JP5594729B2 - 海底鉱物処理システム - Google Patents
海底鉱物処理システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5594729B2 JP5594729B2 JP2010201166A JP2010201166A JP5594729B2 JP 5594729 B2 JP5594729 B2 JP 5594729B2 JP 2010201166 A JP2010201166 A JP 2010201166A JP 2010201166 A JP2010201166 A JP 2010201166A JP 5594729 B2 JP5594729 B2 JP 5594729B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seabed
- mineral
- gangue
- processing system
- sea
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 229910052500 inorganic mineral Inorganic materials 0.000 title claims description 167
- 239000011707 mineral Substances 0.000 title claims description 167
- 238000012545 processing Methods 0.000 title claims description 98
- 239000012141 concentrate Substances 0.000 claims description 54
- 238000005065 mining Methods 0.000 claims description 46
- 238000005188 flotation Methods 0.000 claims description 43
- 238000010298 pulverizing process Methods 0.000 claims description 28
- 238000000926 separation method Methods 0.000 claims description 25
- 238000005086 pumping Methods 0.000 claims description 17
- 238000000227 grinding Methods 0.000 claims description 5
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 22
- 238000000034 method Methods 0.000 description 20
- 239000013535 sea water Substances 0.000 description 17
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 17
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 15
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 15
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 8
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 5
- 238000011161 development Methods 0.000 description 5
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 5
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 5
- 230000007613 environmental effect Effects 0.000 description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 description 3
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 3
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N Nickel Chemical compound [Ni] PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000003723 Smelting Methods 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 2
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 2
- 239000010419 fine particle Substances 0.000 description 2
- 239000006260 foam Substances 0.000 description 2
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 2
- 230000003134 recirculating effect Effects 0.000 description 2
- 239000011435 rock Substances 0.000 description 2
- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 2
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 2
- IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N Atomic nitrogen Chemical compound N#N IJGRMHOSHXDMSA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- ZOKXTWBITQBERF-UHFFFAOYSA-N Molybdenum Chemical compound [Mo] ZOKXTWBITQBERF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 239000003638 chemical reducing agent Substances 0.000 description 1
- 239000004927 clay Substances 0.000 description 1
- 239000010941 cobalt Substances 0.000 description 1
- 229910017052 cobalt Inorganic materials 0.000 description 1
- GUTLYIVDDKVIGB-UHFFFAOYSA-N cobalt atom Chemical compound [Co] GUTLYIVDDKVIGB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 229910001873 dinitrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 1
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 1
- 229910001385 heavy metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 description 1
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 1
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 1
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000005389 magnetism Effects 0.000 description 1
- WPBNNNQJVZRUHP-UHFFFAOYSA-L manganese(2+);methyl n-[[2-(methoxycarbonylcarbamothioylamino)phenyl]carbamothioyl]carbamate;n-[2-(sulfidocarbothioylamino)ethyl]carbamodithioate Chemical compound [Mn+2].[S-]C(=S)NCCNC([S-])=S.COC(=O)NC(=S)NC1=CC=CC=C1NC(=S)NC(=O)OC WPBNNNQJVZRUHP-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 1
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 1
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011733 molybdenum Substances 0.000 description 1
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000000704 physical effect Effects 0.000 description 1
- 239000011802 pulverized particle Substances 0.000 description 1
- 239000002893 slag Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Drilling And Exploitation, And Mining Machines And Methods (AREA)
Description
しかし、この採取方法は、海底において集鉱した鉱物資源をそのまま揚鉱するものである。このため、細粒中に多量に含まれている不要な岩石(脈石)をも海底から採取することになる。したがって、鉱石中に含まれている有用な鉱物(精鉱)と共に脈石も海上に揚鉱し、陸上まで輸送するためのエネルギーが必要となる。このことは、鉱物の資源としての経済性を損なう原因となる。
しかし、この採鉱装置は団塊状海底資源を対象としており、破砕して採取される鉱物資源に用いられるものではない。
しかし、この海底資源の採取方法は、母船内に吸い上げた後に水と有用金属等とを分別するものである。このため、有用金属等以外の不要物を母船内に吸い上げるためのエネルギーが必要となり、このことは有用金属等の資源としての経済性を損なう原因となる。また、この採取方法も団塊状海底資源を対象としており、破砕して採取される鉱物資源に用いられるものではない。また、混合水を再び海中に戻す方法であるため、混合水は海水中で容易に拡散し、混合水中の固形物も非常に広範囲に散逸するものである。
しかし、この採鉱施設も所定の大きさの団塊状海底資源を対象としており、破砕して採取される鉱物資源に用いられるものではない。
また、特許文献1に記載の鉱物団塊を採取する方法のように、精鉱と脈石とを選別することなく揚鉱し陸上に輸送した場合、鉱石を粉砕、分離して精鉱を回収した後に残った脈石が不要な重金属等を含んでいることがある。このため、環境への負荷が少ない方法を用いて廃棄する等、脈石を適正に処分しなければならない。この脈石の処分に要するコストも資源開発における経済的な負担となる。
そこで、本発明は、海底に存在する金属鉱物資源開発の経済性の向上、ならびに、脈石処分の問題を解決するために、海底において採取された鉱物団塊を含めた鉱石を、海底において粉砕、分離し、精鉱のみを海上又は陸上まで移送し、脈石を海底において処分することができる海底鉱物処理システムを提供することを目的とする。
上記の構成によれば、海底で採鉱手段により採鉱された鉱物資源を破砕し、破砕した鉱物資源を海底で精鉱と脈石に分離した後に、精鉱を揚鉱し、脈石を海底に処分することができる。また、粉砕手段による粉砕が海水中ではなく空気又はガスを介在させた封止された空間の中で行われるから、海水の抵抗がなく機械的な力を鉱物資源に効率よく伝えることができる。
ここで、「海底」には、海底面のみではなく、海底部における海中すなわち海底面から所定高さの範囲内の領域、より具体的には海面から海底面の間の中間点から海底側の領域及び海底面よりも下側の領域も含まれる。また、「地上」には、陸地に近い浅い海において海面又は海面から所定の高さに設けられた構造物なども含まれる
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の海底鉱物処理システムにおいて、前記海底分離手段が、前記鉱物資源の性質に基づいて前記精鉱と前記脈石を選別するものであることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記鉱物資源の種類に応じた種々の性質に応じて、海底分離手段により精鉱と脈石とを分離することができる。ここで、「鉱物資源の性質」とは、鉱物資源そのものが有する性質をいい、例えば、比重や磁性のような物性、親水性、疎水性、水中で受ける浮力のようなものが挙げられる。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の海底鉱物処理システムにおいて、前記海底分離手段が、補給された前記空気又は前記ガスを循環させた浮遊選鉱手段であることを特徴とする。
上記の構成によれば、浮遊選鉱手段中に空気又はガスを圧入させることにより、精鉱のみを浮遊させることができるため、破砕した鉱物資源中の精鉱と脈石とを分離することができる。一般に精鉱は脈石よりも親水性が低いため、浮遊選鉱手段中で海水中に空気又はガスを圧入させることにより、泡の周囲に付着した状態の精鉱を浮遊選鉱手段の上部に集めることができる。また、浮遊選鉱手段において空気又はガスを循環させることにより、これらを再利用することができる。
なお、前記空気又は前記ガスを、海上あるいは地上に設けた送気手段から供給することにより、浮遊選鉱手段において循環させるために十分な量の空気又はガスを海上あるいは地上から供給することができる。
請求項4に記載の本発明は、請求項1から請求項3のうちの1項に記載の海底鉱物処理システムにおいて、前記粉砕手段及び/又は前記海底分離手段が、水平調節手段を有していることを特徴とする。
上記の構成によれば、粉砕手段及び/又は海底分離手段を水平に保ち、傾斜を防ぐことが可能となる。
上記の構成によれば、採鉱手段により採鉱された鉱物資源を破砕し、破砕した鉱物資源を揚鉱し、精鉱と脈石に分離し、脈石を海底に処分することができる。また、粉砕手段による粉砕が海水中ではなく空気又はガスを介在させた封止された空間の中で行われるから、海水の抵抗がなく機械的な力を鉱物資源に効率よく伝えることができる。
上記の構成によれば、鉱物資源を微細に粉砕することができる。なお、粉砕手段は、ボールミル単独で構成することとしても、粗砕用のジョークラッシャーなどと組み合わせて用いることとしてもよい。
請求項7に記載の本発明は、請求項1から請求項8のうちの1項に記載の海底鉱物処理システムにおいて、少なくとも前記採鉱手段と前記粉砕手段が、ユニット体として海底に設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、採鉱手段と粉砕手段との位置関係を固定することができる。
請求項8に記載の本発明は、請求項1から請求項7のうちの1項に記載の海底鉱物処理システムにおいて、前記脈石処分手段が、前記脈石を前記採鉱手段で採鉱した同一場所あるいはその近傍の海底に設けられた処分区画において処分するものであることを特徴とする。
上記の構成によれば、不要な脈石をもとの場所に戻すことができる。ここで「その近傍」とは、脈石が採鉱された場所から、海底環境に影響しない範囲内の領域をいう。
また、海底分離手段を鉱物資源の性質に基づいて精鉱と脈石とを選別する構成とすれば、鉱物資源の種々の性質に応じて適切に精鉱と脈石とを分離する手段を選ぶことが可能となり、例えばふるい格子のように海水中での選鉱が水による抵抗の影響を受け、選鉱時間が非常にかかるようなことが防止できる。
また、前記海底分離手段を空気又はガスを循環させた浮遊選鉱手段により構成すれば、浮遊選鉱手段に用いられる空気又はガスを海底で再利用することができるから、大量の空気又はガスを浮遊選鉱中に常時、海上あるいは陸上から供給するためのエネルギーが不要となり、金属鉱物資源開発の経済性を向上させることができる。
また、粉砕手段及び/又は海底分離手段が、水平調節手段を有している構成とすれば、粉砕手段及び/又は海底分離手段を水平に保つことが可能となるから、傾斜による効率の低下や機能が損なわれるといった事態を防止して、これらを効率良くかつ確実に機能させることができる。
また、粉砕手段が、空気又はガスを介在させた中で機械的な力により鉱物資源を粉砕する構成とすれば、水による抵抗を受けず鉱物資源の粉砕を空気又はガス中で効率良く行うことができる。
また、粉砕手段が、ボールミルを含んでいる構成とすれば、鉱物資源を微粉砕することができるから、海底分離手段による精鉱と脈石の分離効率を向上させることができる。
また、採鉱手段と粉砕手段がユニット体として海底に設けられている構成とすれば、これら手段の取り扱いが容易になる。例えば、採鉱手段と粉砕手段を海上からつり下げて降ろす場合に、両者の位置関係を固定して一体のものとして取り扱うことができるから、海底への設置及び海底からの引き上げが容易になる。
また、脈石処分手段により前記脈石を前記採鉱手段で採鉱した同一場所あるいはその近傍の海底に設けられた処分区画において処分する構成とすれば、不要な脈石を採鉱したもとの場所に戻すことができるから、海水中への拡散や散逸を防ぎ、脈石処分による環境への影響を小さくすることができる。
本発明の実施の形態1につき、図面を参照しつつ以下に説明する。
図1は本発明の海底鉱物処理システム100の概略構成を模式的に示す概略図である。同図に示すように、本発明の海底鉱物処理システム100は、海底1の熱水鉱床2等に存在する鉱物資源を採鉱する採鉱機(採鉱手段)10と、採鉱機10で採鉱した鉱物資源を粉砕する海底に設けた粉砕手段20と、粉砕手段20で粉砕した鉱物資源から精鉱と脈石を選別する海底に設けた海底鉱物処理用カラム浮選機(海底分離手段)40と、精鉱を海上の海面3に位置する母船(送気手段)70に揚鉱する精鉱揚鉱手段60とを備えている。なお、本実施の形態の海底鉱物処理システム100では、後に説明するように海底鉱物処理用カラム浮選機40の排出口54(図4参照)が脈石処分手段として機能する。
このように、海底鉱物処理システム100は、不要な脈石が取り除かれた精鉱を揚鉱及び輸送の対象としているから、脈石を揚鉱し輸送するためのエネルギーが不要となる。したがって、海底鉱物処理システム100を用いることにより、海底1に存在する金属鉱物資源開発の経済性を向上させることができる。
なお、図1に示した海底鉱物処理システム100は、通常、海面3からの深さが1000メートル以上の深海底において用いられるものであるが、深い湖沼底で鉱物が発見された場合等には湖沼で用いることも可能である。
採鉱機10は、深海底の熱水鉱床2に存在する有用金属鉱物などの鉱物資源を採取するものである。本実施の形態では、採鉱機10の前方に設けられている切削機11により鉱物資源を採取するが、切削機11の代わりに、例えば、鉱物資源を吸引して採取する吸引手段などを用いることもできる。また、海底1において任意の方向に移動する手段として、採鉱機10はその両側にクローラー12を備えている。なお、図1には示していないが、採鉱機10は深海において視界が不良な状況下での作業を可能とするための検知手段や撮像手段等を備えている。
海底鉱物処理システム100では、海底鉱物処理用カラム浮選機40を用いて精鉱と脈石とに分離する。精鉱は、海底鉱物処理システム100により海面3の母船70に移送され、最終的には製錬所で製錬される。脈石は海底の処分区画55等に排出されて、処分される(図2(b)参照)。なお、海底鉱物処理用カラム浮選機40により分離された精鉱は、熱水鉱床2が陸の近傍に存在する場合などには、母船70ではなく陸に直接移送することもできる。
地上で用いられているボールミルを海中で使用する場合、開口部からその内部に水が流入する。このため、海水の作用により物質を粉砕する際における鋼球の抵抗が増加して、鋼球の粉砕力が低下する。したがって、地上で用いられているボールミルを海底で使用するには、上述した抵抗の増加を防止するための構成を採用することが望ましい。
このように、その内部の処理部24に空気等を供給する圧縮空気圧入用ホース26を備えている海底鉱物処理用ボールミル21を使用することにより、次の分離プロセスに投入するのに充分な程度にまで原鉱を微粉砕することが可能になる。
海底鉱物処理用ボールミル21において微粉砕された原鉱は、処理部24内に連結された吸引管27からポンプ28を用いて吸引されて、海底鉱物処理用カラム浮選機40(図1参照)へと供給される。
なお、海底鉱物処理用ボールミル21は、上記構成の他に、モータ、減速器、ベアリング、給電設備などを備えている。
また、処理部24内に圧入される空気以外のガスとしては、例えば窒素ガス等が用いられる。なお、機械的な力により鉱物資源を粉砕する手段として空気やガスが介在する中で粉砕することに利点がある手段は、ボールミルの他、ロッドミルやハンマークラッシャ等がある。
図4に海底鉱物処理用カラム浮選機40の概略構成を示す断面図を示す。同図に示すように、海底鉱物処理用カラム浮選機40では、微粉砕された粒子と水を充填したカラム状の構造物であるカラム41内下部に設けられている気泡発生ノズル42から空気等を圧入し、気泡B(図では白抜きの丸で示す。)を発生させて、カラム41内に下から上への気泡Bの流れを形成する。そして、気泡発生ノズル42より上から精鉱粒子M(図では黒塗り三角で示す。)と脈石粒子S(図では白抜きの四角で示す。)と水との混在物であるパルプPをカラム41内に投入することにより、精鉱粒子Mのみを気泡Bの表面に付着させて(B+M)上昇させ、脈石粒子Sを沈降させることができる。このようにして、カラム41内にパルプPを投入することにより、精鉱粒子Mと脈石粒子Sとを分離することができる。
しかし、空気等を海中に放出し空気等を海上又は陸上から新たに供給することにより、精鉱粒子Mと脈石粒子Sとを分離することは経済的ではない。なぜなら、深海底での海底鉱物処理用カラム浮選機40による選別において、海上又は陸上から海底鉱物処理用カラム浮選機40に空気等を供給するためには、海底での水圧が相当高くなることから(水深1000メートルで100気圧)、非常に大きなエネルギーを要するからである。
そこで、海底鉱物処理システム100は、海底鉱物処理用カラム浮選機40に供給された空気等を再利用し、所定量の空気等が供給された後は、再利用における漏洩や海水中への溶解により不足した場合に、不足分の空気等を追加する構成としている。このように、気泡発生ノズル42からカラム41内に圧入された空気等をカラム上端部43から回収し、気泡発生ノズル42からの気泡発生に繰り返し使用すること、すなわち空気等を再循環させることにより、気泡Bの発生に要するエネルギー効率を向上させて、効率的、経済的な精鉱Mと脈石Sとの分離を実現している。
より具体的には、アキュムレータ44は、ホース46、配管47・48と連通されている。そして、母船70(図1参照)内に設けられている送気手段(図示せず)から供給された空気等は、後述する連結管61と併行に設けられている空気供給管71を介して、ホース46からアキュムレータ44内に供給され、配管47を介してカラム41内下部の気泡発生ノズル42に供給される。そして、アキュムレータ44は、カラム上端部43の空間50に連通されている配管48を介してカラム41から空気等を回収する。当該回収は、配管48の備えているポンプ45及びバルブ49を制御することにより行う。
なお、カラム41、アキュムレータ44、ホース46、配管47・48、バルブ49等は密閉容器ではないため、耐圧性を備えたものにより構成することは必要ではない。また、海底鉱物処理システム100では、空気供給管71を、ホース46と粉砕手段20の圧縮空気圧入用ホース26(図3参照)に共通の空気等の供給手段として用いているが、各々別のものにより構成することとしても良い。
なお、海底での選鉱に当たり、空気あるいはガスを循環させて選鉱を行う方法は、海底鉱物処理用カラム浮選機40のような浮遊選鉱手段以外にも、静電選鉱、磁気選鉱、比重選鉱、空気選鉱といったおよそ海水が介在することにより、地上とは選鉱条件が異なり不具合を生じるあらゆる選鉱手段に思想的に適用できるものである。
精鉱揚鉱手段60は、連結管53を介して海底鉱物処理用カラム浮選機40に連結されており、連結管61を介して海面3の母船70に連結されており、海底鉱物処理用カラム浮選機40により脈石が分離された精鉱を母船70に揚鉱するものである。
海底鉱物処理システム100では、精鉱を母船70に揚鉱した後、陸地に輸送して製錬することとしているが、陸地の近くにおいて海底鉱物処理システム100が用いられる場合は、母船70に揚鉱せずに、精鉱を陸地に直接揚鉱することとしても良い。また、揚鉱は母船70にして、空気は陸上に設けた送気手段から供給することもできる。
特に、海底鉱物処理システム100は、海底鉱物処理用カラム浮選機40を用いているから、水平調節装置80により水平に設置された状態を確保することが、精鉱と脈鉱との分離を効率良く行うために有効である。
なお、水平調節装置80は架台81の水平を保つためのものであるから、4つの支柱82の全てにアクチュエータ83が設けられていることは必ずしも必要ではなく、支柱82のうち水平調節に必要なものにのみアクチュエータ83を設けることとしても良い。
本発明を母船70上に備えられた海底鉱物処理用カラム浮選機(海上分離手段)40を用いて実施した海底鉱物処理システム200について、図6を参照しつつ以下に説明する。なお、実施の形態1において説明したものについては、同じ番号を付して本実施の形態では説明を省略する。
海底鉱物処理システム200は、採鉱機10、粉砕手段20と、海底鉱物処理用カラム浮選機40及び揚鉱手段60’を備えている点において、海底鉱物処理システム100と同じであるが、海底鉱物処理用カラム浮選機40が、海底1ではなく、海面3の母船70上に設けられている点において、海底鉱物処理システム100と相違している。
このため、本実施形態の海底鉱物処理システム200では、吸引管27により粉砕手段20と揚鉱手段60’とが連結されており、精鉱と脈石とが分離される前の状態で、揚鉱手段60’により海面3まで揚鉱される。そして、母船70上の海底鉱物処理用カラム浮選機40により精鉱と脈石とを分離して、不要な脈石を海底1に処分(廃棄)する。
したがって、製錬のための輸送の後に精鉱と脈石とを分離する従来の海底鉱物処理システム(図2(a)参照)と比較して、脈石を輸送しない分だけ輸送効率が向上し、また、脈石の処分を容易に行うことができる。
海底鉱物処理システム200では、海底鉱物処理用カラム浮選機40の排出口54から排出された脈石は、連結管61と併行して設けられている排出管62及びその先端に設置された排出ノズル63を介して、処分区画55にて処分される。これにより、脈石をもともと存在していた海底に戻し、環境への影響を小さくすることが可能となる。
また、海底で採鉱、粉砕を行った原鉱を揚鉱した後、海上で分離を行って脈石を海底に処分し、精鉱のみを陸上に輸送する海底鉱物処理システムとして利用することもできる。
なお、本発明が陸地に近い位置に利用される場合、海底で分離された精鉱を直接陸上に揚鉱することとしてもよい。
20 粉砕手段
21 海底鉱物処理用ボールミル(粉砕手段)
40 海底鉱物処理用カラム浮選機(海底分離手段、海上分離手段)
54 排出口(脈石処分手段)
60 精鉱揚鉱手段
60’ 揚鉱手段
62 排出管(脈石処分手段)
63 排出ノズル(脈石処分手段)
70 母船(送気手段)
80 水平調節装置(水平調節手段)
100、200 海底鉱物処理システム
Claims (8)
- 海底に存在する鉱物資源を採鉱する採鉱手段と、
前記採鉱手段で採鉱した前記鉱物資源を粉砕する海底に設けた粉砕手段と、
前記粉砕手段で粉砕した前記鉱物資源から精鉱と脈石を選別する海底に設けた海底分離手段と、
前記精鉱を海上あるいは地上に揚鉱する精鉱揚鉱手段と、
前記脈石を海底に処分する脈石処分手段を備え、
前記粉砕手段が封止された空間を有し、海上あるいは地上に設けた送気手段から空気又はガスの補給を前記封止された空間で受け、
前記空気又は前記ガスを介在させた中で機械的な力により前記鉱物資源を粉砕することを特徴とする海底鉱物処理システム。 - 前記海底分離手段が、前記鉱物資源の性質に基づいて前記精鉱と前記脈石を選別するものであることを特徴とする請求項1に記載の海底鉱物処理システム。
- 前記海底分離手段が、補給された前記空気又は前記ガスを循環させた浮遊選鉱手段であることを特徴とする請求項2に記載の海底鉱物処理システム。
- 前記粉砕手段及び/又は前記海底分離手段が、水平調節手段を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のうちの1項に記載の海底鉱物処理システム。
- 海底に存在する鉱物資源を採鉱する海底に設けた採鉱手段と、
前記採鉱手段で採鉱した前記鉱物資源を粉砕する海底に設けた粉砕手段と、
前記粉砕手段で粉砕した前記鉱物資源を海上に揚鉱する揚鉱手段と、
前記揚鉱手段で揚鉱された前記鉱物資源から精鉱と脈石を海上で分離する海上分離手段と、
前記脈石を海底に処分する脈石処分手段を備え、
前記粉砕手段が封止された空間を有し、海上あるいは地上に設けた送気手段から空気又はガスの補給を前記封止された空間で受け、前記空気又は前記ガスを介在させた中で機械的な力により前記鉱物資源を粉砕することを特徴とする海底鉱物処理システム。 - 前記粉砕手段が、ボールミルを含んでいることを特徴とする請求項1から請求項5のうちの1項に記載の海底鉱物処理システム。
- 少なくとも前記採鉱手段と前記粉砕手段が、ユニット体として海底に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちの1項に記載の海底鉱物処理システム。
- 前記脈石処分手段が、前記脈石を前記採鉱手段で採鉱した同一場所あるいはその近傍の海底に設けられた処分区画において処分するものであることを特徴とする請求項1から請求項7のうちの1項に記載の海底鉱物処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010201166A JP5594729B2 (ja) | 2010-09-08 | 2010-09-08 | 海底鉱物処理システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010201166A JP5594729B2 (ja) | 2010-09-08 | 2010-09-08 | 海底鉱物処理システム |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012057350A JP2012057350A (ja) | 2012-03-22 |
JP2012057350A5 JP2012057350A5 (ja) | 2013-10-24 |
JP5594729B2 true JP5594729B2 (ja) | 2014-09-24 |
Family
ID=46054777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010201166A Expired - Fee Related JP5594729B2 (ja) | 2010-09-08 | 2010-09-08 | 海底鉱物処理システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5594729B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6386802B2 (ja) * | 2014-06-12 | 2018-09-05 | 東亜建設工業株式会社 | 水底地盤掘削装置および水底地盤掘削システム |
JP6739022B2 (ja) * | 2016-10-26 | 2020-08-12 | 国立大学法人 東京大学 | 海洋資源揚鉱装置およびこれを用いた海洋資源の揚鉱方法 |
JP2018172891A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 古河機械金属株式会社 | 海中採鉱基地 |
CN108412497B (zh) * | 2018-05-03 | 2024-03-22 | 长沙矿冶研究院有限责任公司 | 一种海底硫化物采矿试验系统及其布放回收方法 |
CN113294158A (zh) * | 2021-06-18 | 2021-08-24 | 中国船舶工业集团公司第七0八研究所 | 一种深海采矿矿物处理系统 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4232903A (en) * | 1978-12-28 | 1980-11-11 | Lockheed Missiles & Space Co., Inc. | Ocean mining system and process |
JPS56142997A (en) * | 1980-04-08 | 1981-11-07 | Naoyuki Hamanaka | Method of and apparatus for separate sampling of submarine manganese nodule |
JPS6237496A (ja) * | 1985-08-12 | 1987-02-18 | 有限会社 研電社 | 砂鉱採取装置 |
JP2555019B2 (ja) * | 1986-03-07 | 1996-11-20 | 双葉電子工業株式会社 | 蛍光表示管の駆動方法 |
JPH05141175A (ja) * | 1991-11-19 | 1993-06-08 | Hisashi Takeyama | 海底鉱物資源の採取方法およびその粉砕装置および連結装置 |
JP4528987B2 (ja) * | 1999-02-25 | 2010-08-25 | 株式会社ジパング | 海底資源の採取方法及び採取システム |
JP2007152227A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Hiroyoshi Hamanaka | 運動機能性エアロゾルを用いる剥離洗浄方法 |
-
2010
- 2010-09-08 JP JP2010201166A patent/JP5594729B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012057350A (ja) | 2012-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6208401B2 (ja) | 揚鉱システム及び揚鉱方法 | |
JP5594729B2 (ja) | 海底鉱物処理システム | |
JP6890129B2 (ja) | 海底鉱物形態回収システム | |
JP2012057350A5 (ja) | ||
JP4970627B1 (ja) | 汚染物質分離除去方法 | |
AU2018204736B2 (en) | A Method for Mining and Processing of an Ore | |
Miller et al. | Significance of exposed grain surface area in coarse particle flotation of low-grade gold ore with the HydrofloatTM technology | |
CN203066912U (zh) | 废钻井泥浆不落地接收筛分装置 | |
CN109208537A (zh) | 一种疏浚土固化筑岛的施工方法 | |
JP2010236179A (ja) | 採取装置及び水底資源の採取方法 | |
JP6878721B2 (ja) | 海底有価物質の揚鉱方法及び揚鉱装置 | |
MX2007003412A (es) | Solucion de mineria para reflotacion y colocacion de una estructura de flotacion mar adentro. | |
JP2016169587A (ja) | 掘削土の処理方法及び処理システム | |
CN108603632B (zh) | 驱动模块及其使用,浮选设备及更换所述驱动模块的方法 | |
CN210660199U (zh) | 废弃矿井回填系统及回填矿井 | |
KR20110056483A (ko) | 수중 토양을 매립장으로 대량 전달하기 위한 방법 | |
JP6570000B2 (ja) | キャリア物質、これを用いる海底有価物質の揚鉱方法及び揚鉱装置 | |
WO2014098913A1 (en) | Subsea mining system and method | |
CA2173533A1 (en) | Preparation of waste for storage and management facilities therefor | |
JP2021123884A (ja) | 液体中から固形物を選択的に回収する回収装置及び回収方法。 | |
RU2312989C1 (ru) | Способ разработки алмазоносных кимберлитовых трубок и плавучая установка для его осуществления | |
US11491492B2 (en) | Separation apparatus and method | |
JP6309348B2 (ja) | 分級装置、汚染水処理システム、及び分級方法 | |
Nakajima et al. | Study on seafloor mineral processing for mining of seafloor massive sulfides | |
WO2018025059A1 (es) | Embarcación adaptada con un sistema de preparación, transportación, almacenamiento e inyección de lechada a base de recortes de perforación |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130906 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130906 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140218 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140421 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140701 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140730 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5594729 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |