JP4528987B2 - 海底資源の採取方法及び採取システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は海底(深海と浅海を問わず)に堆積し、埋蔵し、又は熱水として噴出している金その他の有用金属等を母船まで持ち上げ、海水と有用金属等を分別採取することを目的とした海底資源の採取方法及び採取システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来海底にあるマンガン団塊を母船に持ち上げる採鉱装置の発明・考案が知られている(特公昭57−52479号、特公平2−27517号、実公昭60−19197号)。また海底鉱床の鉱石をスラリー状にし、パイプラインと、ポンプユニットを介して母船上に移送する海底鉱床採鉱装置の発明が知られている(特開昭61−122393号)。
【0003】
【発明により解決しようとする課題】
前記従来の発明・考案は、水底又は中間点におけるジェット噴流によりマンガン団塊を吸引上昇させる方式を採用しているので、深海においては著しく高圧ジェット流を必要とする。例えば特公平2−27515号の発明は、4000m〜6000mの深海の採鉱を目標としているが、この場合には、400kg/cm2 〜600kg/cm2 の高圧水をノズルから吹出さなくいてはならないのみならず、このような高圧水を多量に4000m〜6000m送流しなければならないなどの問題点がある。
【0004】
前記のようにして母船上に上げたマンガン塊などは比較的容易に分別できるけれども、鉱石を海底で破砕し、スラリー状にした場合に、厖大な量の水と共に母船上へ運ばれたスラリーから、有用金属を分別する点については、何等分別手段が示されていない。例えば1秒間に10トンのスラリーが運ばれた場合に、これを連続処理するには厖大な装置が必要であり、かつ排水により海水汚染のおそれもある。然も陸上処理施設のように排水を循環使用することはできないなどの問題点がある。特に採取金属が金などの場合には、従来知られている分別方法はそのままでは全く使用できない問題点があった。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
この発明は、海底の水圧を利用して、鉱石、砂などを吸引上昇させると共に、磁気分別することにより、連続多量処理を可能にし、かつ排水を海中の相当な深さに戻すことにより、排水による海洋汚染問題も解決したのである。
【0006】
即ち方法の発明は、探鉱手段により見つけた海底にある資源を採鉱手段により採取し、この採取した資源を海水と混合して混合水とし、この混合水は吸入パイプを介して母船内に流動搬送し、前記混合水の流動中に、前記混合水の固形物を大粒と小粒に分別し、ついで小粒入り混合水は分別手段を介して有用粒子と無用粒子とに分別すると共に、前記無用粒子入り混合水は、前記分別手段に連結し海中に挿入した投棄パイプを介して海中に戻すことを特徴とした海底資源の採取方法であり、吸上げパイプの吸入口と、投棄パイプの排出口とは、開放口なく連結されるものであり、分別手段は、磁気分離、スクリーン分離、比重分離又は遠心分離を組合せて使用するものである。
【0007】
次にシステムの発明は、請求項1記載の方法を実施するシステムであって、海底における資源の探鉱手段、と採鉱手段の為、海底移動ハウジングと、該ハウジングに海底を照らす照明手段と、海底を撮す撮影手段と、資源と水との吸入手段を設置し、前記により撮影した映像を母船内で写されるモニターに基づき、ハウジング移動手段を操作して探鉱する手段と、資源を海底から母船まで運搬する運搬手段と、運搬した資源の分別手段と、不用物を海中に戻す投棄手段とを組み合わせて、連続処理ラインとしたことを特徴とする海底資源の採取システムであり、分別手段は、固形物を大粒と小粒に分別するスクリーン分別手段と、小粒を磁性の強弱により分別する磁気分別手段とを連結したものである。
【0008】
また、投棄手段は、投棄パイプの上端を分別手段の排水口に接続し、投棄パイプの他端部を海中深く挿入したものであり、海底移動ハウジングはドーム状であってそのハウジングの中央部に、吸入パイプを貫通設置し、前記ハウジングの外側壁上部に海底を照らす複数の照明手段と、海底を撮す撮影手段を設置し、前記ハウジングの外側壁下部に、ハウジングを前後、左右に移動させる移動手段を設置し、前記吸入パイプの下端部は、吸入口を形成すると共に、該吸入口の外壁に、掘削用のジェットノズルを設置したものである。
【0009】
また前記システムを構成する装置は、一端を吸入管に連結し、他端を排出管に連結した強磁性の分離円筒の外側に、磁場形成用のソレノイドコイルを配置し、前記分離円筒内に、強磁性の遊離固形片を収容すると共に、分別すべき混合水の送流と、前記分離円筒内に磁着した固形物の排出の為の清掃流体の送流に必要なパイプ装置を、前記吸入管と排出管に夫々連結したことを特徴とする海底資源の流動搬送装置であり、吸入パイプの上端部に、内部を減圧し、上昇流を得る為の水のジェットノズル又は水と空気との混合物のジェットノズルを設置したことを特徴とする海底資源の吸上げ流動力付与装置である。
【0010】
前記発明においては、吸入パイプの上端部におけるほぼ10m〜20mの間の水を除去すべく、ジェット噴射により上部を減圧すれば、海底が1000mでも2000mでも、一律に吸入パイプ内へ上昇流が発生する。例えば吸入パイプの上端部の水を毎秒2mの速度で吸い上げると、吸入パイプ内の水は毎秒2mの速度で上昇する。この上昇速度は、吸上げ力と、流動抵抗力が一致する速さまで上昇する。
【0011】
従って直径0.5mの吸入パイプの上端部10m分の水を10秒間に吸い上げれば、毎秒1mの流速を付与することができる。この場合に、1時間に0.28万トン、1日に6.7万トンの水を持ち上げることができる。前記吸上げにおいて、水量を80%とすれば、鉱石又は砂は1.3万トンとなる。そこで1トン20gの富金鉱の場合には、1日に271kgの金粒子を母船上へ持ち上げることができる。
【0012】
この発明によれば、吸入パイプの下端には、例えば水深1000mで100kg/cm2 の水圧が掛っているので、吸入パイプの上端の水圧10kg/cm2 を取り除けば、吸入パイプ内には、10kg/cm2 の差圧による水流を生じるので、吸込み力を生じ、砂又は鉱石等を吸い上げることができる。
【0013】
この発明において、吸込むべき砂等又は鉱石が海底に堆積固化していなければ比較的容易に吸込むことができるが、鉱石等の一部又は全部が泥土中に埋設されていたり、一部固化している場合には、吸込み力だけでは破砕できない場合がある。このような場合にはジェット噴水によって破砕してから吸い上げる。この場合のジェット噴水の圧力は、破砕に必要な圧力である。また堆積固化した泥土中に埋設されている場合には、泥土を取除き、求める鉱石を破砕して吸い上げる。更に熱水の噴出の場合には、単に吸込みのみで十分である。
【0014】
この発明において、吸入パイプの吸入口の位置を移動して、有用鉱石等を採取する必要があるが、水底の様子が不明であるから、適宜の照明、カメラによる撮影と、吸入口の移動などが必要である。例えば熱水が噴出していて、その中に含まれる貴金属その他の有効物質を吸込み、母船で分別するような場合には、吸入パイプ端にドーム状の案内を連設して、定位置で、前記熱水を吸込めばよいが、砂金鉱床などで掘削を要する場合には、掘削できる装置及び吸入パイプ端の移動装置が必要である。
【0015】
この発明におけるハウジングの形状はドーム状が好ましく、前後左右の移動ができると共に、バランスがとれ、安定した形状が好ましく、必要な器機以外は開放しておけば、耐圧壁は最少に構成できる。
【0016】
この発明における吸入パイプの外側に、電気のケーブル及び加圧水を送流する為の加圧パイプを添設しておけば、前記ケーブル及び加圧パイプを耐海水材の肉厚内へ埋設しておけば、吸入パイプが補強され、特別の補強手段を付加する必要はない。
【0017】
前記における有用金属等とは、金、銀等の貴金属、鉄、マンガンその他の金属のみならず、ダイヤモンドその他の鉱石等を含むものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明は、海底に堆積し、又は埋設し、或いは鉱脈として存在する金その他の有用金属等を海水との混合水とし、吸込んで母船内に持ち上げ、水と有用金属等とを分別した後、残余の混合水を再び水底に戻すようにした海底資源の採取方法である。
【0019】
また前記方法を実現する為に、資源探鉱手段、採鉱手段、資源の運搬手段、分別手段及び不用混合水の投棄手段とを連結する処理ラインとした海底資源の採取システムである。
【0020】
次に海底資源を効率よく吸込む為に、吸水パイプ端にドーム状ハウジングを連設し、該ハウジング内で生成した海底資源と水との混合物を、前記吸水パイプで吸い上げるようにする為に、海底堆積層又は鉱石等の破砕装置(ジェット噴水)と、前記ドーム状ハウジングを移動させる為の動力装置と、海底の状況を母船上でモニターして把握する為の照明と、写真撮影装置とを設置したことを特徴とする海底資源採取装置である。
【0021】
またこの発明の装置として吸入パイプ内に混合水を吸入する為に、吸入パイプの上端部の10m〜20mの水を流動させるジェット噴射装置がある。次に他の装置として連続的に持ち上げられた混合水から、有用金属(例えば金)を分別する分別装置がある。
【0022】
更に他の装置として、混合水から大粒固形物を分離すると共に、分離処理後の混合水から有用金属等を分別採取し、残余の混合水を海中へ戻す混合水投棄装置がある。
【0023】
前記分別装置は、磁性分離であって、設置した並列強磁場中に混合水を流送し、有用金属等を磁性別に分別磁着させるものである。例えば鉄、マンガンのような強磁性粒子は千ガウス〜1万ガウスの磁場で磁着し、金、銀、銅のような弱磁性粒子は5万ガウス〜20万ガウスの磁場で磁着させるなどの手段によるものである。
【0024】
前記における投棄混合水は、ジェット噴射動力によって海水中へ深く投棄する。この場合における投棄深度は、海水汚染を生じない程度の深さとする必要がある。
【0025】
【実施例1】
この発明の実施例を図面に基づいて説明する。海底固形物が砂状の場合はそのまま、鉱石状の場合には、加圧水などによって破砕し、海水による混合水として(例えば水分80%)吸入パイプに吸込む。この吸込みは、吸入パイプの上端部の母船内において、加圧水(例えば5kg/cm2 加圧空気を混入させる場合もある)をジェット噴射し、上昇流を生成することにより生じる。
【0026】
即ちジェット噴射により吸入パイプの上端内側に負圧を発生させると、吸入パイプ内の圧力バランスが崩れ、これを補足する為に上昇流が生じる。これは、開放水面における水位は同一になるという簡単な理由による。そこで吸入パイプの上端部内側の水を上昇させると、上昇により負圧となるので、これを補う為に吸入パイプ内に上昇流を生じる。前記負圧により、例えば毎秒1mの上昇流を生成すれば、吸入パイプの下端から毎秒1mの速度で混合水が吸込まれることになる。
【0027】
前記のようにして吸込まれた混合水は、母船上に持上げられて、大粒を除去した後磁気分別される。この磁気分別は、例えば千ガウスの磁場で砂鉄などの強磁性粒子を磁着分離した後、5万ガウス〜20万ガウスの磁場で、金銀を磁着分離し、残余の混合水は投棄パイプを介して海中深く投棄する。
【0028】
前記投棄の水深は、海中汚染を発生しない深さとするが、吸入パイプと、投棄パイプは連続しているので、投棄の為に高いエネルギーを加えることなく、投棄パイプ端の水圧バランスを破る程度の圧力で容易に投棄できる。
【0029】
前記磁気分別は、複数の分離円筒を並列して用い、一方の分離円筒で磁着物を取出す時に、他の方の分離円筒を稼働させることにより、吸入パイプ内の上昇流と同一流速を保ち乍ら、分別作業を続行することができる。
【0030】
前記における吸入パイプの吸い込み口は、適宜移動させることにより広大な鉱区であっても、逐次合理的かつ高能率で採鉱処理することができる。
【0031】
【実施例2】
この発明の他の実施例を図2、3、4について説明する。海上に浮べた母船1から吸入パイプ2を海底3に向けて挿入し、前記吸入パイプ2の下端部はドーム状のハウジング4の中央部を貫通して、前記吸入パイプ2の吸入口部5を海底3と対向させる。前記ハウジング4は保形用の構造材6の少くとも上側部を覆材8で覆われると共に器機の収容部8aとし、下部構造材6aの前後左右に、移動用の噴射ノズル7a、7b、7c、7d(全部をいう場合には符号7とする)を横向きに設置し、前記吸入パイプ2の吸入口部5の周囲に少くとも1個の加圧水の噴射ノズル9を下向きに設置して吸上げ装置36が構成してある。前記構造材6の上部には照明灯10、10と、カメラ11を設けてある。前記カメラ11はハウジング4の四周近辺を撮影できるように少くとも180度回転し、遠隔操作可能であって、母船1上でモニター及び操作できるようになっている。前記カメラ11は、カメラ台11aを回転することにより回転する。図中42はフレキシブルジョイントである。
【0032】
前記照明灯10、カメラ11には夫々電気ケーブル13、13が接続され、ノズル7、9には母船1からの加圧水パイプ14、14の切替バルブ12、12を介して分岐パイプ15、15が連結してある。
【0033】
前記実施例において、吸入パイプ2の上端湾曲部付近に設置した高圧ポンプ16を介して高圧ノズル17から高圧水を矢示18のように噴射すると、吸入パイプ2と連設した横設パイプ2aの内側の水が矢示19のように流動を開始し、該部が減圧されるので、吸入パイプ2内の水圧が上下アンバランスとなり、矢示20のような上昇流となる。この場合に、前記横設パイプ2aの断面積と吸入パイプ2の断面積が同一ならば、横設パイプ2a内に毎秒1mの流速が生じれば、吸入パイプ2の下端の流速も毎秒1mとなるので、鉱石等の吸込みの良否を勘案し、横設パイプ2a内の流速を調節して吸入パイプ2の下端部の流速を決める。
【0034】
前記において、母船1上に持ち上げた混合水から、大粒固形物72と、小粒固形物73を分離する装置を図10、11について説明する。
【0035】
前記横設パイプ2aの一部に分離装置74を介装する。該分離装置74は、前記横設パイプ2aに分離パイプ75を連結し、該分離パイプ75内に、前記横設パイプ2aから矢示76のように直進する混合水に対し、角度をなして分別網77を張設し、前記分別網77の下側に、分別固形物(大粒)を収容する為の分岐パイプ78の上端を連結し、該分岐パイプ78の下端に大粒固形物72の収容タンク79を連設して構成してある。前記分別網77は図10の実施例のように下向きに設けたり、図11の実施例のように上向きに設けるが、要は大粒固形物72を分別する為であって、その形状及び設置の具体的構造には限定されない。
【0036】
前記のように分別網77を張設する位置は、前記横設パイプ2aの断面積よりも断面積を大きくして、分別網77による抵抗損失を可及的に小さくする。
【0037】
前記実施例において、混合水が横設パイプ2a内を矢示76のように直進し、分別網77を通過する時に大粒固形物72は、分別網77により分別され、矢示80のように落下して収容タンク79に収容される。該収容タンク79に収容された大粒固形物72は、取出しパイプ81から取出され、次工程(処理又は投棄)へ運ばれる。前記分別網77を通過した混合水は、分離円筒24に導かれて有用金属等と残余混合水に分別処理される。
【0038】
前記のようにして、適度の流速により母船に混合水を持ち上げ、流動中に有用金属等と、残余混合水とに分別し、残余混合水は磁気分別装置21の排水側に連結した投棄パイプ22を介し投棄混合水として海中深く投棄する。この場合における投棄深度は公害汚染を勘案して適宜定める。
【0039】
前記において、ハウジング4の下方の鉱石等を採取し尽したならば、噴射ノズル17の何れか一つ又は二つを噴射して必要なだけハウジング4を移動し、再び前記と同一操作で採鉱を開始する。
【0040】
またハウジング4の移動量が限界に達したならば(例えば半径50m)、母船を移動し、次の採取区に移動する。この発明の採鉱においては、予め鉱区の位置を決めているので、該鉱区を区分して、計画に基づき順次採鉱することにより、合理的かつ洩れなく採鉱することができる。
【0041】
【実施例3】
この発明の海底資源の吸上げ流動搬送システム及び装置の実施例を図7、8、9について説明する。
【0042】
この発明は、電磁石により生成した磁場内で流動する混合水中から強磁性粒子と弱磁性粒子を夫々分別し、別々に系外に取出し、残余の投棄混合水を海中へ投棄するようにした海底資源の採取システム及び装置である。以下砂金採取について説明する。
【0043】
即ち吸入パイプ2で吸上げられた混合水を分離円筒24内へ給送する。この場合に、図7中バルブ25、26、27、28を開き、バルブ29、30、31、32を閉じれば、混合水は、矢示34、35、38のように分離円筒24内へ入る。該分離円筒24は強磁性のステンレス製であって、外側には、複数組のソレノイドコイル37、37a、37b、37cが順次並列設置してある。前記ソレノイドコイル37、37a、37b、37cは、混合水の下流に行く程磁力が強くなるようにしてある。例えばソレノイドコイル37は5千ガウス、ソレノイドコイル37aは2万ガウス、ソレノイドコイル37bは5万ガウス、ソレノイドコイル37cは20万ガウスとし、ソレノイドコイル37、37a、37bはほぼ同一幅であって、ソレノイドコイル37cは2倍以上の幅にしてある。従って、強磁性の砂鉄(又は鉄粒子に固着した砂金)は5千ガウスの磁場に磁着し、弱磁性の砂金(砂金又は非磁性粒子が固着した砂金)は、5万ガウス、20万ガウスの磁場に磁着する。
【0044】
前記のようにして、強磁性砂鉄はもとより弱磁性砂金も、悉く磁着し、混合水から分離される。残余の混合水は、矢示40、41、59のように、バルブ26、27、28を経て投棄パイプ22へ送られる。前記分離円筒24内の遊離強磁性体64(ねじ)に磁着した砂金が飽和状態になったならば、バルブ25、27を閉じ(例えばタイマーの指示による)バルブ43、32を開き、バルブ44を閉じると、混合水は、矢示34、55、56のように分離円筒24aに入り、分離円筒24と同様に砂金を磁着して分離混合水はバルブ32、28を経て矢示57、58、59のように投棄パイプ22へ送られる。
【0045】
一方バルブ31、29を開き、ポンプ45を始動すると、清掃用の清水が水タンク46から矢示47、48、49、50のように圧送(例えば5kg/cm2 )されて、分離円筒24内の混合水を投棄パイプ22へ送る。
【0046】
このようにして混合水がなくなったならば、バルブ29を閉じ、バルブ30を開くと共に、全ソレノイドコイル37、37a、37b、37cの電流を遮断する。このようにして総てのソレノイドコイルの磁場を消磁し、砂金への磁着力を消失させた後、ポンプ45により清水を圧送すると、砂金は清水と共に、矢示49、51、52のように流動し、捕集タンク53へ送られるので、砂金の磁着分離と、捕集の一サイクルを終了する。
【0047】
一方分離円筒24aで砂金の磁着が飽和状態に達したならば(例えばタイマーにより定める)バルブ43、32を閉じると共に、バルブ25、26、27を開いて、当初と同様に混合水を分離円筒24に給送し、分離円筒24内で砂金を磁着させ、残余の混合水を投棄パイプ22へ排出させる。
【0048】
次にバルブ23、33を開き、バルブ31を閉じてポンプ45を始動すれば、清水が水タンク46から矢示47、54のように分離円筒24a内へ送られ、矢示61、50のように、分離円筒24a内に残留している混合水を投棄パイプ22へ投棄する。このようにして分離円筒24a内の混合水が清掃されたならば、バルブ23、30を閉じ、バルブ44を開き、全ソレノイドコイル37、37a、37b、37cの電源を遮断すると、消磁されて分離円筒24aの磁着力がなくなるので磁着されていた砂金は清水と共に送流され、捕集タンク53へ溜まる。
【0049】
前記により捕集された捕集タンク53の混合水は、固液分離し、砂金のみを取出して適宜包装する。
【0050】
前記実施例は、分離円筒24又は24aの全磁着砂金を同時に清掃流体で流除したので、砂金の外に砂鉄なども混入しているが、各ソレノイドコイル毎の磁場を個別に消磁し、夫々の磁着物を個別に取出すことができる。
【0051】
例えば、砂金床によっては、砂鉄その他の強磁性粒子を多く含む場合などには、5千ガウスの磁場へ強磁性粒子が磁着し、弱磁性の砂金は5万ガウス以上の磁場のみへ磁着するので、該5万ガウス以上の磁場のみ消磁すれば、砂金のみを捕集し、強磁性粒子と自動分別することができる。
【0052】
次に前記実施例中、分離円筒24について説明する。該分離円筒24は強磁性の保持筒63の内側に、ステンレス製の分離円筒24を回転自在に嵌挿し、該分離円筒24内へ遊離強磁性片として多数のステンレス製のねじ64を収容する。該ねじ64の収容量は、50%〜90%(見掛け容積)とするが、通常80%前後を用いる。
【0053】
前記保持筒63の外側に、ソレノイドコイル37、37a、37b、37cを装着し、該ソレノイドコイル37、37a、37b、37cの外側に保護筒65装着し、前記分離円筒24の一側に加圧パイプ66を連結し、他側に投棄パイプ67を連結したもので、図中68、69は軸受け、70は分離円筒24を回転する為のプーリー、71は各ソレノイドコイル37、37a、37b、37cに対応して分離円筒24内を仕切、ねじ64が所定の位置を保つべく設けた仕切網であって、仕切網は混合水中の砂金等は通過させるが、ねじ64は通過させない程度の網目としてある。
【0054】
前記実施例において、各ソレノイドコイル37、37a、37b、37cに通電すれば、ねじ64は磁化されて、図5(a)、(b)のようになり、金粒子52は各ねじ64の先鋭部64aに磁着する図5(c)。
【0055】
またソレノイドコイル37の電流遮断すると共に、分離円筒24を回転すると、急激に磁力を失うので清掃流体を送流すれば、ねじ64から分離した砂金を分離円筒24から系外へ取出することができる。
【0056】
この発明で使用する遊離強磁性片は、前記ねじ64の他、楕円体、球体その他の不整形線体に尖鋭突条(又は突起)を設けた小片など、何れも使用することができる。然し乍ら発錆により磁着力が低下するので、ステンレススチールなど、強磁性であって、尖鋭外面を有する不銹性の小片が好ましい。前記尖鋭外面は磁力が強くなるので、弱磁性物でも容易に磁着することができる。
【0057】
また消磁に際して、分離筒を回転させるので、消磁速度を向上させると共に、強磁着力(例えば5万ガウス)で磁着する物は、消磁後の残留磁気が一時的に千ガウス付近になったとしても、弱磁性物に対しては最早磁着力は無いと同じであって、分別に支障はない。
【0058】
【発明の効果】
この発明は、海底に吊下した吸入パイプの上端部内側へ加圧流体をジェット噴射することにより上昇流を生成し、海底の資源と海水との混合水を吸入パイプを介して母船上へ吸い上げ、有用金属等を海水と分別採取すると共に、残余の混合水を海中へ戻すので、著しく簡単なシステム及び装置により、浅海底(例えば100m)の資源はもとより、深海底(例えば1000m以上)の資源でも容易に採取できる効果がある。
【0059】
また磁気分別するので、資源中の磁性体を磁性の強さ別に分別採取することもできる。
【0060】
この発明によれば、海底の資源を探鉱し、これを採鉱し、海水と共に吸い上げ、同一速度で流動中に分別処理することができるので、一貫全自動作業により能率よく資源を採取できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のブロック図。
【図2】同じくシステムの実施例の概念図。
【図3】同じく吸込み装置の実施例の概念図。
【図4】同じく平面の概念図。
【図5】(a)同じく吸入パイプの実施例の一部縦断面図。
(b)同じく一部横断面図。
【図6】同じく吸入動力の実施例の概念図。
【図7】同じく磁気分別装置の実施例の概念図。
【図8】同じく回転分離筒の実施例の一部を断面した正面図。
【図9】同じく遊離強磁性を収容した回転分離筒の一部断面図で、
(a)着磁状態の説明図。
(b)消磁状態の説明図。
【図10】同じく大粒固形物分離装置の実施例の一部断面図。
【図11】同じく他の実施例の一部断面図。
【符号の説明】
1 母船
2 吸入パイプ
2a 横設パイプ
3 海底
4 ハウジング
5 吸入口部
6 構造材
7(7a、7b、7c、7d)、9 噴射ノズル
8 覆材
8a 収容部
10 照明灯
11 カメラ
12 切替バルブ
13 電気ケーブル
14 加圧水パイプ
15 分岐パイプ
16 高圧ポンプ
17 高圧ノズル
21 磁気分別装置
22 投棄パイプ
23、25、26、27、28、29、30、31、32、33、43、44バルブ
24、24a 分離円筒
36 吸上げ装置
37、37a、37b、37c ソレノイドコイル
42 フレキシブルジョイント
45 ポンプ
46 水タンク
53 捕集タンク
63 保持筒
64 ねじ(遊離強磁性体)
65 保護筒
66 加圧パイプ
67 投棄パイプ
68、69 軸受け
70 プーリー
71 仕切
72 大粒固形物
73 小粒固形物
74 分離装置
75 分離パイプ
77 分別網
78 分岐パイプ
79 収容タンク
81 取出しパイプ

Claims (7)

  1. 探鉱手段により見つけた海底にある資源を採鉱手段により採取し、この採取した資源を海水と混合して混合水とし、この混合水は吸入パイプを介して母船内に流動搬送し、前記混合水の流動中に、前記混合水の固形物を大粒と小粒に分別し、ついで小粒入り混合水は分別手段を介して有用粒子と無用粒子とに分別すると共に、前記無用粒子入り混合水は、前記分別手段に連結し海中に挿入した投棄パイプを介して海中に戻すことを特徴とした海底資源の採取方法。
  2. 吸上げパイプの吸入口と、投棄パイプの排出口とは、開放口なく連結されることを特徴とした請求項1記載の海底資源の採取方法。
  3. 分別手段は、磁気分離、スクリーン分離、比重分離又は遠心分離を組合せて使用することを特徴とした請求項1記載の海底資源の採取方法。
  4. 請求項1記載の方法を実施するシステムであって、海底における資源の探鉱手段、と採鉱手段の為、海底移動ハウジングと、該ハウジングに海底を照らす照明手段と、海底を撮す撮影手段と、資源と水との吸入手段を設置し、前記により撮影した映像を母船内で写されるモニターに基づき、ハウジング移動手段を操作して探鉱する手段と、資源を海底から母船まで運搬する運搬手段と、運搬した資源の分別手段と、不用物を海中に戻す投棄手段とを組み合わせて、連続処理ラインとしたことを特徴とする海底資源の採取システム。
  5. 分別手段は、固形物を大粒と小粒に分別するスクリーン分別手段と、小粒を磁性の強弱により分別する磁気分別手段とを連結したことを特徴とする請求項4記載の海底資源の採取システム。
  6. 投棄手段は、投棄パイプの上端を分別手段の排水口に接続し、投棄パイプの他端部を海中深く挿入したことを特徴とする請求項4記載の海底資源の採取システム。
  7. 海底移動ハウジングはドーム状であってそのハウジングの中央部に、吸入パイプを貫通設置し、前記ハウジングの外側壁上部に海底を照らす複数の照明手段と、海底を撮す撮影手段を設置し、前記ハウジングの外側壁下部に、ハウジングを前後、左右に移動させる移動手段を設置し、前記吸入パイプの下端部は、吸入口を形成すると共に、該吸入口の外壁に、掘削用のジェットノズルを設置したことを特徴とする請求項4記載の海底資源採取システム
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