JP5599718B2 - Dna損傷を検出するための装置及び方法 - Google Patents

Dna損傷を検出するための装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞のDNA損傷をインサイチュ検出する装置及び方法に関し、特に、コメットアッセイ及びその他のアッセイの自動化に関する。
細胞のDNAの完全性は、様々なメカニズムによって損傷することがある。DNAの切断は、DNAに、薬剤その他の化学物質が摂取又は吸収された結果として生じる化学反応である(Exon, J.H., J.Toxicol.Environ.Health B Crit.Rev., (2006), (5), 397−412)。DNA損傷の他の原因は、電離性放射線などの物理的手段による光化学反応(Brendler−Schwaab,S. et.al. Mutat.Res., (2004), 566(1), 65−91)であり、これは、DNA単独の場合も、化学物質が添加された場合にも生じ得る。このようなDNA損傷はいずれも、細胞が有する遺伝情報にダメージを与えるだけでなく、癌の発生原因となり得る。
規制手引きによると、全ての登録薬剤をアッセイにかけ、委員会でDNA損傷の査定を受けることが必要とされている。このアッセイには、細菌中の遺伝子の突然変異率を測定すること、並びに、哺乳類細胞中のDNA損傷をインビトロ及びインビボで判定することが含まれる。基本的に、このアッセイの実施には莫大な時間とコストが必要となる(〜50,000ドル/化合物)ので、創薬プロセスの終盤に限り、アッセイが実施されることが多い。薬剤開発の初期段階で毒性を全く予測できなかったり、正確に予測できなかったりすると、80億ドルという巨額のコストがかかるが、薬剤開発失敗の全コストの約30%を占める(Cambridge Healthtech Advances Life Sciences Report Dec 2004: Toxicogenomics and Predictive Toxicology: Market and Business Outlook)。新薬だけでなく、人間が消費し、使用する食品着色料、或いは、間接的又は意図せず消費又は接種され得る化粧品その他の化学薬品又は物質にも、試験の適用を拡大する動きが活発になっている(OECD guideline for the testing of chemicals, draft proposal for a new guideline 487, June 2004)。
新薬その他の化学物質によるDNA損傷誘発試験だけでなく、ダイエット(Young, G.P., Forum Nutr., (2007), 60, 91−6)、環境汚染(Moller, P., Basic Clin.Pharmacol.Toxicol., (2006), 98(4), 336−45)、突然変異原への職業的接触(Faust, F. et.al., Toxicology, (2004), 98(1−3), 341−50)などの外的要因もDNA損傷の原因となることが実証されている。多くの化学的、物理的、物理化学的メカニズムがDNA損傷の原因になり得ることから、DNA損傷の可能性がある個人から血液、細胞又は組織のサンプルを採取し、解析することによって、そのような個人をスクリーニングし、観察する方法(Lee, E. et.al., Toxicol. Sci., (2004), 81(1), 121−32)が考えられる。
コメットアッセイは、哺乳璃の細胞のDNA損傷を検出するための、電気泳動を用いた単一細胞解析である(Ostling, O., Johanson, K.J., Biochem.Biophys.Res.Commun., (1984), 123(1), 291−8)。細胞をDNAに損傷を与え得る化合物に浸すと、ゲノムDNAに一本鎖切断又は二本鎖切断、化学修飾が生じることがある。コメットアッセイの被験細胞は、アガロースで包埋された後、溶解、アルカリ処理を経て、そのDNAに変性が生じる。電気泳動により切断されたDNAが移動し、且つ/又は、クロマチンが核から放出されると、(アッセイの名称の由来である)コメットが出現する。このコメットを、蛍光顕微鏡によって撮像する。コメットの頭部から尾部へと放出されるDNAの量は、DNA損傷率を表す基準として定量化される。
コメットアッセイは非常に精度が高く、単一細胞によるデータが得られ、サンプルとして必要なのは小さな細胞だけなので、遺伝毒性(遺伝子に欠損又は変異をもたらす可能性があるDNA損傷)の評価手法として幅広く採用されている。アッセイの実施には、リンパ球を使用するのが最も一般的であるが、最近は、口腔スワブから口腔細胞を採取するなど、侵襲的な手段を最小限に抑えて細胞を使用する手法が注目されている。(Szeto, Y.T., et.al., Mutat. Res., (2005), 578(1−2), 371−81)。
現在、遺伝毒性評価にコメットアッセイが採用されることが多いのは、インビトロにおける小核解析の精度が安定しており、試験化合物に対する特異性が高いからである(Witte, I. et.al., Toxicol. Sci. (2007) 97(1)21−6)。コメットアッセイの普及に伴い、コメットアッセイの効率とスループットを高める必要性が高まり、コメットアッセイが、煩雑で主観的な手作業を要する現行の処理や解析手法に取って代わるであろう。
コメットアッセイでは、電気泳動によって細胞のDNA損傷を検出する。遠心力によって被験細胞を採取し、緩衝液中で再懸濁させる。この細胞を、融点が低いアガロースの融解溶液に結合し、顕微鏡のスライドに広げる。その後、細胞のアガロース懸濁液を冷却して凝固させる。そして、スライドを溶解液に浸して細胞を破壊した後、スライドをアルカリ溶液に浸して細胞DNAに変性を生じさせる。この溶解/変性手順によって、核を構成するタンパク質と、核様体として残る独立したDNA以外の細胞成分の殆どが除去される。DNAの溶解後、電気泳動用緩衝液でスライドを数回洗浄し、水平式の電気泳動装置に移し、これに電流を流す。このとき、細胞DNAの損傷により生じたDNAの小片はいずれも、核様体に留まるバルクDNAから離れて電界を移動する。電気泳動の後、スライドをエタノールに浸して細胞を固定し、蛍光DNA結合色素でDNAを染色し、顕微鏡で視覚化する。DNA内部が損傷した細胞は、その核様体頭部が明るい色で染色され、DNAフラグメントの尾部が電気泳動の方向を向いた状態になる。
コメットアッセイが最初に採用されてから、様々な溶解剤や変性剤を用いた様々な手法が開発され、手作業による評点の代わりに画像解析により半自動化されたものの、この自動化により処理できるのは50サンプル/日なので、とりわけ処理能力が高まったとはいえない(Frieauff, W. et.al., Mutagenesis (2001) 16(2), 133−7)。これまで、上述の手順の細胞処理ステップを96ウエルプレートに適用する試みがなされてきた(Kiskinis, E. et.al., Mutagenesis, (2002), 17(1), 37−43)が、未だに解析には電気泳動用、撮像用に顕微鏡スライドが使用されており、その準備によって、アッセイの処理能力が限定されている。
米国特許出願公開第2003/0175821号には、光遮断ボックスと、ステージと、1枚以上のスライドを保持するように該ボックス内に設置されたステージ移動モータとを備えた、コメットアッセイ用顕微鏡装置が開示されている。この装置は、蛍光照明と、蛍光成分で染色された細胞の画像を記録するCCD画像センサを備えている。この装置は、更に、DNA損傷の有無を示す尾部の移動値を明確にするために、コメットの頭部と尾部の輝度を測定するための自動アルゴリズムを有する。この方法は、コメットアッセイによる手動的なスコアリングよりは改善されたものであるが、DNAの電気泳動分離のために依然として顕微鏡スライドを使用しているので、従来のコメットアッセイ法のスループットの限界の殆どに制約を受ける。
米国特許第4,695,548号は、電気泳動法に適した、アガロースなどの固化された液体を含むゲルインサートの使用が開示されている。固化液と、溶解細胞から取り出したDNA又は損傷していない染色体などの高分子によって形成されたマトリクス中に封入された溶解細胞は、電気泳動分離での使用に好適である。ゲルインサートは、適宜の支持媒体内に直接配置され、高分子を分離するために1つ以上の電界にさらされる。しかし、この方法は、DNA溶液のピペット操作による分注に起因するDNAの物理的損傷を避ける目的で、ゲノムDNAのDNA分離と併用することを特に意図したものなので、DNAの損傷を測定するためのサンプルの処理に関するものや、処理能力が高いDNA解析に関するものではない。
米国特許出願公開第2005/000811号
従って、迅速な定量解析が可能になり、主観的な解釈に依存しない着実で、なお且つ、高い処理能力と低コストで実施可能な、スクリーニング方法の実用性を最大限に活かしたコメット方法により、DNA損傷解析を行う方法及び装置が必要とされている。
IN Cell Analyzer1000(GEヘルスケア)などのハイコンテントスクリーニング(HCS)プラットフォームが最近開発されたことで、セルベースアッセイの画像取得及びデータ解析の自動化が可能になったので、DNA損傷試験を自動化できる可能性が大きい。手動的なスコアリングをなくすことで、これらのアッセイが自動化されると共にその後の時間とコストが節減されるので、より多くのサンプルの試験が可能になるはずである。製薬産業では、この進歩によって従来のアプローチで可能であったよりも早い薬剤開発段階で新たな化合物の試験が可能になると思われ、それに伴って、医化学プログラムの時間と予算を使い果たすまでに、DNA損傷の原因となる主な化合物が明らかとなり、節約に繋がる。食品、化粧品及びその他の国産品用の新染料の開発など、その他の分野では、自動化された低コストのDNA損傷アッセイの活用により、規制当局が要求する試験の増加に伴うコスト増大を抑えることができる。
本発明の第1の実施形態として、細胞内のDNA損傷を判定する装置を開示する。この装置は、マイクロタイターウエルプレートのようなマルチウエルプレートを備える。このプレートは、ウエルアレイを互いに固定した状態で保持している。各ウエルは、軸線、側壁、底面を有し、各ウエルの内部には、電極対が設置されている。この電極対は、外部の電圧源に接続するための手段によって、外部の電圧源に並列に接続されている。本発明のこの装置は、コメットアッセイの実施に特に好適である。
本発明の第2の実施形態として、本願に開示する装置を使用して細胞内のDNA損傷をインサイチュ判定する方法を開示する。この方法は、
a)本願に開示の装置の1つ以上のウエルにおいて、液状媒体の存在下、被検細胞を準備するステップと、
b)任意でこの細胞を検査薬にさらすステップと、
c)この細胞を固定化マトリクスで覆うステップと、
d)この細胞を細胞溶解液と変性剤で処理して、変性細胞のDNAを有するマトリクスを得るステップと、
e)変性細胞のDNAを電気泳動用溶液に接触させるステップと、
f)DNAフラグメントが電気泳動分離するように、1つ以上のウエルの電極に電圧をかけるステップと、
g)DNAフラグメントを染色剤に接触させるステップと、
h)検出手段を用いてDNAフラグメントのパターンを観察するステップを含む。
本発明による装置を使用することによって、様々な組織や細胞から取り出した細胞内のDNA損傷を検出するハイスループット自動化アッセイが可能になる。本発明による方法は、コメットアッセイの実施に特に好適である。コメットアッセイは、DNA損傷を検出し、且つ/又は、定量化することができる単一細胞ベースの手法である。また、本発明による装置の使用は、インビボ及びインビトロでの変異誘発物質の評価や、外的要因による細胞や組織のDNA損傷のモニタリングを、ハイスループットで行うための簡便な基盤となる。
マルチウエルプレートのウエルの側壁を不透明にし、マルチウエルプレートの各ウエルの底面を光透過性にするのが好適である。
マルチウエルプレートの各ウエルに、正極と負極からなる電極対を1つ設置するのが好ましい。
一実施形態では、各ウエルの底面には、DNAコメットアッセイが行い易くなるように、細胞を位置決めするための手段を設けることができる。各ウエルの底面には、細胞が満遍なく配置されるように細胞を配向するための、マイクロチャネル及び/又はピットなどの構造的特徴のアレイが設けられている。
一実施形態では、マルチウエルプレートにプレート蓋を設け、このプレート蓋で、電気泳動を実施するための電流を流すための電極や電気接続手段を支持するようにしてもよい。一実施形態では、容器の底面と平行な面上で電気泳動が行われるように、各ウエルの正極と負極を同一水平面上に設置してもよい。
代替形態として、ウエルの底面とは平行ではない方向で、電気泳動によりDNAフラグメントを分離するには、電極対の正極と負極をウエルの底面とは異なる水平面上に設置する。
一実施形態では、ウエルの両側で対向するように、正極と負極に直線の棒を取り付けてもよい。
別の実施形態では、ウエルの壁のカーブに合わせて電極を設置し、ウエル内の位置によって電極間の間隔が異なるようにすることで、ウエル内で様々な強度の電界を生成できる。
また別の実施形態として、マルチウエルプレートのベースプレートが、このプレートに延在する電極対アレイを有する。このとき、電極対同士は固定された状態であり、各電極対はマルチウエルプレートの別個のウエルに合わせて配置される。
マルチウエルプレートは、24ウエル、48ウエル、96ウエル、又は、384ウエルのアレイを有していると好適である。
マルチウエルプレートの1つ以上のウエルでは、予め準備した細胞を検査薬に接触させる。別の実施形態では、人間又は動物から採取した細胞又は組織を、突然変異原又はその他の外的要因にさらすことで生じるDNA損傷の評価、例えば、血液細胞その他の単離細胞のDNA損傷解析を行うことができる。
検査薬としては、例えば、薬剤、食品染料、ホルモン、毒素、アルキル化剤、酸化剤、発がん性物質、又は、突然変異原などの化学物質を用いる。その他の作用因子としては、例えば、(紫外線、X線、マイクロ波などの)電磁放射線、β放射線、熱などの物理的作用がある。
第2の実施形態による方法では、細胞を検査薬にさらした後、固定化マトリクスを追加するのが好適である。このマトリクスは、細胞が損傷を受けない温度条件下などにおいて生細胞に添加される、ゲル化等張液やポリマー溶液などが含まれていると好適である。好適なマトリクスは、例えば、融点が低いアガロース(LMPA)や感温性ポリマーなどがある。LMPAを、リン酸緩衝食塩水などの等張緩衝液中に、好ましくは0.2〜2%(w/v)、更に好ましくは、0.5%〜1%(w/v)の濃度で配合された、低濃度溶液として準備する。LMPAを37℃で溶解し、本発明による装置のウエル内の細胞にこれを添加して固定化する。また、低温のときは液相であり高温になると固相になる、温度変化によって逆の相転移が生じる感温性ポリマーを使用してもよい。好適な感温ポリマーには、例えば、0℃〜−4℃のときは液相であり、15℃以上になると固相となるCyGel(ポリメチルオキシレン、Biostatus社)がある。このようなポリマーを冷却溶液として装置のウエルに添加して、室温で固化させることができる。
細胞溶解剤としては、界面活性剤を用いることが好ましい。その性質は、陽イオン性であっても、陰イオン性であっても、非イオン性であってもよい。好適な界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチル臭化アンモニウム(DTAB)、塩化セシルピリジニウム(CPC)、塩化ベンゼトニウム(BZC)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、及びN−ドデシル−N、N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸(DDAPS)がある。DTAB、CPC、BZCは、陽イオン性界面活性剤であり、DDAPSは、両性イオンの界面活性剤であり、SDSは、陰イオン性界面活性剤である。これらの界面活性剤を細胞溶解剤として使用することは、当該分野では周知である。活性剤の濃度は、基本的に、0.4〜4%(w/v)である。
DNAやDNAフラグメントの染色に好適な検査薬としては、例えば、エチジウムブロミド(EtBr)、ヨウ化プロピジウム、DAPI(4’、6−ジジアミジノ−2−フェニルインドール)、YOYO(商標)−1アイオダイド、TOTO(商標)−3、及びアクリジンオレンジなど、DNAと結合する公知の染料を選択する(Molecular Probes社”A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies”第10版参照)。DNA染料としては、スペクトルの赤外領域で蛍光を発する染料が好ましい。
標識を付けたDNAフラグメントのパターンを観察するには、個々の細胞を十分に解像し得る倍率の対物レンズを装着した自動顕微鏡などを使用するのが好ましい。このときのレンズの倍率は、好ましくは2倍から60倍、更に好ましくは4倍から20倍である。
本発明の第3の実施形態は、細胞内のDNA損傷を判定する装置の使用である。この装置は、マルチウエルプレートを備え、このプレートは、互いに固定した状態のウエルアレイを保持している。各ウエルは、軸線、側壁、底面を有し、各ウエルの内部には、電極対が設置されている。この電極対は、外部の電圧源に接続するための手段によって、外部の電圧源に並列に接続されている。本発明のこの実施形態は、コメットアッセイによる細胞内のDNA損傷判定に好適である。
第1の実施形態に係る、電気泳動によるDNAフラグメントの分離、及び、顕微鏡による撮像に好適な96ウエルプレートである。 マルチウエルプレートのウエル内で曲線的に設置された電極対の配置である。 各ウエルのベースプレートが、該底面の表面にエッチングされたマイクロチャネルアレイを有する、本発明の一実施形態である。
図1は、DNAフラグメントの電気泳動による分離や顕微鏡撮像に適した96ウエルプレート1(例えば、Packard View Plate、パッカード社)である。プレート1は、コメットアッセイを実施するためのセパレート容器の列からなる、光透過性底面を有するウエルアレイ2を有する。ウエル2には、細胞を導入して、必要に応じて検査薬のDNA損傷作用が生じる適宜の期間、検査薬で培養する。細胞を固定化するために、細胞を適宜のマトリクスで覆っておく。次に、アルカリ変性溶液をウエルに添加して、細胞を溶解液とアルカリ変性溶液に浸して培養し、デカンテーションを行う。プレートのウエルを、TBE(45mMのホウ酸トリス、1mMのEDTA、pH8.3)を始めとする電気泳動用の緩衝液で満たし、96ウエルプレートを成形プラスチックのプレート蓋3で覆う。プレート蓋3は、電極と電気コネクタを支持しており、この電極と電気コネクタは、96ウエルの各ウエルに泳動電流を印加するための適宜のものである。この泳動電流により、DNAフラグメントが被験細胞の核様体から分離する。プレート蓋3の片面には、絶縁された第1の給電レールに繋がる電気コネクタ4が、プレート蓋5の長さに沿って延びている。給電レール4は、蓋3の下面から下方に延びている成形ピン上に取り付けられた一連の電極6に並列に接続されている。電極6はそれぞれ、プレート1に蓋3を取り付けたときに、各ウエル内に位置するように間隔をおいて配置されている。プレート蓋3の反対面には、同様に、第2の電気コネクタ7と、第2の一連の電極8が接続された第2の給電レールがあり、一連の電極8はそれぞれ、プレートのウエルに合うように間隔をおいて設置されている。対向し合う電極は、それぞれに第1の給電レール5に接続されており、電極対をなしている。これらの電極は、コネクタ4とコネクタ5を介して適宜の電源(例えば、EPS3501 XL、GEヘルスケア)に接続されており、適宜の電圧(1ボルト/電極間隔cmなど)をかけると、各ウエル中の電極対間に電流が流れ、細胞内のいずれかのDNAが損傷してDNAフラグメントが分離するようになっている。
ウエル中の電極の設計と配置を変更することで、様々なパターンで電気泳動により核様体からDNAフラグメントを分離することができる。例えば、プレートの底面に平行な面上で電気泳動を実施するには、電極をウエル中の同一水平面上に配置するとよい。DNAを染色する際は、全てのコメットが単一の画像中にくっきりと映し出されることが望ましいが、このように電極を配置すると、全てのDNAフラグメントが単一の平面上で移動するので便利である。代わりに、プレートの底面と平行ではない方向に電気泳動によりDNAフラグメントを分離させるには、正負の電極をそれぞれ、プレートの底面に対して異なる水平面上に設置するとよい。このように電極を配置すると、セルの密度が高く(すなわち細胞数/ウエル)、セル同士が密接し合っており、プレート底面と平行な水平面上で電気泳動を実施すると、染色されたDNAコメットが重なり合ってしまう場合に有利である。電極を異なる水平面上に配置すると、DNAコメットが、プレートの底面から上方に向かって、電極間の電圧場と電極の形状に応じた角度をなして形成される。装置の底面から逆向きのDNAコメットの染色明度を解析するには、プレート底面と平行な面から2つ以上の共焦点画像又は疑似共焦点画像を取得し、これらの平面画像から三次元画像を再構築するか、或いは、共焦点画像又は疑似共焦点画像の水平面の蛍光を利用して構築された単一の画像を用いて、撮像面に移動してきたDNAのみを視覚化する。
電極の形状の変更は、細胞からDNAコメットを分離するパターンを所望のように変更する場合にも行われ、これにより、分離と解析を効果的に行うことができる。例えば、両方の電極が同水平面上に配向されている場合、ウエルの対向し合う両側に真っ直ぐな棒を電極に備え、ウエルにまたがる電極間に平行な応力線を有する電圧場が生成され、電気泳動中にDNAコメットの向きが平行になるようにする。あるいは、電極をウエルの壁の湾曲形状に合うように湾曲させ、ウエル内の位置によって電極分離の差があることによって、ウエル内の電界強度が場所のよって異なるようにしてもよい。この電極設計は、近接した細胞からのコメットが重複しない場合、試験サンプル内のDNAコメットの長さ範囲を、解析用に選択可能な領域にしたい場合に有利である。
電極がウエル内の異なる水平面上に位置している場合、DNAフラグメントをプレート底面から離れて上方へ移動させるためには、ウエルの対向し合う両側に異なる高さで電極を配向して、DNAフラグメントがプレートの水平面に対して角度をなして分離するようにする。例えば、形状とサイズが同じ電極を、1つの電極がウエルの底面に、第2の電極がウエルの中程になるように、ウエルの対向し合う両側に設置する。このような電極に分離電圧を印加すると、DNAフラグメントが移動してプレートの水平面に対して約45°の角度をなしてコメットが生成され、近接し合う細胞から生じるコメットの解像が可能になる。あるいは、プレートの底面にリング状の電極と、プレートの底面の上方にポイント電極とを有していてもよい。このように電極を配向すると、DNAは、プレートの底面から中央のポイント電極に向かって上方へ円錐状の電圧場を辿って移動し、ベースプレートから共通の点の方向に向かって角度をなすDNAコメットが生じる。プレートの底面から上方の所定の高さの単一水平面での撮像による解析に適した縦向きのDNAコメットを生成するために、ウエルの底面に電極を配置し、ウエル底面の上方に或る間隔をあけてリングを備えてもよい。このような電極により、ウエル内に均一なバレル状の電圧場が生じ、DNAフラグメントがプレート面に対してほぼ垂直な方向で移動する。その結果、共焦点撮像又は疑似共焦点撮像による光セクショニングを利用して、プレートの底面から予め選択された高さへのDNAフラグメントの移動を撮像し、ひいては、DNA損傷が生じたサンプル中の細胞数を決定することができる。
(エリアイメージャなどの)電荷結合デバイス(CCD)イメージャを組み込んだ処理能力が高い自動機器を使用し、マルチウエルプレートの全てのウエルを撮像して、標識を付けたDNAフラグメントのパターン検出を行ってもよい。従って、DNA損傷を定量化するために、プレート蓋3を電源から切り離して取り外し、電気泳動緩衝液をデカントし、処理能力の高い自動顕微鏡(例えばインセルアナライザ1000、GEヘルスケア)で、DNAを適宜の蛍光色素(例えば、アクリジンオレンジ、エチジウムブロミド、DAPI、TOTO−3、YOYO−3)で染色し、蛍光励起及び使用されるDNA色素に適した発光フィルタを使用して、プレートを撮像する。画像をセグメント化し、DNA染色領域を識別し、適宜の定量測定(例えばコメット尾部の強度、長さ及びモーメント)を行って試験中の各サンプル内のDNA損傷の量を決定するには、取得された画像を適宜の解析ソフトウエア(例えばIN Cell Investigator、GEヘルスケア)にかけて解析を行う。
更に別の実施形態では、マルチウエルの射出成形された上部に平坦なベースプレートを溶接した時に、電極が各ウエル内に位置するように、マルチウエルプレートを構成するプレートの底面に、電極対が挿通して組み込まれている。光透過ガラス又はプラスチックの底面と光不透過性のウエル上部を使用してマルチウエル撮像プレートを作製する技術は、公知である。例えば、米国特許第6,463,647号(コーニング社)には、押し出し成形された、複数の開放端を有し、ベースプレートがほぼ平坦な上部プレートを接合することを含む、マルチウエルプレートの作製方法が開示されている。上部プレートはプレートの側壁を構成し、底部プレートはウエルの底部を構成する。本発明のこの実施形態(図2)では、光透過性ガラス又はプラスチックのベースプレート8が、別個のウエル領域9の規則的なアレイを有している。各ウエル領域は、電極対11及び13を有し、個々の電極が共通のレール10及び12に接続されており、電極が電気泳動用の外部電源に並列に接続されている。この電極間に電圧を印加して、DNA損傷フラグメントの分離と、DNAコメット14の生成が行われる。金属フォイルを張ったり導電性インクをスクリーン印刷したりしても電極を作製することもできる。電極の形状とサイズは、第1の実施形態について記載したように、所望の形状の電圧場、ひいては所望の配向のDNAコメットを得られるものにする。導電性材料をガラスやプラスチックにプリントする方法は公知であり、特徴付けがなされている。例えば、米国特許第7,192,752号(ACEA)には、生細胞でインピーダンス測定を行う目的で、電極をマルチウエルプレートの底面に塗布する方法が開示されている。
ウエルプレートの製造後、底面がないウエルプレートに底面が取り付けられ、アッセイ装置が作製される。この実施形態では、任意で、溶解中及び変性中のアガロースの移動を防止するために、ウエルの側面をエッチング、粗面化し、又は化学処理することでLMPアガロースが接着し易くなるようにしてもよい。使い捨てプレートにこれと整合する再使用可能な蓋を取り付けて、プレートを適宜の電源に接続してもよい。蓋は、例えば電源ケーブル、安全インターロックなどの従来の水平電気泳動タンクと同様の機能を含めた、追加の特徴を有していてもよい。コメットアッセイは、基本的な概念を上述した本発明の実施形態による装置を用いて行われる。従って、細胞がプレートのウエル内に配置され、ゲル中で固定化され、上述の適宜の検査薬を使用して処理される。プレートに適宜の電圧を印加すると、DNAフラグメントがプレートの底面と平行な水平面上で核様体から分離して、処理能力が高い自動顕微鏡によりDNAコメットの撮像が行われる。
図3に示すように、各ウエルの底面に、DNAコメットを解析し易くするために、細胞を位置決めする方向付け手段を備えてもよい。従って、ベースプレート15に、マイクロチャネル、溝16、表面上の細胞分布がランダムにならないように細胞17を配向するためのピット又はチャネルなどのその他の構造を備えてもよい。構造の間隔及び/又は周期性は、解析に最適な細胞の間隔が設けられるように、すなわち、細胞を電気泳動の方向に分離させ、DNAフラグメントが重ならないように選択される。細胞にアガロース18を塗布し、ウエルの底面19の両側の電極に電圧を印加することで、電気泳動の際に構造16内の細胞17が固定化され、構造の方向20に対して垂直方向にDNAコメットが形成される。その際に構造を分離することで、コメット20は、電気泳動場17でこのコメットの後ろの細胞から生じるコメットによって覆い隠されることがなくなる。
当業者には明らかなように、本明細書に記載の装置及び方法は、DNAコメットをインサイチュ解析する手段を開示した本発明の範囲内で更に改変可能である。例えば、電極の設計、構成及び配向に更なる変更を加えた形態が可能であり、それには例えば、ウエルごとに2つ以上の電極を使用することが含まれるが、これに限らない。複数の電極に順番に電圧をかけて、DNAの移動方向を制御し、DNA分離の距離間隔を効果的に長くするための多電極構成は、パルスフィールド解析DNA分離に広く用いられている(Lai, E. et.al., Biotechniques, (1989), 1, 34−42)。本発明の方法において、複数の電極を塗布するとともに電流の自動切り換えを行い、DNAコメット分離を改良することもできる。電極を塗布と電流の自動切り換えは両方とも、分離の三次元制御により、DNAコメット内及びDNAコメット間で行われる。
同様に、装置を使用して細胞の空間と配向を制御するために基板をパターン化するアプローチには、広範にわたる改変形態がある。細胞成長面と付着面を作製し、コーティングする現在の技術には、表面上の細胞の位置と間隔を規定するための多くのアプローチがある(Hasirci, V. and Kenar, H. 1 Nanomed., (2006), 1(1), 73−90)が、これを、本発明の装置に適用して、細胞間の間隔を制御し、DNAコメット解析を最適化することができる。
本発明の装置及び方法により、従来の技術と比較して、コメットアッセイの速度、効率、処理能力が大幅に高められる。マルチウエルプレートのウエル内でアッセイのサンプルを並行して処理することができ、同じウエル内においてDNAのインサイチュ電気泳動が可能になることで、本発明を適用した方法では、従来のコメットアッセイの手順で使用されていた、細胞懸濁液の遠心分離、顕微鏡スライドへのアガロース細胞懸濁液の塗布を始めとする多くの操作が必要なくなる。各々の試験サンプルにかかる手順の多くは、ゲルの固定化から撮像までを同じウエル内で実施できるので、本発明の方法は自動化された液体処理やロボット技術による自動化に匹敵する。
先行技術と比較した処理能力と効率に関する利点に加えて、本発明により、コメットアッセイを、分散された細胞又は懸濁液中の細胞でではなく、インサイチュで実行できるようになる。従来のコメットアッセイの手順では、解析のための細胞を、基本的に低融点アガロースであるゲル溶液に懸濁させる必要がある。これには2つの欠点がある。第1に、細胞を電気泳動及び撮像によって解析する場合、細胞は、アガロース中で異なる深さでランダムに分散する。その結果、或る一定の水平面上で焦点が合う細胞もあれば、焦点ずれする細胞もあり、撮像による定量解析が困難になる。第2に、細胞はアガロースと混合させするために懸濁液中にある必要があるので、培養中の細胞付着、又は、組織からの細胞の解析、典型的には細胞懸濁液を産生するための酵素処理によるサンプルの断裂により、サンプルの形態的な分布が破壊される。
本発明の方法において、装置のウエル内で成長する培養細胞にインサイチュでコメットアッセイを実施することができる。細胞をアガロース中で固定化し、培地から取り出さずに処理できるので、コメットアッセイにより定量化されたDNA損傷を、自動顕微鏡で測定可能なその他の細胞パラメータと相関させること、又は、サンプル内の細胞の別の亜種の別のDNA損傷を検査することが可能になる。この方法の更なる利点は、細胞をウエルの底面に付着させながら、インサイチュで細胞をアガロースで覆うことができるので、アガロースの深さは細胞を覆うのに必要な深さに最小限にとどめることができる。ひいては、撮像に適合する薄い水平面上にDNAの電気泳動を限定することができる。
或いは、この方法を、組織切片のDNA損傷のインサイチュ解析にも用いることができる。本発明の装置のウエル内に凍結組織の薄片を置き、アガロースで覆い、本発明の方法により、組織内の異なる細胞のDNA損傷の検査を行うことができる。電気泳動の方向を最適化して、組織切片内の密接した細胞を解析するために、上述の電極の設計と配置を改変してもよい。
或いは、動物又は人間の組織から採取した血液細胞又はその他の単離細胞内のDNA損傷の解析にこの方法を用いて、試験及び環境要因の評価を行うこともできる。装置のウエル内に細胞を置き、プレートを遠心分離にかけて、被検細胞をウエルの底面に単層として分布させた後、これを固体化マトリクスで覆ってもよい。

Claims (13)

  1. マルチウエルプレートを備えた、コメットアッセイを行うための装置であって、前記プレートが、互いに固定された状態で保持されたウエルのアレイを含んでいて、前記ウエルの各々が軸線、側壁及び底面を有しており、前記ウエルの各々の内部に電極対が設けられており、前記電極対を外部の電圧源に並列に接続する手段であって使用時に電気泳動場を生じる手段を備えており、前記ウエルの各々の底面が光透過性であって、前記ウエルの各々の前記底面に、マイクロチャネル及び/又ピットのアレイがエッチングされている、装置。
  2. 前記底面が、前記ウエルの前記軸線に対して略垂直に設置されている、請求項1記載の装置。
  3. 前記マルチウエルプレートの前記ウエルの前記側壁が不透明である、請求項1又は請求項2記載の装置。
  4. 前記マルチウエルプレートの前記ウエルの各々に、1つの電極対が設置されている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の装置。
  5. 前記マルチウエルプレートが、前記ウエルの各々に泳動電流を流す前記電極と電気接続手段とを支持するプレート蓋を備えている、請求項4記載の装置。
  6. 前記マルチウエルプレートのベースプレートが、該プレートに延在する電極対のアレイを備えており、前記電極対の各々が、前記マルチウエルプレートの個々のウエルに合わせて配置されている、請求項4記載の装置。
  7. 前記ウエルの各々の内部の正極と負極が、互いに対して同一の水平面上に設置されている、請求項5又は請求項6記載の装置。
  8. 前記ウエルの各々の内部の正極と負極が、前記ウエルの前記底面とは異なる水平面上に設置されている、請求項5又は請求項6記載の装置。
  9. 前記マイクロチャネル及び/又ピットのアレイの間隔及び/又は周期性が、細胞を前記電気泳動場の方向に分離させるように選択される、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の装置を用いてコメットアッセイを行う方法であって、生体外での以下のステップ:
    a)前記装置の1つ以上のウエルにおいて、液状媒体の存在下、被検細胞を準備するステップと、
    b)前記細胞を固定化マトリクスで覆うステップと、
    c)前記細胞を細胞溶解液と変性剤で処理して、変性細胞のDNAを有するマトリクスを得るステップと、
    d)前記変性細胞のDNAを電気泳動用溶液に接触させるステップと、
    e)前記1つ以上のウエルの電極に電圧を印加して、DNAフラグメントを電気泳動分離せしめるステップと、
    f)前記DNAフラグメントを染色剤に接触させるステップと、
    g)検出手段を用いて前記DNAフラグメントのパターンを観察するステップと
    を含む方法。
  11. 前記ステップa)の後、ステップb)の前に、前記細胞を検査薬にさらすステップをさらに含む、請求項10記載の方法。
  12. 前記検出手段が、前記マルチウエルプレートの前記ウエル全てを撮像する撮像手段を含む、請求項10又は請求項11記載の方法。
  13. コメットアッセイを行うためのマルチウエルプレートを備えた装置の使用であって、前記プレートが、互いに固定された状態で保持されたウエルのアレイを含んでいて、前記ウエルの各々が、軸線、側壁及び底面を有しており、前記ウエルの各々の内部に電極対が設けられており、前記電極対を外部の電圧源に並列に接続する手段であって使用時に電気泳動場を生じる手段を備えており、前記ウエルの各々の底面が光透過性であって、前記ウエルの各々の前記底面に、マイクロチャネル及び/又ピットのアレイがエッチングされている、装置の使用。
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