〔第一の実施形態〕
図1は画像データ送受信システムSY1の全体的な構成の例を示す図、図2は画像処理装置1のハードウェア構成の例を示す図である。
図1に示すように、画像データ送受信システムSY1は、画像処理装置1およびクライアント端末2がネットワークNWに接続されて構成されている。ネットワークNWには、そのほか各種サーバなどの他の情報処理装置が接続される場合もある。
本実施形態では、それぞれの標準時に差のある(時差のある)拠点REG1ないしREG3を有する組織に設けられる画像データ送受信システムSY1を例に説明する。
図1に示すように、クライアント端末2Aは拠点REG1に設置されており、画像処理装置1およびクライアント端末2Bは拠点REG2に設置されており、クライアント端末2Cは拠点REG3に設置されている。これらの装置は、それぞれネットワークNWによって相互に結ばれている。今後、各クライアント端末2を「クライアント端末2A」、「クライアント端末2B」、「クライアント端末2C」と区別して記載することがある。
ネットワークNWは、各拠点内ではLAN(Local Area Network)などによって構築され、各拠点間では専用線またはVPN(Virtual Private Network)などによって構築される。それぞれ、通信プロトコルとしてTCP/IPなどが用いられる。また、ネットワークNWは、ゲートウェイなどを経由してインターネットに接続可能な場合もある。
画像処理装置1は、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、スキャナ、ファックス、ドキュメントサーバなどの様々な機能が集約された装置である。「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれることもある。特に本実施形態では、ドキュメントの画像をスキャンするなどして画像データを生成し、ヘッダおよびフッタなどを付加してファイル化し、ネットワークNWを介してクライアント端末2へ送信することができる。ユーザ(組織に属する者)は、画像データの送信先として、クライアント端末2A〜2Cの中から1台または複数台を任意に選択することができる。なお、画像ファイルは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、GIF(Graphics Interchange Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、PDF(Portable Document Format)などのファイル形式で生成され送信される。
図2に示すように、画像処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、制御用回路10e、操作パネル10f、ネットワークインタフェース10g、スキャナ10h、FAXモデム10i、印刷装置10j、および時計装置10kなどによって構成される。
CPU10aは、ROM10cまたは補助記憶装置10dに格納されているプログラムおよびデータのほか外部から必要に応じて入力される種々のデータに基づいて、RAM10bをワークエリアとして演算処理を実行する。
補助記憶装置10dは、電源を切ってもその記憶内容が保持される不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置10dとして、フラッシュメモリなどの半導体メモリまたはハードディスクなどの磁気記憶装置などが用いられる。補助記憶装置10dには、画像ファイル、画像ファイルの属性情報(ファイル情報)、画像処理装置1に登録されたユーザに関する情報、画像ファイルの生成および送信の処理の条件、画像処理装置1に設定された名称およびIPアドレスなどの種々のデータおよび設定に関する情報が記憶される。
また、補助記憶装置10dには、CPU10aに実行させるプログラムおよびデータが記憶されることもある。この場合は、プログラムおよびデータは、必要に応じてRAM10bにロードされる。
また、補助記憶装置10dには、後述するファイル管理システムの機能によって「ボックス(BOX)」と呼ばれる記憶領域が割り当てられる。これは、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当するものであり、ドキュメントなどの画像ファイルをユーザまたはグループごとに保存し管理するための記憶領域である。
制御用回路10eは、補助記憶装置10d、操作パネル10f、ネットワークインタフェース10g、スキャナ10h、FAXモデム10i、印刷装置10j、および時計装置10kなどを制御するための回路である。なお、制御用回路10eの機能の一部または全部をCPU10aに受け持たせるようにしてもよい。
操作パネル10fは、タッチパネルおよびテンキーなどによって構成される。タッチパネルには、ユーザに対してメッセージを与えるための画面、ユーザに対して処理結果を示すための画面、およびユーザが処理の指示入力をするための画面などが表示される。ユーザは、タッチパネルに表示される操作ボタンまたはテンキーを操作することによって、画像処理装置1に対して、画像ファイルの生成および送信を指示したり、送信すべき画像ファイルを選択したり、送信先のクライアント端末2(または、そのクライアント端末2を使用するユーザ)を選択したり、生成および送信の処理の条件を設定したりすることができる。
ネットワークインタフェース10gは、ネットワークNWに接続されている他の情報処理装置とTCP/IPなどの通信プロトコルによって通信を行うためのインタフェースである。ネットワークインタフェース10gとして、NIC(Network Interface Card)などが用いられる。
スキャナ10hは、原稿に記されている文字、写真、絵、図表などのドキュメントの画像を光学的に読み取って画像データを生成するための装置である。
FAXモデム10iは、公衆回線網を介して他のFAX端末とFAXプロトコルによって通信を行うための装置である。
印刷装置10jは、スキャナ10hによって生成された画像データがファイル化された画像ファイル、補助記憶装置10d内のボックスに保存されている画像ファイル、ネットワークNWに接続されている他の情報処理装置から受信した画像ファイル、または他のFAX端末から受信したデータにより生成された画像ファイルなどに基づいて画像を用紙に印刷するための装置である。
時計装置10kは、画像処理装置1本体の電源を切っている間も内蔵電池などから電源の供給を受けて現在の日時(現在日時)を計時し続けるための回路である。「内蔵時計」または「リアルタイムクロック」などと呼ばれることもある。
図3は画像処理装置1の機能的構成の例を示すブロック図である。
画像処理装置1のROM10cには、図3に示すような、ユーザ情報管理部101、ユーザ認証部102、ユーザ設定日時取得部103、ユーザ間時差算出部104、画像ファイル取得部105、送信先情報作成部106、および画像ファイル送信部107などの各機能部を実現するためのプログラムが格納されており、CPU10aによって実行される。または、それらのプログラムの一部または全部が補助記憶装置10dに格納されていてもよい。その場合は必要に応じてRAM10bに読み出されて実行される。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、そのほかファイル管理システムの機能を実現するためのプログラムが記憶されている。ファイル管理システムの機能によると、補助記憶装置10dを制御してそれらに記憶されるデータを論理的に管理することができる。例えば、補助記憶装置10d内に階層構造のファイルまたはボックスを作成したり、それらを移動または削除したり、それらの属性情報(ファイル情報)を作成したりすることができる。
なお、図3に示す各部の機能およびそのほかの機能の一部または全部が回路で実現されていてもよい。
図1に戻って、クライアント端末2は、現在の日時(現在日時)の計時、ファイル管理、静止画の再生または編集、およびネットワークを介したデータの送受信などの機能を備えた装置である。クライアント端末2として、パーソナルコンピュータなどが用いられる。特に本実施形態では、計時している現在日時を画像処理装置1へ送信したり、画像処理装置1からJPEG、GIF、TIFF、PDFなどの画像ファイルを受信したり、それらを保存し管理したり、それらを再生しまたは編集したりすることができる。クライアント端末2は、そのほか、文書作成、表計算、インターネットサイトの閲覧、メールの送受信、および動画の再生または編集などの機能を備える場合もある。クライアント端末2として、据置型(固定型)のものと携帯型(可搬型)のものとがある。
クライアント端末2は、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス、ネットワークインタフェース、および時計装置などによって構成される。補助記憶装置には、計時している現在日時を送信したり、画像ファイルを受信したり、それらを保存し管理したり、それらを再生しまたは編集したりするためのプログラムが格納されており、CPUによって実行される。
第一の実施形態では、画像処理装置1は、図3に示す各機能部を連携させることによって、各ユーザが使用するクライアント端末2で計時されている現在日時であるユーザ現在日時LT2と、自己が計時している現在日時である自己現在日時LT1との時間差であるユーザ間時差LTD1を算出し、算出したユーザ間時差LTD1をユーザ情報管理テーブルUITに保持する。そして、各ユーザが使用するクライアント端末2へ画像ファイルIMGを送信する際、画像ファイルを生成した日時を示す日時情報(タイムスタンプ)であってユーザ間時差LTD1を考慮した送信先日時AT2を画像ファイルIMGに関連付けて送信する。この一連の処理は、大別すると、ユーザ間時差LTD1をユーザ情報管理テーブルUITに保持するフェーズと、送信先日時AT2を付加して画像ファイルIMGを送信するフェーズとに分けられる。
まず、ユーザ間時差LTD1をユーザ情報管理テーブルUITに保持するフェーズにおいて、図3に示す各機能部が果たす役割を、説明する。
図4はユーザ情報管理部101が管理するユーザ情報管理テーブルUITの例を示す図である。
ユーザ情報管理部101は、図4に示すようなユーザ情報管理テーブルUITを用いて、画像処理装置1に登録されている(画像ファイルIMGの送信先となり得る)ユーザに関する情報を保持する。
ユーザ情報管理部101は、操作パネル10fなどを介して、新規ユーザの登録の要求を受け付けると、補助記憶装置10dに記憶されているユーザ情報管理テーブルUITに、そのユーザについての新たなレコードを追加する。1つのレコードは、ユーザ名UI1、パスワードUI2、ホスト名UI3、時差UI4などのユーザに関する情報を格納する各フィールドから構成される。ユーザ名UI1には、登録されるユーザのユーザ名を設定する。パスワードUI2には、登録されたユーザの認証を行うためのパスワードを設定する。ホスト名UI3には、ユーザ名U11に示されるユーザ名を有するユーザが使用するクライアント端末2のホスト名を設定する。なお、ホスト名UI3の代わりにまたはそれに追加して、クライアント端末2に割り当てられているIPアドレスまたはMACアドレスなどのクライアント端末2を識別できる他の情報を設定するためのフィールドを設けてもよい。時差UI4には、画像処理装置1で計時されている現在日時とクライアント端末2で計時されている現在日時との時間差を設定する。ただし、新たなレコードを追加した時点では、時差UI4に有効な値が設定されなくてもよい。
ユーザ情報管理部101は、操作パネル10fなどを介して、ユーザ情報管理テーブルUITに登録されている内容の変更の要求を受け付けると、適宜、ユーザ情報管理テーブルUITのフィールドUI1〜UI4に格納されている値をユーザによって入力された情報などに基づいた値に更新する。さらに、時差UI4については、各ユーザが各クライアント端末2から画像処理装置1にログインするタイミングで、以下の手順によって算出されるユーザ間時差LTD1を設定する。
最初に、ユーザ認証部102は、画像処理装置1にログインしようとするユーザを次のようにして認証する。
ユーザ認証部102は、ユーザがクライアント端末2から画像処理装置1にログインしようとする際、クライアント端末2からユーザ名およびパスワードなどの認証のための情報を受信し、それらとユーザ情報管理テーブルUITのユーザ名UI1およびパスワードUI2などに格納されている内容とを照合する。照合の結果、ログインしようとするユーザが正規のユーザであることが確認できれば、ログインを許可する旨の通知を送信する。
前後してまたは同時に、ユーザ設定日時取得部103は、クライアント端末2からユーザ現在日時LT2を次にようにして取得する。
ユーザ設定日時取得部103は、ユーザ情報管理テーブルUITのユーザ名UI1にログインを許可したユーザのユーザ名が示されるレコードのホスト名UI3に格納されているホスト名を有するクライアント端末2へ、ユーザ現在日時LT2を問い合わせるためのユーザ設定日時問合せメッセージTR2を送信する。
画像処理装置1からユーザ設定日時問合せメッセージTR2を受信したクライアント端末2は、自己が計時している現在日時をユーザ現在日時LT2として返信する。
ユーザ設定日時取得部103は、クライアント端末2から受信したユーザ現在日時LT2をユーザ間時差算出部104に渡す。
ユーザ間時差算出部104は、ユーザ設定日時取得部103からユーザ現在日時LT2を受け取ると、ユーザ間時差LTD1を次のようにして算出する。
ユーザ間時差算出部104は、画像処理装置1が計時している現在日時である自己現在日時LT1を時計装置10kから取得する。そして、ユーザ現在日時LT2から自己現在日時LT1を減算し、自己現在日時LT1を基準とした時間差をユーザ間時差LTD1として算出する。ここで、クライアント端末2がユーザ現在日時LT2を返信してから画像処理装置1がユーザ間時差LTD1を算出するまでの時間を考慮したユーザ間時差LTD1を算出するようにしてもよい。ユーザ間時差算出部104は、このようにして算出したクライアント端末2についてのユーザ間時差LTD1をユーザ情報管理部101に渡す。
最後に、ユーザ情報管理部101は、ユーザ間時差算出部104からユーザ間時差LTD1を受け取ると、ユーザ情報管理テーブルUITのホスト名UI3にそのユーザ間時差LTD1が算出されたクライアント端末2のホスト名が示されるレコードの時差UI4にユーザ間時差LTD1を設定する。ただし、既にそのレコードの時差UI4に今回設定しようとするユーザ間時差LTD1と同じ値が格納されており、更新する必要がない場合は更新しなくてもよい。
ユーザ情報管理部101は、このようにして、画像処理装置1に登録された各ユーザが各クライアント端末2から画像処理装置1にログインするタイミングで、ユーザ情報管理テーブルUITにおいてそのユーザについての時差UI4に格納されている値を更新する。
次に、送信先日時AT2を付加して画像ファイルIMGを送信するフェーズにおいて、図3に示す各機能部が果たす役割を、説明する。
図5は画像ファイル送信部107によって行われる画像ファイル送信処理の流れの例を示すフローチャートである。
画像ファイル取得部105は、操作パネル10fなどを介して、原稿をスキャンして生成した画像データをクライアント端末2へ送信するメニュー(「ScanToSMB機能」)がユーザによって選択されると、原稿台にセットされた用紙をスキャナ10hにスキャンさせることによって画像ファイルIMGを取得する。同時に、画像処理装置1が計時している現在日時である自己現在日時LT1を時計装置10kから取得し、取得した自己現在日時LT1を、画像ファイルIMGを取得した日時を示す取得日時AT1に決定する。
送信先情報作成部106は、画像ファイル取得部105によって取得された画像ファイルIMGの送信先となるユーザ名をまとめたリストである送信先ユーザリストSULを次のようにして作成する。
送信先情報作成部106は、ユーザ情報管理テーブルUITのユーザ名UI1に格納されているユーザ名の一覧を示す画面を操作パネル10fなどに表示させ、一覧の中から、画像ファイルIMGの送信先となる1人または複数人のユーザ名を選択するようユーザに促す。操作パネル10fなどを介して、画像ファイルIMGの送信先となる1人または複数人のユーザ名がユーザによって選択されると、それらの選択されたユーザ名をまとめたリストである送信先ユーザリストSULを画像ファイル送信部107に渡す。
画像ファイル送信部107は、次のようにして、画像ファイルIMGに送信先日時AT2を付加して、それらを送信先ユーザリストに示されるユーザ名に対応するクライアント端末2へ送信する。
画像ファイル送信部107は、送信先情報作成部106から送信先ユーザリストSULを受け取ると、図5に示すように、送信先ユーザリストSULに示されるユーザ名を有する各ユーザごとに#201〜#205の処理を繰り返し行う。以下、#201〜#205の処理対象のユーザを着目ユーザとする。まず、ユーザ情報管理テーブルUITのユーザ名UI1に着目ユーザのユーザ名が示されるレコードの時差UI4に格納されている値を取得する(#201)。そして、時差UI4に格納されている値が有効な値(ユーザ間時差LTD1)であれば(#202でYes)、取得日時AT1に対して時差UI4に格納されている値を加算した日時を着目ユーザについての送信先日時AT2に決定する(#203)。一方、時差UI4に格納されている値が有効な値(ユーザ間時差LTD1)でなければ(#202でNo)、取得日時AT1を着目ユーザについての送信先日時AT2に決定する(#204)。そして、ユーザ情報管理テーブルUITのユーザ名UI1に着目ユーザのユーザ名が示されるレコードのホスト名UI3に格納されているホスト名を有するクライアント端末2に向けて、画像ファイルIMGおよび決定した送信先日時AT2を送信する(#205)。なお、画像ファイルIMGに含まれるファイルヘッダ領域の所定の位置に送信先日時AT2を書き込み、送信先日時AT2を画像ファイルIMGの一部として送信するようにしてもよい。
図6はユーザ間時差LTD1を保持する処理の流れの例を示すフローチャート、図7は画像ファイルIMGに送信先日時AT2を付加して送信する処理の流れの例を示すフローチャートである。
上述の第一の実施形態における、画像処理装置1における全体的な処理の流れについて、図6および図7に示すフローチャートに沿って、かつ一例を交えながら説明する。
ここでは、図1において、拠点REG1では拠点REG2で採用されている標準時より1時間先に進んだ標準時が採用されており、拠点REG3では拠点REG2で採用されている標準時より2時間後に遅れた標準時が採用されているものとする。
また、画像処理装置1において、クライアント端末2A、2B、2Cをそれぞれ使用するユーザである、user1、user2、user3が適切に登録されているものとする。
まず、ユーザ間時差LTD1を保持するフェーズについて説明する。
図6に示すように、画像処理装置1は、各クライアント端末2A〜2Cへそれぞれで計時されている現在日時であるユーザ現在日時LT2を問い合わせ、取得する(#301)。例えば、ユーザ現在日時LT2として、クライアント端末2Aから11時00分01秒を、クライアント端末2Bから10時00分01秒を、クライアント端末2Cから08時00分01秒を、それぞれ同時に取得する。
そして、取得した各ユーザ現在日時LT2について、自己が計時している現在日時である自己現在日時LT1との時間差であるユーザ間時差LTD1を算出する(#302)。例えば、自己現在日時LT1が10時00分01秒であり、先ほどの例に示した各ユーザ現在日時LT2を取得した場合、ユーザ間時差LTD1として、クライアント端末2Aについてはプラス01時間00分00秒を、クライアント端末2Bについてはマイナス00時間00分00秒を、クライアント端末2Cについてマイナス02時間00分00秒を、それぞれ算出する。
そして、算出した各ユーザ間時差LTD1をクライアント端末2A〜2C(それらを使用するuser1〜user3)にそれぞれ対応付けて保持する(#303)。
次に、画像ファイルIMGに送信先日時AT2を付加して送信するフェーズについて説明する。
ここでは、拠点REG2に勤務するユーザであるuser0が、user1ないしuser3に配付物を配付するために、画像処理装置1によって、配付物のドキュメントを読み込んで画像ファイルIMGを生成し、ネットワークNWを介してクライアント端末2A〜2Cへ一斉に送信する(同報する)場合を例に説明する。
user0によって、「ScanToSMB機能」が選択され、配付物のドキュメントが原稿台にセットされると、図7に示すように、画像処理装置1は、それをスキャナ10hにスキャンさせることによって画像ファイルIMGを取得する(#401)。
そして、user0によって、画像ファイルIMGの送信先のユーザとして、user1〜user3が選択されると、各送信先のユーザごとに、画像ファイルIMGを取得した日時を示す取得日時AT1に対して送信先のユーザについてのユーザ間時差LTD1を考慮した日時である送信先日時AT2を算出する(#402)。例えば、取得日時AT1が10時31分28秒であり、取得日時AT1に対して先ほどの例に示した各ユーザ間時差LTD1を考慮した場合、送信先日時AT2として、user1については11時31分28秒を、user2については10時31分28秒を、user3については08時31分28秒を、それぞれ算出する。
そして、算出した、user1、user2、user3についての送信先日時AT2を、それぞれクライアント端末2A、2B、2Cへ画像ファイルIMGとともに送信する(#403)。
図8はクライアント端末2で管理されるファイル管理テーブルFIの例を示す図、図9はクライアント端末2のディスプレイに表示されるファイル一覧画面WD21の例を示す図である。
上述の第一の実施形態によれば、クライアント端末2は、画像処理装置1から受信した画像ファイルIMGを、図8に示すようなファイル管理テーブルFIを用いて保存し管理する場合に、ともに送信されてきた送信先日時AT2をファイル管理テーブルFIの「更新日時」に設定する。
その結果、異なる時差のある地域に設置されている複数の画像処理装置1から受信した複数の画像ファイルIMGについて、図9に示すように、それらに関連付けられている「更新日時」に示される順序で並び替えて表示させたとき、それらのファイルの並び順は、画像処理装置1が実際にそれらのファイルを取得(生成)した順序となる。よって、受信した画像ファイルIMGをクライアント端末2において管理する上で好都合である。
また、異なる時差のある地域に設置されている画像処理装置1から受信した画像ファイルIMGとクライアント端末2において作成した画像ファイルとについて、図9に示すように、それらに関連付けられている「更新日時」に示される順序で並び替えて表示させたとき、それらのファイルの並び順は、クライアント端末2が実際にそれらのファイルを取得(生成)した順序となる。例えば、画像処理装置1から受信した画像ファイルIMGに関連付けられた「更新日時」がクライアント端末2で計時されている日時よりも2時間進んでいる場合に、画像ファイルIMGを受信した後2時間以内にクライアント端末2において作成した画像ファイルよりも画像ファイルIMGが新しいファイルとして認識される、といった事態を防止することができる。
なお、クライアント端末2のファイル管理方法によっては、送信先日時AT2が「作成日時」または「アクセス日時」などのファイル管理テーブルFIの他の項目に設定されるようにしてもよい。
〔第二の実施形態〕
図10は画像データ送受信システムSY2の全体的な構成の例を示す図である。
図10に示すように、画像データ送受信システムSY2は、画像処理装置1、クライアント端末2、およびディレクトリサーバ3がネットワークNWに接続されて構成されている。つまり、本実施形態では、第一の実施形態における画像データ送受信システムSY1の構成に新たにディレクトリサーバ3が追加されており、ディレクトリサーバ3は拠点REG1においてネットワークNWに設置されている。
拠点REG1ないしREG3の条件、ネットワークNWの形態、画像処理装置1のハードウェア構成、クライアント端末2のハードウェア構成などは、第一の実施形態における場合と同様であるため、説明を省略する。
ディレクトリサーバ3は、ネットワーク上に存在する種々の資源(リソース)およびプログラムまたはデータなどの種々の情報を一元管理する機能(ディレクトリサービス機能)を備えた装置である。特に本実施形態では、ネットワークNWを利用するユーザがディレクトリサーバ3で管理しているドメインに参加(ログイン)した履歴に関する情報を管理する。
ディレクトリサーバ3は、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、ネットワークインタフェース、および時計装置などによって構成される。補助記憶装置には、ディレクトリサービスを提供するためのプログラムが格納されており、CPUによって実行される。
図11は画像処理装置1の機能的構成の例を示すブロック図である。
画像処理装置1のROM10cには、図11に示すような、ユーザ情報管理部101、ユーザ認証部102、ユーザログイン日時取得部111、ユーザ間時差算出部112、画像ファイル取得部105、送信先情報作成部106、画像ファイル送信部107などの各機能部を実現するためのプログラムが格納されており、CPU10aによって実行される。または、それらのプログラムの一部または全部が補助記憶装置10dに格納されていてもよい。その場合は必要に応じてRAM10bに読み出されて実行される。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、そのほかファイル管理システムの機能を実現するためのプログラムが記憶されていること、および図11に示す各部の機能およびそのほかの機能の一部または全部が回路で実現されていてもよいことは、第一の実施形態における場合と同様である。
第一の実施形態では、画像処理装置1は、各ユーザが使用するクライアント端末2から直接取得したユーザ現在日時LT2に基づいてユーザ間時差LTD1を算出したが、第二の実施形態では、各ユーザがクライアント端末2よりディレクトリサーバ3にログインした際の日時を示す情報をディレクトリサーバ3から取得し、それに基づいてユーザ間時差LTD1を算出する。
つまり、第二の実施形態では、画像処理装置1は、図11に示す各機能部を連携させることによって、各ユーザがクライアント端末2からディレクトリサーバ3にログインした際の日時を示す情報であるユーザ設定ログイン日時RT2およびサーバ設定ログイン日時RT3、並びにディレクトリサーバ3で計時されている現在日時であるサーバ現在日時LT3に基づいてユーザ間時差LTD1を算出する。
なお、算出したユーザ間時差LTD1をユーザ情報管理テーブルUITに保持しておくこと、および各ユーザが使用するクライアント端末2へ画像ファイルIMGを送信する際にユーザ間時差LTD1を考慮した日時情報(タイムスタンプ)である送信先日時AT2を画像ファイルIMGに関連付けて送信することは、第一の実施形態における場合と同様である。
よって、第一の実施形態と異なる部分を中心に、ユーザ間時差LTD1をユーザ情報管理テーブルUITに保持するフェーズにおいて、図11に示す各機能部が果たす役割を、説明する。
図12はディレクトリサーバ3が管理するログイン履歴テーブルRHTの一例を示す図である。
ディレクトリサーバ3は、図12に示すようなログイン履歴テーブルRHTを用いて、ネットワークNWを利用するユーザがディレクトリサーバ3で管理しているドメインに参加(ログイン)した履歴に関する情報を次のように管理している。
ディレクトリサーバ3は、ドメインへの参加をユーザに承認する際に、そのユーザについての新たなレコードをログイン履歴テーブルRHTに追加する。1つのレコードは、ユーザ名RH1、ドメイン名RH2、コンピュータ名RH3、ユーザ設定ログイン日時RH4、サーバ設定ログイン日時RH5など、参加の要求を行ったユーザに関する情報を格納する各フィールドから構成される。ユーザ名RH1には、参加の要求を行ったユーザのユーザ名を設定する。ドメイン名RH2には、参加の要求の対象となったドメインのドメイン名を設定する。コンピュータ名RH3には、参加の要求が発信されたクライアント端末2のホスト名を設定する。ユーザ設定ログイン日時RH4には、参加の承認を行った時点でクライアント端末2で計時されている現在日時を設定する。サーバ設定ログイン日時RH5には、参加の承認を行った時点でディレクトリサーバ3自身が計時している現在日時を設定する。
ユーザ情報管理部101は、第一の実施形態における場合と同様に、図4に示すようなユーザ情報管理テーブルUITを用いて、画像処理装置1に登録されている(画像ファイルIMGの送信先となり得る)ユーザに関する情報を保持する。
ユーザログイン日時取得部111は、ユーザ情報管理テーブルUITのユーザ名UI1に格納されている各ユーザ名ごとに、そのユーザ名についてのユーザ設定ログイン日時RT2およびサーバ設定ログイン日時RT3、並びにサーバ現在日時LT3を問い合わせるためのユーザログイン日時問合せメッセージTR3をディレクトリサーバ3へ定期的(例えば、1時間おき)に送信する。
画像処理装置1からユーザログイン日時問合せメッセージTR3を受信したディレクトリサーバ3は、問い合わせのあったユーザ名についてのユーザ設定ログイン日時RT2およびサーバ設定ログイン日時RT3、並びにサーバ現在日時LT3を次のようにして返信する。
ディレクトリサーバ3は、画像処理装置1からユーザログイン日時問合せメッセージTR3を受信すると、ログイン履歴テーブルRHTを参照し、問い合わせのあったユーザ名がユーザ名RH1に示されるレコードのうち最新のレコードを特定する。そして、特定したレコードからユーザ設定ログイン日時RH4に格納されている日時、サーバ設定ログイン日時RH5に格納されている日時を抽出して、それぞれをユーザ設定ログイン日時RT2、サーバ設定ログイン日時RT3として返信する。また、自己が計時している現在日時をサーバ現在日時LT3として返信する。
ユーザログイン日時取得部111は、ディレクトリサーバ3から受信したユーザ設定ログイン日時RT2、サーバ設定ログイン日時RT3、およびサーバ現在日時LT3をユーザ間時差算出部112に渡す。
ユーザ間時差算出部112は、ユーザログイン日時取得部111からユーザ設定ログイン日時RT2、サーバ設定ログイン日時RT3、およびサーバ現在日時LT3を受け取ると、ユーザ間時差LTD1を次のようにして算出する。
ユーザ間時差算出部112は、ユーザ設定ログイン日時RT2からサーバ設定ログイン日時RT3を減算し、サーバ設定ログイン日時RT3を基準とした時間差をサーバユーザ間時差として算出する。また、画像処理装置1が計時している現在日時である自己現在日時LT1を時計装置10kから取得し、サーバ現在日時LT3から自己現在日時LT1を減算し、自己現在日時LT1を基準とした時間差を自己サーバ間時差として算出する。そして、自己サーバ間時差に対してサーバユーザ間時差を加算することによって、自己現在日時LT1を基準とした時間差をユーザ間時差LTD1として算出する。ユーザ間時差算出部112は、このようにして算出したユーザ間時差LTD1をユーザ情報管理部101に渡す。
ユーザ情報管理部101は、ユーザ間時差算出部112からユーザ間時差LTD1を受け取ると、ユーザ情報管理テーブルUITのユーザ名UI1にそのユーザ間時差LTD1が算出されたユーザのユーザ名が示されるレコードの時差UI4にユーザ間時差LTD1を設定する。ただし、既にそのレコードの時差UI4に今回設定しようとするユーザ間時差LTD1と同じ値が格納されており、更新する必要がない場合は更新しなくてもよい。
ユーザ情報管理部101は、このようにして、画像処理装置1に登録された各ユーザについて、定期的にユーザ情報管理テーブルUITにおいてそのユーザについての時差UI4に格納されている値を更新する。
その後、送信先日時AT2を付加して画像ファイルIMGを送信するプロセスは、第一の実施形態における場合と同様であるため、説明を省略する。
図13はユーザ間時差LTD1を保持する処理の流れの例を示すフローチャートである。
上述の第二の実施形態における、画像処理装置1におけるユーザ間時差LTD1を保持する処理の流れについて、図13に示すフローチャートに沿って、かつ一例を交えながら説明する。
ここでも、図1において、拠点REG1では拠点REG2で採用されている標準時より1時間先に進んだ標準時が採用されており、拠点REG3では拠点REG2で採用されている標準時より2時間後に遅れた標準時が採用されているものとする。
また、画像処理装置1において、クライアント端末2A、2B、2Cをそれぞれ使用するユーザである、user1、user2、user3が適切に登録されているものとする。
図13に示すように、画像処理装置1は、ディレクトリサーバ3へ、user1〜user3が各クライアント端末2A〜2Cからディレクトリサーバ3にログインした際の日時に関する情報であるユーザ設定ログイン日時RT2およびサーバ設定ログイン日時RT3、並びにディレクトリサーバ3で計時されている現在日時であるサーバ現在日時LT3を問い合わせ、取得する(#501)。例えば、user1について、ユーザ設定ログイン日時RT2として08時48分23秒を、サーバ設定ログイン日時RT3として08時48分23秒を、サーバ現在日時として12時00分01秒を取得する。同時に、user2について、ユーザ設定ログイン日時RT2として08時46分25秒を、サーバ設定ログイン日時RT3として09時46分25秒を、サーバ現在日時として12時00分01秒を取得する。同時に、user3について、ユーザ設定ログイン日時RT2として08時39分24秒を、サーバ設定ログイン日時RT3として11時39分24秒を、サーバ現在日時として12時00分01秒を取得する。
そして、各ユーザごとに、自己が計時している現在日時である自己現在日時LT1との時間差であるユーザ間時差LTD1を算出する(#502)。例えば、自己現在日時LT1が11時00分01秒であり、先ほどの例に示した各ユーザについてのユーザ設定ログイン日時RT2およびサーバ設定ログイン日時RT3、並びにサーバ現在日時LT3を取得した場合、ユーザ間時差LTD1として、user1についてはプラス1時間((12時00分01秒−11時00分01秒)+(08時48分23秒−08時48分23秒))を、user2についてはマイナス0時間((12時00分01秒−11時00分01秒)+(08時46分25秒−09時46分25秒))を、user3についてマイナス2時間((12時00分01秒−11時00分01秒)+(08時39分24秒−11時39分24))を、それぞれ算出する。
そして、算出した各ユーザ間時差LTD1をuser1〜user3にそれぞれ対応付けて保持する(#503)。
上述の第二の実施形態によれば、画像処理装置1は、各クライアント端末2に直接設定日時を問い合わせることなく、ディレクトリサーバ3にそれらのログイン日時を問い合わせるだけで、ユーザ間時差LTD1を算出することができる。よって、画像処理装置1に登録された各ユーザが各クライアント端末2から画像処理装置1にログインしていなくても、ディレクトリサーバ3が管理しているドメインに参加してさえいれば、上述の第一の実施形態と同様の効果が得られる。また、1人のユーザが、図1に示すような時差のある拠点REG1〜REG3を頻繁に移動し、各移動先で携帯型のクライアント端末2からディレクトリサーバ3が管理しているドメインに参加して接続するような場合にも有用である。そのユーザは、クライアント端末2の時刻設定を各移動先で採用されている標準時に合わせた後にディレクトリサーバ3が管理しているドメインに参加すれば、画像処理装置1は、一定期間経過後に、ユーザ情報管理テーブルUITにおいてそのユーザについての時差UI4に格納されている値をその標準時に見合った時差に更新することができるからである。
なお、上述の第一および第二の実施形態では、ユーザ間時差算出部104、画像ファイル取得部105、およびユーザ間時差算出部112は、時計装置10kから直接自己現在日時LT1を取得する構成としたが、ソフトウェアにより時計機能を実現するモジュール(ソフトウェアクロック)を設け、そのようなモジュールから自己現在日時LT1を取得するようにしてもよい。その場合は、画像処理装置1の起動時に時計装置10kで計時されている現在日時をそのようなモジュールに引き継ぐようにすればよい。
また、上述の第一および第二の実施形態では、ユーザ間時差算出部104およびユーザ間時差算出部112は、ユーザ間時差LTD1の単位を時分秒まで算出する構成としたが、30分または1時間などの単位で時間差を算出するようにしてもよい。つまり、それらの単位以内に収まる時間差は丸めてユーザ間時差LTD1などを算出するようにしてもよい。例えば、30分単位で時間差を算出するようにした場合、10時00分00秒と13時15分48秒との正確な時間差は3時間15分48秒であるが丸められて3時間と算出される。
また、上述の第一および第二の実施形態では、画像ファイル取得部105は、スキャナ10hによって生成された画像データがファイル化された画像ファイルIMGを取得する構成としたが、ユーザが選択した取得方法に応じて、補助記憶装置10d内のボックスに保存されている画像ファイルIMG、ネットワークNWに接続されている他の情報処理端末から受信した画像ファイルIMG、または他のFAX端末から受信したデータにより生成された画像ファイルIMGなどを適宜取得することができる。
また、上述の第一および第二の実施形態では、画像処理装置1は、スキャナ10hから画像ファイルIMGを取得した際の日時を示す日時情報を画像ファイルIMGに関連付けて送信する構成としたが、画像ファイルIMGをクライアント端末2へ送信する際の日時を示す日時情報を送信するようにしてもよい。
また、上述の第一および第二の実施形態では、画像処理装置1は、ユーザ情報管理テーブルUITの時差UI4に有効な値(ユーザ間時差LTD1)が格納されていれば必然的に取得日時AT1に対してその値(ユーザ間時差LTD1)を加味した日時を送信先日時AT2に決定する構成としたが、たとえ時差UI4に有効な値(ユーザ間時差LTD1)が格納されていても、送信元または送信先のユーザにより選択された設定(例えば、ユーザ間時差LTD1を考慮しないことを希望する旨の設定)に基づいて、取得日時AT1を送信先日時AT2に決定するようにしてもよい。その場合は、送信先のユーザにより選択された設定を格納するフィールドをユーザ情報管理テーブルUITに設けるようにすればよい。
また、上述の第一の実施形態では、ユーザ情報管理部101は、画像処理装置1に登録された各ユーザが各クライアント端末2から画像処理装置1にログインするタイミングで、ユーザ情報管理テーブルUITの時差UI4に格納されている値を更新する構成としたが、ユーザ設定日時取得部103およびユーザ間時差算出部104によって定期的(例えば、1時間おき)にユーザ間時差LTD1を算出し、時差UI4に格納されている値を定期的に更新するようにしてもよい。
また、上述の第一の実施形態では、ユーザ設定日時取得部103は、画像処理装置1に登録されたユーザが使用するクライアント端末2で計時されている現在日時をユーザ現在日時LT2として取得する構成としたが、ユーザによって直接入力され、または遠隔より送信されたユーザが所望する現在日時をユーザ現在日時LT2として取得するようにしてもよい。または、ユーザが使用するクライアント端末2から受信した印刷データ(プリントデータ)を解析し、それに含まれる日時を示す情報に基づいてユーザ現在日時LT2を取得するようにしてもよい。
また、上述の第一の実施形態では、ユーザ情報管理部101は、ユーザ情報管理テーブルUITにおいてユーザについての時差UI4を管理する構成としたが、時差UI4の代わりにまたはそれに追加してユーザが使用するクライアント端末2で計時されている現在時刻を管理するようにしてもよい。その場合は、ユーザ間時差算出部104は、ユーザ設定日時取得部103を介することなく、ユーザ間時差LTD1を算出することができる。
また、上述の第二の実施形態では、画像処理装置1は、画像処理装置1に登録されている(画像ファイルIMGの送信先となり得る)ユーザに関する情報を自己で保持する構成としたが、そのような情報をディレクトリサーバ3に保持させるようにしてもよい。その場合は、ディレクトリサーバ3の側で、各ユーザが使用するクライアント端末2で計時されている現在日時とディレクトリサーバ3自身が計時している現在日時との時間差であるサーバユーザ間時差を各ユーザごとに算出し保持するようにし、画像処理装置1は、画像ファイルIMGを送信する際に、ディレクトリサーバ3から画像ファイルのIMGの送信先となるユーザについてのサーバユーザ間時差およびサーバ現在日時LT3を取得し、それらに基づいて送信先日時AT2を算出するようにすればよい。
上述の実施例において、ネットワークNW、画像処理装置1、クライアント端末2、およびディレクトリサーバ3の全体または各部の構成は、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。また、それらによって行われる処理内容、処理順序、テーブルの構成なども、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。