JP5596533B2 - 更生タイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
また、加硫缶を用いず、加硫エンベロープ内の圧力を制御して台タイヤとクッショクゴムを密着させながら加硫を行う方法も提案されている(例えば特許文献1)。
図3(a)に示すように、プレキュアトレッド3のジョイント部Jに接着剤としてのクッションゴム2を挟み、加硫エンベロープ4をタイヤに被せた後、タイヤを加硫缶5に入れて圧力Pで加硫を行なう。このとき、エンベロープ4は溝3aの内面に密着していないので、溝3aの内面には圧力Pがかかっていない。それゆえ、クッションゴム2が加硫されると、図3(b)に示すように、クッションゴム2の一部2pは溝3a内に押し出され、溝3aを一部塞いでしまう。
このように、ジョイント部Jの溝3aの内部に押し出し部2pが形成されると、タイヤの外観を損なうだけでなく、溝の形状によって達成するはずのノイズ低減効果および排水性能などの所期した性能を発揮できないおそれがあった。
この技術により、ジョイント部の溝の形状を所期した通りに形成できるので、所望のトレッドパターンを形成し、所期した性能を達成する更生タイヤの製造方法を提供することができる。
そこで、本発明は、上記した特願2009−182542号明細書に提案の更生タイヤの製造方法の生産効率を向上することを目的とする。
(1)台タイヤのクラウン部に未加硫のクッションゴムを介して加硫済みのプレキュアトレッドを巻回して配設し成形済みタイヤを形成した後、該成形済みタイヤに加硫処理を施すことによって前記プレキュアトレッドを前記台タイヤに加硫接着する更生タイヤの製造方法において、
前記プレキュアトレッドの周方向端部同士を、未加硫のクッションゴムを介して接続し、
前記プレキュアトレッドを覆う空気透過可能な空気透過部と、前記空気透過部に設けた、前記接続部に含まれる溝の形状に嵌合する凸部と、を有する詰め部材を、前記凸部を当該接続部に含まれる溝に嵌合させて配置し、
前記詰め部材を覆う加硫エンベロープを被せた後加硫処理を施す、
ことを特徴とする更生タイヤの製造方法。
前記接続部以外における前記空気透過部のタイヤ幅方向端部は、トレッド端より幅方向内側に延在する、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の更生タイヤの製造方法。
まず、プレキュアトレッド3のジョイント部(接続部)に接着剤としてのクッションゴム2を挟み、プレキュアトレッド3の周方向端部同士を接続する。図4(a)にジョイント部の断面図を示すように、プレキュアトレッド3に4本の周方向溝に連続する溝3aが形成されている場合を例として説明する。ジョイント部では、プレキュアトレッド3の周方向一端の溝3aと、他端の溝3aとが接続されている。ここで、ジョイント部において、クッションゴム2の一部が溝3a内にはみ出している場合、このはみ出したクッションゴムを切り取り、押し込み棒などで溝3aの表面(溝壁および溝底)を平らにする。
次に、図4(b)に示すように、ジョイント部の溝3aの形状に嵌合する、すなわち、溝3aにフィットする凸部10aと、空気透過可能なシート状の空気透過部10bと、を有する詰め部材10を、4つの凸部10aがそれぞれ4本の溝3aに嵌合するように配置する。
次に、図4(c)に示すように、加硫エンベロープ4をタイヤに被せ、加硫缶5に入れて圧力P(6kg/cm2)で加硫を行なう。加硫エンベロープ4は一方のビード部から他方のビード部までの間の全域にわたって配置され、エンベロープシーリングエリア(図中円Bで示す)において、アークシステム6によって担持されている。また、加硫エンベロープ4はバキュームポンプ(図示省略)につながる給排気管4aを有し、加硫エンベロープ4内の圧力を調節することができる。ここで、加硫エンベロープ4をタイヤに被せた後、タイヤに密着するように、給排気管4aを介して、加硫エンベロープ4内の空気を抜く。
溝3aに凸部10aが挿入されているので、加硫エンベロープ4にかかる圧力Pは、凸部10aを介して溝3aの内面にもかかる。それゆえ、加硫時にプレキュアトレッドの陸部3bと同様に溝3aの内面にも圧力をPがかかることとなる。すると、上述したような、クッションゴムが溝3a内に流出して押し出し部を形成するという問題が発生するのを防止することができる。その結果、外観を損なうことがない上、溝3aによってノイズ低減効果および排水性能等の所期した性能を発揮することができる。さらに、溝3a毎に個別に凸部10aを挿入する場合に比べて、本発明の詰め部材10を凸部10aと空気透過部10bとから構成することによって、効率よく溝3a毎に凸10a部を配置することができる。
凸部10aのタイヤ周方向の長さWは、10mm以上30mm以下であることが好ましい。
長さWが10mm未満の場合、ジョイント部Jのクッションゴム2が溝3a内に押し出されるのを十分に防ぐことができないおそれがあり、一方、長さWが30mm超の場合、不必要な凸部が溝3a内に存在するため、加硫時の熱の伝わりが凸部10aによって妨げられるおそれがあるためである。
詰め部材10の空気透過部10bを用いない場合、加硫エンベロープ内の空気を吸引するにつれて、プレキュアトレッドと加硫エンベロープとは密着し始める。このとき、プレキュアトレッドに設けた溝(例えば、ヘルムホルツ型共鳴器のような狭窄溝を介して周方向溝に開口する幅方向溝)を囲む陸部が加硫エンベロープと密着すると、その幅方向溝と加硫エンベロープとが閉空間を形成するため、その幅方向溝内の空気は加硫エンベロープ外に排出されなくなる。すると、加硫エンベロープ内の圧力を所期した程度まで高めることができず、プレキュアトレッドを台タイヤに対して所定の力で押圧することができなくなる。その結果、クッションゴムと台タイヤまたはクッションゴムとプレキュアトレッドとの間に非接着部分が存在するという問題が生ずる。
また、詰め部材10の空気透過部10bを用いない場合、加硫エンベロープの排気口近傍の領域が、プレキュアトレッドに密着すると、やはり、加硫エンベロープ内の空気の吸引を円滑に行えないという問題が生ずる。
そこで、詰め部材10の空気透過部10bをプレキュアトレッドを覆うように配置することによって、加硫エンベロープ内の空気を排気口から円滑に吸引することができる。
例えば、図6にタイヤのトレッドパターンと、溝に嵌合する凸部の一例を示すように、溝3a1に対しては、ジョイント部Jを跨る凸部10a1を設ける。また、ジョイント部Jに接する溝3a2に対しては、ジョイント部Jに接する凸部10a2を設けることが好ましい。なお、ジョイント部Jに開口しない溝3a2に対しては、凸部を設ける必要はない。
例えば、タイヤの外面部にアウターエンベロープを、タイヤの内面部にインナーエンベロープをそれぞれ配置するとともに、これらエンベロープの各両端部を互いに係止することにより内部の気密を保持する加硫エンベロープを用いることもできる。
あるいは、タイヤの外面部にアウターエンベロープを、タイヤの内部に膨張可能なチューブをそれぞれ配置するとともに、該エンベロープの各端部をリムとタイヤの各ビード部との間に挟み込むことによりエンベロープ内部の気密を保持する加硫エンベロープを用いることもできる。
これらの方法は、主に加硫時のタイヤ形状保持のためにタイヤの内面部に圧力を付加する際、かかる内面部に修理箇所があり直接そこに圧力を付加することができない場合に用いられる。
2 クッションゴム
3 プレキュアトレッド
3a 溝
3b 陸部
4 加硫エンベロープ
4a 給排気管
5 加硫缶
6 アークシステム
10 詰め部材
10a 凸部
10b 空気透過部
Claims (3)
- 台タイヤのクラウン部に未加硫のクッションゴムを介して加硫済みのプレキュアトレッドを巻回して配設し成形済みタイヤを形成した後、該成形済みタイヤに加硫処理を施すことによって前記プレキュアトレッドを前記台タイヤに加硫接着する更生タイヤの製造方法において、
前記プレキュアトレッドの周方向端部同士を、未加硫のクッションゴムを介して接続し、
前記プレキュアトレッドを覆う空気透過可能な空気透過部と、前記空気透過部に設けた、前記接続部に含まれる溝の形状に嵌合する凸部と、を有する詰め部材を、前記凸部を当該接続部に含まれる溝に嵌合させて配置し、
前記詰め部材を覆う加硫エンベロープを被せた後加硫処理を施す、
ことを特徴とする更生タイヤの製造方法。 - 前記空気透過部はシート状であることを特徴とする請求項1に記載の更生タイヤの製造方法。
- 前記接続部における前記空気透過部のタイヤ幅方向端部は、トレッド端より幅方向外側に延在し、
前記接続部以外における前記空気透過部のタイヤ幅方向端部は、トレッド端より幅方向内側に延在する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の更生タイヤの製造方法。
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