JP5593844B2 - 船外機用内燃機関の空燃比制御装置および空燃比制御方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の船外機用内燃機関の空燃比制御装置の他の特徴とするところは、前記点火時期制御手段は、目標空燃比の移行過程の複数のタイミングで、前記各タイミングでの空燃比に応じて前記一部の気筒での点火時期を制御する点にある。
また、本発明の船外機用内燃機関の空燃比制御装置の他の特徴とするところは、前記点火時期制御手段は、前記各タイミングでの空燃比とエンジン回転数に応じて前記一部の気筒での点火時期を制御する点にある。
また、本発明の船外機用内燃機関の空燃比制御装置の他の特徴とするところは、前記各タイミングでの空燃比として、所定の希薄側の空燃比に対する空燃比の偏差を用いる点にある。
また、本発明の船外機用内燃機関の空燃比制御装置の他の特徴とするところは、前記点火時期制御手段は、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比から理論空燃比に移行させるときは前記一部の気筒での点火時期を遅角させ、目標空燃比を理論空燃比から所定の希薄側の空燃比に移行させるときは前記一部の気筒での点火時期を進角させる点にある。
本発明の船外機用内燃機関の空燃比制御方法は、内燃機関の排気系に配置され理論空燃比近傍で出力特性が変化するO2センサを備えた船外機用内燃機関における複数気筒の空燃比を制御する空燃比制御方法であって、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比に制御するオープンループ制御ステップと、前記オープンループ制御ステップにより目標空燃比を所定の希薄側の空燃比に制御している状態で、前記内燃機関の一部の気筒において、目標空燃比を理論空燃比に移行させ、前記O2センサの出力に基づいて決定されるフィードバック補正係数を用いてフィードバック制御するフィードバック制御ステップと、前記フィードバック補正係数に基づいて学習値を算出し、記憶部を書き換える学習値算出ステップと、前記フィードバック制御ステップにより、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比から理論空燃比に移行させるとき、及び、目標空燃比を理論空燃比から所定の希薄側の空燃比に移行させるときのうち少なくともいずれかにおいて、空燃比に応じて前記一部の気筒での点火時期を制御する点火時期制御ステップと、を有し、前記オープンループ制御ステップでは、前記記憶部に記憶されている学習値を前記内燃機関の全気筒に反映させて所定の希薄側の空燃比に制御することを特徴とする。
図1は、船外機の外観図である。図1に示すように、船外機10は船体1のトランサムボード2に取り付けられる。船外機10は全体がカバー11によって覆われることで、形状が整えられて構成されている。このカバー11の内部には、船外機用内燃機関としてのエンジン12が収容されている。また、船外機10の下方には、エンジン12を動力とし船体1を推進させるためのスクリュー13が配設されている。なお、本実施形態に係るエンジン12は、水冷4サイクルV型6気筒が採用されている。
CPU21は、ROM22に格納されたプログラムを実行して、各種センサ等から出力される信号に基づいて、インジェクタ30を介して空燃比を制御する。ROM22は、不揮発性メモリであって、CPU21が実行するプログラムやCPU21が各機器を制御するときの初期値や閾値等を格納している。RAM23は、揮発性メモリであって、CPU21が各機器を制御するときに算出した情報等を一時的に記憶している。EEPROM24は、書き換え可能な記憶部としての不揮発性メモリであって、CPU21が各機器を制御する場合の情報等、例えば空燃比を制御するための学習値を記憶している。
クランク角センサ41は、各気筒のクランクシャフト(不図示)に近接して配置され、所定のクランク角度で信号を出力する。なお、CPU21は、クランク角センサ41から出力された信号をカウントすることで、エンジン回転数を検出することができる。
吸気管圧力センサ43は、吸気管に配置され、吸気管内圧力の信号を出力する。
シリンダ壁温センサ44は、エンジン12のシリンダブロック(不図示)の温度の信号を出力する。
冷却水温度センサ45は、冷却水の温度の信号を出力する。
イグニッションスイッチ46は、操船者によりオンとオフとが選択できるように構成され、オンされることにより各機器に電力が供給され、オフされることにより各機器への電力が遮断される。
チルト&トリム角センサ47は、図1に示すように船体1に対する船外機10のトリム角βを検出し信号を出力する。
図3は、O2センサ48が配置されている位置を示す船外機の模式図であり、船外機を後方から見た図である。本実施形態では上述したようにV型6気筒のエンジン12が用い
られている。V型エンジンは、複数の気筒がシリンダ内であって、クランクシャフト(不図示)を中心に所定のバンク角でV字型に配置される。本実施形態のエンジン12では、6気筒のうち右側バンク14に3つの気筒(♯1、♯3、♯5)が配置され、左側バンク15に3つの気筒(♯2、♯4、♯6)が配置されている。
姿勢計49は、例えばジャイロセンサであって、船外機10の姿勢を検出し信号を出力する。
また、出力インタフェース26は、インジェクタ30やイグニッションコイル31を制御するための信号を送信する出力回路である。
特に、燃費を向上させるために、空燃比を理論空燃比よりも所定の希薄側の空燃比にして運転(希薄燃焼運転)させたい場合がある。しかし、例えばインジェクタ等の部品のばらつきにより、実際の空燃比が所定の希薄側の空燃比よりズレた空燃比になっている場合があり、この場合、O2センサ48は実際の空燃比が所定の希薄側の空燃比よりもどのくらいズレているかを検出することができない。したがって、例えば、実際の空燃比が所定の希薄側の空燃比よりもリッチ側にズレて運転されている場合、燃費を向上させることは困難である。
また、例えば学習値が算出された後に、船外機10が異なる船体に取り付けたり、純正ガソリンに代えてアルコール混合ガソリンが使用されたりする場合がある。この場合、前回学習した学習値で空燃比を制御しても、実際の空燃比は、所定の希薄側の空燃比よりズレた空燃比になってしまう。通常、船外機10の取り付けや燃料の給油はエンジン12を停止した状態で行うので、本実施形態では、エンジン始動後に初めて所定の条件を満たしたときに、再び学習値を算出し、算出した学習値を適用させてオープンループ制御することで、実際の空燃比を異なる使用環境や燃料に応じた所定の希薄側の空燃比に制御することができる。
まず、本実施形態では、空燃比制御をするときの燃料噴射量を、次式(1)によって算出する。
燃料噴射量Ti=基本燃料噴射量TP×
(1+フィードバック補正係数α+学習値α´+各種補正係数Coef)・・・式(1)
ここで、基本燃料噴射量TPは、吸気管圧力センサ43により検出された吸気管圧力に基づいて算出され、吸気温度や大気圧等により補正される値である。すなわち、現在の運転状態に応じた値が適用される。
フィードバック補正係数αは、フィードバック制御時にO2センサ48の出力に基づいて算出される値(%)であり、オープンループ制御時にはα=0になる。
学習値α´は、フィードバック制御時に算出されたフィードバック補正係数αの出力に基づいて算出される値(%)であり、フィードバック制御時およびオープンループ制御時にそれぞれ代入される。
各種補正係数Coefは、エンジン12の始動時、暖機時、加減速時等の条件で補正される係数(%)である。
イグニッションスイッチ46がオフされない場合、CPU21は、ステップS11に処理を戻し、RAM23に記憶されている学習値α´を用いて、オープンループ制御を行うことで、空燃比を目標空燃比に制御することができる。
まず、ステップS20では、CPU21は、全ての気筒(♯1〜♯6)について、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比にして運転(希薄燃焼運転)する。なお、本実施形態では、所定の希薄側の空燃比として18を適用するものとする。
具体的に、ステップS20では、CPU21は、RAM23に記憶された学習値α´を上述した式(1)に代入すると共に、フィードバック補正係数α=0を式(1)に代入して燃料噴射量を算出し、オープンループ制御にて目標空燃比が18になるように制御する。ここで、RAM23に記憶されている学習値α´は、前回のエンジン始動時において記憶した学習値であるため、今回、異なる船体に取り付けられていたり、アルコール混合ガソリンが給油されたりして、使用環境や燃料が異なっている場合には、目標空燃比に対して実際の空燃比がズレてしまう。
図7(a)は目標空燃比に対して実際の空燃比の変動を示すグラフであり、図7(b)はフィードバック補正係数の変位を示すグラフである。ここでは、図7(a)に示すように、目標空燃比に対して実際の空燃比がSだけズレているものとする。
まず、ステップS41では、CPU21は、現在のエンジン回転数が、空燃比が安定するエンジン回転数であるか否かを判定する。空燃比が安定するエンジン回転数の場合ステップ42に処理を進め、条件を満たさない場合ステップS48に処理を進める。ステップS48では、移行条件成立フラグFaを0にしてRAM23に記憶し、目標空燃比を理論空燃比に移行させないようにする。ステップS41のような判定を行うのは、エンジン回転数が高回転である場合、あるいは低回転である場合、空燃比が安定せず正確なフィードバック制御を行うことができないためである。ステップS41では、エンジン回転数が、例えば2000rpm以上4000rpm以下であるか否か等、ROM22に記憶された閾値に基づいて判定される。
ステップS22では、CPU21は、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比18にして運転している状態から、目標空燃比を理論空燃比14.7に移行させる。本実施形態では、CPU21は、6つの気筒(♯1〜♯6)のうち一部の気筒であって、O2センサ48が配置された左側バンク15の気筒(♯2、♯4、♯6)についてのみ理論空燃比に移行させる。このとき、CPU21は、フィードバック補正係数α=0にしたまま、基本噴射量TPを増加させ、目標空燃比が理論空燃比14.7になるように運転する。なお、このとき、CPU21は式(1)の学習値α´には、前回の学習値を代入したまま、基本噴射量TPを変動させる。
ステップS24では、CPU21は、目標空燃比を理論空燃比に移行してから、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過した場合ステップS25に処理を進め、所定時間が経過していない場合ステップS23に処理を戻し、所定時間が経過するのを待機する。ステップS24のような処理を行うのは、図7(a)に示すように、移行条件が成立した後、目標空燃比を理論空燃比にしてから実際の空燃比が一定の空燃比になるまでにタイムラグがあるためである。なお、ここでの所定時間は、現在のエンジン回転数に応じた時間が適用される。
ステップS26では、CPU21は、フィードバック制御を実行する。本実施形態では、CPU21は、6つの気筒(♯1〜♯6)のうち一部の気筒であって、O2センサ48が配置された左側バンク15の気筒(♯2、♯4、♯6)についてのみフィードバック制御を行う。
具体的には、図7(a)および(b)に示すように、現在の空燃比を検出しているO2センサ48が理論空燃比よりもリッチ側の信号を出力している場合、CPU21はフィードバック補正係数αを減少させて、空燃比をリーン側に制御する。逆に、O2センサ48が理論空燃比よりもリーン側の信号を出力している場合、CPU21はフィードバック補正係数αを増加させて、空燃比をリッチ側に制御する。このような処理を繰り返すことで、図7(b)に示すように、フィードバック補正係数αの値が減少と増加とが交互に繰り返される。また、図7(a)に示すように、実際の空燃比が理論空燃比を中心としてリッチ側とリーン側とを交互に反転が繰り返され、フィードバック制御が行われる。なお、このとき、CPU21は式(1)の学習値α´には、前回の学習値を代入したまま、フィードバック補正係数αを変動させる。このように、前回の学習値を適用させた状態でフィードバック補正係数αを変動させることで、前回の学習を利用することができるので、フィードバック補正係数αの変動を少なくすることができる。すなわち、フィードバック補正係数αの変動を少なくすることは、燃料噴射量Tiの変動も少なくなることであり、結果としてエンジン12の挙動の変動を少なくすることができる。
ステップS29では、CPU21は、学習条件が成立した後、空燃比がリーン側からリッチ側に反転するときのフィードバック補正係数およびリッチ側からリーン側に反転するときのフィードバック補正係数をサンプリングして、RAM23に記憶する。具体的には、図7(b)に示すように、例えば、リッチ側の反転時のフィードバック係数をそれぞれR1、R2・・・Rnとし、リーン側の反転時のフィードバック係数をそれぞれL1、L2・・・Lnとする。この場合、CPU21は、各フィードバック補正係数(R1、R2・・・RnおよびL1、L2・・・Ln)をRAM23に記憶する。本実施形態では、例えばn=6として、R1〜R6、L1〜L6の合計12のフィードバック補正係数をサンプリングする。
平均値A=(R1+R2+・・+Rn+L1+L2+・・+Ln)/2×n・・式(2)
なお、図7(b)では、平均値Aを一点鎖線で示している。
次に、CPUは、式(3)のように、前回の学習値α´に平均値Aを加算して、新たな学習値α´を算出する。
新たな学習値α´=(前回の学習値α´+平均値A)・・式(3)
この時点で、学習値が再学習され、前回の学習値α´が今回、式(3)で算出された新たな学習値α´に書き換えられ更新される。すなわち、CPU21は、RAM23に新たな学習値α´を記憶する。また、CPU21は、学習完了フラグFfに1を代入し、RAM23に記憶する。
RAM23に記憶された新たな学習値α´を用いて、燃料噴射量Tiを算出することで、現在の使用環境および燃料に応じた目標空燃比と実際の空燃比とのズレを補正することができる。
図7(a)に示すように、再学習した学習値α´を適用することで、実際の空燃比を目標とする所定の希薄側の空燃比に一致させることができる。
したがって、部品のばらつきに限られず、異なる使用環境や燃料による実際の空燃比と目標理論空燃とのズレを補正でき、実際の空燃比を目標とする所定の希薄側の空燃比に一致させることができる。
その後、上述した図4に示すメインフローチャートに戻り、ステップS14において、CPU21は、イグニッションスイッチ46がオフされた場合、CPU21は、ステップS30にてRAM23に記憶されている再学習された学習値α´を次回のエンジン12の始動時に適用できるようにEEPROM24に記憶する。
なお、上述した説明では、図7のフィードバック制御の内容を示すグラフのように、実際の空燃比が目標空燃比に対してリッチ側にズレている場合を例にして説明した。しかし、この場合に限られず、図8のフィードバック制御の内容を示すグラフのように、実際の空燃比が目標空燃比に対してリーン側にズレている場合(例えば純正ガソリンからアルコール混合ガソリンに燃料が変更されたとき等)がある。図8(a)は目標空燃比に対して実際の空燃比の変動を示すグラフであり、図8(b)はフィードバック補正係数の変位を示すグラフである。この場合であっても、同様に異なる使用環境や燃料による実際の空燃比と目標理論空燃とのズレを補正でき、実際の空燃比を目標とする所定の希薄側の空燃比に一致させることができる。
また、エンジン始動後に初めて所定の条件を満たしたときに、目標空燃比に対する実際の空燃比のズレを学習することで、部品のばらつきに限られず使用環境や燃料に応じた学習値を算出でき、結果として、実際の空燃比を目標とする所定の希薄側の空燃比に一致させることができる。
また、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比に制御している状態から目標空燃比を理論空燃比にしてフィードバック制御を行うので、従来のように空燃比が所定の希薄側の空燃比で運転され続けてしまうと学習値を再学習できないおそれがあるという問題を解消することができる。
また、本実施形態では、目標空燃比を理論空燃比に移行したり、フィードバック制御を実行したり、フィードバック補正係数をサンプリングしたりするとき、所定の条件を満たしたときに初めて次の処理に移行するので、正確な学習値を算出することができる。
例えば、上述では図5のフローチャートに示すステップS21の移行条件、ステップS25の実行条件およびステップS28の学習条件は、全て図6に示す条件成立の判定方法のフローチャートと同一であるものとして説明した。しかしながら、この場合に限られず、ステップS21の移行条件、ステップS25の実行条件、ステップS28の学習条件に進むにしたがい、条件が厳しくなるように設定してもよい。
また、例えば、ステップS28の学習条件では、図6に示すフローチャートのステップS41からステップS46の全てを判定し、ステップS21の移行条件およびステップS25の実行条件では、図6に示すフローチャートのステップS41からステップS46のうち、一部のステップの処理を省略するようにしてもよい。
また、本実施形態では、O2センサ48が配置されている排気管に対応する3つの気筒をフィードバック制御する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、O2センサ48に最も近接した気筒♯2のみをフィードバック制御し、フィードバック制御した結果を全気筒に反映させてもよい。このように、1つの気筒のみをフィードバック制御することで、CPU21は、迅速に学習値を算出することができる。
Claims (6)
- 内燃機関の排気系に配置され理論空燃比近傍で出力特性が変化するO2センサを備えた船外機用内燃機関における複数気筒の空燃比を制御する空燃比制御装置であって、
目標空燃比を所定の希薄側の空燃比に制御するオープンループ制御手段と、
前記オープンループ制御手段により目標空燃比を所定の希薄側の空燃比に制御している状態で、前記内燃機関の一部の気筒において、目標空燃比を理論空燃比に移行させ、前記O2センサの出力に基づいて決定されるフィードバック補正係数を用いてフィードバック制御するフィードバック制御手段と、
前記フィードバック補正係数に基づいて学習値を算出し、記憶部を書き換える学習値算出手段と、
前記フィードバック制御手段により、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比から理論空燃比に移行させるとき、及び、目標空燃比を理論空燃比から所定の希薄側の空燃比に移行させるときのうち少なくともいずれかにおいて、空燃比に応じて前記一部の気筒での点火時期を制御する点火時期制御手段と、を有し、
前記オープンループ制御手段は、前記記憶部に記憶されている学習値を前記内燃機関の全気筒に反映させて所定の希薄側の空燃比に制御することを特徴とする船外機用内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記点火時期制御手段は、目標空燃比の移行過程の複数のタイミングで、前記各タイミングでの空燃比に応じて前記一部の気筒での点火時期を制御することを特徴とする請求項1に記載の船外機用内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記点火時期制御手段は、前記各タイミングでの空燃比とエンジン回転数に応じて前記一部の気筒での点火時期を制御することを特徴とする請求項2に記載の船外機用内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記各タイミングでの空燃比として、所定の希薄側の空燃比に対する空燃比の偏差を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の船外機用内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記点火時期制御手段は、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比から理論空燃比に移行させるときは前記一部の気筒での点火時期を遅角させ、目標空燃比を理論空燃比から所定の希薄側の空燃比に移行させるときは前記一部の気筒での点火時期を進角させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の船外機用内燃機関の空燃比制御装置。
- 内燃機関の排気系に配置され理論空燃比近傍で出力特性が変化するO2センサを備えた船外機用内燃機関における複数気筒の空燃比を制御する空燃比制御方法であって、
目標空燃比を所定の希薄側の空燃比に制御するオープンループ制御ステップと、
前記オープンループ制御ステップにより目標空燃比を所定の希薄側の空燃比に制御している状態で、前記内燃機関の一部の気筒において、目標空燃比を理論空燃比に移行させ、前記O2センサの出力に基づいて決定されるフィードバック補正係数を用いてフィードバック制御するフィードバック制御ステップと、
前記フィードバック補正係数に基づいて学習値を算出し、記憶部を書き換える学習値算出ステップと、
前記フィードバック制御ステップにより、目標空燃比を所定の希薄側の空燃比から理論空燃比に移行させるとき、及び、目標空燃比を理論空燃比から所定の希薄側の空燃比に移行させるときのうち少なくともいずれかにおいて、空燃比に応じて前記一部の気筒での点火時期を制御する点火時期制御ステップと、を有し、
前記オープンループ制御ステップでは、前記記憶部に記憶されている学習値を前記内燃機関の全気筒に反映させて所定の希薄側の空燃比に制御することを特徴とする船外機用内燃機関の空燃比制御方法。
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