JP5593918B2 - スケールの回収方法およびそれを用いた鋼材の熱処理炉 - Google Patents

スケールの回収方法およびそれを用いた鋼材の熱処理炉 Download PDF

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Description

本発明は、鋼材に供給され、収集して循環使用される冷却水から、スケールを回収する方法およびそれを用いた鋼材の熱処理炉に関する。さらに詳しくは、本発明は、スケールを回収する作業を長期間にわたって行うことなく熱処理炉を稼働でき、熱処理炉の稼働率を向上させることができるスケールの回収方法およびそれを用いた鋼材の熱処理炉に関する。
熱処理において加熱された鋼材を冷却する際は、冷却装置により冷却水を供給して鋼材を直接冷却する方法が多用され、鋼材に供給されて冷却に使用された冷却水は、一般的に、収集して循環使用される。
図1は、従来の冷却水を循環使用する熱処理炉における冷却水フローを示す模式図である。同図に示す熱処理炉1は、鋼材を搬送する搬送装置4と、鋼材に冷却水を噴射して供給する冷却装置3とを備える。また、同図に示す熱処理炉1は、冷却装置3により供給された冷却水を収集して循環使用するため、冷却に使用された冷却水を収集する集合器31と、集合器31から供給される冷却水を貯蔵する第1循環用ピット32と、第1循環用ピットと接続された第2循環用ピット33と、冷却水の温度を調整する冷却塔34とを備える。
集合器31は、仕切り板31aにより沈殿槽31cと循環口31bに区切られており、冷却装置から冷却水が供給される位置の下方に沈殿槽31cが配置される。冷却装置により鋼材に供給された冷却水の大部分は、集合器31が有する沈殿槽31cに流れ落ちて収集され、沈殿槽31cの上澄みが仕切り板31aを超えて循環口31bに溢れ出る。
また、同図に示す熱処理炉1は、集合器31の循環口31bに溢れ出た冷却水を第1循環用ピット32に供給する配管と、第2循環用ピット33に貯蔵された冷却水を冷却装置3に供給する水純ポンプ21および配管と、第1循環用ピット32に貯蔵された冷却水を冷却塔34に供給する取水ポンプ22および配管と、冷却塔34で温度が調整された冷却水を第2循環用ピット33に供給する戻しポンプ23および配管とを備える。
このような熱処理炉では、冷却水は、集合器31、第1循環用ピット32、第2循環用ピット33および冷却装置3の順で構成される循環経路を循環する(同図の白抜き矢印参照)。また、循環経路を循環する冷却水の一部は、第1循環用ピットに配置された取水ポンプ22により冷却塔に供給され、温度が調整された後、循環経路である第2循環用ピットに戻される。(同図の黒塗り矢印参照)
このような熱処理炉で鋼材に熱処理を施す手順は下記のとおりである。
(1)熱処理炉1で鋼材を所定温度に加熱した後、加熱された鋼材は搬送装置4により熱処理炉から搬出される。
(2)搬出された鋼材は、冷却装置から冷却水が供給される位置を通過することにより、冷却水が供給され、所定の冷却条件で冷却される。
また、鋼材に供給された冷却水は、下記の手順により循環使用される。
(1)鋼材に供給された冷却水は、集合器31が有する沈殿槽31cへ流れ落ちて収集される。
(2)沈殿槽31cに収集された冷却水は一定量を超えると、仕切り板31aを超えて循環口31bに溢れ出て、配管により第1循環用ピット32に供給されて貯蔵される。
(3)第1循環用ピット32に貯蔵された冷却水は、第1循環用ピット32に接続された第2循環用ピット33に流入する。
(4)第1循環用ピット32に貯蔵された冷却水の一部は、取水ポンプ22により冷却塔に供給され、冷却塔で温度を調整された後、戻しポンプ23により第2循環用ピット33に戻される。
(5)第2循環用ピット33に貯蔵された冷却水は、水純ポンプ21により冷却装置に供給され、鋼材に供給される。
ここで、鋼材に熱処理を施す際には、熱処理炉1で加熱された鋼材の表面にはスケールが形成される。このような鋼材に冷却水を供給すると、表面に形成されたスケールは剥離し、冷却水とともに収集されて循環経路に流入し、循環経路上で沈殿して堆積する。
図2は、従来の冷却水を循環使用する熱処理炉にスケールが堆積した状態を示す模式図である。同図では堆積したスケールをハッチングにて示す。冷却水を循環使用すると、同図に示すように、集合器31が有する沈殿槽31cや、第1循環用ピット32、第2循環用ピット33、冷却塔34の底部にスケールが沈殿して堆積する。
スケールが堆積した状態で、冷却水を循環使用して冷却装置3から鋼材に冷却水を供給すると、循環経路内に流入または堆積したスケールが、水鈍ポンプ21が備えるフィルターや配管を詰まらせたり、循環経路に配置されるポンプや、図示しないが配管に設けられたバブルを故障させたりし、冷却装置への冷却水の供給が停止するおそれがある。熱処理炉を用いて鋼材に熱処理を施している際に、冷却水の供給が停止すると、加熱された鋼材を所定の冷却条件で冷却できないことから、加熱された鋼材は製品不良となる。熱処理炉は連続して鋼材を加熱して冷却するものが多用されるので、冷却水の供給が停止すると、熱処理炉で加熱している鋼材の全てが製品不良となる。
循環経路内に流入または堆積したスケールにより、鋼材への冷却水の供給が停止するのを防止するため、従来の冷却水を循環使用する熱処理炉は、堆積したスケールを回収する作業を定期的に行う必要があった。堆積したスケールを回収する作業は、熱処理炉の停機を伴うとともに、手作業に頼っていることから極めて煩雑であり、熱処理炉の稼働率を悪化させ、熱処理される鋼材を用いた製品の生産能力を低下させ、熱処理に要する原単位を悪化させる要因となる。このため、堆積したスケールを回収する作業は、十分な頻度で計画されていないのが現状である。
スケールを回収する方法に関し、従来から種々の提案がなされており、例えば特許文献1および2がある。特許文献1では下記の工程を有するスケールの回収方法が提案されている。
(1)スケールが付着した熱間鍛造加工用の金型を離型剤で洗浄し、スケールを金型から離脱させる工程と、
(2)スケールを含んだ離型剤を貯留槽に導入し、スケールを沈殿させる工程と、
(3)沈殿したスケールを、貯留槽に設けられたスクレイパ付搬送手段のスクレイパによって掻き出し、貯留槽の排出口まで上昇させる工程と、
(4)貯留槽の排出口から排出されたスケールを回収手段まで搬送する工程とを有する。
特許文献1に記載のスケールの回収方法では、スクレイパ付搬送手段により、貯留槽に沈殿したスケールを自動的に回収することができ、煩雑な作業が不要となるとしている。しかし、貯留槽での沈殿により離型剤からスケールを完全に除去することは困難であることから、貯留槽でスケールが回収された離型剤を収集するタンクやその経路にスケールが流入し、沈殿して堆積する。このため、貯留槽でスケールが回収された離型剤を収集するタンクやその経路に堆積するスケールを回収する作業が定期的に必要となる。
特許文献2では、熱間鍛造中に発生して金敷周辺に飛散するスケールを、効率よく回収する方法が提案されており、その手順は下記のとおりである。
(1)金敷が設置されたテーブルを鍛造した後に所定方向に一時移動させ、
(2)移動したテーブルに向けて水を噴射してテーブル上のスケールを洗い流し、
(3)洗い流されたスケールと水とを回収装置で受けて、スケールを水と分別して回収する。
特許文献2に記載のスケールの回収方法では、スケールと水とを分別して回収する回収装置として、一次沈殿槽と二次沈殿槽が用いられている。熱処理炉で鋼材に供給された冷却水に含まれるスケールは多量であるので、沈殿槽を用いて冷却水からスケールを回収する場合は、熱処理炉の停機を伴うスケールの回収作業を、沈殿槽の容量に応じて定期的に行う必要がある。
沈殿槽を用いることなく冷却水からスケールを回収する方式として、濾過装置により冷却水からスケールを回収する方式が考えられる。しかし、熱処理炉で鋼材に供給された冷却水に含まれるスケールは多量であるので、熱処理炉の停機させた状態で、スケールの回収やフィルターの取り替えを頻繁に行う必要がある。したがって、フィルターにより冷却水からスケールを回収する方式は、実用的とはいえない。
特開2007−319884号公報 特開平5−92231号公報
前述の通り、従来の冷却水を循環使用する熱処理炉では、熱処理炉の停機を伴うスケールの回収作業を定期的に行う必要があり、熱処理炉の稼働率が悪化する問題がある。また、特許文献1および2に提案されるスケールの回収方法でも、停機を伴うスケールの回収作業を定期的に行う必要があり、熱処理炉の稼働率が悪化する問題が発生する。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、スケールを回収する作業を長期間にわたって行うことなく熱処理炉を稼働でき、熱処理炉の稼働率を向上させることができるスケールの回収方法およびそれを用いた鋼材の熱処理炉を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、次の通りである:
冷却装置により鋼材に供給され、集合器で収集して循環使用される冷却水から、スケールを回収する方法であって、前記集合器から前記冷却装置に至る循環経路に冷却水を流通させて循環使用する際に、前記集合器として、沈殿槽を有する集合器を、前記冷却装置から冷却水が供給される位置の下方に前記沈殿槽を配置して用い、前記沈殿槽で冷却水に含まれるスケールを沈殿させるとともに、その上澄みを循環させ、かつ、前記沈殿槽内からスケールを冷却水とともにスケール回収装置に排出し、排出された冷却水から前記スケール回収装置でスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を前記循環経路に戻し、前記沈殿槽内からスケールを冷却水とともにスケール回収装置に排出する際に、前記冷却装置から冷却水が供給される位置の下方において、冷却水が流れ落ちるのに伴って発生する乱流によって攪拌されるスケールを冷却水とともにスケール回収装置に排出することを特徴とするスケールの回収方法。
鋼材に冷却水を供給する冷却装置と、鋼材に供給された冷却水を収集し、かつ、沈殿槽を有する集合器と、前記集合器から前記冷却装置に至る循環経路と、前記沈殿槽内から冷却水とともにスケールを排出する排出ポンプと、前記排出ポンプにより排出された冷却水からスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を前記循環経路に戻すスケール回収装置とを備え、前記沈殿槽が、前記冷却装置から冷却水が供給される位置の下方に配置され、冷却水に含まれるスケールを沈殿させるとともに、その上澄みを循環させる沈殿槽であり、前記排出ポンプが、前記冷却装置から冷却水が供給される位置の下方において、冷却水が流れ落ちるのに伴って発生する乱流によって攪拌されるスケールとともに冷却水を排出することを特徴とする鋼材の熱処理炉。

本発明のスケールの回収方法は下記の顕著な効果を有する。
(1)集合器の沈殿槽からスケールを冷却水とともに排出し、排出された冷却水からスケール回収装置によりスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を循環経路に戻すことにより、単位時間当たりに循環経路に堆積するスケールの量を低減できる。
(2)このため、熱処理炉を停機させた状態でスケールを回収する作業を長期間にわたって行うことなく、熱処理炉を稼働できる。
本発明の鋼材の熱処理炉は、前述の本発明のスケールの回収方法を用いた鋼材の熱処理炉であることから、停機させた状態で循環経路内に堆積したスケールを回収する作業を長期間にわたって行うことなく、熱処理炉を稼働でき、その結果、熱処理炉の稼働率を向上させることができる。
従来の冷却水を循環使用する熱処理炉における冷却水フローを示す模式図である。 従来の冷却水を循環使用する熱処理炉にスケールが堆積した状態を示す模式図である。 本発明のスケールの回収方法および鋼材の熱処理炉による冷却水からスケールを回収するフローを説明する模式図である。
以下に、本発明のスケールの回収方法および鋼材の熱処理炉について、図面に基づいて説明する。
図3は、本発明のスケールの回収方法および鋼材の熱処理炉による冷却水からスケールを回収するフローを説明する模式図である。同図に示す熱処理炉1は、前記図1に示す熱処理炉の構成に加え、集合器31が有する沈殿槽31cからスケールを冷却水とともに排出する第1排出ポンプ12および配管と、第1循環用ピット32からスケールを冷却水とともに排出する第2排出ポンプ13および配管と、第1排出ポンプ12および第2排出ポンプ13により排出された冷却水からスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を第1循環用ピット32に戻すスケール回収装置14および配管と、スケール回収装置14で回収されたスケールが排出されるスケールバック15とを備える。
同図に示す熱処理炉では、冷却水は、集合器31、第1循環用ピット32、第2循環用ピット33および冷却装置3の順で構成される循環経路を循環する(同図の白抜き矢印参照)。
本発明のスケールの回収方法は、冷却装置3により鋼材に供給され、収集して循環使用される冷却水から、スケールを回収する方法であって、循環経路からスケールを冷却水とともにスケール回収装置14に排出し、排出された冷却水からスケール回収装置14でスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を循環経路に戻すことを特徴とする。
同図のハッチングを施した矢印で示すように、循環経路からスケールを冷却水とともにスケール回収装置14に排出し、スケール回収装置14でスケールが回収された冷却水を循環経路に戻すことにより、熱処理炉で冷却水を循環使用している状態で循環経路に流入したスケールを回収できる。このため、循環経路内に単位時間当たりに堆積するスケールの量を低減することができる。
冷却装置3により鋼材に供給された冷却水を収集する集合器31として、一般的に用いられるホッパーや水槽を採用することができる。集合器31として、沈殿槽31cを有する集合器31を、冷却装置3から冷却水が供給される位置の下方に沈殿槽31cを配置して用いると、冷却装置3から供給された冷却水の大部分が沈殿槽に流れ落ち、循環経路に流入するスケールの大部分を沈殿槽31cで早期に沈殿させることができる。これにより、循環経路を構成する配管がスケールで詰まったり、ポンプまたはバルブがスケールにより故障したりするのを低減できる。
沈殿槽31cを有する集合器31を用いて冷却水を収集する場合、沈殿槽31cに沈殿して堆積したスケールを回収する作業が定期的に必要となるので、第1排出ポンプ12により、沈殿槽31c内からスケールを冷却水とともにスケール回収装置14に排出する。これにより、熱処理炉で冷却水を循環使用している状態でスケールを回収でき、沈殿槽31c内に単位時間当たりに堆積するスケールの量を低減することができる。
鋼材に供給された冷却水の大部分は、冷却装置3から冷却水が供給される位置で流れ落ちるので、冷却装置3から冷却水が供給される位置の下方において、沈殿槽31c内に流れ落ちる冷却水により乱流が発生する。この乱流が発生する冷却装置3から冷却水が供給される位置の下方において、沈殿槽31c内からスケールを冷却水とともにスケール回収装置に排出する。これにより、堆積したスケールの一部が乱流により攪拌され、冷却水とともにスケール回収装置に排出されるので、効率よくスケールを回収することができる。したがって、攪拌機等の装置を追加することなく、循環経路内に単位時間当たりに堆積するスケールの量をさらに低減することができる。
したがって、本発明のスケールの回収方法は、前記図3に示すように、冷却装置3により鋼材に供給された冷却水を収集する際に、沈殿槽31cを有する集合器31を、冷却装置3から冷却水が供給される位置の下方に沈殿槽31cを配置して用い、循環経路からスケールを冷却水とともにスケール回収装置14に排出する際に、冷却装置3から冷却水が供給される位置の下方において、沈殿槽31c内からスケールを冷却水とともにスケール回収装置に排出するのがより好ましい。
本発明のスケールの回収方法は、スケールを冷却水とともに排出する排出ポンプに、従来から用いられている種々のポンプを用いることができる。設置およびメンテナンスが容易であることから、スケールを冷却水とともに排出する排出ポンプとして、汎用の水中ポンプやサンドポンプを用いるのが好ましい。
循環経路からスケールを冷却水とともに排出する排出ポンプは、循環経路を構成する各装置において、スケールが単位時間当たりに堆積する量や、堆積を許容することができる量(堆積許容量)に応じて配置するのが好ましい。例えば、前記図3に示す鋼材の熱処理炉では、第1循環用ピット32は堆積許容量に対して、単位時間当たりに堆積する量が多いことから、集合器31の沈殿槽31cに配置された第1排出ポンプ12に加えて、第1循環用ピット32に第2排出ポンプが配置される。
これにより、後述する実施例の本発明例2に示すように、熱処理炉で冷却水を循環使用している状態で循環経路に流入したスケールを回収できるとともに、熱処理炉を停機させた状態でスケールを回収する作業を長期間にわたって行うことなく、熱処理炉を稼働できる。
本発明のスケールの回収方法は、冷却水からスケールを回収するスケール回収装置に、マグネットセパレーターやサイクロンを採用することができる。マグネットセパレーターはスケール回収率がサイクロンより高いことから、本発明のスケールの回収方法はスケール回収装置にマグネットセパレーターを用いるのが好ましい。この他に濾過装置を用いてスケールを回収することも考えられる。しかし、濾過装置の場合はフィルターに目詰まりが生じ易いことから、本発明のスケールの回収方法はスケール回収装置に濾過装置を用いるのは不適切である。
本発明の鋼材の熱処理炉は、前述の本発明のスケールの回収方法を用いた鋼材の熱処理炉であり、冷却水を循環使用している状態で循環経路に流入したスケールを回収できる。このため、本発明の鋼材の熱処理炉は、循環経路内に単位時間当たりに堆積するスケールの量を低減することができ、停機させた状態で循環経路内に堆積したスケールを回収する作業を長期間にわたって行うことなく稼働することができ、その結果、熱処理炉の稼働率を向上させることができる。
熱処理の際に鋼材に供給された冷却水を収集して循環使用する試験を行い、本発明のスケールの回収方法および鋼材の熱処理炉を検証した。
[試験方法]
本発明例1では、前記図3に示す熱処理炉から、第2排出ポンプ13およびそれに接続された配管を除いた熱処理炉を用いて鋼材に熱処理を施し、鋼材に供給される冷却水を循環使用した。本発明例2では、前記図3に示す熱処理炉を用いて鋼材に熱処理を施し、鋼材に供給される冷却水を循環使用した。
本試験での試験条件は下記の通りとした。
冷却装置 :供給する冷却水の流量 3000l/min
スケール回収装置: マグネットセパレーター
(住友重機械ファインテック社製、型式:K−36(A−1型))
排出ポンプ :水中ポンプ(アイム電機社製、型式:KM−85)、
スケールとともに排出する冷却水の流量 360l/min
試験期間 :8ヶ月
比較例では、前記図1に示す熱処理炉を用い、加熱された鋼材に供給された冷却水を収集して循環使用した。本発明例では、スケール回収装置で回収されてスケールバック15に排出されたスケールの質量を測定した。本発明例および比較例ともに、沈殿槽31c、第1循環用ピット32、第2循環用ピット33または冷却塔34のいずれかに許容量を超えるスケールが堆積した時および試験期間を経過した時に熱処理炉を停機し、沈殿槽31c、第1循環用ピット32、第2循環用ピット33および冷却塔34からスケールを回収する作業を行い、回収されたスケールの質量を測定した。
表1に、スケール回収装置で回収されたスケール量(ton/月)、回収作業で回収されたスケール量(ton/月)およびその合計、並びにスケール回収装置での回収率(%)をそれぞれ示す。ここで、スケール回収装置での回収率(%)は、スケール回収装置で回収されたスケール量と回収作業で回収されたスケール量との合計に対し、スケール回収装置で回収されたスケール量が占める割合を百分率で表したものである。
Figure 0005593918
[試験結果]
表1に示す結果から、比較例1では、循環経路からスケールを冷却水とともにスケール回収装置へ排出することなく、冷却水を循環使用し、停機した状態で行う回収作業で7.34tonのスケールが回収された。
一方、本発明例1では、集合器31が有する沈殿槽31cからスケールを冷却水とともにスケール回収装置へ排出しつつ冷却水を循環使用し、スケール回収装置で2.42ton/月、停機した状態で行う回収作業で4.92ton/月のスケールが回収され、スケール回収装置での回収率は33%となった。また、本発明例2では、集合器31が有する沈殿槽31cおよび第1循環用ピット32からスケールを冷却水とともにスケール回収装置へ排出しつつ冷却水を循環使用し、スケール回収装置で3.45ton/月、停機した状態で行う回収作業で3.89ton/月のスケールが回収され、スケール回収装置での回収率は47%となった。
このように本発明例1および本発明例2では、比較例1と比べ、熱処理炉を停機させて行った回収作業で1ヶ月当たりに回収されるスケールの量が減少しているので、本発明のスケールの回収方法および鋼材の熱処理炉により、単位時間当たりに循環経路に堆積するスケールの量を低減できることが確認できた。
また、比較例1では、1ヶ月にわたり停機させた状態でスケールを回収する作業を行うことなく、熱処理炉を稼働できたのに対し、本発明例2では、2ヶ月にわたり停機させた状態でスケールを回収する作業を行うことなく、熱処理炉を稼働できた。このため、発明例2では、比較例1に比べ、熱処理炉の稼働率を3%向上させることができた。
これらから、本発明のスケールの回収方法および鋼材の熱処理炉は、循環経路からスケールを冷却水とともに排出し、排出された冷却水からスケール回収装置によりスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を循環経路に戻すことにより、単位時間当たりに循環経路に堆積するスケールの量が低減でき、熱処理炉の稼働率を向上できることが明らかになった。
本発明のスケールの回収方法は下記の顕著な効果を有する。
(1)集合器の沈殿槽からスケールを冷却水とともに排出し、排出された冷却水からスケール回収装置によりスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を循環経路に戻すことにより、単位時間当たりに循環経路に堆積するスケールの量を低減できる。
(2)このため、熱処理炉を停機させた状態でスケールを回収する作業を長期間にわたって行うことなく、熱処理炉を稼働できる。
本発明の鋼材の熱処理炉は、前述の本発明のスケールの回収方法を用いた鋼材の熱処理炉であることから、停機させた状態で循環経路内に堆積したスケールを回収する作業を長期間にわたって行うことなく、熱処理炉を稼働でき、その結果、熱処理炉の稼働率を向上させることができる。
したがって、本発明のスケールの回収方法およびそれを用いた鋼材の熱処理炉は、鋼材に熱処理を施す際に有効に利用することができる。
1:熱処理炉、 2:鋼材、 3:冷却装置、 4:搬送装置、 5:スケール、
6:冷却水、 12:第1排出ポンプ、 13:第2排出ポンプ、
14:スケール回収装置、 15:スケールバック、 21:水純ポンプ、
22:取水ポンプ、 23:戻しポンプ、 31:集合器、 31a:仕切り板、
31b:循環口、 31c:沈殿槽、 32:第1循環用ピット、
33:第2循環用ピット、 34:冷却塔

Claims (2)

  1. 冷却装置により鋼材に供給され、集合器で収集して循環使用される冷却水から、スケールを回収する方法であって、
    前記集合器から前記冷却装置に至る循環経路に冷却水を流通させて循環使用する際に、前記集合器として、沈殿槽を有する集合器を、前記冷却装置から冷却水が供給される位置の下方に前記沈殿槽を配置して用い、前記沈殿槽で冷却水に含まれるスケールを沈殿させるとともに、その上澄みを循環させ、かつ、
    前記沈殿槽内からスケールを冷却水とともにスケール回収装置に排出し、排出された冷却水から前記スケール回収装置でスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を前記循環経路に戻し、
    前記沈殿槽内からスケールを冷却水とともにスケール回収装置に排出する際に、前記冷却装置から冷却水が供給される位置の下方において、冷却水が流れ落ちるのに伴って発生する乱流によって攪拌されるスケールを冷却水とともにスケール回収装置に排出することを特徴とするスケールの回収方法。
  2. 鋼材に冷却水を供給する冷却装置と、
    鋼材に供給された冷却水を収集し、かつ、沈殿槽を有する集合器と、
    前記集合器から前記冷却装置に至る循環経路と、
    前記沈殿槽内から冷却水とともにスケールを排出する排出ポンプと、
    前記排出ポンプにより排出された冷却水からスケールを回収し、スケールが回収された冷却水を前記循環経路に戻すスケール回収装置とを備え、
    前記沈殿槽が、前記冷却装置から冷却水が供給される位置の下方に配置され、冷却水に含まれるスケールを沈殿させるとともに、その上澄みを循環させる沈殿槽であり、
    前記排出ポンプが、前記冷却装置から冷却水が供給される位置の下方において、冷却水が流れ落ちるのに伴って発生する乱流によって攪拌されるスケールとともに冷却水を排出することを特徴とする鋼材の熱処理炉。
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