JP7288762B2 - 積層発泡シートの製造方法 - Google Patents
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Description
このような用途においては、通常、積層発泡シートへの埃や塵等の付着を抑制するために、積層発泡シートへの帯電防止性能の付与が行われる。積層発泡シートに帯電防止性能を付与する方法としては、例えば、共押出法により積層発泡シートを製造する際に、樹脂層を形成するための樹脂溶融物に高分子型帯電防止剤を配合して共押出を行い、高分子型帯電防止剤を含有する樹脂層を形成する方法が挙げられる(例えば、特許文献1)。
低分子量成分等の移行量を低減するためには、低分子量成分の含有量が少ない高分子型帯電防止剤を用いることが好ましい。低分子量成分の含有量が少ない高分子型帯電防止剤としては、アイオノマー樹脂が挙げられる。
しかしながら、共押出により、アイオノマー樹脂を含有するポリエチレン系樹脂層を形成し、ポリエチレン系樹脂発泡層に積層して、積層発泡シートを製造すると、所望される帯電防止性を安定して発現させることが難しく、良好な帯電防止性能を有する積層発泡シートを安定して製造することが困難であった。
[1]ポリエチレン系樹脂(A)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用樹脂溶融物と、ポリエチレン系樹脂(B)と高分子型帯電防止剤と揮発性可塑剤とを混練してなる樹脂層形成用樹脂溶融物とを共押出して、ポリエチレン系樹脂発泡層と、該発泡層に積層接着されたポリエチレン系樹脂層(ただし、該ポリエチレン系樹脂層が、ポリエチレン系樹脂と、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)、スチレン-αメチルスチレン共重合体、スチレン-pメチルスチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体及びスチレン-アクリロニトリル共重合体から選択されるポリスチレン系樹脂と、高分子型帯電防止剤と、スチレン系エラストマー(ただし、ゴム変性ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)を除く)とを含む混合樹脂組成物から形成されている場合を除く)とを有する積層発泡シートを製造する方法において、
該高分子型帯電防止剤が、アイオノマー樹脂であり、
該揮発性可塑剤が、沸点が120℃以下のアルコール(A)と、炭素数が3~5の飽和炭化水素及び/又はアルキル鎖の炭素数が1~3のジアルキルエーテル(B)とを含み、
該揮発性可塑剤の配合量が、該ポリエチレン系樹脂(B)と該アイオノマー樹脂との合計1kgあたり、0.1~10molであり、
該アルコール(A)の配合量が、該アイオノマー樹脂1kgあたり、1~25molであり、
該揮発性可塑剤における、該アルコール(A)と、該飽和炭化水素及び/又はジアルキルエーテル(B)とのモル比率が、5:95~95:5であることを特徴とする積層発泡シートの製造方法。
[2]前記アイオノマー樹脂が、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体のカリウムアイオノマーである、前記1に記載の積層発泡シートの製造方法。
[3]前記アイオノマー樹脂の表面抵抗率が1×1012Ω未満である、前記1又は2に記載の積層発泡シートの製造方法。
[4]前記アイオノマー樹脂の配合割合が、前記ポリエチレン系樹脂(B)と該アイオノマー樹脂との合計100重量%に対して、1~80重量%である、前記1~3のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
[5]前記アルコール(A)がエタノールを含み、該アルコール(A)中の該エタノールの割合が50重量%以上である、前記1~4のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
[6]前記飽和炭化水素がブタンであり、前記ジアルキルエーテルがジメチルエーテルである、前記1~5のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
[7]前記アイオノマー樹脂の、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレイトが3g/10分以下である、前記1~6のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
[8]前記ポリエチレン系樹脂(B)の、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレイトが1~20g/10分である、前記1~7のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
[9]前記積層発泡シート全体の見掛け密度が200kg/m3以下である、前記1~8のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
[10]前記積層発泡シートの全体厚みが0.05~2mmであり、該積層発泡シートの全体坪量が10~200g/m2である、前記1~9のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
[11]前記樹脂層の片面あたりの坪量が1~50g/m2である、前記1~10のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
[12]前記積層発泡シートの樹脂層表面の表面抵抗率が5×1012Ω未満である、前記1~11のいずれか一項に積層発泡シートの製造方法。
本発明においては、ポリエチレン系樹脂(A)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用樹脂溶融物と、ポリエチレン系樹脂(B)と高分子型帯電防止剤と揮発性可塑剤とを混練してなる樹脂層形成用樹脂溶融物とを共押出することにより積層発泡シートが製造される。
具体的には、発泡層形成用押出機にポリエチレン系樹脂(A)を供給し、加熱溶融して溶融樹脂とした後、物理発泡剤を圧入し、さらに混練して発泡層形成用樹脂溶融物とする。他方、樹脂層形成用押出機に、ポリエチレン系樹脂(B)と高分子型帯電防止剤とを供給し、加熱溶融して溶融樹脂とした後、揮発性可塑剤を圧入し、さらに混練して樹脂層形成用樹脂溶融物とする。得られた該発泡層形成用樹脂溶融物と該樹脂層形成用樹脂溶融物とを共押出用ダイに導入して積層し、低圧下(通常、大気圧)に共押出する。このように、樹脂層形成用樹脂溶融物と発泡層形成用樹脂溶融物とを積層すると共に、発泡層形成用樹脂溶融物を発泡させることにより、ポリエチレン系樹脂層がポリエチレン系樹脂発泡層に積層接着された積層発泡シートが得られる。
該ポリエチレン系樹脂(A)としては、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸ブチル共重合体等やこれらの混合物が挙げられる。
これらのポリエチレン系樹脂(A)の中でも、押出発泡性に優れ、得られた積層発泡シートがより緩衝性に優れたものとなることから、低密度ポリエチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
本明細書において、「低密度ポリエチレンを主成分とする」とは、低密度ポリエチレンがポリエチレン系樹脂中に50重量%以上含有されていることをいう。また、低密度ポリエチレンとは、密度0.91g/cm3以上0.93g/cm3未満のポリエチレン系樹脂をいう。
なお、ポリエチレン系樹脂(A)は、本発明の目的及び効果を阻害しない範囲で、ポリエチレン系樹脂以外の合成樹脂やエラストマー成分等を含んでいてもよい。
なお、本明細書におけるMFRは、JIS K 7210-1:2014(試験温度:190℃、荷重2.16kg)に基づき測定される値である。
該樹脂層は、ポリエチレン系樹脂(B)と高分子型帯電防止剤とを含む混合樹脂からなる。ポリエチレン系樹脂(B)としては、前述したポリエチレン系樹脂(A)と同様のポリエチレン系樹脂を用いることができ、これらの中でも、柔軟性に優れることから低密度ポリエチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。また、該ポリエチレン系樹脂(B)は、前記ポリエチレン系樹脂(A)と同じものを用いることが、発泡層との接着性に優れることからより好ましい。
該アイオノマー樹脂は、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体の分子間を、金属イオンで分子間架橋した樹脂である。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。また、金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム等が挙げられる。
なお、アイオノマー樹脂の表面抵抗率は、後述するように、JIS K6271(2001年)の方法に準じて測定することができる。
ポリエチレン系樹脂(B)のMFRは、ポリエチレン系樹脂(A)のMFRと同じか、ポリエチレン系樹脂(A)のMFRよりも高いことが好ましい。
かかる観点から、該融点Tmpは100~130℃であることがより好ましく、100~120℃であることがさらに好ましく、100~115℃であることが特に好ましい。
かかる観点から、該配合量の下限は、5重量%がより好ましく、さらに好ましくは8重量%である。また、該配合量の上限は、60重量%が好ましく、より好ましくは50重量%であり、さらに好ましくは30重量%であり、特に好ましくは20重量%である。
本発明において、樹脂層形成用樹脂溶融物を形成するために、溶融した前記混合樹脂に圧入され、ポリエチレン系樹脂(B)及び高分子型帯電防止剤と共に混練される揮発性可塑剤は、沸点が120℃以下のアルコール(A)と、炭素数が3~5の飽和炭化水素及び/又はアルキル鎖の炭素数が1~3のジアルキルエーテル(B)とを含む。
一方、ポリエチレン系樹脂に対する可塑化効果がより高い炭化水素またはジアルキルエーテルが揮発性可塑剤に含まれるため、ポリエチレン系樹脂の溶融粘度を低く維持することができる。そのため、発泡層形成用樹脂溶融物の押出発泡温度(100~140℃)に対応して比較的低い温度に設定された樹脂層形成用樹脂溶融物の押出温度条件においても、樹脂層形成用樹脂溶融物全体の溶融粘度を低く維持することができる。その結果、厚みが均一で、アイオノマー樹脂が前記混合樹脂中に均質に分散した樹脂層が形成され、さらに、良好な帯電防止性能を発揮できる導電ネットワーク構造が樹脂層中に形成されるものと考えられる。
これらの中では、アイオノマー樹脂の溶融粘度を十分に下げることができると共に、積層発泡シート製造時に取扱いが容易であることから、エタノールを用いることが好ましく、少なくともエタノールを含むアルコールを用いることが好ましい。
一方、該配合量が多過ぎると、揮発性可塑剤が樹脂と分離し、揮発性可塑剤がダイから噴き出すおそれがあると共に、樹脂層と発泡層の積層状態が悪化するおそれがある。かかる観点から、該配合量の上限は、前記ポリオレフィン系樹脂(B)と前記アイオノマー樹脂との合計1kgあたり、9molであることが好ましく、より好ましくは8mol、さらに好ましくは7molである。
かかる観点に加え、アイオノマー樹脂の含有量が少ない場合において、良好な積層発泡シートを安定して製造できることから、アルコール(A)と、飽和炭化水素及び/又はジアルキルエーテル(B)とのモル比率は、6:94~80:20であることが好ましく、8:92~70:30であることがより好ましく、9:91~60:40であることがさらに好ましく、10:90~50:50であることが特に好ましい。
かかる観点から、該配合量の下限は2molであることが好ましく、より好ましくは3molであり、さらに好ましくは4molであり、特に好ましくは6molである。一方、該配合量の上限は24molであることがより好ましく、さらに好ましくは22mol、特に好ましくは20molである。
本発明の積層発泡シートの製造は、樹脂層を形成するための溶融樹脂と発泡層を形成するための溶融樹脂とを共押出用ダイ内にて合流積層して押出発泡させる共押出発泡法により行われる。
該共押出発泡方法は、発泡層の形成と、発泡層への樹脂層の積層とが共押出用ダイを用いて行われるため、生産性に優れると共に、樹脂層と発泡層との間の接着力が高い積層発泡シートを得ることができる方法である。
共押出発泡法により積層発泡シートを製造する方法には、共押出用フラットダイを用いて、発泡性樹脂溶融物をシート状に押出し、積層発泡シートとする方法や、共押出用環状ダイを用いて、発泡性樹脂溶融物を筒状に押出して筒状積層発泡体を得て、次いで該筒状積層発泡体を切り開くことで積層発泡シートとする方法等がある。これらの中では、共押出用環状ダイを用いる方法が、幅が1000mm以上の幅広の積層発泡シートを容易に製造することができるので、好ましい。
間紙として使用した際の取り扱い性を高めるために、積層発泡シートは、発泡層の両面に樹脂層が積層接着された積層発泡シートとすることが好ましい。
かかる観点から、その上限は、1.5mmが好ましく、より好ましくは1.2mm、さらに好ましくは1.0mmである。一方、その下限は、より高い緩衝性を確保するために、0.1mmが好ましく、より好ましくは0.2mm、さらに好ましくは0.3mmである。
また、同様の観点から、積層発泡シートの全体坪量は、10~200g/m2であることが好ましく、より好ましくは15~100g/m2、さらに好ましくは20~80g/m2である。
また、積層発泡シートの見掛け密度は、前記積層発泡シートの坪量(g/m2)を積層発泡シートの厚み(mm)で除し、単位換算することで求められる。
樹脂層の坪量(g/m2)は、前記樹脂層の厚みに該樹脂層を構成している樹脂の密度を乗じ、単位換算を行なうことで求められる。
また、積層発泡シートの製造時における、樹脂層の吐出量X[kg/時]と、得られる積層発泡シートの幅W[m]と、単位時間あたりに押出される積層発泡シートの長さL[m/時]とを、下記(1)式に代入することにより、樹脂層全体の坪量[g/m2]を求めることもできる。なお、発泡層の両面に樹脂層が積層されている場合には、それぞれの樹脂層の吐出量の重量比から、各面の樹脂層の坪量を求めることができる。
樹脂層全体の坪量[g/m2]=〔1000X/(L×W)〕・・・(1)
積層発泡シートから所定寸法(例えば、縦100mm×横100mm×厚み:シート厚み)の複数の試験片を切り出し、この試験片を用いて、JIS K6271(2001年)の方法に準じて印加電圧500Vで印加してから1分後の表面抵抗値を測定し、得られた測定値の平均値から表面抵抗率を求めることができる。なお、高分子型帯電防止剤(アイオノマー樹脂)の表面抵抗率についても、JIS K6271(2001年)の方法に基づき、印加電圧500Vで印加してから1分後の表面抵抗値を測定し、得られた測定値の平均値から求めることができる。
表面抵抗率の測定装置として、例えばタケダ理研工業(株)製、型式:TR8601等を用いることができる。
実施例、比較例で使用したポリエチレン系樹脂、アイオノマー樹脂(高分子型帯電防止剤)、気泡調整剤、並びに評価方法を以下に記載する。
(1)略称「LDPE1」:NUC株式会社製「低密度ポリエチレン:商品名NUC8009」(密度917kg/m3、MFR9.0g/10分、融点107℃)
(1)略称「MK400」:三井・デュポンポリケミカル株式会社製エチレン系カリウムアイオノマー樹脂「エンティラMK400」(密度970kg/m3、MFR1.5g/10分、融点93℃、表面抵抗率1.0×107Ω)
混合ブタン(ノルマルブタン35重量%とイソブタン65重量%との混合物)
(1)エタノール:関東化学株式会社製「エタノール」:商品名エタノール(99.5)鹿1級
(2)ミックスエタノール:山一化学工業株式会社製「混合アルコール」:商品名ミックスエタノールNP
(エタノール:85.5wt%、イソプロピルアルコール4.9wt%、ノルマルプロピルアルコール9.6wt%)
(3)混合ブタン(ノルマルブタン35重量%とイソブタン65重量%との混合物)
(4)ジメチルエーテル
クエン酸と炭酸水素ナトリウムとを1:2の比率で配合した化学発泡剤
発泡層形成用の押出機として直径90mmの第一押出機と直径120mmの第二押出機2台の押出機が直列に接続されたタンデム押出機を使用し、樹脂層形成用の押出機として直径50mmの第三押出機を使用し、第二押出機の出口と第三押出機の出口が共押出用環状ダイに接続された装置を用いた。共押出用環状ダイは、ダイ中間部で樹脂層形成用樹脂溶融物が、筒状に流れる発泡層形成用樹脂溶融物の内側及び外側に合流積層される構造を有し、ダイ出口のリップの直径は94mmである。
ポリエチレン系樹脂(LDPE1)100重量部と、ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、1.6重量部の前記気泡調整剤とを第一押出機の原料投入口に供給し、加熱溶融混練して約200℃に調整し、溶融樹脂とした。該溶融樹脂に物理発泡剤として、混合ブタンを12重量部圧入し、さらに混錬し、次いで第一押出機の下流側に連結された第二押出機に供給して、樹脂温度を約112℃に調整して発泡層形成用樹脂溶融物を得た。
表2に示す配合に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂積層発泡シートを得た。
表2に示す配合に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエチレン系樹脂積層発泡シートを得た。
得られた積層発泡シートは、帯電防止性能が発現しないものであった。
なお、樹脂層の坪量は、全体坪量をもとに、発泡層と帯電防止層との吐出量の比から求めた。
また、積層発泡シート各面の表面抵抗率は、具体的には次のように測定した。得られた積層発泡シートから試験片(縦100mm×横100mm×厚み:試験片厚み)を無作為に3片切り出した。試験片の状態調節後、測定装置としてタケダ理研工業株式会社製「TR8601」を用い、印加電圧500Vで試験片に印加を開始してから1分後の表面抵抗率を測定した。表面抵抗率測定は試験片の両面に対して行ない(各面3回)、得られた測定値の算術平均を多層発泡シート各面の表面抵抗率とした。なお、表2中、S面はマンドレルと反対側に向けて引き取られた積層発泡シートの面であり、M面はマンドレルに向けて引き取られた積層発泡シートの面である。
○:表面抵抗率が1×1013Ω未満である。
×:表面抵抗率が1×1013Ω以上である。
Claims (12)
- ポリエチレン系樹脂(A)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用樹脂溶融物と、ポリエチレン系樹脂(B)と高分子型帯電防止剤と揮発性可塑剤とを混練してなる樹脂層形成用樹脂溶融物とを共押出して、ポリエチレン系樹脂発泡層と、該発泡層に積層接着されたポリエチレン系樹脂層(ただし、該ポリエチレン系樹脂層が、ポリエチレン系樹脂と、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)、スチレン-αメチルスチレン共重合体、スチレン-pメチルスチレン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体及びスチレン-アクリロニトリル共重合体から選択されるポリスチレン系樹脂と、高分子型帯電防止剤と、スチレン系エラストマー(ただし、ゴム変性ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)を除く)とを含む混合樹脂組成物から形成されている場合を除く)とを有する積層発泡シートを製造する方法において、
該高分子型帯電防止剤が、アイオノマー樹脂であり、
該揮発性可塑剤が、沸点が120℃以下のアルコール(A)と、炭素数が3~5の飽和炭化水素及び/又はアルキル鎖の炭素数が1~3のジアルキルエーテル(B)とを含み、
該揮発性可塑剤の配合量が、該ポリエチレン系樹脂(B)と該アイオノマー樹脂との合計1kgあたり、0.1~10molであり、
該アルコール(A)の配合量が、該アイオノマー樹脂1kgあたり、1~25molであり、
該揮発性可塑剤における、該アルコール(A)と、該飽和炭化水素及び/又はジアルキルエーテル(B)とのモル比率が、5:95~95:5であることを特徴とする積層発泡シートの製造方法。
- 前記アイオノマー樹脂が、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体のカリウムアイオノマーである、請求項1に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記アイオノマー樹脂の表面抵抗率が1×1012Ω未満である、請求項1又は2に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記アイオノマー樹脂の配合割合が、前記ポリエチレン系樹脂(B)と該アイオノマー樹脂との合計100重量%に対して、1~80重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記アルコール(A)がエタノールを含み、該アルコール(A)中の該エタノールの割合が50重量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記飽和炭化水素がブタンであり、前記ジアルキルエーテルがジメチルエーテルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記アイオノマー樹脂の、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレイトが3g/10分以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記ポリエチレン系樹脂(B)の、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレイトが1~20g/10分である、請求項1~7のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記積層発泡シート全体の見掛け密度が20~200kg/m3である、請求項1~8のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記積層発泡シートの全体厚みが0.05~2mmであり、該積層発泡シートの全体坪量が10~200g/m2である、請求項1~9のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記樹脂層の片面あたりの坪量が1~50g/m2である、請求項1~10のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法。
- 前記積層発泡シートの樹脂層表面の表面抵抗率が5×1012Ω未満である、請求項1~11のいずれか一項に積層発泡シートの製造方法。
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