JP5591159B2 - ポリスチレン系多孔性フィルム - Google Patents
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Description
(A)成分と(B)成分とを質量比で、(A)/(B)=55〜80/20〜45(但し、(A)+(B)=100)の割合で含むポリスチレン系樹脂組成物を用いて成る成形体を、少なくとも1方向に延伸した空孔を有するフィルムであり、該(A)成分がポリスチレン系樹脂であり、該(B)成分が示差走査熱量計を用いて、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測定される結晶化熱量が40J/g以下であるポリプロピレン系樹脂であり、かつ、
(a)該空孔の平均長径セル径が0.1〜1.0μmの範囲内であり、
(b)該空孔のアスペクト比(平均値)が1.0〜6.0の範囲内であり、
(c)該空孔のセル密度(個/cm3)が1.0×10 10 〜1.0×10 12 の範囲内であることを特徴とする。
(A)成分と(B)成分とを含むポリスチレン系樹脂組成物を用いて成る成形体を、少なくとも1方向に延伸した空孔を有するフィルムであり、該(A)成分がスチレン系樹脂であり、該(B)成分が示差走査熱量計を用いて加熱速度10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測定される結晶化熱量が40J/g以下であるポリプロピレン系樹脂であり、該ポリスチレン系樹脂組成物を用いて成る成形体中の該(B)成分のドメイン直径のMD(成形体の流れ方向)とTD(MDと垂直をなす方向)の異方性が1.0〜2.0であり、かつ、
(a)該空孔の平均長径セル径が0.1〜1.0μmの範囲内であり、
(b)該空孔のアスペクト比(平均値)が1.0〜6.0の範囲内であり、
(c)該空孔のセル密度(個/cm 3 )が1.0×10 10 〜1.0×10 12 の範囲内であることを特徴とする。
なお、本発明において、「主成分」と表記した場合には、特にことわりのない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含し、特に当該主成分の含有割合を限定するものではないが、主成分とは例えば組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100質量%も含む)を占めることをいう。
(一軸延伸法)
一軸延伸法とは、成形体を一方向に延伸する方法である。その延伸温度は10〜100℃であることが好ましく、より好ましくは15〜80℃である。延伸温度が10℃未満では、スチレン系樹脂組成物のガラス転移温度以下となるため、延伸時に脆化し易く、延伸が困難となる場合が多い。一方、延伸温度が100℃を超えると、延伸時の多孔化性が乏しくなり易く、得られるポリスチレン系多孔性フィルムの光学反射特性が大幅に低下し易い。
逐次二軸延伸法とは、成形体を一方向に延伸(一段目の延伸)した後、該方向とは直角の方向に延伸(二段目の延伸)する方法である。その延伸温度は上述の一軸延伸法と同様の理由から、一段目の延伸および二段目の延伸共に10℃〜150℃であることが好ましく、15℃〜120℃がであることが更に好ましい。
同時二軸延伸法とは、成形体を互いに直交する二方向に同時に延伸する方法である。その延伸温度は、上述の一軸延伸法及び逐次二軸延伸法と同様の観点から、10℃〜100℃であることが好ましく、更に好ましくは、15℃〜85℃である。
Nf=(n/A)3/2
(1)結晶化温度(Tc)、結晶融解温度(Tm)
「Pyris 1 DSC」(株式会社パーキンエルマージャパン製)を用いて、使用したポリオレフィン系樹脂10mgを、日本工業規格JIS K7121に準じて、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解温度(Tm)(℃)、および、結晶化温度(Tc)(℃)を求めた。
「Pyris 1 DSC」(株式会社パーキンエルマージャパン製)を用いて、使用しポリオレフィン系樹脂10mgを、JIS K7122に準じて、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測定されたサーモグラムから結晶化熱量(ΔHc)(J/g)を求めた。
多孔性フィルムのMD断面(Edge View)の中心付近を、走査型電子顕微鏡(日立製作所製の「S−4500」)を用いて倍率3,000倍で観察し、顕微鏡視野の像中のすべての空孔の短径と長径を測定し、また、アスペクト比を得た。空孔の長径の平均値、および、アスペクト比の平均値を求めて、平均セル径および平均アスペクト比とした。
また、像中の空孔の数(n)と、顕微鏡視野の像全体の面積(A)を求めて、下記式に代入し、空孔のセル密度(Nf)を算出した。
Nf=(n/A)3/2
延伸する前の成形体について、JIS K−7198 A法に記載の動的粘弾性測定法に基づき、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーター「VES−F3」を用いて、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度が3℃/分、温度範囲が−100℃〜150℃で動的粘弾性測定を行い、損失正接(tanδ)のピーク温度を求めた。
(株)日立製作所製の分光光度計「U−4000」に積分球を取り付け、波長550nmの光に対する反射率を測定した。ただし、測定前にアルミナ白板の反射率が100%となるよう光度計を設定してから、反射率の測定を実施した。
1/1000mmのダイヤルゲージを用いて、フィルムの面内の不特定の10箇所を測定し、その平均値を算出した。
ポリスチレン系樹脂(A)としてHIPS(PSジャパン社製の「H9152」(MFR=5.5:200℃×5kgf)(以下、「A−1」と略記することがある)を70質量%と、ポリプロピレン系樹脂(B)としてプロピレン−α−オレフィン共重合体であるダウケミカル社製の「バーシファイ2400」(α−オレフィン:エチレン(比率11.5%))、ΔHc=6.8J/g、Tc=34℃、Tm=126℃、MFR=2.0g/10min:230℃×2.16kgf)(以下、「B−1」と略記することがある)を30質量%と、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体(C)として、旭化成(株)製の「タフテックP2000」(スチレン含有量=67%、MFR=3.0g/10min:190℃×2.16kg)(以下「C−1」と略記することがある)を6質量%とからなる混合物を、Tダイを具備した押出機を用いて、設定温度210℃で溶融混練し、賦形し、キャストロールで急冷製膜して成形体を形成した。次いで、得られた成形体をフィルムロール縦延伸機を用いて、表1に示す条件1の延伸温度及び延伸倍率で延伸を行ってポリスチレン系多孔性フィルムを得た。
実施例1において、A−1とB−1の混合割合をA−1/B−1=50/50質量%に変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムには内部に空孔が形成されていなかった。このフィルムについて、動的粘弾性測定および反射率の測定を行った。その結果を表2に示す。
実施例1において、延伸条件を表1に示す条件2の延伸温度及び延伸倍率に変更した以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系多孔性フィルムを作製した。得られたポリスチレン系多孔性フィルムについて実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例1において、延伸条件を表1に示す条件3の延伸温度及び延伸倍率に変更した以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系多孔性フィルムを作製した。得られたポリスチレン系多孔性フィルムについて実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例1において、延伸条件を表1に示す条件4の延伸温度及び延伸倍率に変更した以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系多孔性フィルムを作製した。得られたポリスチレン系多孔性フィルムについて実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例1において、A−1とB−1の混合割合をA−1/B−1=100/0質量%に変更し、かつ、(C)成分を含有しないこと(すなわち、(C)成分=0)にした以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。得られたフィルムには延伸直後に破断した。
Claims (5)
- (A)成分と(B)成分とを質量比で、(A)/(B)=55〜80/20〜45(但し、(A)+(B)=100)の割合で含むポリスチレン系樹脂組成物を用いて成る成形体を、少なくとも1方向に延伸した空孔を有するフィルムであり、該(A)成分がスチレン系樹脂であり、該(B)成分が示差走査熱量計を用いて加熱速度10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測定される結晶化熱量が40J/g以下であるポリプロピレン系樹脂であり、かつ、(a)該空孔の平均長径セル径が0.1〜1.0μmの範囲内であり、(b)該空孔のアスペクト比(平均値)が1.0〜6.0の範囲内であり、(c)該空孔のセル密度(個/cm 3 )が1.0×10 10 〜1.0×10 12 の範囲内であることを特徴とするポリスチレン系多孔性フィルム。
- (A)成分と(B)成分とを含むポリスチレン系樹脂組成物を用いて成る成形体を、少なくとも1方向に延伸した空孔を有するフィルムであり、該(A)成分がスチレン系樹脂であり、該(B)成分が示差走査熱量計を用いて加熱速度10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測定される結晶化熱量が40J/g以下であるポリプロピレン系樹脂であり、該ポリスチレン系樹脂組成物を用いて成る成形体中の該(B)成分のドメイン直径のMD(成形体の流れ方向)とTD(MDと垂直をなす方向)の異方性が1.0〜2.0であり、かつ、(a)該空孔の平均長径セル径が0.1〜1.0μmの範囲内であり、(b)該空孔のアスペクト比(平均値)が1.0〜6.0の範囲内であり、(c)該空孔のセル密度(個/cm 3 )が1.0×10 10 〜1.0×10 12 の範囲内であることを特徴とするポリスチレン系多孔性フィルム。
- 前記ポリスチレン系樹脂組成物は更に(C)成分を含有し、該(C)成分がビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系多孔性フィルム。
- 前記ポリスチレン系樹脂組成物の(A)成分と(B)成分と(C)成分との割合が、質量比で、(A)/(B)/(C)=55〜80/20〜45/1〜20(但し、(A)+(B)=100)であることを特徴とする請求項3に記載のポリスチレン系多孔性フィルム。
- 前記ポリスチレン系樹脂組成物は、動的粘弾性測定により周波数10Hzで測定した時の損失正接のピーク温度が少なくとも2つ存在し、かつ、低温側のピーク温度が−100℃〜−30℃の範囲内に存在し、かつ高温側のピーク温度が100〜150℃の範囲内に存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリスチレン系多孔性フィルム。
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