JP4777280B2 - ポリプロピレン系反射シート及びそれを用いた反射板 - Google Patents
ポリプロピレン系反射シート及びそれを用いた反射板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4777280B2 JP4777280B2 JP2007062004A JP2007062004A JP4777280B2 JP 4777280 B2 JP4777280 B2 JP 4777280B2 JP 2007062004 A JP2007062004 A JP 2007062004A JP 2007062004 A JP2007062004 A JP 2007062004A JP 4777280 B2 JP4777280 B2 JP 4777280B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- polypropylene
- component
- temperature
- reflective sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)下記の(a)成分と(b)成分の混合物を主成分とし、各成分の割合が質量比で(a)/(b)=70/30〜90/10となるポリプロピレン系樹脂組成物から構成され、加圧ガスを用いて多孔化されてなるシートであって、該シートの波長550nmにおける反射率が97%以上であることを特徴とするポリプロピレン系反射シート。
(a)成分:結晶融解ピーク温度が150℃以上である結晶性ポリプロピレン系樹脂
(b)成分:ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体
(2)前記(b)成分は、ガラス転移温度が0℃以下であることを特徴とする(1)記載のポリプロピレン系反射シート。
(3)前記(b)成分は、スチレン含有量が5〜25質量%であるスチレン・共役ジエン系ランダム共重合体の水素添加誘導体であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリプロピレン系反射シート。
(4)前記加圧ガスが二酸化炭素であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリプロピレン系反射シート。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のポリプロピレン系反射シートを、金属板もしくは樹脂板に被覆してなることを特徴とする反射板。
なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特性する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものである。また、本発明における主成分とは、最も多量に含有されている成分のことであり、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含有する成分のことである。
また、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
(a)成分:結晶融解ピーク温度が150℃以上である結晶性ポリプロピレン系樹脂
(b)成分:ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体
このうち不活性ガスである二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴンは非可燃性であり、更に無毒性、安価、ほとんどの樹脂組成物に対して非反応性であるという点から二酸化炭素や窒素が好ましく、樹脂組成物への溶解度が比較的高い二酸化炭素が特に好ましい。
更にガスの含有温度及び/または含有圧力は各ガスにおける超臨界状態又は亜臨界状態となる温度及び/又は圧力とするのが特に好ましい。前記「超臨界状態」とは、気体と液体が共存できる限界の温度(臨界温度)及び圧力(臨界圧力)を越えた状態をさす。「亜臨界状態」とは、圧力または温度が臨界圧力または臨界温度の近傍にある状態を意味する。
好ましくは、臨界温度をTc、臨界圧力をPcとすると、温度が0.7Tc以上又は/及び圧力が0.7Pc以上である状態(ただし、温度がTc以上及び圧力がPc以上の場合を除く)である。特に圧力または温度のいずれか一方が臨界圧力または臨界温度を越えていることがより好ましい。
このような方法により得られる反射シートは、光の散乱性を高める顔料や微粒子を添加しなくても、良好な反射特性を示すことが可能となる。
また、上記のようにして得られたポリプロピレン系反射シートを光源の周囲を部分的に囲むような形状に成形することにより、照明器具用の光反射板を得ることができる。
パーキンエルマー社製、示差熱走査型熱量計DSC−7型を用い、JIS K7121に準じて、(a)成分である結晶性ポリプロピレン系樹脂、及び(b)成分であるビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体をDSC測定用アルミパンに約10mgを精秤し、−100℃から10℃/minの加熱速度にて200℃まで昇温したサーモグラムからガラス転移温度(Tg)及び結晶融解ピーク温度(Tm)を求めた。
(株)日立製作所製の分光光度計(U−4000)に積分球を取り付け、波長550nmの光に対する反射率を測定した。尚測定前に、アルミナ白板の反射率が100%となるよう光度計を設定し測定を実施した。
1/1000mmのダイアルゲージを用い、得られたシートの面内を不特定に10箇所測定し、その平均値を算出し、少数第3位を四捨五入した値を記載した。
ポリプロピレン系シートを形成する樹脂組成物としては、(a)成分としてホモポリプロピレン「日本ポリプロ社製:FY4」(結晶化ピーク温度=162℃)80質量部と、(b)成分として水素添加スチレンブタジエンラバー「JSR社製:ダイナロン1320P」(ガラス転移温度=−50℃、スチレン含有量=10%)20質量部とをドライブレンドしたものを、押出機設定温度180℃〜200℃に設定したφ25mm同方向ニ軸押出機(L/D=40)に投入して溶融混練し、ダイ温度200℃、ダイ幅300mm、リップギャップ1mmとなるTダイから押出し、キャスト温度30℃の設定でキャスティングし、幅=250mm、厚み=400μmのガス含有前シートを得た。ついで、得られたガス含有前シートを長さ30cmとなるように切り出し、切り出したシートを40℃に温調された圧力容器に投入し、炭酸ガス(二酸化炭素)で20MPaに加圧し、ガス含有前シートに炭酸ガス(二酸化炭素)を含有させた。シートへの炭酸ガス(二酸化炭素)の含有時間は12時間とした。その後、圧力容器のリークバルブを全解放し、減圧速度=1MPa/secで容器内の圧力を解放し、容器内からシートを取り出し、ガスが含有したシートを120℃に設定した熱風循環式熱処理炉内に1分間投入し、投入後圧空エアーで表面を冷却し本発明のポリプロピレン系反射シートを得た。得られた反射シートの厚さは640μmであった。得られた結果を表1に示す。また、得られた反射シートの中心付近の多孔分布のSEM像を図1に示す。
実施例1において、(a)成分をプロピレン−エチレン共重合体「日本ポリプロ社製:NEWCON NF2103A」(結晶融解ピーク温度=167℃)とした以外は同様の方法でポリプロピレン系反射シートを得た。得られた反射シートの厚さは660μmであった。
実施例1において、(b)成分を水素添加スチレンイソプレンラバー「クラレ社製:ハイブラー7125」(ガラス転移温度=−15℃、スチレン含有量=20%)とした以外は同様の方法でポリプロピレン系反射シートを得た。得られた反射シートの厚さは640μmであった。
実施例1において、(a)成分をプロピレン−エチレン共重合体「日本ポリプロ社製:ZELAS5053」と(結晶化ピーク温度=165℃)し、(b)成分を水素添加スチレンイソプレンラバー「クラレ社製:ハイブラー7125(ガラス転移温度=−15℃)」とし、ブレンド比率を質量比で(a)成分/(b)成分=75/25とした以外は同様の方法でポリプロピレン系反射シートを得た。得られた反射シートの厚さは650μmであった。
実施例1においてガス含有前シートの厚みを250μmとした以外は同様の方法でポリプロピレン系反射シートを得た。得られた反射シートの厚さは350μmであった。
ポリプロピレン系シートを形成する樹脂組成物をホモポリプロピレン「日本ポリプロ社製:FY4」(結晶化ピーク温度=162℃)のみとし、(b)成分を有さない以外は実施例1と同様の方法でシートを得た。得られたシートの厚みは400μmであった。(b)成分を有さない場合には多孔化が見受けられず、ガス含有前のシートと同様の透明性を有するシートとなった。
実施例1において、(a)成分と(b)成分の比率を質量比にて、(a)成分/(b)成分=50/50とした以外は同様の方法でシートを得た。得られたシートはガスが含有したシートを120℃に設定した熱風循環式熱処理炉内に1分間投入した直後は全体的に白化したが、経時的に空孔が消失しガス含有前のシートと同様の透明性を有するシートとなった。シートの厚みは400μmであった。
Claims (5)
- 下記の(a)成分と(b)成分の混合物を主成分とし、各成分の割合が質量比で(a)/(b)=70/30〜90/10となるポリプロピレン系樹脂組成物から構成され、加圧ガスを用いて多孔化されてなるシートであって、該シートの波長550nmにおける反射率が97%以上であることを特徴とするポリプロピレン系反射シート。
(a)成分:結晶融解ピーク温度が150℃以上である結晶性ポリプロピレン系樹脂
(b)成分:ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体 - 前記(b)成分は、ガラス転移温度が0℃以下であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系反射シート。
- 前記(b)成分は、スチレン含有量が5〜25質量%であるスチレン・共役ジエン系ランダム共重合体の水素添加誘導体であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリプロピレン系反射シート。
- 前記加圧ガスが二酸化炭素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリプロピレン系反射シート。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリプロピレン系反射シートを、金属板もしくは樹脂板に被覆してなることを特徴とする反射板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007062004A JP4777280B2 (ja) | 2007-03-12 | 2007-03-12 | ポリプロピレン系反射シート及びそれを用いた反射板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007062004A JP4777280B2 (ja) | 2007-03-12 | 2007-03-12 | ポリプロピレン系反射シート及びそれを用いた反射板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008224963A JP2008224963A (ja) | 2008-09-25 |
JP4777280B2 true JP4777280B2 (ja) | 2011-09-21 |
Family
ID=39843673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007062004A Expired - Fee Related JP4777280B2 (ja) | 2007-03-12 | 2007-03-12 | ポリプロピレン系反射シート及びそれを用いた反射板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4777280B2 (ja) |
-
2007
- 2007-03-12 JP JP2007062004A patent/JP4777280B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008224963A (ja) | 2008-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2355975B1 (en) | Colored diffusion sheets, methods of manufacture thereof and articles comprising the same | |
JP4943124B2 (ja) | ポリプロピレン系積層フィルムおよびガスバリア性フィルム | |
JP6633908B2 (ja) | 高強度を有するポリエチレンシーラントフィルム、およびこれを用いた包装体 | |
WO2018163612A1 (ja) | 発泡体及びその製造方法 | |
JP5117757B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む光反射部材、およびその製造方法 | |
JP2010100801A (ja) | アクリル系樹脂フィルムの製造方法及びアクリル系樹脂フィルム | |
JP2004309804A (ja) | 光反射体 | |
JP4777280B2 (ja) | ポリプロピレン系反射シート及びそれを用いた反射板 | |
JP4526986B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡シート成形用樹脂組成物及びそれから得られるポリオレフィン系樹脂発泡シート | |
JP4879767B2 (ja) | ポリプロピレン系反射シート及びそれを用いた反射板 | |
JP2006083236A (ja) | シール材 | |
JP2008303236A (ja) | 発泡体の製造方法及び発泡体 | |
JP5591159B2 (ja) | ポリスチレン系多孔性フィルム | |
JP2016117249A (ja) | 積層断熱シート | |
JP2015138151A (ja) | 光反射シート | |
JP7277281B2 (ja) | ポリエチレン系樹脂積層発泡シート、ポリエチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法 | |
EP4194203A1 (en) | Laminated film and packaging material | |
JP2012140630A (ja) | 発泡体の製造方法及び発泡体 | |
JP5598839B2 (ja) | 光拡散性発泡シートおよびその製造方法、バックライト装置、並びに照明装置 | |
JP2007045047A (ja) | ヒートシール性ポリオレフィン系発泡フイルム | |
JP2011038044A (ja) | ポリスチレン系多孔性フィルム | |
JP2016200795A (ja) | 反射フィルム、及びこれを備えてなる液晶表示装置、照明装置、装飾用物品 | |
JP4369311B2 (ja) | 軟質フィルムおよびその用途 | |
EP3689603A1 (en) | Process for producing laminated foam sheet and extruded laminated foam sheet | |
JP7288762B2 (ja) | 積層発泡シートの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091023 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110616 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110628 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110629 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4777280 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140708 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |