JP5594231B2 - 内燃機関の吸入空気量検出装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の吸入空気量検出装置は、内燃機関の吸気通路に配され、吸入空気流量に応じて信号を出力する検出部と、検出部から出力される信号を処理する回路部とを有するAFMと、AFMの応答遅れを補償する応答遅れ補償手段とを備える。
請求項2に記載の吸入空気量検出装置によれば、第2補償手段は、回路部での演算処理時間に基づいて設定されたディレイ時間を用いて、回路部において生じる応答遅れを補償する。
回路部において生じる遅れ要素として、演算処理時間に基づく所定のディレイ時間分だけ遅れるムダ時間要素がある。
そこで、本手段を採用することで、回路部において生じる応答遅れの補償を高精度に行うことができる。
請求項3に記載の吸入空気量検出装置によれば、第2補償手段は、移動平均処理によって回路部において生じる応答遅れを補償する。すなわち、回路部において生じる応答遅れ要素として、移動平均による遅れを用いる。
そして、応答遅れ補償手段は、検出部において生じる応答遅れを補償する第1補償手段と、回路部において生じる応答遅れを補償する第2補償手段とを備える。
実施例1の吸入空気量検出装置(以下、検出装置と呼ぶ)は、例えば、車両に搭載されるエンジン1(内燃機関)の吸入空気流量を検出するものである。
図1に示すように、エンジン1は、各気筒の燃焼室2に空気を導入するための吸気通路3を有しており、吸気通路3には、上流側から順に、エアクリーナ5、AFM6、スロットルバルブ7、インジェクタ8が設けられている。
ECU13は、制御処理および演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを記憶するROM、RAM等の記憶手段、入力回路、出力回路等により構成される周知構造のコンピュータとして構成されている。
また、ECU13は、後述するAFM6の応答遅れを補償する応答遅れ補償手段としても機能する。
次に、AFM6の構成を図2を用いて説明する。
AFM6は、いわゆる、熱式エアフロメータであり、吸気通路3を形成するダクト15に取り付けられ、吸気通路3を流れる吸入空気(主流)の一部を取り込んでバイパス流路を形成するハウジング17と、バイパス流路に置かれてバイパス流路を流れる吸入空気流量に応じて信号を出力する検出部18と、検出部18から出力される信号を処理する回路部19とを備える。
なお、第1流路22は、吸入空気に含まれるダストを主流方向に直進させて、第2流路25へのダスト侵入を防止する役目をしている。
次に、AFM6の遅れ補償について説明する。
エンジン回転数とアクセル開度に基づいて算出した吸入空気流量(推定空気量)から噴射量を求める場合、推定空気量とAFM6で出力される吸入空気流量(検出空気量)との誤差を補正する必要がある。
しかし、このAFM6には応答遅れがあるため、AFM6の応答遅れを補償する必要がある。本実施例では、推定空気量をAFM6の応答遅れ相当分を遅らせて遅れ補償をした上で、推定空気量と検出空気量との誤差を用いて、推定空気量の誤差補正をし、誤差補正された空気量に基づいて噴射量を求めている。
以下、図3〜図5を用いて、推定空気量をAFM6の応答遅れ相当分を遅らせる演算処理の流れ、すなわち、AFM6の応答遅れを考慮した吸入空気流量の演算処理の流れについて説明する。
すなわち、AFM6の出力に応じて時定数τを求め、時定数τを用いて放熱量Wに対して1次遅れ処理を施す。
τ=u(2)*log(u(1))+u(3)
との数式によって求められている。ここで、u(1)は、AFM6の出力電圧Vgを変換して得られる流量gaであり、u(2)は定数α、u(3)は定数βである。
wi=(Wi−wi−1)*{1−exp(−(Δt/τ))}+wi−1
との数式によって求められている。
ここで、添え字iは今回値、添え字i−1は前回値を表す。Δtは演算周期である。
なお、図4のC部中、C1部では、1−exp(−u(1))との計算がなされているが、このu(1)はΔt/τである。
本実施例では、回路部19での演算処理時間に基づいて設定されたディレイ時間Δtdを用いて、ムダ時間要素遅れ処理を施す。すなわち、図5に示すように、吸入空気流量G1に対して、波形形状はそのままに、ディレイ時間Δtd分遅らせる処理を施して、吸入空気流量G2を得ている。
そして、吸入空気流量G2を用いて、検出空気量との誤差を補正し、誤差補正された空気量に基づいて噴射量を求める。
本実施例では、AFM6の応答遅れを補償する応答遅れ補償手段として、検出部18において生じる応答遅れを補償する第1補償手段と、回路部19において生じる応答遅れを補償する第2補償手段とをECU13内に備える。
すなわち、エンジン回転数とアクセル開度に基づいて算出された応答遅れを含まない吸入空気流量Gに対して、検出部18での遅れに加えて回路部19での遅れを加えたAFM6の応答遅れ相当分の遅れ処理を施した吸入空気流量G2を算出している。
これによれば、検出部18において生じる応答遅れだけではなく、回路部19において生じる応答遅れを補償することができるため、高精度にAFM6の応答遅れを補償することができる。
本実施例の第2補償手段は、ディレイ時間Δtdを用いたムダ時間要素に加えて、応答遅れ要素として移動平均による遅れを用いる。
すなわち、図6に示すように、吸入空気流量G1に対して、波形形状はそのままに、ディレイ時間Δtd分遅らせる処理を施し、さらに、移動平均処理を施すことにより、吸入空気流量G2を得ている。
なお、得られた吸入空気流量G2の波形は、移動平均処理が施されたものであるため、実施例1のようにディレイ時間Δtdを用いたムダ時間要素によって遅らせた波形(図6の破線で示す波形)よりも波形形状がなまる。
実施例では、検出部18として薄膜タイプが用いられていたが、発熱素子及び測温抵抗体としてそれぞれボビン状抵抗体を用いるタイプであってもよい。
また、実施例2では、第2補償手段が、ディレイ時間Δtdを用いたムダ時間要素に加えて、移動平均処理によって回路部19において生じる応答遅れを補償していたが、移動平均処理のみによって回路部19において生じる応答遅れを補償してもよい。
また、実施例では、第1補償手段において、流量に応じた放熱量を算出し、この放熱量に基づいて、1次遅れ要素を用いて、検出部18の放熱の遅れに起因する応答遅れを補償していたが、これに加えて、流路に起因する遅れ(主流の流量変化に対するバイパス流の流量変化の遅れ等)を補償してもよい(特開2006−2581号公報参照)。
3 吸気通路
6 AFM(熱式エアフロメータ)
13 ECU(応答遅れ補償手段(第1、2補償手段))
18 検出部
19 回路部
Claims (3)
- 内燃機関の吸気通路に配され、吸入空気流量に応じて信号を出力する検出部と、該検出部から出力される信号を処理する回路部とを有する熱式エアフロメータと、
前記熱式エアフロメータの応答遅れを補償する応答遅れ補償手段とを備える内燃機関の吸入空気量検出装置であって、
前記応答遅れ補償手段は、
前記検出部において生じる応答遅れを補償する第1補償手段と、
前記検出部において生じる応答遅れの補償とは別に前記回路部において生じる応答遅れを補償する第2補償手段とを備えることを特徴とする内燃機関の吸入空気量検出装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の吸入空気量検出装置において、
前記第2補償手段は、前記回路部での演算処理時間に基づいて設定されたディレイ時間を用いて、前記回路部において生じる応答遅れを補償することを特徴とする内燃機関の吸入空気量検出装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関の吸入空気量検出装置において、
前記第2補償手段は、移動平均処理によって前記回路部において生じる応答遅れを補償することを特徴とする内燃機関の吸入空気量検出装置。
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