JP5590914B2 - 家庭用薄葉紙収納容器 - Google Patents
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Description
そして、家庭用薄葉紙収納容器の取出部は、内部の家庭用薄葉紙を取り出す際に、当該薄葉紙を扱いて適度に摺動抵抗を付与するようになっており、これにより、家庭用薄葉紙をミシン目で分離させて一枚ずつの取り出しを可能としている。また、取出部は、その摺動抵抗により、取り出された家庭用薄葉紙の次の家庭用薄葉紙が容器内部に戻らないようにその端部を保持して、次の家庭用薄葉紙の取り出しを容易にする機能も併せ持っている。
また、家庭用薄葉紙には、予め一枚一枚が分離されており、一部を重ねながら積層された状態で容器内部に収納されているものもあるが、このような家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器の場合も、一番上の一枚を取り出す場合に取出部の摺動抵抗により次の家庭用薄葉紙の一部のみを引き出しつつ分離させる機能と次の家庭用薄葉紙の端部を保持する機能を有する取出部を具備している。
そこで、取出部より広く開口した開口部を取出部の隣りに連結して形成し、開口部から引き出した家庭用薄葉紙の端部を挟持部側に引き込むことで取出部への挿通作業をより容易に行うことを可能とする家庭用薄葉紙収納容器が案出されている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、家庭用薄葉紙の端部を開口部から引き出すことができたとしても、取出部の内側にアクセスすることができないので、引き出した家庭用薄葉紙の端部を開口部から取出部に導く作業は依然として煩雑であり、作業性の向上が十分とはいえなかった。
また、挿通部が蓋体に設けられているので、蓋体を開いた状態で、挿通部は開口部の外側に位置することとなり、挿通部の上側と下側のいずれにもアクセスすることができ、最初の家庭用薄葉紙を通す作業を容易に行うことが可能となる。
また、容器本体側に開口部を設け、蓋体側に挿通部を設ける構成としたので、開口部と挿通部と一体的につなげて容器本体に形成する場合と異なり、容器本体の剛性を損なわないことから、開口部をより大きなサイズで形成することができ、家庭用薄葉紙の取り出しも容易に行うことが可能となる。
また、蓋体を閉じると挿通部が開口部から容器本体の内側に入り込む配置で設けられているため、挿通部が妨げとならず、蓋体の開閉動作を円滑且つ確実に行うことが可能となる。
家庭用薄葉紙収納容器10は、図2に示すように、例えば、内側にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納するとともに、収納された家庭用薄葉紙Pを外側に取り出す開口部41が形成された容器本体20と、この容器本体20に開口部41を開閉するように取り付けられた蓋体としての小蓋50と、開口部41から引き出される家庭用薄葉紙Pを挿通させる挿通部60とを備えて構成されている。
この家庭用薄葉紙収納容器10に収納するロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目P1が施されており、そのミシン目に沿って切り離したサイズの家庭用薄葉紙Pを、ユーザが使用するようになっている。
容器本体20は、容器本体20の下部をなす有底円筒形状のボトル30と、容器本体20の上部をなす蓋40とで構成されている。
ボトル30は、円筒状であることから、前述したロール状の家庭用薄葉紙Pをほぼ同心位置に配置して収納することを可能としている。また、家庭用薄葉紙Pは、ロールの中心側から紙片を繰り出すようになっている。
このボトル30は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成されている。
蓋40は着脱可能であるため、ボトル30から取り外した状態では、ボトル30の内部に家庭用薄葉紙Pを充填することを可能とし、蓋40をボトル30に取り付けた状態では内部の家庭用薄葉紙Pのロールが外に出ないように保持することを可能とする。
この蓋40は、例えば、PEやPP、或いはPET、ABS樹脂等を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成されている。
また、凹部43の中央部には、円筒部44が立設されており、その内側が上下に貫通して開口部41となっている。この円筒部44の上端には周外に向かって突出したフランジ状の係止部44aが形成され、小蓋50を閉じたときに係止することを可能としている。
上記開口部41は、ボトル30に蓋40を取り付けたままの状態で内側の家庭用薄葉紙Pを取り出すためのものであり、その内径が少なくとも指二本分程度の幅以上とすることが望ましい。
小蓋50は、蓋40の天面部42の上面に回動可能に取り付けられており、Y軸回りの回動により開口部41の開閉を行うようになっている。
この小蓋50は、図1に示すように、その平面形状が略半長円状に形成されており、凹部43に嵌合させることが可能である。また、小蓋50の後端部には、蓋40の天面部42に形成された取付穴45に挿入する係止爪51が設けられており、これにより、小蓋50は蓋40に支持された状態となる。
また、小蓋50の後端部近傍にはY軸方向に沿って折曲可能とするヒンジ部52が形成されており、凹部43に嵌合して開口部41を閉じた状態(図4参照)から、図2に示す起立状態(開状態)まで回動することを可能としている。
なお、小蓋50は、蓋40と同様に、PEやPP、或いはPET、ABS樹脂等を用いて、射出成形、二色成形、ブロー成形等により一体的に形成されている。従って、小蓋50、蓋40は互いに可撓性を有しているので、小蓋40の前端部を上方に引っ張る操作で簡単に噛み合いを解いて小蓋50を開くことが可能となっている。
かかるバネ構造54は、ヒンジ部52において、前述した円筒部53と係止爪51に隣接する支持壁55との間に架設された平板状の構造体からなる。このバネ構造54は、ヒンジ部52の回動軸線に対して直交する方向に延設され且つ当該回動軸線から幾分ずれて配置され、小蓋53を閉じた時に自然長の状態となるようになっている(図3(A))。
そして、小蓋53を開状態に向けて起伏回動させると、円筒部53と支持壁55との間隔が広がってバネ構造54が引っ張られ、小蓋53に閉状態側へ復させる方向に張力を生じるが(図3(B))、さらに、これに抗して小蓋50を回動させると、円筒部53と支持壁55とが再び近接し、バネ構造54の長さが自然長に戻り、小蓋50は一定の起伏角度の状態(以下、これを小蓋50の「開状態」という)を維持することができる(図3(C))。
このように、バネ構造54により、閉状態と開状態の二位置に小蓋50はその回動角度が維持されるようになっている。
なお、このバネ構造53は、小蓋50と一体的に同じ素材から形成されているが、同様に機能する別部材、例えば、コイルバネや板バネで構成しても良い。
容器本体20の蓋40に設けられた開口部41は、内部の家庭用薄葉紙Pを取り出すためのものであるが、広く開口しているため、取り出される家庭用薄葉紙Pに対してほとんど抵抗を付与することがない。このため、各家庭用薄葉紙Pがミシン目で連接されているロール状の家庭用薄葉紙を使用する場合、最初の一枚を取り出すと、これに連接された次の家庭用薄葉紙Pも引き出されてしまうため、使用者が手で切り離さなければならない。また、一枚目の家庭用薄葉紙Pを切り離すと、次の家庭用薄葉紙Pは容器本体20の内側に戻ってまうため、次の家庭用薄葉紙Pを使うときには、再び開口部41に指を入れて引き出さなければならない。
このような煩雑性を解消するために、本実施形態である家庭用薄葉紙収納容器10には、小蓋50の裏面(小蓋50の閉状態で開口部41に対向する面)に家庭用薄葉紙Pを下から上に向かって挿通させる挿通部60が設けられている。
また、この挿通部60の先端部は、小蓋50を開状態と閉状態との間を回動させる際に、図2に示す矢印Kの軌跡をたどるようになっており、小蓋50の開閉動作時に開口部41やその周囲に挿通部60の先端部が接触しないよう配置されている。また、小蓋50を閉じた時に、挿通部60の先端部が家庭用薄葉紙Pのロールに届かない長さに設定されている。
次に、上述した家庭用薄葉紙収納容器10の使用時の取り扱いについて説明する。図4は小蓋50の閉状態、図5は小蓋50の開きかけの状態を示す動作説明図である。
まず、容器本体20内に家庭用薄葉紙Pのロールが収納され、図4に示す小蓋50が閉じられた状態からその前端部を引き上げると、蓋40と小蓋50の各突起部44a,53aの噛み合い状態が外れ、図5に示すように、小蓋50が上方に回動する。このとき、開口部41内に入り込んでいた挿通部60は徐々にその外部に移動する。また、小蓋50のバネ構造54は小蓋50の閉状態への復帰力を生じるが、これに抗してさらに小蓋50を引き上げると、小蓋50は図2に示す開状態で保持される。
また、この時、挿通部60は水平状態となり、開口部41のほぼ真上に位置する状態となる。
そして、家庭用薄葉紙Pの最初の一枚目を開口部41から引き出し、その端部を挿通部60の切り込み部61に対して下側から上側に押し込んで挿通させる。これにより、切り込み部61からのぞいた家庭用薄葉紙Pの先端部を挿通部60の上側から摘み、引き上げると、家庭用薄葉紙Pは切り込み部61で扱かれ、摺動抵抗を付与されながら引き出されることとなる。従って、次の家庭用薄葉紙Pと境にあるミシン目が切り込み部61を通過すると、当該ミシン目で家庭用薄葉紙が切り離され、一枚ずつの取り出しが行われる。また、ミシン目が通過してから切り離されるので次の家庭用薄葉紙Pの先端部が切り込み部61に保持され、容器本体20内への戻りが防止される。
さらに、家庭用薄葉紙Pが使い終わったときには、小蓋50を閉じると、家庭用薄葉紙Pの先端部を保持した状態のままで挿通部60は開口部41内に入り込み、次に、再び、家庭用薄葉紙Pを使用する際には、小蓋50を開けると、挿通部60が家庭用薄葉紙Pのの先端部を保持した状態で開口部41の外側に出てくることとなり、再度の挿通作業を不要とすることができる。
また、蓋40側に開口部41を設け、小蓋50側に挿通部60を設ける構成としたので、開口部と挿通部と一体的につなげて容器本体に形成する場合と異なり、容器本体20の剛性を損なわないことから、開口部41をより大きなサイズで形成することができ、家庭用薄葉紙Pの取り出しも容易に行うことが可能となる。
また、挿通部60は、小蓋60を閉じる開口部41から容器本体20の内側に入り込む配置で設けられているため、挿通部60が妨げとならず、小蓋50の開閉動作を円滑且つ確実に行うことが可能となる。
挿通部60は、小蓋50と一体的に成形しているが、挿通部60を単体の部品で形成し、接着などにより小蓋50に取り付けても良い。
また、挿通部60の家庭用薄葉紙Pの通過位置は上述した十字の切り込み部61に限らず、一文字のスリット、円形その他の形状の小孔、二つの部材の隙間を通す等、通過する際に家庭用薄葉紙Pを摺動して適度の抵抗を付与するいかなる構造を採用しても良い。また、挿通部60の通過位置のみ材質を替えて別部材としたり、隙間や穴の大きさを調節して家庭用薄葉紙Pに付与する摺動抵抗が適切となるように設計することが望ましい。
また、挿通部60は、上記の例のように、板状である必要はなく、小蓋50を開いたときに開口部41の上方に位置し、なお且つ、家庭用薄葉紙Pを挿通させることができる種々の構造(ブロック状、環状、棒状、その他)をとることが可能である。
挿通部60の通過位置である切り込み部61に対して、家庭用薄葉紙Pを下から挿通させる際に、家庭用薄葉紙Pの端部を容易に通過位置に導くためのガイド構造を挿通部60に追加しても良い。図6(A)〜(C)にガイド構造の具体例を図示する。
例えば、ガイド構造としては、図6(A)又は図6(B)に示すように、挿通部60の側方外縁部又は前方外縁部から通過位置である切り込み部61まで切り欠いた切り欠き62,63としても良い。この場合、外縁部から家庭用薄葉紙Pの端部を切り込み部61まで引き込むので、外縁部側を広く、切り込み部61に向かうにつれて狭くなる形状とすることが望ましい。
これらのガイド構造により、家庭用薄葉紙Pを挿通部60に挿通させる作業をより容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
20 容器本体
30 ボトル
40 蓋
50 小蓋(蓋体)
54 バネ構造
60 挿通部
61 切り込み部(通過位置)
62,63 切り欠き(ガイド構造)
64 開口部(ガイド構造)
P 家庭用薄葉紙
Claims (3)
- 内側に家庭用薄葉紙を収納すると共に、収納された前記家庭用薄葉紙を外側に取り出す開口部が形成された容器本体と、前記開口部を開閉するように前記容器本体に取り付けられた蓋体とを備える家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記開口部より狭小であって、前記家庭用薄葉紙を扱いて通過させる挿通部を、前記蓋体を閉じた状態で前記蓋体の前記開口部に対向する面に、当該面に対して交差する方向に向かって延出して前記開口部から前記容器本体の内側に入り込むように設けたことを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。 - 前記挿通部は、前記家庭用薄葉紙を通過させる通過位置に前記家庭用薄葉紙をガイドするための開口又は切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項1記載の家庭用薄葉紙収納容器。
- 前記蓋体は、前記容器本体に対して回動可能に設けられ、
前記挿通部は、前記蓋体を開いた状態で前記開口部に対向するように前記蓋体に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の家庭用薄葉紙収納容器。
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