
ウォーム31に噛合うウォームホイール33は、大径ギヤ33aと、小径ギヤ33bとを有している。大径ギヤ33aと小径ギヤ33bとは同芯に配置されており、大径ギヤ33aはウォーム31に噛合され、小径ギヤ33bは出力ホイール35の出力ギヤ35aと噛合している。
ウォームホイール33は、ウォームホイール軸34により軸支されている。また、ウォームホイール軸34は、軸受部17(図3参照)および軸受部27(図4参照)を介してギヤケース10およびギヤカバー20により支持されている。
出力ホイール35は、出力ギヤ35aを有している。出力ギヤ35aは、出力ホイール35の外周に形成されており、ウォームホイール33の小径ギヤ33bと噛合している。
出力ホイール35の略中央には、外部に回転トルクを出力する出力取出部35cが形成されている。出力取出部35cは、出力ホイール35の表裏を貫通する孔となって形成されており、不図示の出力軸が挿通されるようになっている。出力取出部35cの内周面には、周方向に沿って凸部が形成されており、出力軸の凹部と係合している。これにより、出力軸および出力取出部35cは、出力ホイール35に対する相対回転が規制されるので、出力軸から回転トルクを出力することができる。
図3はギヤケース10の平面図である。
上述した減速機構30は、ギヤケース10およびギヤカバー20に収納される。ギヤケース10およびギヤカバー20は、例えば樹脂等からなる部材であり、インジェクション成型等により形成される。
ギヤケース10は、電動モータ40側(図3における左側)に形成されたモータ取付部11と、このモータ取付部11の電動モータ40とは反対側に形成された減速機構収納部13と、により構成されている。
ウォームホイール収容部13bおよび出力ホイール収容部13cは、収納壁部14をウォームホイール33および出力ホイール35の外形に沿わせることで形成される。
ウォームホイール収容部13bの径方向略中央には、底面を凹ませることにより軸受部17が形成されている。この軸受部17にウォームホイール軸34を挿入することにより、このウォームホイール軸34が軸受部17を介してウォームホイール収容部13bに枢支される。
また、出力ホイール収容部13cの略中央には、出力取出孔16が形成されている。不図示の出力軸がこの出力取出孔16を挿通している。さらに、出力ホイール収容部13cの底面には、円環状のリブからなる軸支持部15が形成されている。この軸支持部15の外周面15aと、出力ホイール35の摺接部35bとが摺接することにより、ギヤケース10は出力ホイール35を回転可能に支持している。
図4は、ギヤカバー20の底面図である。ギヤカバー20は、略平板状に形成されており、ギヤケース10の減速機構収納部13を覆うカバーとして機能している。ギヤカバー20は、ウォームホイール33を覆うウォームホイールカバー部21と、出力ホイール35を覆う出力ホイールカバー部23と、を有している。
座面28には、座面28の全体に渡って、複数のズレ防止凸部29が形成されている。ズレ防止凸部29は、インジェクション成型等によりギヤカバー20と一体的に形成される。ズレ防止凸部29は、略半球形状をしており、ギヤカバー20の座面28からギヤケース10の平面部18側に向かって突出するように形成されている。このため、ズレ防止凸部29の頂部は球面となっている。したがって、ギヤケース10とギヤカバー20とをタッピングネジ87を介して固定した際に、ズレ防止凸部29は、ギヤケース10の平面部18に食い込み可能となっている。なお、ズレ防止凸部29の個数や大きさ等は、ギヤケース10およびギヤカバー20の材質やタッピングネジ87の軸力等により適宜選択される設計事項である。
次に、ギヤケース10とギヤカバー20を固定したときの、ズレ防止凸部29の作用について説明する。
図6は、ギヤケース10とギヤカバー20とをタッピングネジ87を介して固定するときの説明図であり、図6(a)は締結前の説明図であり、図6(b)は締結後の説明図である。
図6(a)に示すように、まずギヤケース10の平面部18に、ギヤカバー20のズレ防止凸部29の頂部を当接させる。このとき、ギヤカバー20は、ギヤケース10とギヤカバー20との間にズレ防止凸部29の高さ分だけ隙間を有した状態で、ギヤケース10に載置される。その後、ギヤケース10の凹部12およびギヤカバー20の締結孔22にタッピングネジ87を挿通し、所定位置にタッピングネジ87をセットする。
本実施形態の減速機構付モータ装置1によれば、ギヤカバー20の座面28に、ギヤケース10の平面部18に食い込み可能なズレ防止凸部29が形成されている。ここで、ギヤケース10の平面部18と、ギヤカバー20の座面28とを重ね合わせる際に、ギヤカバー20の座面28に形成されたズレ防止凸部29の頂部と、ギヤケース10の平面部18とが当接する。ギヤケース10とギヤカバー20とを重ね合わせて固定すると、ズレ防止凸部29の頂部とギヤケース10の平面部18との接触面積は小さいため、ギヤケース10の平面部18の面圧が増大する。これにより、ズレ防止凸部29がギヤケース10の平面部18に食い込む。このように、ズレ防止凸部29がギヤケース10の平面部18に食い込むため、ギヤケース10の平面部18およびギヤカバー20の座面28と平行な方向に、ギヤケース10およびギヤカバー20がずれるのを抑制できる。したがって、ウォームホイール33と出力ホイール35との間で過大な噛み合い反力が発生し、ウォームホイール33および出力ホイール35を枢支するギヤケース10およびギヤカバー20に荷重が発生したときでも、ギヤケース10とギヤカバー20との間のずれを抑制できる。したがって、ギヤケース10とギヤカバー20との摺動による雑音が発生するのを防止できる。
次に、実施形態の変形例について、図7を用いて説明する。
図7は、実施形態の変形例の説明図であり、図7(a)は、ズレ防止凸部29の拡大図であり、図7(b)は、図7(a)のB−B線に沿った断面図である。
実施形態のズレ防止凸部29は、略半球形状をした複数の突起により形成されていた。しかし、本変形例のズレ防止凸部29は、複数の突条により形成されている点で、実施形態とは異なっている。なお、実施形態と同様に構成の部分については、詳細な説明を省略する。
実施形態の変形例の減速機構付モータ装置1によれば、ギヤケース10とギヤカバー20とを重ね合わせて固定すると、突条29aの頂部とギヤケース10の平面部18との接触面積は小さいため、ギヤケース10の平面部18の面圧が増大する。このように、突条29aの頂部がギヤケース10の平面部18に食い込むため、ギヤケース10の平面部18およびギヤカバー20の座面28と平行な方向に、ギヤケース10およびギヤカバー20がずれるのを抑制できる。さらに、複数の突条29aが格子状に配置されているため、高い強度を有するズレ防止凸部29を構成することができる。したがって、ギヤケース10とギヤカバー20との間のずれを確実に抑制し、ギヤケース10とギヤカバー20との摺動による雑音が発生するのを防止できる。
実施形態のズレ防止凸部29は、略半球形状をした複数の突起により形成されていた。しかし、突起の形状は略半球形状に限られず、例えば、略円錐形状の突起でもよい。突起を略円錐形状とすることにより、突起の頂部が尖塔形状となるため、ギヤケース10の平面部18にさらに食い込みやすくなる。ただし、金型を簡単に製造できる点で本実施形態に優位性がある。
10 ギヤケース(第1ケース)
13 減速機構収納部(収納部)
20 ギヤカバー(第2ケース)
28 座面
29 ズレ防止凸部
30 減速機構
31 ウォーム
33 ウォームホイール(第1ギヤ)
35 出力ホイール(第2ギヤ)
40 電動モータ(モータ)
87 締結固定部材
Claims (2)
- 電動モータと、
前記電動モータの動力が伝達されるウォームと、前記ウォームと噛み合うウォームホイールと、前記ウォームホイールと噛み合う金属製の出力ホイールとを有する減速機構と、
前記電動モータと取付けられるモータ取付部と、前記減速機構を収納する減速機構収納部と、を有するギヤケースと、
平板状に形成され、前記ギヤケースの前記減速機構収納部を覆うギヤカバーと、
前記ギヤケースと前記ギヤカバーとを固定する締結固定部材と、
を有し、前記減速機構を介してモータの回転力を出力する減速機構付モータ装置であって、
前記ギヤケースには、前記ウォームホイールを支持するウォームホイール軸の一端を保持するための軸受部と、前記出力ホイールを回転可能に保持するための出力取出孔と、が形成され、
前記ギヤカバーには、前記ウォームホイールを軸支するウォームホイール軸の他端を保持するための軸受部と、前記出力ホイールを回転可能に保持するための出力取出孔と、が形成され、
前記ギヤケース、および前記ギヤカバーの少なくとも何れか一方の合わせ面であって、平面視で前記出力ホイールの中心と前記ウォームホイールの中心とを結んだ仮想線分と直交し、前記出力ホイールの中心を通る仮想面よりも前記ウォームホイールと前記出力ホイールとの噛み合い部から離れる方向の領域に、他方の合わせ面に食い込み可能に突出して形成されたズレ防止凸部を少なくとも設け、
前記締結固定部材の締め付け力を利用して前記ズレ防止凸部を前記他方の合わせ面に食い込ませたことを特徴とする減速機構付モータ装置。 - 前記ギヤケースおよび前記ギヤカバーの前記締結固定部材に対応する箇所に座面を形成し、この座面に前記ズレ防止凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の減速機構付モータ装置。
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