JP5598765B2 - 固体酸化物形燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)、特にその燃料極の製造方法に係わり、高温焼成の必要がなく、製造プロセスの低温化が可能な固体酸化物形燃料電池の製造方法に関するものである。
固体酸化物形燃料電池は、電解質としてイットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの固体酸化物から成る電解質を用い、その両側にガス透過性を備えた電極を配置した構造を備え、1000℃近くの高温で作動する。
このような固体酸化物形燃料電池は、一般に発電効率が高いことで知られているが、電池の単位体積当たりの出力を向上するためには、セルの薄型化が必要となる。
固体酸化物形燃料電池の積層構造としては、アノード支持型や電解質支持型のものが知られているが、これらタイプの燃料電池においては、支持基板がセラミックス材料から成るものであるため、薄型となった場合は基板強度が担保されにくく、また、柔軟性について確保が困難となる。
また、基板強度、柔軟性の観点のみならず、セルをスタッキングする際の簡便性をも考慮すると、上記のような電極支持型や電解質支持型に較べて、金属製の支持基板を用いた金属支持型セルが望ましいことになる。
一方、このような固体酸化物形燃料電池の製造に際しては、電極や電解質を、例えば1000℃以上の高温で焼成するプロセスが必要である。
例えば、特許文献1には、Niを含む燃料極を備えた固体電解質型燃料電池セルが開示されており、1150℃〜1350℃で焼成することが記載されている。
特開2004−164864号公報
したがって、例えば特許文献1に記載のセルに代表されるような固体酸化物形燃料電池を金属支持型セルとした場合には、金属製支持基板が高温焼成時に酸化されて、セルの内部抵抗が大きくなるという問題がある。また、昇降温による熱応力によって金属基板が変形することがあり、そのような場合には、セルのスタッキングやセル間の電気的接続に種々の不具合が生じるという問題があった。
本発明は、金属支持型の固体酸化物形燃料電池における上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、高温での焼成を必要とせず、金属基板の酸化や変形を防止することができると共に、工程の短縮化が可能な固体酸化物形燃料電池の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、燃料極に含まれるNiの出発原料として、低温で熱分解して金属ニッケルとなる蓚酸ニッケルを用いることによって上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法においては、多孔質金属基板上に分散した蓚酸ニッケルを加熱してニッケル粒子としてこのニッケル粒子を含む燃料極を形成したのち、電解質及び空気極を順次積層するようにしたことを特徴とする。
また、多孔質金属基板上に蓚酸ニッケルを含むペーストを塗布した状態で加熱して燃料極を形成した後、電解質及び空気極を順次積層することを特徴としている。
さらに、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法においては、多孔質金属基板に蓚酸ニッケルを含むスラリーを含浸させた状態で加熱して燃料極を形成し、次いで電解質及び空気極を順次積層することを特徴とする。
また、多孔質金属基板上に酸素イオン伝導体から成る多孔質膜を形成し、この多孔質膜に蓚酸ニッケルを含むスラリーを含浸させた状態で加熱して燃料極を形成した後、電解質及び空気極を順次積層するようにしたことを特徴としている。
さらにまた、多孔質金属基板上に空気極、次いで電解質を形成した後、この上に蓚酸ニッケルを含むペーストを塗布した状態で加熱して燃料極を形成するようになすことを特徴とする。
そして、本発明の固体酸化物形燃料電池は、本発明の上記方法によって製造されていることを特徴としている。
本発明においては、燃料極中のニッケル源として、蓚酸ニッケルを出発原料に用いるようにしている。
この蓚酸ニッケルは、例えばアルゴン雰囲気中において、300℃前後の低い温度で熱分解して、金属ニッケルとなることから、高温焼成の必要がなくなり、金属基板に酸化や熱変形を引き起こすことなく、固体酸化物形燃料電池を製造することが可能になる。
本発明に用いる針状蓚酸ニッケルの形状例を示す走査型電子顕微鏡画像である。 図1に示した蓚酸ニッケルを熱分解して得られた針状ニッケル粒子の形状例を示す走査型電子顕微鏡画像である。 本発明の固体酸化物形燃料電池の構造例を示す断面図である。
以下に、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法においては、ニッケルの出発原料として、蓚酸ニッケル(NiC)を用いるようにしており、この蓚酸ニッケルは、上記したように、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気において、300℃前後の比較的低温度で金属ニッケルに熱分解する。
したがって、1000℃以上もの高温における焼成が不要となり、高温焼成による金属基板の酸化や熱変形を防止することができ、セルの内部抵抗の低減や、寸法制度の向上が達成できる。さらに、高温焼成が不要なことから、製造設備が簡略化でき、製造工程や製造時間の短縮も可能になることから、本発明の製造方法は、金属支持型セルのみならず、他のタイプの固体酸化物形燃料電池の製造に適用した場合にも有利なものとなる。
このとき、上記蓚酸ニッケルとしては、針状のものであることが望ましい。針状蓚酸ニッケルは、熱分解によって針状のニッケル粒子となることから、燃料極の電子伝導性を高めることができる。
すなわち、燃料極の電子伝導性は、電極中のニッケル粒子が焼結によってつながり(ネットワーク)、電子伝導パスが形成されることによって確保されるが、長期的な使用では(例えば、700℃)、ニッケル粒子同士が徐々に凝集し、伝導パスが切れてセルの抵抗が上がってしまうことがある。
これに対し、ニッケル源として針状蓚酸ニッケルを用いると、針状のニッケル粒子が形成されることによって、電極中の縦・横電子伝導パスを確保することができ、電極のオーミック抵抗が小さくなる。また、長期的な使用においても、針状ニッケル粒子は凝集し難く、電子伝導パスを長期間保持することができる。
このような針状蓚酸ニッケルの走査型電子顕微鏡画像を図1に示す。また、図2は、この針状蓚酸ニッケルを熱分解して得られた金属ニッケルの走査型電子顕微鏡画像を示すものであって、これらの画像から明らかなように、針状蓚酸ニッケルは、分解後も針状を保持したニッケル粒子となることが判る。
なお、このような針状蓚酸ニッケルは、例えば、後述するような方法によって得ることができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、具体的には、まず、多孔質金属基板上に蓚酸ニッケルを分散させた状態で加熱してニッケル粒子とし、このニッケル粒子を含む燃料極を形成する。そして、この上に、電解質及び空気極を順次積層するようになすことができる。
燃料極は、ニッケルだけでも機能するが、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)に代表される酸素イオン伝導体を混合させることによって、反応エリアが増し、電極性能を向上させることができる。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法においては、多孔質金属基板上に、蓚酸ニッケルを含むペーストを塗布して、加熱することによって燃料極を形成することもできる。
このとき、電極性能に関する上記観点から、蓚酸ニッケルと共に、酸素イオン伝導体、例えば上記したYSZや、SDC(サマリアドープトセリア)、GDC(ガリアドープトセリア)などが含まれたペーストを用いることが望ましい。
さらに、多孔質金属基板に蓚酸ニッケルを含むスラリーを含浸させて加熱し、燃料極を形成するようになすことや、多孔質金属基板上に、上記のような酸素イオン伝導体から成る多孔質膜を形成し、この多孔質膜に蓚酸ニッケルを含むスラリーを含浸させて加熱することによって燃料極を形成することもできる。
なお、ここで言うスラリーとは、蓚酸ニッケルと有機溶剤との混合液であって、有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール類、グリコール類や、これらの誘導体、エステル類、ケトンなどを用いることができる。
そして、本発明の製造方法においては、空気極及び電解質層を先に形成すること、すなわち、多孔質金属基板上に空気極、次いで電解質を形成した後、蓚酸ニッケルを含むペーストを塗布して加熱することによって、燃料極を形成することも可能である。
本発明の製造方法において、蓚酸ニッケルや、これを含むスラリーやペーストの加熱は、アルゴンなどの不活性雰囲気中において、300〜800℃の温度範囲で行うことが望ましい。
図3は、本発明の製造方法によって作製された固体酸化物形燃料電池の一例を示す断面図であって、本発明の多孔質金属支持型セルの代表例である。
図に示す固体酸化物形燃料電池1は、高孔質金属基板2に支持された燃料極3、電解質4、空気極5を備え、上記金属基板2の上にこの順に形成されており、この例においては、上記電解質4と空気極5の間に中間層6を備えている。
上記高孔質金属基板2は、NiやCrを含有する耐食鋼や合金合金、ステンレス鋼などから成り、多数の孔や空隙を備えた金属、例えば、発泡金属、パンチングメタル、金属メッシュ(金網)、エキスパンドメタル、金属不織布などから形成される。また、必要に応じて、その孔や空隙内にガス透過性と電気伝導性を備えた多孔質材を充填したものを使用することができる。
燃料極3としては、ニッケルだけでも機能するが、上記したように、ニッケル粒子と酸素イオン伝導体を混在させることが望ましく、この例では、YSZ中に、針状蓚酸ニッケルを熱分解させた針状ニッケル7が混合されている。このとき、YSZに替えて、上記したSDCやGDCを用いることが可能であることは言うまでもない。
電解質4の材料としては、例えば、YSZ、SDC、SSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、LSGM(ランタンガレート)などを挙げることができる。
一方、空気極5としては、基本的に、例えばLSCF(La1−xSrCo1−yFe)、SSC(SmSr1−xCoO)、LSM(La1−xSrMnO)などのようなぺロブスカイト系材料が用いられる。
中間層6は、空気極5と電解質4の反応防止のため、必要に応じて設けられる。
例えば、電解質4としてYSZを、空気極としてLSCFを用いる場合、LaとZrは反応して絶縁層を作ってしまうために、例えばSDC、YDC(イットリアドープトセリア)、GDCのようなドープ型セリア系の材料を中間層6として用いることができる。
上記した電解質4や空気極5、中間層6については、スパッタ法やガスでポジション法によって形成することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて、具体的に説明するが、本発明はこのような実施例によって何ら限定されないことは言うまでもない。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を意味するものとする。
実施例1
〔針状蓚酸ニッケルの合成〕
塩化ニッケル6水和物(NiCl・6HO)と蓚酸ナトリウム(Na)を用意し、それぞれを蒸留水に溶解させた。
次に、上記塩化ニッケル水溶液とアンモニア水(28%NH)のを混合したのち、塩酸(HCl)あるいは苛性ソーダ(NaOH)の水溶液を用いて、上記混合溶液と、先に得られた蓚酸ナトリウム水溶液のpH調整(pH=9.5)を行った。
そして、NaOHで蒸留水のpH値を9.5に調整した液中に、pH調整した上記混合溶液と蓚酸ナトリウム水溶液を同時に滴下(温度:363K、滴下速度:1.6dm/s)して、針状の蓚酸ニッケルを生成させ、攪拌によって成長させた(熟成時間:4時間)のち、ろ過した沈殿物を蒸留水で洗浄し、大気中室温で1日乾燥させることによって、針状蓚酸ニッケルを得た。
〔燃料極ペーストの調製〕
上記により得られた針状蓚酸ニッケルに、その含有量が85%となるように、バインダとしてのエチルセルロース(10%)と、分散剤である酢酸ブチルを加えて混合することにより、針状蓚酸ニッケルを含む燃料極ペーストを調製した。
〔燃料電池の作製〕
多孔質金属基板として、厚さ500μm、径30mmのニッケル発泡体(気孔率:70%、平均孔径:50μm)を使用した。そして、この基板状上に上記燃料極ペーストを塗布し、アルゴン雰囲気中で350℃に加熱し、針状蓚酸ニッケルを熱分解させ、燃料極を30μmの厚さに形成した。
次に、上記燃料極の上に、8YSZ(8モルイットリア安定化ジルコニア)から成る電解質層をスパッタ法によって3μmの厚さに形成した。このとき、スパッタガスとして、ガス圧0.2PaのArを使用し、8YSZのターゲットを用いて、300W、400℃で加熱成膜した。
次いで、上記電解質層上に、同様の条件によるスパッタ法により、Sm0.2Ce0.8から成る中間層を2μmの厚さに成膜した。
そして、上記により得られた中間層の上に、La0.7Sr0.3Co0.8Fe0.2から成る空気極を同じくスパッタ法によって10μmの厚さに形成した。このとき、スパッタガスはガス圧0.1PaのArとし、LSCFのターゲットを用いて、300Wのパワーで成膜した。
実施例2
〔燃料極ペーストの調製〕
上記針状蓚酸ニッケルに替えて、高純度蓚酸ニッケル(NiC・2HO)を使用し、これ以外は、上記実施例1に用いた燃料極ペーストの場合と同様の操作を繰り返すことによって、蓚酸ニッケルを含む燃料極ペーストを調製した。
〔燃料電池の作製〕
上記同様のニッケル発泡体を多孔質金属基板として使用し、この上に上記燃料極ペーストを塗布した。そして、アルゴン雰囲気中で350℃に加熱して蓚酸ニッケルを熱分解させ、30μmの厚さの燃料極を形成した。
次いで、上記により得られた燃料極の上に、8YSZから成る電解質層を上記実施例1と同様のスパッタ法によって3μmの厚さに形成した。
次に、上記電解質層上に、同様の条件によるスパッタ法により、Sm0.2Ce0.8から成る中間層を2μmの厚さに成膜した後、その上にLa0.7Sr0.3Co0.8Fe0.2から成る空気極を上記実施例1と同様の条件のスパッタ法によって10μmの厚さに形成した。
実施例3
〔燃料電池の作製〕
同様のニッケル発泡体を多孔質金属基板として使用し、この上に上記実施例2で調製したものと同様の燃料極ペーストを塗布した。そして、アルゴン雰囲気中で800℃に加熱して蓚酸ニッケルを熱分解させ、30μmの厚さの燃料極を形成した。
次いで、上記により得られた燃料極の上に、8YSZから成る電解質層を同様のスパッタ法によって3μmの厚さに形成した。
次に、上記電解質層上に、同様の条件によるスパッタ法により、実施例2と同様の中間層を2μmの厚さに成膜した後、その上に実施例2と同様のから成る空気極を同様の条件のスパッタ法によって10μmの厚さに形成した。
実施例4
〔燃料電池の作製〕
多孔質金属基板として、厚さ400μm、径30mmのステンレス鋼金網(開口径:20μm、気孔率:80%)を使用し、この上に、実施例1で用いた針状蓚酸ニッケルを含む燃料極ペーストを塗布し、大気中、350℃で焼結した。次いで、この全面上に、有機溶剤中に70%のYSZを含むスラリーを滴下して含浸させた上で100℃で30分間乾燥する操作を10回繰り返したのち、500℃で焼結することによって、上記基板上に針状の酸化ニッケル粒子とYSZを含む燃料極を形成した。
次に、上記燃料極の上に、8YSZから成る電解質層をスパッタ法によって3μmの厚さに形成した。このとき、ガス圧0.2PaのArをスパッタガスとし、8YSZのターゲットを用いて、300W、500℃で加熱成膜した。
そして、上記電解質層上に、同様の条件によるスパッタ法により、Sm0.2Ce0.8から成る中間層を2μmの厚さに成膜した後、その上に、La0.7Sr0.3Co0.8Fe0.2から成る空気極を同じくスパッタ法によって10μmの厚さに形成した。このときの成膜条件は、上記実施例と同様である。
実施例5
〔燃料電池の作製〕
多孔質金属基板として、Fe−Cr−Al合金の繊維から成る厚さ250μm、径30mmの焼結体(気孔率:70%、平均孔径:50ミクロン)を使用した。
そして、上記した方法によって合成した針状蓚酸ニッケルを有機溶剤中に70%含むスラリーを含浸させた後、アルゴン雰囲気中、350℃で熱分解させることによって燃料極を形成した。なお、スラリーの含浸は、上記基板をスラリー中に投入した後、引き出して乾燥させる操作を都合10回繰り返すことによって行った。
次に、粒径1μmの原料粉によるガスデポジション法によって、8YSZから成る電解質層を5μmの厚さに形成したのち、この上に、同じく1μmの原料粉を用いたガスデポジション法によってSDC(Sm0.2Ce0.8)から成る中間層を3μmの厚さに形成した。
そして、上記中間層の上に、LSCF(La0.7Sr0.3Co0.8Fe0.2)ら成る空気極を同様のガスデポジション法によって10μmの厚さに形成した。
実施例6
〔燃料極ペーストの調製〕
上記方法によって合成した針状蓚酸ニッケルと8YSZとが7:3の質量比となるように配合し、さらにバインダとしてのエチルセルロースと、分散剤である酢酸ブチルを加えて混合することにより、針状蓚酸ニッケルとYSZ(酸素イオン伝導体)を含む燃料極ペーストを調製した。
〔燃料電池の作製〕
多孔質金属基板として、厚さ300μm、径30mmのステンレス鋼製エキスパンドメタル(目開き形状:100×60μm、気孔率:80%)を使用し、この基板状上に上記燃料極ペーストを塗布して、Ar中、550℃で焼結し、針状ニッケルと8YSZを含む燃料極を40μmの厚さに形成した。
そして、この燃料極の上に、スパッタ法によって、8YSZから成る電解質層、SDCから成る中間層及びLSCFから成る空気極をこの順序に成膜した。なお、これらの成膜方法については、上記実施例1の場合と同様の条件を採用した。
実施例7
〔YSZペーストの調製〕
YSZと、エチルセルロース(バインダ)と、酢酸ブチル(分散剤)とを混合することによって、酸素イオン伝導体としてYSZを含むペーストを調製した。
〔燃料電池の作製〕
多孔質金属基板として、厚さ400μm、径30mmのステンレス鋼金網(開口径:20μm、気孔率:80%)を使用し、この基板状上に、上記YSZペーストを塗布した後、600℃で焼結して分散剤及びバインダを除去し、YSZの多孔質膜を形成した。
次に、この多孔質膜の上に、有機溶剤中に70%の針状蓚酸ニッケルを含むスラリーを滴下して含浸させたのち、100℃で30分間乾燥する操作を10回繰り返した上で、400℃で焼結することによって、上記基板上に針状のニッケル粒子とYSZを含む燃料極を形成した。
そして、当該燃料極上に、上記実施例1の場合と同様のスパッタ法によって、8YSZから成る電解質層、SDCから成る中間層及びLSCFから成る空気極をこの順序に成膜した。
実施例8
〔空気極ペーストの調製〕
LSCF(La0.7Sr0.3Co0.8Fe0.2)に、エチルセルロース(バインダ)と酢酸ブチル(分散剤)とを加えて混合し、上記LSCFを85%含有する空気極ペーストを調製した。
〔燃料電池の作製〕
多孔質金属基板として、厚さ400μm、径30mmの上記ステンレス鋼金網を使用し、この基板状上に、上記空気極ペーストを塗布した後、大気中、800℃で焼結して、空気極を40μmの厚さに形成した。
次に、この空気極上に、上記実施例1の場合と同様のスパッタ法によって、SDCから成る中間層、続いて8YSZから成る電解質層をそれぞれ成膜した。
そして、この電解質層の上に、上記実施例5で調整した針状蓚酸ニッケルとYSZを含む燃料極ペーストを塗布し、Ar中で350℃に加熱し、針状蓚酸ニッケルを熱分解させて燃料極を形成した。
1 固体酸化物形燃料電池
2 多孔質金属基板
3 燃料極
4 電解質
5 空気極
7 針状ニッケル(ニッケル粒子)

Claims (9)

  1. 多孔質金属基板上に分散した蓚酸ニッケルを加熱してニッケル粒子となし、該ニッケル粒子を含む燃料極を形成し、次いで電解質及び空気極を順次積層することを特徴とする固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  2. 多孔質金属基板上に蓚酸ニッケルを含むペーストを塗布した状態で加熱して燃料極を形成し、次いで電解質及び空気極を順次積層することを特徴とする固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  3. 上記ペーストが蓚酸ニッケルと共に酸素イオン伝導体を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  4. 多孔質金属基板に蓚酸ニッケルを含むスラリーを含浸させた状態で加熱して燃料極を形成し、次いで電解質及び空気極を順次積層することを特徴とする固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  5. 多孔質金属基板上に酸素イオン伝導体から成る多孔質膜を形成した後、当該多孔質膜に蓚酸ニッケルを含むスラリーを含浸させた状態で加熱して燃料極を形成し、次いで電解質及び空気極を順次積層することを特徴とする固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  6. 多孔質金属基板上に空気極、次いで電解質を形成した後、蓚酸ニッケルを含むペーストを塗布した状態で加熱して燃料極を形成することを特徴とする固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  7. 加熱温度が800℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  8. 上記蓚酸ニッケルが針状をなしていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の方法により製造されたことを特徴とする固体酸化物型燃料電池。
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