JP5596859B2 - 回折光学素子 - Google Patents
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Description
本願は回折光学素子に関し、異なる2つ以上の部材によって構成される回折光学素子に関する。
回折光学素子は、ガラスや樹脂等の光学材料からなる基体に光を回折させる回折格子が設けられた構造を備える。回折光学素子は、撮像装置や光学記録装置を含む種々の光学的機器の光学系に用いられており、たとえば、特定次数の回折光を1点に集めるように設計されたレンズや、空間ローパスフィルタ、偏光ホログラム等が知られている。
回折光学素子は、光学系をコンパクトにできるという特長を有する。また、屈折とは逆に長波長の光ほど大きく回折することから、回折光学素子と屈折を利用する通常の光学素子とを組み合わせることにより、光学系の色収差や像面湾曲を改善することも可能である。
しかし、回折効率は理論的に光の波長に依存する。このため、特定の波長の光における回折効率が最適となるように回折光学素子を設計すると、その他の波長の光では回折効率が低下するという課題が生じる。たとえば、カメラ用レンズ等白色光を利用する光学系に回折光学素子を用いる場合、この回折効率の波長依存性によって、色むらや不要次数光によるフレアが生じ、回折光学素子だけで適切な光学特性を有する光学系を構成するのは困難である。
このような課題に対して、特許文献1は、光学材料からなり、表面に回折格子が設けられた基体と、基体と異なる光学材料からなり、回折格子を覆う光学調整層とを備えた位相差型の回折光学素子を開示している。
回折光学素子を透過する光の波長をλとし、2種類の光学材料の波長λにおける屈折率をn1(λ)およびn2(λ)とし、回折格子の深さをdとする。屈折率n1(λ)およびn2(λ)とdが以下の式(1)の関係を満たす場合、波長λの光に対するm次回折効率が100%となる。ここで、mは整数であり、回折次数を示す。
したがって、使用する光の波長帯域内において、dがほぼ一定となるような波長依存性を持つ屈折率n1(λ)の光学材料と屈折率n2(λ)の光学材料とを組み合わせることができれば、回折効率の波長依存性を低減することができる。一般的には、屈折率が高く波長分散の低い材料と、屈折率が低く波長分散の高い材料とが組み合わされる。特許文献1は、基体を構成する光学材料としてガラスまたは樹脂を用い、光学調整層を構成する光学材料として紫外線硬化樹脂を用いることを開示している。
特許文献2は、同様の構造を有する位相差型の回折光学素子において、基体を構成する光学材料としてガラスを用い、光学調整層を構成する光学材料としてエネルギー硬化型樹脂を用いることを開示している。特許文献2は、この構造によって、回折効率の波長依存性を低減し、色むらや不要次数光によるフレア発生等を有効に防止できると開示している。
本願発明者が従来の位相差型の回折光学素子の光学特性や耐久性について検討したところ、MTF(Modulation Transfer Function)などの光学性能が十分に得られるように設計された回折光学素子であっても、撮像に用いた場合、色むらが発生することがあることが分かった。また、光学調整層の形成時や熱衝撃試験などの環境試験時において、光学調整層にクラックが入る場合があることが分かった。さらに、従来の回折光学素子では、設計通りの光学性能を得るための、光学調整層の形状についての許容誤差が小さく、高い精度で光学調整層を形成しないと所望の光学性能を有する回折光学素子を得ることが難しいことが分かった。
本願の、限定的ではない例示的な実施形態は、このような従来技術の課題の少なくとも1つを解決する新規な構造を有する回折光学素子を提供する。
本発明の一態様である回折光学素子は、第1光学材料からなり、表面に回折格子を有する基体と、第2光学材料からなり、前記回折格子を覆うように前記基体に設けられた光学調整層とを備え、前記回折格子の先端を通る包絡面は曲面であり、前記光学調整層は、前記包絡面から法線方向に均一な厚さを有する。
本発明の一態様によれば、光学調整層が回折格子の先端を通る包絡面から法線方向に一定の厚さを有しているため、レンズの中心部と周辺部で、光線が通る光学調整層の厚さの差を小さくすることができ、色むらを低減できる。さらに、曲率の大きいレンズを作製した場合でも、レンズ周辺部で光学調整層の厚さが薄くなるという問題がなくなるため、熱衝撃試験などの環境試験を実施した場合に、クラックの発生を防止することができる。また、光学調整層の光軸に垂直な方向へのずれの許容度を増やすことができるため、製造マージンの広い回折光学素子を製造することができる。
本願発明者は、従来の回折光学素子における上述した課題を解決するために、従来の回折光学素子の構造を詳細に検討した。図1(a)は、従来の回折光学素子22の断面構造を模式的に示しており、図1(b)は、光学調整層13の半径方向の厚さの分布を示している。
従来の回折光学素子22は、第1光学材料からなり、表面に回折格子12が設けられた基体11、および、第2光学材料からなり、回折格子12を覆うように設けられた光学調整層13を備えている。回折光学素子22は、一般的には回折格子12による回折作用に加えて、レンズによる集光作用を持たせるため、回折格子12は、レンズとして機能する非球面のベース形状11bを有する基体11に設けられている。このため、回折格子12の先端を通る包絡面14は、ベース形状11bと同じ非球面形状を有している。
光学調整層13は回折格子12の波長依存性を低減させるために設けられるため、通常、光学調整層13の表面形状は、回折格子12の先端の包絡面14と同じ非球面形状に設定して最適化設計が行われる。これは、光学調整層13の上記機能が光学調整層13を構成する第2光学材料によって決まるため、光学調整層13の表面13sの形状を変える必要がなく、むしろ、回折格子12の先端の包絡面14と同じ非球面形状に設定することにより、パラメータを増やさずに、レンズ最適化設計ができるからである。
しかしながら、本願発明者が従来の回折光学素子22の構造等を検討した結果、光学調整層13の表面の形状が回折格子12の先端の包絡面14と同じ非球面形状である場合、以下の課題が生じることが分かった。
光学調整層13の表面の形状と回折格子12の先端の包絡面14とが同じ非球面形状を有する場合、図1(a)、(b)に示すように、回折格子12の輪帯に入り込んだ部分を除くと、光学調整層13は光軸15方向に等しい厚さを有することになる。つまり、光軸15における厚さt5と、半径方向の任意の点における光軸15と平行な方向p4における厚さt4とは等しい。しかし、この場合、回折格子12によって回折した光が、常に光軸に対して平行な角度で光学調整層13に入射するわけではないため、たとえば、曲率半径の小さいレンズであれば、光線が通る距離がレンズの中心では長くなり、周辺に行くにしたがって短くなってしまう。このため、回折光学素子の周辺を透過する光ほど、光路長が短くなる。一方、光学調整層に用いる樹脂材料は、電子遷移吸収により、紫外域により近い短波長側での透過率が低下しやすく、また、透過率は厚さの増加に対して指数関数的に低下する。したがって、レンズの中心部と周辺部で、特に短波長側での透過率に差異が生じる。その結果、従来の回折光学素子22を撮影に用いる場合、撮影した画像に色むらが生じる。
また、光学調整層13の包絡面14の各点における法線方向の厚さが光学調整層13の実質的な厚さとなるが、図2(a)に示すように、中心部における法線方向の厚さt5に比べて、周辺部における法線方向n4の厚さt6は小さくなっている。図2(b)に示すように、光軸15方向の厚さは半径方向のどの位置においても一定であるが、包絡面14の法線方向の厚さは周辺部ほど小さくなる。このため、光学調整層13において、中心部と周辺部とにおける厚さに依存する応力差が発生し、光学調整層13の形成時や熱衝撃試験などの環境試験実施時に、光学調整層13にクラックが入りやすい。
また、基体11のベース形状11bの曲率が大きくなるほど、包絡面14の曲率も大きくなるため、包絡面14の法線方向の厚さt6は周辺部ほど小さくなる。このため、光学調整層13の表面13sの形状の中心の基体11の光軸15に対するずれの許容誤差が小さくなる。この許容誤差を大きくするためには、光学調整層13の光軸15方向への厚さを大きくすることが考えられるが、この場合、上述した色むらの発生が顕著になってしまう。
本願発明者はこのような知見に基づき、新規な構造を有する回折光学素子を想到した。
本発明の一態様の概要は以下のとおりである。
本発明の一態様である回折光学素子は、第1光学材料からなり、表面に回折格子を有する基体と、第2光学材料からなり、前記回折格子を覆うように前記基体に設けられた光学調整層とを備え、前記回折格子の先端を通る包絡面は曲面であり、前記光学調整層は、前記包絡面から法線方向に均一な厚さを有する。
前記光学調整層の表面は非球面形状を有する。
前記第2光学材料は樹脂を含む。
前記第2光学材料はさらに無機粒子を含み、前記無機粒子が前記樹脂中に分散している。
前記第1光学材料の屈折率は前記第2光学材料の屈折率より小さく、前記第1光学材料の屈折率の波長分散性は前記第2光学材料の屈折率の波長分散性より大きい。
前記第1光学材料は他の樹脂を含む。
本発明の一態様に係る回折光学素子は、回折格子を有する基体を覆うように光学調整層が形成されており、光学調整層は、回折格子の先端を通る包絡面の法線方向に均一な膜厚を有している。これにより、製造時の第2光学材料の硬化収縮や熱衝撃試験などの環境試験によって光学調整層に生じる応力によるクラックを防止することができ、さらに色むらも低減できる。
なお、従来の回折光学素子において、光学調整層が、回折格子の先端を通る包絡面の法線方向に均一な厚さを有するように変更するだけでは、回折光学素子のMTF特性は低下してしまう。本実施形態の回折光学素子は、MTF特性の低下を抑制するために、回折光学素子の設計をおこなう際、回折格子の先端を通る包絡面と光学調整層の表面との法線方向の距離が回折光学素子の有効領域内において一定であると設定し、基体の他の面の形状などをパラメータとして、回折光学素子の特性の最適化をおこなうことにより、実用上十分な特性を備えている。以下、本発明の具体的な実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図2(a)は本発明による回折光学素子の実施形態の断面図を示している。回折光学素子21は、基体1および光学調整層3を備えている。基体1は第1光学材料からなり、光学調整層3は第2樹脂を含む第2光学材料からなる。
図2(a)は本発明による回折光学素子の実施形態の断面図を示している。回折光学素子21は、基体1および光学調整層3を備えている。基体1は第1光学材料からなり、光学調整層3は第2樹脂を含む第2光学材料からなる。
基体1の1つの主面には回折格子2が設けられている。基体1と光学調整層3の光学特性や最終的に得られる回折光学素子21の光学設計から、回折格子2の断面形状、配置、ピッチ、深さが決定される。たとえば、回折格子2にレンズ作用を持たせる場合には、鋸歯状の断面形状を有する輪帯を、ピッチがレンズの中心から周辺に向かって小さくなるように連続的に変化させて同心円状に配置させればよい。この場合、基体1のベース形状1b(回折格子2の溝を通る包絡面)は非球面または球面であることが好ましい。これにより、基体1のベース形状による屈折作用と回折格子2の回折作用の最適な組み合わせを実現することができ、色収差や像面湾曲等をバランスよく改善し、高い撮像性能を有するレンズを得ることが可能となる。回折格子2の深さdは、式(1)を用いて決定することができる。
なお、図2(a)においては1つの主面に回折格子2を有する回折光学素子を示しているが、基体1の他の主面にも回折格子2を設けてもよい。また、図2(a)においては、片面が回折格子2を有する凸面、反対面が平面である回折光学素子を示しているが、少なくともいずれかの面に回折格子が形成されていれば、基体1の2つの主面が、両凸面、凸面と凹面、両凹面であっても差し支えない。この場合、回折格子は1つの面のみに形成されていても、両面に形成されていてもよい。両面に回折格子が形成される場合、両面の回折格子の形状、配置、ピッチ、回折格子深さは、回折光学素子に要求される性能を満たすものであれば必ずしも一致させる必要はない。
回折光学素子21の有効領域、つまり、基体1における回折格子2が設けられる領域の直径r1は2.6mm以下であることが好ましい。また、回折格子2の溝を通る包絡面(ベース形状1b)の曲率半径が±1.3mm以下(−1.3mm〜+1.3mmの範囲)であることが好ましい。直径及び曲率半径がこの範囲内にある場合、特に回折格子2の周辺部において、光学調整層3の包絡面からの法線方向への厚みと光軸方向への厚みの差が出やすくなるため、本願発明の構成が効果的となる。
光学調整層3は、回折光学素子21における回折効率の波長依存性を低減する目的で、少なくとも回折格子2の段差を埋めるように基体1の回折格子2が設けられた主面を覆って設けられている。本実施形態では、図2(a)に示すように、光学調整層3は、回折格子2の輪帯に入り込んだ部分を除いて、回折格子2の先端を通る包絡面4に対する法線(n1、n2、n3)方向に均一な厚さt1、t2、t3を有している。つまり、光学調整層3の表面3sと回折格子2の先端を通る包絡面4で規定される厚さが、包絡面4に対する法線(n1、n2、n3)方向に均一である。ここで厚さが均一とは、厚さの設計値からのずれが、光学調整層3の任意の位置において、±2%の範囲内にあることを言う。これにより、熱衝撃試験などの環境試験を実施した場合に、光学調整層3にクラックが入らないように防止でき、さらに撮像画像での色むら低減することができる。
図2(b)は、光学調整層3における、包絡面4の法線方向の厚さおよび光軸5方向の厚さを模式的に示している。光学調整層3の法線方向の厚さは、半径位置に関わらずほぼ一定である。これに対し、光軸5方向の厚さは、半径位置が大きくなるにつれて、大きくなっている。
回折効率の波長依存性を低減するためには、基体1および光学調整層3は、使用する光の全波長領域において式(1)をほぼ満たすことが好ましい。ここで、「ほぼ満たす」とは、具体的には、使用する光の全波長領域において、以下の式(1’)を満たしていることをいう。
このためには、基体1の第1光学材料と光学調整層3の第2光学材料とは、屈折率の波長依存性が逆の傾向を示し、波長に対する屈折率の変化を互いに打ち消し合う特性を備えていることが好ましい。より具体的には、第1光学材料の屈折率は第2光学材料の屈折率より小さく、第1光学材料の屈折率の波長分散性は第2光学材料の屈折率の波長分散性より大きいことが好ましい。また、逆に式(1)を満たしていれば、第1光学材料の屈折率は第2光学材料の屈折率より大きく、第1光学材料の屈折率の波長分散性は第2光学材料の屈折率の波長分散性より小さくてもよい。
屈折率の波長分散性は、たとえば、アッベ数によって表わされる。アッベ数が大きいほど屈折率の波長分散性は小さい。したがって、第1光学材料の屈折率は第2光学材料の屈折率より小さく、かつ、第1光学材料のアッベ数は第2光学材料のアッベ数よりも小さいことが好ましい。
回折格子2の先端を通る包絡面4は、曲面であることが好ましく、具体的には、球面形状または非球面形状であることが好ましい。特に包絡面4が非球面形状を有する場合、球面形状の場合に補正できなかったレンズ収差を補正することが可能になるので好ましい。「非球面形状」の面とは、下記式(2)を満足する曲面である。
ここで、式(2)は、X−Y平面に垂直なZ軸の周りに回転させた場合の非球面を表す式であって、cは中心曲率、A、B、C、Dは2次曲面からのずれを表す係数である。また、Kの値によって、以下のような非球面となる。
0>Kの場合、短径を光軸とする楕円面
−1<K<0の場合、長軸を光軸とする楕円面
K=−1の場合、放物面
K<−1の場合、双曲面
0>Kの場合、短径を光軸とする楕円面
−1<K<0の場合、長軸を光軸とする楕円面
K=−1の場合、放物面
K<−1の場合、双曲面
基体1を構成する第1光学材料は、使用する光の波長帯域あるは設計波長帯域において、十分な透明性を有していることが好ましい。また、第2光学材料との間で式(1)または式(1’)の関係を満たしていることが好ましい。たとえば、光学ガラス、透明セラミックス、光学用透明樹脂などを第1光学材料として用いることができる。その中でも、生産性の観点から、基体1を構成する第1光学材料は樹脂を含むことが好ましい。第1光学材料として樹脂を含む材料を使用するのは、レンズの生産において最も生産性が期待できる金型成形を考えた場合、ガラスを含む材料においては、金型の耐久性が樹脂を含む材料の1/10以下であり、回折格子形状を有する基体1の製造が容易ではないのに対して、樹脂を含む材料は、射出成形等の量産性の高い製造方法を適用することができるからである。また、樹脂を含む材料は金型成形や他の加工法により微細加工を実施することが容易であるため、回折格子2のピッチを小さくすることによって回折光学素子21の性能を向上させたり、回折光学素子21を小型化したりすることができる。さらに、回折光学素子21の軽量化を図ることも可能である。
樹脂としては、一般に光学素子の基体として使用される透光性の樹脂材料の中から、回折光学素子の設計次数での回折効率の波長依存性を低減可能な屈折率特性と波長分散性を有する材料を選択する。第1光学材料は樹脂以外に、屈折率等の光学特性や、熱膨張性等の力学特性を調整するための無機物粒子や、特定の波長領域の電磁波を吸収する染料や顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
光学調整層3を構成する第2光学材料は第2樹脂を含む。第2光学材料として樹脂を含む材料を使用するのも、回折格子2の段差を埋める光学調整層3の成形性が良いからである。さらに成形温度も無機材料と比較すると低温であることから、基体1が第1樹脂を含む第1光学材料より構成される場合においては特に好ましい。さらに生産性の観点から、第2樹脂はエネルギー線硬化樹脂が好ましい。
ここで、樹脂材料は硬化時に収縮が起こり、内部に応力が発生する。内部応力は厚さに反比例するため、硬化した樹脂に厚さの異なる部分が存在すると、内部応力差が発生する。この場合、樹脂の硬化時、または、熱衝撃試験など樹脂の温度が急激に大きく変化する環境において、樹脂の薄い部分に応力が集中し、クラックが生じやすい。本実施形態の回折光学素子21によれば、光学調整層3の機械的な厚さである、包絡面に対する法線方向の厚さが均一であるため、樹脂の硬化時および急激な温度変化による内部応力差が増大することが抑制され、光学調整層3にクラックが入るのを抑制することができる。
なお、上述したように、光学調整層3の厚さを法線方向に一定とすることによる、回折光学素子21全体のMTF特性の低下を抑制するために、回折光学素子21を設計する際、光学調整層3の、包絡面に対する法線方向の厚さ以外のパラメータをレンズ設計ソフトで最適化することが好ましい。最適化されるパラメータとしては、基体1のベース形状1bを規定するパラメータ、基体1の回折格子が設けられていない主面の非球面形状などが挙げられる。
回折光学素子21はたとえば以下の方法によって作製することができる。作製方法は成型、切削、研削、光造形などが使用できる。特に第2光学材料が樹脂を含む場合は、射出成型をおこなうことにより、高い生産性で回折光学素子21を作製できる。
まず、図3(a)に示すように、まず基体1を構成する第1光学材料を用いて、回折格子2が設けられた基体1を作製する。上述したように、射出成型を用いて基体1を作製すれば、生産性が高められる。
次に図3(b)に示すように、ディスペンサ17などを用いて、第2光学材料の原料23’を基体1の回折格子2上に配置する。その後、図3(c)に示すように、第2光学材料の原料23’の上から型18を第2光学材料の原料23’に押し当てて、光学調整層3の形状に成型する。型18の表面18sは、光学調整層3の表面3sに対応する形状を有しており、型18の表面18sと基体1とで挟まれる空間18iが、光学調整層23の形状を規定する。
第2光学材料が紫外線硬化樹脂を含む場合、基体1の裏面から、あるいは透光性の型18を使用する場合は型を介して紫外線を照射することにより、第2光学材料を硬化させる。硬化した光学調整層23が設けられた基体1を金型から分離することにより、回折光学素子21が得られる。
型18と基体1との、光軸に垂直な方向への位置合せは、型の構造や光学調整層3の表面3s(曲面の曲率)、回折光学素子に要求される光学的特性に依存する。回折光学素子の直径が1〜2mm程度である場合、上述の位置合せの精度は、10μm以下であることが好ましい。
このように本実施形態の回折光学素子によれば、光学調整層が、回折格子の先端の包絡面の法線方向に均一な厚さを有するため、熱衝撃試験などの環境試験でクラックが入らず、さらに撮像画像での色むらの少ない回折光学素子を得ることができる。さらに、光学調整層の光軸に垂直な方向へのずれの許容度も大きくすることができ、製造マージンの広い回折光学素子を提供することができる。
(第2の実施形態)
本発明による回折光学素子の第2の実施形態を説明する。図4は回折光学素子121の断面を模式的に示している。回折光学素子121は、光学調整層3’を構成する第2光学材料として、第2樹脂7に無機粒子6が分散したコンポジット材料を用いる点で第1の実施形態と異なる。このようなコンポジット材料を光学調整層に用いる回折光学素子を本願出願人は国際公開第07/026597号において提案している。
本発明による回折光学素子の第2の実施形態を説明する。図4は回折光学素子121の断面を模式的に示している。回折光学素子121は、光学調整層3’を構成する第2光学材料として、第2樹脂7に無機粒子6が分散したコンポジット材料を用いる点で第1の実施形態と異なる。このようなコンポジット材料を光学調整層に用いる回折光学素子を本願出願人は国際公開第07/026597号において提案している。
第2樹脂7に無機粒子6が分散したコンポジット材料を用いることにより、第2光学材料の屈折率およびアッベ数を調整することが可能となる。したがって、調整した適切な屈折率およびアッベ数を有する第2光学材料を光学調整層3’に用いることにより、回折光学素子121の波長帯域における回折効率を改善することができる。
また、屈折率の高い無機粒子6を第2樹脂7に分散させることにより、樹脂単体では達成し得ない高い屈折率を第2光学材料は有することができる。このため、第1光学材料と第2光学材料との屈折率差を拡大することができ、式(1)および式(1’)から明らかなように、回折格子2の深さを低減することが可能となる。この結果、基体1を成形により作製する場合、回折格子2の転写性が改善する。また、回折格子2の段差を浅くできるため、段差の間隔を狭くしても転写が容易となる。したがって、回折格子2の狭ピッチ化による回折性能の向上を図ることができる。さらに、第2樹脂にも様々な物性を有する材料を使用することが可能となり、光学以外の特性と両立させることもより容易となる。
一般に無機粒子6は樹脂より高屈折率であることが多い。このため、基体1に第1樹脂を含む第1光学材料を用い、光学調整層3’として、第2樹脂7に無機粒子6が分散した第2光学材料を用いる場合、第2光学材料は、第1光学材料よりも高屈折率低波長分散性を示すように調整することが、無機粒子6として選択し得る材料が多くなるため好ましい。言い換えれば、第1光学材料は第2光学材料よりも低屈折率高波長分散性であることが好ましい。
コンポジット材料である第2光学材料の屈折率は、第2樹脂7および無機粒子6の屈折率から、たとえば下記式(3)にて表されるマックスウェル−ガーネット理論により推定できる。
式(3)において、nCOMλはある特定波長λにおける第2光学材料の平均屈折率であり、npλ、nmλはそれぞれこの波長λにおける無機粒子および第2樹脂の屈折率である。Pは、第2光学材料全体に対する無機粒子の体積比である。式(2)において、波長λとしてフラウンホーファーのD線(589.2nm)F線(486.1nm)C線(656.3nm)における屈折率をそれぞれ推定することにより、さらにコンポジット材料のアッベ数を推定することも可能である。逆にこの理論に基づく推定から、第2樹脂と無機粒子との混合比を決めてもよい。
なお、式(3)において、無機粒子6が光を吸収する場合や無機粒子6が金属を含む場合には、式(3)の屈折率を複素屈折率として計算する。式(3)はnpλ≧nmλの場合に成立する式であり、npλ<nmλの場合は以下の式(4)を用いて屈折率を推定する。
上述したように、光学調整層3’としてコンポジット材料からなる第2光学材料を用いる場合、第2光学材料は第1光学材料よりも高い屈折率を有し、かつ、第1光学材料よりも低い波長分散性を有することが必要である。このため、第2樹脂に分散させる無機粒子6も、低波長分散性、すなわち高アッベ数の材料を主成分とすることが好ましい。たとえば、酸化ジルコニウム(アッベ数:35)、酸化イットリウム(アッベ数:34)、酸化ランタン(アッベ数:35)、酸化ハフニウム(アッベ数32)、酸化スカンジウム(アッベ数:27)、アルミナ(アッベ数:76)およびシリカ(アッベ数:68)からなる群より選ばれる少なくとも1つの酸化物を主成分とすることが特に好ましい。また、これらの複合酸化物を用いてもよい。回折光学素子121が用いられる光の波長帯域において、式(1)または式(1’)を満たす限り、さらにこれらの無機粒子に加えて、たとえば酸化チタンや酸化亜鉛等に代表される高屈折率を示す無機粒子等を共存させてもよい。
無機粒子6の実効粒径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。実効粒径が100nm以下であることにより、レイリー散乱による損失を低減させ、光学調整層3’の透明性を高くすることができる。また、実効粒径を1nm以上とすることにより、量子効果による発光等の影響を抑制することができる。第2光学材料は、必要に応じて、無機粒子の分散性を改善する分散剤や、重合開始剤、レベリング剤等の添加剤をさらに含んでいてもよい。
ここで実効粒径について図5を参照しながら説明する。図5において、横軸は無機物粒子の粒径を表し、左側の縦軸は横軸の粒径に対する無機粒子の頻度を示す。また、右側の縦軸は粒径の累積頻度を表している。実効粒径とは、無機物粒子全体のうち、その粒径頻度分布において、累積頻度が50%となる粒径を中心粒径(メジアン径:d50)とし、その中心粒径を中心として累積頻度が50%の範囲Aにある粒径範囲Bのことを指す。したがって、無機粒子6のこのように定義される実効粒径の範囲が1nm以上100nm以下の範囲内であることが好ましい。実効粒径の値を精度よく求めるためには、たとえば、200個以上の無機物粒子を測定することが好ましい。
光学調整層3’としてコンポジット材料からなる第2光学材料を用いた場合、回折格子2の段差を浅くすることができ、回折格子2を覆うように形成すべき光学調整層3’も薄くすることができる。これにより、無機粒子6による光学調整層3’内のレイリー散乱が減少し、光学的損失のより少ない回折光学素子22が実現できる。
第2光学材料として無機粒子が分散したコンポジット材料を用いる場合、樹脂成分が減少することから、靭性が低下し、内部応力差が発生した場合にクラックが発生しやすくなる。本実施形態のように、光学調整層の形状を回折格子の先端を通る包絡面から法線方向に一定の厚さにして内部応力差が少なくなるような構成とすることで、熱衝撃試験などの環境試験を行った場合にクラックを防止することが可能となる。
なお、上記第1および第2の実施形態の回折光学素子21、121において、光学調整層3、3’の表面にさらに反射防止層を設けてもよい。反射防止層は、光学調整層3、3’より屈折率が低い材料の膜からなる単層構造、あるいは、光学調整層3、3’より屈折率が低い材料の膜と高い材料の膜による多層構造を有する。反射防止層に用いる材料としては、たとえば、樹脂、樹脂と無機粒子とのコンポジット材料、あるいは真空蒸着、スパッタリング、CVD法等にて形成された無機薄膜等が挙げられる。反射防止層としてコンポジット材料を用いる場合には、無機物粒子として、屈折率の低いシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等を用いることができる。
また、回折光学素子21、121は、光学調整層3、3’の表面にナノ構造の反射防止形状を有していてもよい。ナノ構造の反射防止形状は、たとえば型による転写工法(ナノインプリント)によって容易に形成することができる。
さらに、回折光学素子21、121は、光学調整層3、3’または反射防止層の表面に、耐摩擦性、熱膨張性等の力学特性を調整する作用を有する表面層を別途備えていてもよい。
以下に、本発明の実施形態による回折光学素子を作製し、特性を評価した結果を具体的に説明する。
(実施例1)
図2(a)に示す構造を備えた回折光学素子を次の方法により作製した。回折光学素子21はレンズ作用を有し、1次回折光を利用するように設計されている。この点は以下の実施例についても同様である。
図2(a)に示す構造を備えた回折光学素子を次の方法により作製した。回折光学素子21はレンズ作用を有し、1次回折光を利用するように設計されている。この点は以下の実施例についても同様である。
まず基体1を構成する第1光学材料の第1樹脂として、ポリカーボネート樹脂(d線屈折率1.585、アッベ数28)を射出成形することにより、回折格子2の先端の包絡面4が非球面形状であり、深さ39μmの輪帯状を有する回折格子2が片面に設けられた基体1を作製した。レンズ部の有効半径は1.445mmであり、輪帯数は24本であり、最小輪帯ピッチは30μmであり、回折面の近軸R〔曲率半径〕は−1.0144mmである。また、この回折光学素子の焦点距離は1.109mmである。
次に光学調整層3の第2樹脂の原料として、アクリレート樹脂(d線屈折率1.600、アッベ数33)を基体1上にディスペンサを用いて2.8μL滴下し、金型(ステンレス系合金表面にニッケルめっき膜形成)を原料に押し当て、基体1の裏面(コンポジット材料を滴下した面と反対の面)から、紫外線照射(照度107mW/cm2、積算光量3000mJ/cm2)を実施し、アクリレート樹脂を硬化させた後、金型から離型し光学調整層3として形成した。なお、光学調整層3の表面形状は、回折格子2の先端の包絡面形状に沿った非球面形状から法線方向に厚さ15μmとなるように形成した。
温度変化による熱ストレスに対する耐性を評価するため、冷熱衝撃試験を実施した。具体的には、回折光学素子21を冷熱衝撃装置(エスペックエンジニアリング製、TSE−11−A)に入れ、−40℃から85℃の冷熱衝撃を各30分間、100サイクル実施した。
(実施例2)
図4(a)に示す構造を備えた回折光学素子を、次の方法により作製した。
図4(a)に示す構造を備えた回折光学素子を、次の方法により作製した。
まず、実施例1に使用したポリカーボネート樹脂(d線屈折率1.585、アッベ数28)を射出成形することにより、回折格子の先端の包絡面が非球面形状となるような、深さdが15μmの輪帯状回折格子2を片面に有する基体1を作製した。レンズ部有効半径は1.445mm、輪帯数は69本、最小輪帯ピッチ16μm、回折面の近軸R(曲率半径)は−1.0144mmである。
次に、光学調整層3’の原料となるコンポジット材料を次のように調製した。第2樹脂7として、アクリレート樹脂A(d線屈折率1.529、アッベ数50)と、エポキシアクリレート樹脂D(d線屈折率1.569、アッベ数35)を重量比3:1の割合で混合したもの用いた。この混合物に、2−プロパノール(IPA)を溶媒として添加し、IPAを除いた全固形分中における重量比が56重量%となるように、実効粒径が6nmの酸化ジルコニウム(d線屈折率2.10、アッベ数:35)を混合物に分散させた。
このコンポジット材料の乾燥・硬化後の光学特性は、d線屈折率1.623、アッベ数43、波長400〜700nmにおける光線透過率90%以上(膜厚30μm)である。
このコンポジット材料を、基体1上にディスペンサを用いて2.4μL滴下し、真空乾燥機にて乾燥(25℃、真空乾燥機の内圧1300Pa、24時間)させた後、金型(ステンレス系合金表面にニッケルめっき膜形成)に設置し、基体1の裏面(コンポジット材料を滴下した面と反対の面)から、紫外線照射(照度107mW/cm2、積算光量9000mJ/cm2)を実施してアクリレート樹脂を硬化させた後、金型から離型し光学調整層3’として形成した。なお、光学調整層3’の表面形状は、回折格子2の先端の包絡面形状に沿った非球面形状から法線方向に厚さ15μmとなるように形成した。
この回折光学素子を用いて、実施例1と同様の冷熱衝撃試験を行った。
(比較例1)
比較例として、実施例2と同じ構造を備えた回折光学素子を、実施例2と同様の方法により作製した。実施例2と異なる点は、光学調整層の形状は、回折格子の先端の包絡面と同一の非球面形状にして作製した点である。
比較例として、実施例2と同じ構造を備えた回折光学素子を、実施例2と同様の方法により作製した。実施例2と異なる点は、光学調整層の形状は、回折格子の先端の包絡面と同一の非球面形状にして作製した点である。
この回折光学素子のMTF特性は、実施例1の回折光学素子のMTFと同等であった。この回折光学素子を用いて、実施例1と同様の冷熱衝撃試験を行った。
実施例1、2および比較例1の特徴および試験結果を以下の表に示す。
表1に示すように、実施例1、2の回折光学素子および比較例1の回折光学素子において、回折の近軸Rおよび焦点距離は互いに等しく、実施例1、2の回折光学素子および比較例1の回折光学素子はほぼ同じ光学特性を有することが分かる。また、これらのMTF特性を測定したところ、いずれもほぼ同等であった。
一方、実施例1、2の回折光学素子では、光学調整層の法線方向の厚さは、いずれの半径位置においても等しく15μmであったが、比較例1の回折光学素子では、光学調整層の法線方向の厚さは、中心部が15μmであり、半径位置が大きくなるに従い、薄くなり、周辺部では5μmであった。
光学調整層がこのような厚さを有することにより、実施例1、2の回折光学素子では、光学調整層の基体に対する光軸に垂直な方向への偏芯許容度(許容誤差)は、15μmであるのに対し、比較例1の回折光学素子では、5μmとなる。
また、冷熱衝撃試験において、実施例1、2の回折光学素子にはクラックの発生は見られなかったが、比較例1の回折光学素子にはクラックが発生していた。
これらの結果から、実施例の回折光学素子は、光学特性の低下を抑制しつつ、クラックの発生を抑制することができ、また、製造時における許容誤差を大きくすることができることが分かった。
本願に開示された回折光学素子は、種々の光学系に好適に用いることが可能であり、たとえばカメラのレンズ、空間ローパスフィルタ、偏光ホログラム等として好適に用いることができる。
1、11 基体
2、12 回折格子
3、3’、13 光学調整層
4、14 包絡面
5、15 光軸
6 無機粒子
7 第2樹脂
17 ディスペンサ
18 型
21、22、121 回折光学素子
2、12 回折格子
3、3’、13 光学調整層
4、14 包絡面
5、15 光軸
6 無機粒子
7 第2樹脂
17 ディスペンサ
18 型
21、22、121 回折光学素子
Claims (6)
- 第1光学材料からなり、表面に回折格子を有する基体と、
第2光学材料からなり、前記回折格子を覆うように前記基体に設けられた光学調整層とを備え、
前記回折格子の先端を通る包絡面は非球面形状を有し、
前記回折格子において前記回折格子の先端を通る包絡面と前記回折格子の溝を通る包絡面との間隔は光軸方向に一定であり、
前記光学調整層は、前記回折格子の先端を通る包絡面から法線方向に均一な厚さを有する回折光学素子。 - 前記光学調整層の表面は、前記回折格子の先端を通る包絡面が有する非球面形状とは異なる非球面形状を有する請求項1に記載の回折光学素子。
- 前記第2光学材料は樹脂を含む請求項1に記載の回折光学素子。
- 前記第2光学材料はさらに無機粒子を含み、前記無機粒子が前記樹脂中に分散している請求項3に記載の回折光学素子。
- 前記第1光学材料の屈折率は前記第2光学材料の屈折率より小さく、前記第1光学材料の屈折率の波長分散性は前記第2光学材料の屈折率の波長分散性より大きい請求項1に記載の回折光学素子。
- 前記第1光学材料は他の樹脂を含む請求項1に記載の回折光学素子。
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